JP5625264B2 - 長繊維強化樹脂成形体とその製造方法 - Google Patents
長繊維強化樹脂成形体とその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5625264B2 JP5625264B2 JP2009138112A JP2009138112A JP5625264B2 JP 5625264 B2 JP5625264 B2 JP 5625264B2 JP 2009138112 A JP2009138112 A JP 2009138112A JP 2009138112 A JP2009138112 A JP 2009138112A JP 5625264 B2 JP5625264 B2 JP 5625264B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molded body
- filler
- fiber reinforced
- long fiber
- molded
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
プリプレグを所望の形状に成形する方法としては、相対移動自在な上型と下型とを有する圧縮成形用型を使用して、加熱下で成形する圧縮成形法がある。
図6は、面状の長繊維強化樹脂成形体を製造するための従来の圧縮成形用型の一例を示す図である。図7は、図6の圧縮成形用型を用いて成形された面状の成形体を示す図である。図6の圧縮成形用型は、上型31と下型32とが上下に相対接近してキャビティ33を形成し、キャビティ33内でプリプレグを圧縮成形するようになっている(例えば特許文献1の図2参照。)。
このような角部41a、41bを有する形状は、この成形体40が人の手などに触れるものである場合には、角部41a、41bが怪我の原因となる可能性がある点や、角部41a、41bが製造時に欠損しやすい点などから、好適ではない。
前記充填材は、SMCからなることが好ましい。
本発明の長繊維強化樹脂成形体としては、長繊維強化樹脂成形体本体の縁部に、前記充填材を備えた縁部材が一体化されている形態が好ましい。
その他には、縁部が前記充填材を内包するように巻き込まれている形態も例示できる。
本発明の長繊維強化樹脂成形体の製造方法は、縁部が充填材を内包するプリプレグを圧縮成形して、前記縁部の端面が凸曲面状である長繊維強化樹脂成形体を一体成形するものである。
ここで「充填材を内包する」とは、充填材が露出しないように被覆された状態のことを意味する。
以下本発明について、実施形態例を挙げて詳細に説明する。
図1は、第1実施形態例の長繊維強化樹脂成形体(以下、成形体という。)10Aについて、その縁部を含む要部を示した部分断面図である。
この例の成形体10Aは、面状に形成された長繊維強化樹脂成形体本体(以下、成形体本体という。)11と、この成形体本体11の縁部における一方の面11aに一体化された縁部材12とを有して構成されている。成形体本体11は、長繊維で熱硬化性樹脂が強化された長繊維強化樹脂からなっている。そして、縁部において、成形体本体11と縁部材12とで構成される端面13は、凸曲面状に形成されている。
また、この例の縁部材12は、充填材12aを備えるとともに、この充填材12aが露出しないように充填材12aの全周を覆う被覆材12bを備えている。充填材12aはSMC(短繊維と熱硬化性樹脂からなるシートモールディングコンパウンド)からなり、被覆材12bは、成形体本体11と同じ種類の長繊維と同じ種類の熱硬化性樹脂とを備えた長繊維強化樹脂からなっている。
また、このような成形体10Aは、縁部が充填材12aを内包している。そのため、成形時の樹脂流れによって熱硬化性樹脂が過剰になり、強度が低下して欠けやすい傾向にある成形体本体11の縁部を充填材12aで補強することができ、物性に優れた成形体10Aとすることができる。加えて、充填材12aは露出しないように内包されているため、樹脂流れが起こりやすいSMCなどが充填材12aとして使用されている場合であっても、SMC中の熱硬化性樹脂が成形時に成形体本体11側へと移動してしまう現象を効果的に防ぐことができる。よって、このような樹脂流れに起因して、成形体本体11の繊維配向が乱れて物性が変化してしまうという問題や、外観が低下するという問題を防止することができる。
また、このような成形体10Aは、後述の圧縮成形用型を使用した圧縮成形により、一体成形されたものであって、縁部を切削加工するなどの後処理工程や、成形体本体11と縁部材12とを別々に製造して接着剤で接着する工程などを必要としないため、少ない工程数で製造でき、生産性に優れる。
まず、充填材用のSMCと、被覆材用のシート状プリプレグとを用意する。ついで、シート状プリプレグでSMCの全周を覆い、プリプレグ縁部材を製造する。一方、成形体本体用の面状のプリプレグ本体を用意し、このプリプレグ本体の縁部における一方の面にプリプレグ縁部材を配置して、縁部が充填材を内包するプリプレグを製造する。
ついで、このプリプレグを図2に示すような圧縮成形用型20で圧縮成形する。
または、シート状プリプレグでSMCの全周を覆ったものを圧縮成形型20に装填後、引き続き、成形体本体用の面状のプリプレグ本体を圧縮成形型20に装填することにより、縁部が充填材を内包するプリプレグを圧縮成形型20内において製造し、これを引き続き圧縮成形してもよい。
圧縮成形の前には、予備成形と脱気とを行ってもよい。
具体的には、この対向面21a、22aは、相対移動の方向に対して垂直な面(この例では水平面)であり、キャビティ25の外周縁部において、相対移動の方向に対して垂直方向(この例では水平方向)に延びる間隙26を介して、互いに対向するように形成されている。対向面21a、22aの間に形成された間隙26は、プリプレグが加熱されて、プリプレグを構成する熱硬化性樹脂の流動性が高くなったとしてもはみ出さず、熱硬化反応などによりキャビティ25内で発生したガスが抜ける程度の距離C(例えば、0.05〜0.1mm)に設定されている。
なお、この例の圧縮成形用型20では、間隙26は、対向面21a、22aにおいて水平方向に延びた後、垂下して、型外に通じるように形成されている。
こうして圧縮成形した後、上型21を上昇させて圧縮成形型20を型開きし、成形された成形体10Aを取り出す。
取り出された成形体10Aには、圧縮成形中に間隙26の部分に熱硬化性樹脂がはみ出したことによるバリが形成されていることがあるが、その場合には、バリを落とすための研磨などを必要に応じて行う。
