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JP5688016B2 - 通信システム、移動端末、ネットワークノード並びに基地局装置 - Google Patents

通信システム、移動端末、ネットワークノード並びに基地局装置 Download PDF

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Description

本発明は、インターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)を利用した通信技術に係る通信システム、移動端末、ネットワークノード並びに基地局装置に関し、特に、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメイン(Network based Local Mobility Management Domain)内で複数のインタフェースを有する移動端末に係る通信の効率化又は最適化を実現するための通信システム、移動端末、ネットワークノード並びに基地局装置に関する。
現在、多数のデバイスが、インターネットプロトコルを使用して、互いに通信を行っている。モバイル機器にモビリティサポートを提供するために、IETF(Internet Engineering Task Force)では、下記の非特許文献1において、IPv6におけるモビリティサポートが規定されている。
非特許文献1では、ホームネットワークにホームエージェント(HA:Home Agent)を導入することによって、モビリティサポートが実現される。モバイルノードは、外部リンクで取得した気付アドレス(CoA:Care-of Address)をBU(バインディングアップデート)メッセージを利用してホームエージェントに登録する。そして、BUによって、ホームエージェントは、ホームリンクで取得される長期的なアドレスであるホームアドレス(HoA)と気付アドレスとの間のバインディングを作成することが可能となる。
ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスに向けられたメッセージを受信(intercept)し、パケットのカプセル化(あるパケットを新たなパケットのペイロードとすることであり、パケットトンネリングとしても知られている)を用いて、そのパケットをモバイルノードの気付アドレスに転送する機能を担っている。
MIPv6(Mobile IPv6)の問題の1つは、ネットワーク接続ポイントを変更するために、あるいは、バインディングのライフタイムが満了した場合に、MNは、1つ以上のHA及びCN(Correspondent Node:コレスポンデントノード)にアップデートを行う必要がある点であり、特に高速で移動しているMNに関して、無線アクセスネットワークへのシグナリングの負荷が高くなる。さらに、CNとの間で経路最適化(RO:Route Optimization)を使用している場合には、ネットワーク接続の変更時にRR(Return Routability:リターンルータビリティ)やBUメッセージの送信を行う必要があり、ネットワーク接続の変更時の平均ハンドオフ時間が大きくなってしまう。
したがって、フローや接続に関連するセッションにおいて、ハンドオフ処理にかなりの時間が費やされ、その結果、メディアパケットに関するエンドトゥーエンドの遅延増大、ジッタやパケットロスが生じてしまう場合がある。このようなエンドトゥーエンドの遅延、ジッタ、パケットロスは、ボイスオーバIP(VoIP)やマルチメディアストリーミング、ビデオストリーミングなどの即時性の高いアプリケーションにとっては好ましいものではなく、パケットロスは重要なテキスト/データ情報を伝送するフローにとって好ましいものではない。さらに、TCP(Transmission Control Protocol:送信制御プロトコル)を利用してセッションを確立するデータアプリケーションにおいても、パケットロスによって、特に無線アクセスネットワークにおけるTCPのスループットや帯域効率が低下してしまう。
このようなMIPv6の問題を解決するため、現在、ネットワークベースのローカルモビリティ管理(NetLMM:Network-based Local Mobility Management)プロトコルが注目されている。ネットワークベースのローカルモビリティ管理プロトコルでは、少なくともローカルドメインにおいて、MNのシグナリングに関する問題は完全に解消される。さらに、こうしたネットワークベースのメカニズムによって、MNが同一プレフィックスであることを確実に確認できるようにすることで、ハンドオフ処理による遅延も低減されるようになる。ネットワークベースのメカニズムでは、MNはCNに対してアドレス更新を行う必要がなく、ローカルモビリティアンカ(LMA)において実行されるネットワークベースのシグナリングによって、MNの到達性は維持される。
IETFのネットワークベースのローカルモビリティ管理(NetLMN)ワーキンググループでは、MNに透過(トランスペアレント:transparent)な方法でモビリティ管理が実行されるネットワークベースの方法を用いて、MNに対するモビリティ管理を提供するためのプロトコルが開発されている。ネットワークベースのローカルモビリティ管理は、トポロジカルに局在するネットワークセグメント内のノードのモビリティを、モバイルノード自体ではなくネットワークエンティティが管理することである。MNに透過なネットワークベースのモビリティ管理の目的を達成するためには、MNはローカルドメイン内で同一プレフィックスを確認できる必要がある。このプレフィックスは、ローカルモビリティ管理による利益が得られるように、ルーティング階層の高い位置(望ましくは、ローカルドメイン内のすべてのMNのデフォルトルーティングパス上)に存在するルータから得られる必要がある。このプレフィックスの基点(root)となるルータは、このプレフィックス(プレフィックスベースの経路)への到達性に関する情報を有する必要があり、最終的に、このプレフィックスベースの経路がネットワークエンティティによって作成される必要がある。
NetLMMワーキンググループによって標準化されたネットワークベースのローカルモビリティ管理プロトコルは、プロキシモバイルIPv6(PMIPv6:Proxy Mobile IPv6)であり、下記の非特許文献2に開示されている。PMIPv6は、主に、通常のIPv6ホスト(クライアントモバイルIPv6(CMIPv6:Client Mobile IPv6)スタックを持たない)に対してネットワークの局所的な場所におけるモビリティ管理サービスを提供するよう設計されたものである。なお、CMIPv6は、非特許文献1に開示されているMIPv6(Mobile IPv6)、及びMIPv6をIPv4対応とするために拡張された、非特許文献6に開示されているDSMIPv6(Dual Stack Mobile IPv6)によって実現される。例えば、MNが外部PMIPv6ドメインに存在し、あるインタフェースを経由してローカルドメインにおける同一プレフィックスを確認する場合、MNは、1つ又は複数のホームエージェント、あるいは、1つ又は複数のCNに対してグローバルなバインディング登録を行う必要がない。これは、CMIPv6スタックを有するノードにとっても有用である。さらに、モビリティ管理能力を有するMNがホームドメインへ移動した場合においても、MNは、ホームネットワークプレフィックス/ホームプレフィックスを確認し続けることができるので、位置登録を実行する必要はない。
PMIPv6の仕様に従えば、LMA(Local Mobility Anchor:ローカルモビリティアンカ)は、2つの機能を有している。すなわち、LMAは、PMIPv6動作及びMIPv6動作の両方をサポートしている。なお、LMAがHAとしての機能を持ち得ることから、以降では、LMAをLMA/HAと記載することもある。PMIPv6において、MNがPMIPv6ドメインに接続した場合、MNは、MAG(Mobile Access Gateway:モバイルアクセスゲートウェイ)に対して、接続中のネットワークアクセス識別子(NAI:Network Access Identifier)を提供する。なお、MAGは、直接接続しているMN、あるいは、管理下にあるMNに代わって、ローカルモビリティアンカへプロキシローカル登録を行うルータである。また、NAIは、認証のために、AAA(Authentication, Authorization and Accounting:認証、認可、課金)サーバへ渡される。
AAAは、MNのネットワーク接続を認証すると、認証成功を通知する応答をMAGへ送信する。さらに、AAAは、LMAアドレス及びある特定のMNのプロファイル(例えば、アドレス構成モードやMNがローカルドメインを移動する間にMNに対して実施される必要のある特別なポリシ)をMAGへ提供する。MAGは、これらのMNのパラメータを取得すると、プロキシBU(PBU:Proxy BU)をLMAへ送信する。MAGは、プロキシバインディング応答(PBA:Proxy BA)によって、接続しているMNのインタフェースに関連付けられているユニークなプレフィックスを取得した後、ホームリンク又はローカルホームリンク(もし訪問ドメインであれば)の役割を実行する。MAGによって実行されるPBU(あるいはローカル登録)は、これがプロキシBUであることを示す「P」フラグを除いてMIPv6のBUと同一である。
PBUを実行することによって、MNに関する到達可能状態(reachability)がLMAに作成される。基本的に、LMAは、PMIPv6ドメインで取得されるMNのユニークなプレフィックス(各MNに固有のプレフィックス)に関する到達可能状態を有する。このユニークなプレフィックスに関連した到達可能アドレスはMAGのアドレスである。MNは、ステートフル又はステートレスのアドレス構成モードを使用して、PMIPv6ドメインにおいて受信したユニークなプレフィックスを使用してアドレスを構成する。各MNがユニークなプレフィックスが取得するので、LMAにおけるプレフィックスに基づくキャッシュによって、MNは到達可能な状態となる。
また、LMAに届くすべてのデータパケットは、MNへ接続されているMAGへトンネルされ、逆に、MNからMAGに届くすべてのデータパケットは、LMAへトンネルされる。MAGの近隣キャッシュテーブルには、MNのPMIPv6ローカルアドレスと、MNへパケットを伝送するために使用されるそのリンクレイヤアドレスとのバインディングが含まれている。このPMIPv6ローカルアドレスは、ローカルドメインでMNへ提供されるユニークプレフィックスから得られるアドレスである。
非特許文献2に開示されているPMIPv6は、透過なプロキシモビリティサービスを提供することに加えて、マルチホーミングサポートも提供する。ここでは、複数インタフェースのMN(マルチインタフェースMN)はすべてのインタフェースを介してPMIPv6ドメインに接続可能である。このとき、MNは、プロトコルスタックのレイヤ3のプロトコルでの変更を必要とせず、モビリティ関連シグナリングを実行せずにドメイン内を移動することが可能である。基本的に、マルチホーミングは、LMAがMNのインタフェースごとにユニークなプレフィックスを提供して、MNのインタフェースに関連するPMIPv6バインディングを独立したモビリティセッションとして維持することによってサポートされる。PMIPv6マルチホーミングプロトコルは、最初の接続の際にインタフェースごとにユニークなプレフィックスを割り当てることに加えて、完全に透過なモビリティ管理を提供するために、提供したプレフィックス及びこれらのプレフィックスを使用して確立されたセッションを、複数インタフェースのMNがローカルドメイン内を移動する際にセッション品質(QoS:Quality of Service)に障害をもたらすことなく維持する必要がある。
また、IETFのモビリティ拡張(MEXT:Mobility Extensions)ワーキングショップにおいても、マルチホーミングサポートが議論されている。このワーキングショップの課題は、モバイルノードが、単一又は複数のインタフェースを使用して異なる気付アドレスを構成することであり、さらに、すべてのインタフェース又は気付アドレス経由で単一の長期アドレス(ホームアドレス)あてのパケットを受信できるようにすることである。この方法の詳細は、下記の非特許文献3に説明されている。
この非特許文献3に開示されている技術は、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト:3rd Generation Partnership Project)に関連している説明されているが、この技術は他の公衆ネットワーク(例えば、3GPP2、WiMAXフォーラム、広帯域フォーラムなど)にも適用可能である。
3GPPでは、例えばWLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)、セルラネットワーク、第3世代ネットワーク(3Gネットワーク)、ワイアレスWAN(ワイドエリアネットワーク)などを始めとする様々なタイプの無線アクセスネットワーク(すなわち、EPC(拡張パケットコアネットワーク:Evolved Packet Core network)に接続可能なすべてのネットワーク)を有するグローバル異種アーキテクチャへの適用が模索されている。
このグローバル異種アーキテクチャは、一般に、PLMN(パブリックランドモバイルネットワーク:Public Land Mobile Network)と呼ばれ、垂直ハンドオフ処理時や異なるアクセス技術を通じた同時アクセス時のシームレスなモビリティを実現するために有用である。また、非常に高いQoSを有する異種タイプのアプリケーションサービス(例えば、リアルタイムビデオ、VoIP、情報クリティカルデータなど)をサポートするために有用である。
非特許文献3には、3Gアクセスネットワーク経由のMNによる接続に関して、PMIPv6が、GPRS(General Packet Radio System)トンネリングプロトコル(GTP)であることに加えてモビリティを管理する主要なモビリティ管理プロトコルであることが開示されている。3Gアクセスを通じたMIPv6の使用は制限され、ホームに戻った際やHAとのセキュリティアソシエーションを得るために動的なブートストラッピング機能を実行する際に登録解除のBUを送信するためにのみ使用される。MNは、例えばWiMAXアクセスやWLANアクセスなどの他のアクセス経由することで、MIPv6、PMIPv6あるいはMIPv4を使用することが可能である。例えば、MNがWiMAX経由で3GPPコアネットワークへ接続する際のモビリティ管理メカニズムは、MIPv4、MIPv6、あるいはPMIPv6であってもよく、MNがWLANアクセス経由で3GPPコアへ接続する際のモビリティ管理メカニズムは、MIPv6又はPMIPv6であってもよい。モビリティ管理メカニズムがこうした広範囲の技術が利用可能であっても、システムには、そのときにあるアクセス技術タイプ経由で特定のモビリティ管理メカニズムを使用するという制限が課せられる。
将来的には、複数の異種タイプインタフェースを有するMNが、3GPPネットワーク内を移動し、異なるタイプのインタフェース経由で同時接続を行って、マルチホーミングの利益(例えば、負荷共有、負荷バランス、フォールトトレランス、到達可能性、プレファレンス設定)を得る必要があるであろう。なお、このとき、インタフェースのモビリティは異なるモビリティ管理プロトコルによって管理されるかもしれない。
MIPv6(すなわちCMIPv6)及びPMIPv6の2つの主要なモビリティ管理プロトコルが存在しているので、3GPPでは、将来、これらのプロトコルが混在して展開されることになるであろう。例えば、あるアクセスドメインでは、複数インタフェースのMNがすべてのインタフェースの管理を行い、また、あるアクセスドメインでは、複数インタフェースのMNのモビリティは、PMIPv6メカニズムを使用するネットワークによって完全に取り扱われることになる。また、いくつかのアクセス領域で可変的に、複数インタフェースのCNのあるインタフェースのモビリティがネットワークによって管理され、別のインタフェースのモビリティはMN自身によって管理されることになる。このような異なる管理は、経路最適化に基づくMNのプレファレンス、及び/又は、負荷バランスに基づくネットワークによるプレファレンスなどによって行われる。
非特許文献3に開示される3GPPでは、特定のアクセス技術経由でMNのネットワーク接続に関するモビリティ管理メカニズムが、静的な構成方法又は動的な構成方法によって決定されてもよい。静的な構成方法においては、例えば、モバイルノードの特定のインタフェースに関連するモビリティ管理モードが事前に構成されていてもよく、MNが、この情報を事前に把握しているか、あるいは、接続の際にネットワークがこの情報を通知して、モビリティモードのタイプの決定を変更できないようにしてもよい。あるインタフェース経由での特定のモビリティモードは、アクセス技術タイプ及びローミング協定に基づいて決定される。一方、動的な構成モードが使用される場合には、MN又はユーザ端末(UE:User Equipment)は、特定のアクセスネットワークに接続されているインタフェース経由で使用される好適なモビリティモードを交渉することが可能である。なお、本明細書では、UE及びMNの用語は互換性を有し、両方共、移動端末を示している。
米国特許公開2004/0213181 米国特許公開2005/0088994 米国特許公開2008/0285518 国際公開公報WO2007/137765 国際公開公報WO2008/104132 国際公開公報WO2008/134394 米国特許公開2008/0285492 国際公開公報WO2009/097914 国際公開公報WO2009/084989
Johnson, D. B., Perkins, C. E., and Arkko, J., "Mobility Support in IPv6", Internet Engineering Task Force Request For Comments 3775, June 2004. Gundavelli, S., et. al., "Proxy Mobile IPv6", Internet Engineering Task Force (IETF) Internet Engineering Task Force Request For Comments 5213, August 2008. "3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Architecture enhancements for non-3GPP accesses", 3GPP TS 23.402, V8.3.0, September 2008. Wakikawa, et. al., "Multiple care-of addresses Registration", Internet Engineering Task Force Draft: draft-ietf-monami6-multiplecoa-10.txt, November 2008. Hinden, et. al., "IPv6 Global Unicast Address Format", Internet Engineering Task Force (IETF) Internet Engineering Task Force Request For Comments 3587, August 2003. Soliman, et. al., "Mobile IPv6 Support for Dual Stack Hosts and Routers", Internet Engineering Task Force (IETF) Internet Engineering Task Force Request For Comments 5555, June 2009.
従来の技術によれば、UEがCNとの効率的な通信(経路最適化又はシグナリングメッセージを低減させる効率的なモビリティ管理)を実現するために、どのインタフェースを使用すべきかを選択するために十分な情報を持っていないという問題がある。具体的には、従来の技術によれば、UEがCNと通信するための正しいインタフェース又はモビリティモードを選択する際に、UEがCNの場所や、CNの状態(CMIPv6状態、PMIPv6状態、静的なモビリティ構成モード、動的なモビリティ構成モードなど)を特定し、こうした情報に基づいて、UEが使用すべきインタフェースの選択を行うことができないという課題がある。
以下、複数インタフェースのCN(マルチインタフェースCN)がアクセスネットワーク経由して3GPP EPCに接続されており、あるインタフェース経由で特定のモビリティ管理メカニズムを使用するよう制限されている場合における問題について説明する。
以下、図1A及び図1Bを参照しながら、この問題について説明する。この問題が生じる原因は、主に、MNがCNの正確な場所を把握しておらず、CNとの通信にどのインタフェースを使用して経路最適化及び効率的なモビリティ管理を実現すべきかを確実に把握できないことにある。
なお、効率的なモビリティ管理は、CNとの間で行うシグナリングの量を少なくするようにCNとのデータ通信を行うことを意味している。本明細書では、CNはRRを実行する機能を有しており、さらに、MIPv6スタックを実装していると仮定し、CNが単純なIPv6ホストである場合にはその旨を説明する。
図1Aでは、UE104はアクセスネットワーク103及びアクセスネットワーク102を経由してEPC100へ接続可能な2つのインタフェースを有している。アクセスネットワーク103は、例えばLTE(Long Term Evolution)ネットワークなどの3Gアクセスネットワークであり、アクセスネットワーク102は、例えばWiMAXアクセスネットワークである。さらに、UE104は、アクセスリンク105によってS−GW(Serving Gateway:サービングゲートウェイ)108へ接続されており、また、アクセスリンク106によってアクセスゲートウェイ(AGW:Access Gateway)109に接続されているものとする。
さらに、S−GW108及びAGW109は共に、MAGの機能が実装されているとする。また、P−GW111は、UE104のモビリティを管理するモビリティアンカである。P−GW(LMA/HAと記載することもある)111は、上述のLMA/HAとほぼ同一の機能を有しており、UE104のモバイルIPv6ホームエージェントであるとする。
また、UE104は、MIPv6ホームアドレスを1つ構成しているとする。なお、このホームアドレスは、例えば、P−GW111から動的なブートストラッピングメカニズム、又は、任意の他のアクセス技術特有のメカニズムを使用して得られたものである。
UE104のモビリティは、3Gインタフェースに関してはPMIPv6メカニズムによって管理されており、WiMAXインタフェースに関してはCMIPv6メカニズムによって管理されている。また、UE104の各インタフェースに割り当てられているモビリティ管理モードは変更不可能であり、静的であるとする。すなわち、3GPPにおけるモビリティモード割り当ての静的な構成により、UE104は、UE104の各インタフェースに割り当てられているモビリティモードを変更することはできない。3Gインタフェースを通じて確認できるホームネットワークプレフィックス(すなわち、PMIPv6モードで割り当てられたプレフィックス)は、UE104のMIPv6ホームプレフィックスである。また、LMA/HA111は、マルチホーミング機能を有しており、PMIPv6バインディング及びCMIPv6バインディングの両方を維持することが可能である。さらに、LMA/HA111は、等しい優先度又は重み付け条件を課してプレフィックスベースの検索(PMIPv6キャッシュ)及びアドレスベースの検索(CMIPv6キャッシュ)を行い、UE104へパケットを発送することが可能である。
UE104がWiMAXインタフェースに関してLMA/HA111にCMIPv6登録を行うと、ホームタイプ及びアウェイタイプのバインディングが同時に使用されるようになる。UE104は、非特許文献4に説明されているMoNAMI6(Mobile Nodes and Multiple Interfaces in IPv6)機能を用いてCMIPv6を実行することが可能であると考えられる。しかしながら、当業者であれば、LMA/HA111に同時バインディングを行う代わりに、UE104が、P−GW111にCMIPv6登録を行わずにP−GW111にPMIPv6バインディングを行うだけでよいことは明らかである。UE104は、単にCNと経路最適化を行うためにWiMAXインタフェースを用いるだけで、同様のシナリオが実現される。
このような構成において、UE104は、CN112とデータ通信セッションを有しているとする。CN112は、PMIPv6モード又はCMIPv6モードで動作可能である。なお、ドメイン100はCN112のホームドメインであってもよく、あるいはホームドメインでなくてもよい。あるノードがPMIPv6モビリティ管理モードを使用している場合、そのノードのホームドメインは、ホームネットワークプレフィックスを割り当てるLMAが配置されているドメインである。また、あるノードがCMIPv6メカニズムを使用している場合、そのノードのホームドメインは、そのホームエージェントが位置するドメインである。
さらに、CN112では1つのインタフェースが起動されており、WiMAXインタフェースを使用しているとする。このWiMAXインタフェースは、アクセスリンク107を使用してAGW110にリンクされている。CN112が接続されているWiMAXアクセスネットワークは、図1Aのアクセスネットワーク101によって示されている。
ドメイン100がCN112のホームドメインであり、モビリティがPMIPv6メカニズムによって管理されている場合、UE104は、CN112のアドレスを把握できるだけで、CN112が接続されている場所に関する情報を把握できず、大きな問題となる。CN112のIPv6アドレスのプレフィックス部とUE104のIPv6アドレス(ホームアドレス)のプレフィックスとを単に比較するだけでは、CN112がUE104と同一のドメインに配置されているかどうかを結論付けることは不可能である。
非特許文献5に開示されているようにルーティングプレフィックスの階層構造を参照した場合には、UE104は、ルーティングプレフィックスに関連した階層やプレフィックス分割を把握できないかもしれず、この比較では、CN112が同一のドメインに接続されているかどうかを判断することはできないかもしれない。このように、CN112がUE104と同一のドメインに配置されているかどうかを判断するための情報がないことで、UE104が例えば3Gインタフェースを用いてCN112へデータパケットを送信する場合には、データパケットのルーティングパスは、メッセージ126に示されているパスを経由することになる。すなわち、CN112へ送信されたデータパケットはS−GW108からP−GW111へトンネルされ、P−GW111でデカプセル化された後、さらにAGW110あてにカプセル化されてCN112へ到達すると考えられる。
基本的に、このメッセージ126が辿るパスには2つの欠点がある。第1の欠点は、パケットが2回カプセル化されて2つのトンネルを通ることである。第2の欠点は、UE104及びCN112のプレフィックスは両方共、P−GW111を基点としているので、データパケットはP−GW111を経由してルーティングされる必要があり、完全に最適ではない経路を通ることである。一方、UE104が、CN112と通信を行うために、CMIPv6モードで動作しているWiMAXインタフェースを使用した場合には、CN112もCMIPv6にモビリティモードを切り換えることができれば、データパケットのルーティングパスはいかなるタイプのトンネリングを受けることもなく、冗長なルーティングも行われないようになる。
また、様々なシナリオにおいて、CN112がMIPv6を使用して、そのモビリティを管理しており、そのホームドメイン100に接続されているのであれば、CN112へデータパケットを送信するために使用されるアドレスはCN112の気付アドレスとなる(CN112との間でROが実行されていれば)。UE104が3Gインタフェースを使用するのであれば、CN112の気付アドレスのプレフィックスがAGW110から取得されるとすると、パケットのルーティングパスは図1Aのメッセージ127に示されているようになる。
UE104は、CN112が同一のモビリティアンカ(P−GW111)の配下の同一管理ドメイン内に存在しているかどうかが分からず、3Gインタフェースを使用してデータパケットを送信する。この場合、データパケットはまずS−GW108によってP−GW111あてにカプセル化され、イングレスフィルタリングをくぐり抜ける。P−GW111においてパケットは適切に発送され、CN112の現在のアドレスへ届く。この現在のアドレスのプレフィックスはAGW110を基点とするので、P−GW111からのデータパケットは、CN112へ更にトンネリングされることなく直接発送される。すなわち、この場合のデータパケットのルーティングパスを示すメッセージ127には、トンネリングは1つのみ存在する。
