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JP5666868B2 - ソルダーレジスト用樹脂組成物及びプリント配線板 - Google Patents

ソルダーレジスト用樹脂組成物及びプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板のソルダーレジスト層の形成に好適に用いられるソルダーレジスト用樹脂組成物、及びこのソルダーレジスト用樹脂組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板に関する。
近年、民生用及び産業用の各種プリント回路基板のレジストパターン形成法としては、印刷配線板の高配線密度化に対応するため、スクリーン印刷法に代わって、解像性及び寸法精度等に優れたドライフィルムや液状の現像可能なソルダーレジスト用樹脂組成物を用いる方法が大きな位置を占めてきている。
また、近年、携帯端末、パーソナルコンピュータ、テレビジョン等の液晶ディスプレイのバックライト、照明器具の光源などに用いられる発光ダイオード等の光学素子を、ソルダーレジスト層が被覆形成されたプリント配線板に直接実装することが増えてきている。
このような光学素子が実装されるプリント配線板においては、ソルダーレジスト層が光によって劣化して変色などが生じるという問題がある。特に発光ダイオード等の光をソルダーレジスト層で効率よく反射するためにソルダーレジスト層に酸化チタンを含有させてソルダーレジスト層を白色化させている場合には、酸化チタンの光活性によってソルダーレジスト層が黄変しやすくなり、ソルダーレジスト層の光反射性能が低下するという問題がある。
そこで、特許文献1では芳香環を有さないカルボキシル基含有樹脂を含有する樹脂組成物を用いてソルダーレジスト層を形成することで、ソルダーレジスト層の黄変を抑制することが提案されている。
しかし、上記のように樹脂組成物中の樹脂成分が芳香環を有さないと、この樹脂組成物から形成されるソルダーレジスト層は親水性が高くなって吸湿しやすくなるため、PCT(プレッシャー・クッカー・テスト)に対する耐性や、耐メッキ性が悪くなるという問題がある。ソルダーレジスト層の疎水性を高める方法として、架橋密度を高めることも考えられるが、この場合はソルダーレジスト層の柔軟性が低くなり、ソルダーレジスト層を備えるプリント配線板等の加工時にソルダーレジスト層にクラックが発生しやすくなるという問題が生じてしまう。
特開2007−322546号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高い光反射性を有し、光により劣化しにくく、且つ耐湿性及び耐メッキ性の高いソルダーレジスト層の形成のために好適に利用されるソルダーレジスト用樹脂組成物、及びこのソルダーレジスト用樹脂組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明に係るソルダーレジスト用樹脂組成物は、カルボキシル基を有するベース樹脂を少なくとも含む樹脂成分と白色顔料とを含有し、前記樹脂成分が、芳香環を有し、前記芳香環を含むπ電子共役系における二重結合数が6以下であり、前記芳香環を含む二つのπ電子共役系同士が一つの炭素原子を介した単結合により結合している構造を有さず、且つ窒素原子及び硫黄原子を有さない特定の樹脂を含み、前記ベース樹脂がω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレートを含む。
本発明に係るソルダーレジスト用樹脂組成物においては、前記樹脂成分全体に対する、前記特定の樹脂の割合が、1〜100質量%であることが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト用樹脂組成物においては、前記ベース樹脂が、前記特定の樹脂の少なくとも一部である特定のベース樹脂を含むことが好ましい。
前記ベース樹脂全体に対する、前記特定のベース樹脂の割合は、1〜100質量%であることが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト用樹脂組成物においては、前記樹脂成分がエポキシ樹脂を含んでもよい。
前記エポキシ樹脂は、前記特定の樹脂の少なくとも一部である特定のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。
前記エポキシ樹脂全体に対する、前記特定のエポキシ樹脂の割合は、1〜100質量%であることが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト用樹脂組成物は、更に光重合開始剤を含有し、前記ベース樹脂がカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する樹脂を含んでもよい。
本発明に係るプリント配線板は、前記ソルダーレジスト用組成物から形成されたソルダーレジスト層を備える。
本発明によれば、高い光反射性を有し、光により劣化しにくく、且つ耐湿性及び耐メッキ性の高いソルダーレジスト層の形成のために好適に利用されるソルダーレジスト用樹脂組成物が得られる。
更に、本発明によれば、高い光反射性を有し、光により劣化しにくく、且つ耐湿性及び耐メッキ性の高いソルダーレジスト層を備えるプリント配線板が得られる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[ソルダーレジスト用樹脂組成物の組成]
まず、ソルダーレジスト用樹脂組成物が含有する成分について説明する。
(1)樹脂成分
樹脂成分は、本実施形態によるソルダーレジスト用樹脂組成物の必須成分である。この樹脂成分には、カルボキシル基を有するベース樹脂が少なくとも含まれている。更に樹脂成分にエポキシ樹脂が含まれると、ソルダーレジスト用樹脂組成物に熱硬化性が付与され得る。
ベース樹脂に含まれ得る樹脂として、エチレン性不飽和結合を有さない樹脂と、エチレン性不飽和結合を有する樹脂とが挙げられる。
ベース樹脂にエチレン性不飽和結合を有する樹脂が含まれていると、ソルダーレジスト用樹脂組成物に感光性(光硬化性)が付与され得る。この場合、ベース樹脂はエチレン性不飽和結合を有する樹脂のみを含んでいてもよいが、ソルダーレジスト用樹脂組成物の光硬化性が確保される限りにおいてエチレン性不飽和結合を有する樹脂とエチレン性不飽和結合を有さない樹脂とを共に含んでいてもよい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物が熱硬化性を有する場合には、ベース樹脂はエチレン性不飽和結合を有する樹脂とエチレン性不飽和結合を有さない樹脂のいずれを含有してもよい。ソルダーレジスト用樹脂組成物が熱硬化性を有し且つ光硬化性が必要とされない場合には、ベース樹脂はエチレン性不飽和結合を有さない樹脂のみを含有してもよい。
樹脂成分は、芳香環を有し、この芳香環を含むπ電子共役系における二重結合数が6以下であり、二つのπ電子共役系同士が一つの炭素原子を介した単結合により結合している構造を有さず、且つ窒素原子及び硫黄原子を有さない樹脂を含有する。π電子共役系における二重結合数は化学構造式中に現れる二重結合の数であり、芳香環を構成する炭素数がN個の場合のこの芳香環における二重結合数は、N/2個である。この樹脂が一分子中に複数のπ電子共役系を有する場合には、各π電子共役系における二重結合数が6以下となる。以下、この樹脂のことを、特定の樹脂という。このような特定の樹脂として、二重結合数が6以下の芳香環構造を有し、且つこの芳香環構造が別のπ電子共役系と一つの炭素原子を介した単結合により結合していない構造を有する樹脂が挙げられる。二重結合が6以下の芳香環構造として、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フラン環、ホスホール環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環等が挙げられる。
樹脂成分が特定の樹脂を含有することで、ソルダーレジスト層に熱による着色や劣化が生じにくくなってソルダーレジスト層の耐候性が高くなり、しかもソルダーレジスト層の耐湿性及び耐メッキ性も良好になる。これは、次の理由によるものと考えられる。
樹脂のπ電子共役系の共役が長くなるほど、樹脂に着色が生じやすくなるが、特定の樹脂はπ電子共役系における二重結合数が6以下であることで着色が抑制される。このため、白色顔料を含有する白色のソルダーレジスト層に着色が生じにくくなる。
また、樹脂中に、二つのπ電子共役系同士が一つの炭素原子を介した単結合により結合している構造が存在すると、熱や紫外線により前記炭素原子がラジカル化しやすくなり、その結果、樹脂の架橋が生じてそれに伴って共役が長くなってしまう。特に酸化チタンなどの光触媒の存在下ではこのような重合による共役の長大化が生じやすくなる。しかし、特定の樹脂はこのような二つのπ電子共役系同士が一つの炭素原子を介した単結合により結合している構造が存在しないため、このような光などによる共役の長大化が生じにくく、このためソルダーレジスト層の着色が生じにくくなる。また、樹脂中にN原子やS原子が存在すると、光や熱によりN原子やS原子が芳香環を攻撃して架橋が生じ、これによりπ電子共役系の共役が長大化する可能性があるが、特定の樹脂はこのようなN原子やS原子を有さないため、N原子やS原子に起因する光などによる共役の長大化が生じにくく、このためソルダーレジスト層の着色が生じにくくなる。また、このように樹脂に架橋が生じにくくなるため、架橋密度の向上によるソルダーレジスト層の柔軟性の低下が抑制され、このためソルダーレジスト層を備えるプリント配線板が加工される際などにソルダーレジスト層にクラックが発生しにくくなる。
更に、特定の樹脂は芳香環を有するため、ソルダーレジスト層の親水性が高くなりにくく、このためソルダーレジスト層の耐湿性や耐メッキ性が高くなる。また特定の樹脂が芳香環を有することでソルダーレジスト層の耐熱性も向上し、ソルダーレジスト層のはんだ耐熱性や耐熱黄変性の向上も期待できる。
樹脂成分は特定の樹脂のみを含むことが好ましいが、樹脂成分が更に特定の樹脂以外の樹脂を含んでもよい。特定の樹脂以外の樹脂としては、前記特定の樹脂を除く芳香環を有する樹脂と、芳香環を有さない樹脂が挙げられる。樹脂成分全体に対する特定の樹脂の割合は1〜100質量%であることが好ましく、5〜100質量%であればより好ましく、25〜100質量%であれば更に好ましい。また、樹脂成分が特定の樹脂を除く芳香環を有する樹脂を含む場合、ソルダーレジスト層の着色が効果的に抑制されるためには、樹脂成分全体に対する特定の樹脂を除く芳香環を有する樹脂の割合が15質量%以下であることが好ましい。
(1−1)ベース樹脂
上記のとおりベース樹脂には、エチレン性不飽和結合を有さない樹脂と、エチレン性不飽和結合を有する樹脂とが含まれ得る。またベース樹脂はω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレートを含む。
エチレン性不飽和結合を有さない樹脂は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むエチレン性不飽和単量体の重合体であることが好ましい。エチレン性不飽和単量体には必要に応じてカルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物が含まれていてもよい。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、適宜のポリマー又はプレポリマーが挙げられる。このエチレン性不飽和化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の、エチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物が挙げられる。このエチレン性不飽和化合物として、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のヒドロキシル基を有する多官能アクリレートや多官能メタクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物などといった、エチレン性不飽和基を複数有する化合物も挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物は、前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物と共重合可能なエチレン性不飽和単量体であればよい。特に芳香環を有するエチレン性不飽和化合物の具体例としては、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n=2〜17)、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO,PO変性フタル酸(メタ)アクリレート、ビニルカルバゾール、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
芳香環を有さないエチレン性不飽和化合物の具体例としては、直鎖又は分岐の脂肪族、或いは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等;N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられる。またこれらの化合物と共に、必要に応じて、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を併用してもよい。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。これらの化合物はソルダーレジスト層の硬度及び油性の調節が容易である等の点で好ましい。
