JP5636590B2 - 粉体溶解装置 - Google Patents
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これにより、ホッパからケーシング内に供給された粉体は定量供給機構により所定量ずつ受入空間に供給され、受入空間の下流側に粉体送出口を介して接続された吸引溶解ポンプにより所定量ずつ負圧吸引されて、当該吸引溶解ポンプ内に定量供給されることとなる。
従って、吸引溶解ポンプ内への粉体の供給量を安定化し、当該安定化された所定量ずつ供給される粉体と、別途、所定量ずつ供給される溶媒とを溶解混合させることができ、均一な溶解混合を行って所望の濃度の溶解液を得ることができるとされる。この装置にあっては、吸引溶解ポンプにより形成される負圧が受入空間でも作用することで良好な粉体供給を実現できる。
また、このような溶解液における濃度や粘度の上昇は、溶媒に対する粉体の混合量(混合比)を増加させるに伴って増大する傾向にあり、粉体の混合量を増加させて、より濃度の高い溶解液を得ようとする場合には、より顕著な問題として顕在化することとなる。
前記定量供給装置が、前記受入空間を画定するとともに、前記受入空間において前記定量供給機構から前記粉体を受入れる粉体受部と前記粉体受部からの粉体を送出する粉体送出部とを画定するケーシングと、前記ケーシング内の前記粉体受部と前記粉体送出部とに亘って配設され、外周に螺旋状の翼部を有するスクリューの回転により、前記粉体受部に受入れた粉体を前記粉体送出部の粉体送出口を介して前記吸引溶解ポンプ側に強制的に供給する強制供給機構とを備え、
前記強制供給機構のスクリューが、前記粉体受部側に配置された大径スクリューと、前記大径スクリューよりも小径の螺旋状の翼部を外周に有し、前記粉体送出部側に配置された小径スクリューとを同軸上に備え、
前記小径スクリューが、前記大径スクリューの先端部から前記粉体送出口に亘って配置され、前記大径スクリューに対して相対回転自在に構成されている点にある。
これにより、吸引溶解ポンプ内で粉体と溶媒との溶解混合が進んで、吸引溶解ポンプ内で溶解混合された溶解液の濃度や粘度が上昇しても、上記強制供給機構により受入空間内から吸引溶解ポンプ側に粉体を常に定量供給でき、吸引溶解ポンプ内における所定量の粉体と所定量の溶媒とを、順次、ムラなく均一に分散させながら、所望の濃度にまで確実に溶解混合することができる。
また、定量供給機構から粉体受部に定量供給された粉体は、大径スクリューの外周に形成された螺旋状の翼部間の空間に収容され、大径スクリューの回転により当該大径スクリューの先端部(粉体送出部)にまで送出される。そして、粉体送出部に送出された粉体は、当該大径スクリューの先端部から粉体送出口に亘って同軸上に配置された小径スクリューの外周に形成された螺旋状の翼部間の空間に収容され、小径スクリューの回転により当該小径スクリューの先端部(粉体送出口)にまで、強制的、かつ、連続的に定量供給され、当該粉体送出口を介して吸引溶解ポンプ側に送出される。
これにより、粉体受部に受入れた粉体を、大径スクリューによりかさ密度が高い状態を維持したまま比較的ゆっくりと粉体送出部に送出することができる。さらに、粉体送出部に受入れた粉体を、大径スクリューにより高い状態に維持されたかさ密度をそのまま維持しつつ、小径スクリューの回転により粉体送出口を介して吸引溶解ポンプ側に送出することができる。
よって、強制供給機構により受入空間から吸引溶解ポンプ側への粉体の強制的、かつ、連続的な定量供給過程において、粉体が不必要に押し固められることを防止して、より確実に吸引溶解ポンプ側への粉体の定量供給を行うことができる。
このような吸引混合部を備えた場合、当該吸引混合部において濃度や粘度が上昇すると、高濃度の溶解液や高粘度の溶解液が当該吸引混合部を閉塞して、吸引溶解ポンプからの負圧吸引力を受入空間に対して作用させることが困難となることがあるが、このような場合であっても、受入空間からは、強制供給機構による強制押出しにより粉体が強制的かつ連続的に吸引混合部に定量供給されるので、吸引溶解ポンプ内にも当該粉体が定量供給される。
