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JP5624727B2 - 測距装置 - Google Patents

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Description

本発明は、視準光学系の対物レンズを測定光学系に兼用したいわゆる同軸型の測距装置に関する。特に、可視光に色味の劣化等の影響を与えずに、効率よく目標物から反射された測定光と可視光を分別することができ、且つ小型化及び軽量化できる測距装置に関する。
従来の測距装置として、特許文献1に開示された測距装置が知られている。特許文献1に開示された測距装置は、視準光学系の対物レンズを測定光学系に兼用している。測距装置の視準光学系では、対物レンズと合焦レンズとから構成される主レンズ系と、この主レンズ系により形成される目標物の空間像の位置に設けられた焦点板と、その焦点板上に形成される空間像を拡大観察するための接眼レンズとを有している。
そして、主レンズ系における対物レンズと焦点板との間には、距離を測定するための測定光学系が設けられている。測定光学系には、目標物に測定光を射出するための光源が設けられ、目標物から反射されてきた測定光を検出するための検出器が設けられている。また、視準光学系で使用する波長と測定光学系で使用する波長を分別するためにダイクロイックプリズムが設けられている。
特許第3252401号
近年、目標物の距離を測定する際にコーナーキューブを使用しない、いわゆるノンプリズム方式が採用されている。このようなノンプリズム方式は、図4に示されたような構成である。合焦レンズ6が対物レンズ3とダイクロイックプリズム15との間に配置され、目標物の空間像が焦点板8に結像される。観測者は、合焦レンズ6を光軸方向へ移動させれば目標物の空間像を焦点板8に焦点させ、接眼レンズ9を介してその空間像を観察できる。
このようなノンプリズム方式は、目標物を限定せずに任意のポイントを測定することができるので非常に便利である。しかしながら、目標物は散乱面であることが多く、コーナーキューブと比較して著しく受光量が少なくなってしまう。
一般的にダイクロイックコートの特徴として、コート面への入射角が変化すると、分別する波長域が変化してしまうという性質がある。近年、測定光に可視域の波長(650nm程度)を利用し、レーザーポインターとして目標物上に照射して視準位置を目視認識する方法が提案されている。この場合、測定光学系の測定光の波長(650nm程度)と視準光学系の可視光の波長とは共に可視域であるために、ダイクロイックコートによる波長分別が非常に重要となる。ダイクロイックコートは、可視光に色味の劣化等の影響を与えずに、効率よく測定光学系の測定光と視準光学系の可視光とを分別することが重要となる。
また、過酷な自然環境、気象条件の下で測距作業をする際にも測距装置を持ち運ばなくてはならないことを考えると、より測距装置を小型化、軽量化することが作業能率の面からも望ましく、光路分別部材の小型化が重要となってくる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。本発明の係る測距装置は、目標物へ測定光を照射する測定光源と、目標物からの光を集光させる対物レンズと、目標物の空間像を拡大して視認観察させる接眼レンズを有する視準光学系と、対物レンズの光軸に対して垂直な平面と平面及び対物レンズの光軸に対して傾斜する第一傾斜面とを有する光路分別部材と、光路分別部材を介して目標物から反射された測定光を受光する受光素子と、を備える。
そして光路分別部材の第一傾斜面は、視準光学系で使用する光の波長と測定光の波長とをそれぞれ分別する波長分別機能を有するとともに、以下の条件を満足する。
in−1(1/n)+in−1 (1/n)×inθFNO)))/2<θ<30°
θ:対物レンズの光軸に対して垂直な平面と第一傾斜面とのなす角度;
FNO:対物レンズFナンバー;
θFNO:θFNO=tan−1(1/(2FNO));