エチレン性不飽和結合を有さない樹脂を得るために用いられる化合物の種類、比率等は、エチレン性不飽和結合を有さない樹脂の酸価が適当な値となるように適宜選択される。エチレン性不飽和結合を有さない樹脂の酸価は20〜180mgKOH/gの範囲であることが好ましく、35〜165mgKOH/gの範囲であれば更に好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する樹脂は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むエチレン性不飽和単量体の重合体におけるカルボキシル基の一部にエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる樹脂であることが好ましい。エチレン性不飽和単量体には必要に応じてカルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物が含まれていてもよい。このエチレン性不飽和単量体としては、エチレン性不飽和結合を有さない樹脂を得るために使用される化合物と同じ化合物が使用され得る。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、適宜のポリマー又はプレポリマーが挙げられる。このエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の具体例として、アクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類;アクリレート又はメタクリレートの脂環エポキシ誘導体;β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。特に、汎用されて入手が容易なグリシジル(メタ)アクリレートが用いられることが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する樹脂を得るために用いられる上記化合物の種類、比率等は、エチレン性不飽和結合を有する樹脂の酸価が適当な値となるように適宜選択される。エチレン性不飽和結合を有する樹脂の酸価は25〜170mgKOH/gの範囲であることが好ましく、40〜155mgKOH/gの範囲であれば更に好ましい。
このようなベース樹脂は、特定の樹脂の少なくとも一部を構成する樹脂(以下、特定のベース樹脂という)を含むことが好ましい。すなわち、ベース樹脂には、芳香環を有し、π電子共役系の二重結合数が6以下であり、二つのπ電子共役系同士が一つの炭素原子を介した単結合により結合している構造を有さず、且つ窒素原子及び硫黄原子を有さない樹脂が含まれていることが好ましい。
このような特定のベース樹脂を得るためには、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の二重結合数が6以下の芳香族置換基を有する化合物を含むエチレン性不飽和単量体が用いられる。
例えばエチレン性不飽和単量体の重合体からなるエチレン性不飽和結合を有さない樹脂を得る場合、エチレン性不飽和単量体中に二重結合数が6以下の芳香族置換基を有する化合物が含まれていれば、このエチレン性不飽和結合を有さない樹脂は特定のベース樹脂となり得る。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むエチレン性不飽和単量体の重合体におけるカルボキシル基の一部にエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる樹脂からなるエチレン性不飽和結合を有する樹脂を得る場合も、エチレン性不飽和単量体中に二重結合数が6以下の芳香族置換基を有する化合物が含まれていれば、このエチレン性不飽和結合を有する樹脂は特定のベース樹脂となり得る。これらの場合における二重結合数が6以下の芳香族置換基を有する化合物としては、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2―ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチレングリコールメタクリレート、2−メタクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、2−アクリロイロキシエチルー2−ヒドロキシエチルーフタル酸、ネオペンチルグリコールアクリレートベンゾエート、フェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールPO変性アクリレート、エトキシ化O−フェニルフェノールアクリレート等が挙げられる。二重結合数が6以下の芳香族置換基を有する、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、2−アクリロイロキシエチルーフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、β―ハイドロジェンフタレート等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する樹脂を得るにあたり、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物に二重結合数が6以下の芳香族置換基を有する化合物が含まれている場合も、このエチレン性不飽和結合を有する樹脂は特定のベース樹脂となり得る。二重結合数が6以下の芳香族置換基を有する、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ベース樹脂は特定のベース樹脂のみを含むことが好ましいが、ベース樹脂が特定のベース樹脂以外の樹脂を含んでもよい。前記特定のベース樹脂以外の樹脂としては、特定のベース樹脂以外の芳香環を有する樹脂と、芳香環を有さない樹脂が挙げられる。ベース樹脂全体に対する特定のベース樹脂の割合は1〜100質量%であることが好ましく、6〜100質量%であればより好ましく、30〜100質量%であれば更に好ましい。また、ベース樹脂が特定のベース樹脂以外の芳香環を有する樹脂を含む場合、ソルダーレジスト層の着色が効果的に抑制されるためには、ベース樹脂全体に対する特定のベース樹脂以外の芳香環を有する樹脂の割合が20質量%以下であることが好ましい。
(1−2)エポキシ樹脂
上述のとおり、樹脂成分にエポキシ樹脂が含まれると、ソルダーレジスト用樹脂組成物に熱硬化性が付与され得る。このエポキシ樹脂には、一般にソルダーレジストのために使用される適宜のエポキシ樹脂が含まれ得る。このエポキシ樹脂は溶剤難溶性であってもよく、溶剤可溶性であってもよい。
エポキシ樹脂は、特定の樹脂の少なくとも一部を構成する樹脂(以下、特定のエポキシ樹脂という)を含むことが好ましい。すなわち、エポキシ樹脂には、芳香環を有し、π電子共役系の二重結合数が6以下であり、二つのπ電子共役系同士が一つの炭素原子を介した単結合により結合している構造を有さず、且つ窒素原子及び硫黄原子を有さない樹脂が含まれていることが好ましい。エポキシ樹脂が特定のエポキシ樹脂のみを含むことも好ましい。
特定のエポキシ樹脂としては、二重結合数が6以下のフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の芳香族置換基を有するエポキシ樹脂が挙げられる。特定のエポキシ樹脂の具体例としては、ハイドロキノン型エポキシ樹脂である品番YDC−1312(新日鐵化学株式会社製)、ターシャリーブチルカテコール型エポキシ樹脂である品番EPICLON HP−820(DIC株式会社製)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂である品番EPICLON HP−7200L、HP−7200、HP−7200H、HP−7200HH(いずれもDIC株式会社)、品番XD−1000(日本化薬株式会社製)、アダマンタン型エポキシ樹脂である品番ADAMANTATE X−E−201、ADAMANTATE X−E−202、ADAMANTATE X−E−203、ADAMANTATE X−E−401、X−E−202、X−E−203、X−E−401(いずれも出光興産株式会社製)、長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルである品番ST−2PG(岡村製油株式会社製)、ビフェニルエーテル型である品番YSLV−80DE(新日鐵化学株式会社製)、ビフェニル型エポキシ樹脂である品番YX−4000、YX−4000H、YL6121H、YL6640、YL6677、YX7399(いずれも三菱化学株式会社製)、ナフタレン型エポキシ樹脂である品番EPICLON HP−4032、HP−4032D(いずれもDIC株式会社製)などが挙げられる。
