JP5677561B1 - 被膜の製造方法及び被膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】被膜に互いに色の異なる領域を形成することができる被膜の製造方法を提供する。【解決手段】光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有する組成物からなる塗膜を形成する。塗膜を露光してから加熱する。塗膜形成時から、露光完了時までの間、塗膜の温度を、有機化合物の融点よりも低い温度に維持する。露光時には、塗膜における第一の部分に光を照射し、第二の部分には光を照射せず或いは低い露光量で光を照射する。塗膜の加熱時の加熱温度が、Th≧Tm−30(Th(℃)は塗膜の加熱温度、Tmは、有機化合物の融点)の関係を満たす。【選択図】図1
Description
本発明は、被膜の製造方法及び被膜に関する。
種々の基材上に被膜を形成し、更にその上に文字、記号等のマーキングを施すことは、種々の分野でおこなわれている。例えば配線板等の配線板上には、配線の保護、部品実装時の短絡防止等のために、ソルダーレジスト等の被膜が形成され、この被膜上に、製品情報等を表示する文字、記号等が、マーキングされることがある(特許文献1参照)。また、基板等の製品におけるバーコードの表示、封止材に対する文字・記号等の表示などのためにも、被膜に文字、記号等が、マーキングされることがある。また、看板、ラベル、各種シート製品、各種フィルム製品、各種塗装製品等に、マーキングが施された被膜が設けられることがある。
従来、被膜にマーキングを施す場合には、被膜の形成後に、マーキングだけのための工程を追加する必要がある。すなわち、例えば配線板上に被膜を形成してから、被膜上に、この被膜とは異なる色を有するマーキングペーストをスクリーン印刷等で塗布し、更にこのマーキングペーストを加熱する必要がある。このことは、配線板の製造効率の低下を招いてしまう。
被膜形成とマーキングとを別個に行う必要があるのは、従来の被膜が単一色であるからである。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、被膜を作製するにあたり、この被膜に互いに色の異なる領域を形成することができる被膜の製造方法及びこの方法で製造される被膜を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る被膜の製造方法は、
〈a〉光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有する被膜形成用組成物からなる塗膜を形成する工程、
〈b〉前記塗膜を露光する工程、及び
〈c〉露光後の前記塗膜を加熱することで前記被膜を形成する工程を含み、
前記〈a〉の工程により塗膜を形成した時点から、前記〈b〉の工程における露光が完了する時点までの間、前記塗膜の温度を、前記有機化合物の融点よりも低い温度に維持し、
前記〈b〉の工程では、前記塗膜における第一の部分に光を照射し、前記塗膜における前記第一の部分とは異なる第二の部分には光を照射せず、或いは前記第一の部分よりも露光量が低くなるように光を照射し、
前記〈c〉の工程での前記塗膜の加熱温度が、Th≧Tm−30(但し、Th(℃)は前記塗膜の前記加熱温度、Tmは、前記有機化合物の融点である)の関係を満たすことを特徴とする。
〈a〉光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有する被膜形成用組成物からなる塗膜を形成する工程、
〈b〉前記塗膜を露光する工程、及び
〈c〉露光後の前記塗膜を加熱することで前記被膜を形成する工程を含み、
前記〈a〉の工程により塗膜を形成した時点から、前記〈b〉の工程における露光が完了する時点までの間、前記塗膜の温度を、前記有機化合物の融点よりも低い温度に維持し、
前記〈b〉の工程では、前記塗膜における第一の部分に光を照射し、前記塗膜における前記第一の部分とは異なる第二の部分には光を照射せず、或いは前記第一の部分よりも露光量が低くなるように光を照射し、
前記〈c〉の工程での前記塗膜の加熱温度が、Th≧Tm−30(但し、Th(℃)は前記塗膜の前記加熱温度、Tmは、前記有機化合物の融点である)の関係を満たすことを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る被膜の製造方法は、第1の態様において、前記有機化合物の割合が、固形分量に対して1〜80質量%の範囲内であることを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る被膜の製造方法は、第1又は第2の態様において、前記有機化合物の融点が、100〜230℃の範囲内であることを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る被膜の製造方法は、第1乃至第3のいずれか一の態様において、前記有機化合物が、結晶性エポキシ化合物及びジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することを特徴とする。
本発明の第5の態様に係る被膜の製造方法は、第1乃至第4のいずれか一の態様において、前記被膜形成用組成物が、前記光重合開始剤に含まれると共に前記有機化合物にも含まれる化合物を含有することを特徴とする。
本発明の第6の態様に係る被膜の製造方法は、第1乃至第5のいずれか一の態様において、前記光重合性化合物が、エチレン性不飽和基を有するモノマーを含有することを特徴とする。
本発明の第7の態様に係る被膜の製造方法は、第1乃至第6のいずれか一の態様において、前記被膜形成用組成物が着色剤を含有することを特徴とする。
本発明の第8の態様に係る被膜の製造方法は、第1乃至第6のいずれか一の態様において、前記被膜形成用組成物が、着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有することを特徴とする。
本発明の第9の態様に係る被膜の製造方法は、第1乃至第8のいずれか一の態様において、前記〈b〉の工程における、前記第一の部分の露光量に対する、前記第二の部分の露光量の割合が、0〜75%の範囲内であることを特徴とする。
本発明の第10の態様に係る被膜は、光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有する被膜形成用組成物の硬化物からなり、
第一の領域と第二の領域とを備え、
前記第一の領域は、気泡を含み、
前記第二の領域は、気泡を含まず、或いは気泡を前記第一の領域よりも低い割合で含むことを特徴とする。
第一の領域と第二の領域とを備え、
前記第一の領域は、気泡を含み、
前記第二の領域は、気泡を含まず、或いは気泡を前記第一の領域よりも低い割合で含むことを特徴とする。
本発明の第11の態様に係る被膜形成用組成物は、第10の態様に係る被膜を製造するための被膜形成用組成物であって、光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有することを特徴とする。
本発明の第12の態様に係る被膜形成用組成物は、第11の態様において、前記光重合性化合物に対する前記有機化合物の割合が、固形分量に対して1〜80質量%の範囲内であることを特徴とする。
第13の態様に係る被膜形成用組成物は、第11乃至第12の態様において、前記有機化合物の融点が、100〜230℃の範囲内であることを特徴とする。
第14の態様に係る被膜形成用組成物は、第11乃至第13のいずれか一の態様において、前記有機化合物が、結晶性エポキシ化合物及びジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することを特徴とする。
第15の態様に係る被膜形成用組成物は、第11乃至第14のいずれか一の態様において、前記光重合性化合物が、エチレン性不飽和基を有するモノマーを含有することを特徴とする。
第16の態様に係る被膜形成用組成物は、第11乃至第15のいずれか一の態様において、着色剤を含有することを特徴とする。
第17の態様に係る被膜形成用組成物は、第11乃至第15のいずれか一の態様において、着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有することを特徴とする。
本発明に係る被膜の製造方法によれば、露光後の塗膜を加熱すると、第一の部分内には、気泡が形成される。一方、露光時の露光量が第一の部分よりも低い第二の部分内には、加熱されても気泡は形成されず、或いは、気泡は形成されるが、この気泡の割合が第一の部分よりも低くなる。このため、被膜における第一の部分の硬化物の光透過性が、第二の部分の硬化物よりも低くなる。これにより、露光時の露光量を部分的に異ならせるだけで、被膜に互いに色の異なる領域を形成することができる。
本実施形態における被膜形成用組成物について説明する。
被膜形成用組成物は、光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物(以下、特定有機化合物という)を含有する。
本実施形態では、被膜を製造するにあたり、被膜形成用組成物からなる塗膜を形成し、続いてこの塗膜を露光し、続いて露光後の塗膜を加熱することで被膜を形成する。
更に、本実施形態では、塗膜を形成した時点から、塗膜の露光が完了する時点までの間、塗膜の温度を、特定有機化合物の融点よりも低い温度に維持する。
更に、本実施形態では、塗膜を露光するにあたり、塗膜における第一の部分に光を照射し、塗膜における第一の部分とは異なる第二の部分には光を照射せず或いは第一の部分よりも露光量が低くなるように光を照射する。
尚、第一の部分における露光量は均一であってもよく、第一の部分内に互いに露光量の異なる複数の部分が存在してもよい。また、第二の部分に光を照射する場合、第二の部分における露光量は均一であってもよく、第二の部分内に互いに露光量の異なる複数の部分が存在してもよい。
更に、本実施形態では、塗膜を加熱するにあたり、塗膜の加熱温度が、Th≧Tm−30(但し、Th(℃)は前記塗膜の前記加熱温度、Tmは、特定有機化合物の融点である)の関係を満たす。すなわち、塗膜を加熱する際の加熱温度が、特定有機化合物の融点から30℃を減じた温度以上である。換言すれば、特定有機化合物の融点が、塗膜を加熱する際の加熱温度に30℃を加えた温度以下である。
