以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態の室内ユニット1は、空気調和装置の一部を構成し、室内空間の天井に設置される。空気調和装置は、室外ユニットに設けられる圧縮機、室外熱交換器および膨張弁と、上記室内ユニット1に設けられる室内熱交換器22とが配管接続されて成る冷媒回路(図示省略)を備えている。冷媒回路は、冷媒が可逆に循環して、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う。空気調和装置では、冷媒回路において室内熱交換器22が蒸発器として機能する冷房運転と、冷媒回路において室内熱交換器22が凝縮器として機能する暖房運転とが行われる。
<室内ユニットの構成>
図1および図2に示すように、室内ユニット1は、ケーシング10と化粧パネル11とを備えている。ケーシング10内には、室内ファン21、室内熱交換器22、ドレンパン23、エアフィルタ30、フィルタ駆動機構40、塵埃除去機構50、塵埃貯留容器60、塵埃搬送機構80および塵埃収容箱90が設けられている。
ケーシング10は、下側が開放された略直方体の箱状に形成され、その下側に化粧パネル11が取り付けられている。ケーシング10は、図3(A)および(B)にも示すように、上側ケーシング10aと、この上側ケーシング10aの下部に一体で取り付けられる下側ケーシング10bとで構成されている。上側ケーシング10aおよび下側ケーシング10bは、何れも下側が開放された略直方体の箱状に形成されている。
図1に示すように、上側ケーシング10aの内面には、断熱材17が積層されている。上側ケーシング10aの下端面には、ベルマウス24が形成され、後述する下側ケーシング10bの通気孔26に連通している。上側ケーシング10aの内部には、室内ファン21、室内熱交換器22およびドレンパン23が配置されている。なお、ケーシング10は、下部が天井板の開口に挿通した状態で設置される。
化粧パネル11は、矩形の板状に形成されている。化粧パネル11の平面視形状は、ケーシング10の平面視形状よりも一回り大きくなっている。化粧パネル11は、シール部材16を間に挟んだ状態で下側ケーシング10bの下側を覆うように取り付けられる。化粧パネル11がケーシング10に取り付けられた状態では、化粧パネル11が室内に露出する。
図1及び図3に示すように、化粧パネル11には、1つの吸込口13および4つの吹出口14と、掃除機挿入口18とが形成されている。吸込口13は、矩形状に形成され、化粧パネル11の中央部に形成されている。吸込口13には、スリット状に形成された吸込グリル12が嵌め込まれている。各吹出口14は、細長い矩形状に形成されている。各吹出口14は、化粧パネル11の各辺に沿うように形成されている。そして、各吹出口14には、風向調整板15が設けられている。この風向調整板15は、回動して風向(吹出方向)を調整するものである。掃除機挿入口18は、矩形状に形成され、吸込グリル12の側方に形成されている(図3(C)参照。)。
室内ファン21は、いわゆるターボファンである。室内ファン21は、ケーシング10の中央付近に配置され、吸込口13の上側に位置している。室内ファン21は、ファンモータ21aと羽根車21bとを備えている。ファンモータ21aは、ケーシング10の天板に固定されている。羽根車21bは、ファンモータ21aの回転軸に連結されている。室内ファン21の下側には、吸込口13に連通するベルマウス24が設けられている。このベルマウス24は、ケーシング10内において、室内熱交換器22の上流側の空間を室内ファン21側と吸込グリル12側とに区画している。室内ファン21は、ベルマウス24を介して下側から吸い込んだ空気を周方向へ吹き出すように構成されている。
室内熱交換器22は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成されている。室内熱交換器22は、平面視で四角形状に形成され、室内ファン21の周囲を囲むように配置されている。室内熱交換器22では、内部を流れる冷媒と室内ファン21によって送られる室内空気(吹出空気)との間で熱交換が行われる。
ドレンパン23は、室内熱交換器22の下側に設けられている。ドレンパン23は、室内熱交換器22において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けるためのものである。ドレンパン23には、ドレン水を排水するためのドレンポンプが設けられている(図示省略)。ドレンパン23は、ドレンポンプを設置した箇所にドレン水が集まるように勾配がついた状態で配置されている。
