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JP5691905B2 - インフレータ性能試験装置、方法及びプログラム - Google Patents

インフレータ性能試験装置、方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、インフレータの性能を試験するインフレータ性能試験装置、方法及びプログラムに関する。
代表的な移動体としての車両にはエアバッグ装置が具備されるようになってきている。このエアバッグ装置はインフレータを具備して、インフレータによりガスを発生させてエアバッグを展開させている。このようなエアバッグ装置の性能評価や部品開発のためには、エアバッグを展開させるインフレータの特性を把握することが重要である。ところが、エアバッグの展開時間は数十ミリ秒という短時間のため、インフレータの特性を計測することは困難であった。特に、インフレータから噴射されるガスの流量及び温度の変化等のインフレータ特性は、直接計測することが困難であった。
特許文献1には、タンク試験を実施してタンクの圧力時間特性を求める技術が記載されている。このタンク試験ではタンク内に固定したインフレータに着火してからのタンク内の圧力を逐次計測することで、タンク内の圧力上昇変化を時系列的に計測している。
特開2000−26189号公報
ところで、インフレータ特性は、インフレータからのガスの噴射流量及び噴射温度の変動を把握することが重要である。しかし、タンク試験によるタンク内圧上昇変化の時系列的な計測結果のみでは、これらを特定することが困難である。例えば、このタンク内圧上昇変化の時系列的な計測結果から噴射流量及び噴射温度のインフレータ特性を得ようとすると、噴射流量及び噴射温度の何れか一方を仮定して他方を同定しなければならない。このため、計算負荷が増大すると共に、高精度の計算結果を得ることができない。
近年、部品開発の効率向上のために、コンピュータによる模擬的な試験が実施されている。例えば、部品の各種試験では、CAE(Computer Aided Engineering)解析による性能評価が行われている。このCAE解析では、正確かつ高速に解析結果を得るためのに、エアバッグ装置に具備される実際のインフレータを高い再現性で模擬できるインフレータ特性を得ることが望まれている。
本発明は上記事実を考慮し、タンク内圧の時間特性からインフレータの噴射流量及び噴射温度のインフレータ特性を同定するインフレータ性能試験装置、方法及びプログラムを得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明のインフレータ性能導出装置は、比熱が異なる気体が充填された複数のタンクの各々に同一のインフレータを取り付けて、前記インフレータから気体を噴射させたときの前記複数のタンクの各々の内圧の時間特性を測定した測定結果を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した各タンクの内圧の時間特性に基づいて、タンクの内圧とインフレータの噴射流量とタンク内の温度との関係から各タンクの内部エネルギの変化量が一致するようにインフレータの噴射流量を同定すると共に、タンクの内部エネルギの時系列の収支が前記タンクの内圧の時間特性に対応するようにインフレータの噴射温度の時間特性を同定することにより、インフレータ性能としてインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を算出する算出手段と、を備える。
本発明のインフレータ性能導出装置では、取得手段によって、比熱が異なる気体が充填された複数のタンクの各々に同一のインフレータを取り付けて、前記インフレータから気体を噴射させたときの前記複数のタンクの各々の内圧の時間特性を測定した測定結果を取得する。算出手段は、取得手段により取得した各タンクの内圧の時間特性に基づいて、インフレータ性能としてインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を算出する。具体的には、算出手段は、タンクの内圧とインフレータの噴射流量とタンク内の温度との関係から各タンクの内部エネルギの変化量が一致するようにインフレータの噴射流量を同定する。また、算出手段は、タンクの内部エネルギの時系列の収支が前記タンクの内圧の時間特性に対応するようにインフレータの噴射温度の時間特性を同定する。