このため、本実施形態では、露光後の塗膜を加熱すると、第一の部分内には、気泡が形成される。一方、第二の部分内には、加熱されても気泡は形成されず、或いは、気泡は形成されるが、この気泡の割合が第一の部分よりも低くなる。このため、被膜における第一の部分の硬化物(第一の領域)の光透過性が、第二の部分の硬化物(第二の領域)よりも低くなる。また、第一の領域では、第二の領域よりも光の散乱が生じやすくなる。このため、例えば被膜形成用組成物が着色剤を含有する場合には、第一の領域の外観色は主として着色剤の色となるのに対し、第二の領域の外観色は、着色剤の色と下地の色とが混合した色となる。また、被膜形成用組成物が着色剤を含有せず或いは着色剤を含有するがその割合が小さい場合には、第一の領域の外観色は、気泡による光散乱のせいで白色に見え、第二の領域は透明であって第二の領域を通して下地の色が透けて見える。従って、露光時の露光量を部分的に異ならせるだけで、被膜に互いに色の異なる領域を形成することができる。
本実施形態の効果は、次の理由により生じると推察される。
第一の部分は、塗膜の露光時に光が照射されているため、光重合性化合物の光重合反応により生成した重合体を含んでいる。この状態で塗膜を加熱すると、塗膜内の特定有機化合物が溶融することで、塗膜が変形しようとするが、第一の部分は、重合体を含有するため、特定有機化合物の溶融に追随して変形しにくい。このために、第一の部分内に気泡が生じるものと、考えられる。一方、第二の部分は、光重合性化合物の重合体を含まず、或いはこの重合体の割合が第一の部分よりも低い。このため、塗膜を加熱すると、第二の部分は、第一の部分と比べて、特定有機化合物の溶融に追随して変形しやすい。このために、第二の部分内に気泡が生じず、或いは第二の部分内に気泡の割合が第一の部分よりも低くなるものと、考えられる。
尚、本実施形態では、塗膜を加熱する際の加熱温度が、特定有機化合物の融点よりも低くても、特定有機化合物の融点から30℃を減じた温度以上であれば、第一の部分内に気泡が生じる。その理由は明確には解明されていないが、塗膜内では特定有機化合物に別の化合物が混入することで、特定有機化合物の融点降下(凝固点降下)が生じるのが、理由の一つであると推察される。
露光後の塗膜の加熱温度が、更にTm+100≧Th≧Tm−30の関係を満たすことが好ましい。この場合、被膜形成用組成物中の成分の熱による劣化が抑制される。
本実施形態では、塗膜を形成した時点から、塗膜の露光が完了する時点までの間、塗膜の温度を、特定有機化合物の融点よりも低い温度に維持することが好ましい。この場合、第一の領域内の気泡の割合が、より高くなる。このため第一の領域と第二の領域との間の外観色の相違が、より顕著になる。これは、第一の部分内の光重合性化合物が重合する前に第一の部分内で特定有機化合物が溶融すると、第一の部分内で特定有機化合物が安定してしまい、このため塗膜の露光後に第一の部分を加熱しても、第一の部分が変形しにくくなるためであると、推察される。更に好ましくは、塗膜を形成した時点から、塗膜の露光が完了する時点までの間、塗膜の温度を、特定有機化合物の融点から30℃減じた温度よりも低い温度に維持する。
本実施形態における被膜形成用組成物について、更に詳細に説明する。
被膜形成用組成物が含有する特定有機化合物は、明確な融点を有し、この融点以上で低粘度の液体になることが好ましい。
特定有機化合物の融点が、100〜230℃の範囲内であることが好ましい。この場合、被膜形成用組成物が充分に露光されてから加熱されると、被膜形成用組成物の硬化物中に、気泡が特に生成しやすくなり、且つ被膜形成用組成物の硬化物全体に対する気泡の割合が高くなりやすい。
特定有機化合物は、例えば結晶性エポキシ化合物及びジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
また、被膜形成用組成物が、光重合開始剤に含まれると共に特定有機化合物にも含まれる化合物を含有することもできる。
結晶性エポキシ化合物は、エポキシ基を有し且つ結晶性を有するモノマー、プレポリマー及びポリマーからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。このような化合物は市販され、容易に入手可能である。例えば結晶性エポキシ化合物は、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(高融点タイプ)、新日鉄住金化学株式会社製の品名YDC−1312(ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学株式会社製の品名YSLV−120TE(チオエーテル型結晶性エポキシ樹脂)、日本化薬株式会社製の品名GTR−1800(テトラキスフェノールエタン型結晶性エポキシ樹脂)、ビスフェノールフルオレン型結晶性エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製の品名YX−4000(ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂)、及び1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(低融点タイプ)からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
ジカルボン酸は、例えばマロン酸、コハク酸、アジピン酸、シュウ酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、及び4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
また、光重合開始剤に含まれると共に特定有機化合物にも含まれる化合物は、例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、及びエタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾールー3−イル〕―,1−(0−アセチルオキシム)を含有することができる。
被膜形成用組成物は、エポキシ化合物を含有してもよい。エポキシ化合物は、特定有機化合物に含まれる結晶性エポキシ化合物を含有してもよい。
被膜形成用組成物がエポキシ化合物を含有する場合、被膜形成用組成物が非結晶性エポキシ化合物を含有してもよい。エポキシ化合物が、結晶性エポキシ化合物と非結晶性エポキシ化合物とを両方含有してもよい。
非結晶性エポキシ化合物は、例えば非結晶性のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品名EPICLON N−695)、非結晶性のフェノールノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品名EPICLON N−775)、非結晶性のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品名EPICLON N−865)、非結晶性のビスフェノールA型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品名jER1001)、非結晶性のビスフェノールF型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品名jER4004P)、非結晶性のビスフェノールS型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品名EPICLON EXA−1514)、非結晶性のビスフェノールAD型エポキシ樹脂、非結晶性の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、非結晶性のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、及び非結晶性の特殊二官能型エポキシ樹脂(具体例として、三菱化学株式会社製の品番YL7175−500、及びYL7175−1000;DIC株式会社製の品名EPICLON TSR−960、EPICLON TER−601、EPICLON TSR−250−80BX、EPICLON 1650−75MPX、EPICLON EXA−4850、EPICLON EXA−4816、EPICLON EXA−4822、及びEPICLON EXA−9726;新日鉄住金化学株式会社製の品名YSLV−120T)、及び前記以外の非結晶性のビスフェノール系エポキシ樹脂からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
被膜形成用組成物がエポキシ化合物を含有する場合、被膜形成用組成物は、エポキシ化合物を硬化させるための硬化剤を含有することが好ましい。硬化剤は、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;アジピン酸ヒドラジド、セバシン酸ヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物;酸無水物;フェノール;メルカプタン;ルイス酸アミン錯体;及びオニウム塩からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。これらの化合物の市販品の例として、四国化成株式会社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ株式会社製のU−CAT3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)が挙げられる。また、硬化剤は、密着性付与剤としても機能するグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を含有することもできる。
光重合性化合物は、被膜形成用組成物から形成される塗膜に光硬化性を付与する。光重合性化合物は、例えばエチレン性不飽和基を有するモノマー、エチレン性不飽和基を有するプレポリマー及びエチレン性不飽和基を有するポリマーからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
