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JP5673491B2 - 電池配線モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、電池配線モジュールに関する。
電気自動車やハイブリッド車用の電池モジュールにおいては、正極および負極の電極端子を有する複数の単電池が並んで配置されている。このような電池モジュールとしては、正極の電極端子(正極端子)および負極の電極端子(負極端子)が、合成樹脂製の基板部に保持されたバスバーによって接続されることにより、複数の単電池が電気的に接続されるものがある。
複数の単電池を電気的に接続するために、例えば特許文献1に記載されているような電池配線モジュールが用いられる。
特許3707595号公報
この種の電池モジュールにおいては、電極端子とバスバーとを例えばナットにより電気的に接続した後、ショート等を防止するために、この接続部周辺を合成樹脂製の蓋部で一括にカバーすることが行われている。しかしながら従来は、単なる平坦な板状の蓋部を基板部に設けられたバスバー保持部の開放面に宛がうだけの構成であるため、蓋部とバスバー保持部との間に隙間が生じる場合があり、その隙間から異物が侵入する虞があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電極端子およびバスバーの周辺部を確実にカバーして異物の侵入を防止することができる電池配線モジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、正極および負極の電極端子を有する単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる電池配線モジュールであって、前記電極端子間を接続する複数のバスバーと、少なくとも一面側に開放した保持壁内に前記バスバーを保持可能な複数のバスバー保持部を有する樹脂プロテクタを備え、前記樹脂プロテクタに前記電極端子を覆う絶縁材料からなる蓋部が設けられたものにおいて、前記蓋部には、前記蓋部の内面から立ち上がるように設けられて前記蓋部を閉蓋した際に前記バスバー保持部の前記保持壁内に嵌合可能な連続する嵌合壁が設けられているところに特徴を有する。
本発明によれば、樹脂プロテクタの開放面を蓋部により閉蓋した場合には、蓋部に設けられた嵌合壁がバスバー保持部の保持壁と嵌合することにより、蓋部と保持壁との間に生じる隙間を塞ぐことができる。よって、異物がバスバー保持部内に侵入することを確実に防止することが可能となる。
また、樹脂プロテクタを複数個の連結ユニットを連結することにより構成し、蓋部を連結ユニットに対し樹脂ヒンジ部を介して開閉回動可能な構成としてもよい。このような構成とすると、バスバー収容部と蓋部との間に大きな公差が生じることがないので、蓋部に設けられた嵌合部が確実に各連結ユニットのバスバー保持部の保持壁と嵌合可能となる。
さらに、蓋部に、隣り合う連結ユニットの蓋部と連結可能な連結機構を設ける構成とすると、蓋部の開閉作業を個々の連結ユニットによらず一括に行うことができて、作業性に優れる。
本発明によれば、蓋部に設けられた嵌合壁により、バスバー保持部の保持壁と蓋部との間に生じる隙間を確実に塞ぐことができるから、電極端子およびバスバーの周辺部を確実にカバーして異物の侵入が防止可能な電池配線モジュールを提供することができる。
本発明の一実施形態の電池モジュールの蓋を開放した状態の平面図 同じく連結ユニットの蓋を開放した状態の平面図 同じく連結ユニットの繋げた状態の平面図 同じく連結ユニットの蓋を開放した状態の側面図 同じく連結ユニットの蓋を閉塞した状態の側断面図 同じく電池モジュールの蓋を閉塞した状態の平面図 同じく電池モジュールの蓋を閉塞した状態の正面図
本発明を電池モジュール10に適用した一実施形態を、図1ないし図7を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る電池モジュール10は、電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、車両を駆動するための電源として使用される。電池モジュール10は、正極および負極の電極端子11を備えた複数の単電池12がセパレータ15を介して並べて配された単電池群13を有する。複数の電極端子11間は、電池配線モジュール20によって電気的に接続されている(図7参照)。
なお、以下の説明において、複数の同一部材については、一の部材に符号を付し、他の部材については符号を省略することがある。
(単電池12)