n:光路分別部材を構成する部材の測定光の波長の屈折率。
本発明の測距装置によれば、可視光に色味の劣化等の影響を与えずに、効率よく反射された測定光と可視光を分別することができる。また、光路分別部材により目標物まで照射される測定光と目標物から反射された測定光とを有効に分別することができる。
また、過酷な自然環境、気象条件の下で測距作業をするために測距装置を持ち運ぶことを考えて、光路分別部材の小型化及び測距装置の小型化を実現することができる。
第一実施例に係る第一測距装置100の概略構成を示す説明図である。 (a)は、反射体の形状を示す図面である。 (b)は、第一測距装置100の光路分別手段2の概略構成を示す説明図である。 第二実施例に係る第二測距装置200の概略構成を示す説明図である。 従来に係る測距装置の概略構成を示す説明図である。
以下、図面に基づいて、本発明に係る測距装置の最良の実施形態として、第一測距装置100と第二測距装置200との実施例について詳しく説明するが、これに限定されるわけではない。
<第一測距装置100の構成>
図1は、本発明に係る第一測距装置100の構成を示す図面である。図2(a)は、本発明の第一測距装置100の光路分別手段2の構成を示す図面である。図2(b)は、反射体の形状を示す図面である。図1に示されたように、第一測距装置100は、対物レンズ3と、合焦レンズ6と、正立プリズム7と、焦点板8と、接眼レンズ9とを含む。
測定光学系において、測距するための光を測定光と定義する。本実施形態においては、理解を助けるために、この測定光のうち光源から射出されて目標物までの光を送信光と定義し、この送信光が目標物で反射されてきた光を受信光と定義する。また、目標物から視準光学系に入る可視域の光を可視光と定義する。
第一測距装置100は、対物レンズ3と、合焦レンズ6と、正立プリズム7と、焦点板8と、接眼レンズ9とから、第一測距装置100の視準光学系を構成する。観測者は、目標物(図示せず)を視認する際に、この合焦レンズ6を移動させることによって、目標物の像を焦点板8で結像させ、この空間像を接眼レンズ9で拡大して目標物を視認することができる。
また、第一測距装置100は、目標物へ送信光を照射する光源1と、目標物で反射されてきた受信光と目標物からの可視光とを分別する光路分別手段2と、光路分別手段2から反射された受信光を受信する受光素子4とを含む。第一測距装置100は、光源1と、光路分別手段2と、対物レンズ3と、APDなどの受光素子4とから第一測距装置100の測定光学系を構成する。第一測距装置100の測定光学系は、対物レンズ3を視準光学系と共用している。
測定光学系に用いる光源1として、一般に赤色の波長光(650nm程度)が好ましい。観測者は送信光が目標物へ照射されたか認識できるからである。このように光源1からの送信光の波長は、レーザーポインターの機能を持たせる場合650nm程度にすることが好ましいが、レーザーポインターの機能を持たさない場合には700nm〜1200nm程度の範囲にすることもできる。例えば光源1としてレーザ光やLEDによるものを使用することができる。ここで利用する光源1としては特に限定されるものではないが、レーザ光を使用する場合には、LEDより輝度が高く、特に効率よく送受光できる利点がある。また、パルス方式のレーザ光を使用すれば、多少の強度変動では受光タイミングにズレを生じないため、ゆらぎの影響を受け易い絞った光束に対しても測定誤差が生じにくいので特に有効である。
第一測距装置100は、光源1から送信光を射出したタイミングと、受光素子4に入射した受信光のタイミングとにより、目標物までの距離を測定する。
また、本実施例の光源には、直接パルスレーザなどの光源1を配置する代わりに、パルスレーザを第一測距装置100の外部に配置し、外部のパルスレーザからオプチカルファイバー(図示せず)の出射端を光源1の近傍に配置してもよい。
光路分別手段2は、二等辺プリズムP1と、第1三角形プリズムP2と、第2三角形プリズムP3とを備える。光路分別手段2は、目標物への送信光と目標物で反射された受信光とを分別したり、受信光と目標物からの可視光とを分別したりする機能を有している。
