以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<本実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体概要を示す図である。図1を参照して、プリントシステム1は、それぞれがネットワーク3に接続された画像形成装置としての複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、プリントサーバ200と、認証サーバ300と、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)400〜402と、を含む。なお、図ではネットワーク3に3台のMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bが接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,100A,100Bに代えて、画像を形成する機能を備えた装置であれば、例えば、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
PC400〜402、プリントサーバ200および認証サーバ300は、一般的なコンピュータである。認証サーバ300は、PC400〜402、MFP100,100A,100Bを使用するユーザを認証する処理を実行する。認証サーバ300は、ユーザごとに予め割り当てられ、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と認証情報(例えば、パスワード)とを含むユーザデータを記憶しており、PC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかから、ユーザによりそれに入力されたユーザ識別情報と認証情報とを受信すると、受信されたユーザ識別情報と認証情報とを予め記憶されているユーザデータと比較する。認証サーバ300は、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。
なお、認証情報としてパスワードを用いる例を示すが、ユーザの指紋、静脈パターン、虹彩等の生体情報を用いて認証するようにしてもよい。この場合、MFP100,100A,100Bには、生体情報を読み取るための読取装置が接続され、認証サーバ300に記憶されるユーザデータは、ユーザ識別情報と生体情報とを含む。そして、MFP100,100A,100Bそれぞれは、読取装置により読み取られた生体情報が入力される。MFP100,100A,100Bそれぞれは、読取装置から入力される生体情報を認証サーバ300に送信し、認証サーバ300に認証させる。
なお、PC400〜402およびMFP100,100A,100B各々が認証サーバ300を兼ねる場合があり、この場合には認証サーバ300は不要である。
PC400〜402各々は、ユーザにより使用され、アプリケーションプログラムを実行することにより、種々の処理を実行する。種々の処理は、使用するユーザを認証するログイン処理、プリントデータを生成し、MFP100,100A,100Bのいずれかにプリントさせるプリント処理を含む。
本実施の形態におけるプリントシステム1においては、PC400〜402各々には、プルプリント用ドライバプログラムがインストールされている。PC400〜402各々は、プルプリント用ドライバプログラムを実行することにより、プリントデータを、プリントサーバ200に一時的に記憶させる。PC400〜401各々は、プルプリント用ドライバプログラムをインストールする際に、プリントデータの送信先としてプリントサーバ200が登録される。例えば、プリントサーバ200のネットワークアドレスを設定することにより、プリントサーバ200が登録される。
PC400〜402各々は、プルプリント用ドライバプログラムを実行することにより、MFP100,100A,100Bのいずれかにプリントデータをプリントさせる。具体的には、例えば、PC400において、ユーザAがユーザ識別情報「taro1」でログインし、ユーザAが指定したデータと、送信先としてプリントサーバ200を指示する場合、プルプリント用ドライバプログラムは、プルプリントデータをプリントサーバ200に送信する。プルプリントデータは、ユーザにより指定されたデータをプリント用のフォーマットに変換したプリントデータと、ユーザ識別情報「taro1」とを含む。
プリントサーバ200は、PC400〜402のいずれかからユーザ識別情報とプリントデータとの組からなるプルプリントデータを受信すると、それらを関連付けて一時記憶する。その後、ユーザ識別情報「taro1」のユーザAが、MFP100,100A,100Bのいずれかにログインすると、例えば、MFP100に、ユーザAがログインすれば、MFP100はプリントサーバ200にユーザAのユーザ識別情報「taro1」を含む取得要求を送信する。取得要求を受信するプリントサーバ200は、一時記憶されたプルプリントデータのうちから取得要求に含まれるユーザ識別情報「taro1」を含むプルプリントデータに含まれるプリントデータを、取得要求を送信してきたMFP100に送信する。MFP100は、プリントサーバ200から受信するプリントデータをプリントする。
なお、プリントデータとともに、複写枚数、用紙のサイズ、カラーとモノクロの別、印刷レイアウト等のプリント条件が送信される場合がある。このプリント条件は、PC400〜402が、ユーザから受け付けられた値に基づいて定める。また、PC400〜402において、プリントデータとともにプリント条件を送信することなく、プリントデータのみを送信して、プリント条件を、MFP100,100A,100BのうちユーザがログインしたMFPで、ユーザがログインした後に指定するようにしてもよい。
MFP100,100A,100Bは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくとも画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成部を備えている。MFP100,100A,100B各々が有するハードウエア構成は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP100A,100Bの少なくとも1つが有する構成を有している場合を例に説明する。
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図2を参照して、MFP100は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部50と、を含む。
ADF10は、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に画像読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、画像読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ12上に排出する。画像読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部30に出力する。給紙部40は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部30に搬送する。
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、外部から受信された画像データ、または、画像読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。
後処理部50は、画像が形成された用紙を排紙する。後処理部50は、複数の排紙トレイを有し、画像が形成された用紙をソートして排紙することが可能である。また、後処理部50は、パンチ穴加工部、ステープル加工部を備えており、排紙された用紙にパンチ穴加工、またはステープル加工することが可能である。また、MFP100は、その上面にユーザとのユーザインターフェースとしての操作パネル9を備えている。
図3は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、メイン回路101と、ファクシミリ部122と、通信制御部123と、を含む。メイン回路101は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部50とに接続されている。
メイン回路101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)113と、表示部114と、操作部115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、データ通信制御部117と、を含む。
CPU111は、RAM112、ROM113、表示部114、操作部115、HDD116およびデータ通信制御部117とそれぞれ接続され、メイン回路101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部122、通信制御部123、ADF10、画像読取部20、画像形成部30、給紙部40、後処理部50と接続され、MFP100の全体を制御する。
