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JP5524578B2 - 椅子の背凭れ装置 - Google Patents

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JP5524578B2 JP2009258539A JP2009258539A JP5524578B2 JP 5524578 B2 JP5524578 B2 JP 5524578B2 JP 2009258539 A JP2009258539 A JP 2009258539A JP 2009258539 A JP2009258539 A JP 2009258539A JP 5524578 B2 JP5524578 B2 JP 5524578B2
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Description

本発明は、背凭れにおける左右の側杆の対向面同士を、背板により連結してなる椅子の背凭れ装置に関する。
例えば事務用椅子の背凭れの中には、背凭れ全体を、合成樹脂により一体的に形成し、かつ背中を支持する背板に多数の開口を設けることにより、背凭れに凭れ掛けた際に、背板が後方に適度に撓み、快適な着座感が得られるようにしたものがある(例えば特許文献1〜3参照)。
特開2009−112729号公報 特許第4295266号公報 特許第4238122号公報
上記特許文献1〜3に記載されている椅子の背凭れにおいては、いずれも、正面視方形をなす剛性の大きな背枠(背フレーム)により囲まれた内方に、可撓性の背板を設けてあるので、背凭れをリクライニングさせて、上体を後方に大きく反らした際に、背枠の上端部の左右方向を向く横枠が、背板の上部が後方に撓むのを阻害し、背中の上部が快適に支持されないという問題がある。
また、上記特許文献に記載の椅子の中には、ランバーサポート効果により、腰部付近が快適に支持されるように、背枠と背板における上下方向の中間部を、側面視くの字状に折曲したものもあるが、背枠により囲まれた背板のほぼ全面を、可撓性を有するものとしてあるので、背板の下部のランバーサポート効果は小さい。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、背板の上下部を、可撓部と非可撓部とに明確に区分することにより、座者の背中と腰部付近を快適に支持しうるようにした椅子の背凭れ装置を提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は、次の各項のようにして解決される。
(1)背凭れを、座者の腰部付近を支持する部分に側面視くの字状の折曲部を有する左右1対の側杆と、それらの対向面同士を連結する背板とを備えるものとし、前記背板における前記折曲部よりも上方の部分を、後方に弾性変形可能であって、前記左右の側杆よりも剛性の小さな可撓部とするとともに、背板における前記可撓部よりも下方の部分を、前記可撓部よりも剛性の大きな非可撓部とし、かつ前記可撓部と非可撓部を、可撓部が非可撓部よりも前方に位置するようにして、左右の側杆の対向面に連結し、さらに、前記可撓部の下端と非可撓部の上端とを、後方に向かって凹入する段差部により連続させる。
このような構成とすると、背板は、側杆の折曲部を挟んで、上方の可撓部と、下方の非可撓部とに明確に区分され、かつ座者の背中が支持される側杆の折曲部よりも上方の可撓部は、それよりも剛性の大きな左右1対の側杆の対向面に連結してあり、従来のように、可撓部の上端部が背枠により囲まれていないので、背凭れをリクライニングさせた際に、可撓部が後方に効果的に撓み、背中が快適に支持される。
一方、可撓部より下方の背板は、可撓部よりも剛性の大きな非可撓部とされ、後方に撓みにくくなっているので、ランバーサポート効果が発揮されて、座者の腰部付近が快適に支持される。
また、可撓部の下端と非可撓部の上端とを、後方に凹入する段差部により連続させているので、背板における可撓部と非可撓部との境界部の強度が低下する恐れはない。
(2)上記(1)項において、非可撓部の左右方向の中央部を、座の後上方に起立する背凭れ支持杆に連結する。
このような構成とすると、剛性の大きな非可撓部の左右方向の中央部を、背凭れ支持杆に連結してあるので、背凭れ支持杆に連結されていない可撓部は、上部ほど、後方に撓み易くなり、背中がより快適に支持される。
(3)上記(1)または(2)項において、可撓部に、上下及び左右方向に並ぶ上下方向の長孔を多数設ける。