しかしながら、もしUE104がCN112と通信するためにWiMAXインタフェースを使用した場合には、通信フローの両方のエンドポイントは最も近くに存在するルータ(アクセスルータ)に所有されているプレフィックス(あるいは、アクセスルータを基点とするプレフィックス)から得られるアドレスを使用し、より最適化された経路が実現されるようになる。すなわち、CN112と通信を行うためにUE104が3Gインタフェースを使用した場合には、データパケットのルーティングパスは最適化されない。CN112がCMIPv6モードの場合、LMA/HA11がCN112のホームエージェントではない場合に考慮すべき問題が生じる。
次に、図1Bを参照しながら、別のシナリオにおける同様の問題について説明する。ここで、CN122は、UE113のドメイン(EPC)120とは異なる別の管理ドメイン(EPC)125に接続されているとする。ここでも、図1Aにおいて適用したUE104に対する仮定を適用する。基本的に、UE113は、3Gインタフェース及びWiMAXインタフェースの両方を通じてEPC120へ接続されており、CN122と通信を行っているとする。CN122はPMIPv6モードを用いて動作しているかもしれず、あるいは、MIPv6モビリティ管理モードを用いて動作しているかもしれない。また、CN122のホームドメインは、ドメイン120であってもよく、別のドメインであってもよい。
本発明に係る問題を説明するため、まず、CN122がPMIPv6モビリティ管理メカニズムを使用しており、CN120のホームドメインがドメイン120であると仮定する。このシナリオは、グローバルなPMIPv6動作などのメカニズムによって外部にローミングしたときにホームネットワークプレフィックス(HNP)が参照される、3GPPホーム経由の場合における妥当なシナリオである。
基本的に、外部ドメインがホームドメインのLMAとPBU/PBAを行うことで、ローミングしているUEは、外部ドメインで常にHNPを確認することが可能である。非特許文献3には、このメカニズムの詳細が開示されている。このシナリオでは、CN122のアドレスはUE113のアドレスと類似しているであろう。CN122がUE113と同一のドメインに存在していると仮定し、UE113がWiMAXインタフェースを使用する場合には、UE113はCMIPv6モビリティ管理メカニズムを使用し、データパスはメッセージ128に示されるようになる。しかしながら、外部ドメイン125に配置されているCN122にとっては、CMIPv6メカニズムを用いて経路最適化を実現する必要はない。この場合、CN122との経路最適化通信を実現するため、CMIPv6インタフェース(すなわち、WiMAXインタフェース)を使用することで、UE113へのモビリティシグナリングが増えてしまうことになる。P−GW121はドメイン120の出口に位置するルータなので、UE113によって使用されているインタフェースによらず、データパケットは同一のルーティングパスを経由してCN122に届く。UE113がCMIPv6インタフェースを選択した場合には、UE113が新たなアクセスルータに接続を変更する移動を行うと、モビリティ管理シグナリング(RR及びBU)が行われる必要があり、その結果、効率的なモビリティ管理が実現されなくなる。
また、CN122のホームドメインがドメイン120ではなくドメイン125である場合には、PMIPv6モビリティ管理がCN122によって使用されている場合であっても、上述の問題が生じることが重要である。さらに、CN122がMIPv6を使用し、かつ、CN122のホームドメインがドメイン120である場合や、CN122がMIPv6を使用し、かつ、CN122のホームドメインがドメイン120ではない場合においても同様に、上述の問題が生じる。上述のような簡単なシナリオを分析するだけで、UE113が、経路最適化通信や効率的なモビリティ管理を実現するために理想的なインタフェースを選択するためのCN122に関する情報を把握していないことによって、問題が生じてしまうことが分かる。
CN122との効率的なモビリティ管理シグナリングによって経路最適化された通信を行うためにUE113が理想的なインタフェースを選択するための情報は、CNの場所に関する情報に限定される必要はない。UEがネットワークの何らかの動作メカニズムに関する情報を把握していない場合や、あるいは、UEがCNの特性に関する情報を把握していない場合においても、同様の問題が起こり得る。次に、このようなタイプの問題について説明する。
以下、図2A及び図2Bを参照しながら、本発明に係る問題について説明する。図2Aにおいて、ネットワークでMAG間経路最適化(MAG間RO)が行われる場合の問題について説明する。また、図2Bにおいて、CNがPMIPv6モビリティモードを使用しており、ネットワークポリシによって変更不可能な場合の問題について説明する。
図2Aでは、UE204は2つのインタフェース(3Gインタフェース及びWiMAXインタフェース)を有しており、それぞれゲートウェイ(S−GW208、AGW209)に接続されている。また、図2Aにおいても、図1AでのUE104に関する仮定を適用する(説明は省略する)。
基本的に、UE204は3Gインタフェースを経由してPMIPv6メカニズムを使用しており、WIMAXインタフェースを経由してCMIPv6メカ二ズムを使用している。さらに、P−GW211はUE204のホームエージェントであるとする。また、UE204は、CN213とデータ通信セッションが有しているとする。例えば、CN213は、たとえMIPv6スタックが実装されており、ドメイン(EPC)200がホームドメインであったとしてもPMIPv6モードで動作しているかもしれない。また、さらに、P−GW211がCN213のホームモビリティアンカであるとする。
UE204がCN213と通信を行うためにWiMAXインタフェースを使用することを決定したとする。しかしながら、RRが完了する前に、UE204が3Gインタフェースを使用してCN213へデータパケットを送信すると仮定する。このデータパケットは、S−GW208からP−GW−211へトンネルされ、その後、P−GW211からAGW210へトンネルされる。
なお、ネットワーク構成は将来的に、レガシIPv6ノード(モビリティを管理できないノード、ROシグナリングを実行できないノード)の経路最適化サポートが行えるように、MAG間経路最適化メカニズムが実装されるかもしれない。ドメイン200は、こうしたMAG間ROを実装しているとする。最初のデータパケットがCN213へ送信されると、P−GW211は、データパケットを送信したMAG(すなわち、S−GW208)及びデータパケットを受信するMAG(すなわち、AGW209)を特定して、これらのMAGに対して、MAG間のトンネルを形成するよう要求してもよい。このとき、P−GW211は、保持するPMIPv6バインディングキャッシュテーブルからトンネルエンドポイントを形成する関連MAGを特定することが可能である。このようにして形成された図2Aのトンネル212は、サードパーティ(例えばP−GW211)から提供される事前共有鍵や、MAG(S−GW208及びAGW209)間RRメカニズムなどの動的鍵生成メカニズムによって形成可能であることは明らかである。
トンネル212が動作していることを知らないUE204は、RR処理が完了した後、CN213との通信にCMIPv6インタフェースを使用するかもしれない。この場合、CN213はCMIPv6モードに切り換えると、ルーティングパスはメッセージ214に示されるようになる。なお、UE204がCN213との通信に3Gインタフェースを使用した場合には、メッセージ214に示されるルーティングパスはルーティングパス214Aのようになる。したがって、特にIPv6ホストのために構成されているネットワークで経路最適化メカニズムが動作していることを的確に把握できないUE204は、CN213との通信に好ましくないモビリティ管理モード(効率的なモビリティ管理が実現されないモビリティ管理モード)を選択してしまうことになる。この場合、CMIPv6モード(すなわち、WIMAXインタフェース)を使用することによって、更なるモビリティ管理シグナリングがCN213との間で実行される必要があり、モビリティ管理の効率が低下する。上述のように、CMIPv6モードでは、アクセスルータが変更された場合には、CN213への適切なバインディング登録が行われる必要があり、シグナリング負荷が増大してしまう。
また、図2Bでは、CN226がUE218と同一のドメインに位置しているが、PMIPv6モードを使用しておりモード変更ができない場合の問題について説明する。P−GW222は、CN226に関するPMIPv6バインディングを有しているとする。以下、本発明に係る問題を説明するため、図2Bに示される構成における動作について説明する。
UE218は、UE104と同一であり、同様の仮定が適用される。また、CN226のホームドメインはドメイン215である。UE218がCN226と通信を行うためにCMIPv6インタフェース(すなわちWIMAXインタフェース)を使用する場合には、データパケットのルーティングパスはメッセージ228に示すようになる。UE218は、CN226とのRR処理を完了したとすると、UE218からCN226へのデータパケットのあて先アドレスはCN226のアドレスを有し、このデータパケットはP−GW222経由で発送され、最適化されていない経路が生じる。このような経路が生じる理由は、CN226がPMIPv6モードで動作していることによる。
CN226がCMIPv6モードへ変更することができないので、UE218がCMIPv6モード(すなわち、WIMAXインタフェース)を使用した場合でも、経路最適化が関連する利益が得られないことは明らかである。なお、CN226がCMIPv6モードへ切り換えることが可能であれば、メッセージ227に示される最適化された経路が実現可能である。すなわち、UE218は、CN226の状態を把握せずに、CN226と通信を行うために好ましくないインタフェースを選択してしまったことになる。また、もしUE218が3Gインタフェースを使用していたならば、ネットワークがモビリティ管理シグナリングを行うので、多数のモビリティ管理シグナリングの送受信は回避できたはずである。以上のように、このシナリオでは、どのインタフェースを使用したとしても、完全なROは実現されないが、UE218が3Gインタフェースを使用することで、確実にモビリティ管理シグナリングの増大を防ぐことができるようになる。すなわち、3Gインタフェースが最も適切なインタフェースであると言える。
また、特許文献1には、UEが複数BUによって現在の位置/アドレスをアップデートするかどうかを決定する方法、あるいは単一のBUによって現在のアドレスを以前のアクセスルータ(接続変更前に接続されていたアクセスルータ)に通知するかどうかを決定する方法について開示されている。基本的に、以前のアクセスルータはBUが送信されるアンカポイントとして特定される。UEの現在の位置を誰にアップデートするかに関しては、例えばUEが通信しているピアノードの数、ピアノード間のトラフィック、UEとアクセスルータ及び/又はピアノードの間のシグナリング量又はトラフィック負荷、下位レイヤの状態、モバイルノードの状態、ハンドオーバの頻度などに基づいて決定される。すなわち、この特許文献1に開示されている技術では、UEが多数のピアノードと通信しており、かつ、最適化を必要としている際に行われる必要がある頻繁なバインディングアップデートシグナリングに係る問題を解決する。
しかしながら、BUシグナリングを減らす処理では、データパケットは以前のアクセスルータから届くので経路最適化は相殺され、現在のアクセスルータから複数ホップ離れた古いアクセスルータへBUが送信されてしまうのであれば、直接のパス(最適化されたパス)の形成は妨げられてしまう。さらに、BUを送信する場所はピアノードごとに決定されるわけではない。UEの現在位置がすべてのピアノードに更新されない場合もあり、また、すべてのピアノードにUEの現在位置が更新される場合もある。この特許文献1は、動きの速いUEにおけるシグナリングの低減の問題を解決するためのものであり、この特許文献1の開示技術を組み合わせたとしても、RO及び効率的なモビリティ管理を本当に実現することはできない。
また、特許文献2に説明されている方法は、UEが配置されているローカルドメインの外にCNが存在している場合に、ハイブリッドタイプのモビリティ管理方法を使用することによって、単一インタフェースを有するUEの効率的なモビリティ管理及び経路最適化を実現することを目的としている。すなわち、ローカルドメイン内では、UEは、モビリティ関連シグナリングに関与せず、ネットワークがモビリティを完全に管理する。ローカルドメインで確認されるプレフィックスは一定に保たれており、ネットワークプロキシはこのプレフィックスに関するルーティングパスを維持する。さらに、この特許文献2には、ローカルドメイン内のUEのモビリティが、例えばセルラアクセスポイント(CAP)などのプロキシエンティティによって完全に管理されることが開示されている。ローカルドメインで得られるこのプレフィックスは、ローカルモビリティアンカから取得される。ローカルドメイン内では、UEはいかなるモビリティシグナリングも行わず、現在のアドレスがホームアドレスと異なる場合にのみ、例えばHAやCNなどのピアノードへ現在のアドレスを提供することが必要となる。特許文献2に開示されている方法では、たとえ2つのインタフェースが接続されている場合でも、どのインタフェースが選択されるべきかに関して混乱することはなく、両方のインタフェースが同一のモビリティモードを使用するので、どちらのインタフェースを使用した場合であっても違いはない。
また、特許文献3に開示されている方法は、LMAが、同一のローカルドメインに接続されているIPv6ホスト間、あるいは、PMIPv6が実装されている異なるローカルドメインに接続されているIPv6ホスト間における経路最適化処理を援助するものである。特許文献3に開示されている方法は、特に、2つのMAGのどちらがデータパケットのルーティングパスにおけるトンネリング処理に関与するかを最初にLMAが特定することによって、経路最適化を実現するものである。LMAによる特定後、LMAは、これらのMAGに対して、MAG間トンネルの形成を要求する。この方法は、LMAで利用可能な通信フローの両方のエンドのキャッシュが存在する場合にのみ、経路最適化の実現が援助される。さらに、この方法は、特に、レガシIPv6ホストをサポートするように構成されている。
特許文献3に開示されている方法は、例えば、UEが各インタフェース経由で異なるモビリティ管理モードを使用しており、異なるモビリティ管理モードでもCNとの通信のために使用可能な正しいモードを特定するなどのような複雑なシナリオの経路最適化をサポートするものではない。さらに、この方法は、経路最適化を行うためにLMAのキャッシュエントリを用いることに関連しており、LMAで利用可能なキャッシュエントリが存在しない場合には経路最適化の援助は失敗に終わる。
また、特許文献4には、位置プライバシ及び経路最適化が共に実現される経路最適化メカニズムが説明されている。経路最適化を実現するために使用される方法は、例えば、UEが、CNによって使用されているHAを特定し、そのHAでブートストラップするものであり、これによって、データパケットのルーティングパスが短縮される。
しかしながら、特許文献4に記載の技術では、完全なROは実現されない。さらに、非常に高度な技術によって複数のHAからHAを選択することは、より良い経路の選択処理に似てはいるが、より良い経路のために理想的なインタフェースを選択するものではない。また、この特許文献4で議論されているメカニズムは、CNとのRO及び効率的なモビリティ管理を実現するために静的な構成条件における理想的なモビリティモード及びインタフェースに選択することに関連するものではない。
また、特許文献5には、純粋なPMIPv6環境でROを実現するための方法が開示されている。この方法は、ROを実現し、PMIPv6の効率的な管理の利点を得ることを目的としている。特許文献5で説明されている方法は、MAGがRR処理を実現してトンネルを確立するものである。このトンネルのトンネルエンドポイントは、直接UEに接続されているMAGと、直接CNに接続されているMAGである。MAGは、以前のMAG(接続変更前のMAG)からのコンテキストトランスファーによって転送される属性に基づいてトンネルを構築する。
しかしながら、特許文献5に開示されている方法は、UE及びCNが独立したドメインに存在しており、UE及びCNの両方がホームドメインから離れている際に有用ではあっても、UE及びCNが同一のローカルドメインに配置されている場合には理想的ではない。また、UEがCMIPv6メカニズムを実現できる場合には、ローカルドメインにおいて純粋なMIPv6メカニズム(ROに基づくMIPv6メカニズムに関連したトンネルではない)を使用することが有用であるが、特許文献5に説明されている方法はROを図るトンネルについて開示されていない。さらに、UE及びCNは独立したドメインに存在し、かつホームドメインに存在している場合には、MAG間ROは効率的ではない。通常のPMIPv6メカニズムであれば、このようなMAG間ROが存在する環境で十分であるが、特許文献5には、このMAG間ROに関する開示もない。さらに、UE及びCNが両方共PMIPv6モードの場合には、MAG間ROのみが効率的であるが、UE又はCNがCMIPv6モードの場合には、MAG間ROは使用不可能であり、オプションのみで、最適化された通信とするためにピアノードに関連する正しいモビリティ管理モードの識別が可能な状態となる。
さらに、特許文献6には、ピアノードがRRシグナリングを実行しないで経路最適化を実現するために使用される方法が開示されている。特許文献6に開示されている方法は、MIPv6メカニズムで実行される過剰なモビリティ管理シグナリングを行わずに、ROを実現することを目的としている。
しかしながら、特許文献6に開示されている方法は、MIPv6のROの最適化に焦点を当てており、CNと通信するために異なるインタフェース間を特定あるいは選択する必要はない。この特許文献6で開示されている方法の1つは、UE及びCNの両方が同一のHAを有する場合のものであり、HAはCNの現在のアドレスをUEへ渡すとともに、このHAはUEの現在の気付アドレスをUEへ渡して、UE及びCNの両方が直接通信を実現できるようになる。こうした方法は、すべてのキャッシュ(UE及びCNの両方のバインディングキャッシュ)がHAで利用可能な場合には可能であるが、CNのバインディングをHAで利用できない場合には適用されない。
また、特許文献6には、UE及びCNが異なるHAに属しており、UE及びCNのHAがバインディングキャッシュをお互いに渡して、ROがUEとCNとの間で実現可能な場合の別な方法が開示されている。この方法は、UEのHAがUEのキャッシュをCNのHAへ渡すとともに、CNのHAがCNのキャッシュをUEのHAへ渡し、最終的に、UEのHAがCNのキャッシュをUEへ渡すとともに、CNのHAがUEのキャッシュをCNへ渡すものである。
しかしながら、この方法は、インフラストラクチャのサポートを必要とし、関連するすべてのバインディングがHAで利用可能である必要がある。これは、複数インタフェースのノードが、インタフェースごとに割り当てられている堅固(rigid)なモビリティ管理モードを有しており、異なるタイプの制限あるいはドメイン配置位置を有しているCNと通信を行っている場合の問題を解決するものではない。
従来の技術の動作における上述の議論から、従来の技術に開示されている方法では、各インタフェースが異なるモビリティ管理モードを使用する複数インタフェースのUEが正しいインタフェースを選択できるようにする十分な方法は提供されないことは明らかである。従来の技術に開示されている方法では、MAG間ROがサポートされているシナリオであっても、MAG間ROがサポートされていないシナリオであっても、CNとの通信に関連したエンドツゥーエンドのRO及び効率的なモビリティ管理を実現することはできない。
さらに、上記従来の技術の方法では、CNと通信するための正しいインタフェース又はモビリティモードを選択する際に、UEがCNの場所を特定できず、さらに、CNの状態(CMIPv6状態、PMIPv6状態、静的なモビリティ構成モード、動的なモビリティ構成モードなど)を特定できない。
また、3GPPでは、家庭内環境又は中小企業環境で使用されるフェムトセル(フェムト基地局、Home enhanced Node B(Home eNB又はHeNB)とも呼ばれる)がサポートする別のシナリオが考察されている。フェムトセルは、例えば、ブロードバンド(例えば、デジタル加入者ライン)経由でサービスプロバイダのネットワークへ接続される小規模のセルラ基地局によって管理されており、家庭内又は企業内の環境にあるモバイルフォンをサポートする。サービスプロバイダは、フェムトセルによって、特に、アクセスが限定されているか又は利用できないエリアなど、屋内でのサービス範囲を拡張することが可能となる。
フェムトセルの概念は、通常の基地局の機能を導入するものであるが、より単純な機能内蔵型の構成を実現するよう拡張するものである。ユーザの既存リソース経由で電力やバックホール(backhaul)を利用する小規模基地局を導入することで、セルラのオペレータは、ネットワーク敷設費を抑えつつ、ネットワーク範囲をより広くすることが可能となる。
また、フェムトセルを使用することによって、ユーザが完全なセルラモバイルネットワークと同等の環境を極めて低電力で得ることができるという利点もある。これにより、既存の端末のバッテリ寿命を劇的に増加させることができるようになる。また、フェムトセルの概念では、モバイル装置のセルラ無線を使用するので、モバイル装置の使用者は、モバイル装置において無線アクセス技術(例えば、WiMAX)をサポートしないようにするオプションを有する。
3GPPにおけるフェムトセルの際立った特徴は、ローカルIPアドレス(LIPA:Local IP Address)を使用することである。LIPAによって、UEは、フェムトセル内のIP機能を有する他の装置に対してIP経由で直接アクセスできるようになる。UEと他のIP機能を有する他の装置との間における直接アクセスによるトラフィックは、EPCを通過しないことが予測される。
図13は、3GPP内にフェムトセルが配置された概要を説明するネットワーク構成図である。図13では、UE1350の加入者は、フェムトセルをホームネットワーク1301としてセットアップする。加入者のネットワークオペレータによって提供された基地局(HeNB1352)は、ホームネットワーク1301を管理する。HeNB1352は、外部ネットワークへ複数のリンク(すなわち、EPC1355へアクセスするためのS−GW1304へのセルラリンク1353、サービスプロバイダ1357へのDSLリンク1356)を有している。なお、実際の産業上の適用においては、セルラリンク1353は、物理的なDSLリンク1356を通過する論理リンクであると想定される。また、図13には、サービスプロバイダへのDSLリンク1356を管理する基地局HeNB1352が図示されているが、HeNB1352はDSLリンク1356を管理するDSLルータに接続可能であると想定される。
EPC1355内のモビリティアンカ(P−GW1358)は、UE1350のアンカポイントとして機能する。P−GW1358は、外部ネットワークへの複数のリンク(すなわち、別のオペレータネットワークEPC1360への専用オペレータリンク1359、インターネット1362への専用データリンク1361を有している。なお、実際の産業上の適用においては、オペレータが、各オペレータとの間でいくつかの専用オペレータリンク1359を相互に持っている。
また、サービスプロバイダ1357は、インターネット1362への専用サービスリンク1363を有している。また、コレスポンデントノード(CN1364〜1366)は、UE1350と通信セッションを有する端末である。UE1350は、セルラリンク1353又はDSLリンク1356あるいはその両方を使用して、CNと通信を行うことが可能である。なお、実際の産業上の適用においては、CN1364〜1366はUE1350と同様にモバイル端末であることが想定される。以下の例では、UE1350がCN1364〜1366と通信を行うために複数のIPアドレスを取得する方法について説明する。
UE1350は、現在、セルラ無線のみを使用している。UE1350は、HeNB1352に接続し、サービスを受けるためにEPC1355へアクセスする。P−GW1358は、UE1350がEPC1355へのアクセスに使用するIPアドレス(3G.IP.UE1350、以下、3G.IPと記載することもある)を割り当てる。同様に、HeNB1352は、P−GW機能を有しており、ホームネットワーク1351内でローカルブレイクアウトサービスを受けるためのIPアドレス(HN.IP.UE1350、以下、HN.IPと記載することもある)をUE1350へ割り当てる。
HeNB1352はセルラネットワーク1353を通じて、3G.IPへの/からのパケットの転送/受信を行う。同様に、HeNB1352は、DSLリンク1356を通じて、HN.IPへの/からのパケットの転送/受信を行う。したがって、UE1350は、CN1364〜1366と通信を行うために、3G.IP又はHN.IPのどちらかを使用することができる。
図13において提供されるシナリオでは、UE1350がCN1366と通信を行うために使用すべきリンクはどれかを決定するための十分な情報を、UE1350が有していないという点で、上述のシナリオで説明したものと同じ問題を抱える。UE1350がCN1366に対してサブオプティマルな通信経路を選択した場合には、UE1350は、サービス低下を受けてしまう可能性がある。
例えば、UE1350及びCN1366は、実際に同一のドメイン(すなわち、ホームネットワーク)に位置しているとする。UE1350はセルラリンク1353を使用してCN1366と通信を行い、そのパケットは、EPC1355を通過してホームネットワーク1351へ戻ることになる。なお、UE1350とCN1366との間のルーティングのホップ数増加は、UE1350からのパケットがCN1366に到達する際に(あるいはその逆も)遅延することを意味している。
特許文献12に開示されている方法では、UEが、ローカルブレイクアウトサービスへのEPCアクセスのために使用する異なるIPアドレスを取得することが可能なシナリオが説明されている。UEは、どこにアプリケーションがホスティングされているかに基づいて、どのIPアドレスがアプリケーションに関連付けられているかを判断する。例えば、UEは、ローカルブレイクアウトサービスにおいてP−GWによってホスティングされるボイスオーバIP(VoIP:Voice over IP)を開始する。この場合には、UEは、VoIPセッション、ローカルブレイクアウト用に取得したIPアドレスと関連付ける。
この特許文献12に開示されている従来技術では、アプリケーションがどこにホスティングされているかをUEが既に知っていると仮定しており、アプリケーションサーバが静的な場合には合理的である。しかしながら、アプリケーションサーバ(すなわち、モバイル端末)が移動している場合には、アプリケーションがどこにホスティングされているかという情報は、必ずしも正確ではない。したがって、アプリケーションがどこにホスティングされているかという知識がUEに事前に構成されているという従来技術の仮定は、本発明が課題としている問題を解決するために有用なものではない。
また、特許文献13に開示されている方法は、2つのMN間の通信経路が最適化可能であることをLMAが検出するものである。したがって、LMAは、MNが接続しているMAGに対して、相互の間の経路を作成し、最適化するよう指示する。また、この従来技術では、さらに、各MNが異なるLMAに接続されている場合には、LMAが取り扱うIPアドレス範囲がどれかをLMAが把握していると仮定される。したがって、特許文献13に開示されている従来技術は、LMAがトリガする点においては利用可能であるが、各LMAが相互に関する情報を交換する必要があり、実際の構成においては実現不可能かもしれないと言及されている。特に、モバイルノードの加入者同士がそれぞれ異なるセルラオペレータに関係しているようなシナリオにおいては、従来技術による解決方法の適用可能性はとても少ないものとなる。
また、特許文献14に開示されている方法では、MNがHAに2つのアクティブなリンク(すなわち、気付アドレスを使用する外部リンクと、ホームアドレスを使用するホームリンク)を有している場合のシナリオが説明されている。MNは、ルーティングのコスト(すなわち、時間遅延)をテストするために、各リンクを経由してHAへメッセージを送信する。各リンクにおけるルーティングコストに基づいて、MNは、HAと通信を行うための最小ルーティングコストを選択する。MNの複数のリンクのそれぞれをテストすることによって、MNは各リンクのコストを把握し、どのリンクが最適であるかを判断することが可能である。
しかしながら、ルーティングコストを調べるために各リンクを通じてMNがパケットを送信することは、ネットワークのシグナリング負荷を著しく増大させてしまう可能性がある。一方、本発明の好適な実施の形態の1つは、ルーティングコストを調べるために端末が各リンク経由でパケットを送信することを必要とせずに、どのリンクが最適であるかを端末が把握できるようにすることを目的とする。従来技術の動作に係る説明から、従来技術の開示内容はどれも、端末において利用可能な複数の通信経路の中から最適な通信経路を端末が選択することができないものであることは明らかである。
上述の問題を解決するため、本発明は、UEがCNとの効率的な通信を実現するために、どのインタフェースを使用すべきかを選択するために十分な情報を持っていない場合に生じる問題を解決することを目的とする。
