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JP5651181B2 - 無線基地局、無線端末及び通信制御方法 - Google Patents

無線基地局、無線端末及び通信制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数のアンテナを用いて、無線端末との間で無線信号の送信及び受信を行う無線基地局、及び、当該無線基地局における通信制御方法に関する。また、本発明は、複数のアンテナにアンテナウェイトを適用するアダプティブアレイ方式の無線基地局との間で無線通信を行う無線端末、及び、当該無線端末における通信制御方法に関する。
3GPP(Third Generation Partnership Project)において、現在、規格策定中のLTE(Long Term Evolution)に対応する無線通信システムでは、無線基地局eNBと無線端末UEとの間の無線通信において、無線基地局eNBが無線リソースの割り当てを行っている(例えば、非特許文献1参照)。また、LTEに対応する無線通信システムでは、無線基地局eNBと無線端末UEとの間の無線通信に、周波数分割複信(FDD:Firequency Division Duplex)と、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)との何れかが採用される。 更に、TDDを採用するLTE(TDD−LTE)の無線通信システムでは、無線基地局eNBと、移動する無線端末UEとの間の通信品質を確保すべく、無線基地局eNBが、下りの無線信号の送信時に無線端末UEの方向へ適応的にビームを向ける制御(アダプティブアレイ制御)を行うことが検討されている。
アンテナウェイトの算出手法として、無線基地局eNBが、無線端末UEからの上りの無線信号であるサウンディング参照信号(SRS)を受信した場合、当該SRSの周波数帯と同一の周波数帯の下りリソースブロックに対するアンテナウェイトを算出することが想定される。この場合、無線基地局eNBは、SRSの送信に使用する周波数帯(SRS送信周波数帯)を無線端末UEに通知する。
しかし、無線端末UEは、セルの外縁部に存在するために、広いSRS送信周波数帯の全体を利用してSRSを送信すると、消費電力が大きくなってしまうような場合、SRS送信周波数帯の一部の周波数帯のみを利用してSRSを送信することもある。このような状況下では、無線基地局eNBは、通知したSRS送信周波数帯の全体について、下りリソースブロックに対するアンテナウェイトを的確に設定できない。
また、無線端末UEは、SRS送信周波数帯が広いために、送信電力が上限値を超えてしまうこともある。このような状況下では、無線端末UEは、送信電力を下げざるを得ず、無線基地局eNBへのSRSの到達の確実性が悪化する。
上記問題点に鑑み、本発明は、下りの無線リソースに対するアンテナウェイトの設定を的確に行えるようにした無線基地局及び通信制御方法を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、無線基地局への参照信号の到達の確実性を向上させた無線端末及び通信制御方法を提供することを第2の目的とする。
3GPP TS 36.211 V8.7.0 "Physical Channels and Moduration", MAY 2009
上述した第1の目的を達成するために、本発明は以下のような特徴を有している。本発明の第1の特徴は、複数のアンテナ(アンテナ108A、アンテナ108B、アンテナ108C、アンテナ108D)にアンテナウェイトを適用するアダプティブアレイ方式の無線基地局(無線基地局eNB1−1)であって、前記アンテナウェイトの算出で参照される参照信号(SRS)のサービング無線端末による送信に用いられることが可能な参照信号送信周波数帯を設定するとともに、設定した前記参照信号送信周波数帯の無線リソースを前記サービング無線端末に割り当てる制御部(制御部102)を備え、前記制御部は、前記参照信号送信周波数帯の無線リソースのうち、最新に受信された参照信号の周波数帯を有する無線リソースに対して、前記最新に受信された参照信号に基づくアンテナウェイトを設定し、前記最新に受信された参照信号の周波数帯以外の周波数帯を有する無線リソースに対して、無指向性のアンテナウェイトを設定することを要旨とする。
このような無線基地局は、参照信号送信周波数帯を設定したにもかかわらず、サービング無線端末が当該参照信号送信周波数帯の一部の周波数帯のみを利用して参照信号を送信してきた場合には、参照信号送信周波数帯のうち、最新に受信された参照信号の周波数帯を有する無線リソースに対して、参照信号に基づくアンテナウェイトを設定し、参照信号の周波数帯を有する無線リソースを用いて無線信号を送信する。参照信号の周波数帯を有する無線リソースに対して、当該参照信号に基づくアンテナウェイトを設定することで、アンテナウェイトの設定を的確に行える。
本発明の第2の特徴は、前記制御部は、前記参照信号送信周波数帯のうち、前記参照信号の周波数帯を有するビームの希望波方向が前記サービング無線端末に向くように、前記アンテナウェイトを設定することを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、前記制御部は、前記参照信号送信周波数帯のうち、前記最新に受信された参照信号の周波数帯以外の周波数帯を有する前記無線リソースに対して、過去の所定期間内に、前記参照信号の周波数帯以外の周波数帯で他の参照信号が受信された場合には、前記他の参照信号に基づくアンテナウェイトを設定することを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、前記制御部は、前記参照信号送信周波数帯のうち、所定期間内に受信された前記参照信号の周波数帯を有するビームの希望波方向が前記サービング無線端末に向くように、前記アンテナウェイトを設定することを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、前記制御部は、設定のタイミング毎に、前記参照信号送信周波数帯を切り替えることを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、複数のアンテナにアンテナウェイトを適用するアダプティブアレイ方式の無線基地局における通信制御方法であって、前記アンテナウェイトの算出で参照される参照信号のサービング無線端末による送信に用いられることが可能な参照信号送信周波数帯を設定するとともに、設定した前記参照信号送信周波数帯の無線リソースを前記サービング無線端末に割り当てる制御ステップを備え、前記制御ステップは、前記参照信号送信周波数帯の無線リソースのうち