図7に示すように、単電池12は扁平な略直方体形状をなしている。単電池12の内部には図示しない発電要素が収容されている。単電池12の上面には、長手方向の両端部寄りの位置に、一対の電極端子11,11が上方に突出して形成されている。単電池12の上面は電極面とされる。電極端子11の一方は正極端子であり、他方は負極端子である。正極端子を構成する電極端子11と、負極端子を構成する電極端子11とは同形、同大である。電極端子11は、金属製の端子台(図示せず)から上方に向かって丸棒状に突出する電極ポスト14を備え、その電極ポスト14の外面にはねじ山が形成されている。単電池12は、隣り合う電極端子11が異なる極性となるように配置されている。複数の単電池12は図7中左右方向に並べられて単電池群13を構成している。
(電池配線モジュール20)
電池配線モジュール20は、単電池12の正極および負極の電極端子11の電極ポスト14にそれぞれ挿通されて接続される一対の端子貫通孔22,22を有する金属製の複数のバスバー21と、バスバー21を保持するバスバー保持部32を有する合成樹脂製の樹脂プロテクタ30と、バスバー21に重ねて電気的に接続される電圧検知端子50と、電圧検知端子50に接続される検知電線60と、樹脂プロテクタ30の開放面を覆う蓋部40と、を備える。
(樹脂プロテクタ30)
樹脂プロテクタ30は、後述する連結ユニット31を複数個連結してなり、図1に示すように、単電池12の並び方向(図中左右方向)に細長い形状をなしている。
(バスバー21)
バスバー21は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等からなる金属製の板材を所定の形状にプレス加工することにより形成され、図1、図2、および図3に示すように、全体として略長方形状をなしている。バスバー21の表面には、スズ、ニッケル等の金属がメッキされていてもよい。バスバー21には、電極端子11の電極ポスト14が挿通される円形状をなす一対の端子貫通孔22,22が、バスバー21を貫通して形成されている。この端子貫通孔22は、電極ポスト14の径よりも若干大きく設定されている。端子貫通孔22内に電極ポスト14が貫通された状態でナット(図示せず)が螺合されて、ナットと端子台との間にバスバー21が挟まれることにより、電極端子11とバスバー21とが電気的に接続される。
(連結ユニット31)
連結ユニット31は、複数個連結させることにより樹脂プロテクタ30を構成するものであって、図2の平面図に示すように、一面側に開口すると共にバスバー21を収容し保持するバスバー保持部32と、バスバー21に重ねて設けられる電圧検知端子50に接続される検知電線60を収容するための電線収容溝33とが、樹脂プロテクタ30の長手方向に沿って設けられている。
バスバー保持部32は、バスバー21をその内側に保持して隣り合うバスバー21と絶縁状態に保持する保持壁32Aが略矩形状に上方に立ち上がって、バスバー21が収容可能な大きさに形成されてている。またこの保持壁32Aは、隣接する電極端子11の保護壁としても機能する。保持壁32Aのうち図2中下側に位置する前壁32Bは、その一部が切り欠かれて後述する電圧検知端子50の電線接続部を保持する溝状のバレル保持部35に連なっており、バスバー保持部32から検知電線60を電線収容溝33側に導出可能としている。
電線収容溝33は、一対の溝壁部33A,33Bおよび底部33Cを有して、バスバー保持部32の並び方向に沿って設けられている。一対の溝壁部33A,33Bのうちバスバー保持部32側の溝壁部33Aはその一部が切り欠かれており、バレル保持部35と連なって、バスバー保持部32側から検知電線60を電線収容溝33内に導入可能としている。
バスバー保持部32のうち電線収容溝33とは反対側の保持壁32Aの外面の上端縁には、各連結ユニット31(樹脂プロテクタ30)の開放面全体を覆ってバスバー21および電極端子11を保護し、かつ、検知電線60のはみ出しを防止する板状の蓋部40が、樹脂ヒンジ部41を介して開閉回動可能に設けられている。この蓋部40の図2中上側の端縁部付近には係止爪42が切り起こされるように設けられており(図4参照)、この係止爪42が連結ユニット31の電線収容溝33側の外面(図2中下側の面)に設けられた係止部34に係止されることにより、バスバー保持部32および電線収容溝33をその開放面(上面)側から閉塞可能としている。
また蓋部40のうち、蓋部40が各連結ユニット31(樹脂プロテクタ30)の開放面を閉蓋した際にバスバー保持部32と対向する位置には、蓋の下面から略垂直に立ち上がって矩形環状に連なる嵌合壁45が設けられている。この嵌合壁45は、蓋部40が閉蓋状態となった際に、バスバー保持部32の保持壁32Aの内側に嵌り込むサイズに設定されている。