従って、本発明によれば、異なる比熱の気体に応じて、相違する各タンクの内圧の時間特性を用いて、各タンクの内部エネルギの変化量が一致するようにタンクの内圧とインフレータの噴射流量とタンク内の温度との関係からインフレータの噴射流量を同定できる。また、タンクの内部エネルギの時系列の収支がタンクの内圧の時間特性に対応するようにインフレータの噴射温度の時間特性を同定できる。このように、タンクの内圧の時間特性からインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を得ることができるので、インフレータ特性を得るための演算負荷を軽減できる。すなわち、異なる比熱の気体によるタンクの内圧の時間特性を用いて、インフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を同定するため、短時間で処理を終了することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインフレータ性能導出装置において、前記算出手段は、数1のエネルギ収支式および数2の状態方程式の支配方程式を用いて、インフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を同定することを特徴とする。

jはタンクを示す識別子である。
inf (t)は時刻0から時刻tまでにタンクに流入する気体のエンタルピを示す。
j (t)−Uj (0)は時刻0から時刻tまでにタンク内の気体の内部エネルギの変化量を示す。
j (t)はタンク内圧を示す。
j はタンク容量を示す。
j はタンク内の初期気体の気体量を示す。
inf (t)はインフレータの気体の噴出量を示す。
Rは気体定数を示す。
j (t)はタンク内の気体温度を示す。
算出手段は、エネルギ収支式および状態方程式の支配方程式を用いてインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を求めるので、同定するインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性は実際のインフレータの性能が反映されたものになり、精度が向上する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のインフレータ性能導出装置において、前記算出手段は、比熱を多項式で近似することを特徴とする。算出手段では、比熱を多項式で近似することによって、算出負荷を軽減することができる。
請求項4に記載の発明のインフレータ性能導出方法は、比熱が異なる気体が充填された複数のタンクの各々に同一のインフレータを取り付けて、前記インフレータから気体を噴射させたときの前記複数のタンクの各々の内圧の時間特性を測定した測定結果を取得する取得工程と、前記取得工程により取得した各タンクの内圧の時間特性に基づいて、タンクの内圧とインフレータの噴射流量とタンク内の温度との関係から各タンクの内部エネルギの変化量が一致するようにインフレータの噴射流量を同定すると共に、タンクの内部エネルギの時系列の収支が前記タンクの内圧の時間特性に対応するようにインフレータの噴射温度の時間特性を同定することにより、インフレータ性能としてインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を算出する算出工程と、を有する。
本発明の方法によれば、タンクの内圧の時間特性からインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を得ることができるので、インフレータ特性を得るための演算負荷を軽減できる。
なお、請求項5に記載の発明のように、コンピュータを、請求項1〜3の何れか1項に記載のインフレータ性能導出装置の各手段として機能させるためのプログラムとすることを特徴とする。このプログラムは、記憶媒体に記憶して流通可能なようにしてもよい。
詳細には、この発明のプログラムは、比熱が異なる気体が充填された複数のタンクの各々に同一のインフレータを取り付けて、前記インフレータから気体を噴射させたときの前記複数のタンクの各々の内圧の時間特性を測定した測定結果を取得する取得ステップと、前記取得手段により取得した各タンクの内圧の時間特性に基づいて、タンクの内圧とインフレータの噴射流量とタンク内の温度との関係から各タンクの内部エネルギの変化量が一致するようにインフレータの噴射流量を同定すると共に、タンクの内部エネルギの時系列の収支が前記タンクの内圧の時間特性に対応するようにインフレータの噴射温度の時間特性を同定することにより、インフレータ性能としてインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を算出する算出ステップと、の各ステップをコンピュータに実行させることでインフレータ性能を導出させる。
本発明のプログラムによれば、コンピュータにおいて短時間でインフレータ性能の同定を終了させ、演算負荷を軽減させることができる。
本発明によれば、タンクの内圧の時間特性からインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を得ることができるので、インフレータ特性を得るための演算負荷を軽減できる。