下側ケーシング10bの上端面は、仕切板25を構成している。この仕切板25は、ベルマウス24と吸込グリル12との間の空間を上下に仕切っている。つまり、仕切板25は、室内熱交換器22の上流側空間をベルマウス24を含む室内熱交換器22側と吸込グリル12側とに区画している。下側ケーシング10bの内部には、図1に示すように、エアフィルタ30、フィルタ駆動機構40、塵埃除去機構50、塵埃貯留容器60、塵埃搬送機構80および塵埃収容箱90が配置されている。
仕切板25の中央には、吸込口13から吸い込まれた空気がベルマウス24へ流入するための通気孔26が形成されている。図4に示すように、この通気孔26は、円形孔がその径方向に延びる4つの径方向部材27によって扇形に仕切られている。各径方向部材27は、互いに円中心で繋がっており、その部分に円筒状のフィルタ回転軸28が下方に突出している。フィルタ回転軸28は、エアフィルタ30が回転するための回転軸である。また、1つの径方向部材27には、フィルタ押さえ29が2つ設けられている。
図4に示すように、エアフィルタ30は、仕切板25の下方に配置され、ベルマウス24の入口を覆う大きさの円板状に形成されている。具体的に、エアフィルタ30は、環状のフィルタ本体31とメッシュ部材37とを備えている。フィルタ本体31の外周面には、ギア部32が設けられている。フィルタ本体31の環状中心部には、6つの径方向リブ34によって支持される円筒状の軸挿通部33が設けられている。つまり、各径方向リブ34は、軸挿通部33から放射状に延びている。また、フィルタ本体31の内円部には、該フィルタ本体31と同心の環状に形成された内側周方向リブ35および外側周方向リブ36が設けられている。外側周方向リブ36は、内側周方向リブ35よりも大径に形成されている。メッシュ部材37は、フィルタ本体31の内円部全体に張られている。吸込口13から吸い込まれた空気は、エアフィルタ30のメッシュ部材37を通過してベルマウス24へ流入する。その際、空気中の塵埃がメッシュ部材37に捕捉される。
また、エアフィルタ30は、上述したフィルタ押さえ29が各周方向リブ35,36に当接することによって下方へ付勢される。これにより、エアフィルタ30が後述する塵埃除去機構50の回転ブラシ51に押さえ付けられる。したがって、塵埃除去機構50による除去効率が向上する。
図4にも示すように、エアフィルタ30は、軸挿通部33が仕切板25のフィルタ回転軸28に嵌め込まれて取り付けられる。エアフィルタ30は、フィルタ回転軸28を中心として回転自在になっている。エアフィルタ30の下方には、塵埃貯留容器60が配置されている。そして、エアフィルタ30が軸挿通部33に嵌め込まれた状態で、塵埃貯留容器60のフィルタ取付部68が仕切板25の軸挿通部33に止めネジ28aによって固定される。これにより、仕切板25と塵埃貯留容器60との間にエアフィルタ30が保持される。
エアフィルタ30の近傍には、エアフィルタ30を回転駆動するためのフィルタ駆動機構40が設けられている(図2参照。)。つまり、このフィルタ駆動機構40は、エアフィルタ30と回転ブラシ51とを相対的に移動させる移動手段を構成している。
具体的に、フィルタ駆動機構40は、図略のフィルタ駆動モータとリミットスイッチとを備えている。前記フィルタ駆動モータの駆動軸には、図略の駆動ギアが設けられ、この駆動ギアがフィルタ本体31のギア部32と噛み合っている。前記駆動ギアの一端面には、突片であるスイッチ作動部が設けられている。このスイッチ作動部は、前記駆動ギアの回転により前記リミットスイッチに設けられたレバーに作用するようになっている。前記スイッチ作動部が前記レバーに作用すると、前記リミットスイッチが検知する。つまり、前記スイッチ作動部および前記リミットスイッチは、前記駆動ギアの回転位置を検出するものである。
次に、塵埃除去機構50、塵埃貯留容器60および塵埃搬送機構80について、図4〜図7を参照しながら説明する。これらの塵埃除去機構50等は、仕切板25やエアフィルタ30の下方に配置されている(図1、図2を参照。)。
塵埃除去機構50は、エアフィルタ30に捕捉された塵埃を除去するためのものである。塵埃除去機構50は、回転ブラシ51および清掃用ブラシ52と、ブラシ駆動機構53とを備えている。
図5に示すように、回転ブラシ51および清掃用ブラシ52は、後述する塵埃貯留容器60のブラシ用開口63に設けられている。
回転ブラシ51は、細長い円柱状のシャフト51aと、このシャフト51aの外周面に設けられたブラシ51bとを備えている。ブラシ51bは、複数の植毛で構成されている。そして、ブラシ51bは、シャフト51aの周方向における一部分に設けられると共に、シャフト51aの長さ方向に亘って設けられている。清掃用ブラシ52は、回転ブラシ51の後方側に配置されている。