このような構成とすると、可撓部を、上下方向に並ぶ長孔を中心として、背中にフィットするように、平面視後向き凸円弧状に撓ませることができる。
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、可撓部の前面に、格子状のリブを、上端が前記段差部と連続するようにして突設する。
このような構成とすると、可撓部の前面に格子状のリブを、上端が段差部と連続するようにして突設してあるので、非可撓部の曲げ剛性が、可撓部よりも相対的に大となり、ランバーサポート効果が大となって、腰部付近が快適に支持される。
(5)上記(4)項において、非可撓部の前面に、格子状のリブを挟んで、前面板を装着する。
このような構成とすると、格子状のリブが前面板により体裁よく覆われるとともに、前面板は、その後面の格子状のリブにより補強され、曲げ剛性の大きな非可撓部としての機能を有するようになるので、腰部付近が前面板により快適に支持される。
本発明によれば、背板の上下部が、可撓部と非可撓部とに明確に区分され、これらの可撓部と非可撓部とにより、座者の背中と腰部付近とが快適に支持されるようにした椅子の背凭れ装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を備える椅子の正面図である。 同じく、側面図である。 同じく、背凭れ支持杆と、それに取り付けられる背凭れの分解斜視図である。 同じく、背板の正面図である。 図4のV−V線拡大横断平面図である。 同じくVI−VI線拡大横断平面図である。 背凭れ支持杆への背凭れ取付部の拡大縦断側面図である。 図7のVIII−VIII線拡大横断平面図である。 同じくIX−IX線拡大横断平面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を備える椅子の正面図、図2は、同じく側面図、図3は、同じく要部の分解斜視図で、この椅子は、先端部にキャスタ1を備える放射状をなす5本の脚杆2を有する脚体3を備えている。脚体3の中央には、ガススプリング(図示略)を備える伸縮式の脚柱4が立設されており、脚柱4の上端には、支基5の後部が固着されている。
支基5は、上面が開口するほぼ中空箱状をなし、上面の開口部は、着脱可能なカバー5aにより覆われている。支基5の両側面には、左右1対の肘掛け6、6が取り付けられている。
支基5の内部には、背凭れ7を起立する方向、すなわち前方に向かって付勢する付勢手段や、支基5によって支持された座8を前方に向かって付勢する付勢手段(いずれも図示略)等が設けられているが、それらについては、本発明に直接関係しないので、図示および詳細な説明は省略する。
背凭れ7は、中間の屈曲部の対向面同士が左右方向を向く連結板9をもって連結され、かつ上半部が座8の後上方に起立する側面視L字状の左右1対の背凭れ支持杆10、10に取付けられている(詳細は後述する)。
左右の背凭れ支持杆10、10の前端部は、左右方向の軸11をもって支基5に枢着され、支基5の後端部と連結板9とに前後の端部が連結されたガススプリング12の作用により、背凭れ支持杆10、10と背凭れ7とは、軸11を中心として、前後方向に回動したり、所望の後傾角度で停止させられたりしうるようになっている。
背凭れ7は、上下方向の中間部、すなわち、座者の腰部付近の高さと対応する部分が、側面視くの字状に折曲された左右1対の側杆13、13と、両側杆13の対向面同士を連結する、厚さが両側杆13の前後寸法よりも小とされた背板14とを備えている。左右の側杆13、13の左右寸法と前後寸法は、それぞれ、上方に向かって漸次小とされている。なお、左右の側杆13、13と背板14とは、合成樹脂により一体的に形成されている。
背板14における座者の背中を支持する部分、すなわち、側杆13の折曲部13aよりもやや上方は可撓部14aとされ、座者の腰部付近から下を支持する下半部は非可撓部14bとされている。可撓部14aを、両側杆13の対向面の中間部に、非可撓部14bを、両側杆13の後縁にそれぞれ連設することにより、それらの連設部である上下方向の中間部には、後方に凹入する水平断面の段差部15が形成され(図7参照)、かつ、非可撓部14bの前面が、可撓部14aの前面よりも後方に位置することにより、段差部15よりも下方の背板14の前面には、後方に向かって凹入し、前面及び下面が開口する凹部16が形成されている。
可撓部14aの下縁及び段差部15の下面は、側杆13の折曲部13a付近まで、下向き円弧状に湾曲されている。