本発明の実施形態にかかるインフレータ性能導出装置におけるインフレータ特性同定処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかるインフレータ性能導出装置の概略を示すブロック図である。 本発明の実施形態にかかるインフレータ性能導出装置でのタンクテストにおけるタンクの概略構造を示す線図である。 本発明の実施形態にかかるインフレータ性能導出装置において用いる比熱が相違する気体の説明図である。 本発明の実施形態にかかるインフレータ性能導出装置で用いるタンクテストによるタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)を示す線図である。 本発明の実施形態にかかるインフレータ性能導出装置の検証のための仮想のインフレータ特性を示し、(A)は噴射流量、(B)は噴射温度を示す線図である。 本発明の実施形態にかかるインフレータ性能導出装置の検証のための仮想インフレータの特性およびタンクテスト条件で行った数値実験結果のタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)を示す線図である。 本発明の実施形態にかかるインフレータ性能導出装置で同定したインフレータ特性を示し、(A)は噴射流量、(B)は噴出温度を示す特性図である。 本発明の実施形態にかかるインフレータ性能導出装置の逆検証結果を示す線図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施形態は、エンジン等の内燃機関の動力で走行する車両や、エンジンとモータを備えたハイブリッド車両等に搭載されるエアバッグ装置に具備されるインフレータの性能を同定する場合に、本発明を適用したものである。
<インフレータ性能導出装置>
図2に示すように、本実施の形態のインフレータ性能導出装置10は、CPU14、RAM16,ROM18を含むコンピュータ本体12を備えている。コンピュータ本体12は、入出力インタフェース20を含んでおり、入出力インタフェース20は、CPU14、RAM16、ROM18とデータやコマンドを授受可能にバス22を介して接続されている。
入出力インタフェース20には、入出力装置26として、ポインティングデバイスであるマウスやキーボードが接続されており、また、データやコマンド、その他の各種画像を表示するためのディスプレイ24が接続されている。また、入出力インタフェース20には、同定部30,検証部32、及び記録装置34が接続されている。
同定部30は、後述するインフレータ特性同定処理を担当する処理部であり、インフレータ特性としてインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を算出することにより同定する処理部である。
また、同定部30は、上述のハードウェア資源と後述するソフトウェア資源との複合的な動作により機能する装置である。すなわち、同定部30は詳細を後述する処理のフローチャートを実行させるためのプログラムを記憶したメモリを具備している。従って、ハードウェア資源とソフトウェア資源との構成及び複合的な処理によって、同定部30を含むインフレータ性能導出装置10は、インフレータ特性同定装置として機能することになる。
検証部32は、CAE解析処理を担当する処理部であり、対象部品であるインフレータについて性能解析を含むCAE解析する処理部である。このCAE解析部32は、上述のハードウェア資源と後述するソフトウェア資源との複合的な動作により機能する装置である。すなわち、CAE解析部32は処理実行のためのプログラムを記憶したメモリを具備している。従って、ハードウェア資源とソフトウェア資源との構成及び複合的な動作によって、CAE解析部32を含むインフレータ性能導出装置10は、解析装置として機能することになる。なお、検証部32は、後述するように同定されたインフレータ特性を検証するための装置として備えたものであり、本実施形態のインフレータ性能導出装置10において必須の構成とするものではなく、省略してもよい。検証部32を省略する場合には、検証部32として代替する他の装置をインフレータ性能導出装置10に接続して検証可能に構成することができる。
記録装置34には、タンク内圧の時間特性(内圧カーブ)の実測値が格納されている。この実測値は、例えばタンクテストによる試験等で計測されるものである(後述)。また、記録装置34には、インフレータ性能を導出するために用いられる数式が格納されている(後述)。なお、記録装置34は、解析に用いられる様々な部品について解析時の数値計算用の解析モデルが格納される。これら解析モデルは、様々な部品について、その節点や辺および各種付帯条件などから構成されるモデルの数値計算データが格納される。
(タンクテスト)
次に、タンク内圧の時間特性(内圧カーブ)を得るためのタンクテストの一例を説明する。本実施形態では、2個のタンクを用いてタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)を得る場合を説明する。