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部115は、表示部114上に設けられたタッチパネルを含む。
データ通信制御部117は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで通信するためのインターフェースであるLAN端子118と、シリアル通信のためのシリアル通信インターフェース端子119とを有する。データ通信制御部117は、CPU111からの指示に従って、LAN端子118またはシリアル通信インターフェース端子119に接続された外部の機器との間でデータを送受信する。
LAN端子118に、ネットワーク3に接続するためのLANケーブルが接続される場合、データ通信制御部117は、LAN端子118を介して接続された他のMFP100A,100B、PC400〜402、プリントサーバ200および認証サーバ300と通信する。さらに、データ通信制御部117は、インターネットに接続された他のコンピュータと通信する。
シリアル通信インターフェース端子119に機器が接続された場合、データ通信制御部117は、シリアル通信インターフェース端子119に接続された機器、例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラまたは携帯情報端末との間で通信して画像データを入出力する。また、シリアル通信インターフェース端子119には、フラッシュメモリを内蔵したメモリカード119Aが接続可能である。CPU111は、データ通信制御部117を制御して、メモリカード119AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM112に記憶し、実行する。
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、メモリカード119Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)/MO(Magnetic Optical Disc/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード(メモリカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がインターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD116に記憶する、または、インターネットに接続されたコンピュータがプログラムをHDD116に書込みするようにして、HDD116に記憶されたプログラムをRAM112にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
通信制御部123は、CPU111をPSTN7に接続するためのモデムである。MFP100には、PSTN7における電話番号が予め割り当てられており、PSTN7に接続されたファクシミリ装置からMFP100に割り当てられた電話番号に発呼があると、通信制御部123がその発呼を検出する。通信制御部123は、発呼を検出すると通話を確立し、ファクシミリ部122に通信させる。
ファクシミリ部122は、PSTN7に接続され、PSTN7にファクシミリデータを送信する、またはPSTN7からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部122は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶するとともに、画像形成部30でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部30に出力する。これにより、画像形成部30は、ファクシミリ部122により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部122は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN7に接続されたファクシミリ装置に送信する。
図4は、プリントサーバのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、プリントサーバ200は、それぞれがバス208に接続され、プリントサーバ200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM202と、CPU201の作業領域として用いられるRAM203と、プリントサーバ200をネットワークに接続するためのネットワークI/F204と、大容量記憶装置としてのHDD205と、表示部206と、ユーザの操作の入力を受け付ける操作部207と、外部記憶装置209と、を含む。
外部記憶装置209は、プログラムを記憶したCD−ROM(Compact Disc−ROM)209Aが装着される。CPU201は、外部記憶装置209を介してCD−ROM209Aに記憶されたプログラムをRAM203にロードし、実行する。なお、プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM209Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、HDD205に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行するようにしてもよい。この場合、プリントサーバ200が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD205に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図5は、プリントサーバが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図5に示すプリントサーバ200が備えるCPU201の機能は、CPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ送信プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。
図5を参照して、プリントサーバ200が備えるCPU201は、外部からプルプリントデータを受信するプリントデータ受信部251と、プルプリントデータを一時記憶するスプール部253と、ユーザを認証するサーバ側認証部255と、スプール情報を送信するスプール情報送信部257と、受信中データ検出部259と、受信中情報を送信する受信中情報送信部261と、受信完了情報を送信する受信完了情報送信部263と、取得要求を受信する取得要求受信部265と、取得要求を送信してきた装置にプリントデータを送信するプリントデータ送信部267と、を含む。
プリントデータ受信部251は、ネットワークI/F204を制御し、PC400〜402のいずれかからプリントデータとユーザ識別情報とを含むプルプリントデータを受信する。プリントデータ受信部251は、プルプリントデータを受信すると、受信されたプルプリントデータをスプール部253に出力する。
スプール部253は、プリントデータ受信部251からプルプリントデータが入力されると、プルプリントデータをHDD205に記憶する。これにより、HDD205にプルプリントデータ281が記憶される。プルプリントデータ281は、プリントデータとユーザ識別情報とを含み、プリントデータをユーザ識別情報と関連付ける。
サーバ側認証部255は、ネットワークI/F204を制御して、MFP100,100,100Bのいずれかから認証情報を受信すると、認証情報に基づいて、MFP100,100,100Bのうち認証情報を送信してきた装置を操作するユーザを認証する。認証情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報とパスワードとを含む。サーバ側認証部255は、受信された認証情報に含まれるユーザ識別情報とパスワードとをネットワークI/F204を介して認証サーバ300に送信し、認証サーバ300に認証させる。認証サーバ300は、ユーザ識別情報とパスワードとを受信すると、そのユーザ識別情報とパスワードとを予め記憶されているユーザデータと比較し、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。ここで、ユーザデータは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報とパスワードとを含む。
ここでは、説明のため、サーバ側認証部255が、MFP100,100A,100BのうちMFP100から認証情報を受信する場合を例に説明する。サーバ側認証部255は、ネットワークI/F204が認証サーバ300から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。サーバ側認証部255は、認証結果を、認証情報を送信してきたMFP100に送信する。サーバ側認証部255は、認証結果が認証成功を示す場合、認証されたユーザのユーザ識別情報と、認証情報を送信してきたMFP100の装置識別情報とを、スプール情報送信部257および受信中データ検出部259に出力する。