上型21と下型22の材質としては、圧縮成形時に溶融したり変形したりしないものであればよく、好ましくは金属が用いられるが、場合によっては樹脂であってもよい。
このような圧縮成形用型20を使用することによって、縁部が充填材12aを内包し、かつ、凸曲面状であって角部のない端面13を備えた図1のような成形体10Aを一体成形することができる。
長繊維としては、例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、高強度ポリエチレン、PBO繊維、ステンレススチール繊維等が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
充填材12aを被覆する被覆材12bとしては、成形体本体11と同じ種類の長繊維と熱硬化性樹脂とを備えたクロスプリプレグや、スクリムクロスプリプレグなどから製造される長繊維強化樹脂を使用すると、成形体本体11との接着性が優れるとともに、充填材12aがSMC、熱硬化性樹脂などの場合にも、硬化前の熱硬化性樹脂が外側に漏れにくく好ましい。
図3は、第2実施形態例の成形体10Bについて、その縁部を含む要部を示した部分断面図である。
この例の成形体10Bの縁部材12は、充填材12aが露出しないように、被覆材12bが充填材12aを覆っているだけでなく、成形体本体11の一方の面(縁部材12が一体化された側の面)11aに沿って端面13側とは反対側に延出し、この延出した延出部12cも成形体本体11の一方の面11aと接着している点で、第1実施形態例の成形体10Aと異なっている。
このような成形体10Bによれば、延出部12cの分だけ、第1実施形態例の成形体10Aよりも成形体本体11と縁部材12との接着面積が大きくなるため、成形体本体11と縁部材12とがより良好に接着する。
この成形体10Bも、第1実施形態例の場合と同様の方法により、一体成形することができる。
図4は、第3実施形態例の成形体10Cについて、その縁部を含む要部を示した部分断面図である。
この例の成形体10Cの縁部材12は、充填材12aが露出しないように、被覆材12bが充填材12aを覆っている点では第1および第2実施形態例の成形体10A、10Bと同様である。ただし、被覆材12bが充填材12aの全周を覆っているのではなく、充填材12aにおいて成形体本体11の一方の面11aとは接触していない非接触面のみを覆っている。そして、縁部材12が成形体本体11と一体化されることで、充填材12aが露出せず内包されるように構成されている点で、第1および第2実施形態例の成形体10A、10Bとは異なっている。そして、被覆材12bは、成形体本体11の一方の面11aに沿って端面13側とは反対側に延出するとともに、成形体本体11の端面13側にも延出し、これら延出した延出部12cが成形体本体11と接着することで、成形体本体11と縁部材12とが一体化されている。
この際、被覆材12bと、この被覆材12bと接着する成形体本体11の表面とで、同じ種類のプリプレグが使用されていると、被覆材12bの延出部12cが成形体本体11と良好に接着し、好適である。
図5は、第4実施形態例の成形体10Dについて、その縁部を含む要部を示した部分断面図である。
この例の成形体10Dは、成形体本体と充填材を有する縁部材とが一体化された構成ではなく、面状の成形体14の縁部が充填材12aを内包するように巻き込まれている点で、第1〜3実施形態例の成形体10A〜10Cと異なっている。
この例の成形体10Dによれば、第1〜3実施形態例のように、被覆材12bを使用する必要がないため、少ない材料で構成でき、コストを抑制することができる。
この成形体10Dを製造する場合には、面状の長繊維強化樹脂からなるプリプレグを圧縮成形型20内に配置し、さらにその縁部に充填材12aを配置し、充填材12aが露出しないように縁部を内側に巻き込んだ状態として、圧縮成形すればよい。
また、このような成形体10A〜10Dは、縁部が充填材12aを内包している。そのため、強度が低下しやすい傾向にある縁部を充填材12aで補強することができ、物性に優れた成形体10A〜10Dとすることができる。加えて、樹脂流れが起こりやすいSMCなどが充填材12aとして使用されている場合であっても、SMC中の熱硬化性樹脂の移動を防ぎ、物性変化や外観低下を抑制することができる。
また、このような成形体10A〜10Dは、一体成形されたものであって、縁部13を切削加工するなどの後処理工程や、成形体本体11と縁部材12とを別々に製造して接着剤で接着する工程などを必要としないため、少ない工程数で製造でき、生産性に優れる。
なお、成形体10A〜10Dは、その縁部の全部、すなわち全周縁部が充填材を内包し、かつ、全周端面が凸曲面状をなすものであってもよいし、必要に応じて部分的に充填材を内包し、その部分を構成する端面が凸曲面状をなすものであってもよい。
11 長繊維強化樹脂成形体本体
12 縁部材
12a 充填材
12b 被覆材
12c 延出部
13 端面
14 面状の成形体
20 圧縮成形用型
21 上型
21a 対向面
22 下型
22a 対向面
23 成形面
24 成形面
25 キャビティ
26 間隙
Claims (2)
- 縁部が充填材を内包し、かつ、前記縁部の端面が凸曲面状をなすように一体成形され、
前記縁部が前記充填材を内包するように巻き込まれている面状の長繊維強化樹脂成形体であって、
前記充填材が、SMCまたは熱硬化性樹脂からなる長繊維強化樹脂成形体。 - 縁部が充填材を内包するように巻き込まれているプリプレグを圧縮成形して、前記縁部の端面が凸曲面状である面状の長繊維強化樹脂成形体を一体成形する長繊維強化樹脂成形体の製造方法であって、
前記充填材が、SMCまたは熱硬化性樹脂からなる長繊維強化樹脂成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009138112A JP5625264B2 (ja) | 2009-06-09 | 2009-06-09 | 長繊維強化樹脂成形体とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009138112A JP5625264B2 (ja) | 2009-06-09 | 2009-06-09 | 長繊維強化樹脂成形体とその製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013204848A Division JP5682843B2 (ja) | 2013-09-30 | 2013-09-30 | 長繊維強化樹脂成形体とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010284807A JP2010284807A (ja) | 2010-12-24 |