図3に示すように、まず、内容積が既知の複数タンク44,48を用意して、各々に性能が同一とされるインフレータ40,41を固定する。また、この各タンク内には圧力センサ42,46が設置される。各タンク44,48は、比熱が相違する気体43,47(図3では、初期ガスAと初期ガスB)を充填する。本実施形態では、一例として、窒素ガスとアルゴンガスを比熱が相違する気体として用いている(図4参照)。各々のタンクを密封後に、図示しない着火装置により、インフレータ40,41を作動させる。この図示しない着火装置によるインフレータの作動開始からのタンク内圧変動を圧力センサにより検出する。すなわち、インフレータの作動開始から連続時間的または一定時間おきにタンク内圧の計測値を得る。従って、タンク44,48毎に、タンク内圧と時間のデータセットが計測値として記録装置34に格納される。
図5は、タンク内圧と時間のデータセットを視覚化した、比熱が相違する気体43,47(初期ガスA:窒素ガス、初期ガスB:アルゴンガス)を充填したタンク44,48の各々のタンク内圧時間特性50,52を示した一例である。比熱が相違する気体によるタンクでは、インフレータによるガス噴射時のタンク内圧の変動量に相違が発生する。
なお、入出力インタフェース20には、記録媒体としての磁気円盤が挿抜可能な記録装置や記録領域を備えた電子回路を具備する補助記憶装置が接続されるようにしてもよい。なお、後述する処理ルーチン等のプログラムは、記録装置や補助記憶装置を用いて磁気円盤や記録領域に対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルーチン等のプログラムは、ROM18に記憶することなく、予め磁気円盤や記憶領域に記録しておき、記録装置や補助記憶装置を介して、予め記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12には、ハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、プログラムを大容量記憶装置(図示省略)へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、CD−ROM,MD,MO,DVD等のディスク、DAT等の磁気テープ、そして記録領域としてはフラッシュメモリ(flash memory)やSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置があり、これらを用いるときには、CD−ROM装置、MD装置、MO装置、DVD装置、DAT装置、補助記憶装置等を用いればよい。
<インフレータ特性同定>
ここで、インフレータ特性同定の概要を説明する。本発明者は、計測により得られるデータがタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)のみであるとき、インフレータ特性としてインフレータの噴射温度および噴射流量を、同定することができない、という点から、相違する内圧カーブを得ることができれば、双方について同定可能であるという知見に至った。すなわち、1つの内圧カーブのみのときは、例えば、インフレータによる気体の噴射温度が一定値という仮定をした上で同定を進める必要があり、十分なインフレータ特性を同定することができなかった。そこで、相違する内圧カーブを得ることができれば、一定値による仮定をすることなく、インフレータの噴射温度および噴射流量を、同定できる、という知見に至った。
まず、比熱が相違する気体をタンク内に充填させた2パターンのタンクテストを行うことで、2パターンの内圧カーブを得ることができる。各々のタンクでは、エネルギ収支についての現象をエネルギ収支式で表現できる。また、各々のタンクでは、気体の状態についての現象を状態方程式で表現できる。従って、これらのエネルギ収支式および状態方程式を支配方程式とすることで、各々のタンクにおける現象を数式で記述でき、各々のタンクに同一性能のインフレータを用いたことを共通点とすることで、そのインフレータ特性を同定することができるという知見に至った。
インフレータ特性同定は、次の4つのプロセスからなる。第1プロセスではタンクテストを実施し、第2プロセスではタンクテスト毎のタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)を得て、第3プロセスでは支配方程式を導出し、第4プロセスでは支配方程式からインフレータの気体の噴射流量及び噴射温度を同定する。
まず、第1プロセスでは、タンクテストを実施する。すなわち、比熱が相違する気体が充填された各タンクでインフレータを作動させ、インフレータの作動開始からの時系列的なタンク内圧の計測値を得る(図3参照)。本実施形態では、比熱が相違する気体としての窒素を初期ガスAとして行うタンクテストを、第1タンクテストとし、アルゴンを初期ガスBとして行うタンクテストを、第2タンクテストとして説明する。
