JP5637964B2 - 内燃機関の冷却構造 - Google Patents
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Description
また、前記特許文献2に記載の発明では、EGR通路は、冷却水流通通路の一端を囲む溝で形成されているため、EGR通路と冷却水流通通路との間の伝熱面積が小さくなってしまい、EGR通路と冷却水流通通路との間の熱交換効率が悪いことから、EGRガスに対する冷却効率が悪かった。
また、EGRガスに対する冷却効率を向上させて燃焼効率が高まる内燃機関の冷却構造を提供することを第2の課題とする。
更に、コンパクトかつ簡素な配管レイアウトを実現できる内燃機関の冷却構造を提供することを第3の課題とする。
したがって、冷却水通路の容積を増加した場合であっても、EGR通路の容積を増加して、EGRガスの流量を増加できるため、排気浄化効率を向上させることができる。また、EGR通路が配管接続部材に形成されるため、EGR通路の容積を増加した場合であってもシリンダヘッドの大型化を回避できる。
しかも、本発明によれば、冷却水アウトレット及び冷却水インレットは、一側壁の幅方向に沿って延設され、かつシリンダ軸線方向にて上下に配置されていることにより、一側壁の略幅方向全長に亘って冷却水アウトレットを設け、冷却水アウトレットの容量を増加させることができるため、シリンダヘッドから冷却水アウトレットへの冷却水の流量を十分に確保できる。
また、通路部は、冷却水アウトレットの延設方向に沿って形成されていることにより、冷却水アウトレットに対し略平行に、かつ一側壁の略幅方向全長に亘って通路部を設けることができるため、冷却水流通通路の一端を囲む溝で通路部を形成した場合(例えば、特許文献2に記載の発明)に比較して、通路部と冷却水アウトレットとの間の伝熱面積が大きくなる。
つまり、本発明によれば、EGRガスに対する冷却効率が向上して、吸気充填効率が高まり燃焼効率が向上することから、EGRクーラを大型化する等の手段を別途講じる必要がなくなり、内燃機関の大型化や燃費の悪化を回避できる。
また、冷却水アウトレット及び冷却水インレットは、シリンダ軸線方向にて上下に配置されていることにより、供給配管と戻り配管とが上下に位置するため、両者が干渉しないように配管レイアウトを定める作業が容易になる。
そして、供給配管と戻り配管とが上下に位置するため、一方の配管を大きく迂回させる必要がなくなり、両者の干渉を防止しつつ簡素な配管レイアウトを実現できる。
また、通路部は、冷却水アウトレット及び冷却水インレットに対してシリンダ軸線方向にて上方に設けられることにより、通路部の容積を設定する際に冷却水アウトレット及び冷却水インレットによる制約を受け難くなる。
更に、通路部は、冷却水アウトレットに対して隣接して設けられることにより、通路部を通流するEGRガスと冷却水アウトレットを通流する冷却水との間で熱交換を効率良く行うことが可能となり、EGRガスに対する冷却効率が向上するため、EGRクーラの小型化に寄与できる。
また、前記した通り、冷却水アウトレット及び冷却水インレットは、シリンダ軸線方向にて上下に隣接して設けられるため、供給配管と戻り配管との上下間の距離を近付けることが可能となり、供給配管及び戻り配管を含む全体の配管レイアウトをコンパクトかつ簡素にできると共に、組立時の作業性が向上する。
また、配管接続部材及びカム角度センサがシリンダヘッドの一側壁にボルトで共締めされることにより、配管接続部材及びカム角度センサをシリンダヘッドに同時に固定できるため、組立時の作業性が向上する。
また、本発明によれば、EGRガスに対する冷却効率を向上させて燃焼効率が高まる内燃機関の冷却構造を提供することができる。
更に、本発明によれば、コンパクトかつ簡素な配管レイアウトを実現できる内燃機関の冷却構造を提供することできる。
図1に示すように、冷却システムS1は、シリンダブロック12及びシリンダヘッド14のウォータージャケット12a,14a等を通流するように冷却水を循環させ、シリンダブロック12等(エンジン10)を冷却するシステムである。
シリンダブロック12及びシリンダヘッド14は、エンジン10のエンジン本体11を構成し、本実施形態のエンジン本体11は、4つの気筒#1−#4が列状に配置された直列4気筒エンジンであって、図示しないエンジンルーム内に横置きで搭載される。
なお、本実施形態では、シリンダ列方向は車幅方向(左右方向)に一致し、一側壁14bの幅方向は車両前後方向に一致する。
シリンダヘッド14には、燃焼室14cと、燃焼室14cに空気を供給する吸気ポート14dと、燃焼室14cから排気を排出する排気ポート14eと、吸気ポート14d及び排気ポート14eを開閉するバルブ14fと、EGR通路の一部を構成する通路14gと、が設けられている。シリンダヘッド14の側部には、吸気ポート14dに空気を導入するための吸気マニホールド52が設置される一方、反対側の側部には、排気ポート14eからの排気を外部に導出するための排気マニホールド(図示省略)が設置される。
