JP5741924B2 - 赤外線センサ - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、保持体に設置した樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに設けられ保持体の導光部を介して赤外線を検知する赤外線検知用感熱素子と、樹脂フィルムに遮光状態に設けられ保持体の温度を検知する温度補償用感熱素子と、を備えた赤外線温度センサが提案されている。この赤外線温度センサでは、導光部の内側面に赤外線吸収膜を形成すると共に、樹脂フィルムにカーボンブラック等の赤外線吸収材料を含有させて赤外線の吸収を高めている。また、この赤外線温度センサは、アルミニウムなどの熱伝導度が大きい金属材料で形成された保持体内に設けられている。
これら特許文献1及び2の赤外線センサでは、樹脂フィルムにカーボンブラック等の赤外線吸収材料を含有させると共に一方の感熱素子側を温度補償用に遮光する構造が採用されているが、赤外線吸収材料を含有した樹脂フィルムの熱伝導が高く、赤外線検知用と温度補償用との感熱素子間で温度差分が生じ難いという不都合があった。また、これら感熱素子間で温度差分を大きくするためには、感熱素子間の距離を大きくする必要があり、全体形状が大きくなってしまい、小型化が困難になる問題がある。さらに、温度補償用の感熱素子を遮光する構造をケース自体に設ける必要があるため、高価になってしまう。
また、特許文献2では、熱伝導の良い枠体を採用しているため、赤外線吸収膜からの熱も放熱されてしまい感度が劣化する不都合がある。また、リード線が接続された松葉型のため、サーミスタとリード線との間で熱の空間伝導が生じてしまう。
さらに、一方の感熱素子について赤外線を筐体で遮光する構造を採用しているが、赤外線を遮っているだけで遮蔽部分が赤外線を吸収してしまい、遮蔽部分の温度が変化してしまうことからリファレンスとして不完全となってしまう不都合があった。
すなわち、従来の赤外線センサは、樹脂または金属からなるケース内に設置されているが、ケース自体が過熱され輻射熱を放出すると該輻射熱を受けた赤外線センサの感度が変化してしまう場合があった。例えば、特許文献3の赤外線センサの場合、図7および図8に示すように、絶縁性フィルム2を透過した赤外線により筐体7自体が過熱され輻射熱を放出すると該輻射熱を受けた絶縁性フィルム2の温度が変化して感熱素子3Aおよび感熱素子3Bの感度が変わってしまう不都合がある。また、筐体7と絶縁性フィルム2とに温度差があると、筐体7からの輻射熱により温度検出に影響が生じてしまうおそれがある。なお、高コストの金属に替えて低コストな樹脂で筐体7を形成すると、使用された樹脂の放射率の影響で特性が異なるため、製造ロットなどにより特性が変わったり、経年変化により特性が変わったりすることから、高精度な測定が難しいという不都合があった。
すなわち、この赤外線センサでは、第1の配線膜と赤外線反射膜とが、平面視において収納部の上部を塞ぐ形状とされているので、第1の配線膜と赤外線反射膜とにより絶縁性フィルムを透過して収納部内へ抜ける赤外線を収納部の上部全体で遮断することができ、筐体が加熱されることをさらに抑制することができる。
すなわち、この赤外線センサでは、筐体内の絶縁性フィルムに対向する底面に、赤外線を反射する底面反射膜が形成されているので、筐体内の底面から放射される輻射熱を底面反射膜で直接反射させて遮断することで対向する絶縁性フィルムや感熱素子への影響をさらに抑制することができる。
すなわち、この赤外線センサでは、筐体が樹脂で形成されているので、金属の場合に比べて安価に製造することができる。
すなわち、本発明に係る赤外線センサによれば、第1の配線膜が、第1の感熱素子の周囲にまで配されて第2の配線膜よりも大きな面積で形成されているので、大きな面積の第1の配線膜により絶縁性フィルムを透過する赤外線を遮断し、さらに筐体からの輻射熱を遮断して絶縁性フィルムへの熱影響を抑制すると共に、赤外線反射膜が形成された部分との熱容量が近づくことで変動誤差を小さくして高精度な温度検出が可能になる。
また、一対の第2の配線膜4Bは、線状に形成されており、その一端部にそれぞれ絶縁性フィルム2上に形成された第2の接着電極5Bが接続されていると共に、他端部にそれぞれ絶縁性フィルム2上に形成された第2の端子電極8Bが接続されている。
なお、上記第1の接着電極5A及び第2の接着電極5Bには、それぞれ第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bの端子電極3aが半田等の導電性接着剤で接着される。
この赤外線反射膜6は、絶縁性フィルム2よりも高い赤外線放射率を有する材料で形成され、上述したように、銅箔上に金メッキ膜が施されて形成されている。なお、金メッキ膜の他に、例えば鏡面のアルミニウム蒸着膜やアルミニウム箔等で形成しても構わない。この赤外線反射膜6は、第2の感熱素子3Bよりも大きなサイズでこれを覆うように形成されている。
この筐体7内の絶縁性フィルム2に対向する底面には、赤外線を反射する底面反射膜9が形成されている。この底面反射膜9は、上記赤外線反射膜6と同様の膜が採用可能である。
なお、筐体7が樹脂で形成されているので、金属の場合に比べて安価に製造することができる。
なお、この赤外線吸収膜は、第1の感熱素子よりも大きなサイズでこれを覆うように形成することが好ましい。また、赤外線吸収膜を設ける場合は、赤外線反射膜側の熱容量と略等しくなるように各配線膜を含めて面積や形状を設定する必要がある。
なお、感熱素子としては、上述したように薄膜サーミスタやチップサーミスタが用いられるが、サーミスタ以外に焦電素子等も採用可能である。
Claims (4)
- 絶縁性フィルムと、
該絶縁性フィルムの一方の面に互いに離間させて設けられた第1の感熱素子及び第2の感熱素子と、
前記絶縁性フィルムの一方の面に形成され前記第1の感熱素子に接続された導電性の第1の配線膜及び前記第2の感熱素子に接続された導電性の第2の配線膜と、
前記第2の感熱素子に対向して前記絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線反射膜と、
前記絶縁性フィルムの一方の面に固定されて該絶縁性フィルムを支持すると共に前記第1の感熱素子及び前記第2の感熱素子を内部の収納部に収納する筐体とを備え、
前記第1の配線膜が、前記筐体内の底面に対向配置されていると共に、前記第1の感熱素子の周囲にまで配されて前記第2の配線膜よりも大きな面積で形成され、前記絶縁性フィルムを透過して前記筐体に照射される赤外線を遮断すると共に前記筐体から放射される輻射熱を遮断することを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項1に記載の赤外線センサにおいて、
前記第1の配線膜と前記赤外線反射膜とが、平面視において前記収納部の上部を塞ぐ形状とされていることを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項1又は2に記載の赤外線センサにおいて、
前記筐体内の前記絶縁性フィルムに対向する底面に、赤外線を反射する底面反射膜が形成されていることを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の赤外線センサにおいて、
前記筐体が、樹脂で形成されていることを特徴とする赤外線センサ。
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JP2011091616A JP5741924B2 (ja) | 2011-04-16 | 2011-04-16 | 赤外線センサ |
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2011
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