第2プロセスでは、第1及び第2タンクテストで得られたタンク内圧の計測値から、タンクテスト毎のタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)を作成する。この内圧カーブは、ことなる特性となる2種類の内圧カーブになる(図5参照)。
第3プロセスでは、支配方程式を導出する。すなわち、タンクテストの現象を再現記述する数式を定める。
まず、第1タンクテストのエネルギ収支式は、次の(1)式で表すことができ、状態方程式は、(2)式で表すことができる。

但し、
inf (t)は時刻0から時刻tまでにタンクに流入する気体のエンタルピを示す。
1 (t)−U1 (0)は時刻0から時刻tまでにタンク44内の気体の内部エネルギの変化量を示す。

但し、
1 (t)はタンク44の内圧を示す。
1 はタンク44の容量を示す。
1 はタンク44内の初期気体(窒素)の気体量を示す。
inf (t)はインフレータ40の気体の噴出量を示す。
Rは気体定数を示す。
1 (t)はタンク44内の気体温度を示す。
次に、第2タンクテストのエネルギ収支式は、次の(3)式で表すことができ、状態方程式は、(4)式で表すことができる。

但し、
inf (t)は時刻0から時刻tまでにタンクに流入する気体のエンタルピを示す。
2 (t)−U2 (0)は時刻0から時刻tまでにタンク48内の気体の内部エネルギの変化量を示す。

但し、
2 (t)はタンク48の内圧を示す。
2 はタンク48の容量を示す(タンク44と同一)。
2 はタンク48内の初期気体(窒素)の気体量を示す(タンク44と同一)。
inf (t)はインフレータ41の気体の噴出量を示す(インフレータ40と同一)。
Rは気体定数を示す。
2 (t)はタンク48内の気体温度を示す。
ここで、気体の比熱については、次式で表すことができる。まず、定圧比熱Cp、定積比熱Cvの各々について、第1タンクテストの初期ガスAである窒素については、(5)式で表わすことができる。

但し、a,b,c,は定数である。
また、第2タンクテストの初期ガスBであるアルゴンについては、(6)式で表すことができる。

但し、a,b,c,は定数である。
また、インフレータ噴出ガスについては、(7)式で表すことができる。

但し、A,B,C,は定数である。
上記の(1)式は、(5)式〜(7)式を用いて、書き換えることができる。まず、(1)式の左項は、次の(8)式に書き換えることができる。
また、(1)式の右項は、次の(9)式に書き換えることができる。
また、(3)式の右項は、次の(10)式に書き換えることができる。
第4プロセスでは、インフレータの気体の噴射流量及び噴射温度を同定する。すなわち、実測値である第2プロセスで得られたタンクテスト毎のタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)と、第3プロセスで得られたタンクテストの現象を記述した数式を用いて、インフレータの気体の噴射流量及び噴射温度を同定する。この第4プロセスは、上記の支配方程式を連立し、その結果式から一定の解法によりインフレータの気体の噴射流量及び噴射温度を同定する。第4プロセスは、次の3段階の処理からなる。第1段階処理はインフレータの噴出量を求める処理であり、第2段階処理は流量に変換する処理であり、第3段階処理は噴射温度を求める処理である。
まず、第4プロセスの第1段階処理は、インフレータの気体の噴出量ninf (t)を求める処理である。ここでの処理は、「内部エネルギの変化量は同一である」という事項から導出することができる。この事項は、次の(11)式で示すことができる。この(11)式は、上記の支配方程式を整理することにより、(12)式で表すことができる。
上記(12)式の両辺に次の(13)式を乗算し、その結果の6次方程式を一定の解法で解くことにより、インフレータの気体の噴出量ninf (t)を同定する。ここでは、数値解析的に解きやすくするために、乗算している。この6次方程式についての一定の解法には、二分法やニュートン法などがある。
次に、第4プロセスの第2段階処理は、インフレータの気体の流量を求める処理である。この処理は、構造解析ソフトウェア(例えば、LS−DYNA)を利用した解析をするとき、時刻毎の流量を入力する必要があるため、気体の噴出量から流量に変換する必要があるため、実行される処理である。このことは、上記で同定したインフレータの気体の噴出量ninf (t)を流量に変換する処理に相当する。その変換処理の結果式は、次の(14)式で示すことができる。この(14)式は、上記の支配方程式を整理することで表すことができる。なお、(14)式において、Mは質量を示している。
上記(14)式の中心差分を求めることにより、インフレータの気体の流量を同定する。
次に、第4プロセスの第3段階処理は、インフレータの気体の噴出温度Tinf (t)を求める処理である。ここでの処理は、「エネルギ収支式を満たす」という事項から導出することができる。この事項は、上記(1)式、すなわち(8)式と(9)式が成立(または(2)式について適用)することを意味する。このことについて、(8)式を左辺式とし、(9)式を右辺式として次の(15)式に示す。
