JP5670871B2 - 環状マクロモノマー及びその製造方法 - Google Patents
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タイプA:芳香族ジアミンとの重縮合において、クラウンエーテル部位を有するジカルボン酸を非結合型架橋剤として機能させて、芳香族ジアミンのポリマー鎖セグメントがクラウンエーテル部位を糸通ししたネットワーク構造を形成する、
タイプB:ポリロタキサンの環状部位同士を、塩化シアヌルのような多官能性試薬で結合させて、ロタキサン鎖同士が8の字架橋点により拘束されたネットワーク構造を形成する、
タイプC:大環状部位と重合性官能基を有する環状マクロモノマーを非結合型架橋剤として機能させて、重合成長鎖が環状部位を糸通ししたネットワーク構造を形成する。
で表わされることを特徴とする環状マクロモノマーが提供される。
で表わされる化合物とを反応させて、
を含むことを特徴とする環状マクロモノマーの製造方法が提供される。
本発明の環状マクロモノマーは、一般式(I):
で表わされることを特徴とする。
以下、一般式(I)の置換基及び骨格について説明する。
で表わされる環状マクロモノマーが好ましい。
本発明の製造方法を一例を挙げて説明するが、本発明の環状マクロモノマーは以下の製造方法に限定されるものではない。
(1)ポリアルキレングリコールと塩化トシルとを用いてα,ω-ジトシルオキシポリアルキレングリコールを製造する工程(第1工程)、
(2)第1工程で得られたα,ω-ジトシルオキシポリアルキレングリコールとフタルイミドカリウムとを用いてα,ω-ジフタルイミドポリアルキレングリコールを製造する工程(第2工程)、
(3)第2工程で得られたα,ω-ジフタルイミドポリアルキレングリコールとヒドラジン一水和物とを用いて一般式(III)で表わされる化合物(α,ω-ジアミノポリアルキレングリコール)を製造する工程(第3工程)、
(4)5−ヒドロキシイソフタル酸と塩化アクリロイルとを用いて式(II)で表わされる化合物(5−アクリロイルオキシイソフタル酸)を製造する工程(第4工程)、及び
(5)第4工程で得られた式(II)で表わされる化合物と第3工程で得られた一般式(III)で表わされる化合物とを用いて一般式(I)で表わされる化合物を製造する工程(第5工程)
を含む環状マクロモノマーの製造方法により得ることができる。
第1工程においては、ポリアルキレングリコールと塩化トシルとを反応させることによって、α,ω-ジトシルオキシポリアルキレングリコールを製造することができる。
第2工程においては、第1工程で得られたα,ω-ジトシルオキシポリアルキレングリコールとフタルイミドカリウムとを反応させることによって、α,ω-ジフタルイミドポリアルキレングリコールを製造することができる。
第3工程においては、第2工程で得られたα,ω-ジフタルイミドポリアルキレングリコールとヒドラジン一水和物とを反応させることによって、一般式(III):
で表される化合物(α,ω-ジアミノポリアルキレングリコール)を製造することができる。
5−ヒドロキシイソフタル酸と塩化アクリロイルとを反応させることによって、式(II):
第4工程で得られた一般式(II)で表わされる化合物と第3工程で得られた一般式(III)で表わされる化合物とを反応させることによって、
で表わされる化合物を得ることができる。
日本電子製EX−270型超伝導核磁気共鳴吸収装置を使用した。溶媒としては、重クロロホルム又は重ジメチルスルホキシドを用いた。基準物質としては、テトラメチルシランを用いて、室温で測定した。
島津製作所製KOMPACT−2型マトリックス支援レーザーイオン化飛行時間型質量分析装置を用いた。マトリックス及びイオン化助剤として、それぞれ、α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸及びヨウ化ナトリウムを用いた。試料溶液は、試料1mgをテトラヒドロフラン(THF)1mLに溶解させて調製した。マトリックス溶液はα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸17mgを1mLのTHFに溶解させて調製した。その後、マトリックス溶液と試料溶液を1:1の比で混合した。試料プレートに、0.1mmol/mLのヨウ化ナトリウム溶液0.5Lをスポットし、室温で数分間乾燥させてから、その上に、0.5〜1.0μLの試料/マトリックス混合溶液をスポットし、乾燥空気で溶媒を揮発させてから測定した。
日本分光製FT/IR4100型フーリエ変換赤外分光光度計を用いた。試料を臭化カリウムとよく混合し、加圧器で直径5mm、厚み0.1〜0.2mm程度の円板型ペレットに成型してから測定した。
ヤナコ製CHNコーダMT−5型を使用した。1回の測定につき、およそ2.5mgの試料を用いて、測定を最低2回行った。元素含有量は得られた値の平均値として求めた。
日本分光製PU−2080ポンプ及び東ソー製紫外・可視検出器UV−8020を用いた。カラムとしては、東ソー製TSKゲルG2500H/G3000Hを用いた。溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、1.0mL/minの流量で測定した。
ヤナコ製MP−S3型融点測定装置を使用した。
1.α,ω−ジトシルオキシポリエチレングリコールの合成(第1工程)
滴下漏斗、マグネティックスターラーを備え付けた300mLナスフラスコにポリエチレングリコール(Mw=1000)(4.0g,2.0mmol)、蒸留水(10mL)、THF(10mL)、水酸化ナトリウム(3.0g,75mmol)を加え、0℃で攪拌した。そこへ滴下漏斗を用いて、THF10mLに溶解させた塩化トシル(3.0g,16mmol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間攪拌を続け、反応混合物をジクロロメタンで希釈してから、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた白色固体をシリカゲルカラム(酢酸エチル→ジクロロメタン:メタノール=8:2v/v)で精製し、さらにベンゼンを用いて凍結乾燥を行うことにより、白色固体としてα,ω−ジトシルオキシポリエチレングリコールを得た。