光重合性化合物は、例えばエチレン性不飽和基を有するモノマーを含有することができる。エチレン性不飽和基を有するモノマーは、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;並びにジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε―カプロラクトン変性ペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エチレン性不飽和基を有するモノマーが、リン含有化合物(リン含有光重合性化合物)を含有することも好ましい。この場合、被膜形成用組成物の硬化物の難燃性が向上する。リン含有光重合性化合物は、例えば2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート(具体例として共栄社化学株式会社製の品番ライトエステルP−1M、及びライトエステルP−2M)、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート(具体例として共栄社化学株式会社製の品番ライトアクリレートP−1A)、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート(具体例として大八工業株式会社製の品番MR−260)、並びに昭和高分子株式会社製のHFAシリーズ(具体例としてジペンタエリストールヘキサアクリレートとHCAとの付加反応物である品番HFAー6003、及びHFA−6007、カプロラクトン変性ジペンタエリストールヘキサアクリレートとHCAとの付加反応物である品番HFAー3003、及びHFA−6127等)からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
光重合性化合物は、カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有する樹脂(以下、カルボキシル基含有不飽和樹脂という)を含有してもよい。
カルボキシル基含有不飽和樹脂は、例えば一分子中に二個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a1)における前記エポキシ基のうち少なくとも一つに、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(a2)が反応し、更に多価カルボン酸及びその無水物から選択される少なくとも一種からなる群から選択される化合物(a3)が付加した構造を有する樹脂(以下、第一の樹脂(a)という)を、含有することができる。
エポキシ化合物(a1)は、例えばクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂、及びエポキシ基を有する化合物を含むエチレン性不飽和化合物の重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することができる。
エポキシ化合物(a1)が、エポキシ基を備える化合物(p1)を含むエチレン性不飽和化合物(p)の重合体を含有してもよい。
この重合体の合成に供されるエチレン性不飽和化合物(p)は、エポキシ基を備える化合物(p1)のみを含有してもよく、エポキシ基を備える化合物(p1)とエポキシ基を備えない化合物(p2)とを含有してもよい。
エポキシ基を備える化合物(p1)は、適宜のポリマー及びプレポリマーから選択される化合物を含有することができる。具体的には、エポキシ基を備える化合物(p1)は、アクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類、メタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類、アクリレートの脂環エポキシ誘導体、メタクリレートの脂環エポキシ誘導体、β−メチルグリシジルアクリレート、及びβ−メチルグリシジルメタクリレートからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。特に、エポキシ基を備える化合物(p1)が、汎用されて入手が容易なグリシジル(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
エポキシ基を備えない化合物(p2)は、エポキシ基を備える化合物(p1)と共重合可能な化合物であればよい。エポキシ基を備えない化合物(p2)は、例えば2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(重合度n=2〜17)、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO,PO変性フタル酸(メタ)アクリレート、ビニルカルバゾール、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、3−マレイミド安息香酸N−スクシンイミジル、直鎖状或いは分岐を有する脂肪族又は脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、及びN−置換マレイミド類(例えばN−シクロヘキシルマレイミド)からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エポキシ基を備えない化合物(p2)が、更に一分子中にエチレン性不飽和基を二個以上備える化合物を含有してもよい。この化合物が使用され、その配合量が調整されることで、ソルダーレジスト層の硬度及び油性が容易に調整される。一分子中にエチレン性不飽和基を二個以上備える化合物は、例えばポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エチレン性不飽和化合物(p)が、例えば溶液重合法、エマルション重合法等の公知の重合法により重合することで、重合体が得られる。溶液重合法の具体例として、エチレン性不飽和化合物(p)を適当な有機溶剤中で、重合開始剤の存在下、窒素雰囲気下で加熱攪拌する方法並びに共沸重合法が、挙げられる。
エチレン性不飽和化合物(p)の重合のために使用される有機溶剤は、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エチレン性不飽和化合物(p)の重合のために使用される重合開始剤は、例えばジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、イソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシビバレート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、並びにレドックス系の開始剤からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エチレン性不飽和化合物(a2)は、適宜のポリマー及びプレポリマーからなる群から選択される化合物を含有することができる。エチレン性不飽和化合物(a2)は、エチレン性不飽和基を一個のみ有する化合物を含有することができる。エチレン性不飽和基を一個のみ有する化合物は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、及び2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。エチレン性不飽和化合物(a2)は、エチレン性不飽和基を複数個備える化合物を更に含有することができる。エチレン性不飽和基を複数個備える化合物は、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のヒドロキシル基を備える多官能アクリレート、並びに多官能メタクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
特にエチレン性不飽和化合物(a2)が、アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。この場合、アクリル酸及びメタクリル酸に由来するエチレン性不飽和基は特に光反応性に優れるため、第一の樹脂(a)の光反応性が高くなる。
エチレン性不飽和化合物(a2)の使用量は、エポキシ化合物(a1)のエポキシ基1モルに対してエチレン性不飽和化合物(a2)のカルボキシル基が0.4〜1.2モルの範囲内となる量であることが好ましく、特に前記カルボキシル基が0.5〜1.1モルの範囲内となる量であることが好ましい。
多価カルボン酸及びその無水物からなる群から選択される化合物(a3)は、例えばフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルナジック酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、メチルコハク酸、マレイン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸等のジカルボン酸;シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸等の三塩基酸以上の多価カルボン酸;並びにこれらの多価カルボン酸の無水物からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
化合物(a3)は、第一の樹脂(a)に酸価を与えることで、被膜形成用組成物にエポキシ基を有する化合物との熱反応性を付与することを主たる目的として使用される。化合物(a3)の使用量は、第一の樹脂(a)の酸価が好ましくは30mgKOH/g以上、特に好ましくは60mgKOH/g以上となるように調整される。また、化合物(a3)の使用量は、第一の樹脂(a)の酸価が好ましくは160mgKOH/g以下、特に好ましくは130mgKOH/g以下となるように調整される。