、最新に受信された参照信号の周波数帯を有する無線リソースに対して、前記最新に受信された参照信号に基づくアンテナウェイトを設定し、前記最新に受信された参照信号の周波数帯以外の周波数帯を有する無線リソースに対して、無指向性のアンテナウェイトを設定することを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、複数のアンテナにアンテナウェイトを適用するアダプティブアレイ方式の無線基地局との間で無線通信を行う無線端末であって、前記アンテナウェイトの算出で参照される参照信号の送信に用いられることが可能な第1の参照信号送信周波数帯の情報を受信する受信部と、前記第1の参照信号送信周波数帯に含まれる第2の参照信号送信周波数帯を設定し、前記第2の参照信号送信周波数帯を用いて前記参照信号を送信する制御部と、を備え、前記受信部は、前記第1の参照信号送信周波数帯のうち、前記無線基地局に割り当てられた、前記第2の参照信号周波数帯を有する無線リソースにおいて、前記参照信号に基づくアンテナウェイトが前記無線基地局によって設定された無線信号を受信し、前記無線基地局に割り当てられた、前記第2の参照信号周波数帯以外の周波数帯を有する無線リソースにおいて、無指向性のアンテナウェイトが前記無線基地局によって設定された無線信号を受信することを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、複数のアンテナにアンテナウェイトを適用するアダプティブアレイ方式の無線基地局との間で無線通信を行う無線端末における通信制御方法であって、前記アンテナウェイトの算出で参照される参照信号の送信に用いられることが可能な第1の参照信号送信周波数帯の情報を受信するステップと、前記第1の参照信号送信周波数帯に含まれる第2の参照信号送信周波数帯を設定し、前記第2の参照信号送信周波数帯を用いて前記参照信号を送信するステップと、前記第1の参照信号送信周波数帯のうち、前記無線基地局に割り当てられた、前記第2の参照信号周波数帯を有する無線リソースにおいて、前記参照信号に基づくアンテナウェイトが前記無線基地局によって設定された無線信号を受信し、前記無線基地局に割り当てられた、前記第2の参照信号周波数帯以外の周波数帯を有する無線リソースにおいて、無指向性のアンテナウェイトが前記無線基地局によって設定された無線信号を受信するステップと、を備えることを要旨とする。
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体概略構成図である。 図2は、本発明の実施形態に係る、リソースブロックのフォーマットを示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る、フレームのフォーマットを示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係る、無線基地局と無線端末との間の無線通信において利用可能な無線リソースの周波数帯の構成を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係る、無線基地局の構成図である。 図6は、本発明の実施形態に係る、SRSの周波数帯と、割り当て下りリソースブロックとの対応の第1の例を示す図である。 図7は、本発明の実施形態に係る、SRSの周波数帯と、割り当て下りリソースブロックとの対応の第2の例を示す図である。 図8は、本発明の実施形態に係る、無線端末の構成図である。 図9は、本発明の実施形態に係る、無線基地局の第1の動作を示すフローチャートである。 図10は、本発明の実施形態に係る、無線基地局の第2の動作を示すフローチャートである。 図11は、本発明の実施形態に係る、無線端末の動作を示すフローチャートである。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)無線通信システムの構成、(2)無線基地局の構成、(3)無線端末の構成、(4)無線通信システムの動作、(5)作用・効果、(6)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(1)無線通信システムの構成
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。
図1に示す無線通信システム10は、TDD−LTEの無線通信システムである。無線通信システム10は、無線基地局eNB1−1と、無線端末UE2−1とを含む。
無線端末UE2−1は、無線基地局eNB1−1によるリソースブロックの割り当て対象である。この場合、無線基地局eNB1−1を基準とすると、無線端末UE2−1は、サービング無線端末である。以下、無線基地局eNB1−1によるリソースブロックの割り当て対象の無線端末を、適宜サービング無線端末UE2−1と称する。
無線基地局eNB1−1と無線端末UE2−1との間の無線通信には、時分割複信が採用されるとともに、下りの無線通信にはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りの無線通信にはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が採用される。ここで、下りとは、無線基地局eNB1−1から無線端末UE2−1へ向かう方向を意味する。上りとは、無線端末UE2−1から無線基地局eNB1−1へ向かう方向を意味する。
無線基地局eNB1−1は、セル3−1内のサービング無線端末UE2−1に対して、無線リソースとしてのリソースブロック(RB:Resource Block)を割り当てる。
リソースブロックは、下りの無線通信に用いられる下りリソースブロック(下りRB)と、上りの無線通信に用いられる上りリソースブロック(上りRB)とがある。複数の下りリソースブロックは、周波数方向及び時間方向に配列される。同様に、複数の上りリソースブロックは、周波数方向及び時間方向に配列される。
図2は、リソースブロックのフォーマットを示す図である。リソースブロックは、時間方向では、1[ms]の時間長を有する1つのサブフレーム内に構成される。サブフレームは、時間帯S1乃至時間帯S14からなる。これら時間帯S1乃至時間帯S14のうち、時間帯S1乃至時間帯S7は、前半のタイムスロット(タイムスロット1)を構成し、時間帯S8乃至時間帯S14は、後半のタイムスロット(タイムスロット2)を構成する。そして、タイムスロット1とタイムスロット2が、リソースブロックに対応する。
図2に示すように、リソースブロックは、周波数方向では、180[kHz]の周波数幅を有する。また、リソースブロックは、15[kHz]の周波数幅を有する12個のサブキャリアF1乃至F12からなる。
