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JP5740134B2 - エバポレータ - Google Patents

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Description

この発明は、たとえば自動車に搭載される冷凍サイクルであるカーエアコンに好適に使用されるエバポレータに関する。
この明細書および特許請求の範囲において、各図面の上下を上下というものとする。
この種のエバポレータとして、上下方向にのびる複数の熱交換チューブと、熱交換チューブの上下両端部が通じさせられた上下両ヘッダ部とを備えており、複数の熱交換チューブが通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置されることにより形成され、かつ冷媒が熱交換チューブ内を下から上に流れる上昇流チューブ群と、複数の熱交換チューブが通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置されることにより形成され、冷媒が熱交換チューブ内を上から下に流れる下降流チューブ群とが設けられ、複数のチューブ群が通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置されることにより形成された2つのチューブ列が通風方向に並んで設けられ、風下側チューブ列に3以上のチューブ群が設けられ、風上側チューブ列に風下側チューブ列のチューブ群の数よりも1つ少ないチューブ群が設けられ、隣り合うチューブ群での冷媒の流れ方向が異なっており、風下側および風上側チューブ列の熱交換チューブの上下両端部が、それぞれ風下側および風上側上下両ヘッダ部に通じさせられており、風下側上下両ヘッダ部に、風下側チューブ列のチューブ群の数と同数の区画が設けられるとともに、各区画に風下側チューブ列の各チューブ群の熱交換チューブが通じさせられ、風上側上下両ヘッダ部に、風上側チューブ列のチューブ群の数と同数の区画が設けられるとともに、各区画に風上側チューブ列の各チューブ群の熱交換チューブが通じさせられ、風下側上下両ヘッダ部のうちのいずれか一方のヘッダ部における一端の区画に冷媒入口が設けられ、風上側上下両ヘッダ部のうちの冷媒入口が設けられた風下側ヘッダ部と同じ側のヘッダ部における冷媒入口と同一端の区画に冷媒出口が設けられており、1つの上昇流チューブ群からなる上昇パスと、少なくとも1つの下降流チューブ群からなる下降パスとを有し、最終パスが上昇パスまたは下降パスとなるように上昇パスと下降パスとが交互に配置されるとともに、冷媒入口から流入した冷媒が、すべてのパスを通過して冷媒出口から流出するようになされ、風下側チューブ列の冷媒入口から最も遠い位置にある最遠チューブ群、および風上側チューブ列の冷媒出口から最も遠い位置にある最遠チューブ群の熱交換チューブにおける冷媒の流れ方向が上から下となっているとともにこれら2つの最遠チューブ群により1つの下降パスが形成され、風下側チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側に位置するチューブ群が上昇流チューブ群であり、上昇流チューブ群の熱交換チューブの上端部が通じる上ヘッダ部の冷媒流入側区画内と、上昇流チューブ群の冷媒流れ方向下流側に隣接する下降流チューブ群の熱交換チューブの上端部が通じる上ヘッダ部の冷媒流出側区画内とが、各区画における他方の区画側の端部の全体に形成された開口を介して通じさせられているエバポレータが提案されている(特許文献1参照)。
一般に、カーエアコンに用いられるエバポレータにおいて、カーエアコンが搭載された車両の車室内の快適性を向上させることを目的として、隣接する熱交換チューブどうしの間の通風間隙を通過してきた吹き出し空気温度である吐気温をエバポレータの各部において均一にすることが望まれるが、そのために、エバポレータ内を流れる冷媒の冷媒分流状態を調整する必要がある。
ところで、特許文献1記載のエバポレータにおいては、冷媒入口から流入した冷媒は、上記上昇流チューブ群および当該上昇流チューブ群よりも冷媒流れ方向上流側のチューブ群において一部が気化して気液に分離されるので、気液2相の冷媒が上記上昇流チューブ群の熱交換チューブの上端部が通じている上ヘッダ部の冷媒流入側区画内に流入する。
しかしながら、上昇流チューブ群の熱交換チューブの上端部が通じる上ヘッダ部の冷媒流入側区画内と、上昇流チューブ群の冷媒流れ方向下流側に隣接する下降流チューブ群の熱交換チューブの上端部が通じる上ヘッダ部の冷媒流出側区画内とが、各区画における他方の区画側の端部の全体に形成された開口を介して通じさせられているので、上記冷媒流入側区画内に流入した冷媒が真っ直ぐに流れて上記冷媒流出側区画内に流入することになり、気相成分と液相成分が十分にミキシングされないままで冷媒流出側区画内に流入する。したがって、液相成分は、重力の影響により下降流チューブ群の上流側に位置する熱交換チューブ内に多く流入し、気相成分は冷媒流出側区画内を下流側に流れ易くなることにより下流側に位置する熱交換チューブ内に多く流入する。その結果、上昇パスとなる上昇流チューブ群の冷媒流れ方向下流側に位置する下降パスとなる下降流チューブ群の熱交換チューブを流れる冷媒量が不均一になり、吐気温がエバポレータの各部において不均一になる。
特開2009−156532号公報
この発明の目的は、前記問題を解決し、上昇流チューブ群の冷媒流れ方向下流側に隣接する下降流チューブ群を構成する熱交換チューブへの冷媒の分流を均一化しうるエバポレータを提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)上下方向にのびる複数の熱交換チューブと、熱交換チューブの上下両端部が通じさせられた上下両ヘッダ部とを備えており、複数の熱交換チューブが通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置されることにより形成され、かつ冷媒が熱交換チューブ内を下から上に流れる上昇流チューブ群と、複数の熱交換チューブが通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置されることにより形成され、かつ上昇流チューブ群の冷媒流れ方向下流側に隣接するとともに、冷媒が熱交換チューブ内を上から下に流れる下降流チューブ群とからなる少なくとも1つのチューブ群組を備えており、上ヘッダ部に、1つのチューブ群組を構成する上昇流チューブ群の全熱交換チューブおよび下降流チューブ群の全熱交換チューブの上端部が通じる2つの区画が隣り合って設けられ、前記隣り合って設けられた2つの区画のうち上昇流チューブ群の全熱交換チューブの上端部が通じる1つの区画が熱交換チューブから冷媒が流入する冷媒流入側区画であり、同じく下降流チューブ群の全熱交換チューブの上端部が通じる1つの区画が熱交換チューブに冷媒が流出する冷媒流出側区画であり、前記上昇流チューブ群の熱交換チューブの上端部から前記冷媒流入側区画に流入した冷媒が、冷媒流入側区画に隣接した前記冷媒流出側区画内に入り、ついで前記下降流チューブ群の熱交換チューブ内に流入するようになっているエバポレータであって、