清掃用ブラシ52は、本体部52aと、ブラシ52bと、バネ部52cとを備えている。本体部52aは、板状部材であり、回転ブラシ51のシャフト51aと同じ長さに形成されている。本体部52aは、その板面が回転ブラシ51の外周面に対面して設けられている。また、本体部52aの上部は、回転ブラシ51のシャフト51aの外周面に対応する円弧部となっている。この本体部52aの円弧部には、本体部52aの長さ方向に亘ってブラシ52bが設けられている。バネ部52cは、本体部52aの下端に設けられて、塵埃貯留容器60の内壁に取り付けられている。つまり、本体部52aは、バネ部52cによって支持されている。
回転ブラシ51および清掃用ブラシ52は、エアフィルタ30の半径と同等以上の長さに形成されている。また、回転ブラシ51および清掃用ブラシ52は、エアフィルタ30の円中心から径方向外方へ延びるように配置されている。
回転ブラシ51は、回転するエアフィルタ30のメッシュ部材37にブラシ51bが接触することでメッシュ部材37から塵埃を除去するように構成されている。また、回転ブラシ51は、ブラシ駆動機構53によって可逆に回転駆動される。図4及び図7に示すように、ブラシ駆動機構53は、ブラシ駆動モータ54と、互いに噛み合う駆動ギア55および従動ギア56とを備えている。駆動ギア55はブラシ駆動モータ54の駆動軸に設けられ、従動ギア56は回転ブラシ51のシャフト51aの端部に設けられている。この構成により、回転ブラシ51が回転駆動される。そして、詳細については後述するが、ブラシ駆動機構53は、回転ブラシ51を回転させてそのブラシ51bがエアフィルタ30に接触する状態とエアフィルタ30から離隔する状態とに切り換えるように構成されている。
清掃用ブラシ52のブラシ52bは、回転ブラシ51がブラシ駆動機構53によって回転すると、回転ブラシ51のブラシ51bと接触するように構成されている。その接触により、回転ブラシ51のブラシ51bから塵埃が除去される。つまり、清掃用ブラシ52は、回転ブラシ51から塵埃を除去してこの回転ブラシ51を清掃するものである。これら回転ブラシ51および清掃用ブラシ52の塵埃除去作用については、後で詳述する。
また、回転ブラシ51および清掃用ブラシ52の各ブラシ51b,52bは、いわゆるパイル織物で構成されている。このパイル織物は、基布に毛(パイル糸)が織り込まれてなる有毛繊維であり、毛足が比較的短い。そして、このパイル織物は、毛並みが一定方向に傾斜する傾斜パイルである。
具体的に、回転ブラシ51におけるブラシ51bの毛並みは、図5においてシャフト51aから右側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ51bの毛並みは、エアフィルタ30の回転方向に対して対向するように傾斜している。このように、エアフィルタ30がブラシ51bの毛並みに対して対向するように回転すると、メッシュ部材37の塵埃が効率良く掻き出される。一方、ブラシ51bの毛並みに対してその傾斜方向にエアフィルタ30が回転すると、メッシュ部材37の塵埃は掻き出されず、逆にブラシ51bに捕捉されている塵埃が除去される。また、清掃用ブラシ52におけるブラシ52bの毛並みは、図5において本体部52aから下側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ52bの毛並みは、回転ブラシ51が図5において反時計回りに回転する際に、その回転方向に対して対向するように傾斜している。
塵埃貯留容器60は、清掃用ブラシ52によって回転ブラシ51から除去された塵埃が貯留されるもの、即ち塵埃除去機構50によって除去された塵埃を貯留するものである。塵埃貯留容器60は、略水平方向に延びる柱状の容器である。塵埃貯留容器60は、上側部分がエアフィルタ30の塵埃が除去される除去部61であり、下側部分がエアフィルタ30から除去された塵埃が貯留される塵埃貯留部62である。除去部61と塵埃貯留部62とは、図5に示すように斜め下方に傾斜した両側壁によってつながれて互いの空間が連通している。
除去部61の上板には、その長手方向に延びるブラシ用開口63が形成され、上述したようにそのブラシ用開口63に回転ブラシ51および清掃用ブラシ52が設けられている。なお、図4及び図7に示すように、除去部61の一側面に上述したフィルタ取付部68が設けられている。また、ブラシ用開口63の後方側(即ち、清掃用ブラシ52側と反対側)の縁部61aは、回転ブラシ51に向かって漸次細くなる先細形状であり、端面が回転ブラシ51のブラシ51bに沿うように円弧状に形成されている。これにより、縁部61aと回転ブラシ51との隙間をできるだけ小さくすることができる。
塵埃貯留部62は、下端側(底部側)が円弧状に膨出している。そして、その塵埃貯留部62の円弧部には、清掃用ブラシ52によって回転ブラシ51から除去された塵埃が落下して貯留される。塵埃貯留部62は、長手方向における両端部66,67が開口している。図2及び図4に示すように、その塵埃貯留部62の第1端部66には、後述する塵埃搬送機構80のダンパボックス81が接続され、第2端部67には、後述する塵埃搬送機構80の搬送用ダクト88が接続されている。