左右の側杆13、13の前後両面には、後方および前方に向かって凹入する上下方向を向く前後1対の凹溝17、18が、互いに前後方向に整合させて設けられ、この凹溝17、18が設けられた部分の各側杆13の水平断面は、ほぼH字状をなしている(図5参照)。これらの凹溝17、18は、背凭れ7に図示しないオプション部材を取り付けるために使用される。
図4及び図5に拡大して示すように、背板14の可撓部14aにおける下端部を除いたほぼ前面には、上下左右方向に並ぶ上下方向に長い長孔19が、左右方向に千鳥足状に隣接するようにして多数設けられ、可撓部14aを、上下方向に並ぶ長孔19を中心として、平面視後向き凸円弧状に撓み易くすることにより、座者の背中が快適に支持されるようにしてある。可撓部14aの後面には、上下方向を向くリブ20が多数突設され、可撓部14aにおける長孔19と直交する方向への撓み剛性を大としてある。なお、可撓部14aの板厚はほぼ均一で、リブ20の前後寸法のみ、上方に向かうにしたがって、漸次小としてある(図7参照)。
背板14の非可撓部14bの前面両側部には、上端が段差部15に連続する格子状のリブ21が突設され、非可撓部14bの曲げ剛性を、可撓部14aの曲げ剛性よりも大とすることにより、座者の腰部付近を支持する部分とその下方を、後方に撓みにくくしてある。なお、非可撓部14bの前面には、後述する合成樹脂製の前面板28が装着されるが、この前面板28は、リブ21を挟んで装着されるので、座者の腰部付近を支持する非可撓部としての機能を有する。
図4及び図6〜図8に示すように、背板14における段差部15の両側部下面には、背凭れ7を、左右の背凭れ支持杆10の上端部を位置決めして保持可能な下方に開口する筒状の保持部22、22が、一体的に下向き突設されている。両保持部22の後面と外側方の外周面の一部は、それぞれ、非可撓部14bの前面と格子状のリブ21の水平片に接続され、かつ、両保持部22の前部外周面と、可撓部14aの下部前面とを、上下方向のリブ23、23をもって接続することにより、左右の保持部22、22は補強されている。
背凭れ7を左右の背凭れ支持杆10、10に取付けるには、まず、背板14の非可撓部14bの前面における左右の格子状リブ21、21間の凹部16に挿入した左右の背凭れ支持杆10、10の上端部に、背板14の段差部15の下面に突設した左右の保持部22、22を上方より嵌合して、背凭れ7を左右の背凭れ支持杆10、10により仮保持する。
ついで、図9に示すように、背板14における非可撓部14bの下部前面の中央部に前向き突設された左右方向の固定片24の前面を、左右の背凭れ支持杆10、10の対向面に固着した連結板9の上端部後面に当接させ、連結板9と固定片24とを、それらに設けた左右2個の通孔25、25に前面側より挿入した固定ねじ26、26とナット27、27により固定する。これにより、背板14の非可撓部14bは、左右の背凭れ支持杆10、10に強固に取り付けられている。
このようにして、背板14を左右の背凭れ支持杆10、10に取付けると、両背凭れ支持杆10の上端部に筒状の保持部22、22が嵌合され、背凭れ支持杆10の上端部が前方に動くのが阻止されるので、背凭れ7をリクライニングさせた際に、背板14の下部の固定部に、背板14から離間する方向のモーメントが加わらず、従って、背板14の下部の固定強度をそれほど高める必要がない。
なお、固定片24の通孔25をめねじ孔として、ナット27を省略することもある。
背凭れ支持杆10の上部と、背板14の非可撓部14bの前面は、非可撓部14bの前部に取付けた、それとほぼ同形の硬質合成樹脂よりなる曲げ剛性の大きな前面板28により覆われている。
前面板28は、図8に示すように、その上下左右の後面に後向突設された4個の筒状突部29を、格子状リブ21の交差部に形成された複数の係合孔30(図4参照)の内の適宜の4個のものに圧嵌することにより、可撓部14aの前面と同一面に整合するようにして止着されている。なお、前面板28の上部、すなわち、座者の腰部付近を支持する部分は、側面視くの字状に湾曲されている(図7参照)。
前面板28の前面と、背板14の可撓部14aの前面と、背板14の可撓部14aの後面とは、二つ折りとしたクッション材31により覆われている。
以上説明したように、上記実施形態の椅子においては、背板14の前面における上下方向の中間部よりも下方に、後方に向かって凹入し、前面及び下面が開口する凹部16を設け、この凹部16に挿入した左右の背凭れ支持杆10、10の上端部に、段差部15の下面に突設した、下方に開口する筒状の保持部22、22を嵌合してあるので、両背凭れ支持杆10に対し、背板14を容易に位置決めして仮保持することができる。