第一の樹脂(a)が合成される際に、エポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和化合物(a2)との付加反応、並びにこの付加反応による生成物(付加反応生成物)と化合物(a3)との付加反応を進行させるにあたっては、公知の方法が採用され得る。例えばエポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和化合物(a2)との付加反応にあたっては、エポキシ化合物(a1)の溶剤溶液にエチレン性不飽和化合物(a2)を加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて攪拌混合することで、反応性溶液が得られる。この反応性溶液を常法により好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃の反応温度で反応させることで、付加反応生成物が得られる。熱重合禁止剤としてはハイドロキノンもしくはハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。触媒としてベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビンなどが挙げられる。
付加反応生成物と化合物(a3)との付加反応を進行させるにあたっては、付加反応生成物の溶剤溶液に化合物(a3)を加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて撹拌混合することで、反応性溶液が得られる。この反応性溶液を常法により反応させることで、第一の樹脂(a)が得られる。反応条件はエポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和化合物(a2)との付加反応の場合と同じ条件でよい。熱重合禁止剤及び触媒としては、エポキシ化合物(a1)とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(a2)との付加反応時に使用された化合物をそのまま使用することができる。
カルボキシル基含有不飽和樹脂は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むエチレン性不飽和単量体の重合体におけるカルボキシル基の一部にエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる樹脂(第二の樹脂(b)という)を含有してもよい。エチレン性不飽和単量体には必要に応じてカルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物が含まれていてもよい。
第二の樹脂(b)を得るためのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、適宜のポリマー及びプレポリマーを含有することができる。例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物を含有することができる。より具体的には、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、及び2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を複数有する化合物を含有することもできる。より具体的には、例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタメタクリレートからなる群から選択されるヒドロキシル基を有する多官能の(メタ)アクリレートに、二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物を含有することができる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
第二の樹脂(b)を得るためのカルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物と共重合可能な化合物であればよい。カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物は、芳香環を有する化合物と、芳香環を有さない化合物のうち、いずれも含有することができる。
芳香環を有する化合物は、例えば2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n=2〜17)、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO,PO変性フタル酸(メタ)アクリレート、ビニルカルバゾール、スチレン、ビニルナフタレン、及びビニルビフェニルからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
芳香環を有さない化合物は、例えば直鎖又は分岐の脂肪族、或いは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等;及びN−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。芳香環を有さない化合物は、更にポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を含有してもよい。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。これらの化合物はソルダーレジスト層の硬度及び油性の調節が容易である等の点で好ましい。
第二の樹脂(b)を得るためのエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、適宜のポリマー又はプレポリマーが挙げられる。このエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の具体例として、アクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類;アクリレート又はメタクリレートの脂環エポキシ誘導体;β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。特に、汎用されて入手が容易なグリシジル(メタ)アクリレートが用いられることが好ましい。
カルボキシル基含有不飽和樹脂全体の重量平均分子量は、800〜100000の範囲内であることが好ましい。この範囲内において、被膜形成用組成物に特に優れた感光性と解像性とが付与される。
カルボキシル基含有不飽和樹脂全体の酸価は30mgKOH/g以上であることが好ましく、この場合、被膜形成用組成物に良好な熱硬化性が付与される。この酸価は60mgKOH/g以上であれば更に好ましい。また、カルボキシル基含有不飽和樹脂全体の酸価は160mgKOH/g以下であることが好ましく、この場合、被膜形成用組成物から形成される被膜中のカルボキシル基の残留量が低減し、被膜の良好な電気特性、耐電蝕性及び耐水性等が維持される。この酸価は130mgKOH/g以下であれば更に好ましい。
光重合開始剤は、紫外線、可視光線、赤外線、近赤外線、電子線等の所望のエネルギー線露光用の光重合開始剤を含有することができる。尚、上述の通り、被膜形成用組成物が、光重合開始剤に含まれると共に特定有機化合物にも含まれる化合物を含有してもよい。
光重合開始剤は、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラー(t−ブチルペルオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類又はキサントン類;2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、4,4'−ビス−ジエチルアミノベンゾフェノン等の窒素原子を含む化合物;並びに2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
被膜形成用組成物は、着色剤を含有してもよい。被膜形成用組成物が着色剤を含有すると、上述の通り、被膜形成用組成物から形成される被膜における第一の領域の外観色は主として着色剤の色となるのに対し、第二の領域の外観色は、着色剤の色と下地の色とが混合した色となる。これにより、被膜に、互いに色の異なる領域が形成される。
尚、着色剤とは、被膜形成用組成物から形成される被膜を着色させる物質である。着色剤は、顔料と染料のいずれも含み得る。但し、有色ではあるが被膜形成用組成物から被膜を製造する過程で加熱されることで無色化する物質は、被膜を着色させないため、着色剤には含まれない。
被膜形成用組成物が着色剤を含有する場合、着色剤は、顔料、染料及び色素のいずれを含有してもよい。
例えば着色剤は、カラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されている材料を含有することができる。
例えば着色剤は、赤色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、オレンジ色着色剤、茶色着色剤、及び前記以外の色の着色剤からなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。