エポキシ樹脂は特定のエポキシ樹脂のみを含むことが好ましいが、エポキシ樹脂が特定のエポキシ樹脂以外の樹脂を含んでもよい。前記エポキシ樹脂以外の樹脂としては、特定のエポキシ樹脂以外の芳香環を有する樹脂と、芳香環を有さない樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂全体に対する特定のエポキシ樹脂の割合は1〜100質量%であることが好ましく、8〜100質量%であればより好ましく、50〜100質量%であれば更に好ましい。また、エポキシ樹脂が特定のエポキシ樹脂以外の芳香環を有する樹脂を含む場合、ソルダーレジスト層の着色が効果的に抑制されるためには、エポキシ樹脂全体に対する特定のエポキシ樹脂以外の芳香環を有する樹脂の割合は50質量%以下であることが好ましい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は特に制限されないが、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分全量に対して0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であれば更に好ましい。この場合、ソルダーレジスト層の耐はんだ性、耐メッキ性等が更に向上し得る。更に、感光性のソルダーレジスト用樹脂組成物においてはエポキシ樹脂の含有量は50重量%以下であることが好ましく、この場合、ソルダーレジスト用樹脂組成物の現像性が特に高くなる。また、熱硬化性のソルダーレジスト用樹脂組成物においては、エポキシ樹脂の含有量は0.1質量%以上であることが好ましく1質量%以上であれば更に好ましい。
(1−3)光重合性化合物
ソルダーレジスト用樹脂組成物が光硬化性を有する場合には、樹脂成分が上記ベース樹脂に含まれない光重合性化合物を含むことも好ましい。光重合性化合物は、光重合性を有するモノマー及びプレポリマーから選択される。この光重合性化合物は、例えばソルダーレジスト用樹脂組成物の希釈、粘度調整、酸価の調整、光重合性の調整などの目的で使用される。この光重合性化合物としては、光重合性を有する適宜のポリマー或いはプレポリマーが挙げられる。光重合性化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の単官能アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε―カプロラクトン変性ペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このような化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
光重合性化合物が使用される場合、ソルダーレジスト用樹脂組成物中への光重合性化合物の含有量はソルダーレジスト用樹脂組成物全量に対して0.05〜40質量%の範囲であることが好ましい。更にこの含有量はソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分全量に対して50質量%以下であることが望ましい。光重合性化合物の含有量がこのような範囲であると、ソルダーレジスト用樹脂組成物から形成される乾燥膜の表面粘着性が強くなり過ぎることが抑制され、ネガマスクが乾燥膜の表面に直接当てがわれた場合のネガマスクの汚損等が抑制される。
(1−4)他の樹脂
樹脂成分は、上記各成分の他に、例えばカプロラクタム、オキシム、マロン酸エステル等でブロックされたトリレンジイソシアネート、モルホリンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系のブロックドイソシアネート、及びメラミン、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化メラミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂等の熱硬化成分;紫外線硬化性エポキシ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型エポキシ樹脂等に(メタ)アクリル酸を付加したもの;ジアリルフタレート樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の高分子化合物などを含有してもよい。
(2)白色の着色剤
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、白色の着色剤を含有する。このため、ソルダーレジスト用樹脂組成物により白色のソルダーレジスト層が形成され、このソルダーレジスト層の高い光反射性が付与される。白色の着色剤としては、例えば酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。
酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型、ラムスデライト型のいずれの構造の酸化チタンであってもよい。特にラムスデライト型酸化チタンは短波長光の吸収性が低いため、ソルダーレジスト用樹脂組成物がラムスデライト型酸化チタンを含有すると、紫外光や青色光等の短波長光の反射率が高い高反射性のソルダーレジスト層が得られる。ラムスデライト型酸化チタンは、ラムスデライト型Li0.5TiOに化学酸化によるリチウム脱離処理を施すことで得られる。特にラムスデライト型酸化チタンが用いられる場合には、短波長光の反射性が高いソルダーレジスト層が形成される。
ソルダーレジスト用樹脂組成物中の白色の着色剤の含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物中の固形分全量に対して5〜80質量%の範囲であることが好ましく、15〜50質量%の範囲であればより好ましい。この含有量が5質量%以上であればソルダーレジスト用樹脂組成物から形成される硬化膜が高い隠蔽性、白色性を発揮することができるようになり、またこの含有量が80質量%以下であればソルダーレジスト層の耐熱性、鉛筆硬度等のレジストに必要な物性が高い水準で維持されるようになる。
(3)光重合開始剤