サーバ側認証部255は、認証サーバ300から認証成功を示す認証結果を受信する場合、その後にネットワークI/F204がMFP100から受信する情報は、ログアウト要求を受信するまで、認証したユーザのために送信された情報として取り扱う。換言すれば、サーバ側認証部255は、認証サーバ300から認証成功を示す認証結果を受信してから、その後にMFP100からログアウト要求を受信するまでの間に、MFP100から受信する情報を有効として取り扱うが、ログアウト要求を受信した後に、MFP100から受信する情報を有効としない。
スプール情報送信部257は、サーバ側認証部255からユーザ識別情報が入力されることに応じて、HDD205に記憶されているプルプリントデータ281のうちから、サーバ側認証部255から入力されるユーザ識別情報を含むプルプリントデータ281を抽出する。スプール情報送信部257は、サーバ側認証部255から入力されるユーザ識別情報を含むプルプリントデータ281を抽出する場合、サーバ側認証部255から入力される装置識別情報で特定されるMFP100にネットワークI/F204を介して、スプール情報を送信する。スプール情報は、HDD205に記憶されたプルプリントデータ281から抽出されたプルプリントデータ、換言すれば、サーバ側認証部255から入力されるユーザ識別情報を含むプルプリントデータ281に含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報を含む。スプール情報送信部257は、ユーザ識別情報を含むプルプリントデータ281を複数抽出する場合、抽出された複数のプルプリントデータ281それぞれに含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報のすべてを含むスプール情報を送信する。
受信中データ検出部259は、サーバ側認証部255からユーザ識別情報が入力されることに応じて、プリントデータ受信部251が、入力されるユーザ識別情報を含むプルプリントデータを受信している最中か否かを判断する。受信中データ検出部259は、サーバ側認証部255がMFP100から認証情報を受信し、認証が成功と判断された場合、換言すれば、MFP100のユーザがMFP100にログインした時点において、プリントデータ受信部251が、ログインユーザのユーザ識別情報を含むプルプリントデータを受信しているか否かを判断する。
受信中データ検出部259は、プリントデータ受信部251が、そのようなプルプリントデータを受信している最中の場合、受信中情報送信部261に受信中情報出力指示を出力する。受信中情報出力指示は、プリントデータ受信部251が受信中のプルプリントデータに含まれるプリントデータを識別するためのプリントデータ識別情報と、サーバ側認証部255から入力される装置識別情報と、を含む。ここでの装置識別情報は、認証情報を送信してきたMFP100の装置識別情報である。
また、受信中データ検出部259は、受信中情報出力指示を出力した後、プリントデータ受信部251がプルプリントデータの受信を完了すると、受信完了情報出力指示を、受信完了情報送信部263に出力する。受信完了情報出力指示は、プリントデータ受信部251が受信を完了したプルプリントデータに含まれるプリントデータを識別するためのプリントデータ識別情報と、サーバ側認証部255から入力される装置識別情報と、を含む。ここでの装置識別情報は、認証情報を送信してきたMFP100の装置識別情報である。
受信中情報送信部261は、受信中データ検出部259から受信中情報出力指示を受信すると、ネットワークI/F204を介して、受信中情報を、受信中情報出力指示に含まれる装置識別情報で特定されるMFP100に送信する。受信中情報は、受信中情報出力指示に含まれるプリントデータ識別情報を含む。
なお、受信中情報送信部261が受信中情報を送信する場合、受信中情報を、スプール情報送信部257に出力し、スプール情報送信部257が、スプール情報と受信中情報とを、MFP100に送信するようにしてもよい。
受信完了情報送信部263は、受信中データ検出部259から受信完了情報出力指示を受信すると、ネットワークI/F204を介して、受信完了情報を、受信完了情報出力指示に含まれる装置識別情報で特定されるMFP100に送信する。受信完了情報は、受信完了情報出力指示に含まれるプリントデータ識別情報を含む。
取得要求受信部265は、ネットワークI/F204を制御して、MFP100,100,100Bのうち認証したユーザが操作する装置、ここではMFP100から取得要求を受信する。取得要求は、プリントデータを識別するためのプリントデータ識別情報を含む。MFP100の動作の詳細は後述するが、MFP100には、スプール情報送信部257がスプール情報を送信しているので、MFP100は、受信したスプール情報に含まれるプリントデータ識別情報を含む取得要求を送信する。また、受信完了情報送信部263が、受信完了情報をMFP100に送信する場合には、MFP100は、受信した受信完了情報に含まれるプリントデータ識別情報を含む取得要求を送信可能である。換言すれば、取得要求に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータは、HDD205に記憶されるプルプリントデータ281のいずれかに含まれる。
取得要求受信部265は、取得要求を受信すると、取得要求に含まれるプリントデータ識別情報と取得要求を送信してきたMFP100の装置識別情報とを含む送信指示を、プリントデータ送信部267に出力する。
プリントデータ送信部267は、取得要求受信部265から送信指示が入力されると、送信指示に含まれるユーザ識別情報を含むプルプリントデータ281をHDD205から読出し、読み出したプルプリントデータ281に含まれるプリントデータを、送信指示に含まれる装置識別情報で特定されるMFP100に、ネットワークI/F204を介して送信する。
図6は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図6に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶されたプルプリントプログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
図6を参照して、MFP100が備えるCPU111は、MFP100を操作するユーザを認証するための認証部51と、認証された時点でプリントサーバ200に記憶されているプリントデータを検出する第1検出部53、認証された時点でプリントサーバ200が受信中のプリントデータを検出する第2検出部55と、第2検出部55により検出されたプリントデータのプリントサーバ200による受信が完了したことを検出する第3検出部57と、第1検出部53により検出されたプリントデータを取得する第1取得部59と、第2検出部55により検出されたプリントデータをプリントサーバ200から取得する第2取得部61と、プリントジョブを管理するジョブ管理部63と、画像形成部30を制御する画像形成制御部65と、ユーザによる許可を受け付ける許可受付部67と、認証されたユーザのログインを解消する自動ログアウト部69と、を含む。
認証部51は、MFP100を操作するユーザを認証する。具体的には、認証部51は、ログイン画面を表示部114に表示する。ログイン画面は、ユーザ識別情報を入力する領域と、パスワードを入力する領域とを含む。ユーザが操作部115にユーザ識別情報とパスワードとを入力すると、操作部115からユーザ識別情報とパスワードとを受け付け、受け付けたユーザ識別情報とパスワードとを含む認証情報を、データ通信制御部117を介してプリントサーバ200に送信し、プリントサーバ200に認証させる。認証情報の送信先の情報、具体的には、プリントサーバ200の装置識別情報は、MFP100に、ユーザにより予めHDD116に記憶される。
認証部51は、データ通信制御部117がプリントサーバ200から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。認証部51は、認証結果が認証成功を示す場合、ログインユーザのユーザ識別情報を第1検出部53、第2検出部55および自動ログアウト部69に出力する。認証部51は、認証結果が認証失敗を示す場合、エラーメッセージを表示部114に表示する。認証部51は、認証結果が認証成功を示す場合、その後にログアウト指示が入力されるまで、また、後述する自動ログアウト部69によりログインが解消されるまで、操作部115に入力される操作は、認証されてログインが許可されたユーザによる操作として受け付ける。
第1検出部53は、認証部51からユーザ識別情報が入力される時点、換言すれば、認証部51が認証情報を送信した時点でプリントサーバ200がHDD205に記憶するプリントデータであって、ログインユーザのユーザ識別情報と関連付けられたスプールプリントデータを検出する。第1検出部53は、データ通信制御部117がプリントサーバ200からスプール情報を受信すると、スプールプリントデータを検出する。第1検出部53は、データ通信制御部117がプリントサーバ200から受信するスプール情報を取得し、取得されたスプール情報に含まれるプリントデータ識別情報を、第1取得部59に出力する。スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報は、スプールプリントデータのプリントデータ識別情報である。スプール情報が、複数のプリントデータ識別情報を含む場合、複数のプリントデータ識別情報を、第1取得部59に出力する。