前記上ヘッダ部に隣り合って設けられた冷媒流入側区画および冷媒流出側区画の下部どうしの間に、前記冷媒流入側区画の下部から前記冷媒流出側区画の下部への冷媒の流れを阻止する流れ阻止部材が、前記上ヘッダ部の通風方向の全幅にわたって設けられ、流れ阻止部材に、前記冷媒流入側区画内側に突出し、かつ前記冷媒流入側区画内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げるとともに、冷媒の流れの向きを前記冷媒流出区画とは反対側に向ける横向き邪魔板が、前記冷媒流入側区画の通風方向の全幅にわたって設けられ、横向き邪魔板における上ヘッダ部の長手方向の寸法が、前記冷媒流入側区画における上ヘッダ部の長手方向の寸法よりも短くなっているエバポレータ。
2)複数のチューブ群が通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置されることにより形成された2つのチューブ列が通風方向に並んで設けられ、少なくともいずれか一方のチューブ列が、上昇流チューブ群と下降流チューブ群とからなる少なくとも1つのチューブ群組を有しており、少なくとも1つのチューブ群組の上昇流チューブ群における熱交換チューブの上端部が通じる上ヘッダ部の冷媒流入側区画内に、当該冷媒流入区画内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げる横向き邪魔板が設けられている上記1)記載のエバポレータ。
3)風下側チューブ列に3以上のチューブ群が設けられ、風上側チューブ列に風下側チューブ列のチューブ群の数よりも1つ少ないチューブ群が設けられ、風下側および風上側チューブ列の熱交換チューブの上下両端部が、それぞれ風下側および風上側上下両ヘッダ部に通じさせられており、風下側上下両ヘッダ部に、風下側チューブ列のチューブ群の数と同数の区画が設けられるとともに、各区画に風下側チューブ列の各チューブ群の熱交換チューブが通じさせられ、風上側上下両ヘッダ部に、風上側チューブ列のチューブ群の数と同数の区画が設けられるとともに、各区画に風上側チューブ列の各チューブ群の熱交換チューブが通じさせられ、風下側上下両ヘッダ部のうちのいずれか一方のヘッダ部における一端の区画に冷媒入口が設けられ、風上側上下両ヘッダ部のうちの冷媒入口が設けられた風下側ヘッダ部と同じ側のヘッダ部における冷媒入口と同一端の区画に冷媒出口が設けられており、
1つの上昇流チューブ群からなる上昇パスと、少なくとも1つの下降流チューブ群からなる下降パスとを有し、最終パスが上昇パスまたは下降パスとなるように上昇パスと下降パスとが交互に配置されるとともに、冷媒入口から流入した冷媒が、すべてのパスを通過して冷媒出口から流出するようになされ、
風下側チューブ列の冷媒入口から最も遠い位置にある最遠チューブ群、および風上側チューブ列の冷媒出口から最も遠い位置にある最遠チューブ群の熱交換チューブにおける冷媒の流れ方向が同一方向となっているとともにこれら2つの最遠チューブ群により1つの上昇パスまたは下降パスが形成されている上記2)記載のエバポレータ。
4)風下側チューブ列の最遠チューブ群および風上側チューブ列の最遠チューブ群が下降流チューブ群であるとともに、両最遠チューブ群により下降パスが形成され、風下側チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側に位置するチューブ群が上昇流チューブ群であり、風下側チューブ列の最遠チューブ群および最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側に位置する上昇流チューブ群からなるチューブ群組における上昇流チューブ群の熱交換チューブの上端部が通じる風下側上ヘッダ部の冷媒流入区画内に、当該冷媒流入区画内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げる横向き邪魔板が設けられている上記3)記載のエバポレータ。
5)風下側チューブ列に3つのチューブ群が設けられるとともに風上側チューブ列に2つのチューブ群が設けられており、最終パスが上昇パスとなっている上記4)記載のエバポレータ。
6)風下側および風上側チューブ列に、それぞれ2以上の同数のチューブ群が設けられ、風下側および風上側チューブ列の熱交換チューブの上下両端部が、それぞれ風下側および風上側上下両ヘッダ部に通じさせられており、風下側上下両ヘッダ部に、風下側チューブ列のチューブ群の数と同数の区画が設けられるとともに、各区画に風下側チューブ列の各チューブ群の熱交換チューブが通じさせられ、風上側上下両ヘッダ部に、風上側チューブ列のチューブ群の数と同数の区画が設けられるとともに、各区画に風上側チューブ列の各チューブ群の熱交換チューブが通じさせられ、風下側上下両ヘッダ部のうちのいずれか一方のヘッダ部における一端の区画に冷媒入口が設けられ、風上側上下両ヘッダ部のうちの冷媒入口が設けられた風下側ヘッダ部と同じ側のヘッダ部における冷媒入口と同一端の区画に冷媒出口が設けられており、
全チューブ群のうちの各上昇流チューブ群が上昇パスを形成するとともに、各下降流チューブ群が下降パスを形成し、最終パスが上昇パスまたは下降パスとなるように上昇パスと下降パスとが交互に配置されるとともに、冷媒入口から流入した冷媒が、すべてのパスを通過して冷媒出口から流出するようになされている上記2)記載のエバポレータ。
7)風下側チューブ列における冷媒入口から最も遠い位置にある最遠チューブ群が下降流チューブ群であり、風下側チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側に位置するチューブ群が上昇流チューブ群であり、風下側チューブ列の最遠チューブ群および最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側に位置する上昇流チューブ群からなるチューブ群組における上昇流チューブ群の熱交換チューブの上端部が通じる風下側上ヘッダ部の冷媒流入区画内に、当該冷媒流入区画内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げる横向き邪魔板が設けられている上記6)記載のエバポレータ。
8)風下側および風上側チューブ列にそれぞれ3つのチューブ群が設けられており、風上側チューブ列における冷媒出口側端部に位置するチューブ群が上昇流チューブ群であり、最終パスが上昇パスとなっている上記7)記載のエバポレータ。
9)横向き邪魔板が設けられた範囲内に、当該邪魔板が設けられた冷媒流入区画に通じる上昇流チューブ群の全熱交換チューブの3/16〜1/2の本数の熱交換チューブが存在している上記1)〜8)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
