JP5614804B2 - 抗ウイルス剤担持シート及びその製造方法 - Google Patents
抗ウイルス剤担持シート及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5614804B2 JP5614804B2 JP2010219702A JP2010219702A JP5614804B2 JP 5614804 B2 JP5614804 B2 JP 5614804B2 JP 2010219702 A JP2010219702 A JP 2010219702A JP 2010219702 A JP2010219702 A JP 2010219702A JP 5614804 B2 JP5614804 B2 JP 5614804B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antiviral agent
- fatty acid
- alcohol
- sheet
- carrying sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Description
微粒子状の抗インフルエンザウイルス剤(モチガセ社製、商品名「BR−p3」)4.5gが水25.5gに分散している分散液を攪拌しながら、エタノール13.2gを添加して、水及びエタノールよりなる水系溶媒に抗インフルエンザウイルス剤が分散している水性分散液を準備した。この水性分散液にステアリン酸粉末0.45gを添加し撹拌して混合した。一方、ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール社製、商品名「JF−03」)0.225gを水に溶解させて、固形分濃度10質量%としたポリビニルアルコール水溶液2.25gを前記水性分散液に添加し、十分に攪拌して混合した。その後、攪拌しながら、下記方法によって調製されたポリオレフィン樹脂微粒子が分散した水系分散液(固形分濃度25質量%)2.7gをゆっくり添加混合した。さらにその後、アセチレングリコール含有水溶液(日信化学工業株式会社製、商品名「オルフィンWE−003」、濃度50質量%)0.27gを添加し混合して、スラリー液を得た。このスラリー液中における抗インフルエンザウイルス剤の濃度は約9質量%であり、ポリビニルアルコールの濃度は約0.5質量%であり、ポリオレフィン樹脂微粒子の濃度は約1質量%であり、ステアリン酸の濃度は約1質量%であり、アセチレングリコールの濃度は約0.3質量%である。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた攪拌機を用いて、100gのポリオレフィン樹脂(アルケマ社製、商品名「ボンダイン HX−8290」)、有機溶媒として120gのエタノール、塩基性化合物として3.36gの85%水酸化カリウム及び170gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、攪拌翼の回転速度を300rpmとして攪拌し、ポリオレフィン樹脂微粒子を水中に浮遊させた。そして、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。系内温度を120℃に保って、さらに60分間攪拌した。その後、水浴に漬けて、回転速度300rpmを保ったまま攪拌しつつ、室温(約25℃)まで冷却した。最後に、300メッシュのステンレス製フィルター(平織組織で線径0.035mm)を用いて加圧濾過(空気圧0.25MPa)した。得られたポリオレフィン樹脂微粒子が分散した水系分散液は乳白色であり、微粒子の数平均粒子径は約0.06μmであった。
なお、ここで使用したポリオレフィン樹脂は、エチレン80質量%、アクリル酸エチル18質量%、無水マレイン酸2質量%より構成された共重合体であり、融点は81℃のものである。
ステアリン酸粉末及びアセチレングリコールを添加しない他は、実施例1と同様の方法で対照試験片1を得た。
アセチレングリコールを添加しない他は、実施例1と同様の方法で対照試験片2を得た。
試験片1、対照試験片1及び対照試験片2の表面にスポイドで水滴1滴(50〜70μL程度)を垂らし、その水滴が完全に試験片表面から内部に染み込むまでの時間を計測し、この結果を以下に示す5段階の基準で評価し、表1に示した。
●・・・即座に染み込む。
◎・・・10秒以内に染み込む。
○・・・10秒〜30秒で染み込む。
△・・・30秒〜3分で染み込む。
×・・・3分以上かかる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
試験片1 対照試験片1 対照試験片2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
濡れ性 ◎ ◎ △〜×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
抗インフルエンザウイルス活性は炭酸ガスと接触すると低下していくことが知られているため、試験片1、対照試験片1及び対照試験片2を所定時間炭酸ガスに接触させた後の抗インフルエンザウイルス活性を評価した。具体的には、二酸化炭素インキュベーター(31℃、二酸化炭素濃度20%に設定)内に、各試験片を静置し、30分間隔で各試験片を切り出した。そして、抗インフルエンザウイルス活性と試験片のpHとの間に相関関係があること、すなわち、抗インフルエンザウイルス活性があると試験片にチモールフタレイン指示薬を噴霧したとき発色することが知られているため、切り出した試験片にチモールフタレイン指示薬を噴霧し、20分経過後の発色の有無を観察した。この結果を以下の基準で三段階で評価し、表2に示した。
○・・・発色あり
△・・・一部発色あり
×・・・発色なし
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
切出時間 試験片1 対照試験片1 対照試験片2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
0分 ○ ○ ○
60分 ○ △ ○
120分 △ × ○
180分 △ × △
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
表1及び表2の結果から、試験片1は脂肪酸を使用していない対照試験片1と同程度の濡れ性であることが分かり、かつ、脂肪酸を使用している対照試験片2と同程度、抗インフルエンザウイルス活性が持続していることが分かる。したがって、試験片1は、抗インフルエンザウイルス活性を長時間持続しうると共に、表面にインフルエンザウイルスを含有した水が付着した場合、インフルエンザウイルスをシート内部に取り込みやすいことが分かる。