第1取得部59は、第1検出部53からスプールプリントデータのプリントデータ識別情報が入力され、第1検出部53により検出されたスプールプリントデータを取得する。第1取得部59は、第1取得要求送信部71と、第1プリントデータ受信部73と、を含む。第1取得要求送信部71は、第1検出部53から入力されるプリントデータ識別情報を含む取得要求を、プリントサーバ200にデータ通信制御部117を介して送信する。第1取得要求送信部71は、取得要求を送信すると、取得要求したことを示す信号を第1プリントデータ受信部73に出力する。第1取得要求送信部71は、第1検出部53から複数のプリントデータ識別情報が入力される場合、複数のプリントデータ識別情報をそれぞれ含む複数の取得要求を、プリントサーバ200にデータ通信制御部117を介して送信する。
上述したように、プリントサーバ200は、MFP100から取得要求を受信すると、HDD205に記憶されているプルプリントデータ281のうちに、受信された取得要求に含まれるプリントデータ識別情報を含むプルプリントデータが記憶されていれば、そのプルプリントデータに含まれるプリントデータを返信する。
第1プリントデータ受信部73は、データ通信制御部117がプリントサーバ200からプリントデータを受信すると、プリントデータを取得し、プリントデータをジョブ管理部63に出力する。第1プリントデータ受信部73が複数のプリントデータを受信する場合、第1プリントデータ受信部73は、複数のプリントデータを受信するごとに、受信されたプリントデータをジョブ管理部63に出力する。
第2検出部55は、認証部51からユーザ識別情報が入力される時点、換言すれば、認証部51が認証情報を送信した時点で、プリントサーバ200が受信中のプリントデータであって、ログインユーザのユーザ識別情報と関連付けられた受信中プリントデータを検出する。第2検出部55は、データ通信制御部117がプリントサーバ200から受信中情報を受信すると、受信中プリントデータを検出する。第2検出部55は、データ通信制御部117がプリントサーバ200から受信する受信中情報を取得し、取得された受信中情報に含まれるプリントデータ識別情報を、第2取得部59、ジョブ管理部63、第3検出部57および許可受付部67に、出力する。受信中情報に含まれるプリントデータ識別情報は、受信中プリントデータのプリントデータ識別情報である。
ジョブ管理部63は、第1プリントデータ受信部73、または後述する第2プリントデータ受信部77からプリントデータを受信すると、プリントデータを含むプリントジョブを生成し、生成したプリントジョブを画像形成制御部65に出力する。画像形成制御部65は、ジョブ管理部63からプリントジョブが入力されると、プリントジョブに含まれるプリントデータをプリントする。具体的には、画像形成部30にプリントデータを出力し、画像形成部30にプリントデータの画像を形成させる。画像形成制御部65は、プリントデータのプリントが終了すると、プリントデータのプリントデータ識別情報をジョブ管理部63に出力する。
第1プリントデータ受信部73は、複数のプリントデータを受信する場合、プリントデータを受信するごとに、ジョブ管理部63に出力する。第1プリントデータ受信部73がプリントデータを受信する時間は、画像形成制御部65がプリントデータをプリントする時間よりも短い場合がある。ジョブ管理部63は、第1プリントデータ受信部73から入力されるプリントデータが失われないように、プリントデータを含むプリントジョブを生成し、生成したプリントジョブをRAM112に一時記憶する。ジョブ管理部63は、画像形成制御部65によりプリントが完了するごとに、RAM112に一時記憶したプリントジョブを新たに読出し、読み出されたプリントジョブを画像形成制御部65に出力する。
ジョブ管理部63は、状態通知部79を含む。状態通知部79は、プリント状態表示画面を生成し、表示部114に表示する。プリント状態表示画面は、プリントジョブごとに状態を示す画面である。具体的には、プリントジョブに含まれるプリントデータ識別情報とプリントジョブの状態との組を表示する画面である。プリントジョブの状態は、時間の経過とともに変化するので、状態通知部79は、プリントジョブの状態が変化するごとに、プリント状態表示画面の内容を更新する。プリントジョブの状態は、画像形成制御部65がプリントデータをプリント中のプリント中状態と、画像形成制御部65によるプリント待ちの待機状態と、画像形成制御部65によりプリントデータをプリントが終了した完了状態と、プリントサーバ200で受信中の受信中状態と、を含む。
状態通知部79は、第2検出部55から受信中プリントデータのプリントデータ識別情報が入力されると、入力されたプリントデータ識別情報と受信中状態との組を、プリント状態表示画面に表示する。状態通知部79は、第2検出部55から入力されるプリントデータ識別情報と同じプリントデータ識別情報のプリントデータが、後述する第2プリントデータ受信部77から入力されるまで、プリントデータ識別情報と受信中状態との組を、プリント状態表示画面に表示する。また、プリント状態表示画面にプリントサーバ200において受信中であるプリントデータが存在することを示すメッセージ、例えば、「スプール中の文書が存在します。」を、表示部114に表示するようにしてもよい。ユーザは、プリント状態表示画面を見ることにより、受信中のプリントデータが存在することを知ることができる。
状態通知部79は、プリント状態が受信中状態、待機中状態、プリント中状態のプリントジョブについては、プリントデータ識別情報とプリント状態とをプリント状態表示画面に表示するが、プリント状態が完了状態のプリントジョブについては、プリントデータ識別情報をプリント状態表示画面から消去する。なお、プリント状態表示画面からプリントデータ識別情報を削除することなく、プリントデータ識別情報と完了状態のプリント状態とをプリント状態表示画面に表示するようにしてもよい。
状態通知部79は、プリントデータを受信後、プリントデータを含むプリントジョブを画像形成制御部65に出力する前の段階では、プリントジョブの状態を待機状態とする。状態通知部79は、プリントジョブを画像形成制御部65に出力してから画像形成制御部65によるプリントが完了する前の段階では、プリントジョブの状態をプリント中待機状態とする。状態通知部79は、画像形成制御部65によるプリントが完了した後の段階では、プリントジョブの状態を完了状態とする。ユーザは、プリント状態表示画面を見ることにより、プリントされているプリントデータの次にプリントされる待機中のプリントジョブが存在することを知ることができる。
また、ジョブ管理部63は、第1プリントデータ受信部73から入力されるプリントデータ識別情報のプリントデータのプリントがすべて終了すると、プリント完了信号を、第2取得部61および許可受付部67に出力する。
第3検出部57は、第2検出部55により受信中プリントデータが検出される場合、プリントサーバ200によって、受信中プリントデータの受信が完了したことを検出する。具体的には、第3検出部57は、データ通信制御部117が、第2検出部55から入力されるプリントデータ識別情報を含む受信完了情報を、プリントサーバ200から受信すると、プリントサーバ200による受信中プリントデータの受信が完了したことを検出する。第3検出部57は、受信完了情報を受信すると、受信された受信完了情報に含まれるプリントデータ識別情報を、第2取得部61および許可受付部67に出力する。
許可受付部67は、第2検出部55から受信中プリントデータのプリントデータ識別情報が入力される場合、ジョブ管理部63よりプリント完了信号が入力された時点で、第2検出部55から入力されるプリントデータ識別情報と同じプリントデータ識別情報が第3検出部57から入力されていない場合、プリントすることの許可をユーザから受け付ける。換言すれば、スプールプリントデータのすべてのプリントが完了した時点で、プリントサーバ200において受信中プリントデータの受信が完了していない場合、受信中プリントデータをプリントするか否かをユーザに問い合わせる。
状態通知部79によりプリントサーバ200において受信中の受信中プリントデータの存在が通知されており、その受信中プリントデータをプリントするか否かを問い合わせる許可受付画面を、表示部114に表示する。許可受付画面は、「スプール中の文書が存在します。スプール完了後出力を行ないますか?(Y/N)」のメッセージを含む。ユーザが、許可受付画面に従って、プリントを許可する操作を操作部115に入力すれば、許可を受け付ける。ここでは、「Y」のキーが押下されると、許可を受け付けるが、「N」のキーが押下されると、許可を受け付けない。許可受付部67は、ユーザによる許可を受け付けると、第2取得要求送信部75に許可信号を出力する。許可信号は、第2検出部55から入力されるプリントデータ識別情報を含む。
一方、許可受付部67は、ユーザによる許可を受け付けなければ、自動ログアウト部69に、ログアウト指示を出力する。状態通知部79により受信中プリントデータの存在が通知され、プリントサーバ200から受信されたスプールプリントデータのすべてのプリントが終了してもなお、プリントサーバ200において受信中プリントデータが受信中の場合は、許可受付部67により許可が受け付けられることを条件に、プリントサーバ200において受信中プリントデータを、それが受信されるまで待ってプリントする。一方、許可受付部67により許可が受け付けられない場合は、プリントサーバ200において受信中の受信中プリントデータをプリントしない。このため、ユーザは、プリントサーバ200において受信中のプリントデータをプリントするか否かを指示することができる。このため、ユーザの利便性が向上する。