前記1)〜9)のエバポレータによれば、上ヘッダ部に、1つのチューブ群組を構成する上昇流チューブ群の全熱交換チューブおよび下降流チューブ群の全熱交換チューブの上端部が通じる2つの区画が隣り合って設けられ、前記隣り合って設けられた2つの区画のうち上昇流チューブ群の全熱交換チューブの上端部が通じる1つの区画が熱交換チューブから冷媒が流入する冷媒流入側区画であり、同じく下降流チューブ群の全熱交換チューブの上端部が通じる1つの区画が熱交換チューブに冷媒が流出する冷媒流出側区画であり、前記上昇流チューブ群の全熱交換チューブの上端部から前記冷媒流入側区画に流入した冷媒が、冷媒流入側区画に隣接した前記冷媒流出側区画内に入り、ついで前記下降流チューブ群の熱交換チューブ内に流入するようになっているエバポレータにおいて、前記上ヘッダ部に隣り合って設けられた冷媒流入側区画および冷媒流出側区画の下部どうしの間に、前記冷媒流入側区画の下部から前記冷媒流出側区画の下部への冷媒の流れを阻止する流れ阻止部材が、前記上ヘッダ部の通風方向の全幅にわたって設けられ、流れ阻止部材に、前記冷媒流入側区画内側に突出し、かつ前記冷媒流入側区画内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げるとともに、冷媒の流れの向きを前記冷媒流出区画とは反対側に向ける横向き邪魔板が、前記冷媒流入側区画の通風方向の全幅にわたって設けられ、横向き邪魔板における上ヘッダ部の長手方向の寸法が、前記冷媒流入側区画における上ヘッダ部の長手方向の寸法よりも短くなっているので、上昇流チューブ群から上記冷媒流入側区画内における邪魔板が設けられている部分に流入した冷媒は、邪魔板に沿って一旦上記冷媒流出側区画とは反対側に流れた後に、邪魔板よりも上方に流れ、さらに上記冷媒流入側区画内における邪魔板よりも上方の部分を流れて上記冷媒流出側区画内に流入する。一方、上記冷媒流入側区画内における邪魔板が設けられていない部分に流入した冷媒は、邪魔板よりも上方に流れ、上記冷媒流入側区画内における邪魔板よりも上方の部分を流れて上記冷媒流出側区画内に流入する。したがって、冷媒入口から流入した冷媒が、上記上昇流チューブ群および当該上昇流チューブ群よりも冷媒流れ方向上流側のチューブ群において一部が気化して気液に分離されることにより、気液2相の冷媒が上記冷媒流入側区画内に流入したとしても、気液2相の冷媒の一部は、上記冷媒流入側区画内において邪魔板に沿って長い距離を流れることになり、気相成分と液相成分が十分にミキシングされる。したがって、液相成分が重力の影響により、上記上昇流チューブ群とチューブ群組を構成する下降流チューブ群の上流側に位置する熱交換チューブ内に偏って多く流入することが防止される。その結果、気液2相でかつ乾き度が一定の冷媒が、上記下降流チューブ群の全熱交換チューブ内に均一に入り、上記下降流チューブ群の全熱交換チューブへの冷媒の分流を均一化することができる。
前記9)のエバポレータによれば、上記下降流チューブ群の全熱交換チューブへの冷媒の分流を効果的に均一化することができる。
この発明の実施形態1のエバポレータの全体構成を示す一部切り欠き斜視図である。 図1のエバポレータの構成を概略的に示すとともに冷媒の流れを示す斜視図である。 図1のエバポレータの構成を概略的に示す図1のA−A線断面に相当する図である。 図1のエバポレータの構成を概略的に示す図1のB−B線断面に相当する図である。 この発明の実施形態2のエバポレータの構成を概略的に示すとともに冷媒の流れを示す斜視図である。 図5のエバポレータの構成を概略的に示す風下側上下両ヘッダ部の部分での後方から前方を見た一部省略垂直断面に相当する図である。 図5のエバポレータの構成を概略的に示す風上側上下両ヘッダ部の部分での後方から前方を見た一部省略垂直断面に相当する図である。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。以下に述べる実施形態は、この発明によるエバポレータをカーエアコンを構成する冷凍サイクルに適用したものである。
全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
また、以下の説明において、隣接する熱交換チューブどうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図1および図5に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとし、各図面の左右を左右というものとする。
実施形態1
この実施形態は図1〜図4に示すものである。図1はエバポレータの全体構成を示し、図2〜図4はその構成を概略的に示す。なお、図2〜図4においては、熱交換チューブやフィンなどの具体的な図示は省略されている。
図1において、エバポレータ(1)は、上下方向に間隔をおいて配置されたアルミニウム製第1ヘッダタンク(2)およびアルミニウム製第2ヘッダタンク(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)の間に設けられた熱交換コア部(4)とを備えている。
第1ヘッダタンク(2)は、風下側(前側)に位置する風下側ヘッダ部(5)と、風上側(後側)に位置しかつ風下側ヘッダ部(5)に一体化された風上側ヘッダ部(6)とを備えている。ここでは、風下側ヘッダ部(5)と風上側ヘッダ部(6)とは、第1ヘッダタンク(2)を仕切部(2a)により前後に仕切ることによって設けられている。第2ヘッダタンク(3)は、風下側(前側)に位置する風下側ヘッダ部(7)と、風上側(後側)に位置しかつ風下側ヘッダ部(7)に一体化された風上側ヘッダ部(8)とを備えている。ここでは、風下側ヘッダ部(7)と風上側ヘッダ部(8)とは、第2ヘッダタンク(3)を仕切部(3a)により前後に仕切ることによって設けられている。
以下の説明において、第1ヘッダタンク(2)の風下側ヘッダ部(5)を風下側上ヘッダ部、第2ヘッダタンク(3)の風下側ヘッダ部(7)を風下側下ヘッダ部、第1ヘッダタンク(2)の風上側ヘッダ部(6)を風上側上ヘッダ部、第2ヘッダタンク(3)の風上側ヘッダ部(8)を風上側下ヘッダ部というものとする。
熱交換コア部(4)は、幅方向を通風方向に向けるとともに左右方向(通風方向と直角をなす方向)に間隔をおいて配置され、かつ上下方向にのびる複数のアルミニウム製扁平状熱交換チューブ(9)からなるチューブ列(11)(12)が、前後方向に並んで2列設けられ、各チューブ列(11)(12)の隣接する熱交換チューブ(9)どうしの間の通風間隙および左右両端の熱交換チューブ(9)の外側に、それぞれ前後両チューブ列(11)(12)の熱交換チューブ(9)に跨るようにアルミニウム製コルゲートフィン(13)が配置されて熱交換チューブ(9)にろう付され、左右両端のコルゲートフィン(13)の外側にそれぞれアルミニウム製サイドプレート(14)が配置されてコルゲートフィン(13)にろう付されることにより構成されている。風下側チューブ列(11)の熱交換チューブ(9)の上下両端部は、風下側上下両ヘッダ部(5)(7)に連通状に接続され、風上側チューブ列(12)の熱交換チューブ(9)の上下両端部は、風上側上下両ヘッダ部(6)(8)に連通状に接続されている。なお、風下側チューブ列(11)の熱交換チューブ(9)の数と風上側チューブ列(12)の熱交換チューブ(9)の数とは等しくなっている。すべての熱交換チューブ(9)は同一の構成であり、各熱交換チューブ(9)の冷媒通路の数、および各熱交換チューブ(9)の複数の冷媒通路の通路断面積の合計が同一になっている。
図2〜図4に示すように、風下側チューブ列(11)には、左右方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換チューブ(9)からなる3つのチューブ群(11A)(11B)(11C)が、右端から左端に向かって並んで設けられ、風上側チューブ列(12)には、左右方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換チューブ(9)からなる2つ(風下側チューブ列(11)のチューブ群の数よりも1つ少ない数)のチューブ群(12A)(12B)が、左端から右端に向かって並んで設けられている。