JP5625264B2 true JP5625264B2 (ja) | 2014-11-19 |
Family
ID=43540906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009138112A Active JP5625264B2 (ja) | 2009-06-09 | 2009-06-09 | 長繊維強化樹脂成形体とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5625264B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57107817A (en) * | 1980-12-25 | 1982-07-05 | Horikiri Bane Seisakusho:Kk | Forming process for eye hole-portion of frp leaf spring |
JPH03161322A (ja) * | 1989-11-20 | 1991-07-11 | Toyota Motor Corp | 繊維強化樹脂製品の製造方法 |
JP2007152615A (ja) * | 2005-12-01 | 2007-06-21 | Toho Tenax Co Ltd | 角部を有するfrp製中空部材の成形方法 |
-
2009
- 2009-06-09 JP JP2009138112A patent/JP5625264B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010284807A (ja) | 2010-12-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5682843B2 (ja) | 長繊維強化樹脂成形体とその製造方法 | |
US10913233B2 (en) | Structure with honeycomb core | |
US9120272B2 (en) | Smooth composite structure | |
US20130127092A1 (en) | Moulded multilayer plastics component with continuously reinforced fibre plies and process for producing this component | |
GB2445929B (en) | Fibre-reinforced composite moulding and manufacture thereof | |
JP2015178241A (ja) | 繊維強化樹脂材の製造方法 | |
JP2015174248A (ja) | 複合構造体及びその製造方法 | |
CN103895717A (zh) | 纤维增强塑料车体结构及其制造方法 | |
JP2021014125A (ja) | 繊維強化樹脂構造物の製造方法、繊維強化樹脂構造物の製造システム及び繊維強化樹脂構造物 | |
JP2010507530A5 (ja) | ||
WO2022260186A1 (ja) | プレス用積層体及びプレス済積層体 | |
KR101447136B1 (ko) | 섬유 강화 복합재의 성형방법 | |
JP5786352B2 (ja) | 繊維強化樹脂板材の製造方法 | |
JP5958569B2 (ja) | 繊維強化樹脂板材の製造方法 | |
JP5625264B2 (ja) | 長繊維強化樹脂成形体とその製造方法 | |
JP2018202771A (ja) | 繊維積層シート部材及びその繊維積層シート部材を用いた繊維成形品の製造方法 | |
JP7030622B2 (ja) | 複合材料構造体及びその形成方法 | |
JP2014015159A (ja) | プロペラ翼体及びその製造方法 | |
JP6303053B1 (ja) | 金属−繊維強化樹脂複合成型体の製造方法 | |
JP2016179598A (ja) | 繊維強化熱可塑性樹脂からなる成形体の成形方法 | |
JP2002248620A (ja) | 繊維強化プラスチック成形用基材および繊維強化プラスチックの成形方法 | |
US20160096317A1 (en) | Method of making a molded article and molded article | |
KR20190055376A (ko) | 차량용 필러 보강재 및 이의 제조방법 | |
TWI627055B (zh) | 低密度纖維強化塑膠複合板及其製造方法 | |
JP2018047577A (ja) | 複合材料の成形方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120514 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130730 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130731 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130930 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140617 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140811 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140902 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140915 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5625264 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |