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JP5610380B2 - ペリクル装着装置、ペリクル装着方法、及びパターン基板の製造方法 - Google Patents

ペリクル装着装置、ペリクル装着方法、及びパターン基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ペリクル装着装置、ペリクル装着方法、及びパターン基板の製造方法に関し、特に詳しくはペリクルフレームを用いてペリクルをマスクに装着するペリクル装着装置、ペリクル装着方法、及びそれを用いたパターン基板の製造方法に関する。
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程において、半導体ウエハあるいは液晶表示装置用基板上に光を照射してパターンを形成するリソグラフィー工程がある。このリソグラフィー工程では、例えば矩形状のフォトマスク基板に形成されたパターンに光を照射し、フォトマスク基板を透過した光をウエハ等の半導体基板上で結像させて、ウエハ等の半導体基板上のレジスト剤を感光させることにより、ウエハ上に所定のパターンを転写する。
上記のパターン転写処理を行う際、フォトマスク基板上に形成されたパターンに異物が付着すると、異物が光を吸収したり、光を屈折させてしまうため、転写したパターンに異常が発生する。これが配線の絶縁不良や短絡などの不良原因となり、半導体装置や液晶表示装置などの性能が悪化し、製造の歩留りが低下するという問題があった。これを防止するため、一般に、フォトマスク基板に形成されたパターンを、ペリクルにより保護する方法が採られている。
通常、フォトマスク基板に形成されたパターン領域の外側を囲むように配置されたペリクルフレームにペリクルが張設されている。ペリクルフレームはフォトマスク基板の形状に対応しており、矩形の外周を有する枠状に設けられている。ペリクルは、ペリクルフレームにより保持され、フォトマスク基板のパターン形成面と所定の間隔を置いて張設される。この場合、異物はフォトマスク基板のパターン面に直接付着することなく、ペリクル膜上に捕らえられる。露光時に、焦点をフォトマスク基板上に合わせておけば、ペリクル膜上の異物はウエハ上で結像することがなく、転写とは無関係になる。
フォトマスクに対してペリクルを装着する工程について簡単に説明する。額縁状のペリクルフレームのフォトマスク側の面には接着層が設けられている。そして、ペリクルが張設されたペリクルフレームをフォトマスクに対して仮貼りした状態とする。この状態で、ペリクルフレームをフォトマスクに対して押し当てる。これにより、ペリクルフレームに設けられた接着層がフォトマスクと接着する。従って、ペリクルをフォトマスクに装着することができる。
半導体装置や表示装置の露光工程では、複数のパターンを形成するため、複数枚のフォトマスクが用いられる。これらのフォトマスクは、大きさや厚みが異なる場合がある。さらには、外形の同じフォトマスクであっても、形成パターン領域の形状が異なる場合がある。従って、フォトマスクに応じてペリクルフレームの大きさや、厚さが異なるものとなる。
このような異なるサイズのフォトマスクに対してペリクルを装着する場合、ペリクル装着装置に対して複数種類の押圧板が必要となってしまう。さらに、異なるペリクルフレーム毎に押圧板を交換する必要があり、作業効率が低下するという問題点がある。この問題点に対するペリクル装着装置が開示されている(特許文献1)。
特許文献1のペリクル装着装置では、マスクの両側に設けられた押圧ブロックによってペリクルフレームをマスクに圧着している。さらに、脱着可能な脱着フレームによって、マスクを保持している。脱着フレームを交換することで様々なサイズのフォトマスクに対応することができる。
特開2007−10697号公報
特許文献1のペリクル装着装置では、フォトマスクを脱着フレームに受け渡している。通常、搬送ロボットを用いて、脱着フレームにフォトマスクを載置する。高い位置精度でマスクを保持する必要があるため、脱着フレームは、マスクサイズに応じた大きさとなっている。脱着フレームとフォトマスクのクリアランスが小さい場合、フォトマスクが脱着フレームに接触してしまい、マスクが破損してしまうおそれがある。したがって、フォトマスクを脱着フレームに載置する作業を慎重にしなければならなくなってしまう。よって、作業効率が低下してしまい、生産性が低下してしまう。
さらに、特許文献1のペリクル装着装置では、サイズ毎に、異なる寸法の脱着フレームを用意している。従って、異なるサイズのフォトマスク、又はペリクルフレームに対する装着処理を行う場合、脱着フレームを交換する必要が生じてしまう。近年のマスクサイズの大型化に伴い、脱着フレームも大型化している。例えば、近年では、マスクサイズが1780mm×1620mmで、重量が140kg程度に及ぶ。従って、交換作業時間が長くなってしまい、生産性が低下してしまう。さらに、交換作業者の安全性も考慮する必要がある。よって、作業効率が低下してしまい、生産性が低下してしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、生産性の高いペリクル装着装置、ペリクル装着方法、及びパターン基板の製造方法を提供することである。
本発明の第1の態様に係るペリクル装着装置は、枠状のペリクルフレームを介して、ペリクルをマスクに装着するペリクル装着装置であって、前記マスクに仮貼りされた前記ペリクルフレームに対応する圧着位置まで移動可能に設けられた圧着ヘッドと、前記圧着ヘッドが前記圧着位置に移動した状態で、前記ペリクルフレームと反対側の面のマスク端に配置される押圧ブロックと、前記圧着ヘッドが前記圧着位置に移動した状態で、前記ペリクルフレームと対向する押圧部材と、前記ペリクルフレームを前記マスクに対して圧着するよう、前記マスクのパターン面と垂直な方向における前記押圧部材と前記押圧ブロックとの距離を近づける圧着機構と、を備えるものである。これにより、マスクを押圧ブロックに受け渡す必要がなくなるため、マスクの破損等を防ぐことができる。よって、生産性の向上することができる。
本発明の第2の態様に係るペリクル装着装置は、上記のペリクル装着装置であって、前記圧着ヘッドの移動中に前記押圧ブロックが前記マスクの側面と当接することで、前記押圧部材に対する前記押圧ブロックの位置が変化することを特徴とするものである。これにより、異なるサイズであっても、同じ押圧ブロックを用いることができる。よって、部品交換が不要となり、生産性を向上することができる。
本発明の第3の態様に係るペリクル装着装置は、上記のペリクル装着装置であって、前記圧着ヘッドが前記押圧ブロックを支持する第1の部材を備え、前記押圧ブロックが弾性体を介して前記第1の部材に取り付けられていることを特徴とするものである。これにより、異なるサイズであっても、簡便な構成で押圧ブロックを共通化できる。よって、部品交換が不要となり、生産性を向上することができる。
本発明の第4の態様に係るペリクル装着装置は、上記のペリクル装着装置であって、前記圧着ヘッドが、前記押圧ブロックを支持する第1の部材と、前記押圧部材を支持する第2の部材と、を備え、前記第1の部材と前記第2の部材との間に前記圧着機構として設けられた吸着パッドを吸着させることで、前記押圧部材が前記ペリクルフレームを押圧するものである。これにより、簡便な機構でペリクルを装着することができる。
本発明の第5の態様に係るペリクル装着装置は、上記のペリクル装着装置であって、前記圧着機構が蛇腹状でストロークを有する吸着パッドであることを特徴とするものである。これにより、異なるサイズ(厚み)であっても、同じ押圧ブロックを用いることができる。よって、部品交換が不要となり、生産性を向上することができる。
本発明の第6の態様に係るペリクル装着装置は、上記のペリクル装着装置であって、前記圧着ヘッドが前記マスクの両側にそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。これにより、少ない圧着回数でペリクルを装着することができ、生産性を向上ることができる。
本発明の第7の態様に係るペリクル装着方法は、枠状のペリクルフレームを介して、ペリクルをマスクに装着するペリクル装着方法であって、前記マスクに仮貼りされた前記ペリクルフレームに対応する圧着位置まで圧着ヘッドを移動させて、前記圧着ヘッドに設けられた押圧ブロックを前記ペリクルフレームと反対側の面のマスク端に配置するステップと、前記圧着位置において、前記ペリクルフレームと対向する位置に配置された押圧部材によって前記ペリクルフレームを前記マスクに対して押圧するステップと、を備えるものである。これにより、マスクを押圧ブロックに受け渡す必要がなくなるため、マスクの破損等を防ぐことができる。よって、生産性の向上することができる。
本発明の第8の態様に係るペリクル装着方法は、上記のペリクル装着方法であって、前記圧着ヘッドの移動中において、前記押圧ブロックと前記マスクの側面が当接することで、前記圧着ヘッドの移動方向における、前記押圧ブロックと前記押圧部材の間隔が変化することを特徴とするものである。これにより、異なるサイズであっても、同じ押圧ブロックを用いることができる。よって、部品交換が不要となり、生産性を向上することができる。
本発明の第9の態様に係るペリクル装着方法は、上記のペリクル装着方法であって、前記圧着ヘッドが前記押圧ブロックを支持する第1の部材を備え、前記押圧ブロックが弾性体を介して前記第1の部材に取り付けられていることを特徴とするものである。これにより、異なるサイズであっても、簡便な構成で押圧ブロックを共通化できる。よって、部品交換が不要となり、生産性を向上することができる。
本発明の第10の態様に係るペリクル装着方法は、上記のペリクル装着方法であって、前記圧着ヘッドが、前記押圧ブロックを支持する第1の部材と、前記押圧部材を支持する第2の部材と、を備え、前記第1の部材と前記第2の部材との間に設けられた吸着パッドを吸着させることで、前記押圧部材が前記ペリクルフレームを押圧するものである。これにより、簡便な機構でペリクルを装着することができる。
本発明の第11の態様に係るペリクル装着方法は、上記のペリクル装着方法であって、蛇腹状の吸着パッドを吸着させることで、前記押圧部材が前記ペリクルフレームを押圧することを特徴とするものである。これにより、異なるサイズであっても、同じ押圧ブロックを用いることができる。よって、部品交換が不要となり、生産性を向上することができる。
本発明の第12の態様に係るペリクル装着方法は、上記のペリクル装着方法であって、前記圧着ヘッドが前記マスクの両側にそれぞれ設けられ、両側の圧着ヘッドが近づくことで、前記圧着位置に移動することを特徴とするものである。これにより、少ない圧着回数でペリクルを装着することができ、生産性を向上ることができる。
本発明の第13の態様に係るパターン基板の製造方法は、上記のペリクル装着方法によってペリクルをマスクに装着するステップと、前記ペリクルが装着されたマスクを用いて基板を露光するステップと、前記露光された基板を現像するステップと、を備えるものである。これにより、生産性を向上することができる。
本発明によれば、生産性の高いペリクル装着装置、ペリクル装着方法、及びパターン基板の製造方法を提供することである。
本実施形態にかかるペリクル装着装置の全体構成を示す図である。 ペリクル装着装置に用いられた圧着ヘッドの構成を示す図である。 ペリクル装着装置に用いられている把持機構の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
本発明にかかるペリクル装着装置は、ペリクルフレームに張設されたペリクルをフォトマスクに装着するための装置である。通常、ペリクルフレームは、矩形状のフォトマスクに形成されたパターン領域の外側を囲むように配置されている。ペリクルフレームはフォトマスク基板の形状に対応しており、矩形の外周を有する枠状に設けられている。ペリクルは、ペリクルフレームにより保持され、フォトマスクのパターン形成面と所定の間隔を置いて張設されている。このような、枠状のペリクルフレームの下面、すなわち、フォトマスク側の面には、粘着性の接着層が設けられている。本実施の形態にかかるペリクル装着装置では、フォトマスク上に配置されたペリクルフレームを上から押圧している。これにより、粘着層を介してフォトマスクとペリクルフレームが貼り付けられる。よって、フォトマスクにペリクルを装着することができる。なお、本実施形態において、フォトマスクのことをマスクと称し、このマスクにはレチクルなども含まれる。
本実施の形態にかかるペリクル装着装置について図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態にかかるペリクル装着装置の構成を模式的に示す図である。図1の左側にはペリクル装着装置の正面図が示され、右側には側面図が示されている。また、説明の簡略化のため、図1には、3次元直交座標系が示されている。そして、鉛直方向をZ方向とする。正面図の紙面における横方向をX方向とする。すなわち、正面図の紙面と垂直方向がX方向となる。側面図の紙面における横方向をY方向とする。すなわち、側面図の紙面と垂直方向がX方向となる。
ペリクル装着装置は、架台11、回転台12、把持機構13、駆動モータ14、リニアガイド15、圧着ヘッド20を有している。このペリクル装着装置は、ペリクルフレーム41を介してペリクル42をマスク40に装着する。このペリクル装着装置における処理の前に、ペリクルフレームがマスク40に対して仮貼りされている。すなわち、ペリクルフレーム41が仮貼りされている状態のマスク40が搬送ロボット50によって保持されている。搬送ロボット50はマスク40を上下両側から把持している。なお、搬送ロボット50以外の搬送機構によってマスク40を搬送してもよい。
マスク40は、鉛直方向に立った状態で搬送ロボット50によって保持されている。すなわち、マスク40はXZ面と平行に配置されている。従って、マスク40の対向する2つの端辺は、X方向と平行に配置され、その隣の2つの端辺は、Z方向と平行に配置されている。矩形枠状のペリクルフレーム41もX方向とZ方向に沿って配置される。ここで、説明の簡略化の枠状のペリクルフレーム41のうち、Z方向に沿った部分を左辺、及び右辺と称し、X方向に沿った部分を上辺、及び下辺と称する。すなわち、図1の左側に示すように、正面視においてペリクルフレーム41は矩形状になっている。そして、ペリクルフレーム41の右側の辺を右辺とし、左側の辺を左辺とし、上側の辺を上辺とし、下側の辺を下辺とする。