風下側上下両ヘッダ部(5)(7)に、それぞれ風下側チューブ列(11)のチューブ群(11A)(11B)(11C)と同数でかつ各チューブ群(11A)(11B)(11C)の熱交換チューブ(9)が通じる区画(15)(16)(17)および(18)(19)(21)が設けられている。風下側上ヘッダ部(5)における右端の区画(15)の右端部に冷媒入口(22)が設けられている。ここで、風下側チューブ列(11)の3つのチューブ群(11A)(11B)(11C)を冷媒入口(22)側端部(右端部)から他端部(左端部)に向かって第1〜第3チューブ群といい、第1〜第3チューブ群(11A)(11B)(11C)の熱交換チューブ(9)が通じる区画(15)(16)(17)および(18)(19)(21)を冷媒入口(22)側端部(右端部)から他端部(左端部)に向かって第1〜第3区画というものとする。
風上側上下両ヘッダ部(6)(8)に、それぞれ風上側チューブ列(12)のチューブ群(12A)(12B)と同数でかつ各チューブ群(12A)(12B)の熱交換チューブ(9)が通じる区画(23)(24)および(25)(26)が設けられている。風上側上ヘッダ部(6)における右端の区画(24)の右端部(冷媒入口(22)と同一端部)に冷媒出口(27)が設けられている。ここで、風上側チューブ列(12)の2つのチューブ群(12A)(12B)を冷媒出口(27)とは反対側の端部(左端部)から冷媒出口側(27)の端部(右端部)に向かって第4〜第5チューブ群といい、第4〜第5チューブ群(12A)(12B)の熱交換チューブ(9)が通じる区画(23)(24)および(25)(26)を冷媒出口(27)とは反対側の端部(左端部)から冷媒出口側(27)の端部(右端部)に向かって第4〜第5区画というものとする。
なお、風下側チューブ列(11)の第1および第2チューブ群(11A)(11B)を構成する熱交換チューブ(9)の合計数は、風上側チューブ列(12)の第5チューブ群(12B)を構成する熱交換チューブ(9)の数と等しくなっており、風下側チューブ列(11)の第3チューブ群(11C)を構成する熱交換チューブ(9)の数は、風上側チューブ列(12)の第4チューブ群(12A)を構成する熱交換チューブ(9)の数と等しくなっている。また、風下側上下両ヘッダ部(5)(7)における第1区画(15)(18)と第2区画(16)(19)の左右方向の合計長さは、風上側上下両ヘッダ部(6)(8)における第5区画(24)(26)の左右方向の長さと等しく、風下側上下両ヘッダ部(5)(7)における第3区画(17)(21)の左右方向の長さは、風上側上下両ヘッダ部(6)(8)における第4区画(23)(25)の左右方向の長さと等しくなっている。
風下側上ヘッダ部(5)の第1区画(15)と第2区画(16)との間には仕切壁(33)が設けられ、これにより両区画(15)(16)は非連通状態となっている。また、風下側上ヘッダ部(5)の第2区画(16)と第3区画(17)とは連通状態となっている。
風下側下ヘッダ部(7)の第1区画(18)の左端部が全体に開口するとともに、第2区画(19)の右端部が全体に開口することにより両区画(18)(19)は連通状態となっており、冷媒が、第1区画(18)内から真っ直ぐ左方に流れて第2区画(19)内に流入するようになされている。また、風下側下ヘッダ部(7)の第2区画(19)と第3区画(21)との間には仕切壁(34)が設けられ、これにより両区画(19)(21)は非連通状態となっている。
風上側上ヘッダ部(6)の第4区画(23)と第5区画(24)との間には仕切壁(35)が設けられ、これにより両区画(23)(24)は非連通状態となっている。また、風上側下ヘッダ部(8)の第4区画(25)の右端部が全体に開口するとともに、第5区画(26)の左端部が全体に開口することにより両区画(25)(26)は連通状態となっており、冷媒が、第4区画(25)内から真っ直ぐ右方に流れて第5区画(26)内に流入するようになされている。
風下側上ヘッダ部(5)の第3区画(17)と、風上側上ヘッダ部(6)の第4区画(23)とは、第1ヘッダタンク(2)の仕切部(2a)に設けられた連通部(37)によって通じさせられている。また、風下側下ヘッダ部(7)の第3区画(21)と、風上側下ヘッダ部(8)の第4区画(25)とは、第2ヘッダタンク(3)の仕切部(3a)に設けられた連通部(38)によって通じさせられている。
上述のようにして各区画(15)〜(19)(21)〜(26)、冷媒入口(22)、冷媒出口(27)および連通部(37)(38)が設けられることによって、冷媒は、第1チューブ群(11A)、冷媒入口(22)から最も遠い位置にある第3チューブ群(11C)(風下側チューブ列(11)の最遠チューブ群)および冷媒出口(27)から最も遠い位置にある第4チューブ群(12A)(風上側チューブ列(12)の最遠チューブ群)の熱交換チューブ(9)内を上から下に流れ、第2チューブ群(11B)(風下側チューブ列(11)の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側に位置するチューブ群)および第5チューブ群(12B)の熱交換チューブ(9)内を下から上に流れる。すなわち、第2チューブ群(11B)および第5チューブ群(12B)が、複数の熱交換チューブ(9)が左右方向に間隔をおいて配置されることにより形成され、かつ冷媒が熱交換チューブ(9)内を下から上に流れる上昇流チューブ群であり、第1チューブ群(11A)、第3チューブ群(11C)および第4チューブ群(12A)が、複数の熱交換チューブ(9)が左右方向に間隔をおいて配置されることにより形成され、かつ冷媒が熱交換チューブ(9)内を上から下に流れる下降流チューブ群である。こうして、第1チューブ群(11A)が、冷媒が上から下に流れる下降パスである第1パス(28)となり、第2チューブ群(11B)が冷媒が下から上に流れる上昇パスである第2パス(29)となり、第3および第4チューブ群(11C)(12A)が冷媒が上から下に流れる下降パスである第3パス(31)となり、第5チューブ群(12B)が冷媒が下から上に流れる上昇パスである第4パス(32)(最終パス)となっている。下降パスである第3パス(31)は、風下側チューブ列(11)における冷媒入口(22)から最も遠い位置にある第3チューブ群(11C)(最遠チューブ群)と、風上側チューブ列(12)における冷媒出口(27)から最も遠い位置にある第4チューブ群(12A)(最遠チューブ群)とが通風方向に並んで設けられることにより構成されている。すなわち、エバポレータ(1)には、複数の熱交換チューブ(9)からなりかつ熱交換チューブ(9)内を下から上に流れる上昇パスと、複数の熱交換チューブ(9)からなりかつ熱交換チューブ(9)内を上から下に流れる下降パスとが、最終パスである第4パス(32)が上昇パスとなるように交互に配置されている。
エバポレータ(1)の風下側チューブ列(11)は、上昇流チューブ群である第2チューブ群(11B)と、第2チューブ群(11B)に対して左側(冷媒流れ方向下流側)に隣接した下降流チューブ群である第3チューブ群(11C)とからなる1つのチューブ群組を備えており、風下側上ヘッダ部(5)の第2区画(16)が、1つのチューブ群組の上昇流チューブ群である第2チューブ群(11B)の熱交換チューブ(9)の上端部が通じかつ熱交換チューブ(9)から冷媒が流入する冷媒流入側区画となり、同じく第3区画(17)が、第2チューブ群(11B)と1つのチューブ群組を構成する下降流チューブ群である第3チューブ群(11C)の熱交換チューブ(9)の上端部が通じかつ熱交換チューブ(9)に冷媒が流出する冷媒流出側区画となっている。