上記の問題を解決するため、本発明は、少なくとも上述した従来の技術における問題や欠点を改善することを目的とする。特に、本発明は、各インタフェースで異なるモビリティ管理メカニズムが使用されている複数インタフェースのUEが適切なインタフェースを選択し、その結果、モビリティ管理の利点を保ちながら、最適な経路を使用してCNと通信を行うことを可能にすることを目的とする。また、本発明は、複数のアドレスを有するUEが適切なアドレスを選択し、その結果、モビリティ管理の利点を保ちながら、最適な経路を使用してCNと通信を行うことを可能にすることを目的とする。また、本発明は、ネットワーク内のシグナリング負荷を著しく増加させることなく、端末で利用可能な複数の通信経路の中から最適な通信経路を端末が選択できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の通信システムは、異なるアクセス技術を用いた複数のインタフェースを使用してネットワークベースのモビリティ管理ドメインへ接続可能であり、通信相手である通信相手ノードとの間に複数の通信経路を有する移動端末と、前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されている端末の位置管理を行うネットワークノードとを有する通信システムであって、
前記ネットワークノードが前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの監視を行って、前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信される前記パケットを検出した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されているかどうかを判断して、その判断結果を前記移動端末へ通知し、
前記移動端末は、前記判断結果に基づいて、前記通信相手ノードとの通信に使用する通信経路を選択するよう構成されている。
この構成により、複数の通信経路(複数のインタフェース又は複数のアドレス)を有する移動端末は、適切な通信経路を選択して通信相手ノードと通信を行えるようになる。
また、上記の目的を達成するため、本発明の移動端末は、ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されている端末の位置管理を行うネットワークノードが配置されている前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインへ接続可能であり、通信相手である通信相手ノードとの間に複数の通信経路を有する移動端末であって、
前記ネットワークノードが前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの監視を行って、前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットを検出した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されているかどうかを判断した判断結果を受信する受信手段と、
前記判断結果に基づいて、前記通信相手ノードとの通信に使用する通信経路を選択する通信経路選択手段とを、
有している。
この構成により、複数の通信経路(複数のインタフェース又は複数のアドレス)を有する移動端末は、適切な通信経路を選択して通信相手ノードと通信を行えるようになる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のネットワークノードは、ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されている端末の位置管理を行うネットワークノードであって、
前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインへ接続可能であり、通信相手である通信相手ノードとの間に複数の通信経路を有する移動端末に関して、前記移動端末の通信相手である通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの監視を行うパケット監視手段と、
前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信される前記パケットを検出した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されているかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果を前記移動端末へ通知する通知手段とを、
有している。
この構成により、複数の通信経路(複数のインタフェース又は複数のアドレス)を有する移動端末は、適切な通信経路を選択して通信相手ノードと通信を行えるようになる。
また、上記の目的を達成するため、本発明の基地局装置は、移動端末と無線接続を行う基地局装置であって、
前記基地局装置に接続されており、通信相手である通信相手ノードとの間に複数の通信経路を有する移動端末に関して、前記移動端末の通信相手である前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの監視を行うパケット監視手段と、
前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信される前記パケットを検出した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記基地局装置に接続されているかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果を前記移動端末へ通知する通知手段とを、
有している。
この構成により、複数の通信経路(複数のインタフェース又は複数のアドレス)を有する移動端末は、適切な通信経路を選択して通信相手ノードと通信を行えるようになる。
本発明は上記の構成を有しており、各インタフェースで異なるモビリティ管理メカニズムが使用されている複数インタフェースのUEが適切なインタフェースを選択し、その結果、モビリティ管理の利点を保ちながら、最適な経路を使用してCNと通信を行うことを可能にするという効果を有している。
従来の技術におけるネットワーク構成及びパケットの流れの第1の例を示す図 従来の技術におけるネットワーク構成及びパケットの流れの第2の例を示す図 従来の技術におけるネットワーク構成及びパケットの流れの第3の例を示す図 従来の技術におけるネットワーク構成及びパケットの流れの第4の例を示す図 本発明の実施の形態におけるネットワーク構成及びパケットの流れの第1の例を示す図 本発明の実施の形態におけるメッセージの流れの第1の例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるメッセージの流れの第2の例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるメッセージの流れの第3の例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるUEの処理の第1の例を示すフローチャート 本発明の実施の形態におけるネットワーク構成及びパケットの流れの第2の例を示す図 本発明の実施の形態におけるネットワーク構成及びパケットの流れの第3の例を示す図 本発明の実施の形態におけるUEの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態におけるP−GWの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態において、CNが同一ドメインに存在していることを示すマークを伝送するためのフレーム構造又はパケット構造の例を示す図 本発明の実施の形態におけるネットワーク構成及びパケットの流れの第4の例を示す図 本発明の実施の形態におけるメッセージの流れの第4の例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるメッセージの流れの第5の例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるメッセージの流れの第6の例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるメッセージの流れの第7の例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるUEの処理の第2の例を示すフローチャート 本発明の実施の形態におけるネットワーク構成の別の一例を示す図 本発明の実施の形態におけるUEの処理の第3の例を示すフローチャート 本発明の実施の形態におけるUEの処理の第4の例を示すフローチャート 本発明の実施の形態におけるHeNBの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態において、UEからHeNBへ送信される通知リクエストメッセージのフォーマットの一例を示す図 本発明の実施の形態におけるネットワーク構成のさらに別の一例を示す図 本発明の実施の形態において、RRシグナリングを利用してP−GWがUEへ通知を行う一例を示すシーケンスチャート
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、ネットワークエンティティから提供される情報に加えて、さらに選択処理に対する別の判断基準を用いて、MNがCNとの通信に理想的なインタフェースを選択するものである。以下、本発明の好適な実施の形態を挙げながら、本発明について説明する。
<第1の実施の形態:CNがCMIPv6モードである場合の本発明の概念>
本発明の第1の実施の形態では、CNが同一ドメインに存在する場合に、UEが使用すべき正しいインタフェースを特定できるようにネットワークエンティティが援助を行うシナリオについて説明する。
以下、図3Aを参照しながら、本発明の第1の実施の形態について説明する。図3Aでは、UE304Aは2つのインタフェースを有している。UE304Aが有する2つのインタフェースは、例えば、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)303Aに接続されている3G LTEタイプのインタフェース、及び、WiMAXアクセスネットワーク302Aに接続されているWiMAXタイプのインタフェースなどである。
UE304Aは、アクセスリンク311Aを経由してS−GW305Aへ接続されており、リンク312Aを経由してAGW306Aへ接続されている。また、UE304Aの3GインタフェースのモビリティはPMIPv6メカニズムで管理されており、UE304AのWiMAXインタフェースのモビリティはCMIPv6メカニズムで管理されている。また、UE304Aはそのホームドメイン内に存在しており、3Gインタフェース経由で検出したPMIPv6のホームネットワークプレフィックス(HNP:Home Network Prefix)がMIPv6ホームプレフィックスであり、P−GW316AがそのHAであるとする。
また、UE304Aは、例えば、CN308A、CN309A、CN310Aの3つのCNと通信を行っているとする。これらすべてのCN308A、309A、310AはMIPv6又はDSMIPv6を実装しているノードであり、UE304Aとの間でRRシグナリングを行って、経路最適化通信を実現することが可能である。また、CN308A、309A、310Aは、WiMAXアクセスネットワーク301Aに接続されており、WiMAXアクセスネットワーク301A及びUE304Aが接続されているアクセスネットワークはすべて同一のEPC300Aに接続されている。また、初期状態として、すべてのCN308A、CN309A、CN310AのHAがP−GW316Aであると仮定する。なお、UE304Aと、CN308A、CN309A、CN310Aは、同一のホームドメイン(Home Public Land Mobile Network (HPLMN))に属しているか、又は、外部ドメイン(Visited Public Land Mobile Network (VPLMN))においてローカルブレイクアウトを利用している場合を想定してもよい。ローカルブレイクアウトについては、非特許文献3に開示されている。
以下、図3Aにおける動作を説明しながら、本発明に係る動作シーケンス及び本発明の実現方法について説明する。図3Aにおいて、最初に、CN308AがUE304Aへデータパケットの送信を開始したとする。RR処理が実行される前の段階では、CN308Aは、UE304Aのホームアドレスのみを把握している。このデータパケットが送信される場合、データパケットの送信元アドレスはCN308Aのホームアドレスとなる。なお、CN308Aは、最初のパケットとしてHoTIメッセージを送信することも考えられるが、この説明では、最初のパケットがデータパケットであると仮定する。
図3Aにおいて、このデータパケット又はデータメッセージは、メッセージ315Aによって示されている。このメッセージ315Aは、CN308AからP−GW316Aへトンネルされる。このとき、トンネルパケットの送信元アドレスはCN308Aの気付アドレスであり、あて先アドレスはP−GW316Aのアドレスである。
P−GW316Aはメッセージ315Aをデカプセル化すると、バインディングキャッシュを参照して、内部パケットのあて先アドレスがPMIPv6バインディングに、内部パケットの送信元アドレスがCMIPv6バインディングにそれぞれ格納されていることを確認する。これによって、P−GW316Aはこのデータフローに関連するピアノードが同一ドメイン300Aに位置していることを把握することが可能である。また、このメッセージ315AはP−GW316Aのイングレスインタフェース経由で届き、P−GW316Aのイングレスインタフェース経由で発送されるので、P−GW316Aはこのデータフローに関連するピアノードが同一ドメイン300Aに位置していることを把握してもよい。このように、P−GW316AがCN308Aの位置を特定するための処理を行うことが、本発明にとって重要である。
P−GW316Aはこのような検出を行った後、さらにメッセージ315AをS−GW305Aへトンネリングすることによって、メッセージ315AはUE304Aの3Gインタフェースへ発送される。P−GW316Aは、UE304AのHNPに関するPMIPv6バインディングを有しているので、このようなトンネリングを行うことが可能である。
P−GW316Aはメッセージ315Aをトンネリングする際、トンネリングヘッダにマーク又はトリガを埋め込むことが可能であり、CN308Aが同一ドメイン300Aに存在することをS−GW305Aへ通知することが可能である。こうしたマーク又はトリガの渡し方としては、多数の方法が考えられる。例えば、P−GW316Aは、明示的なメッセージ(なお、後述するが、本明細書における明示的とは、データパケットと関連付けられていない独立したメッセージで通知されることを意味する)を送信してもよく、データパケットにマークを付加してもよい。なお、その他の方法に関しては、別の実施の形態として後で説明する。さらに、既存のメッセージを利用してマークを送信する方法に関しても、別の実施の形態として後で説明する。
例えばP−GW316Aが、CN308Aが同一ドメイン300Aに存在することを示すマークをメッセージ315Aのトンネリングヘッダに埋め込んだ場合、S−GW305Aは、このマークが埋め込まれているメッセージ315Aを受信すると、S−GW305Aは、デカプセル化を行った後、E−UTRAN特有の方法を用いてUE304Aへメッセージ315Aを発送する。さらに、S−GW305Aは、P−GW316Aから受信したマークを通知するために、新たなメッセージによってUE304Aへトリガを渡す。
なお、S−GW305Aが、S−GW305AとUE304Aとの間のパス上に存在するすべてのノードのMAC(Media Access Control)アドレスを把握しているのであれば、この新たなメッセージはレイヤ2(L2)メッセージによって送信されてもよく。また、新たなレイヤ3(L3)メッセージによって、このマークがS−GW305AからUE304Aへ送信されてもよい。
S−GW305Aから送信されたマークをUE304Aが検出すると、UE304Aは、CN308Aも同一ドメイン300Aに存在していることを把握し、CN308Aとのデータ通信にWiMAXインタフェースを使用することを決定する。なお、CN308Aが同一ドメイン300Aに存在してMIPv6メカニズムを使用する場合には、UE304Aも、MIPv6メカニズムによってモビリティが管理されているWiMAXインタフェースを使用することが有用である。
ここで、UE304Aが十分なバッテリ電力を有しており、アクセスネットワーク302Aのネットワーク輻輳状態がまだ飽和していないとすると、UE304Aは、ネットワークエンティティから提供される情報(すなわち、CN308Aが同一ドメイン300Aに存在することを示すマーク)に基づいて、その決定を変更することなく正しいインタフェース(ここでは、WiMAXインタフェース)を選択する。なお、後述するが、本明細書では、正しいインタフェースとは、UE304AとCN308Aとの通信において経路最適化を実現できるインタフェース、あるいは、過剰なシグナリングメッセージの送受信を防いで効率的なモビリティ管理を実現できるインタフェースである。この正しいインタフェースは、適切なインタフェース、あるいは、理想的なインタフェースと記載することもある。
また、UE304A及びCN308Aが、最適なパスを相互に実現するためにお互いに双方向RRを行う場合、双方向RRが完了すると、本発明によって実現されるデータ通信パスは、図3Aのメッセージ314Aに示されているようになる。なお、本発明の第1の実施の形態では、理想的なインタフェースの決定がUE304Aによって行われ、CN308Aは単にUE304Aの決定をそのまま受け入れているに過ぎない。この第1の実施の形態では、CN308Aがモビリティ管理モードにおいて柔軟性を有し、フローに関連するQoS要件に関して特に制限されていないと仮定している。したがって、CN308Aは、単に相手ノード(すなわち、UE304A)によって行われた決定に従うだけである。
<第2の実施の形態:CNがPMIPv6モードである場合の本発明の概念>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態においても、図3Aに図示されているシナリオを用いて説明を行うが、上述の本発明の第1の実施の形態におけるCN308Aのモビリティ管理モードに関して若干の変更を加える。すなわち、本発明の第2の実施の形態では、CN308AがPMIPv6モードである場合を考える。CN308AがPMIPv6モードを利用しているという点以外は、すべて上述の本発明の第1の実施の形態と同一の仮定を行うため、ここでは説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態においても、CN308Aの位置(すなわち、同一ドメイン300Aに存在していること)がP−GW316AからUE304Aへ通知されると、UE304AはRR処理を開始する。図3Aのメッセージ314Aによって示されている完全に最適化されたパスを得るためには、CN308AもMIPv6モードに従った動作を行う必要があるが、この本発明の第2の実施の形態では、CN308AがPMIPv6モードであると仮定する。
このような場合、CN308Aは、UE304AからRRメッセージを取得した場合に、2つの動作のうちのいずれかを行うことが可能である。第1の動作は、CN308Aが、気付アドレスを構成するためのプレフィックスを提供するようAGW307Aへ要求するものである。これによって、CN308Aは、プレフィックスの取得及び気付アドレスの構成が可能となり、RRシグナリングを実行することが可能となる。また、第2の動作は、CN308Aが、モビリティモードをCMIPv6モードへ切り換えるようネットワークへ要求するものである。CN308Aは、PMIPv6モードの場合には、これらの第1及び第2の動作のいずれかを実行することが可能である。
なお、UE304Aは、RRメカニズムを実行する際、UE304AとCN308Aとの間で最適なルーティングパスを実現するために、RRに関するモビリティヘッダメッセージにトリガ又はオプションを埋め込んで、気付アドレスの構成動作やCMIPv6モードへの切り換え動作をCN308Aへ要求してもよい。また、P−GW316Aが、モビリティモードをCMIPv6へ切り換えるようCN308Aへ要求してもよい。
<第3の実施の形態:P−GWがCNのホームモビリティアンカではない場合の本発明の概念>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本発明の第3の実施の形態においても、図3Aに図示されているシナリオを用いて説明を行うが、上述の本発明の第1の実施の形態におけるCN308Aのホームエージェントに関する仮定に関して若干の変更を加える。すなわち、本発明の第3の実施の形態では、CN308AのホームエージェントがP−GW316Aではないと仮定する。CN308AのホームエージェントがP−GW316Aではないという点以外は、すべて上述の本発明の第1の実施の形態と同一の仮定を行うため、ここでは説明を省略する。
本発明の第3の実施の形態では、CN308AのホームエージェントがP−GW316Aではなく、かつ、CN308AがCMIPv6モードで動作を行うとする。さらに、CN308AがUE304Aへデータを送信しようとしており、UE304Aに対してRRメカニズムが既に実行されていると仮定する。したがって、UE304Aは、CN308AのHoAとCN308Aの気付アドレスとの関連付けを示すバインディングを有している。なお、CN308Aの気付アドレスは、AGW307Aから取得されたものである。
また、CN308Aからのデータパケットは、メッセージ315Aに示されるパスを通じて伝送される。RR後のデータパケットの送信元アドレスは、CN308Aの気付アドレスであり、パケットのあて先アドレスはUE304Aのホームアドレスである。したがって、CN308AからUE304Aへ送信されるデータパケットは、メッセージ315Aに示されているように、P−GW316Aのイングレスインタフェースを通じて受信され、P−GW316AのイングレスインタフェースからS−GW305Aへのトンネリングによって発送される。
さらに、本発明の第1の実施の形態で説明したように、S−GW305Aへトンネリングされるメッセージには、CN308Aが同一ドメイン300Aに存在していることを示すマークが埋め込まれる。なお、当業者にとって、UE304AがWiMAXインタフェースに関連するCMIPv6バインディングをP−GW316Aに登録できることは明らかである。このような場合には、PMIPv6バインディング及びCMIPv6バインディングの両方が、P−GW316Aに存在することになる。
UE304AのCMIPv6バインディングがP−GW316Aに登録されている場合には、上述のマークが、UE304Aへのトンネリング処理を利用してUE304へ直接送信されてもよい。このとき、P−GW316Aは、CN308AからUE304Aへ送信されるデータパケットのあて先アドレスを調べる。データパケットはUE304Aのホームアドレスあてなので、P−GW316Aは、UE304Aの気付アドレスあてにデータパケットをトンネリングしてもよい。このトンネルは、UE304A及びCN308Aが同一ドメイン300A内に存在することを示すマークを通知するためのヘッダやフラグを有しており、このマークによって、UE304Aは、CN308Aが同一ドメイン300Aに存在していると把握することが可能となる。
上述の本発明の第1の実施の形態では、P−GW316AがCN308Aに関するバインディングを参照してCN308Aの位置を把握することが可能であるが、本発明の第3の実施の形態のように、たとえP−GW316AがCN308Aに関するバインディングを有していなくても、UE304AとCN308Aとの間で容易に経路最適化が実現可能である。
<第4の実施の形態:CNがモビリティ状態の場合の本発明の概念>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本発明の第4の実施の形態では、CNがCMIPv6モードであり、MNが存在するドメインから出た後に再び同一ドメインに戻ってくる場合のCNのモビリティの取り扱い方法について説明する。
以下、図3Bを参照しながら、本発明の第4の実施の形態について説明する。図3Bにおいても、UE(UE/MN)313Bは2つのインタフェースを有しており、3Gインタフェース経由でS−GW314Bに、WiMAXインタフェース経由でAGW315Bにそれぞれ接続されている。また、P−GW317BがUE313Bのホームエージェントであり、3GインタフェースのモビリティはPMIPv6メカニズムによって、WiMAXインタフェースのモビリティはCMIPv6メカニズムによってそれぞれ管理されているとする。さらに、UE313BがCN318Bと通信を行おうとしているとする。また、初期状態として、CN318BはUE313Bと同じドメイン内に存在し、CMIPv6メカニズムを使用しているとする。
UE313Bは、P−GW317Bへ明示的な要求メッセージ300Bを送信し、P−GW317Bが、UE313Bに関する動作(UE313Bがより良いデータ通信を行うための動作)を行うように要求する。要求メッセージ300Bは、UE313BがP−GW317Bに対して、そのホームアドレス(MN.HoA/HoA)をあて先とするあらゆるCNからのパケットの監視を行うよう要求するものである。また、要求メッセージ300Bは、例えば、パケットが内部ドメイン(すなわち、UE313Bが存在するドメインと同一のドメイン)から届いた場合には、MN.HoAあてのパケットにマークを付けるようP−GW317Bへ要求するものである。
このとき、UE313Bにとっては、WiMAXインタフェースの気付アドレスやすべてのCNのアドレスを提供してもよいが、UE313BのHoAを提供するほうが有益である。UE313BがすべてのCNのアドレスを提供する場合には、メッセージ300Bに関連する帯域消費が大きくなり、さらに、P−GW317BがこれらのCNのアドレスを格納する容量も大きくなる。また、UE313BがWiMAXインタフェースの気付アドレスを提供する場合には、CN318BがUE313Bの気付アドレスの通知を受けるまでP−GW317BがCN318Bの位置を特定することは不可能である。また、UE313Bの気付アドレスがCN318Bへ通知されない場合には、P−GW317BはCN318Bの正しい位置(すなわち、同一ドメインに存在するか、あるいは異なる外部ドメインに存在するか)を特定することはできない。
最初、CN318Bからのデータパケットは、UE313Bのホームアドレスあてであるとする。また、UE313Bがメッセージ300Bを送信した後、CN318BがHoTI又はデータパケット301BをUE313Bへ送信すると仮定する。このHoTI又はデータパケットは、P−GW317Bによって受信(intercept)される。上述の本発明の第1の実施の形態のように、このHoTI又はデータパケット301Bはトンネリングメッセージ303Bに示されるようにS−GW314Bへトンネルされるか、あるいは、メッセージ304Bに示されるようにUE313Bへ直接トンネリングによって送信される。
一方、P−GW317Bは、CN318BからUE313Bへ送信されるパケットに対して、CNの位置の検出処理302Bを行う。ここでは、CN318Bからのデータパケットがイングレスインタフェースから届くので、P−GW317Bはメッセージ303Bによって示されるトンネル、又は、メッセージ304Bによって示されるトンネルに、CN318Bが同一ドメインに存在することを示すマークを挿入する。UE313Bは、メッセージ303Bから抽出されたS−GW314Bによるマークの通知メッセージ、又は、メッセージ304Bを受信すると、受信したマークによってCN318Bが同一ドメインに接続されていることを検出する検出処理305Bを行う。この検出処理305Bにより、WiMAXインタフェースがCN318Bと通信を行うために選択される。
そして、最適化されたルートを経由する最適化通信を行うため、UE313及びCN318Bは相互に双方向RRを実行する。RRシグナリング交換306Bの後、UE313BとCN318Bとの間で交換されるデータパケット306Bは、P−GW317Bを経由せずに伝送されるようになる。なお、HoTIメッセージがUE313BのHoAあてではないか、あるいは、HoTIメッセージの送信元アドレスがCN318BのHoAに設定されない場合には、HoTIメッセージでさえP−GW317B経由で伝送されない。
次に、CN318Bがドメイン外へ移動して別の外部ドメインへ移動307Bしたとする。CN318は外部ドメインへ移動すると、新たにHoTIメッセージ308BをUE313Bへ送信する必要がある。HoTIメッセージ308Bは、UE313Bの気付アドレスをあて先アドレスとして送信され、P−GW317Bは、このHoTIメッセージ308Bをイグレスインタフェースから受信する。
P−GW317Bは、UE313BのWiMAXインタフェースに関連するバインディング(CMIPv6バインディング)のバインディングキャッシュエントリを調べることによって、あて先アドレス(すなわち、UE313Bの気付アドレス)に関連したHoAを容易に特定することが可能である。UE313BのHoAを特定した後(あるいは特定前又は同時であってもよい)、P−GW317Bは、比較処理309Bを実行して、このパケットが監視対象のパケットであること、さらに、パケットが外部ドメインから届いていたことを特定する。