自動ログアウト部69は、許可受付部67からログアウト指示が入力される場合、認証部51から入力されるユーザ識別情報で特定されるユーザのログインを解消する。自動ログアウト部69は、ログアウト要求を、プリントサーバ200にデータ通信制御部117を介して送信する。ログアウト要求は、認証部51から入力されるユーザ識別情報を含む。
第2取得部61は、第2検出部55により検出された受信中プリントデータを取得する。第2取得部61は、第2検出部55から受信中プリントデータのプリントデータ識別情報が入力され、第3検出部57からプリントデータ識別情報が入力され、ジョブ管理部63からプリント完了信号が入力され、許可受付部67から許可信号が入力される。第2種都区部61は、第2取得要求送信部75と、第2プリントデータ受信部77と、を含む。第2取得要求送信部75は、第2検出部55から受信中プリントデータのプリントデータ識別情報が入力される場合、所定の条件が成立すると、取得要求を、プリントサーバ200にデータ通信制御部117を介して送信する。取得要求は、第2検出部55から入力されるプリントデータ識別情報を含む。第2取得要求送信部75は、取得要求を送信すると、取得要求したことを示す信号を第2プリントデータ受信部77に出力する。
所定の条件は、ジョブ管理部63よりプリント完了信号が入力される前に、第2検出部55から入力されるプリントデータ識別情報と同じプリントデータ識別情報が第3検出部57から入力される第1の条件と、第2検出部55から入力されるプリントデータ識別情報と同じプリントデータ識別情報が第3検出部57から入力される前に、ジョブ管理部63よりプリント完了信号が入力された後、許可受付部67から許可信号が入力され、かつ、第2検出部55から入力されるプリントデータ識別情報と同じプリントデータ識別情報が第3検出部57から入力される第2の条件とを含む。
第1の条件が成立する場合は、スプールプリントデータのすべてをプリントする前に、プリントサーバ200において受信中プリントデータの受信が完了した場合である。第1の条件が成立する場合は、取得要求を送信して受信中プリントデータを受信すれば、スプールプリントデータのプリントに続いて受信中プリントデータをプリントすることができ、待ち時間が発生しない。
第2の条件が成立する場合は、スプールプリントデータのプリントが完了した時点で、プリントサーバ200において受信中プリントデータの受信が完了していない場合に、ユーザが受信中プリントデータのプリントを許可した場合であって、その後、受信中プリントデータの受信が完了した場合である。スプールプリントデータのプリントが完了した後、受信中プリントデータの受信が完了するまで待ち時間が発生する。この場合は、ユーザは受信中プリントデータをプリントするか否かを指示できるようにして、ユーザが受信中プリントデータのプリントを許可した場合にのみ、受信中プリントデータをプリントし、ユーザがプリントを許可しない場合には、受信中プリントデータをプリントしない。このため、受信中プリントデータをプリントするか否か、換言すれば、受信中プリントデータが受信されるまで待つか否かを、ユーザが選択することができる。
また、第1の条件および第2の条件は、ともに、第2検出部55から入力されるプリントデータ識別情報と同じプリントデータ識別情報が第3検出部57から入力される条件を含む。このため、プリントサーバ200において、受信中プリントデータの受信が完了した後に、取得要求をプリントサーバに送信するので、プリントサーバ200において第2取得要求送信部75が送信する取得要求を受信する時点では、受信中プリントサーバは、HDD205にプルプリントデータ281として記憶されている。したがって、プリントサーバ200は、第2取得要求送信部75が送信する取得要求を受信する段階においては、HDD205に記憶されたプルプリントデータ281に含まれるプリントデータを送信可能な状態となっているので、そのプリントデータをMFP100に送信する。このため、プリントサーバ200から確実に受信中プリントデータを受信することができる。
これにより、第2プリントデータ受信部77は、取得要求したことを示す信号が入力された後、データ通信制御部117がプリントサーバ200からプリントデータを受信すると、プリントデータを取得し、プリントデータをジョブ管理部63に出力する。
ジョブ管理部63は、第2プリントデータ受信部77からプリントデータが入力されると、第1プリントデータ受信部77からプリントデータが入力される場合と同様に、第2プリントデータ受信部77から入力されるプリントデータを含むプリントジョブを生成し、生成したプリントジョブを画像形成制御部65に出力する。ジョブ管理部63に含まれる状態通知部79は、プリント状態表示画面中における受信中状態の表示を、プリント中状態、または待機中状態の表示に変更し、プリントが終了すれば、第2プリントデータ受信部77から入力されるプリントデータのプリントデータ識別情報とプリント中状態との表示をプリント状態表示画面から消去する。
図7は、プリントデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。プリントデータ送信処理は、プリントサーバ200が備えるCPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ送信プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
図7を参照して、CPU201は、プリントデータとユーザ識別情報とを受信したか否かを判断する(ステップS51)。ネットワークI/F204がPC400〜402のいずれかからプリントデータとユーザ識別情報とを受信したか否かを判断する。プリントデータとユーザ識別情報とを受信したならば処理をステップS52に進めるが、そうでなければステップS52をスキップして処理をステップS53に進める。ステップS52においては、プリントデータとユーザ識別情報とを含むプルプリントデータをHDD205に記憶し、処理をステップS53に進める。
ステップS53においては、ネットワークI/F204が、MFP100,100,100Bのいずれかから認証情報を受信したか否かを判断する。認証情報を受信したならば処理をステップS54に進めるが、そうでなければ処理をステップS51に戻す。認証情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報とパスワードとを含む。ここでは、説明のため、MFP100,100A,100BのうちMFP100から認証情報を受信する場合を例に説明する。
ステップS54においては、受信された認証情報に基づいて認証し、認証が成功したか否かを判断する。認証が成功したならば処理をステップS55に進めるが、そうでなければ処理をステップS66に進める。認証情報に基づいて、認証情報を送信してきたMFP100を操作するユーザを認証する。具体的には、認証情報に含まれるユーザ識別情報とパスワードとをデータ通信制御部117を介して認証サーバ300に送信し、認証サーバ300に認証させる。認証サーバ300は、認証に成功すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、認証に失敗すれば認証失敗を示す認証結果を返信する。ステップS66においては、認証情報を送信してきたMFP100にエラー信号を送信し、処理をステップS51に戻す。
ステップS55においては、スプールプリントデータが存在するか否かを判断する。スプールプリントデータは、HDD205に記憶されているプリントデータであって、ステップS51において受信された認証情報に含まれるユーザ識別情報と関連付けられたプリントデータである。このため、ステップS51において受信された認証情報に含まれるユーザ識別情報を含むプルプリントデータ281がHDD205に記憶されているならば、スプールプリントデータが存在すると判断する。スプールプリントデータが存在するならば処理をステップS56に進め、存在しなければ処理をステップS57に進める。
ステップS56においては、スプール情報を、認証情報を送信してきたMFP100に送信し、処理をステップS57に進める。スプール情報は、スプールプリントデータを識別するためのプリントデータ識別情報を含む。ステップS51において受信された認証情報に含まれるユーザ識別情報を含むプルプリントデータ281を抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報を含むスプール情報を送信する。
ステップS57においては、受信中プリントデータが存在するか否かを判断する。受信中プリントデータは、ネットワークI/F204が受信中のプリントデータであって、ステップS51において受信された認証情報に含まれるユーザ識別情報と関連付けられたプリントデータである。受信中プリントデータが存在するならば処理を、ステップS58に進めるが、そうでなければ処理をステップS59に進める。
