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JP5634686B2 - ワイヤハーネスの固定構造 - Google Patents

ワイヤハーネスの固定構造 Download PDF

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Description

本発明は、自動車のインストルメント・パネルに収容される各種電子機器に電力を供給するとともに、インストルメント・パネルに固定されたインパネメンバに固定されるワイヤハーネスの固定構造に関する。
移動体としての自動車の乗員室内には、各種電子機器が収容されるインストルメント・パネルが取り付けられている。インストルメント・パネルには、インストルメント・パネルを補強するインパネメンバ102が固定されている。そして、インパネメンバ102には、前述した各種電子機器に電力を供給するとともに、電源と前記電子機器との間の適宜箇所に配策されたワイヤハーネス103が固定される。
前述したワイヤハーネス103は、複数の電線が束ねられた電線束131と、複数のコネクタ(図示しない)と、2つの配線用クリップ133と、を備えている。電線は、導電性の芯線と、該芯線を被覆する被覆部とを備えた所謂被覆電線である。
配線用クリップ133は、合成樹脂からなる。2つの配線用クリップ133は、インパネメンバ102の長手方向の中央部(即ち自動車の幅方向の中央部)に設けられているとともに、互いに間隔をあけて設けられている。そして、配線用クリップ133は、電線束131に取り付けられた状態で、前述したインパネメンバ102に設けられた孔102aに係止することでインパネメンバ102に固定されることにより、該電線束131の位置決め及び振れ止めなどを行う。
前述したワイヤハーネス103は、インストルメント・パネルに固定されかつ該インストルメント・パネルを補強するインパネメンバ102に固定されている。
特開2002−362255号公報
しかしながら、自動車が解体される際には、重機が使用されて、ワイヤハーネス103が固定されたインパネメンバ102が車体本体から分離(即ち解体)される。この際、インパネメンバ102に固定されたワイヤハーネス103は、インパネメンバ102と分離(即ち解体)されるとともに車体本体に残されて、インパネメンバ102のみが車体本体から分離(即ち解体)されるため、再度ワイヤハーネス103のみを車体本体から分離(即ち解体)する作業が発生する虞れがあった。
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、自動車が解体される際に、インパネメンバとともに、インパネメンバに固定されたワイヤハーネスを車体本体から分離(即ち解体)することができるワイヤハーネスの固定構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のワイヤハーネスの固定構造は、インストルメント・パネルに収容されかつ端末が取り付けられた電子機器に電力を供給するワイヤハーネスを、筒状に形成されかつ前記インストルメント・パネルに固定されたインパネメンバに固定するワイヤハーネスの固定構造において、前記ワイヤハーネスと前記インパネメンバとが互いに重ねられた状態で、これら前記ワイヤハーネスと前記インパネメンバとの外周に巻き付けられて、前記ワイヤハーネスを前記インパネメンバに固定した際の前記固定部材の機械的強度の総和が、前記ワイヤハーネスの前記端末と前記電子機器との嵌合力の総和よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載のワイヤハーネスの固定構造は、請求項1に記載のワイヤハーネスの固定構造において、前記インパネメンバが、自動車の車体本体の一部を構成するものであり、前記ワイヤハーネスが前記インパネメンバに固定された状態において、前記インパネメンバを前記車体本体から分離する際に、前記固定部材の機械的強度が、前記インパネメンバと前記ワイヤハーネスとを同時に前記車体本体から分離できる程度の強度を有していることを特徴とする。