赤色着色剤の具体例として、モノアゾ系赤色着色剤、ジスアゾ系赤色着色剤、アゾレーキ系赤色着色剤、ベンズイミダゾロン系赤色着色剤、ペリレン系赤色着色剤、ジケトピロロピロール系赤色着色剤、縮合アゾ系赤色着色剤、アントラキノン系赤色着色剤、及びキナクリドン系が挙げられる。赤色着色剤のより具体的な例として、Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15, 16, 17, 21, 22, 23,31, 32, 112, 114, 146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193, 210, 245, 253, 258,266, 267, 268,及び269;Pigment Red37, 38, 及び41;Pigment Red 48:1,48:2, 48:3, 48:4, 49:1, 49:2, 50:1, 52:1, 52:2, 53:1, 53:2, 57:1, 58:4, 63:1,63:2, 64:1,及び68;Pigment Red 171;Pigment Red 175;Pigment Red 176;Pigment Red 185;Pigment Red 208;Pigment Red 123;Pigment Red 149;Pigment Red 166;Pigment Red 178;Pigment Red 179;Pigment Red 190;Pigment Red 194;Pigment Red 224;Pigment Red 254;Pigment Red 255;Pigment Red 264;Pigment Red 270;Pigment Red 272;Pigment Red 220;Pigment Red 144;Pigment Red 166;Pigment Red 214;Pigment Red 220;Pigment Red 221;Pigment Red 242;Pigment Red 168;Pigment Red 177;Pigment Red 216;Pigment Red 122;Pigment Red 202;Pigment Red 206;Pigment Red 207;並びにPigment Red 209が挙げられる。
青色着色剤の具体例として、フタロシアニン系青色着色剤、アントラキノン系青色着色剤、及び金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物が挙げられる。青色着色剤のより具体的な例として、Pigment Blue 15;Pigment Blue 15:1;Pigment Blue 15:2;Pigment Blue 15:3;Pigment Blue 15:4;Pigment Blue 15:6;Pigment Blue 16;及びPigment Blue 60が、挙げられる。
緑色着色剤の具体例として、フタロシアニン系緑色着色剤、アントラキノン系緑色着色剤、ペリレン系緑色着色剤、及び金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物が挙げられる。緑色着色剤のより具体的な例として、Pigment Green 7;及びPigment Green 36が、挙げられる。
黄色着色剤の具体例として、モノアゾ系黄色着色剤、ジスアゾ系黄色着色剤、縮合アゾ系黄色着色剤、ベンズイミダゾロン系黄色着色剤、イソインドリノン系黄色着色剤、及びアントラキノン系黄色着色剤が挙げられる。黄色着色剤のより具体的な例として、Pigment Yellow 24;Pigment Yellow 108;Pigment Yellow 193;Pigment Yellow 147;Pigment Yellow 199;Pigment Yellow 202;Pigment Yellow 110;Pigment Yellow 109;Pigment Yellow 139;Pigment Yellow 179;Pigment Yellow 185;Pigment Yellow 93;Pigment Yellow 94;Pigment Yellow 95;Pigment Yellow 128;Pigment Yellow 155;Pigment Yellow 166;Pigment Yellow 180; Pigment Yellow 120;Pigment Yellow 151;Pigment Yellow 154;Pigment Yellow 156;Pigment Yellow 175;Pigment Yellow 181;Pigment Yellow 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 12, 61, 62, 62:1, 65, 73,74, 75, 97, 100, 104, 105, 111, 116, 167, 168, 169, 182, 及び183;並びにPigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17,55, 63, 81, 83, 87, 126, 127, 152, 170, 172, 174, 176, 188, 及び198が、挙げられる。
紫色着色剤、オレンジ色着色剤、茶色着色剤等の具体例として、Pigment Violet 19、23、29、32、36、38、及び42;C.I.ピグメントオレンジ1;C.I.ピグメントオレンジ5;C.I.ピグメントオレンジ13;C.I.ピグメントオレンジ14;C.I.ピグメントオレンジ16;C.I.ピグメントオレンジ17;C.I.ピグメントオレンジ24;C.I.ピグメントオレンジ34;C.I.ピグメントオレンジ36;C.I.ピグメントオレンジ38;C.I.ピグメントオレンジ40;C.I.ピグメントオレンジ43;C.I.ピグメントオレンジ46;C.I.ピグメントオレンジ49;C.I.ピグメントオレンジ51;C.I.ピグメントオレンジ61;C.I.ピグメントオレンジ63;C.I.ピグメントオレンジ64;C.I.ピグメントオレンジ71;C.I.ピグメントオレンジ73;C.I.ピグメントブラウン23;並びにC.I.ピグメントブラウン25が、挙げられる。
黒色着色剤の具体例として、カーボンブラック及びナフタレンブラックが挙げられる。
白色着色剤の具体例として、酸化チタンが挙げられる。
被膜形成用組成物は、更に安息香酸系又はp−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤、増感剤等を含有してもよい。また、被膜形成用組成物は、レーザ露光法用増感剤として7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン等のクマリン誘導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等を含有してもよい。
被膜形成用組成物は、着色剤を含有せず、或いは着色剤を含有するがその割合が被膜に着色を生じない程度の低い値であってもよい。この場合、上述の通り、被膜形成用組成物から形成される被膜における第一の領域の外観色は白色に見え、第二の領域は透明であって下地の表面の色が透けて見える。従って、露光時の露光量を部分的に異ならせるだけで、被膜に互いに色の異なる領域を形成することができる。
被膜形成用組成物が、着色剤を含有せず、或いは着色剤を含有するがその割合が被膜に着色を生じない程度の低い値である場合、被膜形成用組成物は、有色であって、被膜形成用組成物から被膜を製造する過程で加熱されることで無色化する物質を含有してもよい。この物質は、上述のとおり、着色剤には含まれない。このような物質として、例えば、露光後の塗膜を加熱する際の加熱温度よりも低い熱分解温度を有する染料(以下、特定染料という)が挙げられる。この特定染料の熱分解温度は、塗膜の加熱温度にもよるが、60〜200℃の範囲内であることが好ましい。また、特定染料の具体例としては、例えば、Solvent Red 135;Solvent Red 179;Solvent Red 149;Solvent Red 150;Solvent Red 52;Solvent Red 207;Solvent Blue 35;Solvent Blue 63;Solvent Blue 68;Solvent Blue 70;Solvent Blue 83;Solvent Blue 87;Solvent Blue 94;Solvent Blue 97;Solvent Blue 122、;Solvent Blue 136;Solvent Blue 67;Solvent Green 3;Solvent Green 5;Solvent Green 20;Solvent Green 28;Solvent Yellow 163;Solvent Violet 13、及び36が挙げられる。
被膜形成用組成物が、充填材を含有してもよい。この場合、被膜形成用組成物から形成される塗膜の硬化収縮が低減する。充填材は、例えばシリカ、硫酸バリウム、カーボンナノチューブ、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。
被膜形成用組成物は、更に必要に応じて適宜の添加剤を含有してもよい。例えば被膜形成用組成物は、シリコーン、アクリレート等の共重合体;レベリング剤;シランカップリング剤等の密着性付与剤;チクソトロピー剤;重合禁止剤;ハレーション防止剤;難燃剤;消泡剤;酸化防止剤;界面活性剤;並びに高分子分散剤からなる群から選択される一種以上の化合物を含有してもよい。
被膜形成用組成物は、カルボキシル基を有し光重合性を有さない樹脂(以下、カルボキシル基含有非感光性樹脂という)を含有してもよい。
カルボキシル基含有非感光性樹脂は、例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むエチレン性不飽和単量体の重合体である。エチレン性不飽和単量体には更にカルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物が含まれていてもよい。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、適宜のポリマー及びプレポリマーを含有することができる。例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物を含有することができる。より具体的には、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、及び2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を複数有する化合物を含有することもできる。より具体的には、例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタメタクリレートからなる群から選択されるヒドロキシル基を有する多官能の(メタ)アクリレートに、二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物を含有することができる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物と共重合可能な化合物であればよい。カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物は、芳香環を有する化合物と、芳香環を有さない化合物のうち、いずれも含有することができる。