ステップS58においては、受信中情報を、認証情報を送信してきたMFP100に送信し、処理をステップS59に進める。受信中情報は、受信中プリントデータを識別するためのプリントデータ識別情報を含む。ネットワークI/F204が受信中のプリントデータのプリントデータ識別情報を特定し、特定したプリントデータ識別情報を含む受信中情報を送信する。
次のステップS59においては、取得要求を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、認証情報を送信してきたMFP100から取得要求を受信したか否かを判断する。取得要求は、スプール情報、または、受信中情報を受信するMFP100から送信され、スプール情報または受信中情報に含まれるプリントデータ識別情報を含む。取得要求を受信したならば処理をステップS60に進めるが、そうでなければ処理をステップS62に進める。
ステップS60においては、HDD205に記憶されているプルプリントデータ281のうちからステップS59において受信された取得要求に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを含むプルプリントデータ281を抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータを、取得要求を送信してきたMFP100に、送信する。そして、抽出したプルプリントデータ281を、HDD205から消去する(ステップS61)。
次のステップS62においては、ログアウト要求を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、認証情報を送信してきたMFP100からログアウト要求を受信したか否かを判断する。ログアウト要求は、ユーザ識別情報を含む。ステップS53において受信された認証情報に含まれるユーザ識別情報と同じユーザ識別情報を含むログアウト要求を受信したならば処理をステップS63に進め、そうでなければ処理をステップS64に進める。ステップS63においては、ログアウト要求に含まれるユーザ識別情報で特定されるユーザのログインを解消し、処理を終了する。
ステップS64においては、受信中プリントデータの受信が完了したか否かを判断する。ステップS57において受信中と判断された受信中プリントデータの受信が完了したならば処理をステップS65に進めるが、受信が完了していなければ処理をステップS59に戻す。ステップS65においては、受信完了情報を認証情報を送信してきたMFP100に送信し、処理をステップS59に戻す。受信完了情報は、ステップS57において受信中と判断された受信中プリントデータのプリントデータ識別情報を含む。
図8は、プルプリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。プルプリント処理は、MFP100が備えるCPU111がROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶されたプルプリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
図8を参照して、CPU111は、認証情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。表示部114に認証画面を表示し、MFP100を操作するユーザが入力する認証情報を受け付ける。認証情報は、ユーザ識別情報とパスワードとを含む。認証情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、認証情報を受け付けたならば処理をステップS02に進める。
ステップS02においては、ステップS01において受け付けられた認証情報をプリントサーバ200に送信する。そして、プリントサーバ200から返信される認証結果に基づいて、認証に成功したか否かを判断する。認証結果が認証成功を示す場合、処理をステップS04に進め、認証結果が認証失敗を示す場合、処理をステップS01に戻す。
ステップS04においては、スプール情報を受信したか否かを判断する。プリントサーバ200からスプール情報を受信したならば処理をステップS05に進め、受信しなければステップS05をスキップして処理をステップS06に進める。スプール情報は、プリントサーバ200において記憶されたプリントデータであって、ステップS01において受け付けられたユーザ識別情報と関連付けられたプリントデータのプリントデータ識別情報を含む。ステップS05においては、スプール情報からスプールプリントデータを特定する。具体的には、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報を、スプールプリントデータのプリントデータ識別情報としてRAM112に一時記憶する。
ステップS06においては、受信中情報を受信したか否かを判断する。プリントサーバ200から受信中情報を受信したならば処理をステップS07に進め、受信しなければ処理をステップS25に進める。受信中情報は、プリントサーバ200において受信中のプリントデータであって、ステップS01において受け付けられたユーザ識別情報と関連付けられたプリントデータのプリントデータ識別情報を含む。ステップS07においては、受信中情報から受信中プリントデータを特定する。具体的には、受信中情報に含まれるプリントデータ識別情報を、受信中プリントデータのプリントデータ識別情報としてRAM112に一時記憶する。
次のステップS08においては、プリント状態通知画面に、受信中状態を表示する。具体的には、プリント状態表示画面に、ステップS07において特定された受信中プリントデータのプリントデータ識別情報と受信中状態を示すプリント状態とを表示する。また、プリントサーバ200において受信中であることを示すメッセージ、例えば、「スプール中の文書が存在します。」を表示部114に表示する。
ステップS09においては、スプールプリントデータの取得要求をプリントサーバ200に送信する。スプールプリントデータの取得要求は、ステップS05において特定されたスプールプリントデータのプリントデータ識別情報を含む。そして次のステップS10においては、プリントジョブ管理処理を実行し、処理をステップS11に進める。プリントジョブ管理処理の詳細は後述するが、プリントデータを受信し、プリントするとともに、プリント状態を表示する処理である。
ステップS11においては、受信完了情報をプリントサーバ200から受信したか否かを判断する。ステップS06において受信された受信中情報に含まれるプリントデータ識別情報と同じプリントデータ識別情報を含む受信完了情報を、データ通信制御部117がプリントサーバ200から受信したか否かを判断する。そのような受信完了情報を受信したならば処理をステップS12に進めるが、そうでなければステップS12をスキップして処理をステップS13に進める。ステップS12においては、受信完了情報をRAM112に一時記憶する。
次のステップS13においては、ステップS07において特定されたスプールプリントデータのプリントが終了したか否かを判断する。ステップS07において複数のスプールプリントデータが特定される場合には、複数のスプールプリントデータのすべてのプリントが終了したか否かを判断する。スプールプリントデータのプリントが終了したならば処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に戻す。
ステップS14においては、RAM112に受信完了情報が記憶されているか否かを判断する。受信完了情報が記憶されていれば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に進める。
ステップS15においては許可受付画面を表示部114に表示する。そして、許可を受け付けたか否かを判断する(ステップS16)。ユーザが、許可受付画面にしたがって、プリントを許可する操作を操作部115に入力すれば、許可を受け付ける。ユーザによる許可を受け付けたならば(ステップS16でYES)、処理をステップS17に進め、許可を受け付けなければ(ステップS16でNO)、処理をステップS24に進める。ステップS17においては、ステップS11と同様に、受信完了情報をプリントサーバ200から受信したか否かを判断する。受信完了情報を受信するまで待機状態となり(ステップS17でNO)、受信完了情報を受信すると(ステップS17でYES)、処理をステップS18に進める。
ステップS18においては、受信中プリントデータの取得要求をプリントサーバ200に送信する。受信中プリントデータの取得要求は、ステップS07において特定された受信中プリントデータのプリントデータ識別情報を含む。そして次のステップS19においては、ステップS08で表示した受信中状態表示を終了する。具体的には、プリント状態通知画面に表示されている受信中状態を消去する。また、プリントサーバ200において受信中であることを示すメッセージを表示している場合には、そのメッセージの表示を中止する。プリント状態表示画面を見るユーザは、受信中であったプリントデータが受信中でなくなったことを知ることができる。
次のステップS20においては、プリントジョブ管理処理を実行し、処理をステップS21に進める。ステップS21においては、受信中プリントデータのプリントが終了したか否かを判断する。受信中プリントデータのプリントが終了したならば処理をステップS22に進めるが、そうでなければ処理をステップS20に戻す。