二等辺プリズムP1は、二等辺三角形のプリズムの3つの角をカットすることにより形成されている。二等辺プリズムP1は大きさを小さくするために3つの角がカットされているのであって、必ずしも角をカットする必要はない。二等辺プリズムP1は、対物レンズ3の光軸OAと平行する二つの平面R2および平面R4と、光軸OAと直交する二つの平面R1および平面R3とを備える。平面R2、平面R3および平面R4はカットされた面である。
さらに、二等辺プリズムP1は平面R1と光軸OAとに対して傾斜する第一傾斜面R12と第二傾斜面R13とを備える。第一傾斜面R12と第二傾斜面R13とは、二等辺三角形の二つの辺であるので、お互いに逆向きでほぼ対称的な角度で傾斜されている。
二等辺プリズムP1の第一傾斜面R12で、二等辺プリズムP1と補助光学部材である第1三角形プリズムP2とが接合される。また第二傾斜面R13で、二等辺プリズムP1と補助光学部材である第2三角形プリズムP3とが接合される。第1三角形プリズムP2の一面は、二等辺プリズムP1の平面R3と平行になることが好ましい。しかし、図1に描かれるように、第1三角形プリズムP2の一面は、二等辺プリズムP1の平面R3と同一面である必要はない。
二等辺プリズムP1の第一傾斜面R12には、波長で光を分別するダイクロイックコートが形成されている。このダイクロイックコートは、視準光学系で使用される可視域の可視光の波長と受信光の波長とをそれぞれ分別する。即ち、第一傾斜面R12に形成されたダイクロイックコートは、目標物から反射されて対物レンズ3を透過して入射された光を、受信光と目標物からの可視光とに分別する。
二等辺プリズムP1を通過した目標物からの可視光は、ダイクロイックコートを透過して、合焦レンズ6に入射される。合焦レンズ6は、合焦レンズ6が光軸OA方向に移動することにより、正立プリズム7を介して目標物からの可視光を焦点板8に焦点させる。正立プリズム7は焦点板8で正立像になるように目標物からの可視光を反射される。観測者は接眼レンズ9で焦点板8の正立像を拡大して目標物を視認することができる。ダイクロイックコートで分別された受信光は、光路分別手段2の内部で反射されて、光路分別手段2の第二傾斜面R13を透過して、受光素子4に入射される。
また、二等辺プリズムP1の第二傾斜面R13で、送信光と受信光とを分別する特定形状の反射体が形成されている。この反射体は、二等辺プリズムP1の内部で反射されてきた受信光を透過させ、光源1から射出された送信光を反射させる。第一傾斜面R12における波長の分別と第二傾斜面R13における送信光と受信光との分別とについて、その構造及び作用について図2を使って詳しく説明する。
次に、第一測距装置100の光路について説明する。
まず、光源1から射出された送信光は、リレー光学系11を経由して射出される。この送信光は、対物レンズ3の光軸OAから離れた二等辺プリズムP1の平面R1に入射される。平面R1に入射した送信光は第二傾斜面R13で反射され、再び平面R1に向かう。第二傾斜面R13から平面R1へ向かう送信光は、入射角が浅いため平面R1で全反射して、第一傾斜面R12に向かう。送信光は、第一傾斜面R12でも全反射されて、平面R1に対して垂直に入射する。平面R1に垂直に入射した送信光は、平面R1を通過して二等辺プリズムP1から射出される。二等辺プリズムP1から射出された送信光は、対物レンズ3を透過して、目標物に照射される。
目標物に照射された送信光はこの目標物で反射又は散乱され、反射された受信光は再度対物レンズ3を透過して、再び光路分別部材2に向かう。受信光は、二等辺プリズムP1の平面R1に入射され、第一傾斜面R12に向かう。受信光は、第一傾斜面R12におけるダイクロイックコートにより反射される。その後入射角が浅く入った受信光は、平面R1で全反射されて、第二傾斜面R13を透過して第2三角形プリズムP3に入射する。第2三角形プリズムP3に入射した受信光は、第2三角形プリズムP3の一つの辺である平面R5を透過して受光素子4に入射する。光源1からの送信光の光路と目標物から反射された受信光の光路とは、殆ど重複されているが、この第二傾斜面R13で、送信光と受信光とを分別することができる。