芳香環を有する化合物は、例えば2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n=2〜17)、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO,PO変性フタル酸(メタ)アクリレート、ビニルカルバゾール、スチレン、ビニルナフタレン、及びビニルビフェニルからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
芳香環を有さない化合物は、例えば直鎖又は分岐の脂肪族、或いは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等;及びN−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。芳香環を有さない化合物は、更にポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を含有してもよい。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。これらの化合物はソルダーレジスト層の硬度及び油性の調節が容易である等の点で好ましい。
カルボキシル基含有非感光性樹脂を得るために用いられる化合物の種類、比率等は、カルボキシル基含有非感光性樹脂の酸価が適当な値となるように適宜選択される。カルボキシル基含有非感光性樹脂の酸価は20〜180mgKOH/gの範囲であることが好ましく、35〜165mgKOH/gの範囲であれば更に好ましい。
被膜形成用組成物が、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、被膜形成用組成物の液状化又はワニス化、粘度調整、塗布性の調整、造膜性の調整などの目的で使用される。
有機溶剤は、例えばエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級或いは多価のアルコール類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル類;並びにジアルキルグリコールエーテル類からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
被膜形成用組成物中の有機溶剤の割合は、被膜形成用組成物から形成される塗膜の予備乾燥時に有機溶剤が速やかに揮散するように、すなわち有機溶剤が乾燥膜に残存しないように、調整されることが好ましい。特に、被膜形成用組成物中の有機溶剤の割合が、5〜99.5質量%の範囲内であることが好ましい。この場合、被膜形成用組成物の良好な塗布性が得られる。尚、有機溶剤の好適な割合は、塗布方法などにより異なるので、塗布方法に応じて割合が適宜調節されることが好ましい。
上記のような被膜形成用組成物の原料が配合され、例えば三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって混練されることにより、被膜形成用組成物が調製され得る。
保存安定性等を考慮して、被膜形成用組成物の原料の一部を混合することで第一剤を調製し、原料の残部を混合することで第二剤を調製してもよい。例えば、原料のうち光重合性化合物及び有機溶剤の一部及びエポキシ化合物を予め混合して分散させることで第一剤を調製し、原料のうち残部を混合して分散させることで第二剤を調製してもよい。この場合、適時必要量の第一剤と第二剤とを混合することで、被膜形成用組成物を調製することができる。
被膜形成用組成物中の特定有機化合物の割合は、固形分量に対して1.0〜80質量%の範囲内であることが好ましく、1.2〜70質量%の範囲内であればより好ましく、1.4〜65質量%の範囲内であれば更に好ましく、1.6〜60質量%の範囲内であれば特に好ましい。
被膜形成用組成物中の光重合性化合物は、上述の通り、カルボキシル基含有不飽和樹脂と、エチレン性不飽和基を有するモノマーとのうち、少なくとも一方を含有することができる。光重合性化合物の割合は、固形分量に対して1〜85質量%の範囲内であれば好ましく、5〜80質量%の範囲内であれば更に好ましい。
光重合性化合物がエチレン性不飽和基を有するモノマーを含有する場合、エチレン性不飽和基を有するモノマーの割合は、固形分量に対して1〜70質量%の範囲内であれば好ましく、5〜65質量%の範囲内であれば更に好ましい。
光重合性化合物がカルボキシル基含有不飽和樹脂を含有する場合、カルボキシル基含有不飽和樹脂の割合は、固形分量に対して1〜85質量%の範囲内であれば好ましく、5〜80質量%の範囲内であれば更に好ましい。
また、被膜形成用組成物がエポキシ化合物を含有する場合、エポキシ化合物の割合は、固形分量に対して1.5〜90質量%の範囲内であることが好ましく、3.0〜80質量%の範囲内であれば更に好ましい。
光重合開始剤の割合は、固形分量に対して0.1〜30質量%の範囲内であることが好ましい。
被膜形成用組成物が着色剤を含有する場合、着色剤の割合は、固形分量に対して0.05〜15質量%の範囲内であることが好ましく、0.1〜10質量%の範囲内であれば更に好ましい。
また、上述の通り、被膜形成用組成物は、着色剤を含有せず、或いは着色剤を含有するがその割合が被膜に着色を生じない程度の低い値であってもよい。着色剤を含有しても被膜に着色を生じないためには、着色剤の割合は、固形分量に対して0.04質量%以下であることが好ましい。
尚、固形分量とは、被膜形成用組成物中の、溶剤などの被膜の形成過過程で揮発する成分を除く全成分の合計量のことである。
本実施形態による被膜形成用組成物は、適宜の基材上に被膜を形成するために適用される。
以下に、本実施形態による被膜形成用組成物を用いて被膜を形成する方法を、図1〜3を参照して説明する。
基材1を用意する。基材1の材質、形状及び用途に制限はない。例えば基材1は、プリント配線板等の配線板、封止材、看板、各種ラベル、各種シート、各種フィルム、各種塗装基材等であってよい。
基材1の表面は、例えば有色である。有色とは、白色以外の色を有することを意味する。基材1の表面は、例えば黒色である。基材1は、例えば有色の層を備えるために、その表面が有色である。また、基材1自体の表面が有色であってもよい。
この基材1上に被膜形成用組成物を塗布して、図1に示すように塗膜2を形成する。被膜形成用組成物の塗布方法は、公知の方法、例えば浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、及びスクリーン印刷法からなる群から選択される。
続いて、必要に応じて被膜形成用組成物中の有機溶剤を揮発させるために、塗膜2を加熱する(予備乾燥)。この場合の加熱温度は、被膜形成用組成物中の特定有機化合物の融点よりも低い温度であることが好ましく、特に被膜形成用組成物中の特定有機化合物の融点から30℃減じた温度よりも低い温度であることが好ましい。この加熱温度は、例えば60〜100℃の範囲内である。
基材1上に塗膜2を形成するにあたっては、予め適宜の支持体上に被膜形成用組成物を塗布してから乾燥することで塗膜2(ドライフィルム)を形成し、このドライフィルムを基材1に重ねてから、ドライフィルムと基材1に圧力をかけることで、基材1上にドライフィルムを転着させてもよい(ドライフィルム法)。この場合、予備乾燥が省略されてもよい。
続いて、図2に示すように、塗膜2にマスク4を介して光を照射することで、塗膜2を露光する。
露光のための光は、この光の照射を受けて被膜形成用組成物中の光重合性化合物の光重合反応が進行するように、選択される。例えば露光のための光として、紫外線、可視光、又は近赤外線が選択される。紫外線が選択される場合、紫外線源は、例えばケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ及びメタルハライドランプからなる群から選択される。
マスク4は、互いに光透過性の程度が異なる二種類の部分を備える。例えばマスク4は、光透過性を有する部分(以下、透過性部41という)と、光透過性を有さず或いは透過性部41よりも低い光透過性を有する部分(以下、低透過性部42という)とを備える。
このマスク4を介して塗膜2が露光されると、塗膜2における透過性部41に対応する部分(第一の部分21)には光が照射され、塗膜2における低透過性部42に対応する部分(第二の部分22)には、光が照射されないか、第一の部分21よりも低い露光量で光が照射される。尚、第一の部分21は露光時に光が照射される部分であり、第二の部分22は露光時に光が照射されず或いは第一の部分21よりも低い露光量で光が照射される部分であると、いうこともできる。
このように塗膜2を露光すると、塗膜2における第一の部分21では光重合性化合物の光重合反応が進行する。一方、第二の部分22では、光重合性化合物の光重合反応が進行せず、或いは第一の部分21よりも程度が低いものの、光重合性化合物の光重合反応が進行する。
第一の部分21の露光量に対する、第二の部分22の露光量の割合は、例えば0〜75%の範囲内であり、特に0〜60%の範囲内であることが好ましい。
また、第一の部分21の露光量は、例えば100〜5000mJ/cm2の範囲内であり、第二の部分22の露光量は、例えば0〜500mJ/cm2の範囲内である。
塗膜2の露光後、基材1上の塗膜2(第一の部分21及び第二の部分22)を、加熱する。この場合の塗膜2の加熱温度は、Th≧Tm−30の関係を満たし、好ましくはTm+100≧Th≧Tm−30の関係を満たす。この式において、Th(℃)は塗膜の加熱温度であり、Tm(℃)は、特定有機化合物の融点である。加熱温度は、例えば100〜200℃の範囲内である。また加熱時間は10分〜5時間の範囲内である。