エンジンの冷却構造100は、エンジン10及びEGRガスを冷却するための構造であって、図3及び図4に示すように、シリンダヘッド14と、配管接続部材20と、複数の配管P1−P4,P6−P8と、を主に備える。
なお、図3及び図4中の符号16は、シリンダヘッドカバーを示す。
図5及び図6に示すように、シリンダヘッド14の一側壁14bは、配管接続部材20が固定される取付面を構成する。一側壁14bには、図7に示すように、複数のボルト挿通孔14h,14hが形成されると共に、ウォータージャケット14aの出口14a1及び通路14gの下流端14g1が開口している。
配管接続部材20は、シリンダヘッド14と別体で構成された金属製部材であり、図5及び図8(a)に示すように、冷却水アウトレット21と、冷却水インレット22と、通路部23と、複数の締結部24,24と、を有する。
冷却水インレット22は、インレットチャンバー22aと、配管P6−P8が接続される接続部22b−22dと、を有する。
図3及び図4に示すように、接続部21bは、他の接続部21c−21eよりも流出断面積が大きくなるように形成されている。図6に示すように、接続部21bは、比較的大きい開口面積を有する第1出口14a2寄りに配置されている。接続部21bの突出方向Xは、ウォータージャケット14aを通流する冷却水の流れ方向Yに対して鈍角を成している。つまり、接続部21bの突出方向Xと冷却水の流れ方向Yとの成す角度θは、90度よりも大きい鈍角を成している。これにより、接続部21bの突出方向Xと冷却水の流れ方向Yとの成す角度θが90度以下の場合に比較して、冷却水の圧力損失を低減できるため、接続部21bへ流入する冷却水の流量を増加させ、ひいてはラジエータ32への冷却水の供給量を十分に確保できる。
接続部21bには、図9(a)に示すように、バイパス通路34の一部を形成するバイパス部21fが連通する一方、このバイパス部21fの近傍において、水温センサ58が装着される孔部21gが貫通形成されている。なお、バイパス通路34は、バイパス部21fと、シリンダヘッド14のバイパス部14kとによって形成されている。
ここで、図10に示すように、ウォータージャケット14aと接続部21bとの間には、ウォータージャケット14a内のエア(気泡)を抜くためのエア抜き孔60が設けられている。エア抜き孔60は、ウォータージャケット14aの途中から分岐して、接続部21bに連通している。エア抜き孔60の上流端近傍には、サーモハウジング40内のエアを抜くためのエア抜き孔40aが設けられ、このエア抜き孔40aは、ウォータージャケット14aに連通している。これにより、エア抜き孔40a,60を介して、ウォータージャケット14a内及びサーモハウジング40内のエアを接続部21bに抜くことができる。また、製造時にエア抜き孔60を利用して、ウォータージャケット14a内のバリを確認し、バリの除去作業を行うことができる。
つまり、本実施形態によれば、EGRガスに対する冷却効率が向上して、吸気充填効率が高まり燃焼効率が向上することから、EGRクーラ42を大型化する等の手段を別途講じる必要がなくなり、エンジン10の大型化や燃費の悪化を回避できる。
しかも、本実施形態によれば、冷却水アウトレット21及び冷却水インレット22は、シリンダ軸線方向にて上下に隣接して設けられるため、供給用の配管P2−P4と戻り用の配管P6−8との上下間の距離を近付けることが可能となり、全体の配管レイアウトをコンパクトかつ簡素にできると共に、組立時の作業性が向上する。
そして、供給用の配管P1−P4と戻り用の配管P6−P8とが上下に位置するため、供給用の配管P1−P4及び戻り用の配管P6−P8のうち、一方の配管を大きく迂回させる必要がなくなり、両者の干渉を防止しつつ簡素な配管レイアウトを実現できる。
S2 EGRガス還流システム
100 冷却構造
10 エンジン
14 シリンダヘッド
14a ウォータージャケット(冷却水通路)
14a1 出口(下流端)
T 主流部
14b 一側壁
14c 燃焼室
14d 吸気ポート(吸気側)
14e 排気ポート(排気側)
14h ボルト挿通孔
20 配管接続部材
21 冷却水アウトレット
21a アウトレットチャンバー
21b−21e 接続部
22 冷却水インレット
22a インレットチャンバー
22b−22d 接続部
23 通路部
24 締結部
24a ボルト挿通孔
32 ラジエータ(他部品)
42 EGRクーラ(他部品)
44 スロットルボディ(他部品)
46 ヒータ(他部品)
52 吸気マニホールド(吸気側)
56a,56b カム角度センサ
58 水温センサ
58a 本体部
58b センサ部
P1 配管(ラジエータ用供給配管)
P2 配管(EGRクーラ用供給配管)
P4 配管(ヒータ用供給配管)
P6 配管(EGRクーラ用戻り配管)
P8 配管(ヒータ用戻り配管)
B ボルト
Claims (9)