搬送ロボット50が、ペリクル装着装置における所定の位置まで、マスク40を搬送する。ここでは、X方向におけるペリクル装着装置の中心にマスク40の中心が配置される。さらに、Z方向において、マスク40が後述する圧着ヘッド20内に収まる高さに、マスク40が配置される。そして、この位置において、ペリクルフレーム41をマスク40に対して圧着する。こうすることで、マスク40にペリクル42を装着することができる。
ペリクル圧着装置の各構成について説明する。架台11は、回転台12、把持機構13、駆動モータ14、リニアガイド15、圧着ヘッド20を支持するためのものである。具体的には、架台11には、回転台12、駆動モータ14、及びリニアガイド15等が取り付けられている。さらに、架台11には移動を容易にするためのキャスターや、固定するためのストッパー等が取り付けられている。
架台11の前面には、リニアガイド15が配設されている。リニアガイド15は、圧着ヘッド20をスライド可能に支持している。圧着ヘッド20は、Z方向に延在した構成となっている。駆動モータ14を駆動することで、圧着ヘッド20がX方向にスライド移動する。2つの圧着ヘッド20はX方向に離間して配置されている。すなわち、圧着ヘッド20は、マスク40の左右両側に配置されている。そして、駆動モータ14を駆動することで、2つの圧着ヘッド20が矢印方向に移動して、圧着ヘッド20間の距離が変化する。圧着ヘッド20の間隔が狭くなっている位置を、圧着動作が行われる圧着位置とする。反対に、圧着ヘッド20の間隔が広くなっている位置は、圧着動作が行われない開放位置とする。従って、図1に示すように、開放位置から圧着ヘッド20を矢印の方向に移動させると、圧着ヘッド20が圧着位置になる。開放位置では、圧着ヘッド20がマスク40の搬送と干渉しない位置に移動する。これにより、搬送ロボット50によってマスク40を移動することができるようになる。
それぞれの圧着ヘッド20は、複数の圧着ユニット21を有している。Z方向に配列された複数の圧着ユニット21が、圧着ヘッド20を構成している。マスク40の片側に配置された複数の圧着ユニット21が一体となって、X方向にスライド移動する。圧着ユニット21は、例えば、Z方向に延びたシャフトによって連結されて、1つの圧着ヘッド20を構成する。なお、圧着ユニット21の数はこれに限られるものではない。圧着ヘッド20の長さは、最大のペリクルフレームサイズよりも長くなっている。架台11の上下にそれぞれ設置されたリニアガイド15によって、圧着ヘッド20がスライド可能に支持される。
さらに、架台11には、マスク40を回転させるための回転台12が取り付けられている。回転台12は、マスク40を90度回転させる。回転台12の回転軸は紙面と垂直になっている。すなわち、回転台12はY軸を回転軸として、マスク40を回転する。また、回転軸は、マスクの中心位置と一致している。回転台12を回転させると、例えば、マスク40の上側が右側になり、下側が左側になる。このように、回転台12は、受け渡されたマスク40を回転するためのものである。なお、回転台12には、マスク40を把持するための把持機構13が取り付けられている。すなわち、把持機構13はマスク40を両側から挟むことで、回転台12がマスク40を保持する。把持機構13は、上下左右のそれぞれに配設されている。従って、把持機構13は、上下方向、及び左右方向にマスク40を把持する。この把持機構13の構造については、後述する。
搬送ロボット50がマスク40を保持した状態で、圧着ヘッド20がペリクルフレーム41をマスク40に対して圧着する。従って、圧着ヘッド20は、ペリクルフレーム41の対向する2辺と平行に配置される。左側の圧着ヘッド20がペリクルフレームの左辺を押圧し、右側の圧着ヘッド20がペリクルフレームの右辺を押圧する。そして、左右両辺の押圧が終了すると、搬送ロボット50がマスク40を回転台12に受け渡す。そして、回転台12がマスク40を90度回転させる。これにより、回転前には上辺、及び下辺だったペリクルフレームの2辺が、回転後には、右辺、及び左辺となる。そして、この状態でもう一度圧着ヘッド20による圧着を行う。これにより、ペリクルフレーム41の4辺がマスク40に圧着される。このようにして、ペリクル42がマスク40に装着される。さらに、本実施形態では、同じ構造の圧着ヘッド20で圧着しているため、均一な圧着力で各辺を圧着することができる。
次に、圧着ヘッド20に設けられた圧着ユニット21の構成について、図2を用いて説明する。図2は、圧着ユニット21の構成を示す図である。図2(a)と図2(b)には、異なるサイズのペリクルフレームを圧着する例が示されている。また、図2は、駆動モータ14によって、圧着ヘッド20を圧着位置まで移動したときの状態を示している。さらに、図2は、マスク40の右側端部周辺の構成を示している。
図2に示すように、圧着ユニット21は、支持プレート22と、対向プレート23と、押圧ブロック24、バネ25と、押圧ロッド26と、支柱28と、吸着パッド29を備えている。支持プレート22と、対向プレート23とは対向配置されている。すなわち、対向プレート23は、支持プレート22からY方向に離間して配置されている。そして対向プレート23と支持プレート22は平行に配置されている。ここでは、支持プレート22と対向プレート23はXZ面と平行に配置されている。すなわち、支持プレート22、及び対向プレート23はマスク40と平行に配置されている。さらに、Y方向に沿って2本の支柱28が配設されている。2本の支柱28によって、支持プレート22と対向プレート23が平行になっている。
支持プレート22は、押圧ブロック24を支持している。押圧ブロック24は、支持プレート22の対向プレート23側の面に取り付けされている。押圧ブロック24は、マスク40の端部に配置される。押圧ブロック24は、断面L字型に形成され、マスク40の裏面(ペリクルフレーム41が接着されている面と反対側の面)、及び側面と対向配置される。ここで、押圧ブロック24のマスク40の裏面と対向する面を上面24aとし、マスク40の側面と対向する面を側面24bとする。X方向における押圧ブロック24の上面24aの幅は、マスク40と接触可能な範囲にとどめられている。
押圧ブロック24は、Z方向に延在している。従って、押圧ブロック24は、マスク40の右端辺に沿って配置される。また、押圧ブロック24はバネ25を介して、支持プレート22に取り付けられている。バネ25はX方向、すなわち圧着ヘッド20の移動方向に沿って設けられている。このバネ25が伸縮することによって、押圧ロッド26に対する押圧ブロック24の位置が変化する。すなわち、X方向における押圧ロッド26と押圧ブロック24の間隔が変化する。もちろん、バネ25以外の弾性体を用いて、押圧ブロック24を支持プレート22に取り付けてもよい。押圧ブロック24は、例えば、デルリン(登録商標)などのポリアセタール樹脂(POM)で形成することができる。最初の状態で、バネ25は、収縮している。従って、X方向における押圧ブロック24と押圧ロッド26の間隔は、小さくなっている。そして、押圧ブロック24がX方向に押されることで、X方向における押圧ブロック24と押圧ロッド26の間隔が大きくなっていく。
対向プレート23は、押圧ロッド26を支持している。押圧ロッド26は、Z方向に延びた円柱状の部材である。押圧ロッド26は、対向プレート23の支持プレート22側の面に固定されている。押圧ロッド26は、対向プレート23よりもペリクルフレーム41側に突出している。Z方向に延在している押圧ロッド26は、ペリクルフレーム41と対向配置されている。すなわち、押圧ロッド26は、X方向における位置が一致し、ペリクルフレーム41の右辺と平行に配置される。押圧ロッド26は例えば、シリコーンゴムなどの樹脂材料により形成されている。なお、押圧ブロック24と押圧ロッド26の材料は、上記の材料に限られるものではない。
支持プレート22と対向プレート23の間には、蛇腹状の吸着パッド29が設けられている。吸着パッド29は、支持プレート22を吸着する。すなわち、吸着パッド29を減圧することによって、支持プレート22が吸着パッド29に吸着される。これにより、支持プレート22が対向プレート23側に近づく。すると、ペリクルフレーム41と押圧ロッド26が接触し、かつ、押圧ブロック24とマスク40の裏面が接触する。さらに、吸着パッド29によって吸着すると、ペリクルフレーム41がマスク40に押圧される。このようにして、ペリクルフレーム41をマスク40に圧着させることができる。
また、左辺の圧着ヘッド20における圧着ユニット21も同様の構成をしており、対称配置されている。従って、ペリクルフレーム41の左辺を同様に押圧することができる。また、吸着パッド29の吸着動作を同時に行うことで、左辺、及び右辺を同時に押圧することができる。なお、上記の説明では、押圧ロッド26によってペリクルフレーム41をマスク40に押圧したが、ロッド形状以外の形状を有する押圧部材を用いてもよい。
次に、本実施形態にかかるペリクル装着方法について説明する。まず、図1に示した搬送ロボット50によって、ペリクルフレーム41が仮貼りされたマスク40を所定の位置まで移動させる。具体的には、搬送ロボット50を所定のティーチング位置まで移動させる。このとき、Y方向において、押圧ブロック24の上面24aと押圧ロッド26との間に、マスク40が配置されることになる。さらに、X方向において、マスク40は、2つの圧着ヘッド20の間に配置される。換言すると、搬送ロボット50を移動している間は、圧着ヘッド20は、開放位置まで移動している。
この後、駆動モータ14が圧着ヘッド20をX方向にスライド移動する。駆動モータ14は例えば、ダイレクトドライブモータであり、駆動モータ14の駆動力は例えば、ベルトなどを介して圧着ヘッド20に伝達される。これにより、圧着ヘッド20が開放位置から圧着位置まで移動する。圧着位置では、Y方向における押圧ブロック24の上面24aと押圧ロッド26との間隔は、未吸着時でマスク40の厚みよりも若干大きくなっている。従って、圧着位置においても、マスク40の裏面と押圧ブロック24の上面24aの間、並びに、押圧ロッド26とマスク40の表面の間には、微小な隙間(クリアランス)が存在する。これにより、衝突によるマスクの破損を防ぐことができる。
圧着ヘッド20が圧着位置まで移動する間に、押圧ブロック24の側面24bと、マスク40の側面が当接する。さらに、移動を続けるとマスク40が押圧ブロック24の側面24bをX方向に押していく。これにより、バネ25が伸長して、押圧ロッド26に対する押圧ブロック24の位置が変化する。すなわち、X方向における押圧ロッド26と押圧ブロック24の間隔が変化する。これにより、マスク40の側面からペリクルフレーム41までの距離が変わった場合でも、押圧ロッド26がペリクルフレーム41と対向する。ペリクルフレーム41を適切に押圧することができるようになる。
開放位置から圧着位置までのスライド量は、ペリクルフレーム41の外形サイズ及びフレーム幅から算出することができる。圧着ヘッド20を圧着位置まで移動したら、吸着パッド29を減圧する。これにより、支持プレート22が吸着され、対向プレート23に近づく。押圧ロッド26がペリクルフレーム41をマスク40に押しつける。ペリクルフレーム41の二辺(右辺、及び左辺)がマスク40に圧着される。
本実施形態にかかるペリクル装着装置では、様々な構成のペリクルフレーム41付きマスク40に対応することができる。例えば、図2(a)に示す構成では、X方向におけるペリクルフレーム41からマスクの側面までの距離A(最大)が、図2(b)に示す構成の距離A(最小)よりも大きくなっている。図2(a)の場合、バネの伸び量が大きくなり、押圧ブロック24が押圧ロッド26から離れることになる。よって、マスク40の端からペリクルフレーム41までの距離が大きい構成に対応することができる。一方、図2(b)では、バネ25の伸び量が小さくなっている。よって、マスク40の端からペリクルフレーム41までの距離が小さい構成に対応することができる。このように、バネ25によって押圧ブロック24をX方向にスライド可能とすることが、様々なサイズのマスク40及びペリクルフレーム41に対応することが可能になる。すなわち、ペリクルフレーム41とマスク40のX方向における位置関係の変化をバネ25が吸収する。よって、簡便な構成で、様々なサイズに対応することができる。
この場合、駆動モータ14の駆動量を変えることで、圧着ヘッド20の開放位置からの移動量を制御することができる。すなわち、マスク40とペリクルフレーム41のサイズに応じて、圧着ヘッド20の移動量をずらす。これにより、適切に圧着ヘッド20を圧着位置に移動することができる。例えば、ペリクルフレーム41からマスク40の端面までの距離が、0〜55mmまでのサイズ変化に対応することができる。
また、本実施形態ではY方向における動作レンジの広い蛇腹状の吸着パッド29を用いて、圧着動作を行っている。これにより、マスク40の厚さやペリクルフレーム41の高さが変わった場合でも、均一な力で圧着することができる。例えば、図2(a)に示す構成では、マスク40が図2(b)に示す構成よりも厚くなっている。図2(a)では、マスクが厚くなっており、ペリクルフレーム41の表面からマスク40の裏面までの高さがT(最大)となる。マスクが薄くなっており、ペリクルフレーム41の表面からマスク40の裏面までの高さがT(最小)となる。例えば、ペリクルフレーム41とマスク40の合計厚さが、15〜30mmまでのサイズ変化に対応することができる。
このように、厚さの異なるマスク40に対しても、蛇腹状の吸着パッド29を用いることで、均一な圧着が可能となる。すなわち、蛇腹状の吸着パッド29は、一定の範囲で伸縮自在になっている。従って、吸着パッド29の厚みが異なっていても、吸着力をほぼ一定にすることができる。蛇腹状の吸着パッド29は、吸着力が一定となる吸着ストロークが大きい。換言すると、吸着間隔の変化に対する吸着力の変化が少ない蛇腹状の吸着パッド29を用いる。こうすることで、マスク40の厚さや、ペリクルフレーム41の高さが変化した場合でも吸着力の制御を容易に行うことができる。よって、簡便な構成で、様々なサイズに対応することができる。さらに、異なるサイズのマスク40に対して、押圧ブロック24を共通化することで、押圧ブロック24の交換作業を省略することができる。これにより、部品交換が不要となり、生産性を向上することができる。さらに、異なるサイズの押圧ブロック24を予備部品として準備する必要がなくなる。これにより、部品点数を削減することができる。また、クリーンルーム内に予備の脱着フレームを保管する必要もなくなり、省スペース化を実現することができる。
上記の処理が左右の2辺に対して同時に行われる。すなわち、ペリクルフレーム41の左辺と右辺を同時に圧着する。このように、対向する二辺の圧着が終了したら、圧着ヘッド20を開放位置まで移動する。そして、搬送ロボット50がマスク40をY方向に移動させる。これにより、マスク40が回転台12への受け渡し位置まで移動する。そして、回転台12に設けられている把持機構13によって、マスク40を把持する。もちろん、把持機構13は搬送ロボット50と干渉しない位置に配置されている。把持機構13がマスク40を把持したら、搬送ロボット50がマスク40を開放する。これにより、搬送ロボット50から回転台12へのマスク40の受け渡しが完了する。
次に、図3を参照して回転台12の把持機構13について説明する。図3は、把持機構13の構成を示す側面図である。回転台12の把持機構13は、断面V字型の溝が形成されている。このような把持機構13がマスク40を挟むように両側にそれぞれ配置されている。すなわち、V字型の溝が向かい合いように2つの把持機構13が対向配置される。そして、両側に配置された把持機構13を近づけていくと、V字の溝部分に、マスク40のエッジが接触する。これにより、把持機構13がマスク40を把持する。そして、把持機構13を支持する回転台12を回転させると、マスク40が回転する。
このように、マスク40の受け渡しが完了したら、回転台12は、マスク40を90度回転させる。そして、反対の動作を行い、回転台12から搬送ロボット50へとマスク40を受け渡す。搬送ロボット50は、マスク40を把持して、所定の位置まで移動させる。そして、圧着ヘッド20が上記と同様の圧着動作を行う。これにより、ペリクルフレーム41の残りの2辺がマスク40に圧着される。このようにして、ペリクルフレーム41の4辺をマスク40に圧着することで、ペリクル42がマスク40に装着される。
本実施形態では、搬送ロボット50がマスク40を保持した状態でペリクルフレーム41がマスク40に圧着される。よって、マスク40を位置決めに使用される脱着フレームに受け渡す必要がなくなる。これにより、マスク50の搬送を素早く行うことができる。すなわち、本実施形態では、把持機構13が移動することで、マスク40が受け渡される。よって、マスク40を素早く搬送することができ、生産性を向上することができる。
さらに、マスク40のサイズやペリクルフレーム41の大きさや厚さに応じて、部材を変える必要がない。すなわち、マスク40やペリクルフレーム41のサイズが変わったとしても、同じ機構で圧着動作を行うことができる。よって、作業効率を向上することができ、生産性を向上することができる。さらに、巨大なマスクや、それに対応する部材の近くに作業者が介在する必要がなくなる。このため、安全性をさらに向上することも可能になる。また、圧着ヘッド20がマスク40の左右両側にそれぞれ配置されているため、少ない回数で均一に圧着することができる。すなわち、2回の圧着で、4辺が均一に圧着される。
上記のマスク40を用いたパターン基板の製造方法について説明する。まず、ペリクルフレーム41が仮貼りされたマスクを検査装置に搬送して、欠陥検査を行う。あるいは、検査装置によって検査を行った後、ペリクルフレーム41を仮貼りする。そして、検査装置によって欠陥検査が終了したマスクをペリクル装着装置に搬送する。上記のペリクル装着装置でペリクルフレーム41をマスク40に圧着する。これにより、ペリクル42がマスク40に装着される。そして、ペリクルを装着した後に、ペリクル42付きマスク40を露光装置まで搬送する。そして、露光装置で基板上に設けられた感光性樹脂に対して露光処理を行う。この感光性樹脂を現像することでパターンが形成される。
上記のマスク40は、半導体装置、あるいは表示装置に用いられるパターン基板の製造に好適である。例えば、上記のペリクル42付きマスク40を用いて感光性樹脂が塗布された基板を露光する。そして、現像を行い、感光性樹脂をパターニングする。これにより、感光性樹脂パターンが形成されたパターン基板を製造することができる。さらに、感光性樹脂をレジストとして用いることができる。所定のパターンとなった感光性樹脂層の下側に形成された導電層や絶縁層などをエッチングする。これにより、配線パターンや絶縁層パターン等を形成することができる。もちろん、これ以外の既知の方法でパターン基板を製造することも可能である。よって、生産性よくパターン基板の生産性を向上することができる。
11 架台
12 回転台
13 把持機構
14 駆動モータ
15 リニアガイド
20 圧着ヘッド
21 圧着ユニット
22 支持プレート
23 対向プレート
24 押圧ブロック
25 バネ
26 押圧ロッド
28 支柱
29 吸着パッド
40 マスク
41 ペリクルフレーム
42 ペリクル
50 搬送ロボット

Claims (13)

  1. 枠状のペリクルフレームを介して、ペリクルをマスクに装着するペリクル装着装置であって、
    前記マスクに仮貼りされた前記ペリクルフレームに対応する圧着位置まで移動可能に設けられた圧着ヘッドと、
    前記圧着ヘッドに設けられた可動式の押圧ブロックであって、前記圧着ヘッドが前記圧着位置に移動すると、前記ペリクルフレームと反対側の面のマスク端に配置される押圧ブロックと、
    前記圧着ヘッドが前記圧着位置に移動した状態で、前記ペリクルフレームと対向する押圧部材と、
    前記ペリクルフレームを前記マスクに対して圧着するよう、前記マスクのパターン面と垂直な方向における前記押圧部材と前記押圧ブロックとの距離を近づける圧着機構と、を備えるペリクル装着装置。
  2. 前記圧着ヘッドの移動中に前記押圧ブロックが前記マスクの側面と当接することで、前記押圧部材に対する前記押圧ブロックの位置が変化することを特徴とする請求項1に記載のペリクル装着装置。
  3. 前記圧着ヘッドが前記押圧ブロックを支持する第1の部材を備え、
    前記押圧ブロックが弾性体を介して前記第1の部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1、又は2に記載のペリクル装着装置。
  4. 前記圧着ヘッドが、前記押圧ブロックを支持する第1の部材と、前記押圧部材を支持する第2の部材と、を備え、
    前記第1の部材と前記第2の部材との間に前記圧着機構として設けられた吸着パッドを吸着させることで、前記押圧部材が前記ペリクルフレームを押圧する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のペリクル装着装置。
  5. 前記圧着機構が蛇腹状の吸着パッドであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のペリクル装着装置。
  6. 前記圧着ヘッドが前記マスクの両側にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のペリクル装着装置。
  7. 枠状のペリクルフレームを介して、ペリクルをマスクに装着するペリクル装着方法であって、
    前記マスクに仮貼りされた前記ペリクルフレームに対応する圧着位置まで圧着ヘッドを移動させて、前記圧着ヘッドに設けられた押圧ブロックを前記ペリクルフレームと反対側の面のマスク端に配置するステップと、
    前記圧着位置において、前記ペリクルフレームと対向する位置に配置された押圧部材によって前記ペリクルフレームを前記マスクに対して押圧するステップと、を備えるペリクル装着方法。
  8. 前記圧着ヘッドの移動中において、前記押圧ブロックと前記マスクの側面が当接することで、前記圧着ヘッドの移動方向における、前記押圧ブロックと前記押圧部材の間隔が変化することを特徴とする請求項7に記載のペリクル装着方法。
  9. 前記圧着ヘッドが前記押圧ブロックを支持する第1の部材を備え、
    前記押圧ブロックが弾性体を介して前記第1の部材に取り付けられていることを特徴とする請求項7、又は8に記載のペリクル装着方法。
  10. 前記圧着ヘッドが、前記押圧ブロックを支持する第1の部材と、前記押圧部材を支持する第2の部材と、を備え、
    前記第1の部材と前記第2の部材との間に設けられた吸着パッドを吸着させることで、前記押圧部材が前記ペリクルフレームを押圧する請求項7乃至9のいずれか1項に記載のペリクル装着方法。
  11. 蛇腹状の吸着パッドを吸着させることで、前記押圧部材が前記ペリクルフレームを押圧することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のペリクル装着方法。
  12. 前記圧着ヘッドが前記マスクの両側にそれぞれ設けられ、
    両側の圧着ヘッドが近づくことで、前記圧着位置に移動することを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載のペリクル装着方法。
  13. 請求項7乃至12のいずれか1項に記載のペリクル装着方法によってペリクルをマスクに装着するステップと、
    前記ペリクルが装着されたマスクを用いて基板を露光するステップと、
    前記露光された基板を現像するステップと、を備えるパターン基板の製造方法。
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