ステアリン酸粉末を4.5gを66gのエタノールに溶解させたステアリン酸溶液を準備した。そして、このステアリン酸溶液7.05gを、実施例1で用いたステアリン酸粉末0.45gに代え、その他は実施例1と同様の方法で試験片2を得た。なお、抗インフルエンザウイルス剤等の付着量は実施例1と同一である。
アセチレングリコール含有水溶液0.27gに代えて、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール含有界面活性剤(楠本化成株式会社製、商品名「AGITAN350」)0.135gを用いる他は、実施例2と同様の方法で試験片3を得た。なお、抗インフルエンザウイルス剤等の付着量は、抗インフルエンザウイルス剤100質量部に対して、アセチレングリコールの付着量が約3質量部であったのが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの付着量が約3質量部に変更された他は、実施例2と同一である。
アセチレングリコール含有水溶液0.27gに代えて、アルキルスルホコハク酸ナトリウム含有水溶液(サンノプコ株式会社製、商品名「ノプコウェット50」、濃度50質量%)0.45gを用いる他は、実施例2と同様の方法で試験片4を得た。なお、抗インフルエンザウイルス剤等の付着量は、抗インフルエンザウイルス剤100質量部に対して、アセチレングリコールの付着量が約3質量部であったのが、アルキルスルホコハク酸ナトリウムの付着量が約5質量部に変更された他は、実施例2と同一である。
アセチレングリコール含有水溶液0.27gに代えて、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム含有水溶液(花王株式会社製、商品名「ペレックスOT−P」、濃度70質量%)0.32gを用いる他は、実施例2と同様の方法で試験片5を得た。なお、抗インフルエンザウイルス剤等の付着量は、抗インフルエンザウイルス剤100質量部に対して、アセチレングリコールの付着量が約3質量部であったのが、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムの付着量が約5質量部に変更された他は、実施例2と同一である。
ステアリン酸溶液7.05gをエタノール6.6gに変更し、かつ、アセチレングリコール含有水溶液を用いない他は、実施例2と同一の方法で対照試験片3を得た。
アセチレングリコール含有水溶液を用いない他は、実施例2と同一の方法で対照試験片4を得た。
[表3]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
試 験 片 対照試験片
━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━
2 3 4 5 3 4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
濡れ性 ●〜◎ ◎ ○〜△ ◎〜○ ◎〜○ ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[表4]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
試 験 片 対照試験片
切出時間 ━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━
2 3 4 5 3 4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
0分 ○ ○ ○ ○ ○ ○
30分 ○ ○ ○ ○ △ ○
60分 ○ × ○ ○ × ○
90分 ○ ○ ○ ○
120分 △ △ ○ ○
150分 × × ○ ○
180分 △ △
210分 △ △
240分 △ △
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Claims (8)
- ヒドロキシラジカルを発生する微粒子状の焼成ドロマイトよりなる抗ウイルス剤、炭素数5〜18の脂肪酸及び界面活性剤を、接着剤成分としてのポリビニルアルコール及び/又はポリオレフィン樹脂によって、シート状物に付着させたことを特徴とする抗ウイルス剤担持シート。
- 抗ウイルス剤が抗インフルエンザウイルス剤である請求項1記載の抗ウイルス剤担持シート。
- 脂肪酸が、ステアリン酸又はカプリル酸である請求項1記載の抗ウイルス剤担持シート。
- 界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルコール型非イオン界面活性剤である請求項1記載の抗ウイルス剤担持シート。
- ポリオレフィン樹脂が、以下に示す(A1)及び(A2)を含むモノマーを共重合してなる共重合体である請求項1記載の抗ウイルス剤担持シート。
(A1):不飽和カルボン酸又はその無水物
(A2):炭素数2〜6のアルケン - シート状物が不織布又は編織物である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の抗ウイルス剤担持シート。
- 不織布の構成繊維が芯鞘型複合長繊維であって、芯成分がポリエステルであり、鞘成分がポリオレフィンである請求項6記載の抗ウイルス剤担持シート。
- ヒドロキシラジカルを発生する微粒子状の焼成ドロマイトよりなる抗ウイルス剤を水及びアルコールよりなる水系溶媒に分散させた水性分散液に、粉末状又は液状の炭素数5〜18の脂肪酸を添加混合するか、或いは炭素数5〜18の脂肪酸をアルコールに溶解した脂肪酸溶液を添加混合した後、接着剤成分としてのポリビニルアルコール及び/又はポリオレフィン樹脂を含む水性接着剤液を添加混合し、最後に界面活性剤を添加混合して得られたスラリー液を、シート状物に付与した後、該スラリー液中の水及びアルコールを蒸発させることを特徴とする抗ウイルス剤担持シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010219702A JP5614804B2 (ja) | 2010-09-29 | 2010-09-29 | 抗ウイルス剤担持シート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010219702A JP5614804B2 (ja) | 2010-09-29 | 2010-09-29 | 抗ウイルス剤担持シート及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012072100A JP2012072100A (ja) | 2012-04-12 |
JP5614804B2 true JP5614804B2 (ja) | 2014-10-29 |