一方、目標物からの可視光は、対物レンズ3を透過して光路分別部材2に入射する。目標物からの可視光は、第一傾斜面R12を透過して、視準光学系に入射される。目標物からの可視光は焦点板8で空間像を結像させられ、観測者は接眼レンズ9で拡大して目標物の空間像を視認することができる。即ち、光路分別部材2の第一傾斜面R12におけるダイクロイックコートにより、受信光と目標物からの可視光とを分別して、視準光学系に入らないようにする。
以下、図2に基づいて、光路分別部材2の第一傾斜面R12における波長の分別機能と第二傾斜面R13における送信光と受信光との分別機能とについてそれぞれ説明する。図2(a)は反射体の形状を示す図面であり、(b)は光路分別手段2の概略構成を示す説明図である。
第二傾斜面R13における送信光と受信光との分別機能について説明する。この送信光と受信光との分別機能は、第二傾斜面R13に送信光および受信光の一方の光束を反射させる特定形状の反射体RBを蒸着することにより形成される。図2(a)に示されたように、この反射体RBの形状として、中央が反射領域である反射体RB1、左右のどちらかが反射領域である半円状の反射体RB2、中央が透過領域で周囲の輪帯が反射領域である反射体RB3などがある。
光源1から射出された送信光から判断して、第二傾斜面R13で送信光に必要な範囲に反射体RBが形成される。たとえば、図2(b)に示されるように光源1から送信光が二等辺プリズムP1の平面R1に入射する場合には、中央が反射領域である反射体RB1が好ましい。送信光は拡散しておらず、その光束径が小さいまま反射体RB1で反射される。その一方、反射された受信光は、目標物から散乱していることも多く、また距離が長いため光束が広がっていることが多い。したがって、対物レンズ3のNAを送信光のNAよりも大きくしておくと送信光の外周側から受信光が光路分別部材2に入射する。このため受信光は第二傾斜面R13の反射体RB1の外側を通過することになる。
また、図示しないが、光源1と受光素子4とは配置場所を入れ替えても第一測距装置100として成立する。すなわち、光源1から送信光が第2三角形プリズムP3の平面R5に入射しても、目標物の測距が可能である。このように光源1から送信光が第2三角形プリズムP3の平面R5から入射する場合には、中央が透過領域で周囲の輪帯が反射領域である反射体RB3が好ましい。
受光素子4は受光量が大きい方が精度よく受信光を検出できる。そのためには、対物レンズ3のFナンバーを小さくすると有利となる。しかしながら、対物レンズ3のFナンバー(FNO)を小さくすると、対物レンズ3の光軸中心と周辺部との光束とで、第一反射面R12に施されているダイクロイックコートに対する入射角の差が大きくなってしまい、波長による分別性能が劣化してしまう。
また、対物レンズ3のFナンバーが小さくなるに従い、光路分別部材2の平面R1に対する対物レンズ3の周辺部からの光束の角度が小さくなっていき、臨界角を超えてしまうと全反射しなくなってしまう。
そこで、光路分別部材2の第一傾斜面R12が下記の条件を満たすことが好ましい。第一傾斜面R12におけるダイクロイックコートは、公知の波長選択性を持たせた薄膜を形成する方法でよい。
即ち、光路分別部材2の第一傾斜面R12は、視準光学系で使用する可視光の波長と受信光の波長とを分別する波長分別機能を有し、対物レンズ3のFナンバーとの関係で以下の条件を満足する。
in−1(1/n)+in−1 (1/n)×inθFNO)))/2<θ<30° (1)
θ:対物レンズ3の光軸OAに対して垂直な平面R1と第一傾斜面R12とのなす角度;
FNO:対物レンズ3のFナンバー;
θFNO:θFNO=tan−1(1/(2FNO));
n:光路分別部材2を構成する部材の測定光(受信光)の波長の屈折率である。