この(15)式の右辺項について、(2)式から求まる次の(16)式を代入する。これにより、(15)式の右辺項は既知のデータにより同定できる。
次に、(15)式の左辺項について、次の(17)式で示すときを、Qiとし、台形積分を用いて整理すると、(18)式および(19)式で表すことができる。
上記(19)式は、漸化式形式の3次方程式である。この(19)式では、Tinf(i−1)及びその2次と3次の変数は既知変数であるが、それ以外のTinfの変数は未知である。そこで、漸化式形式の(19)式について、t=0から順次一定の解法で解くことにより、インフレータの気体の噴出温度Tinf (t)を同定する。この一定の解法には、解析的解法、二分法やニュートン法などの数値解法がある。
以上のプロセスにて、比熱が相違する気体による内圧データを用いて、インフレータ特性を同定できる。
<インフレータ特性同定処理>
図1には本実施の形態のインフレータ性能導出装置10において実行されるインフレータ特性同定処理の流れを示した。なお、本実施形態では、インフレータ性能としてインフレータ特性のうちのインフレータの気体(ガス)の噴射流量及びインフレータの気体(ガス)の噴射温度を同定する処理例を説明する。
まず、ステップ100はインフレータ特性同定処理の前処理であり、予めタンクテストが実施される。すなわち、気体43(窒素:初期ガスA),が充填されたタンク44でインフレータ40を作動させ、インフレータの作動開始からの時系列的なタンク内圧の計測値を第1タンクテストのデータとして得る。同様に、気体43とは比熱が相違する気体47(アルゴン:初期ガスB)が充填されたタンク48でインフレータ41を作動させ、インフレータの作動開始からの時系列的なタンク内圧の計測値を第2タンクテストのデータとして得る。これらの第1タンクテストのデータ及び第2タンクテストのデータを記録装置34に格納しておく。
なお、ステップ100では、予め実施したタンクテストの結果を記録装置34に記憶させた場合を説明したが、タンクテストの装置をインフレータ性能導出装置10に接続してタンクテストのデータを得るようにしてもよい。
次のステップ102では、記録装置34から予め実施したタンクテストの結果を取得し、次のステップ104において内圧カーブを算出する。すなわち、タンクテストで得られたタンク内圧の計測値から、タンクテスト毎のタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)を算出する(図5)。
以上のようにして、比熱が相違する気体によるタンク内圧の時間特性を求めた後には、ステップ106へ進み、支配方程式を導出する。すなわち、タンクテストの現象を再現記述する数式を定める。ここでの処理は、記録装置34に記憶された演算式としての数式を読み取ることにより、タンクテストの現象を再現記述する数式を定める。具体的には、第1タンクテストのエネルギ収支式として(1)式を定め(ステップ108)、状態方程式として(2)式を定める(ステップ110)。同様に、第2タンクテストのエネルギ収支式として(3)式を定め(ステップ112)、状態方程式として(4)式を定める(ステップ114)。
このステップ106では、上述したように、インフレータの気体の噴出量ninf (t)を同定するための(12)式を定める。また、インフレータの気体の流量を同定するための(14)式を定める。さらに、インフレータの気体の噴出温度Tinf (t)を同定するための(19)式を定める。
次に、ステップ116において、インフレータの気体の噴射流量及び噴射温度を同定する。すなわち、実測値であるステップ104で得られたタンクテスト毎のタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)と、ステップ106で定めたタンクテストの現象を記述した数式を用いて、インフレータの気体の噴射流量及び噴射温度を同定する。
詳細には、まず、ステップ118において、(12)式の6次方程式から数値解法によって、インフレータの気体の噴出量ninf (t)を同定する。次に、ステップ120において、(14)式の中心差分を求めることにより、インフレータの気体の流量を同定する。次に、(19)式による漸化式形式の3次方程式から、解析的手法または数値解法によって、インフレータの気体の噴出温度Tinf (t)を同定する。
以上説明したように、比熱が相違する気体を充填したタンクによるインフレータ噴射のタンクテスト結果を用いて、インフレータの気体の流量およびインフレータの気体の噴出温度を同定することができる。これにより、インフレータ特性を把握することができ、性能解析等に容易に用いることができる。また、タンクの内圧の時間特性からインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を得ることができるので、インフレータ特性を得るための演算負荷を軽減できる。