また、時間方向においては、複数のサブフレームによって1つのフレームが構成される。図3は、フレームのフォーマットを示す図である。図3に示すフレームは、10個のサブフレームによって構成される。フレームには、10個のサブフレームが、下りリソースブロックのサブフレーム、下りリソースブロック及び上りリソースブロック双方のサブフレーム(スペシャルサブフレーム:SSF)、上りリソースブロックのサブフレーム、上りリソースブロックのサブフレーム、下りリソースブロックのサブフレーム、下りリソースブロックのサブフレーム、スペシャルサブフレーム、上りリソースブロックのサブフレーム、上りリソースブロックのサブフレーム、下りリソースブロックのサブフレームの順で含まれている。以下、1フレームに含まれる2つのスペシャルサブフレームのうち、前方のスペシャルサブフレームを第1SSF301と称し、後方のスペシャルサブフレームを第2SSF302と称する。なお、スペシャルサブフレームは、サブフレーム内において、ガードタイムを挟んで前半のタイムスロットが下りの無線通信に利用され、後半のタイムスロットが上りの無線通信に利用される。
また、周波数方向においては、無線基地局eNB1−1とサービング無線端末UE2−1との間の無線通信において利用可能な無線リソースの全周波数帯、換言すれば、サービング無線端末UE2−1に対して割り当て可能な周波数帯(割り当て周波数帯)は、複数のリソースブロックの個数分の帯域を有する。
図4は、無線基地局eNB1−1サービング無線端末UE2−1との間の無線通信において利用可能な全周波数帯の構成を示す図である。図4に示すように、無線基地局eNB1−1とサービング無線端末UE2−1との間の無線通信において利用可能な全周波数帯は、96個のリソースブロック分の帯域を有する。また、全周波数帯は、24個のリソースブロック分の帯域を有する周波数帯1乃至周波数帯4に分割されている。
下りリソースブロックは、時間方向に、下りの制御情報伝送用の制御情報チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)と、下り方向のユーザデータ伝送用の共有データチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannel)とにより構成される。
一方、上りリソースブロックは、上りの無線通信に使用可能な全周波数帯の両端では、上りの制御情報伝送用の制御情報チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control CHannel)が構成され、中央部では、上りのユーザデータ伝送用の共有データチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)が構成される。
(2)無線基地局の構成
図5は、無線基地局eNB1−1の構成図である。図5に示すように、無線基地局eNB1−1は、複数のアンテナにアンテナウェイトを適用するアダプティブアレイ方式の無線基地局であり、制御部102、記憶部103、I/F部104、無線通信部106、変調・復調部107、アンテナ108A、アンテナ108B、アンテナ108C、アンテナ108Dを含む。
制御部102は、例えばCPUによって構成され、無線基地局eNB1−1が具備する各種機能を制御する。制御部102は、サウンディング参照信号(SRS)送信周波数帯設定部112、リソースブロック(RB)割当部114、及び、アンテナウェイト算出部116を含む。記憶部103は、例えばメモリによって構成され、無線基地局eNB1−1における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
I/F部104は、X2インタフェースを介して、他の無線基地局eNBとの間で通信可能である。また、I/F部104は、S1インターフェースを介して、図示しないEPC(Evolved Packet Core)、具体的には、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving Gateway)と通信可能である。
無線通信部106は、アンテナ108A乃至アンテナ108Dを介して、サービング無線端末UE2−1から送信される上り無線信号を受信する。更に、無線通信部106は、受信した上り無線信号をベースバンド信号に変換(ダウンコンバート)し、変調・復調部107へ出力する。
変調・復調部107は、入力されたベースバンド信号の復調及び復号処理を行う。これにより、無線端末UE2−1が送信した上り無線信号に含まれるデータが得られる。データは制御部102へ出力される。
また、変調・復調部107は、制御部102からのデータの符号化及び変調を行い、ベースバンド信号を得る。無線通信部106は、ベースバンド信号を下り無線信号に変換(アップコンバート)する。更に、無線通信部106は、アンテナ108A乃至アンテナ108Dを介して、下り無線信号を送信する。
制御部102内のSRS送信周波数帯設定部112は、サービング無線端末UE2−1に対して、スペシャルサブフレームのタイミングで当該サービング無線端末UE2−1がサウンディング参照信号(SRS)を送信する際に使用する周波数帯(SRS送信周波数帯)を設定する。ここで、SRSは、無線基地局eNB1−1におけるアンテナウェイトの算出で参照すべき信号であり、無線周波数帯の上り無線信号である。本実施形態では、SRS送信周波数帯設定部112は、次のスペシャルサブフレームのタイミングで当該サービング無線端末UE2−1がSRSを送信する際のSRS送信周波数帯を設定する場合、当該スペシャルサブフレームのタイミングが到来する前にSRS送信周波数帯を設定する。本実施形態では、SRS送信周波数帯は、図4に示す周波数帯1、周波数帯3、周波数帯2、周波数帯4の順序で切り替えられ、その後、再び、周波数帯1に戻るという周期的な切り替え順序で設定される。
SRS送信周波数帯設定部112は、SRS送信周波数帯を設定する毎に、当該SRS送信周波数帯の情報をサービング無線端末UE2−1へ送信する。
具体的には、SRS送信周波数帯設定部112は、サービング無線端末UE2−1の接続時においては、RRC(Radio Resource Control)Connection Setup メッセージの情報要素であるSoundingRS−UL−Configに、SRS送信周波数帯の帯域幅に対応するパラメータを設定する。また、SRS送信周波数帯設定部112は、RRC Connection Setup メッセージに、SRS送信周波数帯の中心周波数の情報を設定する。
更に、SRS送信周波数帯設定部112は、パラメータとSRS送信周波数帯の中心周波数の情報とが設定されたRRC Connection Setup メッセージを変調・復調部107へ出力する。