上記式(1)を満足することで、波長分別部材であるダイクロイックコートでの波長分別性能の劣化を抑えるとともに、平面R1での全反射を満足することができる。式(1)により光路分別部材2の形状に大きくかかわる角度θ1を規定している。この角度θ1を規定することで、波長分別部材であるダイクロイックコートの波長分別性能の劣化を抑えつつ、光路分別部材2の平面R1で反射光束にロス無く全反射するような形状とすることが可能となる。
平面R1で全反射に最も不利な光束は図2(b)に示される実線θFNOの光束が光路分別部材2に入射する場合である。この入射角を、対物レンズの有効系φと焦点距離fから求まる角をθFNOとして求めている。そしてこの光束が光路分別部材2の平面R1で全反射するように、すなわち臨界角θcriがより大きくなるようにすればよい。
式(1)の下限を下回ると平面R1に対する反射光束の角度が小さくなり、臨界角を満足せずに全反射しなくなってしまう。また、式(1)の上限を上回ると平面R1での全反射には有利となるが、二等辺プリズムP1の大型化につながるとともにダイクロイックコートの波長分別性能の劣化につながり好ましくない。
更に、本実施例の光路分別部材2が、下記の式(2)と式(3)とを満足することで、光路分別部材2の大きさを小型にすることが可能となる。
0.2・f/n<d<0.29・f/n・・・・(2)
d:光路分別部材2の対物レンズ3の光軸OAに対して垂直な平面R1から、第一傾斜面R12と第二傾斜面R13が交わる点である頂点までの長さ。
1≦h2/h1≦1.25・・・・(3)
h1:送信光が第二傾斜面R13に入射する位置(測定光光軸)と光路分別部材2における対物レンズ光軸位置との垂直方向の距離;
h2:送信光が第三傾斜面R5に入射する位置(測定光光軸)と光路分別部材2における対物レンズ光軸位置との垂直方向の距離である。
式(2)は、式(1)を満足した状態において、光路分別部材2の厚さdを対物レンズ3の焦点距離に応じて最適な値にすることができる。式(2)の下限を下回ると二等辺プリズムP1の小型化にはつながるが、対物レンズ3からの受信光を十分に取り入れるための有効径を二等辺プリズムP1の入射面で確保することができなくなる。また、式(2)の上限を上回ると二等辺プリズムP1の大型化につながるとともに硝材を通る光路長も長くなり、光源1および受光素子4などの配置に制約がでてきてしまう。
また、式(3)により、光路分別部材2の高さについても最適な値にすることが可能となる。式(3)の下限を下回ると、二等辺プリズムP1における平面R1での入射光束と射出光束の光軸が平行ではなくなり、平面R1での入射出光束の光軸の屈折作用につながり好ましくない。また、式(3)の上限を上回ると第2三角形プリズムP3の光束の射出位置が対物レンズ光軸位置と離れていくので、光路分別部材2が大型化してしまう。
更に対物レンズ3のFナンバーを以下の範囲にすると、受光量を多く確保しつつ、第一測距装置100の大型化を抑え、更に視準光学系での収差の劣化も抑えられて好ましい。
1.4≦Fナンバー≦2 ・・・・(4)
本実施例に係る光路分別部材2は、波長の分別機能及び送信光と受信光との分別機能を同時に備える。それとともに、上記のような条件を満足することにより、構成された第一測距装置100を更に小型化、軽量化を実現することができる。特に、過酷な自然環境、気象条件の下で測距作業をする際に小型化、軽量化が求められている。
また、受光素子4での受信光の光量レベルは、目標物との距離及び反射率によって大きく異なるが、不図示の内部参照光とのバランスをとるために、受光素子4の前にアテニュエータを設けて、このアテニュエータにより調節することもできる。この場合、アテニュエータは受信光及び内部参照光の両方にかかっていることが多いが、内部参照光量を固定し、受信光のみにかかるようにしても同様な効果が得られ、この場合には配置上の自由度を増やすことができる。
また、内部参照光を得るための構成としては、光源1とリレー光学系11との光路間にハーフミラー又は光束の一部を反射される微少な反射ミラー等を設け、このハーフミラーあるいは反射ミラーを反射した光を受光素子4に導くようにすることもできる。このとき、特にハーフミラー等で光量を分別するようにすれば、送信系の光路内で位相ムラや位相変動等が生じても、キャンセルできるので高精度な測距が可能となる。