HoTIメッセージ308BはWiMAXインタフェースあてなので、P−GW317BはこのHoTIパケット308BをS−GW314Bへトンネルする必要がある。そして、HoTIパケットはトンネリングメッセージ310Bに示すようにS−GW314Bへトンネルされるが、この場合、トンネルには、CN318Bが同一ドメインに存在することを示すマークが挿入されない。S−GW311Bは、トンネリングメッセージ310Bのデカプセル化後、HoTIメッセージ311BをUE313Bへ転送する。
UE313Bは、CN318Bから3Gインタフェース経由で届くHoTIパケットを取得するが、このHoTIパケットに関連してマークに関する情報をS−GW314Bから受信することはない。これにより、UE313Bは、CN318Bが別のドメイン(外部ドメイン)へ移動したことを検出することが可能となる。このような場合には、UE313Bは、最適化されたルーティング及び効率的なモビリティ管理を実現するため、3Gインタフェースを使用するよう決定する。上述のように、CN318Bが外部ドメインに存在し、かつCMIPv6モードの場合には、3Gインタフェースの使用によって理想的なパスが実現される。
HoTIメッセージ308BがS−GW314へトンネルされる場合には、S−GW314BがP−GW317Bから提供されるサインされたトークン(WiMAXインタフェースに関連付けられているHoA及びCoAの両方が存在していることを保証するトークン)に基づいて、UE313Bへパケットを発送してもよく、あるいは、UE313Bが、HoA及びCoAのバインディングを埋め込んで、S−GW314Bに登録してもよい。また、CMIPv6バインディングを直接使用してHoTIメッセージ308BがUE313Bへトンネルされ、このパケットにマークが存在しない場合においても、UE313Bは、CN318Bが別の外部ドメインへ移動したことを容易に把握することができる。
本発明では、UE313Bが、P−GW317Bへの要求(CN318Bの位置の問い合わせ)を絶えず行う必要はないという利点がある。すなわち、P−GW317Bは、メッセージ300Bによって提供される初期パラメータを単に使用することで、CN318Bの位置を間単に検出することが可能であり、適切なマーク又はトリガをUE313Bへ送信して、UE313Bが最適なインタフェースを選択できるようにすることが可能である。
ここで、同一ドメイン(UE313Bが存在しているドメイン)を離れたCN318Bが再びそのドメインに戻ってくるとする。この場合、UE313Bがこの移動を把握するか、あるいは、この移動が行われたことを通知されることで、最適化された経路の実現が再び可能となる。
CN318Bが外部ドメインに存在している際は、UE313Bは、3Gインタフェースを使用している。ここで、CN318Bが同一ドメインに戻ってきた場合には、P−GW317Bは、CN318Bが戻ってきたことを検出し(例えば、CN318Bから送信されたHoTIメッセージの検出などによって)、CN318Bが同一ドメインに存在していることを示すマークを埋め込んでUE313Bへ通知する。
CN318Bは、ホームドメイン(この場合、同一ドメイン)に戻ると、HoTIメッセージをUE313Bへ送信する。このHoTIメッセージは、P−GW317Bのイングレスインタフェースから受信され、P−GW317Bは、CN318Bがホームドメインに戻ってきたことを検出し、帯域内シグナリング又は帯域外シグナリングを使用してマークを埋め込んでUE313Bへ通知する。UE313Bはこのマークを検出すると、CN318Bとの通信に関してWiMAXインタフェースの使用へ切り換えるとともに、CMIPv6モビリティ管理を使用することで、CN318BとのROを実現する。なお、ネットワークエンティティが適切なインタフェースに関する情報(どのタイプのインタフェースが適切か)を提供してもよいが、最終的にどのインタフェースを使用するかは、UEによって決定される。同様の決定は、CN318BがPMIPv6を使用していて、かつホームドメインから別のドメインへ移動しているときにも実行される。ホームドメインは、UE313BとCN318BのHPLMNである。CN318BがUE313Bと同じドメインにいる際には、CN318BがUE313Bと同じドメインにいることが、埋め込まれたマークによってUE313Bへ通知される。CN318Bが位置するドメインやモビリティ管理モードを使うことで、UE313Bは適切なインタフェースやモビリティ管理モードを使うことができる。
なお、ここでCNが同一ドメインに存在する場合にマークを挿入し、CNが同一ドメインに存在しない場合にマークを挿入しないようにしているが、その逆(CNが外部ドメインに存在する場合にマークを挿入し、CNが外部ドメインに存在しない場合にマークを挿入しない)や、それぞれ異なる意味を持つマークを挿入する(CNが同一ドメインに存在する場合にCNが同一ドメインに存在することを意味するマークを挿入し、CNが外部ドメインに存在する場合にCNが外部ドメインに存在することを意味するマークを挿入する)こともできる。マークの種別が増えると通知する情報が増加する反面、より細かな状態(MAG間ROが存在(後述)の場合など)を個別に表現できるようになる。
<第5の実施の形態:過渡的な条件におけるUEのインタフェース選択処理>
本発明の第5の実施の形態では、UEが既存のCNに加えて、新たなCNと通信を開始することを決定した場合の処理(以下、第1の過渡的な処理と呼ぶ)、又は、UEが複数のCNに対して既存のセッションを有している状態から、既存のCNとの間で新たなセッションを開始することを決定した場合の処理(以下、第2の過渡的な処理と呼ぶ)において、UEが行うインタフェース選択処理について説明する。
以下、UEが通信を行うためのインタフェースを選択する際に用いる方法について、図3C及び図3Dに示すメッセージシーケンスチャートを参照しながら説明する。図3Cに図示されているメッセージシーケンスチャートは、第1の過渡的な処理を示しており、図3Dに図示されているメッセージシーケンスチャートは、第2の過渡的な処理を示している。
本発明の第5の実施の形態では、UEが、理想的なインタフェースを選択する際の決定処理に多くの基準を用いることが可能であることについて説明する。図3C及び図3Dにおいて、UE1300及びUE1313は、CNとの間のセッションに関するインタフェースの選択の際に、例えば、ネットワークから提供された情報、負荷バランスに関する情報又はポリシ、フロー特性、フローのQoS要件などを選択基準として使用することが可能である。UE1300、1313は、選択処理(インタフェース決定処理)において負荷バランスを重要視する場合であっても、UE1300、1313が負荷バランスのみを重要視する場合や(あるいは、その電力に関してのみ重要視する場合)、電力及び負荷バランスの両方を重要視する場合などが起こり得る。本発明の第5の実施の形態では、UE1300、1313が負荷バランスに関する問題のみを考慮する場合の選択処理について説明するが、インタフェースを選択する際に電力に関する問題を考慮する場合や、その他様々な基準を用いた場合においても適用可能である。
まず、第1の過渡的な処理について図3Cを参照しながら説明する。図3CのUE1300は、例えば、LTEインタフェース1300A及びWiMAXインタフェース1300Bなどの2つのインタフェースを有している。UE1300のLTEインタフェース1300Aのモビリティは、PMIPv6メカニズムによって管理されており、UE1300のWiMAXインタフェース1300BのモビリティはCMIPv6メカニズムによって管理されているとする。また、UE1300のLTEインタフェース1300AはS−GW1301に接続されており、UE1300のWiMAXインタフェース1300BはAGW1302に接続されているとする。
また、初期状態として、UE1300がCN1305及びCN1306と通信を行っており、その後、CN1307との通信を開始するとする。また、CN1305は、UE1300が配置されているドメインとは別の管理ドメインに配置されているとし、CN1306は、UE1300と同一の管理ドメインに配置されているとする。
CN1305は、別の管理ドメインに配置されているので、UE1300と同一の管理ドメインに配置されているP−GW1303は、上述の実施の形態で説明した動作に基づいて、CN1305から届く最初のパケットにはマークの埋め込みを行わない。したがって、UE1300は、CN1305との通信に、PMIPv6によって管理されているインタフェース(LTEインタフェース1300A)を使用する。なお、このとき、UE1300は、ネットワーク情報(ネットワークから提供される情報)のみを使用して、適切なインタフェースを決定する。CN1305と通信を行う場合のデータメッセージは、メッセージ1308によって示されている。
また同様に、P−GW1303は、上述の実施の形態で説明した動作に基づき、CN1306に関してはCN1306からの最初のデータパケットにマークを埋め込むことによって、このCN1306が同一ドメイン内に存在することを通知する。この場合、UE1300は、WiMAXインタフェース1300Bを使用してCN1306と通信を行う。CN1306と通信を行う場合のデータメッセージは、メッセージ1309によって示されている。
さらに、新たなCN1307がUE1300と通信を開始しようとしており、このCN1307がUE1300のドメインとは別の外部ドメインに配置されているとする。CN1307からUE1300へ送信される最初のデータパケットは、メッセージ1310によって示されている。このメッセージ1310は、図3Cに示すように、P−GW1303によって受信(intercept)される。CN1307からのデータパケットは外部ドメインからP−GW1303へ届くので、P−GW1303は、マークを埋め込まずに、メッセージ1310をS−GW1301へトンネルして、UE1300まで運ばれる。UE1300は、このデータパケットに関連するマークを検出しないので、CN1307が外部ドメインに配置されていることを把握する。
UE1300は、CN1307が配置されている場所(すなわち、外部ドメイン)を把握すると、インタフェース決定処理を開始する。UE1300のフローの中には既にインタフェース間で分散されているものも存在するので、UE300は、このインタフェース決定処理において負荷バランスを考慮し、特定のインタフェースにおけるアクセスの過負荷を防ぐことが可能である。
UE1300が、例えばLTEインタフェース1300Aを使用してCN1307と通信を行うことを決定した場合には、WiMAX経由のフローが1つであるのに対して、LTEアクセス経由のフローが2つとなるので、LTEアクセス経由の負荷が増大する。この場合には、UE1300は、例えばアクセスネットワークの状態情報及びUEのポリシなどに基づいて、LTEアクセスの過負荷を避けることが考えられる。
UE1300がLTEインタフェース1300AでCN1307のフローを受け入れるならば、例えば、既に存在するフローをLTEアクセスからWiMAXアクセスへ移す必要があると判断してもよい。また、例えば、CN1305に関連するフローの平均帯域幅はさほど大きくなく、フローはハンドオフによって発生し得る遅延に耐えられると考えられるような場合には、UE1300は、帯域幅やQoS要件などに基づいて、CN1305に関連するフローをWiMAXインタフェース1300Bへ移すことができると判断してもよい。この場合、CN1305に関連するフローをWiMAXインタフェース1300Bへ移しても、WiMAXアクセスは過負荷とならず、WiMAXインタフェース1300Bへ容易に移すことが可能である。なお、CMIPv6メカニズムによれば、フローを移すことでROシグナリングによって大きなハンドオフ遅延が生じる可能性がある。
CN1305とのデータフローをWiMAXアクセス経由に切り換えた場合には、CN1305とのデータフローはメッセージ1311によって示されるようになる。そして、UE1300は、既に存在するCN1305のフローの切り換えを行えたので、理想的なインタフェース(LTEインタフェース1300A)経由でCN1307のフローを受け入れることを決定し、CN1307とのデータフローはメッセージ1312によって示されるようになる。以上のように、UE1300は、負荷バランスなどを始めとする多数の条件に基づいて、CNと通信を行うためのインタフェースを決定する方法を実行する。
次に、第2の過渡的な処理について図3Dを参照しながら説明する。図3Dにおいて、UE1313は、例えば、LTEインタフェース1313A及びWiMAXインタフェース1313Bなどの2つのインタフェースを有している。UE1300のLTEインタフェース1313AはS−GW1314へ接続されており、UE1300のLTEインタフェース1313AのモビリティはPMIPv6メカニズムによって管理されているとする。また、UE1300のWiMAXインタフェース1313BはAGW1315へ接続されており、UE1300のWiMAXインタフェース1313BのモビリティはCMIPv6メカニズムによって管理されているとする。
また、UE1313はCN1318、CN1319、CN1320の3つのCNと通信を行うとし、初期状態として、UE1313がCN1319及びCN1320と通信を行っているとする。さらに、これらのCN1319、1320はUE1313と同一のドメインに存在しており、UE1313は、これらのCN1319、1320とWiMAXインタフェース1313Bを用いて通信を行っているとする。UE1313がCN1319、1320と通信を行っていることを示すデータメッセージは、メッセージ1321、1322によって示されている。
このとき、UE1313が新たなCN1318と通信を開始する場合を考える。なお、このCN1318もUE1313と同一のドメインに配置されているとする。このとき、WiMAXアクセスネットワークで何らかの輻輳が起こっているとすると、UE1313はCN1318に関連したフローに関してはLTEインタフェース1313Aを使用することを決定する。このUE1313による決定は、CN1318から送信されるフローに関するQoSレベルを考慮して行われる。すなわち、CN1318に関連するフローに関してROが行われる必要があったとしても、そのフローは、ROによって受ける不利益を許容することが可能だと判断されてもよく、QoS要件に関連して、インタフェース選択の際に負荷バランスのみ考慮されてもよい。このLTEインタフェース1313Aを使用するCN1318とのデータメッセージは、メッセージ1323によって示されている。
その後、UE1313は、CN1320との間で新たなフロー(新たなセッション)を開始する場合を考える。この新たなフローがUE1313のホームアドレスへ送信される場合には、そのフローはP−GW1316経由で到達することになる。このときの新たなフローの最初の通信は、メッセージ1324、1325によって示されるものとなる。
ここで、CN1320からの新たなフローに必要となるQoSレベルが、CN1318に関連するフローが必要とするQoSレベルより小さいと仮定する。この場合、負荷バランスを維持するために、UE1313は、例えば、CN1318のフローをWiMAXインタフェース1313B(CN1318のフローにとっては好適なインタフェース)へ切り換えて、CN1320からの新たなフローをLTEインタフェース1313A経由で受け入れることを決定することが可能である。
なお、CN1320からの新たなフローにとって、LTEインタフェース1313Aは好適なインタフェースではない。しかしながら、負荷バランスの考慮及びフローのQoSレベルの差などを考慮して、UE1313はこのような決定を行ってもよい。なお、本明細書では説明しないが、UE1313がこれらのフローに関してQoSレベルの調整を行うことも可能である。CN1318のフローがWiMAXインタフェース1313Bへ切り換えられると、データメッセージはメッセージ1326に示されるようになり、CN1320に関連する新たなフローのデータメッセージは、メッセージ1327によって示されるようにLTEインタフェース1313A経由となる。
また、単にネットワークの接続状態から導かれる好適なインタフェースではなくUE1313内の独自の考慮により使用するインタフェースを選択した場合(UE1313から見て好適なインタフェース選択になっている)、必ずしも通信相手であるCN1320から見た場合の好適なインタフェース選択ではないかもしれない。このような場合に、CN1320が使用するインタフェースを変更したり(CN1320も複数インタフェースを使用できる場合)、UE1313に使用するインタフェースを変えるように働きかけたりするかもしれない。このような動作は必ずしも効率的ではないので、UE1313はこのような決定を行った旨をCN1320に通知することが望ましい場合がある(詳細な例は後述の実施例にも含まれる)。
<第6の実施の形態:UEの動作>
次に、本発明の第6の実施の形態として、UEが多数のCNと通信している場合に理想的なインタフェースを選択するために実行する方法について説明する。
本発明に係るUEの動作のポイントは、ネットワークエンティティから受信する情報だけではなく、UEが独立した決定処理を行ってCNとの通信に使用する理想的なインタフェースを選択することにある。
この理想的なインタフェースは、UEが接続されているアクセスネットワーク間での負荷バランスのレベルを下げずに、あるいは、UEにおける電力使用の質を低下させずに、経路最適化及び効率的なモビリティ管理を実現することを意味している。
本発明の第6の実施の形態においても、上述の第1の実施の形態で用いられる仮定が適用される。UEが理想的なインタフェースを使用する追加基準は、例えば、バッテリ電力消費などのUEの電力状態、接続しているアクセスネットワークの輻輳状態、さらには、CNに関連するフローのQoS要件などに基づくものである。
CN1に属するフロー1は、例えばVoIPなどのように、遅延やジッタを非常に低くする必要があるかもしれない。また、CN2に属する別のフロー2は、例えば非対話型(非インタラクティブ)のビデオオンデマンドなどのように、遅延に対してはある程度許容できるがジッタに関しては許容されないかもしれない。このような場合、UEはCN1のフローの経路最適化を犠牲にしたくはなく、一方、フロー2の経路最適化であれば、ある程度は犠牲にしてもよいかもしれない。
また、別の例では、UEの電力状態が低く、かつ、UEがCMIPv6インタフェースを使用してCNと通信を行うべきであることがネットワークエンティティから通知された場合には、UEは、追加のシグナリングやCMIPv6に関連したシグナリングによる電力消費を抑えるために、CNのフローに関して厳しい要件がない場合にはネットワークによる指示に従わないかもしれない(例えば、非対話型のビデオオンデマンドのフローはある程度の遅延が許容可能である)。
また、別の例では、CNが内部ドメインに存在し、かつ、ネットワークエンティティによって埋め込まれたマークから3Gインタフェースを使用した方がよいとUEが推定した場合には、UEは、3Gアクセスネットワークのトラフィック状態に基づいてWiMAXインタフェースを選択し、CMIPv6シグナリングを実行するかもしれない。UEによるこうした決定は、例えば、3Gアクセスネットワークが輻輳しているという情報があり、UEがCNのフローに関して厳しい要件がない場合(遅延に関しては許容できないが、ジッタはある程度許容されるようなフローの場合)などに行われる。この場合には、UEは、より良い負荷バランスを実現するために、ネットワークから提供される情報に単純に基づいて選択されるインタフェースとは異なるインタフェースを選択することになる。
また、UEは理想的なインタフェースを決定する際に、負荷バランスの問題と共に電力状態を考慮する場合もある。このように、理想的なインタフェースを選択する際に複数のパラメータを使用する場合には、理想的なインタフェースを決定する際のパラメータに重み付けが行われてもよい。CNのフローがROを必要としているか、あるいは、どのアクセス媒体が望ましいかなどのCNの要件に関する情報をUEが保持している場合には、UEは、各CNに優先度を与え、各CNに対して適切にインタフェースの割り当てを行う必要がある。
例えば、UEが6つのCNと通信しており、単にRO及び効率的なモビリティ管理を得ようとしているのであれば、ネットワークは、3つのCNがWiMAXインタフェースを用いて通信を行い、他の3つのCNが3Gインタフェースを通じて通信を行う必要があると判断する。ここで、電力状態が低い(使用可能な電力が少ない)とUEが判断した場合、UEは、あるCNをPMIPv6メカニズムへ切り換えて、WiMAX経由のシグナリングを低減させる必要が生じるかもしれない。
WiMAXインタフェースを通じて通信を行うと判断された3つのCNの中からどのCNを3Gインタフェースに切り換えるべきかを決定するために、UEは、WiMAXインタフェースを使用している各CNのフローに関連するQoS要件をチェックする必要がある。そして、UEは、どのCNがハンドオフによる遅延がクリティカルとなるフローを有しているかに関して、WiMAXインタフェースを使用している3つのフローのチェックを行う。このとき、UEは、各CNのフローに優先度を付けることができるのであれば、PMIPv6モビリティ管理メカニズムを使用するインタフェース又は3Gインタフェースへ、要件の厳しくないフローを単に移すだけでよい。このように、CNに関するインタフェースの選択は、多数の条件(ネットワーク情報、UEの電力状態、負荷バランス状態、UEが通信している他のCNなど)に基づいて行われてもよい。
次に、図4に示すフローチャートを参照しながら、UEの動作の一例について説明する。最初のステップS400において、UEは、UEが通信しているCNがROを必要としているかどうかを判断する。この判断を行うためには、例えばQoS要件が参照される。
ステップS400においてCNがROを必要していると判断された場合には、後述するステップS402に進む。
一方、ステップS400においてCNがROを必要としていないと判断された場合には、ステップS401に示すように通常の動作が実行される。ステップS401における通常の動作は、UEがROに適切なインタフェースに関して考慮しないことを示している。
ステップS402では、UEは、最初の要求メッセージにホームアドレスを挿入してP−GWへ送信し、すべてのCNの探知(監視)を要求する。このP−GWによる探知は、どのインタフェース経由でCNのパケットがP−GWへ届くかを特定することを示している。すなわち、P−GWは、CNのパケットがイングレスインタフェース又はイグレスインタフェースのどちらから届くかを特定する。CNのパケットがイングレスインタフェースを経由して届く場合には、CNが外部ドメインに存在していることを意味し、CNのパケットがイグレスインタフェースを経由して届く場合には、CNがUEと同一のドメインに存在していることを意味している。なお、上述のステップS402に関連した探知要求において、UEがHoA(あるいはCoA)又はCNのアドレスを提供するが可能である。
ステップS402の処理後、ステップS403における制御処理が行われる。ステップS403では、P−GWから新たな通知(例えば、CNが同一ドメインに存在しているという通知)を受信するかどうかのチェックが行われる。この通知は、様々な形式によって可能であるが、こうした様々な形式に関しては後で例示する。この通知によって、CNとのROがPMIPv6モード又はCMIPv6モードを利用して実現されたほうがよいかどうかに関する重要な情報が送られる。
ステップS403において、P−GWから新たな通知を受信しない場合には、ステップS404において、P−GWからの標準シグナリングメッセージの処理などの通常の動作が行われる。
一方、ステップS403で新たな通知を受信した場合には、ステップS405の処理が行われる。このステップ405では、以下に説明するいくつかの詳細な方法を行うことが可能である。ステップS405では、UEがCNと通信するための適切なインタフェースに関する情報を取得し、さらに、UEにおけるローカルポリシを適用して適切なインタフェースを決定する処理が行われる。
ここで、ステップS405に関連した詳細な方法についていくつか説明する。なお、ステップS405で採用可能な方法は、以下に説明するいくつかの方法に限定されるものではない。
このステップS405では、例えば、UEが、ネットワークによって特定(指定)されたインタフェースに基づいて、ROを必要とするCNを分類することが可能である。例えば、3Gインタフェースが適切であることがネットワークから通知されると、3Gインタフェースに対して設定されているカウンタを1つ以上増加する。こうした分類の後、UEは、理想的なインタフェースに関するネットワークからの情報によってアクセスネットワーク間の負荷バランスが影響を受けるかどうかの特定を試みる。負荷バランスが影響を受ける場合には、UEは、ネットワーク側から提示されたインタフェースとは異なるインタフェースの決定を行う必要があるかもしれない。
UEは、多くのポリシを適用したうえで、理想的なインタフェースに関するネットワークからの情報に従おうとするが、もし、UEがネットワークからの情報に従うことができないのであれば、UEは、ネットワークによって特定されたインタフェースの選択を行わない。
また、ROが必要なCNすべてが非常に高いQoS要件を有している場合には、UEは、ネットワークによって特定されたインタフェースとは異なるインタフェースを選択することはできないかもしれない。このような場合、ROを必要としない何らかのCN(例えばレガシのCN)が存在するのであれば、ROを必要としないCNを利用して負荷バランス条件を調整し、ROを必要とするCNに関してネットワークによって特定されたインタフェースに従うようにする。なお、レガシのCNやROを必要としないCNが得られない場合には、UEはネットワークによって特定されたインタフェースに従わない決定を行うかもしれない。
また、レガシのCNが存在しない場合やROを必要としないCNが存在せず、かつ、ROを必要とするCNに関するQoS要件がそれぞれ異なっているような場合には、UEは、あまりQoSを必要としないCNを別のインタフェースへ移して、ネットワークによって特定されるインタフェースに従う必要がある。
以上のように、負荷バランス条件がより重要であり、CNを移すことができないとUEが決定した場合には、UEは、ネットワークによって提案されたインタフェースとは異なるインタフェースを選択することが可能である。このように負荷バランスに関連した問題を考慮した後、さらに、追加のチェックが実行される。例えば、UEの電力状態が評価される。
UEは、負荷バランスの問題を評価することで行われた決定がUEの電力状態に影響を及ぼすかどうかをチェックする。UEの電力状態に影響を及ぼさないのであれば、その前までに選択されたインタフェース(すなわち、ネットワークによって特定された情報、及び、負荷バランスを考慮して選択されたインタフェース)が使用されることになる。
一方、UEの電力状態に影響を及ぼすのであれば、UEは、1つ又はいくつかのCNを3Gインタフェースへ移すとともに、ネットワークによって特定されたものに関してはCMIPv6インタフェースを使用するように試みる。このようなインタフェースの移し変えを行うことができない場合には、UEは、電力の問題を満足するようにインタフェースを選択することになる。なお、電力状態及び負荷バランスの両方が考慮される場合には、これらの処理(これらのパラメータ)に重み付けが行われてもよい。
<第7の実施の形態:MAG間ROが存在する場合の本発明の動作及び効果>
本発明の第7の実施の形態では、MAG間ROが存在する場合の本発明の動作及び効果、CNが堅固な特性(rigid characteristics:すなわち、状態を柔軟には変えられない特性)を持つ場合の本発明の動作及び効果について説明する。
以下、図5Aを参照しながら、本発明の第7の実施の形態について説明する。図5Aは、MAG間ROが存在する場合の動作を示しており、図5Bは、CNが堅固なモビリティ管理モードを有しておりモード変更不可能な場合の動作を示している。
まず、図5Aについて説明する。図5Aでは、UE504は、例えば3Gインタフェース及びWiMAXインタフェースなどの2つのインタフェースを有しており、それぞれアクセスネットワーク503及びアクセスネットワーク502を介してEPC500へ接続されている。なお、UE504に関する仮定は上述の本発明の第1の実施の形態で説明したものと同様であり、説明を省略する。基本的に、UE504は3Gインタフェース経由でPMIPv6メカニズムを使用し、WiMAXインタフェース経由でCMIPv6メカニズムを使用している。
また、P−GW511がUE504のホームエージェントであり、ドメイン500がUE504のホームドメインであるとする。また、UEはCN513との間でデータ通信を行っているとする。また、CN513はPMIPv6メカニズムを使用しており、CN513のホームドメインはドメイン500又は別のドメインであってもよいとする。さらに、ドメイン500にはMAG間RO(例えば、S−GW508とAGW510との間のRO)が存在しているとする。なお、シグナリング514は、例えば、P−GW511によってMAG間ROが確立可能であることを示している。すなわち、シグナリング514に示されるようなクエリを使用して、トンネル512の設立が必要なMAG間が特定される。CN513が別のホームドメインに属している場合には、P−GW511は、別のP−GWと相互作用して、AGW510(すなわちMAG)を特定する必要がある。また、MAG間ROは、RRを用いることによって、P−GW511の関与を受けずに、確立することができる。