変調・復調部107は、RRC Connection Setup メッセージの符号化及び変調を行い、ベースバンド信号を得る。無線通信部106は、ベースバンド信号を下り無線信号に変換し、アンテナ108A乃至アンテナ108Dを介して、下り無線信号を送信する。
また、SRS送信周波数帯設定部112は、サービング無線端末UE2−1の通信時においては、RRC Connection Reconfiguration メッセージの情報要素であるSoundingRS−UL−Configに、SRS送信周波数帯の帯域幅に対応するパラメータを設定する。また、SRS送信周波数帯設定部112は、RRC Connection Reconfiguration メッセージに、SRS送信周波数帯の中心周波数の情報を設定する。
更に、SRS送信周波数帯設定部112は、パラメータとSRS送信周波数帯の中心周波数の情報とが設定されたRRC Connection Reconfiguration メッセージを変調・復調部107へ出力する。
変調・復調部107は、RRC Connection Reconfiguration メッセージの符号化及び変調を行い、ベースバンド信号を得る。無線通信部106は、ベースバンド信号を下り無線信号に変換し、アンテナ108A乃至アンテナ108Dを介して、下り無線信号を送信する。
サービング無線端末UE2−1は、RRC Connection Setup メッセージに対応する下り無線信号、又は、RRC Connection Reconfiguration メッセージに対応する下り無線信号を受信する。
更に、サービング無線端末UE2−1は、RRC Connection Setup メッセージに設定されているパラメータ、又は、RRC Connection Reconfiguration メッセージに設定されているパラメータと、セル3−1に対応して静的に定められているパラメータとに基づいて、SRS送信周波数帯の帯域幅を認識する。また、サービング無線端末UE2−1は、RRC Connection Setup メッセージに設定されているSRS送信周波数帯の中心周波数の情報に基づいて、SRS送信周波数帯の中心周波数を認識する。
サービング無線端末UE2−1は、SRS送信周波数帯の帯域幅と、SRS送信周波数帯の中心周波数とに基づいて、SRS送信周波数帯を一意に特定でき、スペシャルサブフレームのタイミングで、SRS送信周波数帯を用いてSRSを送信する。
無線基地局eNB1−1内の無線通信部106は、アンテナ108A乃至アンテナ108Dを介して、サービング無線端末UE2−1から送信されるSRSを受信する。更に、無線通信部106は、受信したSRSをベースバンド信号に変換し、変調・復調部107へ出力する。また、無線通信部106は、受信したSRSの周波数帯の情報を制御部102へ出力する。変調・復調部107は、入力されたベースバンド信号の復調及び復号処理を行う。これにより、無線端末UE2−1が送信したSRSに含まれるデータが得られる。データは制御部102へ出力される。
RB割当部114は、サービング無線端末UE2−1に対して、下りリソースブロックを割り当てる。具体的には、以下の第1の処理乃至第3の処理が行われる。
(第1の処理)
最新に受信されたSRSの周波数帯が、当該SRSを送信するために定められたSRS送信周波数帯と一致する場合、RB割当部114は、当該一致するSRS送信周波数帯に含まれる全ての下りリソースブロックをサービング無線端末UE2−1に割り当てる。
(第2の処理)
最新に受信されたSRSの周波数帯が、当該SRSを送信するために定められたSRS送信周波数帯の一部である場合には、RB割当部114は、最新に受信されたSRSの周波数帯に含まれる全ての下りリソースブロックをサービング無線端末UE2−1に割り当てる。例えば、図6に示すように、スペシャルサブフレーム303のタイミングで受信されたSRSが、SRS送信周波数帯である周波数帯1の一部である場合、RB割当部114は、スペシャルサブフレーム303のタイミングで受信されたSRSの周波数帯に含まれる全ての下りリソースブロック304をサービング無線端末UE2−1に割り当てる。
(第3の処理)
最新に受信されたSRSの周波数帯が、当該SRSを送信するために定められたSRS送信周波数帯の一部である場合には、第2の処理に代えて第3の処理が行われてもよい。第3の処理では、RB割当部114は、最新に受信されたSRSの周波数帯を含むSRS送信周波数帯に含まれる下りリソースブロックをサービング無線端末UE2−1に割り当てる。例えば、図7に示すように、スペシャルサブフレーム303のタイミングで受信されたSRSがSRS送信周波数帯である周波数帯1の一部である場合、RB割当部114は、スペシャルサブフレーム303のタイミングで受信されたSRSの周波数帯を含むSRS送信周波数帯である周波数帯1に含まれる全ての下りリソースブロック305をサービング無線端末UE2−1に割り当てる。
上述した第1の処理乃至第3の処理の後、RB割当部114は、割り当てる下りリソースブロックの時間帯を決定する。ここで、RB割当部114は、最新のSRSの受信タイミングが第1SSFのタイミングである場合には、当該第1SSFのタイミングから第2SSFのタイミングまでの間の下りリソースブロックのサブフレームの少なくとも何れか1つの時間帯を決定する。また、RB割当部114は、最新のSRSの受信タイミングが第2SSFのタイミングである場合には、当該第2SSFのタイミングから当該第2SSFを含むフレームの最後方までの間の下りリソースブロックのサブフレームの少なくとも1つの時間帯を決定する。
更に、RB割当部114は、決定した下りリソースブロックの周波数帯及び時間帯を一意に特定可能な下りRB割当値を生成する。下りRB割当値は、媒体アクセス制御(MAC)層の処理によって得られる。下りRB割当値には、サービング無線端末UE2−1に対して割り当てられる下りリソースブロックの時間帯と周波数帯とを一意に識別する情報であるリソースブロック番号が含まれる。
RB割当部114は、下りRB割当値を、変調・復調部107、無線通信部106及びアンテナ108A乃至アンテナ108Dを介して、サービング無線端末UE2−1へ送信する。
RB割当部114によって下りリソースブロックが割り当てられた後、アンテナウェイト算出部116は、各アンテナ108A乃至アンテナ108Dについて、割り当てた下りリソースブロックを用いた下り無線信号の送信時のアンテナウェイト(送信ウェイト)を算出する。
具体的には、アンテナウェイト算出部116は、RB割当部114により生成された下りRB割当値に基づいて、サービング無線端末UE2−1に割り当てた下りリソースブロックの周波数帯を特定する。次に、アンテナウェイト算出部116は、最新に受信されたSRSの周波数帯が、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯と一致するか否かを判定する。
最新に受信されたSRSの周波数帯が、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯と一致する場合、アンテナウェイト算出部116は、最新に受信されたSRSに基づいて、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯について、送信ウェイトを算出する。ここで、アンテナウェイト算出部116は、サービング無線端末UE2−1からのSRSの受信時において信号対干渉雑音比(SINR)が最大となるアンテナウェイト(受信ウェイト)を算出し、当該受信ウェイトを送信ウェイトとする。
算出された各アンテナ108A乃至アンテナ108D毎の受信ウェイトは、サービング無線端末UE2−1からの上り無線信号の受信時においてSINRが最大となるアンテナウェイトである。従って、当該受信ウェイトが送信ウェイトとして設定されることにより、当該送信ウェイトは、ビームの希望波方向がサービング無線端末UE2−1に向くアンテナウェイトとなる。
一方、最新に受信されたSRSの周波数帯が、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯と一致しない場合、換言すれば、RB割当部114によって上述した第3の処理が行われた場合、アンテナウェイト算出部116は、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯のうち、最新に受信されたSRSの周波数帯と、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯との重複部分について、最新に受信されたSRSに基づいて、受信ウェイトを算出し、当該受信ウェイトを送信ウェイトとする。
また、アンテナウェイト算出部116は、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯のうち、最新に受信されたSRSの周波数帯と、当該割り当てた下りリソースブロックの周波数帯との非重複部分について、無指向性となる送信ウェイトを算出する。
但し、最新に受信されたSRSの周波数帯が、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯と一致しないが、最新に受信されたSRSの周波数帯と、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯との非重複部分が、過去の所定期間(例えば1つのフレームの期間)内に受信されたSRSの周波数帯に含まれる場合には、アンテナウェイト算出部116は、最新に受信されたSRSの周波数帯と、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯との非重複部分について、過去の所定期間内に受信されたSRSに基づいて受信ウェイトを算出し、当該受信ウェイトを送信ウェイトとする。
その後、制御部102は、割り当てた下りリソースブロックを用いて、変調・復調部107、無線通信部106及びアンテナ108A乃至アンテナ108Dを介して、サービング無線端末UE2−1へ下り無線信号を送信する。
また、制御部102は、無線基地局eNB1−1とサービング無線端末UE2−1との間の通信品質として、サービング無線端末UE2−1からのSRSの受信レベルを監視する。更に、制御部102は、SRSの受信レベルが予め定められた範囲よりも小さい場合には、送信電力の上昇を要求するRRCメッセージである送信電力制御メッセージを、変調・復調部107、無線通信部106及びアンテナ108A乃至アンテナ108Dを介して、サービング無線端末UE2−1へ送信する。また、制御部102は、SRSの受信レベルが予め定められた範囲よりも大きい場合には、送信電力の低下を要求するRRCメッセージである送信電力制御メッセージを、変調・復調部107、無線通信部106及びアンテナ108A乃至アンテナ108Dを介して、サービング無線端末UE2−1へ送信する。
(3)無線端末の構成
図8は、サービング無線端末UE2−1の構成図である。図8に示すように、サービング無線端末UE2−1は、制御部202、記憶部203、無線通信部206、変調・復調部207、アンテナ208を含む。
制御部202は、例えばCPUによって構成され、サービング無線端末UE2−1が具備する各種機能を制御する。制御部202は、送信電力制御部212及びサウンディング参照信号(SRS)送信周波数帯再設定部214を含む。記憶部203は、例えばメモリによって構成され、サービング無線端末UE2−1における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
無線通信部206は、アンテナ208を介して、無線基地局eNB1−1から送信される下り無線信号を受信する。更に、無線通信部206は、受信した下り無線信号をベースバンド信号に変換(ダウンコンバート)し、変調・復調部207へ出力する。
変調・復調部207は、入力されたベースバンド信号の復調及び復号処理を行う。これにより、無線基地局eNB1−1が送信した下り無線信号に含まれるデータが得られる。データは制御部202へ出力される。
また、変調・復調部207は、制御部202からのデータの符号化及び変調を行い、ベースバンド信号を得る。無線通信部206は、ベースバンド信号を上り無線信号に変換(アップコンバート)する。更に、無線通信部206は、アンテナ208を介して、上り無線信号を送信する。
制御部202は、アンテナ208、無線通信部206及び変調・復調部207を介して、無線基地局eNB1−1からの下り無線信号に対応する、SRS送信周波数帯の情報を含んだRRC Connection Setup メッセージ、又は、RRC Connection Reconfiguration メッセージを受信する。
更に、制御部202は、RRC Connection Setup メッセージに設定されているパラメータ、又は、RRC Connection Reconfiguration メッセージに設定されているパラメータと、セル3−1に対応して静的に定められているパラメータとに基づいて、SRS送信周波数帯の帯域幅を認識する。また、制御部202は、RRC Connection Setup メッセージに設定されているSRS送信周波数帯の中心周波数の情報に基づいて、SRS送信周波数帯の中心周波数を認識する。
また、制御部202内の送信電力制御部212は、無線基地局eNB1−1からの下り無線信号が受信されると、当該下り無線信号に送信電力制御メッセージが含まれているか否か、換言すれば、送信電力制御メッセージを受信したか否かを判定する。