<インフレータ特性の検証>
次に本発明者は、本実施形態のインフレータ性能導出装置10により同定したインフレータの気体の噴射流量およびインフレータの気体の噴出温度によるインフレータ特性について検証を行った。ここでは、構造解析ソフトウェア(LS−DYNA)を利用した数値実験による検証を採用した。まず、検証用として仮想のインフレータ特性を作成した。図6には、インフレータ特性を示し、(A)は噴射流量、(B)は噴射温度を示す。
なお、初期ガスは、窒素、アルゴンを採用し、それ以外の条件は一致させてタンクテストを行った。
図7には、上記仮想インフレータの特性およびタンクテスト条件で、構造解析ソフトウェア(LS−DYNA)のCV法(コントロールボリューム法)による数値実験の結果として、タンクテスト毎のタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)を示した。
図8には、図7のタンク内圧の時間特性(内圧カーブ)をもとにして、本実施形態のインフレータ性能導出装置10において実行されるインフレータ特性同定処理によって、同定したインフレータの気体の噴射流量(図8(A))およびインフレータの気体の噴出温度(図8(B))によるインフレータ特性を示した。図8から理解できるように、検証用に設定したインフレータ特性とほぼ一致するインフレータ特性が得られることを確認できる。
図9には、逆検証として、本実施形態のインフレータ性能導出装置10のインフレータ特性同定処理により同定したインフレータ特性を用いて、構造解析ソフトウェア(LS−DYNA)のパーティクル法による数値実験の結果として、タンクテスト解析結果を示した。図から理解されるように、CV法による数値実験結果と、本実施形態で同定したインフレータ特性による結果とが一致している。
以上説明した検証結果からも理解できるように、本実施形態のインフレータ性能導出装置10によりインフレータの気体の噴射流量およびインフレータの気体の噴出温度によるインフレータ特性を同定できる。
10…インフレータ性能導出装置
30…同定部
34…記録装置
40…インフレータ
42…圧力センサ
43…気体
44…タンク
46…圧力センサ
47…気体
48…タンク
50…タンク内圧時間特性
52…タンク内圧時間特性

Claims (5)

  1. 比熱が異なる気体が充填された複数のタンクの各々に同一のインフレータを取り付けて、前記インフレータから気体を噴射させたときの前記複数のタンクの各々の内圧の時間特性を測定した測定結果を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得した各タンクの内圧の時間特性に基づいて、タンクの内圧とインフレータの噴射流量とタンク内の温度との関係から各タンクの内部エネルギの変化量が一致するようにインフレータの噴射流量を同定すると共に、タンクの内部エネルギの時系列の収支が前記タンクの内圧の時間特性に対応するようにインフレータの噴射温度の時間特性を同定することにより、インフレータ性能としてインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を算出する算出手段と、
    を備えたインフレータ性能導出装置。
  2. 前記算出手段は、数1のエネルギ収支式および数2の状態方程式の支配方程式を用いて、インフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を同定することを特徴とする請求項1に記載のインフレータ性能導出装置。



  3. 前記算出手段は、比熱を多項式で近似することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインフレータ性能導出装置。
  4. 比熱が異なる気体が充填された複数のタンクの各々に同一のインフレータを取り付けて、前記インフレータから気体を噴射させたときの前記複数のタンクの各々の内圧の時間特性を測定した測定結果を取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得した各タンクの内圧の時間特性に基づいて、タンクの内圧とインフレータの噴射流量とタンク内の温度との関係から各タンクの内部エネルギの変化量が一致するようにインフレータの噴射流量を同定すると共に、タンクの内部エネルギの時系列の収支が前記タンクの内圧の時間特性に対応するようにインフレータの噴射温度の時間特性を同定することにより、インフレータ性能としてインフレータの噴射流量及び噴射温度の時間特性を算出する算出工程と、
    を有するインフレータ性能導出方法。
  5. コンピュータを、請求項1〜3の何れか1項に記載のインフレータ性能導出装置の各手段として機能させるための車両用空調制御プログラム。
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