JP5688705B2 - 流体制御器 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された流体制御器は、入口流路と出口流路を有するバルブボディ(弁箱)と、入口流路から出口流路への流体の流通を許容又は遮断する弁体と、弁体を上下動させる操作機構と、操作機構と弁体とを連結するステム(弁棒)を備えており、弁体が、ステムの下端部に対して連結された弁ロッド(金属製弁本体)と、弁ロッドとステムとの間に挟まれたダイヤフラムとからなるものである。
そのため、弁ロッドの雄ねじ部をステムの雌ねじ部に対して螺合する際に、螺合による締め付けが過剰になることによりダイヤフラムが破損してしまう場合がある。一方、過剰な締め付けを避けるために締め付けを緩くすると、弁ロッドがステムから脱落してしまう虞があるため好ましくない。
特許文献2に開示された流体制御器は、弁ロッドの上方部にダイヤフラムを取り付けるための段付き取付部を有しているが、この段付き取付部によって上述したダイヤフラムの過剰な締め付けを防止することができるものではない。つまり、特許文献2に開示された流体制御器も、上記した特許文献1に開示の流体制御器と同様の問題を有しているものである。
また、弁ロッドが当接位置に達した時点で締め付けがそれ以上行えなくなるため、締め付け力を常に一定にすることができ、締め付け不足による弁ロッドの脱落も防ぐことが可能である。
更に、ダイヤフラムを上下から挟持する部材の端部を全てアール状に形成することにより、ダイヤフラムに傷が付くことが防がれる。
また、ダイヤフラムの外縁部が直接ボンネットの本体により押さえられるのではなく、皿ばねとアダプタを介して押さえられることによりバルブボディとの間で挟持されるため、ダイヤフラムの外縁部を適度な圧力で挟持することができ、ダイヤフラムの過剰な締め付けによる破損が防止される。
図1は本発明に係る流体制御器の主要部の正面断面図、図2は本発明に係る流体制御器の主要部の側面図、図3は本発明に係る流体制御器の主要部の分解斜視図、図4は図1の要部拡大図、図5は本発明に係る流体制御器のステムと弁ロッドの連結部分の拡大図である。
図示例では、入口流路(5)は横方向(右方向)に延びており、出口流路(6)は縦方向(下方向)に延びている。
尚、本明細書における上下左右の方向は、流体制御器を図1に示す向きに配置した場合の方向をいう。
弁ロッド(7)は金属材料から形成されている。
金属材料の種類は、使用する流体の物性、温度、圧力等に応じて選択することができるが、機械的強度、耐熱性、耐食性等に優れたステンレス鋼を使用することが好ましく、具体的にはSUS630が好適に使用される。
上方部(71)は、上方に雄ねじ部(711)を有し、下方に非雄ねじ部(712)を有している。非雄ねじ部(712)は、上方に小径部(712a)、下方に大径部(712b)を有する段付き棒に形成されている(図5参照)。
雄ねじ部(711)の外径と小径部(712a)の外径は等しくなっている。
中間部(72)は、上方部(71)及び下方部(73)に比べて大径に形成されている。
ダイヤフラム(8)は、内縁部が弁ロッド(7)の中間部(72)とステム(4)の間に挟持されており、外縁部がバルブボディ(1)とボンネット(3)の間に挟持されている。
ダイヤフラム(8)の内縁部はステム(4)の上下動に伴って昇降するが、外縁部は移動しない。そのため、ステム(4)の上下動に伴って、ダイヤフラム(8)の内縁部と外縁部の間にある挟持されていない部分が弾性変形する。
このように、ダイヤフラム(8)を上下から挟持する部材の端部を全てアール状に形成することにより、ダイヤフラム(8)に傷が付くことが防がれる。
ダイヤフラム(8)を上下から挟持している部分には、リブ(81)(82)が嵌まる凹部が形成されている。
具体的には、弁ロッド(7)の中間部(72)の上面と、ステム(4)の下面に、内方のリブ(81)が嵌まる凹部が形成されている。また、ボンネット(3)の下面(後述するアダプタ(32)の下面)と、当該下面に対向するバルブボディ(1)の上面には、外方のリブ(82)が嵌まる凹部が形成されている。
これにより、ダイヤフラム(8)が内縁端部と外縁端部の両方において保持されて確実に位置決めされる。
これにより、ダイヤフラム(8)が外方に拡がることが確実に防がれる。
本体(31)はフランジ部を有しており、この本体(31)のフランジ部とバルブボディ(1)の上端に形成されたフランジ部がクランプバンド(10)により挟持されることにより、バルブボディ(1)とボンネット(3)とが一体化されている。