請求項3に記載のワイヤハーネスの固定構造は、請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネスの固定構造において、前記固定部材が、複数設けられているとともに、互いに間隔をあけて配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載のワイヤハーネスの固定構造は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のワイヤハーネスの固定構造において、前記固定部材が、結束バンドであることを特徴とする。
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、ワイヤハーネスの固定構造は、ワイヤハーネスをインパネメンバに固定する固定部材を備えている。このため、ワイヤハーネスとインパネメンバとが互いに重ねられた状態で、固定部材が、これらワイヤハーネスとインパネメンバとの外周に巻きつけられて、結束されることによって、ワイヤハーネスをインパネメンバに確実に固定することができる。
請求項2記載の発明によれば、ワイヤハーネスをインパネメンバに固定した際の固定部材の機械的強度は、ワイヤハーネスの端末と電子機器との嵌合力よりも大きい。このため、自動車が解体される際には、ワイヤハーネスが固定されたインパネメンバを車体本体から分離(即ち解体)することにより、インパネメンバとインパネメンバに固定されたワイヤハーネスとを同時に車体本体から分離(即ち解体)することができる。こうして、自動車を解体する際の解体時間を減少することができる。
請求項3記載の発明によれば、前記固定部材が、複数設けられているとともに、互いに間隔をあけて配置されている。こうして、ワイヤハーネスがインパネメンバに、確実に重ねられるとともに、ワイヤハーネスをインパネメンバにより確実に固定することができる。
請求項4記載の発明によれば、ワイヤハーネスの固定構造においては、ワイヤハーネスをインパネメンバに固定する固定部材として結束バンドが用いられている。こうして、固定部材としての結束バンドのバンド本体が、ワイヤハーネスとインパネメンバとの外周に巻きつけられて、該バンド本体の他端部が、結束バンドの結束部に設けられた貫通口に通される容易な作業で、確実にワイヤハーネスをインパネメンバに固定することができる。
また、自動車の解体作業時において、車体本体から分離(即ち解体)されるとともに、固定部材としての結束バンドによってインパネメンバに固定されたワイヤハーネスは、結束バンドのバンド本体を切断する容易な作業で、インパネメンバと分離することができる。
本発明の一実施形態にかかるワイヤハーネスの固定構造を示す斜視図である。 図1に示されたワイヤハーネスの固定構造の要部を拡大して示す要部拡大図である。 従来のワイヤハーネスの固定構造を示す側面図である。
以下、本発明の一実施形態にかかるワイヤハーネスの固定構造(以下、単に固定構造と記す)を、図1乃至図2に基づいて説明する。
本実施形態にかかる図1乃至図2に示す固定構造1は、移動体としての自動車の室内に設けられたインストルメント・パネル(図示しない)に収容されかつ端末(後述するコネクタ32)が取り付けられた電子機器に電力を供給するワイヤハーネス3を、筒状に形成されかつ前記インストルメント・パネルに固定されたインパネメンバ2に固定する構造である。なお、図1においては、後述する配線用クリップ33は省略されている。
インストルメント・パネルは、合成樹脂で構成されている。インストルメント・パネルには、収容部(図示しない)が設けられている。収容部は、インストルメント・パネルの表面に開口した穴である。収容部には、ワイヤハーネス3の端末(後述するコネクタ32)が取り付けられた電子機器(図示しない)が収容される。
インパネメンバ2は、金属で構成されており、前述した自動車の車体の一部をなしている。インパネメンバ2は、乗員室の前方に配置されて、該自動車の幅方向に沿って直線状に延びた円筒状に形成されている。インパネメンバ2は、後述するワイヤハーネス3の配線用クリップ33が係止する孔2aを2つ設けている。2つの孔2aは、インパネメンバ2の長手方向の中央部(即ち自動車の幅方向の中央部)に設けられているとともに、互いに間隔をあけて設けられている。
固定構造1は、固定部材としての結束バンド4を用いて、ワイヤハーネス3をインパネメンバ2に固定する構造である。結束バンド4は、ワイヤハーネス3とインパネメンバ2とが互いに重ねられた状態で、ワイヤハーネス3とインパネメンバ2との外周に巻きつけられて、前記ワイヤハーネス3を前記インパネメンバ2に固定する。