ステップS22においては、通常処理を実行し、処理をステップS23に進める。通常処理は、MFP100が有する機能を実行させる処理であり、例えば、複写機能、ファクシミリ送受信機能、HDD116に記憶された画像データの画像を形成するプリント機能等である。
ステップS23においては、ログアウト指示を受け付けたか否かを判断する。操作部115に予め設けられたキーを押下する場合、ログアウト指示を受け付けたと判断する。ログアウト指示を受け付けたならば処理をステップS24に進めるが、そうでなければ処理をステップS22に戻す。ステップS24においては、ステップS01において認証したユーザのユーザ識別情報を含むログアウト要求を、プリントサーバ200に送信し、処理を終了する。
ステップS16において、ユーザによる許可を受け付けない場合、処理がステップS24に進む。このため、ユーザが、スプールプリントデータのプリントが終了すると、直ちにログアウトする。ユーザが受信中プリントデータのプリントを許可しない場合には、スプールプリントデータのプリントが終了すると、直ちにログインを解除してログアウトすることで、ログアウとするための操作を省略して、ユーザの操作を簡略にすることができる。
一方、ステップS06において、受信中情報をプリントサーバ200から受信しない場合、処理をステップS25に進める。ステップS25においては、ステップS09と同様に、スプールプリントデータの取得要求をプリントサーバ200に送信し、処理をステップS26に進める。ステップS26においては、プリントジョブ管理処理を実行し、処理をステップS27に進める。ステップS27においては、ステップS05において特定されたすべてのスプールプリントデータのプリントが終了しているか否かを判断する。スプールプリントデータのすべてのプリントが終了しているならば処理をステップS22に進めるが、そうでなければ処理をステップS25に戻す。
図9は、プリントジョブ管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。プリントジョブ管理処理は、図8のステップS10、ステップS20およびステップS26において実行される処理である。図9を参照して、ステップS31においては、プリントデータを受信したか否かを判断する。プリントデータを受信したならば処理をステップS32に進めるが、そうでなければ処理をステップS37に進める。
次のステップS32においては、プリント中のジョブが存在するか否かを判断する。プリント中のジョブが存在するならば処理をステップS33に進め、そうでなければ処理をステップS35に進める。
ステップS33においては、ステップS31において受信されたプリントデータを含むプリントジョブを生成し、待機ジョブに追加する。ここでは、生成されたプリントジョブをRAM112に一時記憶する。そして、待機中状態を表示し(ステップS34)、処理をステップS37に進める。具体的には、ステップS31において受信されたプリントデータのプリントデータ識別情報と待機中状態との表示をプリント状態表示画面に追加する。これにより、ユーザは、プリントが開始される前の待機中のプリントデータを知ることができる。
一方、ステップS35においては、ステップS31において受信されたプリントデータを含むプリントジョブを生成し、プリントを開始する。具体的には、ステップS31において受信されたプリントデータを画像形成部30にプリントさせる。そして、プリント状態表示画面にプリント中の表示を追加し(ステップS36)、処理をステップS37に進める。具体的には、ステップS31において受信されたプリントデータのプリントデータ識別情報とプリント中状態との表示をプリント状態表示画面に追加する。これにより、ユーザは、現在プリントされているプリントデータを知ることができる。
ステップS37においては、画像形成部30によるプリントデータのプリントが終了したか否かを判断する。画像形成部30によるプリントが終了したならば処理をステップS38に進めるが、そうでなければ処理をプルプリント処理に戻す。ステップS38においては、プリント状態の表示を消去し、処理をステップS39に進める。具体的には、プリント状態表示画面のプリントが終了したプリントデータのプリントデータ識別情報と、それに対応するプリント中状態の表示を消去する。これにより、ユーザは、プリントが完了したプリントデータを知ることができる。
次のステップS39においては、待機ジョブが存在するか否かを判断する。RAM112にプリントジョブが記憶されていれば、待機ジョブが存在すると判断する。待機ジョブが存在するならば処理をステップS40に進めるが、そうでなければ処理をプルプリント処理に戻す。
ステップS40においては、待機ジョブのプリントを開始する。RAM112に記憶されているプリントジョブのうち最先に記憶されたプリントジョブを読出し、読み出したプリントジョブに含まれるプリントデータを画像形成部30にプリントさせる。ステップS41においては、プリント中状態を表示し、処理をプルプリント処理に戻す。具体的には、プリント状態表示画面のプリントを開始したプリントデータのプリントデータ識別情報に対応するプリント状態を、待機中状態からプリント中状態に変更する。これにより、ユーザは、現在プリントされているプリントデータを知ることができる。
図10は、PC、プリントサーバおよびMFPの動作の流れの一例を示す第1のタイムチャートである。図10に示す第1のタイムチャートは、ユーザAが、PC400からプリントデータ識別情報「文書A」のプリントデータと、プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータと、をプリントサーバ200に送信し、その後、ユーザAがMFP100にログインする場合を、示している。
図10を参照して、プリントデータ識別情報「文書A」のプリントデータは、PC400から時刻T1に送信が開始され、時刻T2において送信が終了する。プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータは、PC400から時刻T3に送信が開始され、時刻T9において送信が終了する。
時刻T4に、ユーザがMFP100にログインする。時刻T4において、MFP100の表示部114には認証画面が表示されている。
図11は、認証画面の一例を示す図である。図11を参照して、認証画面501は、ユーザ識別情報を入力する領域503とパスワードを入力する領域505とを含む。また下方に「認証に必要な情報を入力してください。」のメッセージを含む。
図10に戻って、時刻T4において、MFP100は、ユーザが認証画面に従って認証情報を入力すると、プリントサーバ200に認証情報を送信する。認証情報を受信するプリントサーバ200はユーザAを認証するが、時刻T4において、プリントデータ識別情報「文書A」のプリントデータは受信が完了しており、HDD205にスプールプリントデータとして記憶されている。しかし、プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータは受信が完了していない。このため、プリントサーバ200は、プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータを受信中プリントデータとして取り扱う。このため、プリントサーバ200は、時刻T5において、スプール情報と受信中情報とをMFP100に送信する。スプール情報はプリントデータ識別情報「文書A」を含み、受信中情報はプリントデータ識別情報「文書B」を含む。
スプール情報と受信中情報とを受信するMFP100は、表示部114に、プリント状態表示画面を表示する。図12は、プリント状態表示画面の一例を示す第1の図である。図12を参照して、プリント状態表示画面511は、プリントデータごとに、文書名の項目と、サイズの項目と、枚数の項目と、複数の項目と、プリント状態の項目とを表示する。文書名の項目には、プリントデータのプリントデータ識別情報が表示される。サイズの項目には、プリントデータのデータサイズが表示される。枚数の項目には、プリントデータのページ数が表示される。複数の項目には、プリントデータをプリントする部数が表示される。プリント状態の項目には、プリントデータのプリント状態が表示される。領域513には、プリントデータ識別情報「文書A」のスプールプリントデータのプリント状態として「プリント中」が表示され、領域515には、プリントデータ識別情報「文書B」の受信中プリントデータのプリント状態として「受信中」が表示される。また、プリント状態表示画面511の下方のメッセージ領域517には、「文書Aをプリント中です。」のメッセージが表示される。
図10に戻って、スプール情報を受信するMFP100は、時刻T6において、スプールプリントデータの取得要求をプリントサーバ200に送信する。スプールプリントデータの取得要求は、プリントデータ識別情報「文書A」を含む。
スプールプリントデータの取得要求を受信するプリントサーバ200は、時刻T7において、プリントデータ識別情報「文書A」のプリントデータをMFP100に送信する。MFP100は、受信されるプリントデータ識別情報「文書A」のプリントデータのプリントを開始し、時刻T8で終了する。