ソルダーレジスト用樹脂組成物が光硬化性を有する場合には、ソルダーレジスト用樹脂組成物が光重合開始剤を含有することが好ましい。この光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類;2,4−ジイソプロピルキサントン等のキサントン類;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等の窒素原子を含む化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。特に好ましい光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが挙げられる。光重合開始剤と共に、p−ジメチル安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤や増感剤等が使用されてもよい。可視光露光用や近赤外線露光用等の光重合開始剤も必要に応じて使用される。これらの光重合開始剤は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。また、光重合開始剤と共に、レーザ露光法用増感剤として7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン誘導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等が併用されてもよい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物中における光重合開始剤の配合量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の光硬化性と、このソルダーレジスト用樹脂組成物から形成される硬化膜の物性とのバランスを考慮して適宜設定されることが好ましく、特にその含有量がソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分全量に対して0.1〜30質量%の範囲であることが望ましい。
(4)有機溶剤
ソルダーレジスト用樹脂組成物は必要に応じて有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、例えばソルダーレジスト用樹脂組成物の液状化又はワニス化、粘度調整、塗布性の調整、造膜性の調整などの目的で使用される。有機溶剤の具体例としては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級或いは多価のアルコール類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル類;ジアルキルグリコールエーテル類などが挙げられる。これらの有機溶剤は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
ソルダーレジスト用樹脂組成物中の有機溶剤の含有量は適宜設定される。この含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物から形成される塗膜の仮乾燥時に有機溶剤が速やかに揮散するように、すなわち有機溶剤が乾燥膜に残存しないように、調整されることが好ましい。この有機溶剤の含有量は、特にソルダーレジスト用樹脂組成物全量に対して5〜99.5重量%の範囲であることが好ましく、この場合、ソルダーレジスト用樹脂組成物の良好な塗布性が維持される。尚、有機溶剤の好適な含有量は塗布方法などにより異なるので、塗布方法に応じて含有量が適宜調節されることが好ましい。
(5)その他
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、必要に応じて、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤;硬化促進剤;白色以外の着色剤;シリコーン、アクリレート等の共重合体;レベリング剤;シランカップリング剤等の密着性付与剤;チクソトロピー剤;重合禁止剤;ハレーション防止剤;難燃剤;消泡剤;酸化防止剤;界面活性剤;高分子分散剤などを含有してもよい。
〔ソルダーレジスト用樹脂組成物の調製〕
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、上記のような原料成分を配合し、例えば三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって混練することにより調製することができる。その場合に、上記各成分のうち一部、例えば光重合性化合物及び有機溶剤の一部及びエポキシ樹脂を予め混合して分散させておき、これとは別に残りの成分を予め混合して分散させておき、使用時に両者を混合してソルダーレジスト用樹脂組成物を調製してもよい。
〔プリント配線板に対するソルダーレジスト層の形成〕
プリント配線板上にソルダーレジスト層が形成されることで、ソルダーレジスト層を有するプリント配線板が作製される。ソルダーレジスト層の形成方法は特に限定されない。
ソルダーレジスト用組成物が熱硬化性を有する場合、例えばプリント配線板上にソルダーレジスト用組成物をスクリーン印刷法等によりパターン状に塗布した後、必要に応じて60〜120℃で加熱して予備乾燥する。続いて、プリント配線板上のソルダーレジスト用組成物を例えば120〜180℃で30〜90分程度の条件で加熱する。この加熱により、ソルダーレジスト用組成物中のベース樹脂とエポキシ樹脂が反応して熱硬化し、これによりソルダーレジスト層が形成される。
ソルダーレジスト用組成物が光硬化性を有する場合のソルダーレジスト層の形成方法の一例は下記のとおりである。
プリント配線板に対して、ソルダーレジスト用組成物を浸漬法、スプレー、スピンコート、ロールコート、カーテンコート、スクリーン印刷等の適宜の手法により塗布した後、ソルダーレジスト用組成物中の有機溶剤を揮発させるために例えば60〜120℃で予備乾燥を行ない、乾燥膜を形成する。
この乾燥膜に対し、パターンが描かれたネガマスクを乾燥膜の表面に直接又は間接的に当てがい、活性エネルギー線を照射することにより、ネガマスクを介して乾燥膜を露光する。ネガマスクとしては、ソルダーレジスト層のパターン形状が活性エネルギー線を透過させる露光部として描画されると共に他の部分が活性エネルギー線を遮蔽する非露光部として形成された、マスクフィルムや乾板等のフォトツールなどが用いられる。また活性エネルギー線としては、ソルダーレジスト用組成物の組成に応じ、紫外線、可視光、近赤外線等などの適宜の活性エネルギー線が挙げられる。例えばケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等の光源から紫外線等を照射する。
尚、露光の手法は、上記のようなネガマスクを用いる方法に限られるものではなく、適宜の手法を採用することができ、例えばレーザ露光等による直接描画法等を採用することもできる。
露光後のプリント配線板からネガマスクを取り外し、現像処理することにより、乾燥膜の非露光部分を除去し、残存する乾燥膜の露光部分にてソルダーレジスト層を形成する。
現像処理では、感光性樹脂層を形成するソルダーレジスト用組成物の種類に応じた適宜の現像液を使用することができる。現像液の具体例としては例えば炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などのアルカリ溶液を例示することができる。また、前記アルカリ溶液以外でもモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミンを使用することができ、これらは、単独でも組み合わせても用いることができる。このアルカリ溶液の溶媒としては、水単独のみならず、例えば水と低級アルコール類等の親水性のある有機溶媒の混合物を用いることも可能である。
更に、ソルダーレジスト層がエポキシ樹脂を含有する場合には、必要に応じてソルダーレジスト層を例えば120〜180℃で30〜90分程度の条件で加熱処理を施すことでエポキシ樹脂を熱硬化させてもよく、この場合、ソルダーレジスト層の膜強度、硬度、耐薬品性等が向上する。
以下、本発明の具体的な実施例を提示することで、本発明を更に詳述する。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は全て質量基準の値である。
[合成例A−1]
還流冷却器、温度計、窒素置換基用ガラス管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ中に、メタクリル酸48部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製のアロニックスM−5300)50部、メチルメタクリレート92部、スチレン10部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル430部、アゾビスイソブチロニトリル3.5部を加えた。この四つ口フラスコ内の液を窒素気流下で75℃で5時間加熱して重合反応を進行させることで、濃度32%の共重合体溶液を得た。
この共重合体溶液に、ハイドロキノン0.1部、グリシジルメタクリレート64部、ジメチルベンジルアミン0.8部を加え、80℃で24時間加熱することで付加反応を進行させた。これにより、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
[合成例A−2]
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート82部及びスチレン20部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
[合成例A−3]
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部、スチレン10部の配合量を、メチルメタクリレート62部、スチレン40部に変更した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
[合成例A−4]
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート42部及びスチレン60部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
[合成例A−5]
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート22部及びスチレン80部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
[合成例A−6]
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート62部及びフェノキシエチルアクリレート40部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
[合成例A−7]
還流冷却器、温度計、窒素置換基用ガラス管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、メタクリル酸48部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製のアロニックスM−5300)50部、メチルメタクリレート62部、スチレン40部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル430部、アゾビスイソブチロニトリル3.5部を加えた。この四つ口フラスコ内の液を窒素気流下で75℃で5時間加熱して重合反応を進行させることで、32%の共重合体溶液を得た。
[合成例B−1]
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート102部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
[合成例B−2]
合成例A−1において、メタクリル酸48部及びω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製のアロニックスM−5300)50部に代えて、メタクリル酸98部を使用した。また、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート102部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液(B−2)を得た。
[合成例B−3]
合成例A−1において、メチルメタクリレート92部及びスチレン10部に代えて、メチルメタクリレート42部及びN−フェニルマレイミド60部を使用した。それ以外は合成例A−1と同一の条件で、感光性のベース樹脂の38%溶液を得た。
[合成例B−4]
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び攪拌機を取付けた四ツ口フラスコに、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンN−775)189部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103部、ハイドロキノン0.2部、アクリル酸72.7部、ジメチルベンジルアミン0.6部を加え、110℃で10時間加熱することで付加反応を進行させた。続いて四ツ口フラスコ中の液にテトラヒドロ無水フタル酸60.8部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート78.9部を加えて、81℃で3時間加熱することで反応させて、感光性のベース樹脂の64%溶液を得た。
各合成例における原料組成を下記表1に示す。併せて、表1中の「芳香環含有率」の欄に、各合成例で得られたベース樹脂中の芳香環の質量割合を示す。
Figure 0005666868
[感光性のソルダーレジスト用樹脂組成物の調製]
表2〜4に示す原料を配合して得られる混合物を3本ロールで混練することで、実施例1〜22及び比較例1〜12のソルダーレジスト用樹脂組成物を得た。尚、実施例1〜17及び比較例1〜10のソルダーレジスト用樹脂組成物は感光性及び熱硬化性を有し、実施例18〜22及び比較例11,12のソルダーレジスト用樹脂組成物は熱硬化性を有する。
表2〜4中に示される原料成分の詳細は次の通りである。尚、式中のnは繰り返し単位の数を示す。
・エポキシ樹脂a;下記構造式で示されるハイドロキノン型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂b;下記構造式で示されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂c;下記構造式で示されるターシャリーブチルカテコール型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂d;下記構造式で示されるビフェニルエーテル型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂e;下記構造式で示されるビフェニル型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂f;下記構造式で示されるナフタレン型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂g;下記構造式で示される水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂h;下記構造式で示されるビスフェノールA型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂i;下記構造式で示されるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂j;下記構造式で示されるナフタレン型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂k;下記構造式で示されるトリアジン骨格エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂l;下記構造式で示されるテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・エポキシ樹脂m;下記構造式で示されるジフェニルスルフィド型エポキシ樹脂。
Figure 0005666868
・光重合性化合物(DPCA−120);ε―カプロラクトン変性ペンタエリストールヘキサアクリレート、日本化薬株式会社製、品番KAYARAD DPCA−120。
・白色顔料(酸化チタンCR−80);ルチル型酸化チタン、石原産業株式会社製、品番CR−80。
・光重合開始剤(ルシリンTPO);2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド。
・光重合開始剤(IRGACURE819);ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製、品番IRGACURE819。
・光重合開始剤(IRGACURE184);1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製、品番IRGACURE184。
・メラミン樹脂;日産化学工業株式会社製、微粉メラミン。
・有機溶剤;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート。
・シリコーン:信越シリコーン株式会社製、品番KS−66。
〔評価試験〕
感光性及び熱硬化性を有する実施例1〜17及び比較例1〜10のソルダーレジスト用樹脂組成物については、まず、厚み35μmの銅箔を備えるガラスエポキシ銅張積層板にエッチングを施すことでパターニングすることで、プリント配線基板を得た。このプリント配線板の全面にソルダーレジスト用樹脂組成物をスクリーン印刷により塗布することで、基板表面上に湿潤塗膜を形成した。この湿潤塗膜を80℃で20分加熱して予備乾燥することで、膜厚20μmの乾燥塗膜を形成した。この乾燥塗膜の表面上にネガマスクを直接当てがうとともに各ソルダーレジスト用樹脂組成物における最適露光量の紫外線を照射することで、乾燥塗膜を選択的に露光した。露光後の乾燥塗膜に炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像処理を施すことで、乾燥塗膜のうち露光により硬化した部分(硬化膜)を基板上に残存させた。この硬化膜を更に150℃で60分間加熱して熱硬化させることでソルダーレジスト層を形成した。これによりソルダーレジスト層を備えるテストピースを得た。
熱硬化性を有する実施例18〜22及び比較例11,12のソルダーレジスト用樹脂組成物については、まず、厚み35μmの銅箔を備えるガラスエポキシ銅張積層板にエッチングを施すことでパターニングすることで、プリント配線基板を得た。このプリント配線板にソルダーレジスト用樹脂組成物をパターン状に塗布することで、基板表面上に厚み30μmのパターン状の湿潤塗膜を形成した。この湿潤塗膜を150℃で30分間加熱して熱硬化させることでソルダーレジスト層を形成した。これによりソルダーレジスト層を備えるテストピースを得た。
これらのソルダーレジスト層について、次のような評価試験をおこなった。
(タック性)
実施例18〜22及び比較例11,12を除き、露光時においてネガマスクを取り外すときの乾燥塗膜の粘着の状態及び乾燥塗膜の指触粘着性を、次に示すように評価した。
◎:ネガマスクを取り外した際に全く剥離抵抗を感じず、貼付痕もなかった。また、指触によっても全く粘着を感じなかった。
○:ネガマスクを取り外した際には粘着を感じなかったが、乾燥膜上にマスクのかすかな貼付痕が認められた。また、指触によってもかすかに粘着を感じた。
△:ネガマスクを取り外す際にわずかに剥離抵抗を感じると共に、乾燥膜上にマスクの貼付痕が認められた。また、指触によってもわずかな粘着を感じた。
×:ネガマスクを取り外すことが困難で、無理に剥すとマスクパターンが毀損した。指触によっても顕著な粘着を感じた。
(ダム残り)
実施例1〜17及び比較例1〜10において、テストピースの作製の際に、線幅/線間が0.2mm/0.3mm、厚みが40μmの銅製の導体配線を備えるプリント配線板を使用した。また、幅25μm、50μm、75μm及び100μmのソルダーダムが形成されるようなマスクパターンを有するネガマスクを使用した。露光時の紫外性の照射エネルギー密度は450mJ/cmとした。ソルダーレジスト層の厚みは60μmとした。これにより、ソルダーダムを含むソルダーレジスト層を備えるテストピースを作製した。
このテストピースにおけるソルダーダムに対して、セロハン粘着テープ剥離試験を行うことで、試験後に剥離せずに残存するソルダーダムの最小幅を調査した。
(耐酸性)
室温下でテストピースを10%の塩酸に1時間浸漬した後、ソルダーレジスト層の外観を観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:異常を生じない。
○:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:塗膜に剥がれ等の大きな変化が見られる。
(耐アルカリ性)
室温下でテストピースを10%の水酸化ナトリウムに1時間浸漬した後、ソルダーレジスト層の外観を目視で観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:異常が生じない。
〇:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:塗膜に剥がれ等の大きな変化が見られる。
(密着性)
JIS D0202の試験方法に従って、テストピースのソルダーレジスト層に碁盤目状にクロスカットを入れ、次いでセロハン粘着テープによるピーリング試験後の剥がれの状態を目視により観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:100個のクロスカット部分のうちの全てに全く変化が見られない。
○:100個のクロスカット部分のうち1箇所に僅かに浮きを生じた。
△:100個のクロスカット部分のうち2〜10箇所に剥がれを生じた。
×:100個のクロスカット部分のうち11〜100箇所に剥がれを生じた。
(鉛筆硬度)
ソルダーレジスト層の鉛筆硬度を、三菱ハイユニ(三菱鉛筆社製)を用いて、JIS K5400に準拠して測定した。
(PCT特性)
テストピースを温度121℃の飽和水蒸気中に8時間放置した後、このテストピースのソルダーレジスト層の外観を観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が全く見られない。
○:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が極僅かに見られる。
△:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が若干認められる。
×:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が認められる。
(耐メッキ性)
市販品の無電解ニッケルメッキ浴及び無電解金メッキ浴を用いて、テストピースのメッキを行い、メッキの状態を観察した。またソルダーレジスト層に対してセロハン粘着テープ剥離試験をおこなうことでメッキ後のソルダーレジスト層の密着状態を観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:外観の変化、テープ剥離時の剥離、メッキの潜り込みのいずれについても全くない。
○:外観変化はなく、テープ剥離時においても剥離も生じないが、レジストの末端部分において、極めてわずかながら、メッキの潜り込みが認められる。
△:外観変化はないが、テープ剥離時に一部剥離が認められる。
×:ソルダーレジスト層の浮きが見られ、テープ剥離時に剥離が認められる。
(はんだ耐熱性)
フラックスとしてLONCO 3355−11(ロンドンケミカル社製の水溶性フラックス)を用い、まずテストピースにフラックスを塗布し、次いでこれを260℃の溶融はんだ浴に10秒間浸漬し、その後水洗した。このサイクルを3回おこなった後のソルダーレジスト層の外観を観察し、その結果を次に示すように評価した。
◎:異常を生じない。
○:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:ソルダーレジスト層に剥がれ等の大きな変化が見られる。
(耐電蝕性)
IPC B−25くし型電極Bクーポン上に、上記テストピースの場合と同じ条件でソルダーレジスト層を形成することで、評価用のプリント配線板を得た。この評価用のプリント配線板のくし型電極にDC100Vのバイアス電圧を引加しながら、評価用のプリント配線板を40℃、90%R.H.の条件下に500時間曝露した。この試験後の評価用のプリント配線板におけるマイグレーションの有無を確認した。その結果を次に示すように評価した。
◎:全くマイグレーションが確認されない。
〇:極僅かにマイグレーションが確認される。
△:若干のマイグレーションが確認される。
×:マイグレーションが発生している。
(ポストキュア後白色度)
テストピースにおけるソルダーレジスト層の、L表色系におけるb値を、コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計(型番CM−600d)で測定した。その結果を次に示すように評価した。
◎:b値が1.4以下。
〇:b値が1.5〜1.9。
△:b値が2.0〜2.4。
×:b値が2.5以上。
(耐紫外線黄変)
テストピースにおけるソルダーレジスト層の、L表色系におけるb値を、コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計(型番CM−600d)で測定した。続いて、テストピースにおけるソルダーレジスト層に50J/cmの条件で紫外線を照射した後、再びソルダーレジスト層の、L表色系におけるb値を測定した。紫外線照射後のソルダーレジスト層のb値から紫外線照射前のソルダーレジスト層のb値を差し引いた値(Δb)を算出し、その結果を次に示すように評価した。
◎:Δb値が1.4以下。
〇:Δb値が1.5〜1.9。
△:Δb値が2.0〜2.4。
×:Δb値が2.5以上。
(耐熱黄変)
テストピースにおけるソルダーレジスト層の、L表色系におけるb値を、コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計(型番CM−600d)により測定した。続いて、テストピースを290℃、30秒の条件で熱処理した後、再びソルダーレジスト層のb値を測定した。熱処理後のソルダーレジスト層のb値から熱処理前のソルダーレジスト層のb値を差し引いた値(Δb)を算出し、その結果を次に示すように評価した。
◎:Δb値が1.4以下。
〇:Δb値が1.5〜1.9。
△:Δb値が2.0〜2.4。
×:Δb値が2.5以上。
(反射率)
テストピースにおけるソルダーレジスト層の、視感反射率を表すCIE表色法におけるY値を、コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計(型番CM−600d)で測定した。
(耐クラック性)
テストピースをカッターで切断し、続いて切断面付近でソルダーレジスト層に対してセロハン粘着テープ剥離試験を行い、ソルダーレジスト層の観察を行った。その結果を次に示すように評価した。
◎:ソルダーレジスト層にクラックが確認されず、セロハン粘着テープ剥離試験によるソルダーレジスト層の剥離も確認されない。
〇:ソルダーレジスト層に僅かにクラックが確認されるが、セロハン粘着テープ剥離試験によるソルダーレジスト層の剥離は確認されない。
△:ソルダーレジスト層に大きなクラックが確認されるが、セロハン粘着テープ剥離試験によるソルダーレジスト層の剥離は確認されない。
×:セロハン粘着テープ剥離試験によるソルダーレジスト層の剥離が確認される。
(試験結果)
以上の評価試験の結果を下記表2〜4に示す。
Figure 0005666868
Figure 0005666868
Figure 0005666868

Claims (9)

  1. カルボキシル基を有するベース樹脂を少なくとも含む樹脂成分と白色顔料とを含有し、
    前記樹脂成分が、芳香環を有し、前記芳香環を含むπ電子共役系における二重結合数が6以下であり、前記芳香環を含む二つのπ電子共役系同士が一つの炭素原子を介した単結合により結合している構造を有さず、且つ窒素原子及び硫黄原子を有さない特定の樹脂を含み、前記ベース樹脂がω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレートを含むソルダーレジスト用樹脂組成物。
  2. 前記樹脂成分全体に対する、前記特定の樹脂の割合が、1〜100質量%である請求項1に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  3. 前記ベース樹脂が、前記特定の樹脂の少なくとも一部である特定のベース樹脂を含む請求項1又は2に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  4. 前記ベース樹脂全体に対する、前記特定のベース樹脂の割合が、1〜100質量%である請求項3に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  5. 前記樹脂成分がエポキシ樹脂を含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂が、前記特定の樹脂の少なくとも一部である特定のエポキシ樹脂を含む請求項5に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  7. 前記エポキシ樹脂全体に対する、前記特定のエポキシ樹脂の割合が、1〜100質量%である請求項6に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  8. 更に光重合開始剤を含有し、前記ベース樹脂がカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する樹脂を含む請求項1乃至7のいずれか一項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のソルダーレジスト用組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板。
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