7.79 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 7.35 (d, J= 7.8 Hz, 2H), 4.15 (t, J= 4.7 Hz, 2H), 3.70-3.58, 2.45 (s, 3H)
144.5, 132.7, 129.5, 127.6, 70.4, 70.2, 69.0, 68.3, 21.3
2860, 1345, 1105
Mn = 1600, Mw/Mn = 1.13 (PSt(ポリスチレン)として)
ジムロート冷却器、マグネティックスターラーを備え付けた100mLナスフラスコにα,ω−ジトシルオキシポリエチレングリコール(4.0g,2.0mmol)、アセトニトリル(40mL)、フタルイミドカリウム(2.2g,12mmol)を加えて12時間、80℃で加熱還流した。反応終了後、ジクロロメタンを加え、蒸留水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた白色固体をシリカゲルカラム(酢酸エチル→ジクロロメタン:メタノール=8:2v/v)で精製し、さらにベンゼンを用いて凍結乾燥を行うことにより白色固体としてα,ω−ジフタルイミドポリエチレングリコールを得た。
7.86-7.70 (m, 8H), 3.90 (t, J =5.7 Hz, 4H), 3.72 (t, J =5.9 Hz, 4H), 3.64-3.58
168.2, 133.8, 132.1, 123.2, 70.5, 70.0, 67.8, 37.2
2830, 1704, 1105
Mn = 1200, Mw/Mn = 1.26 (PStとして)
ジムロート冷却器、マグネティックスターラーを備え付けた100mLナスフラスコにα,ω−ジフタルイミドポリエチレングリコール(7.2g,5.5mmol)、エタノール(200mL)、ヒドラジン一水和物(2.8g,55mmol)を加えて3時間、78℃で加熱還流した。反応終了後、析出固体をろ別し、ろ液を濃縮してからジクロロメタンで希釈し、蒸留水で2回洗浄した。続いて、希塩酸を用いて目的物を有機層から水層へ抽出した。最後に、水層に水酸化ナトリウムを加えて塩基性にし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することで、白色固体としてα,ω-ジアミノポリエチレングリコールを得た。
7.42 (s, 4H), 3.67-3.62, 3.52 (t, J =5.3 Hz, 4H), 2.86 (t, J =5.3 Hz, 4H)
72.9, 70.4, 70.1, 41.6
2870, 1480, 1345, 1105
Mn = 1100, Mw/Mn = 1.15 (PStとして)
マグネティックスターラーを備え付けた50mLナスフラスコに、蒸留水(25mL)、水酸化ナトリウム(6.0g)、ジオキサン(13mL)、5−ヒドロキシイソフタル酸(9.11g,0.05mol)を加えた。氷浴で冷却しながら、塩化アクリロイル(4.75g,0.05mol)をゆっくりと滴下し、さらに12時間攪拌した。pH=4になるまで濃塩酸を滴下し、析出した固体を吸引ろ過し、蒸留水から再結晶することにより、白色固体として5−アクリロイルオキシイソフタル酸を得た。
8.38 (t, J = 1.5 Hz 1H), 7.93 (d, J = 1.3 Hz 2H), 6.59 (dd, J = 17.1, 1.3 Hz 1H), 6.48 (dd, J = 17.1, 2.7 Hz 1H), 6.20 (dd, J = 10.2, 1.6 Hz 1H)
166.9, 166.7, 164.2, 150.1, 135.0, 134.0, 127.5, 125.6
分析値: C 55.87%, H 3.53%
C11H8O6としての計算値: C 55.94%, H 3.41%
223-226 ℃
メカニカルスターラーを装備した2L三口ナスフラスコにメタノール(600mL)を入れ、4−(4,6−ジメトキシ(1.3.5)トリアジン−2−イル)−4−塩化メチルモルホリウム(DMT−MM)(0.82g,3.0mmol)を加えて溶解させた。20℃で激しく攪拌しながら、その中へ、α,ω−ジアミノポリエチレングリコール(1.0g,1.0mmol)と5−アクリロイルオキシイソフタル酸(0.28g,1.0mmol)を溶解させたメタノール(400mL)をメタロールポンプを用いて12時間かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、さらに12時間、攪拌を続けた。反応混合物を減圧下で溶媒を濃縮し、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウムの順に洗浄してから、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた淡黄色液体を、シリカゲルカラム(酢酸エチル→ジクロロメタン:メタノール=8:2v/v)により精製した。得られた粘性液体を少量のジクロロメタンに溶解させ、そこへ、適量のジエチルエーテルを加えることで高分子量成分を沈殿物として除去した。上澄み液をろ過し、溶媒を減圧留去することで無色透明粘性液体として環状マクロモノマー(本発明においては、acr−c−PEGとも称する)を得た。
8.26 (s), 7.99 (brs), 7.84 (s), 6.7-6.6 (m), 6.4-6.3 (m), 6.1-6.0 (m), 3.7-3.6 (m) (CH2CH2O)
165.9, 164.2, 150.9, 136.0, 133.1, 127.6, 123.9, 122.5, 70.1-70.0 (CH2CH2O), 40.0
2871, 1743, 1660, 1108
Mn = 1090, Mw/Mn = 1.18 (PStとして)
Claims (3)
- 一般式(I):
で表わされることを特徴とする環状マクロモノマー。 - 一般式(I)におけるMが炭素数2のアルキレン基である請求項1に記載の環状マクロモノマー。
- 式(II):
で表わされる化合物とを反応させて、一般式(I):
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