従って、吸引混合部において粉体と溶媒との初期混合を行う構成を採用することで、吸引溶解ポンプ内における溶解液をより均一な分散状態とし、所望の濃度にまで高めても、より迅速に溶解混合できる。しかも、吸引混合部における閉塞等が発生しそうになった場合でも吸引溶解ポンプ内への粉体の定量供給を継続して、当該吸引溶解ポンプ内において、粉体と溶媒とを順次ムラなく均一に分散させながら、所望の濃度にまでより確実、かつ迅速に溶解混合することができる。
具体的には、図1に示すように、粉体溶解装置Yは、粉体Pを定量供給する定量供給装置Xと、溶媒Rを定量供給する溶媒供給装置70と、定量供給装置Xから定量供給される粉体Pと溶媒供給装置70から定量供給される溶媒Rとを負圧吸引して溶解混合する吸引溶解ポンプ50と、吸引溶解ポンプ50から吐出された粉体Pが溶解した溶媒R(溶解液)のうち、完全に溶解していない粉体Pを含む溶媒Rと粉体Pが略完全に溶解した溶媒Rとを分離する分離装置80とを備えて構成されている。
具体的には、定量供給装置Xは、上部から下部へ向かうに連れて縮径する逆錐体形状に形成され、上部開口部2aから受け入れた粉体Pを下部開口部2bから排出させるホッパ2と、ホッパ2内に配設された攪拌部材としての攪拌羽根3Aにより、ホッパ2内の粉体Pを攪拌させる攪拌機構3と、受入空間4を画定するとともに、受入空間4において定量供給機構1から粉体Pを受入れる粉体受部5と粉体受部5からの粉体Pを送出する粉体送出部6とを画定するケーシング7とを備える。当該ケーシング7内には、下部開口部2bの下流側に接続された吸引溶解ポンプ50の負圧吸引によって、下部開口部2bから排出された粉体Pを吸引溶解ポンプ50に定量供給させる容積式の定量供給機構1と、定量供給機構1から定量供給される粉体Pを受入れる受入空間4において、粉体受部5と粉体送出部6とに亘って回転自在に配設され、外周に螺旋状の翼部8を有するスクリュー9の回転により、粉体受部5に受入れた粉体Pを粉体送出部6の粉体送出口7bを介して吸引溶解ポンプ50側に強制的に供給する強制供給機構10とを備える。
なお、粉体Pとしては、粉体であれば特に除外されるものではないが、例えば、電池電極材料等の化学原料、脱脂粉乳や小麦粉等の食品原料、医薬原料等であって、顆粒、粉体、細粒等の粉体(これら粉体の混合物を含む)を例示することができる。粉体には、粉粒体も含まれる。また、溶媒Rとしては、粉体Pを良好に溶解することができる溶媒であれば特に除外されるものではないが、例えば、液体や液状体を用いることができる。
本実施形態においては、例えば、粉体PをCMC(カルボキシルメチルセルロース)とし、溶媒Rを水とした。
ホッパ2は、図1〜図3に示すように、上部から下部へ向かうに連れて縮径する逆円錐形状に形成され、大気開放された上部開口部2aから受け入れた粉体Pを貯留して、下部開口部2bから排出させることができるように構成されている。上部開口部2a及び下部開口部2bの横断面形状(上面視)は中心軸Zを中心とする円形状とされ、上部開口部2aは下部開口部2bより大径に形成されている。逆円錐形状の内側壁面2Aの傾斜角度は水平面に対して略60度とされる。なお、上部開口部2aを蓋体(図示せず)等により密閉する構成を採用することもできる。
ケーシング7の上面には、導入部11のスリット状の開口に対応したスリット状の粉体供給口7aが設けられ、ホッパ2の下部開口部2bからの粉体Pをケーシング7内に供給可能に構成されている。ケーシング7の右側面下部には、定量供給機構1にて定量供給された粉体Pを、受入空間4を介して下流側の粉体溶解装置Y側に送出する粉体送出口7bが設けられている。なお、ケーシング7の粉体送出口7bが形成される箇所には、後述するミキシングノズル52(吸引混合部の一例)の連結フランジ部52aと連結可能な連結フランジ部7cが形成される。