- 冷却水が通流する冷却水通路を内部に有し、かつシリンダ列方向の一側壁に前記冷却水通路の下流端が開口するシリンダヘッドと、
前記シリンダヘッドと別体で構成され、前記一側壁に連結された配管接続部材と、
を備えた内燃機関の冷却構造であって、
前記配管接続部材は、
前記冷却水通路の下流端に連通接続され、かつ前記冷却水を他部品へ供給する供給配管が接続された冷却水アウトレットと、
前記他部品へ供給された前記冷却水が戻ってくる戻り配管が接続された冷却水インレットと、
一端が排気側に接続され、他端が吸気側に接続されるEGR通路の少なくとも一部を形成する通路部と、
を有し、
前記冷却水アウトレット及び前記冷却水インレットは、前記一側壁の幅方向に沿って延設され、かつシリンダ軸線方向にて上下に配置され、
前記通路部は、前記冷却水アウトレットの延設方向に沿って形成され、
少なくとも一つの前記他部品に接続される前記供給配管及び前記戻り配管は、前記一側壁の幅方向において、前記他部品側に偏奇した位置で前記配管接続部材に接続されていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。 - 前記冷却水アウトレットは、前記冷却水インレットに対してシリンダ軸線方向にて上方かつ隣接して設けられ、
前記通路部は、前記冷却水アウトレットに対してシリンダ軸線方向にて上方かつ隣接して設けられ、
前記供給配管は、ラジエータへ前記冷却水を供給するラジエータ用供給配管を有し、
前記ラジエータ用供給配管に対する前記冷却水アウトレットの接続部は、前記冷却水通路を通流する前記冷却水の流れ方向に対して鈍角を成すことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却構造。 - 前記供給配管は、前記ラジエータ用供給配管を含む複数の供給配管を有し、
前記冷却水アウトレットは、前記供給配管が接続される複数の接続部を有し、
複数の前記接続部のうち、前記ラジエータ用供給配管に対する前記冷却水アウトレットの接続部は、最大流入断面積となるように前記一側壁から離間する方向に突出形成されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の冷却構造。 - 前記シリンダヘッドの前記一側壁の幅方向は、車両前後方向に一致しており、
前記供給配管は、EGRクーラへ前記冷却水を供給するEGRクーラ用供給配管と、ヒータへ前記冷却水を供給するヒータ用供給配管と、を更に有し、
前記ラジエータ用供給配管及び前記EGRクーラ用供給配管に対する前記冷却水アウトレットの接続部は、車両前方に偏奇して配置され、
前記ヒータ用供給配管に対する前記冷却水アウトレットの接続部は、車両後方に偏奇して配置され、
前記ラジエータ用供給配管、前記EGRクーラ用供給配管、及び前記ヒータ用供給配管に対する前記冷却水アウトレットの接続部は、車両前後方向に沿って直線上に配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内燃機関の冷却構造。 - 前記戻り配管は、前記EGRクーラへ供給された前記冷却水が戻ってくるEGRクーラ用戻り配管と、前記ヒータへ供給された前記冷却水が戻ってくるヒータ用戻り配管と、を有し、
前記冷却水インレットは、前記戻り配管が接続される複数の接続部を有し、
前記EGRクーラ用戻り配管に対する前記冷却水インレットの接続部は、車両前方に偏奇して配置され、
前記ヒータ用戻り配管に対する前記冷却水インレットの接続部は、車両後方に偏奇して配置され、
前記EGRクーラ用戻り配管及び前記ヒータ用戻り配管に対する前記冷却水インレットの接続部は、車両前後方向に沿って直線上に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の冷却構造。 - 前記通路部は、前記一側壁から離間する方向に突出形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却構造。
- 前記ラジエータ用供給配管に対する前記冷却水アウトレットの接続部には、前記冷却水の温度を検出する水温センサが設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却構造。
- 前記冷却水通路は、燃焼室の上方においてシリンダ列方向に沿って前記冷却水を通流させる主流部を有し、
前記ヒータ用供給配管に対する前記冷却水アウトレットの接続部は、前記主流部の下流側に設けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の内燃機関の冷却構造。 - 前記配管接続部材と、前記シリンダヘッドに回転可能に支持されるカムシャフトの回転角を検出するカム角度センサとは、前記一側壁にボルトで共締めされていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却構造。
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