風下側上ヘッダ部(5)の上述した冷媒流入側区画である第2区画(16)内の上下方向の中間部でかつ上述した冷媒流出側区画である第3区画(17)側の部分、すなわち左側の部分に、第2区画(16)内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げる横向き邪魔板(39)が設けられており、当該邪魔板(39)よりも下方の部分において、第2区画(16)から第3区画(17)への冷媒の流れを阻止する流れ阻止部(41)が両区画(16)(17)の間に設けられている。また、第2区画(16)の左端部における邪魔板(39)よりも上方の部分が開口するとともに、第3区画(17)の右端部における邪魔板(39)よりも上方の部分が開口することにより、両区画(16)(17)が邪魔板(39)よりも上方の部分において通じさせられている。
ここで、邪魔板(39)が設けられた左右方向の範囲内に、邪魔板(39)が設けられた第2区画(16)に通じる第2チューブ群(11B)の全熱交換チューブ(9)の3/16〜1/2の本数の熱交換チューブ(9)が存在していることが好ましい。
上述したエバポレータ(1)は、圧縮機、冷媒冷却器としてのコンデンサおよび減圧器としての膨張弁とともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。カーエアコンの稼働時には、圧縮機、コンデンサおよび膨張弁を通過した冷媒が、冷媒入口(22)を通って風下側上ヘッダ部(5)の第1区画(15)内に入る。第1区画(15)内に入った冷媒は、第1パス(28)を構成する第1チューブ群(11A)、ならびに風下側下ヘッダ部(7)の第1および第2区画(18)(19)を経て第2パス(29)を構成する第2チューブ群(11B)の熱交換チューブ(9)内に流入する。
第2チューブ群(11B)の熱交換チューブ(9)内に流入した冷媒は、熱交換チューブ(9)内を上方に流れて風下側上ヘッダ部(5)の第2区画(16)内に入る。第2区画(16)内における邪魔板(39)が設けられている部分(邪魔板(39)の右端部よりも左側)に流入した冷媒は、邪魔板(39)に沿って一旦右方に流れた後に、邪魔板(39)よりも上方に流れ、第2区画(16)内における邪魔板(39)よりも上方の部分を左方に流れて第3区画(17)内に流入する。一方、第2区画(16)内における邪魔板(39)が設けられていない部分(邪魔板(39)の右端部よりも右側)に流入した冷媒は、邪魔板(39)よりも上方に流れ、第2区画(16)内における邪魔板(39)よりも上方の部分を左方に流れて第3区画(17)内に流入する。
第3区画(17)内に流入した冷媒の一部は、連通部(37)を通って風上側上ヘッダ部(6)の第4区画(23)内に入り、第3パス(31)を構成する第4チューブ群(12A)の熱交換チューブ(9)内に流入する。これと同時に、第3区画(17)内に流入した冷媒の残部は、第3パス(31)を構成する第3チューブ群(11C)の熱交換チューブ(9)内に流入する。第3パス(31)を構成する第4チューブ群(12A)の熱交換チューブ(9)内に流入した冷媒は、熱交換チューブ(9)内を下方に流れて風上側下ヘッダ部(8)の第4区画(25)内に入り、さらに第5区画(26)内に入る。これと同時に、第3パス(31)を構成する第3チューブ群(11C)の熱交換チューブ(9)内に流入した冷媒は、熱交換チューブ(9)内を下方に流れて風下側下ヘッダ部(7)の第3区画(21)内に入った後連通部(38)を通って風上側下ヘッダ部(8)の第4区画(25)内に入り、さらに第5区画(26)内に入る。第5区画(26)内に入った冷媒は、第4パス(32)を構成する第5チューブ群(12B)の熱交換チューブ(9)内に流入する。
第4パス(32)を構成する第5チューブ群(12B)の熱交換チューブ(9)内に流入した冷媒は、熱交換チューブ(9)内を上方に流れて風上側上ヘッダ部(6)の第5区画(26)内に入り、冷媒出口(27)を通って流出する。
そして、冷媒が風下側チューブ列(11)の熱交換チューブ(9)内、および風上側チューブ列(12)の熱交換チューブ(9)内を流れる間に、熱交換コア部(4)の通風間隙を通過する空気(図1および図2矢印X参照)と熱交換をし、空気は冷却され、冷媒は気相となって流出する。
上述したエバポレータ(1)においては、風下側上ヘッダ部(5)の第2区画(16)内に邪魔板(39)が設けられているので、第1チューブ群(11A)および第2チューブ群(11B)を流れる間に一部が気化することにより気液に分離して第2区画(16)内に流入した冷媒の一部が邪魔板(39)に沿って長い距離を流れることになり、気相成分と液相成分が十分にミキシングされる。したがって、液相成分が重力の影響により第3チューブ群(11C)の上流側(右側)に位置する熱交換チューブ(9)内に偏って多く流入することが防止され、気液2相でかつ乾き度が一定の冷媒が、第3チューブ群(11C)の全熱交換チューブ(9)内に均一に入り、第3パス(31)を構成する第3チューブ群(11C)の全熱交換チューブ(9)への冷媒の分流を均一化することができる。特に、邪魔板(39)が設けられた左右方向の範囲内に、邪魔板(39)が設けられた第2区画(16)に通じる第2チューブ群(11B)の全熱交換チューブ(9)の3/16〜1/2の本数の熱交換チューブ(9)が存在していると、第3パス(31)を構成する第3チューブ群(11C)の全熱交換チューブ(9)への冷媒の分流を効果的に均一化することができる。
実施形態2
この実施形態は図5〜図7に示すものである。図5〜図7はエバポレータの構成を概略的に示しており、熱交換チューブやフィンなどの具体的な図示は省略されている。
図5〜図7に示すように、エバポレータ(50)の風下側チューブ列(11)には、複数の熱交換チューブ(9)からなる3つのチューブ群(11D)(11E)(11F)が、右端から左端に向かって並んで設けられ、風上側チューブ列(12)には、複数の熱交換チューブ(9)からなる3つ(風下側チューブ列(11)のチューブ群の数と同数)のチューブ群(12D)(12E)(12F)が、左端から右端に向かって並んで設けられている。
風下側上下両ヘッダ部(5)(7)に、それぞれ風下側チューブ列(11)のチューブ群(11D)(11E)(11F)と同数でかつ各チューブ群(11D)(11E)(11F)の熱交換チューブ(9)が通じる区画(51)(52)(53)および(54)(55)(56)が設けられている。風下側上ヘッダ部(5)における右端の区画(51)の右端部に冷媒入口(22)が設けられている。風下側チューブ列(11)の3つのチューブ群(11D)(11E)(11F)を冷媒入口(22)側端部から他端部に向かって第1〜第3チューブ群といい、第1〜第3チューブ群(11D)(11E)(11F)の熱交換チューブ(9)が通じる区画(51)(52)(53)および(54)(55)(56)を冷媒入口(22)側端部から他端部に向かって第1〜第3区画というものとする。