Family
ID=46168708
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010219702A Active JP5614804B2 (ja) | 2010-09-29 | 2010-09-29 | 抗ウイルス剤担持シート及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5614804B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013005446A1 (ja) * | 2011-07-06 | 2013-01-10 | 株式会社Nbcメッシュテック | 抗ウイルス性樹脂部材 |
JP6867743B2 (ja) * | 2014-11-27 | 2021-05-12 | ロンシール工業株式会社 | 抗ウイルス性を有する表面処理剤及び表面処理剤が塗布されている抗ウイルス性シート状物 |
JP2018119245A (ja) * | 2017-01-27 | 2018-08-02 | 東レ株式会社 | 繊維構造物 |
TWI793555B (zh) | 2020-06-05 | 2023-02-21 | 日商能源前沿公司 | 塗膜及於表面形成有塗膜的物品 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2505701Y2 (ja) * | 1990-06-21 | 1996-07-31 | ユニチカ株式会社 | 害虫忌避材 |
JP4621590B2 (ja) * | 2003-08-12 | 2011-01-26 | 株式会社モチガセ | 抗ウイルス剤、これを用いた繊維及び抗ウイルス部材 |
JP2008069136A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-03-27 | Yoshizawa Lime Industry | 生石灰を有効成分とする衛生処理剤とそれを使用した消毒・殺菌方法 |
JP5483548B2 (ja) * | 2009-11-11 | 2014-05-07 | ユニチカ株式会社 | 抗ウイルス剤担持シート及びその製造方法 |
-
2010
- 2010-09-29 JP JP2010219702A patent/JP5614804B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012072100A (ja) | 2012-04-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5298012B2 (ja) | 抗ウイルスフェイスマスクおよびフィルター材 | |
JP5614804B2 (ja) | 抗ウイルス剤担持シート及びその製造方法 | |
TW408152B (en) | Formaldehyde-free curable composition and method for bonding heat-resistant fibers of a nonwoven material by using the composition | |
CN101611112A (zh) | 与多官能氮丙啶交联的包含二氧化硅纳米颗粒的丙烯酸酯粘合剂 | |
US20190141996A1 (en) | Antibacterial and antiviral composition | |
JPWO2015141713A1 (ja) | アレルゲン低減化組成物、それを含む噴霧剤と表面加工剤、アレルゲン低減化方法、アレルゲン低減化された繊維構造体と建築用内装材 | |
US20070275618A1 (en) | Product Comprising a Fibrous Support and a Hydrophilic and/or Permeabilizing Coating, Preparation Process Therefor and Use Thereof | |
JP2012152327A (ja) | 衛生マスク | |
JP5614802B2 (ja) | 抗ウイルス剤担持シート及びその製造方法 | |
JP5483548B2 (ja) | 抗ウイルス剤担持シート及びその製造方法 | |
CN108441131A (zh) | 一种低voc环保杀菌胶带 | |
JP5398483B2 (ja) | 衛生マスク | |
JPH1025468A (ja) | 防曇剤組成物 | |
JP2012071040A (ja) | 衛生マスク | |
JPH0647668B2 (ja) | 防曇剤組成物 | |
WO2011058988A1 (ja) | 抗ウイルス剤担持シート及びその製造方法 | |
JPH03106948A (ja) | 多孔質皮膜形成水分散型組成物と多孔質皮膜と多孔質皮膜形成方法 | |
JP2020510735A (ja) | 水性感圧接着剤組成物およびその製造方法 | |
JP4822898B2 (ja) | 水性分散体および積層体 | |
JP2012029956A (ja) | 衛生マスク | |
CN115895517A (zh) | 一种医用手术衣贴合水基胶及其制备方法 | |
JP2012241286A (ja) | 抗ウイルス防護服地 | |
JPS63150369A (ja) | 防曇剤組成物の調製法 | |
JP3516695B2 (ja) | 壁紙用裏打ち接着剤とこの接着剤を使用した低透湿性の壁紙 | |
JP2006131882A (ja) | 水性分散体、塗膜および積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130722 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140609 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140617 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140813 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140904 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140904 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5614804 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |