JP5666868B2 - ソルダーレジスト用樹脂組成物及びプリント配線板 - Google Patents
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Description
まず、ソルダーレジスト用樹脂組成物が含有する成分について説明する。
樹脂成分は、本実施形態によるソルダーレジスト用樹脂組成物の必須成分である。この樹脂成分には、カルボキシル基を有するベース樹脂が少なくとも含まれている。更に樹脂成分にエポキシ樹脂が含まれると、ソルダーレジスト用樹脂組成物に熱硬化性が付与され得る。
上記のとおりベース樹脂には、エチレン性不飽和結合を有さない樹脂と、エチレン性不飽和結合を有する樹脂とが含まれ得る。またベース樹脂はω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレートを含む。
上述のとおり、樹脂成分にエポキシ樹脂が含まれると、ソルダーレジスト用樹脂組成物に熱硬化性が付与され得る。このエポキシ樹脂には、一般にソルダーレジストのために使用される適宜のエポキシ樹脂が含まれ得る。このエポキシ樹脂は溶剤難溶性であってもよく、溶剤可溶性であってもよい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物が光硬化性を有する場合には、樹脂成分が上記ベース樹脂に含まれない光重合性化合物を含むことも好ましい。光重合性化合物は、光重合性を有するモノマー及びプレポリマーから選択される。この光重合性化合物は、例えばソルダーレジスト用樹脂組成物の希釈、粘度調整、酸価の調整、光重合性の調整などの目的で使用される。この光重合性化合物としては、光重合性を有する適宜のポリマー或いはプレポリマーが挙げられる。光重合性化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の単官能アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε―カプロラクトン変性ペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このような化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
樹脂成分は、上記各成分の他に、例えばカプロラクタム、オキシム、マロン酸エステル等でブロックされたトリレンジイソシアネート、モルホリンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系のブロックドイソシアネート、及びメラミン、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化メラミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂等の熱硬化成分;紫外線硬化性エポキシ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型エポキシ樹脂等に(メタ)アクリル酸を付加したもの;ジアリルフタレート樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の高分子化合物などを含有してもよい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、白色の着色剤を含有する。このため、ソルダーレジスト用樹脂組成物により白色のソルダーレジスト層が形成され、このソルダーレジスト層の高い光反射性が付与される。白色の着色剤としては、例えば酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。
ソルダーレジスト用樹脂組成物が光硬化性を有する場合には、ソルダーレジスト用樹脂組成物が光重合開始剤を含有することが好ましい。この光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類;2,4−ジイソプロピルキサントン等のキサントン類;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等の窒素原子を含む化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。特に好ましい光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが挙げられる。光重合開始剤と共に、p−ジメチル安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤や増感剤等が使用されてもよい。可視光露光用や近赤外線露光用等の光重合開始剤も必要に応じて使用される。これらの光重合開始剤は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。また、光重合開始剤と共に、レーザ露光法用増感剤として7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン誘導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等が併用されてもよい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物は必要に応じて有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、例えばソルダーレジスト用樹脂組成物の液状化又はワニス化、粘度調整、塗布性の調整、造膜性の調整などの目的で使用される。有機溶剤の具体例としては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級或いは多価のアルコール類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル類;ジアルキルグリコールエーテル類などが挙げられる。これらの有機溶剤は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、必要に応じて、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤;硬化促進剤;白色以外の着色剤;シリコーン、アクリレート等の共重合体;レベリング剤;シランカップリング剤等の密着性付与剤;チクソトロピー剤;重合禁止剤;ハレーション防止剤;難燃剤;消泡剤;酸化防止剤;界面活性剤;高分子分散剤などを含有してもよい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、上記のような原料成分を配合し、例えば三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって混練することにより調製することができる。その場合に、上記各成分のうち一部、例えば光重合性化合物及び有機溶剤の一部及びエポキシ樹脂を予め混合して分散させておき、これとは別に残りの成分を予め混合して分散させておき、使用時に両者を混合してソルダーレジスト用樹脂組成物を調製してもよい。
プリント配線板上にソルダーレジスト層が形成されることで、ソルダーレジスト層を有するプリント配線板が作製される。ソルダーレジスト層の形成方法は特に限定されない。
還流冷却器、温度計、窒素置換基用ガラス管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ中に、メタクリル酸48部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製のアロニックスM−5300)50部、メチルメタクリレート92部、スチレン10部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル430部、アゾビスイソブチロニトリル3.5部を加えた。この四つ口フラスコ内の液を窒素気流下で75℃で5時間加熱して重合反応を進行させることで、濃度32%の共重合体溶液を得た。
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート82部及びスチレン20部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部、スチレン10部の配合量を、メチルメタクリレート62部、スチレン40部に変更した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート42部及びスチレン60部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート22部及びスチレン80部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート62部及びフェノキシエチルアクリレート40部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
還流冷却器、温度計、窒素置換基用ガラス管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、メタクリル酸48部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製のアロニックスM−5300)50部、メチルメタクリレート62部、スチレン40部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル430部、アゾビスイソブチロニトリル3.5部を加えた。この四つ口フラスコ内の液を窒素気流下で75℃で5時間加熱して重合反応を進行させることで、32%の共重合体溶液を得た。
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート102部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
合成例A−1において、メタクリル酸48部及びω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製のアロニックスM−5300)50部に代えて、メタクリル酸98部を使用した。また、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート102部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液(B−2)を得た。
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート42部及びN−フェニルマレイミド60部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び攪拌機を取付けた四ツ口フラスコに、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンN−775)189部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103部、ハイドロキノン0.2部、アクリル酸72.7部、ジメチルベンジルアミン0.6部を加え、110℃で10時間加熱することで付加反応を進行させた。続いて四ツ口フラスコ中の液にテトラヒドロ無水フタル酸60.8部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート78.9部を加えて、81℃で3時間加熱することで反応させて、感光性のベース樹脂の64%溶液を得た。
表2〜4に示す原料を配合して得られる混合物を3本ロールで混練することで、実施例1〜22及び比較例1〜12のソルダーレジスト用樹脂組成物を得た。尚、実施例1〜17及び比較例1〜10のソルダーレジスト用樹脂組成物は感光性及び熱硬化性を有し、実施例18〜22及び比較例11,12のソルダーレジスト用樹脂組成物は熱硬化性を有する。
・エポキシ樹脂a;下記構造式で示されるハイドロキノン型エポキシ樹脂。
・白色顔料(酸化チタンCR−80);ルチル型酸化チタン、石原産業株式会社製、品番CR−80。
・光重合開始剤(ルシリンTPO);2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド。
・光重合開始剤(IRGACURE819);ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製、品番IRGACURE819。
・光重合開始剤(IRGACURE184);1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製、品番IRGACURE184。
・メラミン樹脂;日産化学工業株式会社製、微粉メラミン。
・有機溶剤;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート。
・シリコーン:信越シリコーン株式会社製、品番KS−66。
感光性及び熱硬化性を有する実施例1〜17及び比較例1〜10のソルダーレジスト用樹脂組成物については、まず、厚み35μmの銅箔を備えるガラスエポキシ銅張積層板にエッチングを施すことでパターニングすることで、プリント配線基板を得た。このプリント配線板の全面にソルダーレジスト用樹脂組成物をスクリーン印刷により塗布することで、基板表面上に湿潤塗膜を形成した。この湿潤塗膜を80℃で20分加熱して予備乾燥することで、膜厚20μmの乾燥塗膜を形成した。この乾燥塗膜の表面上にネガマスクを直接当てがうとともに各ソルダーレジスト用樹脂組成物における最適露光量の紫外線を照射することで、乾燥塗膜を選択的に露光した。露光後の乾燥塗膜に炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像処理を施すことで、乾燥塗膜のうち露光により硬化した部分(硬化膜)を基板上に残存させた。この硬化膜を更に150℃で60分間加熱して熱硬化させることでソルダーレジスト層を形成した。これによりソルダーレジスト層を備えるテストピースを得た。
実施例18〜22及び比較例11,12を除き、露光時においてネガマスクを取り外すときの乾燥塗膜の粘着の状態及び乾燥塗膜の指触粘着性を、次に示すように評価した。
◎:ネガマスクを取り外した際に全く剥離抵抗を感じず、貼付痕もなかった。また、指触によっても全く粘着を感じなかった。
○:ネガマスクを取り外した際には粘着を感じなかったが、乾燥膜上にマスクのかすかな貼付痕が認められた。また、指触によってもかすかに粘着を感じた。
△:ネガマスクを取り外す際にわずかに剥離抵抗を感じると共に、乾燥膜上にマスクの貼付痕が認められた。また、指触によってもわずかな粘着を感じた。
×:ネガマスクを取り外すことが困難で、無理に剥すとマスクパターンが毀損した。指触によっても顕著な粘着を感じた。
実施例1〜17及び比較例1〜10において、テストピースの作製の際に、線幅/線間が0.2mm/0.3mm、厚みが40μmの銅製の導体配線を備えるプリント配線板を使用した。また、幅25μm、50μm、75μm及び100μmのソルダーダムが形成されるようなマスクパターンを有するネガマスクを使用した。露光時の紫外性の照射エネルギー密度は450mJ/cm2とした。ソルダーレジスト層の厚みは60μmとした。これにより、ソルダーダムを含むソルダーレジスト層を備えるテストピースを作製した。
室温下でテストピースを10%の塩酸に1時間浸漬した後、ソルダーレジスト層の外観を観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:異常を生じない。
○:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:塗膜に剥がれ等の大きな変化が見られる。
室温下でテストピースを10%の水酸化ナトリウムに1時間浸漬した後、ソルダーレジスト層の外観を目視で観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:異常が生じない。
〇:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:塗膜に剥がれ等の大きな変化が見られる。
JIS D0202の試験方法に従って、テストピースのソルダーレジスト層に碁盤目状にクロスカットを入れ、次いでセロハン粘着テープによるピーリング試験後の剥がれの状態を目視により観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:100個のクロスカット部分のうちの全てに全く変化が見られない。
○:100個のクロスカット部分のうち1箇所に僅かに浮きを生じた。
△:100個のクロスカット部分のうち2〜10箇所に剥がれを生じた。
×:100個のクロスカット部分のうち11〜100箇所に剥がれを生じた。
ソルダーレジスト層の鉛筆硬度を、三菱ハイユニ(三菱鉛筆社製)を用いて、JIS K5400に準拠して測定した。
テストピースを温度121℃の飽和水蒸気中に8時間放置した後、このテストピースのソルダーレジスト層の外観を観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が全く見られない。
○:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が極僅かに見られる。
△:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が若干認められる。
×:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が認められる。
市販品の無電解ニッケルメッキ浴及び無電解金メッキ浴を用いて、テストピースのメッキを行い、メッキの状態を観察した。またソルダーレジスト層に対してセロハン粘着テープ剥離試験をおこなうことでメッキ後のソルダーレジスト層の密着状態を観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:外観の変化、テープ剥離時の剥離、メッキの潜り込みのいずれについても全くない。
○:外観変化はなく、テープ剥離時においても剥離も生じないが、レジストの末端部分において、極めてわずかながら、メッキの潜り込みが認められる。
△:外観変化はないが、テープ剥離時に一部剥離が認められる。
×:ソルダーレジスト層の浮きが見られ、テープ剥離時に剥離が認められる。
フラックスとしてLONCO 3355−11(ロンドンケミカル社製の水溶性フラックス)を用い、まずテストピースにフラックスを塗布し、次いでこれを260℃の溶融はんだ浴に10秒間浸漬し、その後水洗した。このサイクルを3回おこなった後のソルダーレジスト層の外観を観察し、その結果を次に示すように評価した。
◎:異常を生じない。
○:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:ソルダーレジスト層に剥がれ等の大きな変化が見られる。
IPC B−25くし型電極Bクーポン上に、上記テストピースの場合と同じ条件でソルダーレジスト層を形成することで、評価用のプリント配線板を得た。この評価用のプリント配線板のくし型電極にDC100Vのバイアス電圧を引加しながら、評価用のプリント配線板を40℃、90%R.H.の条件下に500時間曝露した。この試験後の評価用のプリント配線板におけるマイグレーションの有無を確認した。その結果を次に示すように評価した。
◎:全くマイグレーションが確認されない。
〇:極僅かにマイグレーションが確認される。
△:若干のマイグレーションが確認される。
×:マイグレーションが発生している。
テストピースにおけるソルダーレジスト層の、L*a*b*表色系におけるb*値を、コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計(型番CM−600d)で測定した。その結果を次に示すように評価した。
◎:b*値が1.4以下。
〇:b*値が1.5〜1.9。
△:b*値が2.0〜2.4。
×:b*値が2.5以上。
テストピースにおけるソルダーレジスト層の、L*a*b*表色系におけるb*値を、コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計(型番CM−600d)で測定した。続いて、テストピースにおけるソルダーレジスト層に50J/cm2の条件で紫外線を照射した後、再びソルダーレジスト層の、L*a*b*表色系におけるb*値を測定した。紫外線照射後のソルダーレジスト層のb*値から紫外線照射前のソルダーレジスト層のb*値を差し引いた値(Δb*)を算出し、その結果を次に示すように評価した。
◎:Δb*値が1.4以下。
〇:Δb*値が1.5〜1.9。
△:Δb*値が2.0〜2.4。
×:Δb*値が2.5以上。
テストピースにおけるソルダーレジスト層の、L*a*b*表色系におけるb*値を、コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計(型番CM−600d)により測定した。続いて、テストピースを290℃、30秒の条件で熱処理した後、再びソルダーレジスト層のb*値を測定した。熱処理後のソルダーレジスト層のb*値から熱処理前のソルダーレジスト層のb*値を差し引いた値(Δb*)を算出し、その結果を次に示すように評価した。
◎:Δb*値が1.4以下。
〇:Δb*値が1.5〜1.9。
△:Δb*値が2.0〜2.4。
×:Δb*値が2.5以上。
テストピースにおけるソルダーレジスト層の、視感反射率を表すCIE表色法におけるY値を、コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計(型番CM−600d)で測定した。
テストピースをカッターで切断し、続いて切断面付近でソルダーレジスト層に対してセロハン粘着テープ剥離試験を行い、ソルダーレジスト層の観察を行った。その結果を次に示すように評価した。
◎:ソルダーレジスト層にクラックが確認されず、セロハン粘着テープ剥離試験によるソルダーレジスト層の剥離も確認されない。
〇:ソルダーレジスト層に僅かにクラックが確認されるが、セロハン粘着テープ剥離試験によるソルダーレジスト層の剥離は確認されない。
△:ソルダーレジスト層に大きなクラックが確認されるが、セロハン粘着テープ剥離試験によるソルダーレジスト層の剥離は確認されない。
×:セロハン粘着テープ剥離試験によるソルダーレジスト層の剥離が確認される。
以上の評価試験の結果を下記表2〜4に示す。
Claims (9)
- カルボキシル基を有するベース樹脂を少なくとも含む樹脂成分と白色顔料とを含有し、
前記樹脂成分が、芳香環を有し、前記芳香環を含むπ電子共役系における二重結合数が6以下であり、前記芳香環を含む二つのπ電子共役系同士が一つの炭素原子を介した単結合により結合している構造を有さず、且つ窒素原子及び硫黄原子を有さない特定の樹脂を含み、前記ベース樹脂がω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレートを含むソルダーレジスト用樹脂組成物。 - 前記樹脂成分全体に対する、前記特定の樹脂の割合が、1〜100質量%である請求項1に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記ベース樹脂が、前記特定の樹脂の少なくとも一部である特定のベース樹脂を含む請求項1又は2に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記ベース樹脂全体に対する、前記特定のベース樹脂の割合が、1〜100質量%である請求項3に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記樹脂成分がエポキシ樹脂を含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、前記特定の樹脂の少なくとも一部である特定のエポキシ樹脂を含む請求項5に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂全体に対する、前記特定のエポキシ樹脂の割合が、1〜100質量%である請求項6に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 更に光重合開始剤を含有し、前記ベース樹脂がカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する樹脂を含む請求項1乃至7のいずれか一項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のソルダーレジスト用組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板。
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