風上側上下両ヘッダ部(6)(8)に、それぞれ風上側チューブ列(12)のチューブ群(12D)(12E)(12F)と同数でかつ各チューブ群(12D)(12E)(12F)の熱交換チューブ(9)が通じる区画(57)(58)(59)および(61)(62)(63)が設けられている。風上側上ヘッダ部(6)における右端の区画(59)の右端部(冷媒入口(22)と同一端部)に冷媒出口(27)が設けられている。風上側チューブ列(12)の3つのチューブ群(12D)(12E)(12F)を冷媒出口(27)とは反対側の端部から冷媒出口側(27)の端部に向かって第4〜第6チューブ群といい、第4〜第6チューブ群(12D)(12E)(12F)の熱交換チューブ(9)が通じる区画(57)(58)(59)および(61)(62)(63)を冷媒出口(27)とは反対側の端部から冷媒出口側(27)の端部に向かって第4〜第6区画というものとする。
風下側上ヘッダ部(5)の第1区画(51)と第2区画(52)との間には仕切壁(64)が設けられ、これにより両区画(51)(52)は非連通状態となっている。また、風下側上ヘッダ部(5)の第2区画(52)と第3区画(53)とは連通状態となっている。
風下側下ヘッダ部(7)の第1区画(54)の左端部が全体に開口するとともに、第2区画(55)の右端部が全体に開口することにより両区画(54)(55)は連通状態となっており、冷媒が、第1区画(54)内から真っ直ぐ左方に流れて第2区画(55)内に流入するようになされている。また、風下側下ヘッダ部(7)の第2区画(55)と第3区画(56)との間には仕切壁(65)が設けられ、これにより両区画(54)(55)は非連通状態となっている。
風上側上ヘッダ部(6)の第4区画(57)の右端部が全体に開口するとともに、第5区画(58)の左端部が全体に開口することにより両区画(57)(58)は連通状態となっており、冷媒が、第4区画(57)内から真っ直ぐ右方に流れて第5区画(58)内に流入するようになされている。また、風上側上ヘッダ部(6)の第5区画(58)と第6区画(59)との間には仕切壁(66)が設けられ、これにより両区画(58)(59)は非連通状態となっている。
風上側下ヘッダ部(8)の第4区画(61)と第5区画(62)との間には仕切壁(67)が設けられ、これにより両区画(61)(62)は非連通状態となっている。また、風上側下ヘッダ部(8)の第5区画(62)の右端部が全体に開口するとともに、第6区画(63)の左端部が全体に開口することにより両区画(62)(63)は連通状態となっており、冷媒が、第5区画(62)内から真っ直ぐ右方に流れて第6区画(63)内に流入するようになされている。
風下側下ヘッダ部(7)の第3区画(56)と、風上側下ヘッダ部(8)の第4区画(61)とは、第2ヘッダタンク(3)の仕切部(3a)に設けられた連通部(68)によって通じさせられている。
上述のようにして各区画(51)〜(59)(61)〜(63)、冷媒入口(22)、冷媒出口(27)および連通部(68)が設けられることによって、冷媒は、第1チューブ群(11D)、第3チューブ群(11F)および第5チューブ群(12E)の熱交換チューブ(9)内を上から下に流れ、第2チューブ群(11E)、第4チューブ群(12D)および第6チューブ群(12F)の熱交換チューブ(9)内を下から上に流れる。すなわち、第2チューブ群(11E)、第4チューブ群(12D)および第6チューブ群(12F)が、複数の熱交換チューブ(9)が左右方向に間隔をおいて配置されることにより形成され、かつ冷媒が熱交換チューブ(9)内を下から上に流れる上昇流チューブ群であり、第1チューブ群(11D)、第3チューブ群(11F)および第5チューブ群(12E)が、複数の熱交換チューブ(9)が左右方向に間隔をおいて配置されることにより形成され、かつ冷媒が熱交換チューブ(9)内を上から下に流れる下降流チューブ群である。そして、第1チューブ群(11D)が、冷媒が上から下に流れる下降パスである第1パス(71)となり、第2チューブ群(11E)が冷媒が下から上に流れる上昇パスである第2パス(72)となり、第3チューブ群(11F)が冷媒が上から下に流れる下降パスである第3パス(73)となり、第4チューブ群(12D)が冷媒が下から上に流れる上昇パスである第4パス(74)となり、第5チューブ群(12E)が、冷媒が上から下に流れる下降パスである第5パス(75)となり、第6チューブ群(12F)が冷媒が下から上に流れる上昇パスである第6パス(76)(最終パス)となっている。こうして、エバポレータ(50)には、複数の熱交換チューブ(9)からなりかつ熱交換チューブ(9)内を下から上に流れる上昇パスと、複数の熱交換チューブ(9)からなりかつ熱交換チューブ(9)内を上から下に流れる下降パスとが、最終パスである第6パス(76)が上昇パスとなるように交互に配置されている。
エバポレータ(50)の風下側チューブ列(11)は、上昇流チューブ群である第2チューブ群(11E)と、第2チューブ群(11E)に対して左側(冷媒流れ方向下流側)に隣接した下降流チューブ群である第3チューブ群(11F)とからなる1つのチューブ群組を備えており、風上側チューブ列(12)は、上昇流チューブ群である第4チューブ群(12D)と、第4チューブ群(12D)に対して右側(冷媒流れ方向下流側)に隣接した下降流チューブ群である第5チューブ群(12E)とからなる1つのチューブ群組を備えている。風下側上ヘッダ部(5)の第2区画(52)が、1つのチューブ群組の上昇流チューブ群である第2チューブ群(11E)の熱交換チューブ(9)の上端部が通じかつ熱交換チューブ(9)から冷媒が流入する冷媒流入側区画となり、同じく第3区画(53)が、第2チューブ群(11E)と1つのチューブ群組を構成する下降流チューブ群である第3チューブ群(11F)の熱交換チューブ(9)の上端部が通じかつ熱交換チューブ(9)に冷媒が流出する冷媒流出側区画となっている。また、風上側上ヘッダ部(6)の第4区画(57)が、1つのチューブ群組の上昇流チューブ群である第4チューブ群(12D)の熱交換チューブ(9)の上端部が通じかつ熱交換チューブ(9)から冷媒が流入する冷媒流入側区画となり、同じく第5区画(58)が、第4チューブ群(12D)と1つのチューブ群組を構成する下降流チューブ群である第5チューブ群(12E)の熱交換チューブ(9)の上端部が通じかつ熱交換チューブ(9)に冷媒が流出する冷媒流出側区画となっている。
そして、少なくとも1つのチューブ群組、ここでは第2チューブ群(11E)と第3チューブ群(11F)とからなるチューブ群組において、上昇流チューブ群である第2チューブ群(11E)の熱交換チューブ(9)の上端部が通じる冷媒流入側区画である第2区画(52)内の上下方向の中間部でかつ下降流チューブ群である第3チューブ群(11F)の熱交換チューブ(9)の上端部が通じる冷媒流出側区画である第3区画(53)側の部分、すなわち左側の部分に、第2区画(52)内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げる横向き邪魔板(77)が設けられ、当該邪魔板(77)よりも下方の部分において、第2区画(52)から第3区画(53)への冷媒の流れを阻止する流れ阻止部(78)が両区画(52)(53)の間に設けられている。また、第2区画(52)の左端部における邪魔板(77)よりも上方の部分が開口するとともに、第3区画(53)の右端部における邪魔板(77)よりも上方の部分が開口することにより、両区画(52)(53)が邪魔板(77)よりも上方の部分において通じさせられている。
ここで、邪魔板(77)が設けられた左右方向の範囲内に、邪魔板(77)が設けられた第2区画(52)に通じる第2チューブ群(11E)の全熱交換チューブ(9)の3/16〜1/2の本数の熱交換チューブ(9)が存在していることが好ましい。
上述したエバポレータ(50)は、圧縮機、冷媒冷却器としてのコンデンサおよび減圧器としての膨張弁とともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。カーエアコンの稼働時には、圧縮機、コンデンサおよび膨張弁を通過した冷媒が、冷媒入口(22)を通って風下側上ヘッダ部(5)の第1区画(51)内に入る。第1区画(51)内に入った冷媒は、第1パス(71)を構成する第1チューブ群(11D)、ならびに風下側下ヘッダ部(7)の第1および第2区画(54)(55)を経て第2パス(72)を構成する第2チューブ群(11E)の熱交換チューブ(9)内に流入する。
第2チューブ群(11E)の熱交換チューブ(9)内に流入した冷媒は、熱交換チューブ(9)内を上方に流れて風下側上ヘッダ部(7)の第2区画(52)に入る。第2区画(52)内における邪魔板(77)が設けられている部分(邪魔板(77)の右端部よりも左側)に流入した冷媒は、邪魔板(77)に沿って一旦右方に流れた後に、邪魔板(77)よりも上方に流れ、第2区画(52)内における邪魔板(77)よりも上方の部分を左方に流れて第3区画(53)内に流入する。一方、第2区画(52)内における邪魔板(77)が設けられていない部分(邪魔板(77)の右端部よりも右側)に流入した冷媒は、邪魔板(77)よりも上方に流れ、第2区画(52)内における邪魔板(77)よりも上方の部分を左方に流れて第3区画(53)内に流入する。
第3区画(53)内に流入した冷媒は、第3パス(73)を構成する第3チューブ群(11F)の熱交換チューブ(9)内に流入する。第3チューブ群(11F)の熱交換チューブ(9)内に流入した冷媒は、熱交換チューブ(9)内を下方に流れて風下側下ヘッダ部(7)の第4区画(56)内に入った後連通部(68)を通って風上側下ヘッダ部(8)の第4区画(61)に入る。第4区画(61)に入った冷媒は、第4パス(74)を構成する第4チューブ群(12D)、風上側上ヘッダ部(6)の第4区画(57)および第5区画(58)、第5パス(75)を構成する第5チューブ群(12E)、風上側下ヘッダ部(8)の第5区画(62)および第6区画(63)、ならびに第6パス(76)を構成する第6チューブ群(12F)を経て風上側上ヘッダ部(6)の第6区画(59)内に入り、冷媒出口(27)を通って流出する。
そして、冷媒が風下側チューブ列(11)の熱交換チューブ(9)内、および風上側チューブ列(12)の熱交換チューブ(9)内を流れる間に、熱交換コア部(4)の通風間隙を通過する空気(図5矢印X参照)と熱交換をし、空気は冷却され、冷媒は気相となって流出する。
上述したエバポレータ(50)においては、風下側上ヘッダ部(5)の第2区画(52)内に邪魔板(77)が設けられているので、第1チューブ群(11D)および第2チューブ群(11E)を流れる間に一部が気化することにより気液に分離して第2区画(52)内に流入した冷媒の一部が邪魔板(77)に沿って長い距離を流れることになり、気相成分と液相成分が十分にミキシングされる。したがって、液相成分が重力の影響により第3チューブ群(11F)の上流側(右側)に位置する熱交換チューブ(9)内に偏って多く流入することが防止され、気液2相でかつ乾き度が一定の冷媒が、第3チューブ群(11F)の全熱交換チューブ(9)内に均一に入り、第3パス(73)を構成する第3チューブ群(11F)の全熱交換チューブ(9)への冷媒の分流を均一化することができる。特に、邪魔板(77)が設けられた左右方向の範囲内に、第2区画(52)に通じる第2チューブ群(11E)の全熱交換チューブ(9)の3/16〜1/2の本数の熱交換チューブ(9)が存在していると、第3パス(73)を構成する第3チューブ群(11F)の全熱交換チューブ(9)への冷媒の分流を効果的に均一化することができる。
なお、この発明によるエバポレータは、1対の皿状プレートを対向させて周縁部どうしをろう付してなる複数の扁平中空体が並列状に配置されてなり、各偏平中空体に通風方向に並んだ上下方向にのびる2つの熱交換チューブ、および両熱交換チューブの上下両端に通じるヘッダ形成部が設けられるとともに、すべての扁平中空体の上下の2つのヘッダ形成部どうしがそれぞれ通じるように扁平中空体どうしがろう付されることによって、上下方向にのびるとともに通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換チューブからなるチューブ列が、通風方向に並んで2列設けられるとともに、すべての扁平中空体のヘッダ形成部により、風下側および風上側のチューブ列の上下両端が通じる風下側および風上側上下両ヘッダ部が設けられた形式の所謂積層型エバポレータにも適用可能である。
この発明によるエバポレータは、カーエアコンを構成する冷凍サイクルに好適に用いられる。
(1)(50):エバポレータ
(5):第1ヘッダタンクの風下側ヘッダ部(風下側上ヘッダ部)
(6):第1ヘッダタンクの風上側ヘッダ部(風上側上ヘッダ部)
(7):第2ヘッダタンクの風下側ヘッダ部(風下側下ヘッダ部)
(8):第2ヘッダタンクの風上側ヘッダ部(風上側下ヘッダ部)
(9):熱交換チューブ
(11):風下側チューブ列
(11A)(11B)(11C):第1〜第3チューブ群
(11D)(11E)(11F):第1〜第3チューブ群
(12):風上側チューブ列
(12A)(12B):第4および第5チューブ群
(12D)(12E)(12F):第4〜第6チューブ群
(15)(16)(17):風下側上ヘッダ部の第1〜第3区画
(18)(19)(21):風下側下ヘッダ部の第1〜第3区画
(22):冷媒入口
(23)(24):風上側上ヘッダ部の第4および第5区画
(25)(26):風上側下ヘッダ部の第4および第5区画
(27):冷媒出口
(28)(29)(31)(32):第1〜第4パス
(39):邪魔板
(41):流れ阻止部材
(51)(52)(53):風下側上ヘッダ部の第1〜第3区画
(54)(55)(56):風下側下ヘッダ部の第1〜第3区画
(57)(58)(59):風上側上ヘッダ部の第4〜第6区画
(61)(62)(63):風上側下ヘッダ部の第4〜第6区画
(71)(72)(73)(74)(75)(76):第1〜第6パス
(77):邪魔板
(78):流れ阻止部材

Claims (9)

  1. 上下方向にのびる複数の熱交換チューブと、熱交換チューブの上下両端部が通じさせられた上下両ヘッダ部とを備えており、複数の熱交換チューブが通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置されることにより形成され、かつ冷媒が熱交換チューブ内を下から上に流れる上昇流チューブ群と、複数の熱交換チューブが通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置されることにより形成され、かつ上昇流チューブ群の冷媒流れ方向下流側に隣接するとともに、冷媒が熱交換チューブ内を上から下に流れる下降流チューブ群とからなる少なくとも1つのチューブ群組を備えており、上ヘッダ部に、1つのチューブ群組を構成する上昇流チューブ群の全熱交換チューブおよび下降流チューブ群の全熱交換チューブの上端部が通じる2つの区画が隣り合って設けられ、前記隣り合って設けられた2つの区画のうち上昇流チューブ群の全熱交換チューブの上端部が通じる1つの区画が熱交換チューブから冷媒が流入する冷媒流入側区画であり、同じく下降流チューブ群の全熱交換チューブの上端部が通じる1つの区画が熱交換チューブに冷媒が流出する冷媒流出側区画であり、前記上昇流チューブ群の熱交換チューブの上端部から前記冷媒流入側区画に流入した冷媒が、冷媒流入側区画に隣接した前記冷媒流出側区画内に入り、ついで前記下降流チューブ群の熱交換チューブ内に流入するようになっているエバポレータであって、