このように塗膜2が加熱されると、第一の部分21内で気泡が発生する。一方、第二の部分22内には気泡は発生せず、或いは気泡は発生するものの、その割合は第一の部分21よりも低い。また、このように塗膜2を加熱すると、被膜形成用組成物がエポキシ化合物を含有する場合は、エポキシ化合物の熱硬化反応が進行する。
塗膜2の加熱後に、塗膜2全体に光を照射してもよい。この場合、塗膜2内に未反応のまま残存する光重合性化合物の、光重合反応が進行する。
以上により、図3に示すように、基材1上に、塗膜2の硬化物からなる被膜3が形成される。被膜3は、第一の部分21の硬化物である第一の領域31と、第二の部分22の硬化物である第二の領域32とを、備える。第一の領域31は、気泡を含有する。一方、第二の領域32は、気泡を含有せず、或いは気泡を第一の領域31よりも低い割合で含有する。このため、第一の領域31と第二の領域32との間に光透過性の差異があり、第二の領域32は、第一の領域31よりも高い光透過性を有する。また、第一の領域31では、気泡によって光が散乱されやすくなる。
このため、被膜形成用組成物が着色剤を含有する場合には、第一の領域31の外観色は主として着色剤の色となるのに対し、第二の領域32の外観色は、着色剤の色と基材1の表面の色とが混合した色となる。例えば着色剤の色が緑色であり、基材1の表面の色が黒色である場合には、第一の領域31の外観色は緑色となり、第二の領域32の色は黒色又は暗緑色となる。また、被膜形成用組成物が着色剤を含有せず或いは着色剤を含有するがその割合が小さい場合には、第一の領域31の外観色は白色に見え、第二の領域32は透明であって下地である基材1の表面の色が透けて見える。
第一の領域31における気泡の割合は3〜70%の範囲内であることが好ましく、5〜60%の範囲内であれば更に好ましい。また、第一の領域31における気泡の割合の値に対する、第二の領域32における気泡の割合の値の割合は、0〜5%の範囲内であることが好ましい。
尚、この気泡の割合は、被膜3の表面を研磨することで現れる面(すなわち、被膜3の表面に沿った被膜3の断面)における、長径0.5μm以上の気泡の面積割合である。この面積割合は、例えば塗膜における20μm2の表面積を有する面における長径0.5μm以上の気泡の面積に基づいて導出される。
これらの割合は、露光時の第一の部分21の露光量及び第二の部分22の露光量を適宜調整することで、制御されうる。
このように被覆配線板における被膜3が形成されることで、被膜3に容易にマーキングが施される。例えば第一の領域31が適宜の図形、文字等の形状に形成されることで、第一の領域31によるマーキングが形成される。また、第二の領域32が適宜の図形、文字等の形状に形成されることで、第二の領域32によるマーキングが形成されてもよい。このため、被膜3形成と同時に、マーキングを施すことができる。
被覆配線板における被膜3は、例えばソルダーレジストであってよい。また、有色のソルダーレジストを備える基材1上に被膜3が形成される場合、有色のソルダーレジストと被膜3とが、多層構造のソルダーレジストを構成してもよい。
また、被膜3は、ソルダーレジストに限らず、文字、図形を表示する適宜の用途に採用され得る。例えば、基板等の製品上に被膜3を設けることでバーコードを表示したり、封止材上に被膜3を設けることで文字・記号等を表示したりすることができる。また、看板、ラベル、各種シート製品、各種フィルム製品、各種塗装製品等に、マーキングが施された被膜3を設けることもできる。
また、被膜3の第一の領域31は、気泡を含むことから、高い断熱性能を有する。このため、被膜3を断熱材として構成することもできる。
被膜3の厚みは、例えば3〜80μmの範囲内である。この厚み範囲において、第一の領域31の外観色と第二の領域32の外観色との相違が明確に視認可能である。特に、被膜3が厚み3〜25μmの範囲内の薄型の膜であっても、本実施形態では、第一の領域31の外観色と第二の領域32の外観色との相違が明確に視認可能である。この場合、第一の領域31における気泡の割合は5〜70%の範囲内であることが好ましく、また、第一の領域31における気泡の割合の値に対する、第二の領域32における気泡の割合の値の割合は、0〜5%の範囲内であることが好ましい。
実施例で用いるカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−1を、次のようにして調製した。
まず、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機が取り付けられている四つ口フラスコ内に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、品番YDCN−700−5、エポキシ当量203)203質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、及びトリフェニルホスフィン1.5質量部を入れることで、混合物を調製した。この混合物を加熱温度110℃、加熱時間10時間の条件で加熱することで、付加反応を進行させた。続いて、混合物にテトラヒドロ無水フタル酸60.8質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート78.9質量部を加えてから、更に混合物を加熱温度80℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。これにより、カルボキシル基含有不飽和樹脂の濃度65質量%溶液(カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−1)を得た。
また、実施例で用いるカルボキシル基含有非感光性樹脂溶液A−2を、次のようにして調製した。
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、メタクリル酸42質量部、メチルメタクリレート43質量部、スチレン35質量部、ベンジルアクリレート35質量部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル100質量部、ラウリルメルカプタン0.5質量部、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を加えた。この四ツ口フラスコ内の液を窒素気流下で75℃で5時間加熱して重合反応を進行させた。これにより、共重合体の濃度50質量%溶液(カルボキシル基含有非感光性樹脂溶液A−2)を得た。
また、実施例で用いるカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−1、カルボキシル基含有非感光性樹脂溶液A−2以外の原料の詳細は、次の通りである。
・光重合性単量体A:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)。
・光重合性単量体B:トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)。
・結晶性エポキシ化合物A:1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(高融点タイプ)、融点158℃。
・結晶性エポキシ化合物B:ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂。新日鉄住金化学株式会社製の品名YDC−1312。融点145℃。
・結晶性エポキシ化合物C:ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂。三菱化学株式会社製の品名YX−4000。融点105℃。
・結晶性エポキシ化合物D:1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(低融点タイプ)。融点101℃。
・非結晶性エポキシ化合物A:非結晶性のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂。DIC株式会社製の品名EPICLON N−695。
・非結晶性エポキシ化合物B:非結晶性のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂。DIC株式会社製の品名EPICLON N−865。
・ジカルボン酸A:マロン酸、融点130℃。
・ジカルボン酸B:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、新日本理化株式会社製、品名リシカッドTH−W、融点165℃。
・光重合開始剤A:BASF社製の品名イルガキュアー907、融点72℃。
・光重合開始剤B:2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン(DETX)、融点68℃。
・光重合開始剤C:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド。BASF社製の品名Lucirin TPO、融点88℃。
・光重合開始剤D:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製の品名イルガキュアー184、融点47℃。
・光重合開始剤E:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、BASF社製の品名イルガキュアー819、融点130℃。
・硫酸バリウム:堺化学工業株式会社製の品名バリエースB30。
・微粉シリカ:株式会社トクヤマ製の品名レオロシールMT−10。
・メラミン樹脂:日産化学工業株式会社製の品名メラミンHM。
・着色剤:東洋インキ製造社製の品名リオノールグリーン6Y−501
・消泡剤:信越化学工業株式会社製の品名KS−66。
・溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート。
・光重合性単量体A:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)。
・光重合性単量体B:トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)。