送信電力制御メッセージが受信された場合、送信電力制御部212は、当該送信電力制御メッセージが送信電力の上昇を要求するものであるか、送信電力の低下を要求するものであるかを判別する。
送信電力制御メッセージが送信電力の上昇を要求するものである場合、送信電力制御部212は、現時点の送信電力が予め定められた上限値であるか否かを判定する。現時点の送信電力が上限値でない場合には、送信電力制御部212は、送信電力制御メッセージに従い、送信電力を上昇させる。
一方、現時点の送信電力が上限値である場合には、これ以上、送信電力を上昇させることができない。この場合には、SRS送信周波数帯再設定部214は、SRS送信周波数帯を縮小可能であるか否かを判定する。ここで、現時点のSRS送信周波数帯が予め定められた最小単位(例えばリソースブロック4個分の周波数帯)である場合には、SRS送信周波数帯を縮小不能であると判定される。
SRS送信周波数帯を縮小可能である場合には、SRS送信周波数帯再設定部214は、SRS送信周波数帯が縮小されるように、当該SRS送信周波数帯を再設定する。具体的には、SRS送信周波数帯再設定部214は、無線基地局eNB1−1からのRRC Connection Setup メッセージ、又は、RRC Connection Reconfiguration メッセージによって示されるSRS送信周波数帯に含まれ、且つ、当該SRS送信周波数帯よりも狭いSRS送信周波数帯を設定する。
その後、制御部202は、変調・復調部207、無線通信部206及びアンテナ208を介して、スペシャルサブフレームのタイミングで、再設定されたSRS送信周波数帯を用いてSRSを送信する。
一方、送信電力制御メッセージが送信電力の低下を要求するものである場合、送信電力制御部212は、現時点でSRS送信周波数帯の縮小を実行中であるか否かを判定する。現時点でSRS送信周波数帯の縮小を実行中でない場合には、送信電力制御部212は、送信電力制御メッセージに従い、送信電力を低下させる。
一方、現時点でSRS送信周波数帯の縮小を実行中である場合には、SRS送信周波数帯再設定部214は、SRS送信周波数帯が拡大されるように、当該SRS送信周波数帯を再設定する。但し、SRS送信周波数帯再設定部214は、拡大後のSRS送信周波数帯は、無線基地局eNB1−1からのRRC Connection Setup メッセージ、又は、RRC Connection Reconfiguration メッセージによって示されるSRS送信周波数帯の範囲を超えないようにする。
あるいは、現時点でSRS送信周波数帯の縮小を実行中である場合には、SRS送信周波数帯再設定部214は、SRS送信周波数帯の縮小を終了し、SRS送信周波数帯を再設定する。この際、SRS送信周波数帯再設定部214は、無線基地局eNB1−1サービング無線端末UE2−1との間の無線通信において利用可能な全周波数帯のうち、SRSの送信に用いられていない期間が最も長い周波数帯をSRS送信周波数帯として設定することが望ましい。
その後、制御部202は、変調・復調部207、無線通信部206及びアンテナ208を介して、スペシャルサブフレームのタイミングで、再設定されたSRS送信周波数帯を用いてSRSを送信する。
(4)無線通信システムの動作
図9は、無線基地局eNB1−1の第1の動作を示すフローチャートである。
ステップS101において、無線基地局eNB1−1は、サービング無線端末UE2−1からのSRSを受信する。ステップS102において、無線基地局eNB1−1は、最新に受信したSRSの周波数帯が、当該SRSを送信するために定められたSRS送信周波数帯と一致するか否かを判定する。
最新に受信したSRSの周波数帯が、当該SRSを送信するために定められたSRS送信周波数帯と一致する場合、ステップS103において、無線基地局eNB1−1は、最新に受信したSRSの周波数帯と一致するSRS送信周波数帯の全ての下りリソースブロックを、サービング無線端末UE2−1に割り当てる。
一方、最新に受信したSRSの周波数帯が、当該SRSを送信するために定められたSRS送信周波数帯と一致しない場合、換言すれば、最新に受信したSRSの周波数帯が、当該SRSを送信するために定められたSRS送信周波数帯の一部である場合には、ステップS104において、無線基地局eNB1−1は、最新に受信したSRSの周波数帯に含まれる全ての下りリソースブロックをサービング無線端末UE2−1に割り当てる。
ステップS103又はステップS104において下りリソースブロックが割り当てられた後、ステップS105において、無線基地局eNB1−1は、割り当てた下りリソースブロックに対して、最新に受信したSRSに基づく送信ウェイトを設定する。
ステップS106において、無線基地局eNB1−1は、割り当てた下りリソースブロックを用いて、下り無線信号を送信する。
図10は、無線基地局eNB1−1の第2の動作を示すフローチャートである。
ステップS201において、無線基地局eNB1−1は、サービング無線端末UE2−1からのSRSを受信する。ステップS202において、無線基地局eNB1−1は、最新に受信したSRSの周波数帯が、当該SRSを送信するために定められたSRS送信周波数帯と一致するか否かを判定する。
最新に受信したSRSの周波数帯が、当該SRSを送信するために定められたSRS送信周波数帯と一致する場合、ステップS203において、無線基地局eNB1−1は、最新に受信したSRSの周波数帯と一致するSRS送信周波数帯の全ての下りリソースブロックを、サービング無線端末UE2−1に割り当てる。
ステップS204において、無線基地局eNB1−1は、割り当てた下りリソースブロックに対して、最新に受信したSRSに基づく送信ウェイトを設定する。
一方、最新に受信したSRSの周波数帯が、当該SRSを送信するために定められたSRS送信周波数帯と一致しない場合、ステップS205において、無線基地局eNB1−1は、最新に受信したSRSの周波数帯を含むSRS送信周波数帯の全ての下りリソースブロックを、サービング無線端末UE2−1に割り当てる。
ステップS206において、無線基地局eNB1−1は、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯のうち、最新に受信されたSRSの周波数帯と、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯との非重複部分の周波数帯のSRSを過去の所定期間内にサービング無線端末UE2−1から受信しているか否かを判定する。
非重複部分の周波数帯のSRSを過去の所定期間内にサービング無線端末UE2−1から受信している場合、ステップS207において、無線基地局eNB1−1は、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯のうち、最新に受信されたSRSの周波数帯と、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯との重複部分の周波数帯の下りリソースブロックに対して、最新に受信したSRSに基づく送信ウェイトを設定する。