    前記上ヘッダ部に隣り合って設けられた冷媒流入側区画および冷媒流出側区画の下部どうしの間に、前記冷媒流入側区画の下部から前記冷媒流出側区画の下部への冷媒の流れを阻止する流れ阻止部材が、前記上ヘッダ部の通風方向の全幅にわたって設けられ、流れ阻止部材に、前記冷媒流入側区画内側に突出し、かつ前記冷媒流入側区画内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げるとともに、冷媒の流れの向きを前記冷媒流出区画とは反対側に向ける横向き邪魔板が、前記冷媒流入側区画の通風方向の全幅にわたって設けられ、横向き邪魔板における上ヘッダ部の長手方向の寸法が、前記冷媒流入側区画における上ヘッダ部の長手方向の寸法よりも短くなっているエバポレータ。
  2. 複数のチューブ群が通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置されることにより形成された2つのチューブ列が通風方向に並んで設けられ、少なくともいずれか一方のチューブ列が、上昇流チューブ群と下降流チューブ群とからなる少なくとも1つのチューブ群組を有しており、少なくとも1つのチューブ群組の上昇流チューブ群における熱交換チューブの上端部が通じる上ヘッダ部の冷媒流入側区画内に、当該冷媒流入区画内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げる横向き邪魔板が設けられている請求項1記載のエバポレータ。
  3. 風下側チューブ列に3以上のチューブ群が設けられ、風上側チューブ列に風下側チューブ列のチューブ群の数よりも1つ少ないチューブ群が設けられ、風下側および風上側チューブ列の熱交換チューブの上下両端部が、それぞれ風下側および風上側上下両ヘッダ部に通じさせられており、風下側上下両ヘッダ部に、風下側チューブ列のチューブ群の数と同数の区画が設けられるとともに、各区画に風下側チューブ列の各チューブ群の熱交換チューブが通じさせられ、風上側上下両ヘッダ部に、風上側チューブ列のチューブ群の数と同数の区画が設けられるとともに、各区画に風上側チューブ列の各チューブ群の熱交換チューブが通じさせられ、風下側上下両ヘッダ部のうちのいずれか一方のヘッダ部における一端の区画に冷媒入口が設けられ、風上側上下両ヘッダ部のうちの冷媒入口が設けられた風下側ヘッダ部と同じ側のヘッダ部における冷媒入口と同一端の区画に冷媒出口が設けられており、
    1つの上昇流チューブ群からなる上昇パスと、少なくとも1つの下降流チューブ群からなる下降パスとを有し、最終パスが上昇パスまたは下降パスとなるように上昇パスと下降パスとが交互に配置されるとともに、冷媒入口から流入した冷媒が、すべてのパスを通過して冷媒出口から流出するようになされ、
    風下側チューブ列の冷媒入口から最も遠い位置にある最遠チューブ群、および風上側チューブ列の冷媒出口から最も遠い位置にある最遠チューブ群の熱交換チューブにおける冷媒の流れ方向が同一方向となっているとともにこれら2つの最遠チューブ群により1つの上昇パスまたは下降パスが形成されている請求項2記載のエバポレータ。
  4. 風下側チューブ列の最遠チューブ群および風上側チューブ列の最遠チューブ群が下降流チューブ群であるとともに、両最遠チューブ群により下降パスが形成され、風下側チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側に位置するチューブ群が上昇流チューブ群であり、風下側チューブ列の最遠チューブ群および最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側に位置する上昇流チューブ群からなるチューブ群組における上昇流チューブ群の熱交換チューブの上端部が通じる風下側上ヘッダ部の冷媒流入区画内に、当該冷媒流入区画内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げる横向き邪魔板が設けられている請求項3記載のエバポレータ。
  5. 風下側チューブ列に3つのチューブ群が設けられるとともに風上側チューブ列に2つのチューブ群が設けられており、最終パスが上昇パスとなっている請求項4記載のエバポレータ。
  6. 風下側および風上側チューブ列に、それぞれ2以上の同数のチューブ群が設けられ、風下側および風上側チューブ列の熱交換チューブの上下両端部が、それぞれ風下側および風上側上下両ヘッダ部に通じさせられており、風下側上下両ヘッダ部に、風下側チューブ列のチューブ群の数と同数の区画が設けられるとともに、各区画に風下側チューブ列の各チューブ群の熱交換チューブが通じさせられ、風上側上下両ヘッダ部に、風上側チューブ列のチューブ群の数と同数の区画が設けられるとともに、各区画に風上側チューブ列の各チューブ群の熱交換チューブが通じさせられ、風下側上下両ヘッダ部のうちのいずれか一方のヘッダ部における一端の区画に冷媒入口が設けられ、風上側上下両ヘッダ部のうちの冷媒入口が設けられた風下側ヘッダ部と同じ側のヘッダ部における冷媒入口と同一端の区画に冷媒出口が設けられており、
    全チューブ群のうちの各上昇流チューブ群が上昇パスを形成するとともに、各下降流チューブ群が下降パスを形成し、最終パスが上昇パスまたは下降パスとなるように上昇パスと下降パスとが交互に配置されるとともに、冷媒入口から流入した冷媒が、すべてのパスを通過して冷媒出口から流出するようになされている請求項2記載のエバポレータ。
  7. 風下側チューブ列における冷媒入口から最も遠い位置にある最遠チューブ群が下降流チューブ群であり、風下側チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側に位置するチューブ群が上昇流チューブ群であり、風下側チューブ列の最遠チューブ群および最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側に位置する上昇流チューブ群からなるチューブ群組における上昇流チューブ群の熱交換チューブの上端部が通じる風下側上ヘッダ部の冷媒流入区画内に、当該冷媒流入区画内を上下に仕切って上方への冷媒の流れを妨げる横向き邪魔板が設けられている請求項6記載のエバポレータ。
  8. 風下側および風上側チューブ列にそれぞれ3つのチューブ群が設けられており、風上側チューブ列における冷媒出口側端部に位置するチューブ群が上昇流チューブ群であり、最終パスが上昇パスとなっている請求項7記載のエバポレータ。
  9. 横向き邪魔板が設けられた範囲内に、当該邪魔板が設けられた冷媒流入区画に通じる上昇流チューブ群の全熱交換チューブの3/16〜1/2の本数の熱交換チューブが存在している請求項1〜8のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
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