アダプタ(32)の下面は、バルブボディ(1)との間でダイヤフラム(8)の外縁部を挟持している。
皿ばね(9)は、ダイヤフラム(8)のコールドフローによる応力緩和の発生を防ぐとともに、アダプタ(32)とバルブボディ(1)によるダイヤフラム(8)の挟持圧を適当に調整する役割を有している。
ステム(4)の上端部には操作機構(図示略)が連結される。操作機構としては、ハンドルや空圧作動式アクチュエータ等の公知の操作機構を使用することができる。
ステム(4)の中間部には、ガイド筒(11)が外嵌されている。
ステム(4)の下端部には、弁ロッド(2)の上方部(71)が挿入される取付穴(41)が形成されている。
雌ねじ部(411)の内径と小径部(412a)の内径は等しくなっている。
弁ロッド(7)の雄ねじ部(711)と取付穴(41)の雌ねじ部(411)とを螺合した状態において、取付穴(41)の段付き穴(非雌ねじ部(412))の段部に対して、弁ロッド(7)の段付き棒(非雄ねじ部(712))の段部が当接する(図4,5参照)。
これにより、弁ロッド(7)はそれ以上ねじ込むことができない。つまり、弁ロッド(7)の上方への進行が段部により止められる。
尚、この当接時の状態において、弁ロッド(7)の上端部は取付穴(41)の上端部(最奥部)には達しない(図4参照)。
また、弁ロッド(7)が当接位置に達した時点で締め付けがそれ以上行えなくなるため、締め付け力を常に一定にすることができ、締め付け不足による弁ロッド(7)の脱落も防ぐことができる。
これは、段差が0.5mm未満であると弁ロッド(7)のねじ込みによる上方への進行を段部において確実に止めることができない虞があり、1.5mmを超えても製品寸法が大きくなるデメリットが生じるだけで、弁ロッド(7)の上方への進行を段部において止める効果が増すことがなく、いずれの場合も好ましくないためである。
これにより、流体制御器の組み立て時において、ダイヤフラム(8)の内縁部(具体的にはリブ(81))を確実に固定することが可能となる。また、組み立て後においてダイヤフラム(8)の動きが妨げられることがない。
2 弁体
3 ボンネット
31 本体
32 アダプタ
4 ステム
41 取付穴
411 雌ねじ部
412 非雌ねじ部
412a 小径部
412b 大径部
5 入口流路
6 出口流路
7 弁ロッド
71 上方部
711 雄ねじ部
712 非雄ねじ部
712a 小径部
712b 大径部
72 中間部
73 下方部
8 ダイヤフラム
9 皿ばね
Claims (2)
- 入口流路と出口流路を有するバルブボディと、
前記入口流路から前記出口流路への流体の流通を許容又は遮断する弁体と、
前記弁体を上下動させる操作機構と、
前記バルブボディの上方に設けられたボンネットと、
前記操作機構と前記弁体とを連結するステムを備えており、
前記弁体は、前記ステムの下端部に連結された弁ロッドと、上下方向に突出する平面視円環状のリブが形成されている内縁部が前記弁ロッドと前記ステムの間に挟持され且つ外縁部が前記バルブボディと前記ボンネットの間に挟持されたダイヤフラムとからなり、
前記ダイヤフラムの内縁部を挟持している前記弁ロッドの上面と前記ステムの下面は、前記リブが嵌まる凹部が形成され、且つ両外端部がアール状に形成されており、前記ダイヤフラムの外縁部を挟持している前記バルブボディの上面と前記ボンネットの下面は、両内端部がアール状に形成されており、
前記ステムの下端部には前記弁ロッドの上方部が挿入される取付穴が形成されており、
前記取付穴は、上方に雌ねじ部を有し、下方に非雌ねじ部を有するとともに、前記非雌ねじ部は、上方に小径部、下方に大径部を有する段付き穴に形成されており、
前記弁ロッドの上方部は、上方に雄ねじ部を有し、下方に非雄ねじ部を有するとともに、前記非雄ねじ部は、上方に小径部、下方に大径部を有する段付き棒に形成されており、
前記雄ねじ部を前記雌ねじ部に螺合した時に、前記段付き穴の段部に前記段付き棒の段部が当接することにより、前記弁ロッドの上方への進行が前記段付き穴の段部により止められることを特徴とする流体制御器。 - 前記ボンネットは、本体と、その下方に配置されたアダプタとから形成されており、
前記ダイヤフラムの外縁部は、前記バルブボディと前記アダプタの間に挟持されており、
前記本体と前記アダプタとの間には皿ばねが介装されていることを特徴とする請求項1記載の流体制御器。
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