・結晶性エポキシ化合物A:1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(高融点タイプ)、融点158℃。
・結晶性エポキシ化合物B:ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂。新日鉄住金化学株式会社製の品名YDC−1312。融点145℃。
・結晶性エポキシ化合物C:ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂。三菱化学株式会社製の品名YX−4000。融点105℃。
・結晶性エポキシ化合物D:1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(低融点タイプ)。融点101℃。
・非結晶性エポキシ化合物A:非結晶性のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂。DIC株式会社製の品名EPICLON N−695。
・非結晶性エポキシ化合物B:非結晶性のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂。DIC株式会社製の品名EPICLON N−865。
・ジカルボン酸A:マロン酸、融点130℃。
・ジカルボン酸B:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、新日本理化株式会社製、品名リシカッドTH−W、融点165℃。
・光重合開始剤A:BASF社製の品名イルガキュアー907、融点72℃。
・光重合開始剤B:2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン(DETX)、融点68℃。
・光重合開始剤C:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド。BASF社製の品名Lucirin TPO、融点88℃。
・光重合開始剤D:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製の品名イルガキュアー184、融点47℃。
・光重合開始剤E:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、BASF社製の品名イルガキュアー819、融点130℃。
・硫酸バリウム:堺化学工業株式会社製の品名バリエースB30。
・微粉シリカ:株式会社トクヤマ製の品名レオロシールMT−10。
・メラミン樹脂:日産化学工業株式会社製の品名メラミンHM。
・着色剤:東洋インキ製造社製の品名リオノールグリーン6Y−501
・消泡剤:信越化学工業株式会社製の品名KS−66。
・溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート。
[実施例1〜13、比較例1〜4]
表1に示す成分を、後掲の表に示す割合で混合することで、被膜形成用組成物を調製した。
表1に示す成分を、後掲の表に示す割合で混合することで、被膜形成用組成物を調製した。
また、基材として、プリント配線板を用意した。このプリント配線板の表面に、緑色のソルダーレジストインクを塗布成膜することで、緑色のソルダーレジスト層を形成した。
このプリント配線板のソルダーレジスト層の表面上に、被膜形成用組成物をスクリーン印刷法で塗布することで、塗膜を形成した。この塗膜を80℃で30分間加熱した。
続いて、光透過性を有する透過性部と光透過性を有さない低透過性部とを備えるマスクを介して、塗膜に紫外線を照射することで、塗膜を露光した。塗膜における透過性部を透過する光が照射される部分における露光量は400mJ/cm2であった。
続いて、塗膜を150℃で1時間加熱した。
更に、実施例9〜12では、塗膜全体を露光した。この露光量は1000mJ/cm2である。
これにより、プリント配線板のソルダーレジスト層上に被膜を形成した。被膜の厚みは表に示す通りである。
[実施例14〜26、比較例5〜8]
表2に示す成分を、後掲の表に示す割合で混合することで、被膜形成用組成物を調製した。
表2に示す成分を、後掲の表に示す割合で混合することで、被膜形成用組成物を調製した。
また、基材として、表面の色が黒色であるプリント配線板を用意した。
このプリント配線板の表面上に、被膜形成用組成物をスクリーン印刷法で塗布することで、塗膜を形成した。この塗膜を80℃で30分間加熱した。
続いて、光透過性を有する透過性部と光透過性を有さない低透過性部とを備えるマスクを介して、塗膜に紫外線を照射することで、塗膜を露光した。塗膜における透過性部を透過する光が照射される部分における露光量は400mJ/cm2であった。
続いて、塗膜を150℃で30分加熱した。
更に、実施例22〜25では、塗膜全体を露光した。この露光量は1000mJ/cm2である。
これにより、プリント配線板上に被膜を形成した。被膜の厚みは表に示す通りである。
[評価]
各実施例及び比較例で得られた被膜の外観を目視で観察し、被膜における、露光時に透過性部を透過した光により露光された領域(第一の領域)と、露光時に低透過性部を透過した光により露光された領域(第二の領域)との、外観色を確認した。
各実施例及び比較例で得られた被膜の外観を目視で観察し、被膜における、露光時に透過性部を透過した光により露光された領域(第一の領域)と、露光時に低透過性部を透過した光により露光された領域(第二の領域)との、外観色を確認した。
また、被膜の外観を目視で観察し、第一の領域と第二の領域とが、明瞭に区別可能か否かを確認した、その結果、明瞭に区別可能の場合を「A」、区別可能の場合を「B」、不明瞭であるが区別可能の場合を「C」、区別不可能の場合を「D」と、評価した。その結果を「マーキングの視認性」の欄に示す。
また、被膜の表面を研磨し、それにより現れた面を観察し、その結果に基づいて第一の領域における気泡の割合と、第二の領域における気泡の割合とを、導出した。気泡の割合を導出するにあたっては、第一の領域と第二の領域の各々において、研磨により現れた面の20μm2の面積の領域での、0.5μm以上の長さを有する気泡の占有割合を、気泡の割合とした。その結果、気泡の割合が9%以上の場合を「A」、気泡の割合が6%以上9%未満の場合を「B」、気泡の割合が3%以上6%未満の割合の場合を「C」、気泡の割合が3%未満の場合を「D」と、評価した。
その結果を後掲の表に示す。
また、実施例1で得られた被膜における第一の領域の表面の光学顕微鏡像を図6に、この被膜における第二の領域の表面の光学顕微鏡像を図7に示す。これによると、第一の領域には多数の気泡が確認できるのに対し、第二の領域には気泡は確認されない。
また、図8は、実施例1で得られた被膜における第一の領域の表面を研磨することで現れた面の反射電子像を示し、図9は、この被膜における第二の領域の表面を研磨することで現れた面の反射電子像を示す。これによると、第一の領域には、黒い塊状にみえる気泡が確認できるのに対し、第二の領域には気泡は認められない。
また、実施例9で得られた被膜における第一の領域を切断することで現れた切断面の光学顕微鏡像を図10に、この切断面のSEM像を図11に、この切断面の顕微ラマンマッピング象を図12に、それぞれ示す。これらの結果からも、第一の領域内に多数のマイクロサイズの気泡が分散していることが確認できる。
Claims (10)
- 〈a〉光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有する被膜形成用組成物からなる塗膜を形成する工程、
〈b〉前記塗膜を露光する工程、及び
〈c〉露光後の前記塗膜を加熱することで被膜を形成する工程を含み、
前記〈a〉の工程により塗膜を形成した時点から、前記〈b〉の工程における露光が完了する時点までの間、前記塗膜の温度を、前記有機化合物の融点よりも低い温度に維持し、前記〈b〉の工程では、前記塗膜における第一の部分に光を照射し、前記塗膜における前記第一の部分とは異なる第二の部分には光を照射せず、或いは前記第一の部分よりも露光量が低くなるように光を照射し、
前記〈c〉の工程での前記塗膜の加熱温度が、Th≧Tm−30(但し、Th(℃)は前記塗膜の前記加熱温度、Tmは、前記有機化合物の融点である)の関係を満たし、前記〈c〉の工程の加熱により前記第一の部分内に気泡を発生させることで、前記被膜に気泡を含有する第一の領域と、気泡を含有せず或いは気泡の割合が前記第一の領域よりも低い第二の領域を形成することを特徴とする被膜の製造方法。 - 前記有機化合物の割合が、固形分量に対して1〜80質量%の範囲内である請求項1に記載の被膜の製造方法。
- 前記有機化合物の融点が、100〜230℃の範囲内である請求項1又は2に記載の被膜の製造方法。
- 前記被膜形成用組成物が、前記光重合開始剤に含まれると共に前記有機化合物にも含まれる化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の被膜の製造方法。
- 前記光重合性化合物が、エチレン性不飽和基を有するモノマーを含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の被膜の製造方法。
- 前記被膜形成用組成物が着色剤を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の被膜の製造方法。
- 前記被膜形成用組成物が、着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の被膜の製造方法。
- 前記〈b〉の工程における、前記第一の部分の露光量に対する、前記第二の部分の露光量の割合が、0〜75%の範囲内である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の被膜の製造方法。
- 前記有機化合物が、結晶性エポキシ化合物及びジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の被膜の製造方法。
- 請求項9に記載の方法で製造されたことを特徴とする被膜。
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