また、蓋部40のうち図2中左上の角部には、先端に爪部43Aを有する一対の嵌合片43,43(本発明の連結機構に相当)が、隣り合う連結ユニット31の蓋部40に向けて(図2中左方向)伸びるように設けられているとともに、同じく図2中右上の角部には隣接する連結ユニット31の蓋部40の嵌合片43を受け入れ可能な嵌合凹部44(本発明の連結機構に相当)が蓋面から切り起こされて設けられている。上記嵌合片43が隣り合う連結ユニット31の嵌合凹部44内に嵌合し、爪部43Aが嵌合凹部44の端部に係止されることにより、隣合う連結ユニット31の蓋部40同士が互いに連結された状態となる(図3参照)。
また、連結ユニット31のうち、バスバー保持部32と電線収容溝33との間の図3中左側の側壁からは、2つの板状の嵌合片36,37が隣り合う連結ユニット31に向けて(図3中左方向)伸びるように並んで設けられている。この2つの嵌合片36,37のうち一方の嵌合片36は、図4に示すように、その板面が連結ユニット31の開放面に沿う方向に向くように設けられているとともに、他方の嵌合片37は、その板面が連結ユニット31の開放面とは直交する方向に向くように設けられている。また、連結ユニット31のうち図2中右側の側壁には、隣り合う連結ユニット31の上記嵌合片36,37を受け入れ可能な2つの孔状の嵌合凹部38,39が設けられている。嵌合凹部38,39は、嵌合片36,37を先端が突き当たるまで挿しこんで嵌合させることができる深さ及び大きさに形成されている。嵌合片36,37を隣り合う連結ユニット31の嵌合凹部38,39内に嵌合することにより、隣り合う連結ユニット31同士が連結された状態となる(図3参照)。
(電圧検知端子50)
連結ユニット31のバスバー保持部32内には、バスバー21に重ねられて、単電池12の電圧を検知するための電圧検知端子50が配される。電圧検知端子50は、銅、銅合金、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。電圧検知端子50の表面は、スズ、ニッケル等の金属によってメッキされていてもよい。
本実施形態において電圧検知端子50は矩形をなしており、その中央付近には、正極または負極の電極端子11の電極ポスト14が挿通される端子挿通孔51が形成されている。また、図3中左下の端部には、電線60の露出された芯線にかしめ圧着される電線接続部52が延設されている。
電圧検知端子50は、電線接続部52が検知電線60の芯線に巻き付くようにかしめられることにより、検知電線60と電気的に接続される。また、電圧検知端子50は、図示しないナットとバスバー21との間に挟まれることにより、電極端子11に電気的に接続される。検知電線60の反対側の端部は、図示しないECU等に接続され、このECU等により、単電池12の電圧が検知される。
(電池配線モジュール10の組立方法)
上述した本実施形態の電池モジュール10を組み立てる際には、まず複数の連結ユニット31を互いに連結する。具体的には、各連結ユニット31の嵌合片36,37を隣り合う連結ユニット31の嵌合凹部38,39内に差し込み、所定の位置まで押し込む。また、蓋部40の嵌合片43を隣り合う連結ユニット31の蓋部40の嵌合凹部44内に押し込んで嵌合させる。これにより、樹脂プロテクタ30が完成し、電線収容溝33が連結状態とされるとともに、蓋部40は樹脂ヒンジ部41を介して樹脂プロテクタ30の開放面に対して一括に開閉可能とされる。
次に、バスバー21を樹脂プロテクタ30のバスバー保持部32内に収容する。そして、検知電線60を電線接続部52にかしめつけた状態の電圧検知端子50を、樹脂プロテクタ30のバスバー保持部32内の所定位置に収容して、バスバー21に重ね合わせる。そして、電線接続部52から導出された検知電線60を電線収容溝33内に配設する。
このようにして組み立てられた本実施形態の電池配線モジュール20は、電極端子11を上に向けた状態で並べられた単電池群13の上面側に取り付けられる。すなわち、電極端子11をバスバー21の端子貫通孔22および電圧検知端子50の端子挿通孔51に挿通させつつ、電池配線モジュール20を単電池群13の上側に載置し、電極端子11に接続用のナット(図示せず)を締めつけて、隣り合う正極および負極の電極端子11、および、電極端子11と電圧検知端子50を電気的に接続する。
全ての接続が完了したら、最後に、連結状態とされた蓋部40を樹脂ヒンジ部41を中心に一括に回動させて、バスバー保持部32および電線収容溝33の開放面(上面)を覆う。そして、蓋部40の係止爪42を連結ユニット31(樹脂プロテクタ30)の係止部34に係止させて、樹脂プロテクタ30を閉塞状態とする。この時、蓋部40の内側面から立ち上がるように設けられた嵌合壁45は、図5に示すように、樹脂プロテクタ30のバスバー保持部32の保持壁32Aの内側に嵌り込み、樹脂プロテクタ30(保持壁32A)および蓋部40の突き当て部間の隙間を塞ぐ。これにより、電池モジュール10が完成する。