ステップS208において、無線基地局eNB1−1は、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯のうち、最新に受信されたSRSの周波数帯と、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯との非重複部分の周波数帯の下りリソースブロックに対して、過去の所定期間内に受信したSRSに基づく送信ウェイトを設定する。
一方、非重複部分の周波数帯のSRSを過去の所定期間内にサービング無線端末UE2−1から受信していない場合、ステップS209において、無線基地局eNB1−1は、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯のうち、最新に受信されたSRSの周波数帯と、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯との重複部分の周波数帯の下りリソースブロックに対して、最新に受信したSRSに基づく送信ウェイトを設定する。
ステップS210において、無線基地局eNB1−1は、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯のうち、最新に受信されたSRSの周波数帯と、割り当てた下りリソースブロックの周波数帯との非重複部分の周波数帯の下りリソースブロックに対して、無指向性となる送信ウェイトを設定する。
ステップS204、ステップS208及びステップS210における送信ウェイトの設定後、ステップS211において、無線基地局eNB1−1は、割り当てた下りリソースブロックを用いて、下り無線信号を送信する。
図11は、サービング無線端末UE2−1の動作を示すフローチャートである。
ステップS301において、サービング無線端末UE2−1は、無線基地局eNB1−1からの下り無線信号を受信する。ステップS302において、サービング無線端末UE2−1は、受信した下り無線信号に送信電力制御メッセージが含まれているか否か、換言すれば、送信電力制御メッセージを受信したか否かを判定する。
送信電力制御メッセージが受信された場合、ステップS303において、サービング無線端末UE2−1は、送信電力制御メッセージが送信電力の上昇を要求するものであるか否かを判別する。
送信電力制御メッセージが送信電力の上昇を要求するものである場合、ステップS304において、サービング無線端末UE2−1は、現時点の送信電力が予め定められた上限値であるか否かを判定する。
現時点の送信電力が上限値である場合には、ステップS305において、サービング無線端末UE2−1は、SRS送信周波数帯を縮小可能であるか否かを判定する。
SRS送信周波数帯を縮小可能である場合には、ステップS306において、サービング無線端末UE2−1は、SRS送信周波数帯が縮小されるように、当該SRS送信周波数帯を再設定する。ステップS307において、サービング無線端末UE2−1は、スペシャルサブフレームのタイミングで、再設定されたSRS送信周波数帯を用いてSRSを送信する。
一方、ステップS304において、現時点の送信電力が上限値でないと判定された場合には、ステップS308において、サービング無線端末UE2−1は、送信電力制御メッセージに従い、送信電力を上昇させる。
また、ステップS303において、送信電力制御メッセージが送信電力の上昇を要求するものでない、換言すれば、送信電力制御メッセージが送信電力の低下を要求するものである場合、ステップS309において、サービング無線端末UE2−1は、現時点でSRS送信周波数帯を縮小しているか否かを判定する。
現時点でSRS送信周波数帯の縮小を実行中である場合には、ステップS310において、サービング無線端末UE2−1は、SRS送信周波数帯が拡大されるように、当該SRS送信周波数帯を再設定する。あるいは、サービング無線端末UE2−1は、SRS送信周波数帯の縮小を終了し、SRS送信周波数帯を再設定する。
ステップS311において、サービング無線端末UE2−1は、スペシャルサブフレームのタイミングで、再設定されたSRS送信周波数帯を用いてSRSを送信する。
一方、ステップS309において、現時点でSRS送信周波数帯を縮小していないと判定された場合には、ステップS312において、サービング無線端末UE2−1は、送信電力制御メッセージに従い、送信電力を低下させる。
(5)作用・効果
以上説明したように、本実施形態によれば、無線基地局eNB1−1は、SRS送信周波数帯を設定したにもかかわらず、サービング無線端末UE2−1が当該SRS送信周波数帯の一部の周波数帯のみを利用してSRSを送信してきた場合には、SRS送信周波数帯のうち、最新に受信したSRSの周波数帯を有する下りリソースブロックを割り当て、当該下りリソースブロックに対して、最新に受信したSRSに基づく送信ウェイトを設定し、当該下りリソースブロックを用いて無線信号を送信する。従って、SRSの周波数帯を有する下りリソースブロックに対して、当該SRSに基づく送信ウェイトを設定することができ、送信ウェイトの設定を的確に行える。
また、無線基地局eNB1−1は、SRS送信周波数帯を有する下りリソースブロックを割り当て、当該下りリソースブロックのうち、最新に受信したSRSの周波数帯以外の下りリソースブロックに対して、無指向性となる送信ウェイトを設定する。また、無線基地局eNB1−1は、SRS送信周波数帯を有する下りリソースブロックを割り当て、当該下りリソースブロックのうち、過去の所定期間内に受信したSRSの周波数帯を有する下りリソースブロックに対して、当該過去の所定期間内に受信したSRSに基づく送信ウェイトを設定し、過去の所定期間内に受信していないSRSの周波数帯を有する下りリソースブロックに対して、無指向性となる送信ウェイトを設定する。従って、最新に受信したSRSの周波数帯を有する下りリソースブロック以外の下りリソースブロックが割り当てられる場合にも、送信ウェイトの設定を的確に行える。
また、サービング無線端末UE2−1は、無線基地局eNB1−1からの送信電力の上昇の要求に対して、送信電力が上限値である場合には、SRS送信周波数帯を縮小する。これにより、サービング無線端末UE2−1は、全体の送信電力を上昇させることなく、SRSの送信周波数帯については、送信電力については上昇させることが可能となる。