時刻T8の時点で、プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータは、プリントサーバ200において受信が完了していない。このため、MFP100は、許可受付画面を表示部114に表示する。図13は、プリント状態表示画面と許可受付画面の一例を示す図である。図13を参照して、プリント状態表示画面511中の領域515には、プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータのプリント状態として「受信中」が表示される。なお、図12に示したプリント状態表示画面511に表示されていた、プリントデータ識別情報「文書A」と、プリント状態「プリント中」とは表示されていない。また、プリント状態表示画面511の下方には、許可受付画面519が表示される。許可受付画面519は、「スプール中の文書が存在します。スプール完了後出力を行ないますか?(Y/N)」のメッセージを含む。
ユーザAが、許可受付画面519に従って、プリントを許可する操作を操作部115に入力すれば、許可を受け付ける。以下、ユーザAが、許可受付画面519に従って、プリントを許可する操作を操作部115に入力した場合を説明する。
ユーザが許可受付画面519に従って、「Y」のキーを押下すれば、MFP100は、プリントサーバ200から受信完了情報が受信されるまで待機状態となる。この場合には、図13に示したプリント状態表示画面511を表示するとともに、プリント状態表示画面511の下方に、許可受付画面519に代えて、「スプール中の文書が存在します。そのままお待ち下さい。」のメッセージを表示する。
図10に戻って、時刻T9において、プリントサーバ200は、プリントデータ識別情報「文書B」の受信中プリントデータを受信を完了することに応じて、受信完了情報をMFP100に送信する。受信完了情報を受信するMFP100は、時刻T10において、受信中プリントデータの取得要求をプリントサーバ200に送信する。受信中プリントデータの取得要求は、プリントデータ識別情報「文書B」を含む。
受信中プリントデータの取得要求を受信するプリントサーバ200は、時刻T11において、プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータをMFP100に送信する。MFP100は、時刻T11においてプリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータのプリントを開始し、時刻T12で終了する。MFP100は、時刻T11において、表示部114に、図14に示すプリント状態表示画面を表示する。
図14は、プリント状態表示画面の一例を示す第2の図である。図14を参照して、プリント状態表示画面511は、領域515に、プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータのプリント状態として「プリント中」を表示する。また、プリント状態表示画面511の下方のメッセージ領域517には、「文書Bをプリント中です。」のメッセージが表示される。これにより、ユーザは、受信中プリントデータのプリントが開始されたことを知ることができる。
図15は、PC、プリントサーバおよびMFPの動作の流れの一例を示す第2のタイムチャートである。図15に示す第2のタイムチャートは、図10に示した第1のタイムチャートにおいて、時刻T8において表示された許可受付画面において、ユーザAが、「N」のボタンを押下した場合の流れを示す。
時刻T8までの流れは、図10に示した第1のタイムチャートと同じである。したがってここでは説明を繰り返さない。時刻T8において、表示部114に表示された許可受付画面519に従って、ユーザAが、プリントを許可しない操作を操作部115に入力すれば、時刻T13において、MFP100は、プリントサーバ200にログアウト要求を送信する。
図16は、PC、プリントサーバおよびMFPの動作の流れの一例を示す第3のタイムチャートである。図10に示した第1のタイムチャートにおいて、MFP100がプリントデータ識別情報「文書A」のプリントデータのプリントを、時刻T7でプリントを開始して時刻T9より早い時刻T8で終了していた。図16に示す第3のタイムチャートは、MFP100がプリントデータ識別情報「文書A」のプリントデータのプリントを、時刻T7でプリントを開始して時刻T9より遅い時刻T21で終了する点で、図10に「示した第1のタイムチャートと異なる。
MFP100は、時刻T9において、プリントサーバ200から受信完了情報を受信するが、プリントデータ識別情報「文書A」のプリントデータのプリントが完了していないので、プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータのプリント状態を「待機中」に変更する。
図17は、プリント状態表示画面の一例を示す第3の図である。図17を参照して、図12に示したプリント状態表示画面511と異なる点は、領域515に、プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータのプリント状態として「待機中」が表示される点である。これにより、ユーザは、受信中プリントデータの受信が完了したことを知ることができる。
図16に戻って、MFP100は、時刻T21において、既に受信完了情報をプリントサーバ200から受信している(時刻T9)。このため、MFP100は、時刻T21において、プリントデータ識別情報「文書A」のプリントデータのプリントを終了すると、許可受付画面を表示することなく、直ちに取得要求をプリントサーバ200に送信する。この取得要求は、時刻T9で受信した受信完了情報に含まれるプリントデータ識別情報「文書B」を含む。プリントサーバ200は、取得要求を受信すると、プリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータを時刻T22で送信するので、MFP100は、時刻T22で受信したプリントデータ識別情報「文書B」のプリントデータを時刻T23までにプリントする。なお、実際には、時刻T21から時刻T22までの時間は、数ミリ秒程度の非常に短い時間であるため、MFP100がプリントしていない時間は非常に短い。なお、図16では、取得要求を時刻T21に送信するようにしたが、時刻T9と時刻T21との間の任意の時刻に送信するようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態においては、プリントシステム1について説明したが、図7に示したプリントデータ送信処理をプリントサーバ200に実行させ、図8および図9に示したプルプリント処理をMFP100,100A,100B各々に実行させるプルプリント方法またはプルプリントプログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記画像形成装置は、前記プリントサーバから前記受信中情報を受信する場合、前記プリントサーバにより受信中のプルプリントデータが存在することを通知する存在通知手段を、さらに備えた、請求項1に記載のプリントシステム。
(2) 前記画像形成装置は、前記プリントサーバから前記受信中情報を受信する場合、前記第1取得手段により取得されたプルプリント用プリントデータの全てが前記画像形成手段により画像形成された時点で、前記第3検出手段により前記プルプリント用プリントデータの受信が完了したことが検出されていない場合に、ユーザによる許可を受け付ける許可受付手段をさらに備え、
前記第2取得手段は、前記ユーザによる許可が受け付けられることをさらに条件に、前記第2検出手段により検出されたプルプリント用プリントデータを取得する、請求項2に記載のプリントシステム。
(3) 前記許可受付手段により許可が受け付けられない場合、第1取得手段により取得されたプルプリント用プリントデータの全てが前記画像形成手段により画像形成された時点で、前記認証されたユーザのログインを解除する自動ログアウト手段を、さらに備えた(2)に記載のプリントシステム。
(4) 前記画像形成装置は、前記第2取得手段により取得されたプルプリント用プリントデータが前記画像形成手段により画像形成されるまで、プリント中であることをユーザに通知するプリント中通知手段を、さらに備えた、請求項1または2、(1)〜(3)のいずれかに記載のプリントシステム。
(5) 前記第1検出手段は、前記認証情報を受信するプリントサーバが、前記認証情報に含まれるユーザ識別情報と関連付けられたプリントデータを記憶している場合に送信するスプール情報を受信する場合に、前記プルプリント用プリントデータを検出する、請求項3〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
(6) 前記第2検出手段は、前記認証情報を受信するプリントサーバが、前記認証情報に含まれるユーザ識別情報と関連付けられたプリントデータを受信中である場合に送信する受信中情報を受信する場合に、前記プルプリント用プリントデータを検出する、請求項3〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
(7) 前記第3検出手段は、前記受信中情報を送信するプリントサーバが、前記プルプリント用プリントデータの受信を完了した時点で送信する受信完了情報を受信する場合に、前記プリントサーバにより前記プルプリント用プリントデータの受信が完了したと判断する、請求項5〜8のいずれかに記載の画像形成装置。