具体的には、定量供給機構1は、ケーシング7内の粉体供給口7aのすぐ下流側で、回転自在に配設される計量回転体14と、計量回転体14を回転軸芯S周りで回転駆動させる計量回転体駆動モータM2とを備える。
この状態で、ホッパ2の内側壁面2A及び下部開口部2bの近傍の粉体Pを、攪拌機構3の攪拌羽根3Aにより攪拌することで、攪拌羽根3Aによるせん断作用により解砕された粉体Pは下部開口部2bへ流下する。当該粉体Pは、導入部11を介して容積式の定量供給機構1の粉体供給口7aから計量回転体14の粉体収容室14bに供給される。粉体収容室14bは、計量回転体駆動モータM2により回転させられ、粉体供給口7aから供給された粉体Pを所定量ずつ受入空間4の粉体受部5に定量供給させる。
具体的には、強制供給機構10は、ケーシング7内の粉体受部5と粉体送出部6とに亘って回転自在に配設され、外周に螺旋状の翼部8を有するスクリュー9と、当該スクリュー9を回転軸芯T周りで回転駆動させるスクリュー駆動モータM3,M4とを備える。
また、粉体送出部6の内径が、粉体送出口7b側に進むに連れて、大径スクリュー9Aの翼部8aの外径及び小径スクリュー9Bの翼部8bの外径に沿って順次縮径するように形成されている。
図1〜図5に示すように、粉体溶解装置Yは、定量供給装置Xと、溶媒供給装置70と、吸引溶解ポンプ50と、分離装置80とを備えて構成されている。
具体的には、溶媒供給装置70は、溶媒Rを供給する溶媒源71と、溶媒源71からの溶媒Rの流量を設定量に調整する流量計及び流量調整バルブ(図示せず)と、設定量に調整された溶媒Rをミキシングノズル52を介して吸引溶解ポンプ50内に供給する管部72とを備えて構成されている。
なお、分離装置80は、図示しないが、吸引溶解ポンプ50の吐出部58に連なる導入パイプを円筒状容器83の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器83の上部に排出流路82と連なる排出部を備えるとともに、下部に循環流路81と連なる循環部を備え、導入パイプの吐出上端に、導入パイプから吐出される溶解液の流れを旋回させる捻り板を配設して構成している。
まず、定量供給装置Xを停止し、シャッタバルブ59を閉止してミキシングノズル52を介する粉体Pの吸引を停止した状態で、溶媒供給装置70から溶媒Rのみを供給しながら回転翼51を回転させ、吸引溶解ポンプ50の運転を開始する。所定の運転時間が経過して、吸引溶解ポンプ50内が、負圧状態(例えば、−0.06MPa程度の真空状態)となると、シャッタバルブ59を開放する。これによって、ミキシングノズル52の内部、及びケーシング7の受入空間4を負圧状態(−0.06MPa程度)とし、導入部11の内部及びホッパ2の下部開口部2b近傍を当該負圧状態と大気圧状態との間の圧力状態にする。
また、上記定量供給装置Xの作動により、強制供給機構10も作動状態となり、粉体受部5に定量供給された粉体Pを、大径スクリュー9Aの回転により粉体送出部6に送出するとともに、小径スクリュー9Bの回転により粉体送出部6から順次、粉体送出部7bを介してミキシングノズル52内に強制的かつ連続的に定量供給される。なお、定量供給機構1から定量供給される粉体Pの量と強制供給機構10によりミキシングノズル52に定量供給される粉体Pの量は略同量となっている。一方で、吸引溶解ポンプ50の負圧吸引力により、溶媒供給装置70の管部72から溶媒Rが定量供給される。
これにより、ミキシングノズル52内には、強制供給機構10による強制押出し及び吸引溶解ポンプ50の負圧吸引力により、粉体P及び溶媒Rが常に定量供給され、当該ミキシングノズル52において、初期混合を良好に行った後、吸引溶解ポンプ50内に供給することができる。