<第二測距装置200の構成>
図3は発明の第二実施例に係る第二測距装置200の概略構成を示す説明図である。以下、図3に基づいて、第二測距措置200について詳しく説明する。その中で、第一測距装置100と同じ部分の説明を省略し、異なる部分だけを説明する。
第二測距装置200は、光源の部分および光路分別部材2の構成を除いて、第一測距装置100の構成と略同じである。
第2実施例の第二測距装置200において、光源1から射出した送信光は、光路分別部材2−1を介せず、対物レンズ3に入射されて目標物に照射される。図3に示されるように、光源1からの送信光はリレー光学系11を介して、反射部材12で対物レンズ3の光軸OA方向に反射される。反射部材12で反射された送信光は、光路分別部材2−1を介さずに目標物に向けて射出される。
この反射部材12は、光源1からの送信光をほぼ全反射するミラーを使用することができる。この場合、送信光の光束径に合わせて送信光のロスの無いような小さなサイズの円形ミラーにして、且つ目標物からの受信光、目標物からの可視光に影響の少ない大きさにすれば良い。
第2実施例の光路分別部材2−1は、第1実施例の光路分別部材2と異なり、二等辺プリズムP1と第1三角形プリズムP2とを備える。光路分別部材2−1は、受信光と目標物からの可視光とを分別したりする機能を有している。
二等辺プリズムP1の第一傾斜面R12で、二等辺プリズムP1と補助光学部材である第1三角形プリズムP2とが接合される。第二傾斜面R13にはプリズムが接合されない。送信光は反射部材12で反射されるため、第二傾斜面R13で送信光と受信光とを分別する必要がないからである。このため、第二傾斜面R13には、図2(a)で示された反射体RBが形成されていない。
次に、第二測距装置200の光路について説明する。
反射部材12で反射された送信光は、目標物に照射される。この目標物で反射又は散乱された受信光は、再度対物レンズ3を透過して、再び光路分別部材2−1に向かう。受信光は、二等辺プリズムP1の平面R1に入射され、第一傾斜面R12に向かう。受信光は、第一傾斜面R12におけるダイクロイックコートにより反射される。その後入射角が浅く入った受信光は、平面R1で全反射されて、第二傾斜面R13を透過して受光素子4に入射する。
一方、目標物からの可視光は、対物レンズ3を透過して光路分別部材2に入射する。目標物からの可視光は、第一傾斜面R12を透過して、視準光学系に入射される。光路分別部材2の第一傾斜面R12におけるダイクロイックコートにより、受信光と目標物からの可視光とを分別して視準光学系に入らない。
第2実施例においても、受光素子4は受光量が大きい方が精度よく受信光を検出できる。そのためには、対物レンズ3のFナンバーを小さくすると有利となる。しかし、対物レンズ3のFNOを小さくすると、第一反射面R12に施されているダイクロイックコートに対する入射角の差が大きくなってしまい、波長による分別性能が劣化してしまう。また、対物レンズ3のFナンバーが小さくなるに従い、光路分別部材2の平面R1に対する対物レンズ3の周辺部からの光束の角度が小さくなっていき、臨界角を超えてしまうと全反射しなくなってしまう。
このため、第1実施例と同様に、第一傾斜面R12と対物レンズ3のFナンバーとの関係は、以下の条件を満足するようにすることが好ましい。
in−1(1/n)+in−1 (1/n)×inθFNO)))/2<θ<30° (1)
θ:対物レンズ3の光軸OAに対して垂直な平面R1と第一傾斜面R12とのなす角度;
FNO:対物レンズ3のFナンバー;
θFNO:θFNO=tan−1(1/(2FNO));
n:光路分別部材2を構成する部材の測定光(受信光)の波長の屈折率である。
更に、第2実施例の光路分別部材2−1は、下記の式(2)を満足することで、光路分別部材2−1の大きさを小型にすることが可能となる。
0.2・f/n<d<0.29・f/n・・・・(2)
d:光路分別部材2の対物レンズ3の光軸OAに対して垂直な平面R1から、第一傾斜面R12と第二傾斜面R13が交わる点である頂点までの長さ。