前述したワイヤハーネス3は、複数の電線31aが束ねられた電線束31と、複数のコネクタ32と、2つの配線用クリップ33と、を備えている。電線31aは、導電性の芯線と、該芯線を被覆する被覆部とを備えた所謂被覆電線である。
コネクタ32は、電線束31から分岐された電線31aの芯線の端部に接続された端子金具(図示しない)と、該端子金具を収容する絶縁性のコネクタハウジング(図示しない)と、を備えている。即ち、コネクタ32は、電線31aの端部に取り付けられているとともに、特許請求項の範囲に示された「ワイヤハーネス3の端末」に相当する。そして、電線束31から分岐された電線31aの端部に取り付けられた各コネクタ32は、自動車に搭載される各種の電子機器それぞれに嵌合する(取り付けられている)。こうして、コネクタ32によって電線31aと各種の電子機器とが互いに接続されたワイヤハーネス3は、各種の電子機器に電力を供給する。なお、本明細書においては、複数のコネクタ32と、該コネクタ32が嵌合した際の各種の電子機器との嵌合力の総和は、例えば約1000Nよりも小さい力である。
配線用クリップ33は、合成樹脂からなる。2つの配線用クリップ33は、インパネメンバ2の長手方向の中央部(即ち自動車の幅方向の中央部)に設けられているとともに、互いに間隔をあけて設けられている。そして、図2に示すように、配線用クリップ33は、電線束31に取り付けられた状態で、前述したインパネメンバ2に設けられた孔2aに係止することでインパネメンバ2に固定されることにより、該電線束31の位置決め及び振れ止めなどを行う。
固定部材としての結束バンド4は、図示例では2つ設けられている。2つの結束バンド4は、インパネメンバ2の長手方向の中央部(即ち自動車の幅方向の中央部)に設けられているとともに、互いに間隔をあけて設けられている。即ち結束バンド4は、前述した配線用クリップ33の近傍に設けられている。結束バンド4は、結束部(図示しない)と、バンド本体41と、を備えている。結束部は、筒状に形成されており、中央に貫通した貫通口(図示しない)を設けている。バンド本体41は、帯状を成している。バンド本体41の一端部は、結束部に一体に連なっている。バンド本体41の他端部は、結束部に設けられた貫通口に通される。こうして、バンド本体41の他端部と、結束部とが、互いに係止される。このような結束バンド4は、ワイヤハーネス3とインパネメンバ2とが互いに重ねられた状態で、これらワイヤハーネス3とインパネメンバ2との外周に巻きつけられて、ワイヤハーネス3をインパネメンバ2に固定する。なお、本明細書においては、2つの結束バンド4が、ワイヤハーネス3とインパネメンバ2とを互いに固定した際の機械的強度の総和は、例えば約1000Nより大きい力である。このように、ワイヤハーネス3をインパネメンバ2に固定した際の2つの結束バンド4の機械的強度は、前述したワイヤハーネス3の端末(即ちコネクタ32)と各電子機器との嵌合力との総和よりも大きい。
次に、前述した固定構造1の組み立て手順を説明する。電線束31が、インパネメンバ2に重ねられた状態で、電線束31から分岐された電線31aの端部に取り付けられた各コネクタ32が、各種の電子機器それぞれに嵌合する(取り付けられる)。こうして、端末(即ちコネクタ32)が電子機器に取り付けられたワイヤハーネス3は、該電子機器に電力を供給する。そして、配線用クリップ33が、電線束31に取り付けられた状態で、前述したインパネメンバ2に設けられた孔2aに係止する。こうして、配線用クリップ33は、インパネメンバ2に固定されることにより、インパネメンバ2と該電線束31の位置決め及び振れ止めを行う。そして、電線束31(即ちワイヤハーネス3)と、インパネメンバ2とが互いに重ねられた状態で、結束バンド4のバンド本体41がこれら電線束31(即ちワイヤハーネス3)と、インパネメンバ2との外周に巻きつけられて、バンド本体41の他端部が、結束部に設けられた貫通口に通される。こうして、バンド本体41の他端部と、結束部とが、互いに係止される。こうして、固定部材としての結束バンド4が、ワイヤハーネス3をインパネメンバ2に固定する。
上述した実施形態によれば、固定構造1は、ワイヤハーネス3をインパネメンバ2に固定する固定部材としての結束バンド4を備えている。このため、ワイヤハーネス3とインパネメンバ2とが互いに重ねられた状態で、結束バンド4が、これらワイヤハーネス3とインパネメンバ2との外周に巻きつけられて、バンド本体41の他端部が、結束部に設けられた貫通口に通されて、結束されることによって、ワイヤハーネス3をインパネメンバ2に確実に固定することができる。