従って、サービング無線端末UE2−1は、無線基地局eNBとの間の通信品質(無線基地局eNB1−1におけるサービング無線端末UE2−1からの無線信号の受信レベル)に応じたSRS送信周波数帯の制御によるSRSの送信が可能となり、無線基地局eNB1−1に対するSRSの到達の確実性を向上させることができる。
また、サービング無線端末UE2−1は、無線基地局eNB1−1からの送信電力の低下の要求に対して、SRS送信周波数帯の縮小を実行中である場合には、SRS送信周波数帯を拡大し、あるいは、SRS送信周波数帯の縮小を終了する。これにより、サービング無線端末UE2−1は、SRSの送信電力を低下させることが可能となる。
(6)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述した実施形態では、スペシャルサブフレームのタイミングをサービング無線端末UE2−1におけるSRSの送信タイミングとした。しかし、SRSの送信タイミングは、これに限定されず、予め無線基地局eNB1−1とサービング無線端末UE2との間で合意されているタイミングであればよい。但し、SRSの送信タイミングは、少なくとも1フレームの時間内に一度存在することが好ましい。
また、上述した実施形態では、無線基地局eNB1−1は、受信ウェイトを送信ウェイトとして用いたが、受信ウェイトとは無関係に送信ウェイトを算出するようにしてもよい。
上述した実施形態では、TDD−LTEの無線通信システムについて説明したが、無線端末に割り当てられる上り無線信号の周波数帯と、下り無線信号の周波数帯とが異なる、上下非対称通信が採用される無線通信システムであれば、同様に本発明を適用できる。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。 なお、日本国特許出願第2010−191346号(2010年8月27日出願)、及び、日本国特許出願第2010−191349号(2010年8月27日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
第1に、本発明によれば、下りの無線リソースに対するアンテナウェイトの設定を的確に行えるようになる。第2に、本発明によれば、無線基地局への参照信号の到達の確実性を向上できる。

Claims (8)

  1. 複数のアンテナにアンテナウェイトを適用するアダプティブアレイ方式の無線基地局であって、
    前記アンテナウェイトの算出で参照される参照信号のサービング無線端末による送信に用いられることが可能な参照信号送信周波数帯を設定するとともに、設定した前記参照信号送信周波数帯の無線リソースを前記サービング無線端末に割り当てる制御部を備え、
    前記制御部は、前記参照信号送信周波数帯の無線リソースのうち、最新に受信された参照信号の周波数帯を有する無線リソースに対して、前記最新に受信された参照信号に基づくアンテナウェイトを設定し、前記最新に受信された参照信号の周波数帯以外の周波数帯を有する無線リソースに対して、無指向性のアンテナウェイトを設定する無線基地局。
  2. 前記制御部は、前記参照信号送信周波数帯のうち、前記参照信号の周波数帯を有するビームの希望波方向が前記サービング無線端末に向くように、前記アンテナウェイトを設定する請求項1に記載の無線基地局。
  3. 前記制御部は、前記参照信号送信周波数帯のうち、前記最新に受信された参照信号の周波数帯以外の周波数帯を有する前記無線リソースに対して、過去の所定期間内に、前記参照信号の周波数帯以外の周波数帯で他の参照信号が受信された場合には、前記他の参照信号に基づくアンテナウェイトを設定する請求項1に記載の無線基地局。
  4. 前記制御部は、前記参照信号送信周波数帯のうち、所定期間内に受信された前記参照信号の周波数帯を有するビームの希望波方向が前記サービング無線端末に向くように、前記アンテナウェイトを設定する請求項1に記載の無線基地局。
  5. 前記制御部は、設定のタイミング毎に、前記参照信号送信周波数帯を切り替える請求項1に記載の無線基地局。
  6. 複数のアンテナにアンテナウェイトを適用するアダプティブアレイ方式の無線基地局における通信制御方法であって、
    前記アンテナウェイトの算出で参照される参照信号のサービング無線端末による送信に用いられることが可能な参照信号送信周波数帯を設定するとともに、設定した前記参照信号送信周波数帯の無線リソースを前記サービング無線端末に割り当てる制御ステップを備え、
    前記制御ステップは、前記参照信号送信周波数帯の無線リソースのうち、最新に受信された参照信号の周波数帯を有する無線リソースに対して、前記最新に受信された参照信号に基づくアンテナウェイトを設定し、前記最新に受信された参照信号の周波数帯以外の周波数帯を有する無線リソースに対して、無指向性のアンテナウェイトを設定する通信制御方法。
  7. 複数のアンテナにアンテナウェイトを適用するアダプティブアレイ方式の無線基地局との間で無線通信を行う無線端末であって、
    前記アンテナウェイトの算出で参照される参照信号の送信に用いられることが可能な第1の参照信号送信周波数帯の情報を受信する受信部と、
    前記第1の参照信号送信周波数帯に含まれる第2の参照信号送信周波数帯を設定し、前記第2の参照信号送信周波数帯を用いて前記参照信号を送信する制御部と、を備え、
    前記受信部は、前記第1の参照信号送信周波数帯のうち、前記無線基地局に割り当てられた、前記第2の参照信号周波数帯を有する無線リソースにおいて、前記参照信号に基づくアンテナウェイトが前記無線基地局によって設定された無線信号を受信し、前記無線基地局に割り当てられた、前記第2の参照信号周波数帯以外の周波数帯を有する無線リソースにおいて、無指向性のアンテナウェイトが前記無線基地局によって設定された無線信号を受信する無線端末。
  8. 複数のアンテナにアンテナウェイトを適用するアダプティブアレイ方式の無線基地局との間で無線通信を行う無線端末における通信制御方法であって、
    前記アンテナウェイトの算出で参照される参照信号の送信に用いられることが可能な第1の参照信号送信周波数帯の情報を受信するステップと、
    前記第1の参照信号送信周波数帯に含まれる第2の参照信号送信周波数帯を設定し、前記第2の参照信号送信周波数帯を用いて前記参照信号を送信するステップと、
    前記第1の参照信号送信周波数帯のうち、前記無線基地局に割り当てられた、前記第2の参照信号周波数帯を有する無線リソースにおいて、前記参照信号に基づくアンテナウェイトが前記無線基地局によって設定された無線信号を受信し、前記無線基地局に割り当てられた、前記第2の参照信号周波数帯以外の周波数帯を有する無線リソースにおいて、無指向性のアンテナウェイトが前記無線基地局によって設定された無線信号を受信するステップと、を備える通信制御方法。
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