MAG間トンネル512が設立される前は、データパケットがP−GW511経由で発送されると仮定すると、CN513がUE504へ最初のデータパケットを送信した場合、そのデータパケットは、P−GW511のイングレスインタフェース経由でUE504へ到達する。この場合、P−GW511は、MAG間ROが存在していることを把握しており(P−GW511がMAG間ROの確立を援助すると仮定する)、トンネルパケットにはマークを付けない。データパケットにマークが付けられていないことから、UE504は、本発明の動作に従って、3Gインタフェースを使用してCN513との通信を行う。なお、3Gインタフェースは、MAG間ROが存在する場合に理想的なインタフェースである。
一方、P−GW511がMAG間ROを援助しない場合には、最初のデータパケットは、P−GW511を経由せずにMAG間で伝送されるかもしれず、その結果、P−GW511はマークを付けることができない。このような場合であっても、最初のデータパケットにマークが付けられていないことから、UEは、CN513と通信を行うために理想的なインタフェース(すなわち、3Gインタフェース)を選択することが可能である。
なお、ここでは、P−GW511の動作は、上述した実施の形態で説明したものと異なっていることが重要である。
次に、図5Bについて説明する。ここでは、上述の図5Aと同様の仮定を行うが、CN526のホームドメインがホームドメイン515であると仮定する。また、CN526のモビリティはPMIPv6メカニズムによって管理され、このモビリティ管理モードが静的であるとする。
図5B中のメッセージ556は、CN526からUE516へ送信される最初のデータパケットを示している。このメッセージ556は、P−GW522経由でトンネルされる。P−GW522はCN526がPMIPv6メカニズムを使用していることを特定し、さらに、CN526へ割り当てられた静的モビリティモードに関する情報を保持しているかもしれないことを特定する。このような場合には、データパケットがP−GW522のイングレスインタフェース経由で伝送されるとしても、P−GW522はデータパケットにマークを付けない。
UE516は、メッセージ556のデータパケットを受信したとき、データパケットに明示的に付けられているマーク、あるいは、明示的に通知されるマークを確認することはない。したがって、UE516は、PMIPv6メカニズム、すなわち3Gインタフェースを使用する。CN526はCMIPv6モードへ切り換えることができないので、UE516に対してCMIPv6インタフェースを使用することはない。したがって、本発明の動作によって実現される理想的なパスは図5Bのメッセージ527によって示されるものとなる。
また、P−GW522はCN526がモビリティ管理モードを切り換えることができないという情報をUE516へ提供してもよい。これによって、UE516が、CN526に対してモビリティ管理モードの切り換えを要求しないようにすることが可能となる。
<第8の実施の形態:UEの機能アーキテクチャ>
本発明の第8の実施の形態では、本発明を実行するUEの機能アーキテクチャの一例について説明する。図6には、本発明を実現するために必要なMIPv6機能を有するUEの機能アーキテクチャ600の一例が図示されている。
図6に図示されている機能アーキテクチャ600は、下位レイヤプロトコルモジュール608、レイヤ3プロトコルモジュール602、上位レイヤプロトコルモジュール601の3つの主要な機能モジュールを有している。
下位レイヤプロトコルモジュール608は、UEのインタフェースに直接関連する複数の下位レイヤプロトコルモジュールを有している。例えば、UEがn個のインタフェースを有している場合には、下位レイヤプロトコルモジュールも同一の個数nだけ存在する。この下位レイヤプロトコルモジュール608には、信号変調、エンコード圧縮、メディアアクセス制御、リンクレイヤ制御などのメカニズムなどを始めとする基本的なデータ通信に必要な機能、及び、UEの複数インタフェース(マルチインタフェース)に必要な機能などを始めとする物理層及びデータリンク層全体の機能が実装されている。
この下位レイヤプロトコルモジュール608は、さらに、下位レイヤシグナル受信部607を有している。下位レイヤシグナル受信部607は、本発明に係る主要な信号処理をサポートしており、例えば、S−GW(あるいはP−GW)から受信したマークを受け取る受信機能を有している。例えば、第1の実施の形態で説明したマークに関してP−GWからS−GWへ通知が行われた場合、S−GWは、L2の方法を利用して、UEへその情報を渡すことが可能である。このマークの情報は、L2トンネルでデータパケットをカプセル化し、L2トンネルにマークを挿入することによって送信可能である。なお、PMIPv6メカニズムを使用するインタフェースへ接続されているS−GWがUEへの最初のホップのルータである場合には、単純なL2シグナリングを使用してマークの情報がUEへ送信されてもよい。
下位レイヤシグナル受信部607はL2信号を受信し、シグナリングインタフェース606によって、レイヤ3プロトコルモジュール602へ必要な情報を渡すことが可能である。レイヤ3へ渡された情報には、マークをP−GWから受信したかどうかを示す情報が含まれている。例えば、このマークの情報は、インタフェースの選択を行うMN処理部(インタフェース選択に関するMN処理部603)であるL3サブモジュールへ送信される。
機能アーキテクチャ600の中間層は、図6中のレイヤ3プロトコルモジュール602である。レイヤ3プロトコルモジュール602は、例えば、IPv6ルーティング部605、MIPv6モビリティ管理部604、MNインタフェース選択に関するMN処理部603、マルチインタフェースCNとのROに関するMN処理部615、CNデータベース614を有している。
IPv6ルーティング部605はシグナリングインタフェース609によって、MIPv6モビリティ管理部604はシグナリングインタフェース610によって、インタフェース選択に関するMN処理部603へ接続されている。さらに、IPv6ルーティング部605はシグナリングインタフェース611によって、MIPv6モビリティ管理部604はシグナリングインタフェース612によって、下位レイヤプロトコルモジュール608へ接続されている。また、インタフェース選択に関するMN処理部603はインタフェース613によってCNデータベース614へ接続されている。
IPv6ルーティング部605の主要な機能は、パケットの発送、アドレス構成、近隣探索などである。MIPv6モビリティ管理部604は、単一又は複数のインタフェースに関して、モバイルノードのモビリティ管理を行うことが可能であり、MoNAMI6タイプのバインディングの処理を行うことも可能である。MIPv6モビリティ管理部604は、P−GWから送信されたマークを特定し(例えば、UEのWiMAXインタフェースへマークが直接送信された場合)、インタフェース選択に関するMN処理部603へ通知する。この情報に基づいて、インタフェース選択に関するMN処理部603は、ネットワークによって選択されたインタフェースを把握する。
なお、P−GWは、トンネルにマークを挿入し、WiMAXインタフェースへデータパケットをトンネルしてもよい。例えば、ICMPv6メッセージなどのL3メッセージ(明示的なメッセージであり、データパケットとは関連していないメッセージ)を用いてS−GW又はP−GWからUEへ直接マークが送信された場合には、IPv6ルーティング部605がマーク又はそのメッセージをインタフェース選択に関するMN処理部603へ渡す。また、マークが新たなオプションを有するモビリティヘッダメッセージやモビリティヘッダによって送信された場合も、MIPv6モビリティ管理部604で処理されてから、同様にインタフェース選択に関するMN処理部603へ送られる。なお、インタフェースを選択する際に行われるUEの詳細な動作について説明したように、UEは多くの基準を利用して理想的なインタフェース(正しいインタフェース)の選択を行う。
インタフェース選択に関するMN処理部603が行う主要な決定処理のいくつかは、マークが存在しているかどうかをUEがチェックする処理に関連している。インタフェース選択に関するMN処理部603は、UEのホームアドレスあてのパケットにマークが存在していない場合は、ネットワークによって3Gインタフェースが特定(指定)されていることを把握し、一方、マークが存在している場合には、ネットワークによってWiMAXインタフェースが特定(指定)されていることを把握する。
また、マークがデータパケットに埋め込まれずに独立したメッセージとして送信される場合には、このメッセージはCNに関連するパラメータを有する必要がある。なお、メッセージ形式の詳細に関しては後述する。ネットワークによって指定されたインタフェースが特定されると、インタフェース選択に関するMN処理部603は、CNデータベース614を使用してもよい。
また、CNデータベース614は、CNに関連する異なるすべてのQoSパラメータを有している。CNデータベース614は、例えば、QoS要件に基づいてCN又はフローの優先度を分離できる情報を有していてもよい。
また、マルチインタフェースCNとのROに関するMN処理部615は、複数インタフェースのCNとの間におけるRO処理を行う機能を有している。このマルチインタフェースCNとのROに関するMN処理部615は、複数インタフェースのCNと通信を行う際に必要となる追加のシグナリングの処理のみを行う。マルチインタフェースCNとのROに関するMN処理部615は、主に、どのエンティティがCNへネットワーク状態を通知するかを交渉する機能を有している。マルチインタフェースCNとのROに関するMN処理部615は、特定のインタフェースの使用をUEが複数インタフェースのCNに対して要求するシグナリングを行う機能を有しており、また、選択されたインタフェース、ネットワーク情報、CNに対して特定のインタフェースの使用の要求などを、例えば、単一のシグナリングメッセージを用いて送信する機能を有している。
なお、図6に図示されているUEに実装された機能は一例であり、本発明の範囲を逸脱しない別の機能実装方法が存在し得ることは当業者にとって明らかである。
<第9の実施の形態:LMA/P−GWのアーキテクチャ>
本発明の第9の実施の形態では、本発明を実行するP−GW(あるいはLMA/HA)の機能アーキテクチャの一例について説明する。図7には、本発明を実現するために必要なMIPv6機能を有するP−GWの機能アーキテクチャ700の一例が図示されている。
図7に図示されている機能アーキテクチャ700は、下位レイヤプロトコルモジュール706、レイヤ3プロトコルモジュール701を有している。
下位レイヤプロトコルモジュール706は、すべてのデータリンクレイヤに関する機能や帯域幅レベルに関する機能を有している。
また、レイヤ3プロトコルモジュール701は、IPv6ルーティング部705、MIPv6モビリティ管理部704、経路最適化支援部703、PMIPv6モビリティ管理部702を有している。なお、図7ではこれらのモジュール間における適切なインタフェースは明示されていないが、こうしたインタフェースが存在しており、モジュール間でパラメータの受け渡しを行うことが可能である。
IPv6ルーティング部705は、例えば、基本的なルーティング、アドレス構成、近隣探索などの標準のIPv6メカニズムの機能を有している。
また、MIPv6モビリティ管理部704は、MoNAMI6機能を付加的にサポートするMIPv6ホームエージェントと同一の機能を実現する。MIPv6モビリティ管理部704は、例えば、CMIPv6バインディングアップデートの処理、バインディングアップデートに関するACK信号の送信、データパケットのトンネリング、バインディングキャッシュの維持などを行う。
また、PMIPv6モビリティ管理部702は、PMIPv6に関連する文献(非特許文献2など)に開示されている基本的なLMA機能を実装している。
また、経路最適化部703は、例えば、以下の機能を有している。経路最適化部703は、UEから送信される新たなメッセージを処理する機能を有している。この新たなメッセージは、ホームアドレスあてに送られてくるパケットやあるCN(あるいは、CNのグループ)から送られてくるパケットの探知(監視)を要求するためのものである。
また、経路最適化部703は、MAG間トンネルが存在しない場合やCNで静的なモビリティモードが構成されていない場合に、データパケットがイングレスインタフェース経由で発送されたかどうかを検出する機能を有している。
また、経路最適化部703は、独立したメッセージを用いてCNが同一ドメインに存在していることを示すマークを明示的にUEへ通知する機能、又は、MAG経由でデータパケットがトンネルされる場合やCNが同一ドメイン内に存在する場合にUEへトンネリングされるデータパケットにマークを挿入して暗示的に通知する機能を有している。
また、経路最適化部703は、MAG間ROが存在する場合やCNが静的なモビリティ管理モードである場合には、たとえ最初のデータパケットがP−GWのイングレスインタフェース経由で発送されていたとしても、マークを送信しないようにする機能を有している。
<第10の実施の形態:マークの挿入が可能なメッセージのタイプ>
本発明の第10の実施の形態では、上述の第1の実施の形態で説明したマークをUEに送信可能とする様々なメッセージについて説明する。
例えば、CNが同一ドメインに存在していることを示すマークは、明示的なメッセージによって、あるいは、データパケットに付加されて送信可能である。データパケットにマークが付加されて送信される場合には、付加的なシグナリング(すなわち、明示的なメッセージ)は不要になるという利点がある。しかしながら、追加情報が挿入されることでデータパケットが大きくなってしまうという問題もある。例えば、拡大されたデータパケットが経路上で破棄されたり断片化されたりするおそれが生じる。
P−GWは、マークの挿入が必要であることを検出した場合には、S−GWへトンネルされるデータパケットにマーク情報を添付することが可能である。マークは、例えば、追加拡張ヘッダとしてトンネルヘッダに挿入され、このパケットは、例えば図8に図示されているパケット814のようになる。
例えば、図3AのP−GW316Aは、UEのホームアドレスあての最初のパケットを取得する。PMIPv6バインディングがP−GWに存在していると仮定すると、データパケットは、PMIPv6バインディングを使用して作成されるS−GWとP−GWとの間のトンネルを用いて、S−GWへトンネリングされることになる。
このトンネリングされるデータパケットは、IPv6ヘッダ815、トンネルを有効にする認証ヘッダ816、トンネルエンドポイントが参照可能なあて先オプションヘッダ817を有している。なお、トンネルエンドポイントは、図3AのMAG又はS−GWを示している。また、トンネルヘッダに続いて、トンネルされるデータパケットが埋め込まれている。このデータパケットには、通常のIPv6ヘッダ818及びデータパケット819そのものが含まれている。
あて先オプションヘッダ817は、マークを示す新たなオプションを有している。このマークを受信したS−GWは、トンネルをデカプセル化した後、L2トンネリング又はE−UTRANで現在使用されているGTPタイプのトンネリングを使用して、内部データパケットをUEの3Gインタフェースへトンネルする必要がある。S−GWとUEとの間のトンネルによってこのマークを運ぶことが可能である。なお、当業者であれば、パケット814としてデータパケットを使用する際には、CNアドレスを含ませる必要がないことは明らかである。すなわち、CNアドレスはIPv6ヘッダ818に挿入されている。なお、CNアドレスは、ネットワークによって選択されたインタフェースがどのCNと関連付けられているかをUEが特定するために必要不可欠な情報である。
また、別の方法として、S−GWでデータパケットのデカプセル化を行った後、S−GWがL2ヘッダを使用して、アクセスに特有のメカニズムによってUEへデータパケットを送信することも可能である。例えば、UEが直接S−GW(MAG)へ接続されている場合には、こうしたパケット転送が起こり得る。
このL2ヘッダは、S−GWが特定したマークを伝送することが可能であり、例えば図8に示すフレーム807によって実現可能である。フレーム807は、マークに関する情報を運ぶ上述のL2メッセージのフレーム構造の一例である。フレーム807において、最初のフィールドは、フレームの開始を示すフラグフィールド800である。また次のフィールドは、メディアアクセス制御アドレス(MACアドレス)フィールド801である。このMACアドレスフィールド801には、L2ヘッダの送信元及びあて先アドレスが記載される。例えば、送信元アドレスはMAG(S−GW)のイングレスインタフェースのMACアドレスであり、あて先アドレスはUEのMACアドレスである。
続くフィールドは、使用される特定のタイプのフレームを識別するための制御フィールド802である。この制御フィールド802は、受信者がL2フレームを正しく処理するために必要不可欠である。基本的に、制御フィールド802によって、フレームのタイプ又はメッセージのタイプが特定される。
続くフィールドはプロトコルIDフィールド803であり、より高いレイヤで生み出されたパケットに関する値が記載される。また、続くフィールドは情報フィールド804であり、この情報フィールド804によってマークの情報が運ばれる。
フィールド804に続いて、フレームチェックシーケンスフィールド805が存在する。送信者及び受信者はフレームチェックシーケンスフィールド805の値を計算する。この値は、フレームが改ざん無く伝送されていることを確認するために使用される。そして、最後のフィールドは、フレームの区切り(基本的に、フレームの終わりを特定する)として使用されるフラグフィールド806である。なお、フレーム807の構造は一例であり、このフレーム807の構造とは異なる別のフレーム構造を用いて送信されてもよい。なお、L2ヘッダは、リンクレイヤ特有の構造を有しており、フレーム807は一般的な構造を利用したものである。
また、P−GWがマークを通知するための明示的なシグナリングを使用する場合には、メッセージ813、831、あるいは841が使用可能である。
UEに関連するあるCNに関してマークの通知が必要であるとP−GWが判断した場合、例えば、メッセージ813又はメッセージ831がS−GWへ直接送信されるシグナリングメッセージとして利用可能である。
メッセージ813は新たなモビリティ拡張ヘッダ810を有する新たなシグナリングメッセージである。新たなモビリティ拡張ヘッダ810にはマークを特定する情報が挿入される。さらに、UEがCNを特定することが可能なCN識別子(CNアドレス又はその他のCN識別情報)がCN識別子フィールド812によって運ばれる。
S−GWは、このメッセージ813を受信すると、ICMPv6制御メッセージ841を使用してUEへCN情報を送信する。このICMPv6制御メッセージ841には、メッセージにCN識別子が挿入される。この場合、新たなタイプのICMPv6制御メッセージが使用される必要があるかもしれない。また、P−GWは、メッセージ841のフォーマットのICMPv6制御メッセージをUEへ直接送信することも可能である。この場合、ICMPv6制御メッセージのあて先アドレスはUEのホームアドレスとなり、送信元アドレスはP−GWアドレスとなる。また、ICMPv6制御メッセージによってマークが通知されるが、このときマークが挿入されてもよく、あるいは、例えばCN識別子の存在がマークの通知を意味するよう定められてもよい。
また、明示的なメッセージを送信する別の方法として、PMIPv6タイプのメッセージフォーマットを使用したメッセージ831が送信されてもよい。しかしながら、この場合には、CNアドレスは、オプション836で示されるような新たなモビリティオプションを使用して埋め込まれる。S−GWがこの新たなモビリティオプション836の処理を行うとき、マークは潜在的に埋め込まれることを意味する(すなわち、新たなモビリティオプション836の存在がマークを意味する)。しかしながら、このメッセージ831はS−GWまでしか有効ではないので、UEへマークを伝送するためには別の独立したメッセージがUEへ送信される必要があり、S−GWからUEへのマークの通知は、例えば、上述したものが使用可能である。
また、CMIPv6バインディングがP−GWで利用可能であれば、別のタイプのメッセージを利用して、マークの通知が行われてもよい。これらのメッセージの一例は、図8のメッセージ851、825に図示されている。メッセージ851及び825は共に、明示的なメッセージのフォーマットの一例を示している。なお、本明細書における「明示的」とは、データパケットに挿入されずに、独立したメッセージによってマークが送信されることを意味している。
メッセージ851、825は両方共、UEの気付アドレスをあて先とする。また、マークは、BUモビリティ拡張ヘッダを使用して伝送される。メッセージ851では、CNアドレスは新たなモビリティオプション824によって伝送される。さらに、この新たなモビリティオプション824によってマークが特定される。
また、メッセージ825が使用される場合には、マークはフィールド829のフラグによって特定される。また、メッセージ825では、CN識別子は標準のモビリティオプション830に挿入される。なお、明示的にマークを有するメッセージがWiMAXインタフェースを利用するメッセージ841によって送信されてもよいことは明らかである。また、UEのホームアドレスをあて先とするCNのデータパケットはP−GWからUEの気付アドレスへ送信されてもよく、このトンネルヘッダが、パケット814と同様にマークの情報を運ぶあて先オプションヘッダを有していてもよい。
<第11の実施の形態:P−GWがプレフィックスリストを提供する別の方法>
本発明の第11の実施の形態では、本発明を実現するための別の方法について説明する。この別の方法は、主に、UEがCNの位置に関する情報を持っておらず、RO及びCNとの効率的なモビリティ管理を実現するために理想的なインタフェースを選択できない場合の問題を解決するために用いられる。この場合、UEは、CNが配置されているネットワークから提供される情報を用いることを決定して、理想的なインタフェースを選択する。
本発明の方法の一例は、上述のように、ネットワークが同一ドメインから届くパケットにマークを付けるものであるが、別の方法として、ドメインで所有されているプレフィックスをUEがP−GWから取得する方法を行うことも可能である。UEは、P−GWへ明示的に要求することで、これらのプレフィックスを取得することが可能である。P−GWから取得されたプレフィックスリストに基づいて、UEはCNアドレスプレフィックスをUEで参照可能な上記プレフィックスリストと比較する。CNのプレフィックスに関して一致するエントリが存在する場合には、UEは、CNが同一ドメインに存在していることを把握し、第1の実施の形態で説明されているように、CMIPv6インタフェース(あるいは、WiMAXインタフェース)を選択的に使用する。一方、CNのプレフィックスに関して一致するエントリが存在しない場合には、UEは、CNが外部ドメインに存在していることを把握し、PMIPv6インタフェース(あるいは、3Gインタフェース)を使用する。
上述の別の方法によれば、ネットワークエンティティにおいて、CNの位置を探知するための処理(CNからのパケットの監視)の負荷が軽減されるという利点がある。すなわち、CNの位置を探知するための処理のほとんどがUEによって行われる。この方法は、オペレータがネットワークエンティティの処理負荷を低減させようとした場合に有用であり、本発明に係る効果も実現可能である。
<第12の実施の形態:CNのP−GWがUEのP−GWを援助する別の方法>
次に、本発明の第12の実施の形態として、本発明を実現するための別の派生例について説明する。この別の派生例は、CNが外部ドメインに配置されている場合にのみ適用される。以下、CNが外部ドメインに配置されている図1Bを参照しながら、第12の実施の形態に係る派生例について説明する。
CNが外部ドメインであってそのホームドメインに存在する場合(例えば、ドメイン125がホームドメインである場合)、P−GW又はCNのホームモビリティアンカはデータパケット(CNのHoAからUEのHoAへ送信されるデータパケット)をUEのホームモビリティアンカ(P−GW121)へトンネルすることが可能である。このようなトンネルは、マークの必要性を判断するためにこのパケットを精査する必要があることを、P−GW121が把握できるように作成される。CNのP−GWは、CN122に関連するCNを探知(監視)する機能を有しており、これによって、CNのP−GWは、UEのHoAを特定して特別なトンネルを挿入する。
このトンネル(トンネルのソースはCNのP−GWであり、トンネルのあて先はUEのP−GWである)を監視することで、UEのP−GWは、格納情報を検索することなく、このパケットにマークをつける必要がないことを特定することが可能である。このように、CNのP−GWのサポートによって、UEのP−GWの処理負荷は低減される。一方、P−GW間で何らかのタイプの協働があるのであれば、さらに本発明に係る概念をサポートして、ネットワークエンティティの処理負荷を著しく低減させることが可能なメカニズムの実装が可能である。
<第13の実施の形態:CNも複数インタフェースを有する場合の拡張方法>
本発明の第13の実施の形態では、本発明が動作し得る様々なシナリオ、及び、本発明の様々な動作についても説明する。なお、本発明の第13の実施の形態で説明する様々なシナリオは、CNも複数インタフェースを有しており、本発明の第1の実施の形態に係る機能を実装し得る場合である。
以下、図9を参照しながら、本発明の第13の実施の形態に係るシナリオを説明する。UE905は2つのインタフェースを有しており、UE905の3GインタフェースはS−GW907に接続されており、WiMAXインタフェースはAGW908に接続されているとする。また、UE905の3GインタフェースのモビリティはPMIPv6メカニズムによって管理されており、UE905のWiMAXインタフェースのモビリティはCMIPv6メカニズムによって管理されているとする。さらに、P−GW915がホームモビリティアンカポイントであるか、あるいはUE905のHAであると仮定する。
また、UE905は、このCN906と通信を行っているとする。このCN906も複数インタフェース(3Gインタフェース及びWiMAXインタフェース)を有しており、CN906の3GインタフェースはS−GW909に接続されており、WiMAXインタフェースはAGW910に接続されているとする。また、図9のUE905及びCN906は両方共、同一ドメイン900に接続されているとする。さらに、CN906のホームエージェントはP−GW915であると仮定する。また、CN906は、本発明の機能として説明した、マークを要求する機能、マークを処理して理想的なインタフェースを選択する機能を有しているとする。
このような環境では、UE905及びUE906の両方が他のノードの探知(監視)を要求した場合には、無駄なシグナリングが発生する。すなわち、UE905がCN906の探知をP−GW911へ要求すると同時に、CN906がUE905の探知をP−GW911へ要求するような場合には、無駄なシグナリングが発生する。この場合には、任意のフローのピアであるノードの一方がこのような本発明に係るシグナリングを実行し、他のピアにその結果を渡すことが望ましい。
例えば、図9のUE905及びCN906の両方がRO及び効率的なモビリティ管理を行おうとしている場合に、UE905及びCN906は、まずどちらが理想的なインタフェースの探索を行うかを調整することが可能である。このような調整は、例えば、帯域シグナリング、帯域外シグナリング、手動構成などによって行われてもよい。
こうした調整の後(例えば、UE905がインタフェースの探索を行うと仮定する)、UE905は、上述の動作によって、ネットワークから通知されるマークから、CN906が同一ドメインに存在することを特定することが可能である。この場合には、両者共に同一ドメインに存在しており、CN906がCMIPv6インタフェースを使用すべきであるという最終的な通知をCN906に対して送信することが可能である。このようにUE905によって行われたシグナリングによって、CN906が理想的なインタフェースの選択処理を積極的に行わずに済み、CN906に関連する処理負荷やシグナリングは低減され得る。
また、UE905が、ネットワークによって特定されたインタフェースではなく、別のインタフェースを発見した場合には、UE905は、ネットワークが選択したインタフェース及びUEが選択したインタフェースの両方をCN906に対して提供してもよい。CN906がネットワークによって特定されたインタフェースの方がより安定するという情報を有している場合には、CN906は、自身のインタフェースを選択する際にネットワークによって特定されたインタフェースを選択し、そうでなければ、CN906は、UE905によって選択されたインタフェースに基づいたインタフェースの選択を行う。
ネットワークによって選択された情報を使用する場合、例えば、CN906は、CMIPv6インタフェースを使用する。一方、CN906は、UEによって選択されたインタフェースに基づいて、ネットワークによって特定されたインタフェースとは異なるインタフェースを選択する場合には、CN906は3Gインタフェースを使用してもよい。
また、CN906は、CN906によるインタフェースの決定結果によってUE905が影響を受けると予測した場合には、UE905に対してこのCN906によるインタフェースの決定結果を通知してもよい。