以上、本発明の測距装置について最良の実施例に基づいて説明したが、これに限定されるわけではない。当業者であれば、本発明に開示された技術内容に基づいて様々な変更又は改良を行うことができるが、実質的に本発明の範囲に属すべきである。
例えば、改良の一例として、本発明において、合焦レンズ6が光路分別部材2と正立プリズム7との間に設置されているが、合焦レンズ6を光路分別部材2と対物レンズ3との間に設置することもできる。
1 … 光源
2、2−1 … 光路分別部材
3 … 対物レンズ
4 … 受光素子
5 … 対物レンズ光軸
6 … 合焦レンズ
7 … 正立プリズム
8 … 焦点板
9 … 接眼レンズ
11 … リレー光学系
P1 … 二等辺プリズム
P2 … 第1三角形プリズム
P3 … 第2三角形プリズム
R1、R3 … 光軸に垂直する平面
R2、R4 … 光軸に平行する平面
R5 … 第三傾斜面
R12 … 第一傾斜面
R13 … 第二傾斜面
100 … 第一測距装置
200 … 第二測距装置

Claims (6)

  1. 目標物へ測定光を照射する測定光源と、
    前記目標物からの光を集光させる対物レンズと、
    前記目標物の空間像を拡大して視認観察させる接眼レンズを有する視準光学系と、
    前記対物レンズの光軸に対して垂直な平面と、前記平面及び前記対物レンズの光軸に対して傾斜する第一傾斜面と、前記第一傾斜面と逆向きで対称的な角度に傾斜するとともに、前記目標物まで照射される前記測定光と前記目標物から反射された測定光とを分別する第二傾斜面とを有する光路分別部材と、
    前記光路分別部材を介して前記目標物から反射された測定光を受光する受光素子と、を備える測距装置であって、
    前記光路分別部材の第一傾斜面は、前記視準光学系で使用する光の波長と前記測定光の波長とをそれぞれ分別する波長分別機能を有するとともに、以下の条件1を満足し、
    前記対物レンズの光軸に対して前記光路分別部材の垂直な平面から、前記第一傾斜面と前記第二傾斜面が交わる点である頂点までの長さdは、以下の条件2を満足することを特徴とする測距装置。
    (sin−1(1/n)+sin−1((1/n)×(sinθFNO)))/2<θ<30° …条件1
    0.2・f/n<d<0.29・f/n …条件2
    θ:対物レンズの光軸に対して垂直な平面と前記第一傾斜面とのなす角度;
    FNO:対物レンズFナンバー;
    θFNO:θFNO=tan−1(1/(2FNO));
    n:光路分別部材を構成する部材の測定光の波長の屈折率。
  2. 前記光路分別部材は、前記第二傾斜面に取り付けられ第二傾斜面とは異なる第三傾斜面を有する補助光学部材を有し、
    前記光路分別部材は以下の条件を満足すことを特徴とする請求項に記載の測距装置。
    1≦h2/h1≦1.25
    h1:前記測定光が前記第二傾斜面に入射する位置(測定光光軸)と前記光路分別部材における対物レンズ光軸位置との垂直方向の距離;
    h2:前記測定光が前記第三傾斜面に入射する位置(測定光光軸)と前記光路分別部材における対物レンズ光軸位置との垂直方向の距離。
  3. 前記第二傾斜面に予め定めた形状の反射体を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測距装置。
  4. 前記反射体が、輪帯状又は半円状の形状であることを特徴とする請求項に記載の測距装置。
  5. 前記第一傾斜面は、ダイクロイックコートが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の測距装置。
  6. 前記測定光源は、赤外のパルス光を供給するパルスレーザ光源を含むことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の測距装置。

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