また、固定部材としての結束バンド4がワイヤハーネス3をインパネメンバ2に固定する際の機械的強度は、ワイヤハーネス3の端末(即ちコネクタ32)と電子機器との嵌合力よりも大きい。このため、自動車が解体される際には、ワイヤハーネス3が固定されたインパネメンバ2を車体本体から分離(即ち解体)することにより、インパネメンバ2とを同時に車体本体から分離(即ち解体)することができる。こうして、自動車を解体する際の解体時間を減少することができる。
また、固定部材としての結束バンド4が、複数設けられているとともに、互いに間隔をあけて配置されている。こうして、インパネメンバ2にワイヤハーネス3が、確実に重ねられるとともに、ワイヤハーネス3をインパネメンバ2により確実に固定することができる。
また、固定構造1は、ワイヤハーネス3をインパネメンバ2に固定する固定部材として結束バンド4が用いられている。こうして、結束バンド4のバンド本体41が、インパネメンバ2とワイヤハーネス3との外周に巻きつけられて、バンド本体41の他端部が、結束部に設けられた貫通口に通される容易な作業で、確実にワイヤハーネス3をインパネメンバ2に固定することができる。
また、自動車の解体作業時において、車体本体から分離(即ち解体)されるとともに、固定部材としての結束バンド4によってインパネメンバ2に固定されたワイヤハーネス3は、結束バンド4のバンド本体41を切断する容易な作業で、インパネメンバ2と分離することができる。
なお、上述した実施形態によれば、固定構造1は、固定部材として結束バンド4を備えている。しかしながら本発明はこれに限ったものではなく固定部材は、ロープなどひも状に形成されているとともに、機械的強度及び耐熱性が結束バンド4と同等または、同等以上のものであれば良い。また、ひも状に形成された固定部材は、麻や綿などによって構成されていても良い。さらに、固定部材の結束部には、金具などが用いられて、該結束部が補強されていても良い。
また、上述した実施形態によれば、結束バンド4は2つ用いられている。しかしながら本発明はこれに限ったものではなく結束バンド4は2つ以上設けられていても良い。
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 ワイヤハーネスの固定構造
2 インパネメンバ
3 ワイヤハーネス
32 コネクタ(端末)
4 結束バンド(固定部材)

Claims (4)

  1. インストルメント・パネルに収容されかつ端末が取り付けられた電子機器に電力を供給するワイヤハーネスを、
    筒状に形成されかつ前記インストルメント・パネルに固定されたインパネメンバに固定するワイヤハーネスの固定構造において、
    前記ワイヤハーネスと前記インパネメンバとが互いに重ねられた状態で、これら前記ワイヤハーネスと前記インパネメンバとの外周に巻き付けられて、前記ワイヤハーネスを前記インパネメンバに固定する固定部材を備え
    前記ワイヤハーネスを前記インパネメンバに固定した際の前記固定部材の機械的強度の総和が、前記ワイヤハーネスの前記端末と前記電子機器との嵌合力の総和よりも大きくなるように形成されていることを特徴とするワイヤハーネスの固定構造。
  2. 前記インパネメンバが、自動車の車体本体の一部を構成するものであり、
    前記ワイヤハーネスが前記インパネメンバに固定された状態において、前記インパネメンバを前記車体本体から分離する際に、前記固定部材の機械的強度が、前記インパネメンバと前記ワイヤハーネスとを同時に前記車体本体から分離できる程度の強度を有していることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネスの固定構造。
  3. 前記固定部材が、複数設けられているとともに、互いに間隔をあけて配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネスの固定構造。
  4. 前記固定部材が、結束バンドであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のワイヤハーネスの固定構造。
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