例えば、UE905がネットワークによって選択されたインタフェースに従わないインタフェースを選択した場合、UE905は、UE−CN通信に望ましいインタフェースの選択をCN906に対して要求する場合が考えられる。例えば、このトラフィックフローがジッタを許容しない場合には、ドメイン内のピアノードの移動の間に生じるシグナリングの遅延を低減させるために、UE905は、CN906もPMIPv6モードを使用することを望むとする。しかしながら、CN906は、何らかの条件に基づいて、MIPv6モードを使用するかもしれない。このように、UE905が、CN906がどちらのインタフェースを使用すべきか(どちらがUE905にとって望ましいか)を示すプレファレンスを通知し、CN906は、その申し出(UE905のプレファレンス)を受け入れるかどうかを判断することが可能である。
<第14の実施の形態:複数インタフェースのUEと複数インタフェースのCNがインタフェースを選択する際にネットワークによって提供された情報に従う例>
本発明の第14の実施の形態では、複数インタフェースのUE及び複数インタフェースのCNによる調整方法、相互に通信を行うための理想的なインタフェースの決定方法について説明する。
UE及びCNの両方が、ネットワークによって提供される情報にのみ基づいて、UE−CN通信のインタフェースを決定する場合が考えられる。以下、図10Aに示すメッセージシーケンスチャートを参照しながら、この動作について説明する。
UE1000A及びCN1008Aが同一管理ドメインに配置されており、相互にデータ通信を行おうとしていると仮定する。また、このピアノードは両方共、相互の通信に関連してRO及び効率的なモビリティ管理を実現するために、互いのルーティングトポロジ上の位置の特定、及び、理想的なインタフェースの使用を望んでいると仮定する。
UE1000Aは、例えば、LTEインタフェース1001A及びWiMAXインタフェース1002Aの2つのインタフェースを有しているとする。UE1000AのLTEインタフェース1001AはS−GW1003Aに接続されており、WiMAXインタフェース1002AはAGW1004Aに接続されているとする。また、P−GW1005Aは、UE1000Aに関するバインディング登録を有しているとする。
また、CN1008Aは、例えば、LTEインタフェース1009A及びWiMAXインタフェース1010Aの2つのインタフェースを有しているとする。CN1008AのLTEインタフェース1009Aは、S−GW1006Aに接続されており、WiMAXインタフェース1010AはAGW1007Aに接続されているとする。また、P−GW1005AはCN1008Aに関するバインディング登録を有しているとする。
また、UE1000A及びCN1008Aの両方のLTEインタフェース(LTEインタフェース1001A、1009A)のモビリティは、PMIPv6メカニズムによって管理されており、UE1000A及びCN1008Aの両方のWiMAXインタフェース(WiMAXインタフェース1002A、1010A)のモビリティはCMIPv6メカニズムによって管理されているとする。
ここで、UE1000A及びCN1008Aが、ROに関する理想的なインタフェースをどのエンティティが特定するかに関して、相互に調整を行う方法について説明する。このような交渉は、多数のノードがそれぞれ独立して探索を行ってしまわないようにすることできるという点で有用である。また、特にグループ通信(CNのグループが通信を行うような場合)において、通信ノード間で交渉を行うことは有用である。
このような交渉は、図10Aのメッセージ1011Aに示されている。例えば、UE1000Aは、UE1000Aが通信に関する理想的なインタフェースを特定することを、メッセージ1011AによってCN1008Aに通知する。CN1008Aは、このメッセージ1011Aを受信した場合には、UE1000Aに関する情報をP−GW1005Aに要求しない。このような交渉メッセージ1011Aによって、多数のシグナリングが節約されるようになる。
さらに、UE1000Aが、CN1008Aに関する情報を提供するようP−GW1005Aに要求したとする。P−GW1005Aは、CN1008Aが同一ドメインに存在していることをマークによってUE1000Aへ通知する。さらに、CN1008AのどのインタフェースでP−GW1005Aにパケットが届いたかに関しても通知する。なお、P−GW1005Aは、CN1008のパケットがCNのPMIPv6インタフェースか届いたかどうかを容易に特定することが可能である(例えば、PMIPv6パケットがMAG経由でトンネルされてくる)。
CN1008Aに関する情報は、メッセージ1012AによってUE1000Aに提供される。UE1000Aは、このメッセージ1012Aを受信すると、どのインタフェースを選択すべきかに関する決定処理を開始する。ここで、UE1000Aがネットワークから通知されたインタフェースに従うと決定し、WiMAXインタフェース1002Bを用いてCN1008Aと通信を行うことを決定したと仮定する。しかしながら、UE1000AはCN1008AのWiMAXアクセスに関しては何も把握していない。UE1000AとCN1008Aとの間で完全なROを実現するためには、両方のエンティティが、CMIPv6モードで用いられるWiMAXインタフェースを使用する必要がある。したがって、UE1000Aは、メッセージ1013によって、CMIPv6を有しているのであれば使用するようCN1008Aに要求する。なお、メッセージ1013によって、UE1000A及びCN1008Aは両方共、同一ドメインに存在していることを通知することも可能である。
メッセージ1013に対して否定の応答がない場合には、CN1008AはWiMAXインタフェース1010Aの使用を決定したと考えられる。一方、CN1008AがWiMAXインタフェースは使用しないことを決定した場合(あるいは、CN1008AがCMIPv6インタフェースを有していない場合)には、何らかの否定の応答がCN1008AからUE1000Aへ送信されることが望ましい。UE100A及びCN1008Aが両方共WiMAXインタフェースを使用した場合には、メッセージ1014に示される経路最適化のパスを通じて双方向データ通信が行われるようになる。
<第15の実施の形態:複数インタフェースのUEがネットワークによって提供される情報に従おうとするが、CNは従わず、その結果、UEがインタフェースの選択を再考する例>
本発明の第15の実施の形態では、複数インタフェースのCNと通信を行うために複数インタフェースのUEが実行するインタフェース選択が、結果的にCNによるインタフェース選択に基づいて行われる場合について説明する。以下、図10Bに示すメッセージシーケンスチャートを参照しながら、この動作について説明する。
ここでは、UE1000B及びCN1008Bの両方が同一の管理ドメインに存在しているとする。また、UE1000B及びCN1008Bの両方が、それぞれ両方のインタフェースを介してネットワークに接続されているとする。UE1000BのLTEインタフェース1001Bは、S−GW1003Bに接続されており、LTEインタフェース1001BのモビリティはPMIPv6メカニズムによって管理されているとする。また、UE1000BのWiMAXインタフェース1002Bは、AGW1004Bに接続されており、そのモビリティはCMIPv6メカニズムによって管理されているとする。
同様に、CN1008BのLTEインタフェース1009BはS−GW1006Bに接続されており、そのモビリティはPMIPv6メカニズムによって管理されているとする。さらに、CN1008BのWiMAXインタフェース1010Bは、AGW1007Bに接続されており、そのモビリティはCMIPv6メカニズムによって管理されているとする。また、上述の第14の実施の形態と同様、P−GW1005BはUE1000B及びCN1008Bの両方のモビリティアンカポイントであるとする。
例えば、UE1000Bは、UE1000Bが通信に関する理想的なインタフェースを特定することを、メッセージ1015BによってCN1008Aに通知する。すなわち、UE1000Bが最適化された通信を行うために適切なインタフェースに関する情報をCN1008Bへ通知することをCN1008Bに対して通知する。
一方、上述の第14の実施の形態で説明したように、P−GW1005Bはメッセージ1016Bによって、CNの位置(同一ドメインか否か)及びCNによって使用されているインタフェース(PMIPv6インタフェース又はCMIPv6インタフェース)をUE1000Bに対して通知すると仮定する。さらに、UE1000Bがネットワークによって提供された情報に従うことを決定し、CN1008Bが同一ドメインに存在することからWiMAXインタフェースを使用することを決定したと仮定する。
UE1000Bは、このインタフェース選択を行った後、メッセージ1017BをCN1008Bへ送信して、CMIPv6インタフェース(すなわち、WiMAXインタフェース1002B)を使用することをCN1008Bに通知する。なお、P−GW1005Bは、CN1008Bも複数インタフェースを有していることをUE1000Bに通知したとする。
しかしながら、この実施の形態では、CN1008Bが、例えばCMIPv6インタフェースを使用しないことを決定すると仮定する。このような場合、CN1008BはUEに対してシグナリングメッセージ1018Bを返送し、PMIPv6メカニズムによって管理されているOMIPv6インタフェース(LTEインタフェース1009B)の使用を通知する。
UE1000Bは、このメッセージ1018Bを受信すると、WiMAXインタフェース1002Bを使用するかどうかを決定し、CMIPv6シグナリングを行うか、あるいは、決定を再度考慮する。
CN1008Bが異なる決定を下したので、UE1000Bは、CN1008Bからの通知に従ってCN1008Bとの通信にLTEインタフェース1001Bを使用し、電力の節約を行うことを決定する。この場合、UE−CN通信のデータパスはメッセージ1019Bによって示されるように、LTEインタフェース1001BとLTEインタフェース1009Bとを用いた双方向データ通信となる。
ここでは、両方のピアノードが同一ドメイン内に存在していたとしても、両方共LTEインタフェースを使用することを決定したことが重要である。なお、この第15の実施の形態に示すシグナリングメッセージはデータメッセージに関連する帯域内シグナリングであってもよく、データメッセージと関連しない帯域外シグナリングであってもよい。また、こうしたメッセージは、任意の方法によって送信可能である。
<第16の実施の形態:複数インタフェースのUEが適切なインタフェースに関してネットワークから提供された情報に従わず、UE選択及びネットワーク情報の両方をCNへ提供する例>
本発明の第16の実施の形態では、複数インタフェースのUEが複数インタフェースのCNと通信を行うためのインタフェース選択処理を各UEの選択基準に基づいて行うが、UEは、ネットワークによって特定された実際の状態情報、及び、UEによって決定されたインタフェースをCNに通知する。この通知情報に基づいて、CNは適切なインタフェースに関する決定を行うことができる。以下、図11Aに示すメッセージシーケンスチャートを参照しながら、この動作について説明する。
ここで、UE1100A及びCN1108Aの両方が同一の管理ドメインに存在しているとする。また、UE1100A及びCN1108Aの両方が、それぞれ両方のインタフェースを介してネットワークに接続されているとする。UE1100AのLTEインタフェース1101AはS−GW1103Aに接続されており、LTEインタフェースのモビリティはPMIPv6メカニズムによって管理されているとする。また、WiMAXインタフェース1102AはAGW1104Aに接続されており、そのモビリティはCMIPv6メカニズムによって管理されている。
また同様に、CN1108AのLTEインタフェース1109AはS−GW1106Aに接続されており、そのモビリティはPMIPv6メカニズムによって管理されているとする。さらに、CN1108AのWiMAXインタフェース1110AはAGW1107Aに接続されており、そのモビリティはCMIPv6メカニズムによって管理されているとする。また、上述の第14及び第15の実施の形態のように、P−GW1105AはUE1100A及びCN1108Aの両方のモビリティアンカポイントであると仮定する。
UE1100Aはメッセージ1111AをCN1108Aへ送信し、どちらのエンティティが適切なインタフェースを特定するかに関して交渉を行う。このメッセージ1111Aは、上述の第14及び第15の実施の形態で詳細に説明したものと同一である。
P−GW1105Aはメッセージ1112Aによって、CN1108AがUE1100Aと同一のドメインに存在していることをUE1100Aへ通知する。しかしながら、UE1100Aは、CN1108Aが同一ドメインに存在しているにもかかわらず、LTEインタフェース1101Aを使用することを決定したとする。このとき、UE1100Aは、メッセージ1113Aによって、ネットワークによって提供された情報やUE1100Aによって選択されたインタフェースの情報などをCN1108Aへ提供する。
UE1100Aが上記の情報をCN1108Aに提供することによって、CN1108Aは実際のネットワーク状態(すなわち、UE1100Aの配置場所における状態)、及び、UE1100Aが従う状態(すなわち、UEによって選択されたインタフェース)を把握することが可能となる。
CN1108Aは、ネットワーク状態(ネットワークから提供された情報)に従うことを望んでいる場合もあり、また、UE1100A決定パターンに従うことを望んでいる場合もある。また、適切なインタフェースに関するUE1100Aの決定結果が変動し続けるような場合には、CN1108Aは、インタフェースを選択する際に実際のネットワーク状態に従うことによって、インタフェース選択に関連する処理負荷を低減させることを望むかもしれない。しかしながら、CN1108Aが、フローの性能に関してUE1100Aの状態を把握することが不可欠であると判断した場合には、CN1108Aは、適切なインタフェースを決定するためにUE1100Aの状態情報を必要とする。したがって、CN1108Aはネットワーク状態及びUE1100Aが選択した結果の両方の状態を把握する必要があり、これらの情報に基づいてインタフェースの選択を行うことが可能となる。
さらに、CN1108Aは、適切なインタフェースに関する決定を行うと、メッセージ1114Aによってその決定をUE1100Aへ通知する。なお、CN1108Aによって決定されたインタフェースを把握することによって、UE1100Aが、インタフェースの選択をさらに再調整できることが重要である。例えば、CN1108AがPMIPv6インタフェースを使用することを決定して、メッセージ1114AによりUE1100Aへ通知し、UE1100Aはその決定を適切であると判断して、その決定に従うという動作が可能となる。
<第17の実施の形態:複数インタフェースのUEは、適切なインタフェースに関してネットワークから提供された情報に従わないが、UEによる選択及びネットワーク情報の両方をCNへ提供し、さらにそのプレファレンスをCNへ通知する例>
本発明の第17の実施の形態においても、複数インタフェースのUEが複数インタフェースのCNと通信を行うためのインタフェース選択が、各UEの選択基準に基づいて行われる場合について説明する。ただし、UEは、ネットワークによって提供された実際の状態情報と共に、UEが決定したインタフェース、さらにはUEのプレファレンス(CNによって選択されることが望ましいインタフェース)をCNへ提供し、その結果、CNがUEにとって適切なインタフェースを選択できるようにする。以下、図11Bに示すメッセージシーケンスチャートを参照しながら、この動作について説明する。
ここでは、UE1100B及びCN1108Bの両方が同一の管理ドメインに存在しているとする。また、UE1100B及びCN1108Bの両方が、それぞれ両方のインタフェースを介してネットワークに接続されているとする。UE1100BのLTEインタフェース1101Bは、S−GW1103Bに接続されており、LTEインタフェース1101BのモビリティはPMIPv6メカニズムによって管理されているとする。また、UE1101BのWiMAXインタフェース1102Bは、AGW1104Bに接続されており、そのモビリティはCMIPv6メカニズムによって管理されているとする。
同様に、CN1108BのLTEインタフェース1109BはS−GW1106Bに接続されており、そのモビリティはPMIPv6メカニズムによって管理されているとする。さらに、CN1108BのWiMAXインタフェース1110Bは、AGW1107Bに接続されており、そのモビリティはCMIPv6メカニズムによって管理されているとする。また、上述の第14〜第16の実施の形態のように、P−GW1105BはUE1100B及びCN1108Bの両方のモビリティアンカポイントであると仮定する。
UE1100Bはメッセージ1116BをCN1108Bに送信し、どちらのエンティティが適切なインタフェースを特定するかに関して交渉を行う。このメッセージ1116Bは、上述の第14〜第16の実施の形態で詳細に説明したものと同一である。
P−GW1105Bはメッセージ1117Bによって、CN1108BがUE1100Bと同一のドメインに存在していることをUE1100Bへ通知する。しかしながら、UE1100Bは、CN1108Bが同一ドメインに存在しているにもかかわらず、LTEインタフェース1101Bを使用することを決定したとする。このとき、UE1100Bは、メッセージ1118Bによって、ネットワークによって提供された情報やUEによって選択されたインタフェースの情報などに加えて、さらにCN1108Bが使用すべき好適なインタフェースを示すUE1100BのプレファレンスをCN1108Aへ提供する。
メッセージ1118Bは重要なトリガを伝送し、特定のインタフェースを使用するようCN1108Bへ要求するものである。特に、UE1100Bのプレファレンスによって、UE1100BがCN1108Bに使用してもらいたい特定のインタフェースが通知される。CN1108Bは、メッセージ1119Bによる特定のインタフェースの使用要求に従うか、あるいは従わないかを示す応答を通知する。CN1108Bが、例えば、その要求に従う旨を通知した場合には、UE1100B及びCN1108Bの両方が同一タイプのインタフェース(例えばLTEインタフェース)を使用することが可能となる。なお、本発明の第17の実施の形態では、CN1108Bが、適切なインタフェースの決定処理の際に3つのパラメータ(ネットワーク状態、UE1100Bの選択結果、UE1100Bのプレファレンス)を使用することが重要である。
<第18の実施の形態>
本発明の第18の実施の形態では、複数インタフェースのCNと通信をする際のUEの動作について、図12を参照しながら説明する。図12には、本発明に係るUEの動作の概要を示すフローチャートが図示されている。
UEは、まずステップS1200において、理想的なインタフェースを通知するノードに関する交渉を行う。なお、ここでは、UEが理想的なインタフェースを通知するノードとなった場合について説明する。ステップS1200の後、UEは、ステップS1201において、ネットワークによって提供された情報(P−GWからの情報)のみを使用して適切なインタフェースを決定することが可能かどうかをチェックする。
ステップS1201でネットワークによって提供された情報に従ってもよいと判断された場合には、ステップS1202において、UEはネットワークによって提供された情報、CNによって選択されるべき好適なインタフェースをCNへ通知する。このステップS1202の後、ステップS1203において、UEによって提案されたインタフェース(ネットワークによって提供された情報に従ったインタフェース)にCNが従ったかどうかのチェックが行われる。
ステップS1203でCNが従ったと判断される場合には更なる処理は行われず、ステップS1204において、これまでの決定に従って通信が行われる。一方、ステップS1203でCNが従わなかったと判断される場合には、ステップS1205において、UEはインタフェース選択に関する決定を再評価する。このときUEは、基本的に、CNによって選択されたインタフェースに基づいて、インタフェースに関する決定を再評価する。
一方、ステップS1201でネットワークによって提供された情報に従わないと判断された場合には、ステップS1206において、UEは、ネットワークによって提供された情報に加えて、例えば負荷バランスや電力問題などの他の基準に基づいてインタフェースの選択を行う。
そして、ステップS1206の処理後、ステップS1207において、ある特定のインタフェースを使用するようCNへ要求する必要があるかどうかがチェックされる。ステップ1207で、特定のインタフェースを使用するようCNへ要求する必要があると判断された場合には、ステップ1209において、UEは、CNに対して特定のインタフェースを使用するよう要求する。また、ステップ1207で、特定のインタフェースを使用するようCNへ要求する必要がないと判断された場合には更なる処理は行われず、ステップS1209において、これまでの決定に従って(あるいは、ネットワークによって提供された情報を無視して)通信が行われる。
<第19の実施の形態:HeNBマルチPDNシナリオへのマーク付けの適用>
以下、本発明の第19の実施の形態では、UEへ送信されるパケットへP−GWがマーク付けを行う解決方法が、図13に図示されているフェムトセルシナリオに適用可能であることを説明する。
例えば、UE1350には、IPアドレス(3G.IP.UE1350)がP−GW1358から割り当てられる。UE1350は、P−GW1358に対して、CN1364からどのようにパケットを受信するかについてUE1350へ通知するよう依頼する。P−GW1358は、上述の実施の形態で説明した検出メカニズムを実行して、CN1364の位置を特定する。
CN1364の位置がEPC1355の外部であると特定すると、P−GW1358は、CN1364からUE1350へのデータパケットにマークを付けることによって、UE1350に対してCN1364に関する通知を行う。このマークによって、UE1350は、CN1364がEPC1355内に存在していないことを把握できるようになる。なお、このマークは、P−GW1358から直接UE1350へ送信されるL2/L3メッセージで伝送されてもよいが、これに限定されるものではない。
また、図14を参照しながら、端末が、受信した通知に基づいて、どのIPアドレスを用いるかを決定する方法についてフローチャートを用いて説明する。UE1350が通知を受信すると(ステップS1400)、UE1350は、P−GW1358から提供される通知のタイプについてチェックする(ステップS1401)。
その通知が、パケットがEPC1355内から受信したことをUE1350へ通知するものである場合には、UE1350は、パケットの送信者と更に通信を行うために、EPCアクセスのために割り当てられたIPアドレス(3G.IP.UE1350)を使用する決定を行う(ステップS1403)。この決定が行われると、処理は終了となる(ステップ1405)。
また、その通知が、パケットがEPC1355外部から受信したことをUE1350へ通知するものである場合には、UE1350は、パケットの送信者と更に通信を行うために、ホームネットワークアクセスのために割り当てられたIPアドレス(HN.IP.UE1350)を使用する決定を行う(ステップS1404)。この決定が行われると、処理は終了となる(ステップ1405)。
<第20の実施の形態:CNがEPC内に存在する場合のUEからHeNBへの決定>
次に、本発明の第20の実施の形態において、端末がコレスポンデントノードの位置を決定するために行う方法について説明する。図13を参照すると、コレスポンデントノードがEPC1355内に存在することをP−GW1358がUE1350へ通知する場合に、UE1350は、どちらのIPアドレス(3G.IP.UE1350又はHN.IP.UE1350)をコレスポンデントノードとの通信に使用すべきであるか迷う可能性がある。
例えば、CN1366もEPC1355の加入者であり、3G.IP.CN1366経由でEPCにアクセスするためのIPアドレスを持っているとする。CN1366がUE1350あてのパケットを送信すると、そのパケットはEPC1355内へルーティングされる(すなわち、HeNB1352→S−GW1354→CN1366のP−GW→P−GW1358)。P−GW1358は、このパケットを受信して、送信元(ソース)がEPC1355内に存在することを把握する。P−GW1358は、このパケットにマークを挿入し、EPC1355内からこのパケットを受信したことをUE1350が把握できるようにする。UE1350は、これを把握することで、CN1366と通信を行うために3G.IP.UE1350を使用することを決定する。
しかしながら、実際には、HN.IP.UE1350がUE1350とCN1366との間の最短往復時間をもたらすので、UE1350は、CN1366と通信を行うためにHN.IP.UE1350を使用すべきである。したがって、この場合には、UE1350はHeNB1352に対して、EPC1355内のCN1366の位置に関してUE1350に通知するよう依頼することが望ましい。
図15において、端末が、コレスポンデントノードの位置を端末に通知するようにHeNBに依頼する決定方法に関してフローチャートを用いて説明する。UE1350は、EPC1355内からパケットを受信したことを示すマークが挿入されたタイプの通知をP−GW1358から受信すると(ステップS1500)、HeNB1352に対して、同様のパケットをHeNB1352が受信する方法についてUE1350に通知するよう要求する(ステップS1501)。
HeNB1352は同様のパケットを受信すると、UE1350に対して、パケットの受信方法について通知する。UE1350は、HeNB1352からの通知を受信すると、通知のタイプをチェックする(ステップS1502)。
この通知が、パケットが外部(ホームネットワーク1351外部)からホームネットワーク1351へ受信されたことを通知するものである場合には、UE1350は、パケットの送信者と更に通信を行うために、EPCアクセスのために割り当てられたIPアドレス(3G.IP.UE1350)を使用する決定を行う(ステップS1503)。この決定が行われると、処理は終了となる(ステップS1505)。
また、この通知が、パケットが内部(ホームネットワーク1351内部)からホームネットワーク1351へ受信されたことをUE1350へ通知するものである場合には、UE1350は、パケットの送信者と更に通信を行うために、ホームネットワークアクセスのために割り当てられたIPアドレス(HN.IP.UE1350)を使用する決定を行う(ステップS1504)。この決定が行われると、処理は終了となる(ステップ1505)。
以下、図15に示す処理の具体的な一例について説明する。図13において、UE1350とCN1366とは通信セッションを有している。CN1366は、3G.IP.CN1366から3G.IP.UE1350あてにパケットを送信する。パケットは、HeNB1352及びS−GW1354を通じてUE1350のP−GW(P−GW1358)へルーティングされる。P−GW1358は、受信したパケットがEPC1355内からのものであることを把握し、CN1366がEPC1355内に位置していることをUE1350に対して通知する。
UE1350は、EPC1355内のCN1366の正確な位置を更に把握することを決定し、HeNB1352に対して、CN1366からのパケットをHeNB1352がどのように受信するかについてUE1350へ通知するよう依頼する。続いて、CN1366が別のパケットをUE1350へ送信すると、パケットは、まずHeNB1352に送られる。
HeNB1352は、送信者(ソース)であるCN1366からUE1350あてに送信されるパケットをホームネットワーク1351内で受信すると、UE1350に対して、CN1366がホームネットワーク1351内に位置していることを通知する。これにより、UE1350は、HN.IP.UE1350を使用してCN1366と通信を行うことを決定し、CN1366との最適化通信を実現する。
なお、HeNB1352は、ソースアドレスが3G.IP.CN1366であるCN1366からのパケットを2回受信(intercept:インターセプト)する。最初のインターセプトは、CN1366が無線ベアラを通じてHeNB1352へパケットを転送するときである。このパケットは、セルラリンク1353を通じて、EPC1355内のCN1366のP−GWへ転送される。次に、パケットは、UE1350のモビリティアンカであるP−GW1358へ転送される。HeNB1352による2回目のインターセプトは、このパケットがEPC1355内部(すなわち、EPC1355内のP−GW)から受信される場合に行われる。
なお、本発明では、HeNB1352は、CN1366のパケットの1回目のインターセプトでパケットのチェックをトリガし、パケットがホームネットワーク1351内のCN1366からのものであるかどうかを判断することが望ましい。HeNB1352が2回目のインターセプトでこのパケットを受信する際、パケットは論理セルラリンク1353を通じて到達するので、HeNB1352は、このパケットのチェックがトリガされない。
<第21の実施の形態:HeNBの装置構成−アプリケーション制御レイヤにおけるチェック>
次に、本発明の第21の実施の形態において、本発明の好適な実施の形態で用いられる装置の機能アーキテクチャについて説明する。