従って、背板14の下部の固定作業、すなわち、非可撓部14bに突設した固定片24と、左右の背凭れ支持杆10、10を連結している連結板9とのねじ止め作業が極めて容易となる。
また、左右の筒状の保持部22、22は、背板14における段差部15と非可撓部14bの前面に一体的に連設され、前後左右方向の曲げ強度が大とされているので、両保持部22、22を、左右の背凭れ支持杆10、10の上端部に嵌合しただけでも、背板14の中間部を、背凭れ支持杆10、10の上端部により安定よく保持することができる。
従って、背板14の中間部をねじ等の固定手段により背凭れ支持杆10の上端部に固定する必要はなく、背板14の下部のみを背凭れ支持杆10の連結板9にねじ止めしただけでも、背板14の背凭れ支持杆10への取付強度は十分に確保されるので、従来のように、特別な連結部材を使用したり、上下2箇所でねじにより固定したりする必要はなく、部品点数やコストが削減される。
背板14における座者の背中を支持する上半部を可撓部14aとするとともに、腰部付近から下を支持する下半部を、前面板28を含めて非可撓部14bとして、背板14の上半部と下半部とを、撓み易い部分と撓みにくい部分とに明確に区分し、かつ背板14の中間部よりも下方に形成した凹部16を背凭れ支持杆10により支持するとともに、可撓部14aと非可撓部14bとを、側面視くの字形をなす剛性の高い左右1対の側杆13、13の対向面に連設してあるので、可撓部14aが上部ほど後方に撓み易くなり、座者の背中をクッション材31を介して快適に支持しうるとともに、可撓部よりも剛性の高い非可撓部14bと、その前面の前面板28とがランバーサポート効果を発揮して、座者の腰部付近を快適に支持することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、背板14の前面に凹部16を形成し、その上面における後方に凹入する段差部15に連設された保持部22、22を、背凭れ支持杆10、10の上端部に嵌合するようにしているが、これとは反対に、背板14の後面に、前方に凹入し、下方に開口する凹部を設け、その上面に形成される前方に凹入する段差面に、上記のような保持部を連設して、この保持部を、背凭れ支持杆10の上端部に嵌合するようにしてもよい。この際には、前面板28は必要なく、背板14の下半部がそのまま非可撓部となるとともに、前方に向かって凹入する凹部の後面に後面板を止着すればよい。
また、下半部における非可撓部の後面に、格子状のリブを突設して、その部分を補強するようにしてもよい。
本発明は、背凭れ7にクッション材31が装着されていない椅子にも適用することができる。
1 キャスタ
2 脚杆
3 脚体
4 脚柱
5 支基
5aカバー
6 肘掛け
7 背凭れ
8 座
9 連結板
10 背凭れ支持杆
11 軸
12 ガススプリング
13 側杆
13a折曲部
14 背板
14a可撓部
14b非可撓部
15 段差部
16 凹部
17 凹溝
18 凹溝
19 長孔
20 リブ
21 リブ
22 保持部
23 リブ
24 固定片
25 通孔
26 固定ねじ
27 ナット
28 前面板
29 筒状突部
30 係合孔
31 クッション材

Claims (5)

  1. 背凭れを、座者の腰部付近を支持する部分に側面視くの字状の折曲部を有する左右1対の側杆と、それらの対向面同士を連結する背板とを備えるものとし、前記背板における前記折曲部よりも上方の部分を、後方に弾性変形可能であって、前記左右の側杆よりも剛性の小さな可撓部とするとともに、背板における前記可撓部よりも下方の部分を、前記可撓部よりも剛性の大きな非可撓部とし、かつ前記可撓部と非可撓部を、可撓部が非可撓部よりも前方に位置するようにして、左右の側杆の対向面に連結し、さらに、前記可撓部の下端と非可撓部の上端とを、後方に向かって凹入する段差部により連続させたことを特徴とする椅子の背凭れ装置。
  2. 非可撓部の左右方向の中央部を、座の後上方に起立する背凭れ支持杆に連結してなる請求項1記載の椅子の背凭れ装置。
  3. 可撓部に、上下及び左右方向に並ぶ上下方向の長孔を多数設けてなる請求項1または2記載の椅子の背凭れ装置。
  4. 可撓部の前面に、格子状のリブを、上端が前記段差部と連続するようにして突設した請求項1〜3のいずれかに記載の椅子の背凭れ装置。
  5. 非可撓部の前面に、格子状のリブを挟んで、前面板を装着してなる請求項4記載の椅子の背凭れ装置。
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