(実施形態の作用、効果)
上述した本実施形態の電気配線モジュールによれば、樹脂プロテクタ30の開放面を蓋部40により閉蓋した際には、蓋部40に設けられた嵌合壁45がバスバー保持部32の保持壁32Aの内側に嵌合する構成とされているから、蓋部40と樹脂プロテクタ30(保持壁43A)との間に隙間が生じた際にも、この嵌合壁45によってその隙間を塞ぐことができる。よって、異物がバスバー保持部32内に侵入することを確実に防止することが可能となる。
また、樹脂プロテクタ30を複数個の連結ユニット31を連結することにより構成し、蓋部40を各連結ユニット31に設けて樹脂ヒンジ部41を介して開閉回動可能としたから、電池配線モジュール20が長尺化してもバスバー保持部32と蓋部40との間に大きな公差が生じることがなく、蓋部40および蓋部40に設けられた嵌合壁45が確実に各連結ユニット21のバスバー保持部32の保持壁32A内に嵌合可能となる。
さらに、蓋部40に、隣合う連結ユニット21の蓋部40と連結可能な構成としたから、蓋部40の開閉作業を個々の連結ユニット21によらず一括に行うことができて、作業性に優れる。また、各連結ユニット間で生じる公差を、連結機構にて吸収することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、蓋部に嵌合壁を設け、この嵌合壁をバスバー保持部の保持壁内に嵌合させる構成としたが、参考例として、蓋部に凹部を設け、その凹部内に保持壁の上端縁を嵌合させる構成としたり、保持壁の外側に嵌合させる構成とすることもでき、要は蓋部に設けられた嵌合部と保持壁とが嵌合可能な構成であれば、どのような構成でもよい。
(2)上記実施形態では、樹脂プロテクタを複数の連結ユニットを連結させることにより構成したが、例えば大きな公差が生じ難い短尺の電池配線モジュールでは、一部品からなる樹脂プロテクタに複数のバスバーを保持する構成とし、これを一括に覆う蓋部を設ける構成とすることもできる。
(3)上記実施形態では、隣り合う蓋部を連結する構成としたが、必ずしも連結しなくてもよい。
(4)電圧検知端子は必ずしも必要ではなく、例えば検知電線をバスバーに直接溶接したり、バスバーに設けた挟持部に挟持したりしてもよく、要は検知電線とバスバーとが導通可能な構成であればどのような構成でもよい。また、検知電線は必ずしも電圧を検知するための電線でなくてもよく、例えば温度センサに接続される温度検知用の電線であってもよい。
(5)本実施形態においては、複数の単電池12は直列に接続される構成としたが、これに限られず、複数の単電池群13は並列に接続される構成としてもよい。
10…電池モジュール
11…電極端子
12…単電池
13…単電池群
14…電極端子
20…電池配線モジュール
21…バスバー
30…樹脂プロテクタ
31…連結ユニット
32…バスバー保持部
32A…保持壁
33…電線収容溝
40…蓋部
41…樹脂ヒンジ部
43…嵌合片(連結機構)
44…嵌合凹部(連結機構)
45…嵌合壁
50…電圧検知端子
60…検知電線

Claims (3)

  1. 正極および負極の電極端子を有する単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる電池配線モジュールであって、
    前記電極端子間を接続する複数のバスバーと、
    少なくとも一面側に開放した保持壁内に前記バスバーを保持可能な複数のバスバー保持部を有する樹脂プロテクタを備え、
    前記樹脂プロテクタに前記電極端子を覆う絶縁材料からなる蓋部が設けられたものにおいて、
    前記蓋部には、前記蓋部の内面から立ち上がるように設けられて前記蓋部を閉蓋した際に前記バスバー保持部の前記保持壁内に嵌合可能な連続する嵌合壁が設けられていることを特徴とする電池配線モジュール。
  2. 前記樹脂プロテクタは複数個の連結ユニットを連結して構成されており、
    前記蓋部は前記連結ユニットに対し樹脂ヒンジ部を介して開閉回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池配線モジュール
  3. 前記蓋部には隣り合う前記連結ユニットの前記蓋部と連結可能な連結機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電池配線モジュール。
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