図16には、本発明で用いられるHeNBの好適な機能アーキテクチャの一例が図示されている。図16に図示されているHeNBの好適な機能アーキテクチャ1600は、ネットワークインタフェースモジュール1601、無線制御レイヤ1602、アプリケーション制御レイヤ1603、アプリケーションレイヤ1606を有している。
ネットワークインタフェースモジュール1601は、好適な装置が任意の通信媒体を通じて別のノードと通信を行うために必要なすべてのハードウェア及びソフトウェアを包含する機能ブロックである。関連技術分野で周知の用語を用いると、ネットワークインタフェースモジュール1601は、レイヤ1(物理レイヤ)とレイヤ2(データリンクレイヤ)の通信コンポーネント、ファームウェア、ドライバ、及び通信プロトコルを示している。なお、当業者にとって、機能アーキテクチャ1600が1つ以上のネットワークインタフェースモジュール1601を有していてもよいことは明らかである。例えば、一例として、HeNBはデジタル加入者回線ルータ(DSLルータ)に統合されており、セルラ無線インタフェースとデジタル加入者回線リンクインタフェースを有している。
また、ネットワークインタフェースモジュール1601は、シグナル/データパス1607を通じて、トリガ/パケットを無線制御レイヤ1602へ伝送することが可能である。例えば、ネットワークインタフェースモジュール1601は、コレスポンデントノードの位置を決定するための検索を行えるようにするため、無線制御レイヤ1602へパケットを転送する。
無線制御レイヤ1602は、ネットワークインタフェースモジュール1601に対して必要な制御を行う。例えば、セルラ無線インタフェースを制御するため、3GPPによって定義されたアクセスストラタム(AS:Access Stratum)を用いて、HeNBとUEとの間で無線リンクが確実に確立できるようにする。同様に、無線制御レイヤ1602は、ネットワークインタフェースモジュール1601で受信したアプリケーション特有のメッセージを、アプリケーション制御レイヤ1603へ渡すためのプロキシとして機能する。無線制御レイヤ1602は、シグナル/データパス1608を通じて、トリガ/パケットをアプリケーション制御レイヤ1603へ伝送することが可能である。例えば、無線制御レイヤ1602は、コレスポンデントノードの位置を決定するための検索を行えるようにするため、ネットワークインタフェースモジュール1601から受信したパケットをアプリケーション制御レイヤ1603へ転送する。
また、アプリケーションレイヤ1606は、通信プロトコルスタックのネットワークレイヤの上位に存在するすべてのプロトコル及びプログラムを包含する機能ブロックを表している。これは、TCP(Transmission Control Protocol)、SCTP(Stream Control Transport Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)、あるいは他のノードとの通信に必要なプログラム又はソフトウェアなど、トランスポートレイヤプロトコル又はセッションレイヤプロトコルを含んでいる。アプリケーションレイヤ1606は、シグナル/データパス1609を通じて、トリガ/パケットをアプリケーション制御レイヤ1603に伝送することが可能である。アプリケーションが接続設定を必要とする場合(例えば、VoIPなど)には、アプリケーションレイヤ1606は、アプリケーション制御レイヤ1603をトリガし、VoIPセッションに関する適切な接続を設定させる。
アプリケーション制御レイヤ1603は、アプリケーションに関する接続を設定するために必要なサポートを提供する。例えば、UE1350がVoIPセッションを開始するために、3GPPで定義されているノンアクセスストラタム(NAS:Non-Access Stratum)を用いて、UE1350とP−GW1358との間で必要な通信パスが確実にセットアップされるようにする。
本発明では、位置通知機能1604及び位置チェック機能1605が導入される。位置通知機能1604は、コレスポンデントノードの特定の位置をUEに通知する通知メッセージを作成する機能を有している。通知メッセージの作成は、位置チェック機能1605によってトリガされる。また、位置チェック機能は、コレスポンデントノードの位置を把握するために、コレスポンデントノードからのパケットがHeNBによってどのように受信されるかを判断するものである。その位置が分かると、位置チェック機能1605は、位置通知機能1604に対して、コレスポンデントノードの特定の位置をUEに通知するための通知メッセージを送信するよう指示する。位置チェック機能1605は、例えば、特定のコレスポンデントノードの位置を把握するよう要求するリクエストをUEから受信することでトリガされる。
以下、この好適な機能アーキテクチャのさまざまなレイヤ間でのインタラクションを明確にするための一例について説明する。ネットワークインタフェースモジュール1601は、CN1366の位置を決定するようUE1350からリクエストを受信する。この要求には、どのパケットをモニターしたらよいかをHeNBが把握できるようにするための情報(例えば、CN1366を送信者(ソース)とするパケット)と、UE1350によって使用されている対応IPアドレス(例えば、3G.IP.UE1350)とが含まれる。
ネットワークインタフェースモジュール1601は、無線制御レイヤ1602を通じてアプリケーション制御レイヤ1603へこのリクエストを転送する。アプリケーション制御レイヤ1603は、位置チェック機能1605をトリガして、CN1366を送信者(ソース)とするパケットがどのように受信されるかのチェックを開始させる。位置チェック機能1605は、相互レイヤ通信方法に基づいて、CN1366の位置を決定する。例えば、ネットワークインタフェースモジュール1601がパケットをアプリケーション制御レイヤ1603に転送する際、パケットがどのインタフェースから受信されたかをアプリケーション制御レイヤ1603に知らせるための情報がパケットに埋め込まれる。アプリケーション制御レイヤ1603は、どのインタフェースからパケットが受信されたかに基づいて、CN1366の位置を決定することができる。
位置チェック機能1605は、CN1366の位置を決定すると、位置通知機能1604に対して、UE1350へ通知メッセージを送信するよう指示する。例えば、UE1350への通知メッセージのフォーマットは、図8に図示されているフォーマットと同様であってもよい。
<第22の実施の形態:アプリケーション制御レイヤのタイプ通知メッセージ>
次に、本発明の第22の実施の形態において、端末から送信される通知リクエスト(通知要求、あるいは通知依頼)のフォーマットの一例について説明する。図17には、本発明の好適な一実施の形態で使用される通知リクエストのフォーマットの一例が図示されている。通知リクエストのフォーマットは、メッセージタイプ1701及びトラフィックフローテンプレート1702を有している。
メッセージタイプ1701はメッセージの目的(このメッセージの用途)を表している。例えば、メッセージタイプは、3GPP TS24.301で用いられるベアラリソース修正リクエスト(Bearer Resource Modification Request)であってもよいが、これに限定されるものではない。また、UEは、トラフィックフローテンプレート1702によって、HeNBが監視すべきパケットのタイプに関する情報をHeNBへ伝えることができる。例えば、トラフィックフローテンプレート1702は、UEのIPアドレスフィールド1703及びCNのIPアドレスフィールド1704を更に有している。UEは、UEのIPアドレスフィールド1703によって、UEが持っている現在のIPアドレスをHeNBへ通知することが可能である。また同様に、UEは、CNのIPアドレスフィールド1704によって、どの送信者(ソース)からのパケットが監視されるべきかをHeNBへ通知することが可能である。
以下、本発明の実施の形態に記載されている通知メッセージの使用を明確にするための一例である。UE1350は、2つのIPアドレス(3G.IP.UE1350、及び、HN.IP.UE1350)を有しており、CN1366は、IPアドレス(3G.IP.CN1366)を使用している。UE1350は、CN1366の位置を決定しようとし、CN1366の位置をUE1350へ通知するようHeNB1352に依頼しようとする。このとき、UE1350は、通知リクエスト1700をHeNB1352へ送信し、UEのIPアドレスフィールド1703において、UE1350がEPC1355のIPアドレス(3G.IP.UE1350)を有していると指定する。なお、UE1350がHN.IP.UE1350を指定する必要はない理由は、このIPアドレス(HN.IP.UE1350)がHeNB1352によって割り当てられており、HeNB1352は既に把握しているはずだからである。同様に、CNのIPアドレスフィールド1704において、UE1350はCN1366(3G.IP.CN1366)のIPアドレスを指定する。
<第23の実施の形態:HeNBの装置構成−無線制御レイヤにおけるチェック>
次に、本発明の第23の実施の形態では、別の好適な機能アーキテクチャの一例について説明する。図16において、位置通知機能1604及び位置チェック機能1605が、アプリケーション制御レイヤ1603ではなく、無線制御レイヤ1602に実装されてもよい。この構成の利点は、コレスポンデントノードの位置を決定するために、無線制御レイヤ1602が任意のパケットをアプリケーションレイヤ1603へ転送する必要がない点である。この構成では、無線制御レイヤ1602がIPメッセージを理解するように実装される。UEは、図17に図示されている通知要求を使用して、どのパケットを監視すべきかをHeNBへ通知する。この場合も同様に、どのインタフェースからパケットを受信したかをネットワークインタフェースモジュール1601が位置チェック機能1605へ通知することによって、位置チェック機能1605は、コレスポンデントノードの位置を決定することができる。
<第24の実施の形態:HeNBの装置構成−アプリケーションレイヤにおけるチェック>
次に、本発明の第24の実施の形態では、更に別の好適な機能アーキテクチャの一例について説明する。図16において、位置通知機能1604及び位置チェック機能1605が、アプリケーション制御レイヤ1603ではなく、アプリケーションレイヤ1606に実装されてもよい。この構成の利点は、本発明をサポートするために制御レイヤ(無線制御レイヤ1602及びアプリケーション制御レイヤ1603)を変更する必要がない点である。これは、様々な制御レイヤに影響を与えることなく、アプリケーションを端末にインストールすることによって、レガシ端末が本発明を使用できるようになることを意味する。また、この場合も同様に、どのインタフェースからパケットを受信したかをネットワークインタフェースモジュール1601が位置チェック機能1605へ通知することによって、位置チェック機能1605は、コレスポンデントノードの位置を決定することができる。
<第25の実施の形態:HeNBが、無線制御プレーンを用いてUEへ通知する>
次に、本発明の第25の実施の形態として、コレスポンデントノードの位置をUEへ通知するために、HeNBが無線制御プレーンメッセージを使用する方法について説明する。HeNBは、無線制御プレーンメッセージを用いて、コレスポンデントノードからのパケットがHeNBによってどのように受信されたかについて、UEへ通知することが可能である。このメッセージを実現する典型的な例は、3GPP TS36.331に記載されているDLInformationTransferの拡張であるが、これに限定されるものではない。例えば、新たな情報要素がDL情報転送に付加されて、コレスポンデントノードからのパケットをHeNBがどのように受信したかをUEに通知する。
<第26の実施の形態:HeNBが、アプリケーションレイヤを用いてUEへ通知する>
次に、本発明の第26の実施の形態として、コレスポンデントノードの位置をUEへ通知するために、HeNBがコレスポンデントノードからのデータパケットを使用する方法について説明する。HeNBは、コレスポンデントノードからのデータパケットに対して、パケットの受信方法を付加することが可能である。そして、HeNBは、コレスポンデントノードからのパケットがHeNBによってどのように受信されたかをUEへ通知するために、このマーク付けされたデータパケットをUEへ転送する。この方法の利点は、本発明をサポートするように無線制御レイヤの変更を行う必要がない点である。
<第27の実施の形態:HeNBが、アプリケーション制御プレーンを用いてUEへ通知する>
次に、本発明の第27の実施の形態として、コレスポンデントノードの位置をUEへ通知するために、HeNBがアプリケーション制御プレーンメッセージを使用する方法について説明する。HeNBは、アプリケーション制御プレーンメッセージを使用して、コレスポンデントノードからのパケットの受信方法をUEへ通知することが可能である。このメッセージを実現する典型的な例は、3GPP TS24.301に記載されているEPSベアラコンテキスト変更メッセージの拡張であるが、これに限定されるものではない。例えば、プロトコル構成オプション要素に新たな情報要素が含まれるようにし、コレスポンデントノードからのパケットがどのようにHeNBで受信されたかをUEに通知する。アプリケーション制御プレーンを使用して通知を行う方法の利点は、アプリケーションレイヤがある状況下ではその通知を伝送することができないかもしれない点にある。例えば、CN1366は、データパケットをCN1366のP−GWに向けてカプセル化する場合がある。CN1366とP−GWとの間でカプセル化が行われているので、HeNBはカプセル化されたパケットにマーク(タグ)を付加することができない。HeNBがカプセル化パケットの外部にタグを付加すると、データパケットがP−GWに到達した際に、P−GWは、カプセルを取り除いてしまい、その結果、タグも取り除かれてしまう。このような場合に、アプリケーション制御プレーンを使用して通知を行うことが有効である。
<第28の実施の形態:複数のモビリティプロトコルを有する単一のインタフェース(非3G)の場合>
次に、本発明の第28の実施の形態において、P−GWがUEに送信するパケットにマークを付ける方法が、非3GPPアクセスにおいて複数のモビリティプロトコルを動作している単一インタフェースのUEに対しても適用可能であることについて説明する。
図18は、本発明を使用しながら複数のモビリティプロトコルを動作している単一インタフェースの端末を含むネットワーク図である。図18では、UE1800は、単一の無線アクセスのみを使用して、EPC1801へアクセスする。UE1800は、EPC1801へアクセスするために、ePDG1803とのセキュアな接続1802を確立する。セキュアな接続1802において、UE1800は、2つのタイプのモビリティ管理プロトコルを動作させている。
第1のモビリティプロトコルはPMIPであり、ePDG1803はP−GW1804に対してPBU(Proxy Binding Update)を送信する。PMIPでは、ePDG1803が、UE1800の移動に関してUE1800のP−GW1804へ更新(通知)する。
第2のモビリティプロトコルはCMIPであり、UE1800がP−GW1804へBU(Binding Update)を送信する。CMIPでは、UE1800が、EPC1801内でまだアクティブであることをP−GW1804へ更新(通知)する。
また、ここでは、CN1805も、セキュアな接続1806を通じて、ePDG1803に接続されている。UE1800は本発明を利用し、CN1805がEPC1801内に位置することをUE1800に通知する通知メッセージをP−GW1804から受信する。また、UE1800は、CN1805のパケットを監視するようePDG1803に要求することも可能であり、CN1805が同一のePDG(すなわち、ePDG1803)に接続されているかどうかをUE1800に通知するよう要求することも可能である。
以下、上記のステップの一例について具体的に説明する。UE1800は、WLANインタフェースを使用して、ePDG1803との間で接続1802を確立する。UE1800は、ePDG1803との間の接続1802において、PMIP及びCMIPの両方を起動し、2つのIPアドレス(PMIP.IP.UE1350及びCMIP.IP.UE1350)を取得する。
CN1805は、パケットをUE1800へ送信し、P−GW1804によって受信される。P−GW1804は、CN1805がEPC1801内に位置していることをUE1800へ通知する。さらに、UE1800は、CN1805のパケットがePDG1803によって受信される方法についてチェックするようePDG1803へ依頼する。ePDG1803は、接続1806を通じてCN1805からパケットを受信すると、CN1805がePDG1803に接続されていることをUE1800へ通知する。
ePDG1803がUE1800へ通知可能な方法の一例は、プロトコル構成オプション(Protocol Configuration Option)を使用するか、あるいは、IKE(Internet Key Exchange)通知メッセージを送信することであるが、これらに限定されるものではない。UE1800は、CN1805がePDG1803に接続されていることを把握すると、IP.CMIP.UE1800を使用して、CN1805との間で経路最適化通信に係るパスを確立する。
なお、ePDG1803は、CN1805からのパケットを2回インターセプトすることが可能である。最初のインターセプトは、CN1805が無線リンク接続1806を通じてePDG1803へパケットを転送するときである。このパケットは、EPC1355内で転送され、UE1800のモビリティアンカであるP−GW1803に到達する。ePDG1803による2回目のインターセプトは、EPC1801内(すなわち、EPC1801内のP−GW)からパケットを受信するときである。なお、本発明に関して、パケットがePDG1803に接続されているCN1805からのものであるかどうかを判断するように、ePDG1803においてパケットのチェックがトリガされることが望ましい。このパケットを2回目のインターセプトにおいて受信した際には、パケットがEPC1801から到達しているので、ePDG1803では、このパケットのチェックがトリガされない。
<第29の実施の形態:単一のPDN HeNBシナリオ>
次に、本発明の第29の実施の形態において、P−GWがUEに送信するパケットにマークを付ける方法が、HeNBがP−GW機能を実装しないときにおいても適用可能であることについて説明する。
ここでは、EPC内のP−GWが、異なるタイプのアクセスに関して、UEに複数のIPアドレスを割り当てると仮定する。例えば図13において、P−GW1358は、UE1350がEPC1355へアクセスするための3G.IP.UE1350を割り当てる。さらに、同様に、P−GW1358は、UE1350がホームネットワーク1351へアクセスするためのHN.IP.UE1350を割り当てる。
HeNB1352が、受信したパケットのソースアドレスに基づいて、フィルタベースのルーティングを実行する。例えば、HeNB1352は、3G.IP.UE1350のソースIPアドレスを有するパケットを受信すると、このパケットを接続1353を通じてEPC1355へ転送する。同様に、HeNB1352は、HN.IP.UE1350のソースIPアドレスを有するパケットを受信すると、あて先アドレスがホームネットワーク1351でなければこのパケットを接続1356を通じて転送するか、あるいは、ホームネットワーク1351へ直接転送する。このような場合には、コレスポンデントノードの位置をUE1350へ通知するようHeNB1352におけるフィルタルールを設定することによって、UE1350は、本発明を使用することができる。
以下、上記のステップの一例について具体的に説明する。UE1350は、CN1366がEPC1355内に位置していることを通知する通知メッセージをP−GW1358から受信すると、フィルタルール要求を送信して、HeNB1352に対して、3G.IP.UE1350あてのCN1366からのパケットを監視するよう指示する。このフィルタルールが設定されたHeNB1352は、CN1366からパケットを受信すると、UE1350に対して、パケットがホームネットワーク1351内から受信されたことを通知する。これにより、UE1350は、 CN1366がホームネットワーク1351内に存在することを把握し、CN1366と通信を行うためにHN.IP.UE1350を使用して、最適化されたパスを実現する。UEとHeNBの両方がフィルタルールを実装する方法は、例えば、フローフィルタリング拡張を有するモバイルIPv6プロトコルをサポートすることによって実現可能である。
なお、3G.IP.CN1366のソースアドレスを有するCN1366からのパケットは、HeNB1352において2回インターセプトされる。最初のインターセプトは、CN1366がパケットを無線ベアラを通じてHeNB1352へ転送するときである。このパケットは、EPC1355内のCN1366のP−GWへセルラリンク1353を通じて転送され、UE1350のモビリティアンカであるP−GW1358へ送信される。HeNB1352による2回目のインターセプトは、このパケットがEPC1355内(すなわち、EPC1355内のP−GW)から受信されるときである。なお、本発明では、HeNB1352は、CN1366のパケットの最初のインターセプトの際に、そのパケットがホームネットワーク内のCN1366からのものであるかどうかを判断するように、HeNB1352においてパケットのチェックがトリガされることが望ましい。このパケットの2回目のインターセプトでは、パケットは論理的なセルラリンク1353を通じて到達するので、HeNB1352において、このパケットのチェックはトリガされない。
<第30の実施の形態:複数PDN eNB SIPTO(Selective IP Traffic Offloading)シナリオ>
次に、本発明の第30の実施の形態において、P−GWがUEに送信するパケットにマークを付ける方法が、UEがeNB(マクロ基地局、マクロセルとも呼ばれる)に接続されている場合においても適用可能であることについて説明する。
例えば図13において、HeNB1352をeNBに置き換え、ホームネットワーク1351はeNBによって管理されるマクロセルであるとする。また、ここでは、eNBがP−GW機能を実装しており、ローカルブレイクアウト用アドレスをUE1350へ割り当てるとする。UE1350は本発明を利用して、コレスポンデントノードの位置についてUE1350へ通知するよう、P−GW1358又はeNBのどちらか、あるいは両方に依頼することが可能である。
以下、上記のステップの一例について具体的に説明する。UE1350は、P−GW1358から、EPC1355へのアクセス用のIPアドレス(3G.IP.UE1350)を取得する。同様に、UE1350は、eNBによって管理されているマクロセルにおけるアクセス用のIPアドレス(eNB.IP.UE1350)をeNBから取得する。UE1350は、CN1366がEPC1355内に位置していることを、P−GW1358から通知される。UE1350は、CN1366のアドレスから3G.IP.UE1350へのパケットがどのように受信されるかを監視するよう、eNBへ要求するリクエストを送信する。eNBは、マクロセル内部からパケットを受信すると、CN1366がマクロセル内に位置していることをUE1350へ通知する。これにより、UE1350は、eNB.IP.UE1350を利用してCN1366と通信を行うことで、最適化されたパスを実現する。
なお、3G.IP.CN1366のソースアドレスを有するCN1366からのパケットは、eNBによって2回インターセプトされる。最初のインターセプトは、CN1366がパケットを無線ベアラを通じてeNBへ転送するときである。このパケットは、EPC1355内で転送され、UE1350のモビリティアンカであるP−GW1358で受信される。eNBによる2回目のインターセプトは、このパケットをEPC1355内部(すなわち、EPC1355内のP−GW)から受信するときである。なお、本発明では、eNBは、CN1366のパケットの最初のインターセプトの際に、そのパケットがホームネットワーク内のCN1366からのものであるかどうかを判断するように、eNBにおいてパケットのチェックがトリガされることが望ましい。このパケットの2回目のインターセプトでは、パケットはEPC1355内から到達するので、eNBにおいてこのパケットを受信した際には、パケットのチェックはトリガされない。
<第31の実施の形態:単一のPDN eNB SIPTOシナリオ>
次に、本発明の第31の実施の形態において、P−GWがUEに送信するパケットにマークを付ける方法が、UEがマクロセルeNBに接続されている場合においても適用可能であることについて説明する。
例えば図13において、HeNB1352をeNBに置き換え、ホームネットワーク1351はeNBによって管理されるマクロセルであるとする。また、ここでは、eNBはP−GW機能を実装しておらず、EPC1355内のP−GWは、ローカルブレイクアウト用のIPアドレスをUE1350へ割り当てるとする。UE1350は本発明を利用して、コレスポンデントノードの位置についてUE1350へ通知するよう、P−GW1358又はeNBのどちらか、あるいは両方に依頼することが可能である。eNBに要求を行う場合は、UEは、上述したフィルタベースの方法を利用する。
以下、上記のステップの一例について具体的に説明する。UE1350は、P−GW1358から、EPC1355へのアクセス用のIPアドレス(3G.IP.UE1350)を取得する。同様に、UE1350は、eNBによって管理されているマクロセルにおけるアクセス用の別のIPアドレス(eNB.IP.UE1350)をP−GW1358から取得する。UE1350は、CN1366がEPC1355内に位置していることを、P−GW1358から通知される。UE1350は、フィルタルール要求を送信して、CN1366のアドレスから3G.IP.UE1350へのパケットがどのように受信されるかを監視するよう、eNBへ依頼する。eNBは、マクロセル内部からパケットを受信すると、CN1366がマクロセル内部に位置していることをUE1350へ通知する。これにより、したがって、UE1350は、eNB.IP.UE1350を利用してCN1366と通信を行うことで、最適化されたパスを実現する。
なお、3G.IP.CN1366のソースアドレスを有するCN1366からのパケットは、eNBによって2回インターセプトされる。最初のインターセプトは、CN1366がパケットをeNBの無線ベアラを通じてeNBへ転送するときである。このパケットは、EPC1355内で転送され、UE1350のモビリティアンカであるP−GW1358で受信される。eNBによる2回目のインターセプトは、このパケットをEPC1355内部(すなわち、EPC1355内のP−GW)から受信するときである。なお、本発明では、eNBは、CN1366のパケットの1回目のインターセプトの際に、パケットがCN1366からのものであるかどうかを判断するように、eNBにおいてパケットのチェックがトリガされることが望ましい。このパケットの2回目のインターセプトでは、パケットはEPC1355内から到達するので、eNBにおいてこのパケットを受信した際には、パケットのチェックはトリガされない。
<第32の実施の形態:eNBシナリオのグループ−複数PDN>
次に、本発明の第32の実施の形態において、P−GWがUEに送信するパケットにマークを付ける方法が、UEがマクロセルeNBに接続されており、ローカルブレイクアウト用に割り当てられているIPアドレスがeNBのグループで保持可能である場合にも適用可能であることについて説明する。
例えば図13において、HeNB1352をeNBに置き換え、ホームネットワーク1351はeNBによって管理されるマクロセルであるとする。また、ここでは、eNBがP−GW機能を実装し、ローカルブレイクアウト用のIPアドレスをUE1350へ割り当てるとする。UE1350は本発明を利用して、コレスポンデントノードの位置についてUE1350に通知するよう、P−GW1358又はeNBのいずれかあるいは両方に依頼することができる。さらに、UE1350がeNBのグループ内で移動する際には、ローカルブレイクアウト用にUE1350に割り当てられたIPアドレスも使用可能となる。例えば、UE1350には、ローカルブレイクアウト用IPアドレス(eNB1.IP.UE1350)がeNB1から割り当てられるとする。ここで、UE1350がeNB2へ移動するとき、eNB2がeNB1と関係を有している場合(例えば、同一eNBのグループである場合)には、UE1350は、eNB2へ接続された場合であっても引き続き、eNB1.IP.UE1350を使用し続けることができる。データの転送は、両方のeNB(上記のeNB1とeNB2)がX2インタフェースを通じてデータトンネルを作成することによって実現可能であり、これによって、UE1350に関するIPアドレスが保持可能となる。
<第33の実施の形態:eNBグループのシナリオ−単一のPDN>
次に、本発明の第33の実施の形態において、P−GWがUEに送信するパケットにマークを付ける方法が、UEがマクロセルeNB(P−GW機能を実装していない)に接続されており、ローカルブレイクアウト用に割り当てられているIPアドレスがeNBのグループで保持可能である場合にも適用される。