(1)上記実施形態では、強制供給機構10のスクリュー9として、大径のスクリュー9A及び小径のスクリュー9Bを用いたが、粉体Pの物性等に応じてスクリュー9の数を適宜変更することが可能である。例えば、粉体送出部6の内径を大径、中径、小径のスクリュー9が配設可能に順次粉体送出口7b側に縮径する構成を採用し、当該粉体送出部6に3つの大径、中径、小径のスクリューを同軸上に配設することもできる。
この場合、受入空間4に適切に負圧吸引力を作用させることができれば、粉体送出口7bの開口面積を、粉体受部5の内径と同程度、或いは大きく形成することも可能である。
また、分離装置80において、循環流路81にて溶解液を順次循環させながら粉体Pと溶媒Rの溶解混合を実行する状態で、例えば、溶解混合が充分に進む前に所定量の溶媒Rの供給が終了した場合には、分離装置80において完全に溶解されたとして分離され、供給先90に供給される溶解液を、溶媒供給装置70の管路72を介して再度供給し、ミキシングノズル52において粉体Pと再度混合する構成としてもよい。
4 受入空間(ケーシング)
5 粉体受部(受入空間)
6 粉体送出部(受入空間)
7 ケーシング(定量供給装置)
7a 粉体供給口(ケーシング)
7b 粉体送出口(ケーシング)
8 翼部(スクリュー)
9 スクリュー(強制供給機構)
9A 大径スクリュー(スクリュー)
9B 小径スクリュー(スクリュー)
10 強制供給機構(定量供給装置)
17 駆動軸(小径スクリュー)
18 駆動軸(大径スクリュー)
19 先端部(大径スクリュー)
50 吸引溶解ポンプ
52 ミキシングノズル(吸引混合部)
X 定量供給装置
Y 粉体溶解装置
P 粉体
R 溶媒
T 回転軸芯
Claims (4)
- 粉体を定量供給する容積式の定量供給機構を有し、前記定量供給機構から供給される粉体を受入れる受入空間が形成された定量供給装置を備え、前記受入空間から吸引溶解ポンプ内に前記粉体を負圧吸引するとともに、前記吸引溶解ポンプ内に溶媒を負圧吸引し、負圧吸引した前記粉体及び前記溶媒を前記吸引溶解ポンプ内で溶解混合する粉体溶解装置であって、
前記定量供給装置が、前記受入空間を画定するとともに、前記受入空間において前記定量供給機構から前記粉体を受入れる粉体受部と前記粉体受部からの粉体を送出する粉体送出部とを画定するケーシングと、前記ケーシング内の前記粉体受部と前記粉体送出部とに亘って配設され、外周に螺旋状の翼部を有するスクリューの回転により、前記粉体受部に受入れた粉体を前記粉体送出部の粉体送出口を介して前記吸引溶解ポンプ側に強制的に供給する強制供給機構とを備え、
前記強制供給機構のスクリューが、前記粉体受部側に配置された大径スクリューと、前記大径スクリューよりも小径の螺旋状の翼部を外周に有し、前記粉体送出部側に配置された小径スクリューとを同軸上に備え、
前記小径スクリューが、前記大径スクリューの先端部から前記粉体送出口に亘って配置され、前記大径スクリューに対して相対回転自在に構成されている粉体溶解装置。 - 前記強制供給機構と前記吸引溶解ポンプとの間に、前記強制供給機構から前記吸引溶解ポンプ側に負圧吸引される前記粉体と負圧吸引される前記溶媒とを初期混合する吸引混合部を備えた請求項1に記載の粉体溶解装置。
- 前記粉体送出部が円筒状に形成され、前記粉体送出部の内径が、前記粉体送出口側に進むに連れて、前記大径スクリューの翼部の外径及び前記小径スクリューの翼部の外径に沿って順次縮径するように形成されている請求項1又は2に記載の粉体溶解装置。
- 前記粉体送出部において、前記大径スクリュー及び前記小径スクリューのそれぞれが送出する粉体の単位時間当たりの容積が同じになるように、前記大径スクリュー及び前記小径スクリューの回転数が設定されている請求項1〜3の何れか一項に記載の粉体溶解装置。
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