例えば図13において、HeNB1352をeNBに置き換え、ホームネットワーク1351はeNBによって管理されるマクロセルである。また、ここでは、eNBがP−GW機能を実装しておらず、ローカルブレイクアウト用のIPアドレスをUE1350へ割り当てるとする。UE1350は本発明を利用して、コレスポンデントノードの位置をUE1350へ通知するよう、P−GW1358又はeNBのいずれかあるいは両方に対して依頼することができる。eNBに要求を行う場合は、UEは、上述したフィルタベースの方法を利用する。さらに、UE1350がeNBのグループ内で移動する際には、ローカルブレイクアウト用にUE1350に割り当てられたIPアドレスも使用可能となる。例えば、UE1350には、ローカルブレイクアウト用IPアドレス(eNB1.IP.UE1350)がeNB1から割り当てられるとする。ここで、UE1350がeNB2へ移動するとき、eNB2がeNB1と関係を有している場合(例えば、同一eNBのグループである場合)には、UE1350は、eNB2へ接続された場合であっても引き続き、eNB1.IP.UE1350を使用し続けることができる。データの転送は、両方のeNB(上記のeNB1とeNB2)がX2インタフェースを通じてデータトンネルを作成することによって実現可能であり、これによって、UE1350に関するIPアドレスが保持可能となる。
<第34の実施の形態:ANDSF(Access Network Discovery Selection Function)がUEの決定を支援する−ポリシ制限>
次に、本発明の第34の実施の形態では、ANDSF(Access Network Discovery Selection Function:アクセスネットワーク探索選択機能)サーバが、コレスポンデントノードへの最適な通信パスを実現するためには、UEのIPアドレスのどれを使用すべきかをUEが決定できるよう支援することが可能である。ここでは、ANDSFサーバがポリシをUEへ送信することが可能である。このポリシは、コレスポンデントノードに対してUEが使用すべきIPアドレスはどれかについて、UEが決定する際に影響を与えるものである。
例えば図13において、EPC1355内には、UE1350がセキュアな通信を行っているANDSFサーバが存在している。UE1350は、EPC1355内に位置しており、3G.IP.UE1350を用いてCN1366との間で通信セッションを有している。UE1350は、UE1350の加入者ポリシに基づいてUEがホームネットワーク1351に存在する間はローカルブレイクアウトを実行できないというポリシを、ANDSFサーバから取得する。UE1350がホームネットワーク1351へ移動すると、たとえP−GW1358がUE1350に対して、CN1366がEPC1355内に存在すると通知する場合であっても、UE1350はホームネットワーク1351に対して、ローカルブレイクアウトIPアドレスの要求は行わない。その結果、UE1350は、ホームネットワーク1351内に存在する間は、3G.IP.UE1350を使用し続けて、CN1366との通信を行う。
また、さらに、上記の方法は、UEが非3GPPアクセスにおいて複数のモビリティプロトコルを動作している場合のシナリオに適用可能である。例えば図18において、ANDSFサーバはUE1800に対して(ポリシによって)、UE1800が非3GPPアクセスに存在する間(すなわち、ePDG1803に接続されている間)は、ローカルブレイクアウトを実行できないことを通知する。これにより、UE1800はePDG1803にからのローカルブレイクアウト用IPアドレスを要求せず、非3GPPアクセスに存在する間は、3G.IP.UE1800を使用し続けて、CN1805との通信を行う。
また、上記の方法は、UEがマクロセルeNB内に存在しており、マクロセルにおいてローカルブレイクアウト用のIPアドレスが割り当てられるシナリオに適用可能である。例えば、ANDSFサーバはUEに対して(ポリシによって)、マクロセル内に存在する間はローカルブレイクアウトを実行することができないと通知することが可能である。その結果、UEは、ローカルブレイクアウト用のIPアドレスを要求せず、マクロセル内に存在する間は、EPCアクセス用に割り当てられたIPアドレスを使用し続けて、コレスポンデントノードと通信を行う。
<第35の実施の形態:ANDSFがUEの決定を支援する−ポリシ制限>
次に、本発明の第35の実施の形態では、ANDSFサーバは、コレスポンデントノードとの間の通信セッションのうちのどれが最適化されるべきかをUEが決定するための支援を行うことが可能である。ここでは、ANDSFサーバはポリシをUEへ送信する。このポリシは、各コレスポンデントノードに対してUEが使用すべきIPアドレスはどれかについて、UEが決定する際に影響を与えるものである。
例えば図13において、UE1350がセキュアな通信を有するANDSFサーバがEPC1355内に存在する。UE1350は、EPC1355内に位置しており、3G.IP.UE1350を使用して、CN1364、1365との間で通信セッションを有している。UE1350は、ホームネットワーク1351に存在する間はCN1366とのセッションに関してのみローカルブレイクアウトが許可される旨を通知するポリシを、ANDSFサーバから取得する。UE1350がホームネットワーク1351へ移動すると、CN1365はEPC1355内に存在していることをP−GW1358がUE1358へ通知した場合であっても、UE1350は、HeNB1352に対して、CN1365からのパケットを監視するよう要求しない。その結果、UE1350は、ホームネットワーク1351に存在し続ける間は、引き続き3G.IP.UE1350を使用してCN1365と通信を行う。CN1366に関しては、CN1366がホームネットワーク1351内に存在しているとHeNB1352がUE1350へ通知する場合には、UE1350はHN.IP.UE1350を使用してCN1366と通信を行う。
さらに、上記の方法は、UEが非3GPPアクセスにおいて複数のモビリティプロトコルを動作している場合のシナリオに対しても適用可能である。例えば、図18を参照すると、ANDSFサーバはUE1800に対して(ポリシによって)、非3GPPアクセスに存在する間(すなわち、ePDG1803に接続されている間)は、CN1805とのセッションはローカルブレイクアウトが許可されていないことを通知することが可能である。その結果、UE1800は、ePDG1803に対してローカルブレイクアウト用IPアドレスを要求せず、非3GPPアクセス内に存在する間は、引き続き3G.IP.UE1800を使用し続けて、CN1805と通信を行う。
また、上記の方法は、UEがマクロセルeNB内に存在しており、マクロセルにおいて、ローカルブレイクアウト用IPアドレスが割り当てられている場合に適用可能である。例えば、ANDSFサーバはUEに対して(ポリシによって)、特定のコレスポンデントノードとのセッションに関して、UEはマクロセルに存在する間はローカルブレイクアウトの実行が許可されていると通知することが可能である。その結果、UEは、まずコレスポンデントノードの位置を決定し、ローカルブレイクアウト経路が最適であると考えられる場合は、マクロセル内に存在する間はコレスポンデントノードと通信を行うためのローカルブレイクアウト用IPアドレスを要求する。
<第35の実施の形態:RRメッセージのマーク付け−キャッシュ>
次に、本発明の第35の実施の形態において、P−GWがUEに送信するパケットにマークを付ける方法が、UEがモバイルIPv6の経路最適化処理を実行する際にも適用可能であることについて説明する。例えば、P−GWがマーク付けするパケットは、モバイルIPv6経路最適化処理(例えば、気付アドレステスト)に関与しているパケットである。
図19は、P−GWによるマーク付けの方法がどのようにモバイルIPv6経路最適化処理に適用されるかの一例を示すシーケンスチャートである。図19において、UE1900はePDG1901に接続されており、2つのタイプのモビリティ管理プロトコルを動作している。第1のモビリティプロトコルはPMIPであり、ePDG1901がPBUをP−GW1902へ送信する。PMIPでは、ePDG1901がUE1900の移動に関する情報をP−GW1902へ更新(通知)する。第2のモビリティプロトコルはCMIPであり、UE1900がBUをP−GW1902へ送信する。CMIPでは、UE1900は、UE1900がまだEPC内でアクティブであることをP−GW1902へ更新(通知)する。
UE1903はePDG1904に接続されており、2つのタイプのモビリティ管理プロトコルを動作している。第1のモビリティプロトコルはPMIPであり、ePDG1904がPBUをP−GW1902へ送信する。PMIPでは、ePDG1904は、UE1903の移動に関する情報をP−GW1902へ更新(通知)する。第2のモビリティプロトコルはCMIPであり、UE1903がBUをP−GW1902へ送信する。CMIPでは、UE1903が、UE1903がまだEPC内でアクティブであることをP−GW1902へ更新(通知)する。ここで、ePDG1901及びePDG1904に関して、デフォルトの次ホップがP−GW1902であると仮定する。
UE1900は、UE1903との最適化通信を開始するよう決定し、モバイルIPv6経路最適化処理を実行する。UE1900は、気付アドレステストイニット(CoTi:care-of address test)メッセージをUE1903へ送信する(ステップS1905)。ここで、ePDG1901はUE1900の次ホップであり、ePDG1901は、ePDG1901の次ホップであるP−GW1902へCoTiメッセージを渡す(ステップS1906)。P−GW1902はePDG1904へCoTiメッセージを渡し(ステップS1907)、ePDG1904は、UE1903へCoTiメッセージを渡す(ステップS1908)。
UE1903は、CoTiメッセージに応答して、UE1900へ気付アドレステスト(CoT:Care-of test)メッセージを送信する(ステップS1909)。ここで、ePDG1904はUE1903の次ホップであり、ePDG1904は、ePDG1904の次ホップであるP−GW1902へCoTメッセージを渡す(ステップS1910)。P−GW1902は、UE1903の位置をUE1900へ通知するよう指示されているので、CoTメッセージに通知を挿入し、そのCoTメッセージをePDG1901へ渡す(ステップS1911)。ePDG1901は、通知付きCoTメッセージをUE1900へ渡す(ステップS1912)。この通知によって、UE1900は、モバイルIPv6の経路最適化を利用した場合でも、UE1903からのパケットがePDG1901を経由することを把握する。すなわち、UE1900は、モバイルIPv6経路最適化の恩恵を受けない。UE1900は、その代わりに、PMIPのために割り当てられたIPアドレスを使用して、UE1903との通信を行う。PMIPを使用することによって、UE1900は、UE1900のモビリティをP−GW1902へ更新する負荷が軽減される。
また、UE1900がPMIPを使用すると決定することに加えて、UE1900は、この決定結果をUE1900の揮発性メモリにキャッシュする。これは、UE1900がUE1903からのパケットがP−GW1902を通過するという通知をP−GW1902から引き続き受信した場合には、UE1900は、モバイルIPv6経路最適化を開始しないことを意味する。キャッシュを行う利点は、UE1900がモバイルIPv6の経路最適化を行って、UE1900が以前の試行と同一の結果(すなわち、UE1903からのパケットがP−GW1902を通過するのでPMIPを使用するという結果)を取得する必要性をなくす点である。
<第36の実施の形態:RRメッセージのマーク付け−キャッシュの寿命>
次に、本発明の第36の実施の形態では、UEがモバイルIPv6の経路最適化をキャッシュする方法において、キャッシュされた結果が有限時間内でのみ有効であるようにしてもよいことについて説明する。
例えば、UE1900は、モバイルIPv6の経路最適化の結果を10分間のみキャッシュする。10分後、UE1900は、モバイルIPv6の経路最適化を再試行し、UE1900がUE1903への最適化経路を実現できるかどうかを判断する。また、別の例では、UE1900は、UE1903がそのIPアドレスを変更した旨を検出すると、モバイルIPv6の経路最適化を再試行し、UE1900がUE1903への最適化経路を実現できるかどうかを判断する。UE1900がIPアドレスの変更を検出する方法は、例えば、UE1903がモビリティに従ってそのIPアドレスをUE1900へアップデートすることであるが、これに限定されるものではない。無限の時間ではなく有限時間だけキャッシュする利点は、UE1900がUE1903への最適化経路をセットアップできる別の位置にUE1903が移動した場合に、再試行によって、UE1900による早期の通知で最適化経路が確実にセットアップされる点にある。
<第37の実施の形態:P−GWからのマークを利用して、フローフィルタリングのフィルタルールをどこに設定するかを判断する>
次に、本発明の第37の実施の形態において、P−GWがUEに送信するパケットにマークを付ける方法によって、フローフィルタリングによってUEを支援するネットワークエンティティがどれかを、UEが決定できるようにすることも可能である。
例えば図18において、UE1800は、CN1805が直接ePDG1803に接続されているという通知をePDG1803から受信する。これにより、CN1805からのフローをフィルタリングするために、P−GW1804にフィルタリングルールを設定するより、UE1800は、ePDG1803にフィルタリングルールを設定する。この方法の利点は、ePDG1803にフィルタリングルールを設定することで、パケットがePDG1803で折り返され、P−GW1804とePDG1803との間を通過するために必要な一往復時間を節約する点にある。
なお、本発明は、最も実用的かつ好適な実施の形態と思われるものを考えて説明されているが、本発明の範囲を逸脱しない程度の派生例が可能である。例えば、上述のすべての実施の形態において、3Gインタフェース及びWiMAXインタフェースが考慮されているが、本発明はインタフェースのタイプが3Gインタフェース及びWiMAXインタフェースに限定されるものではなく、UEが異なるタイプのアクセス技術を有し、異なるタイプのインタフェースを用いてネットワークへ接続する場合においても適用可能である。また、上述の実施の形態では、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルとしてPMIPv6を参照しているが、これに限定されず、GTPを用いてもよい。また、使用するIPプロトコルのバージョンとしてIPv6を前提としているが、これに限定されず、IPv4を用いてもよい。
また、物理的に異なるインタフェースに限らず、物理的なインタフェースが同一(共用されている)でも使用するプロトコルが違う(ネットワーク内でのトンネリングの構成が異なるなどの要因により異なる選択の結果が異なる)ような論理的なインタフェースの選択の場合においても適用可能である。物理的なインタフェースを共用する一例としては、UEは本発明を実施するうえでの論理的なインタフェースが複数あればよく、例えば、1つの無線部を複数の接続方式で共用し、ネットワークインタフェースの観点からはその変化が問題にならない程度の速度で切り替えたり、レイヤ2で論理的なリンクを維持したりすることにより、ネットワーク部からは複数のインタフェースを介してネットワークに接続している場合と同等に動作できるよう構成されていてもよい。
また、通信相手との接続の状態や経路を示すマークは、特定のマークの有無による指示は一例であり、マークの有無の論理が逆であってもよく、複数のマークを用いてより多くの状態を区別できるようになっていてもよい。このようなマークの意味内容自体は本発明を実施するうえで変更可能である。
また、UE(移動端末)は複数の通信デバイスから構成されるものであってもよく、例えばパーソナルコンピュータなどの電子計算機に外挿型あるいは組み込み型の3GPP通信用デバイスモジュールや非3GPP通信デバイスモジュールを装着するものであってもよい。こうした多様な移動端末においても本発明は同等の効果を有するものである。
さらに、上述のシナリオはすべて3GPPアーキテクチャに関連しているが、本発明は、異種アクセスネットワークが配置されており、任意のモビリティ管理メカニズムが任意のアクセス技術タイプを通じて使用されるよう制限されているすべての技術に対して適用可能である。
また、上述の実施の形態では、ローカルモビリティ管理の環境であることが仮定されているが、モバイルルータ(MR:Mobile Router)(及びその配下のノード)により構成されたモバイルネットワーク(Mobile Network)(若しくは階層化されたモバイルネットワーク)に本発明を適用することも可能である。
例えば、モバイルネットワークの構成方法の1つであるNEMO(Network Mobility)はMRがHA(Home Agent)に移動ネットワーク(及び端末)の移動登録を行うことにより、移動端末に対するモビリティサポートが提供されるが、本明細書におけるMAGはMRに対応する形で適用可能である。この場合、LMAはMRのHAに対応すると考えることができる。さらに、PMIPを用いたネットワークを提供するネットワークオペレータがローミング関係などにより、PMIPで構成しているMAG−LMA間のトンネルを多段に用いるような場合は階層化されたモバイルネットワークに相当する。
さらに、オーバレイネットワークの環境に本発明を適用することも可能である。例えば、MAGによる移動端末に対するモビリティサポートをpHA(Proxy HA)に対応する形で適用可能である。この場合、モバイルノードの移動の起点(ある時点を基準とするものであったり(相対的)、ネットワークオペレータへの登録の状態(確定的)であったり、様々な場合があり得る)となるホームエージェント若しくはモバイルノードの接続先であるホームエージェントから登録情報を受信する他のホームエージェントはLMAに対応すると考えることができる。
また、上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明の通信システム、移動端末、ネットワークノード並びに基地局装置は、各インタフェースで異なるモビリティ管理メカニズムが使用されている複数インタフェースのUEが適切なインタフェースを選択するか、あるいは、複数のアドレスを有するUEが適切なアドレスを選択するし、その結果、最適な経路を使用してCNと通信を行うことを可能にするという効果を有しており、パケット交換型データ通信ネットワークのシステム(特に、PMIPなどのネットワークベースのローカルモビリティ管理プロトコルが実装されているネットワークシステム)及びクライアントベースのモビリティ管理プロトコルが実装されている移動端末における通信技術分野に適用可能である。

Claims (20)

  1. 異なるアクセス技術を用いた複数のインタフェースを使用してネットワークベースのモビリティ管理ドメインへ接続可能であり、通信相手である通信相手ノードとの間に前記複数のインタフェースに対応した複数の通信経路を有する移動端末と、前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されている端末の位置管理を行うネットワークノードとを有する通信システムであって、
    前記ネットワークノードが前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの監視を行って、前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信される前記パケットを検出した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されているかどうかを判断して、その判断結果を前記移動端末へ通知し、
    前記移動端末は、前記判断結果に基づいて、前記通信相手ノードとの通信に使用する通信経路を選択するよう構成されている通信システム。
  2. 前記ネットワークノードは、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されていると判断した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されていることを前記判断結果として前記移動端末へ通知するよう構成されている請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されていないと判断した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されていないことを前記判断結果として前記移動端末へ通知するよう構成されている請求項1に記載の通信システム。
  4. 前記ネットワークノードは、ネットワークベースのモビリティ管理に係る前記移動端末のバインディング情報と、前記移動端末によるクライアントベースのモビリティ管理に係る前記移動端末のバインディング情報とを保持し、両方のバインディング情報を参照することによって、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されているかどうかを判断するよう構成されている請求項1に記載の通信システム。
  5. 前記ネットワークノードは、前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットが前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメイン内から届き、かつ、前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメイン内へ転送することを検出した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されていることを前記判断結果として前記移動端末へ通知するよう構成されている請求項1に記載の通信システム。
  6. 前記ネットワークノードは、前記判断結果を前記移動端末へ送信されるデータパケットに埋め込んで通知するよう構成されている請求項1に記載の通信システム。
  7. 前記移動端末が前記ネットワークノードに対して、前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの検出要求を送信し、前記ネットワークノードは、前記パケットの検出要求を受信した場合に前記パケットの監視を開始するよう構成されている請求項1に記載の通信システム。
  8. 前記通信相手ノードが前記移動端末に対して複数の通信経路を有し、かつ、前記移動端末から前記通信相手ノードへ送信されるパケットの検出要求を送信することが可能な場合には、前記移動端末及び前記通信相手ノードはどちらが前記パケットの検出要求を行うかを交渉によって決定するよう構成されている請求項7に記載の通信システム。
  9. 前記移動端末が複数のインタフェース又は複数のアドレスを有しており、前記インタフェース又は前記アドレスを選択することによって前記通信経路を選択するよう構成されている請求項1に記載の通信システム。
  10. ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されている端末の位置管理を行うネットワークノードが配置されている前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインへ異なるアクセス技術を用いた複数のインタフェースを使用して接続可能であり、通信相手である通信相手ノードとの間に前記複数のインタフェースに対応した複数の通信経路を有する移動端末であって、
    前記ネットワークノードが前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの監視を行って、前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットを検出した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されているかどうかを判断した判断結果を受信する受信手段と、
    前記判断結果に基づいて、前記通信相手ノードとの通信に使用する通信経路を選択する通信経路選択手段とを、
    有する移動端末。
  11. 前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの監視を前記ネットワークノードに開始させるために、前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの検出要求を前記ネットワークノードへ送信するパケット検出要求手段を有する請求項10に記載の移動端末。
  12. 前記通信相手ノードが前記移動端末に対して複数の通信経路を有し、かつ、前記通信相手ノードが前記移動端末から前記通信相手ノードへ送信されるパケットの検出要求を送信することが可能な場合には、前記移動端末及び前記通信相手ノードのどちらが前記パケットの検出要求を行うかを前記通信相手ノードとの間における交渉によって決定する交渉手段を有する請求項11に記載の移動端末。
  13. 前記交渉によって前記移動端末が前記パケットの検出要求を行い、かつ、前記判断結果に基づいて前記通信相手ノードとの通信に使用する通信経路を選択した場合に、前記通信相手ノードが選択すべき通信経路に関する情報を前記通信相手ノードへ通知し、その許諾を前記通信相手ノードから受信する選択結果送受信手段を有する請求項12に記載の移動端末。
  14. 前記選択結果送受信手段が、前記通信相手ノードが選択すべき通信経路に関する情報と共に、前記判断結果を前記通信相手ノードへ通知するよう構成されている請求項13に記載の移動端末。
  15. 前記交渉によって前記通信相手ノードが前記パケットの検出要求を行い、かつ、前記判断結果に基づいて前記通信相手ノードとの通信に使用する通信経路を選択した場合に、前記移動端末が選択すべき通信経路に関する情報を前記通信相手ノードから受信し、その許諾を前記通信相手ノードへ送信する選択結果送受信手段を有する請求項12に記載の移動端末。
  16. 前記選択結果送受信手段が、前記移動端末が選択すべき通信経路に関する情報と共に、前記通信相手ノード側のネットワークノードによって判断された判断結果を前記通信相手ノードから受信するよう構成されている請求項15に記載の移動端末。
  17. 複数のインタフェース又は複数のアドレスを有しており、前記通信経路選択手段は、前記インタフェース又は前記アドレスを選択することによって前記通信経路を選択するよう構成されている請求項10に記載の移動端末。
  18. 前記通信経路選択手段が、
    前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの監視を、前記移動端末が接続している基地局装置に開始させるために、前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの検出要求を前記基地局装置へ送信する第2のパケット検出要求手段と、
    前記基地局装置が前記移動端末の通信相手である通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの監視を行って、前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットを検出した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記基地局装置に接続されているかどうかを判断した第2の判断結果を受信する第2の受信手段とを有し、
    前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されていることを示す判断結果を前記ネットワークノードから受信した場合に、前記第2のパケット検出要求手段によって前記パケットの検出要求を前記基地局装置へ行い、前記第2の受信手段によって受信した前記第2の判断結果に基づいて、前記通信相手ノードとの通信に使用する通信経路を選択するよう構成されている請求項10に記載の移動端末。
  19. 前記通信経路の選択に係るポリシを取得するポリシ取得手段を有し、
    前記通信経路選択手段は、前記判断結果に加えて、前記ポリシ取得手段で取得された前記ポリシに基づいて、前記通信相手ノードとの通信に使用する通信経路を選択するよう構成されている請求項10に記載の移動端末。
  20. ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されている端末の位置管理を行うネットワークノードであって、
    異なるアクセス技術を用いた複数のインタフェースを使用して前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインへ接続可能であり、通信相手である通信相手ノードとの間に前記複数のインタフェースに対応した複数の通信経路を有する移動端末に関して、前記移動端末の通信相手である通信相手ノードから前記移動端末へ送信されるパケットの監視を行うパケット監視手段と、
    前記通信相手ノードから前記移動端末へ送信される前記パケットを検出した場合に、前記通信相手ノードが同一の前記ネットワークベースのモビリティ管理ドメインに接続されているかどうかを判断する判断手段と、
    前記判断手段による判断結果を前記移動端末へ通知する通知手段とを、
    有するネットワークノード。
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