図5に示すように、塵埃貯留容器60には、塵埃貯留部62の塵埃量(塵埃貯留量)を検出するための貯留量検出機構70が設けられている。
貯留量検出機構70は、センサボックス71を備えている。このセンサボックス71は、塵埃貯留容器60の塵埃貯留部62の第2端部67寄りに設けられている(図4及び図7参照)。センサボックス71は、塵埃貯留部62の横断方向に延びてその底部を覆うように形成されている。一方、センサボックス71によって覆われる塵埃貯留部62の壁面(貯留壁)には、互いに対峙する第1開口64と第2開口65が形成されている。そして、塵埃貯留部62の壁面を覆うセンサボックス71の円弧部材75には、塵埃貯留部62の第1開口64および第2開口65を塞ぐ第1透明窓76および第2透明窓77が設けられている。
センサボックス71内には、第1透明窓76および第1開口64に対応する位置に発光LED72が配置され、第2透明窓77および第2開口65に対応する位置にフォトトランジスタ73が配置されている。貯留量検出機構70では、発光LED72の光が第1透明窓76および第2透明窓77を順に透過しフォトトランジスタ73によって受光される。フォトトランジスタ73では受光した光の光度が検出され、その光度に応じて塵埃貯留部62における塵埃の貯留量(即ち、充填度)が検出される。例えば、塵埃の貯留量が少ないと、塵埃貯留部62において第1透明窓64から第2透明窓65への光の透過率(透過量)が高くなり、検出光度が高くなる。逆に、塵埃の貯留量が多いと、塵埃貯留部62において第1透明窓64から第2透明窓65への光の透過率(透過量)が低くなり、検出光度が低くなる。
塵埃搬送機構80は、図2、図4、図7等に示すように、上述したダンパボックス81および搬送用ダクト88と、導入用ダクト86と、吸引用ダクト87とを備えている。
ダンパボックス81は、塵埃貯留容器60の塵埃貯留部62の長手方向に沿って延びる直方体状に形成されている。ダンパボックス81の長手方向における一端には、塵埃貯留部62の第1端部66が接続されている。図6および図7に示すように、ダンパボックス81内には、室内ファン21の吹出空気が塵埃貯留部62に導入される状態とその導入を禁止する状態とに切り換えるダンパ82が1つ設けられている。このダンパ82が閉まると、ダンパボックス81の内部空間がその長手方向に仕切られる。つまり、ダンパボックス81の内部空間が第1室81aと第2室81bとに仕切られる。第2室81bには、上述したように塵埃貯留部62の第1端部66が接続されている。
図7に示すように、塵埃搬送機構80は、ダンパ82を開閉駆動するためのダンパ駆動モータ83と駆動ギア84と従動ギア85とを備えている。駆動ギア84はダンパ駆動モータ83の駆動軸に設けられ、従動ギア85はダンパ82の回動軸に設けられている。駆動ギア84および従動ギア85は、互いに噛み合っている。この構成では、ダンパ駆動モータ83の回転が各ギア84,85を介してダンパ82の回動軸に伝達される。これにより、ダンパ82が回動軸を中心に回動し、開閉動作が行われる。
導入用ダクト86は、ダンパボックス81の上面に接続されて第1室81aに連通している。図6に示すように、導入用ダクト86は、ダンパボックス81から鉛直上方に延びており、仕切板25を貫通している。導入用ダクト86は、横断面が円形の上流側ダクト86aおよび下流側ダクト86bを備え、その2つの部材が止めネジ86cによって上下方向に連結されている。上流側ダクト86aの横断面積(流路面積)は、下流側ダクト86bの横断面積(流路面積)よりも大きい。下流側ダクト86bの下端(図6における下側)は、ダンパボックス81に接続されている。上流側ダクト86aの上端(図6における上側)は、ベルマウス24の水平に延びる部材にシール部材86eを介して当接している。このベルマウス24の水平部材には、貫通孔である導入口86dが形成されている。そして、この導入口86dを通じて、上流側ダクト86aが室内ファン21側の空間と連通している。つまり、この導入用ダクト86は、室内ファン21の吹出空気をダンパボックス81内へ導入するためのものである。
導入用ダクト86は、上流側ダクト86aと下流側ダクト86bとの連結部分が仕切板25の貫通部に位置している。具体的に、上流側ダクト86aの底板と下流側ダクト86bの上端フランジとで仕切板25の貫通孔周縁を挟み込むように、両ダクト86a,86bが連結されている。そして、この連結部分およびシール部材86eの部分は、導入用ダクト86とダンパボックス81と塵埃貯留容器60とが一体で導入用ダクト86の軸心を中心にして回動するように構成されている。
吸引用ダクト87は、流入側である一端がダンパボックス81の下面に接続されて第2室81bに連通している。吸引用ダクト87の流出側である他端は、化粧パネル11の掃除機挿入口18に接続されている。掃除機挿入口18は、掃除機のホース等が挿入されて吸引するための開口である。
搬送用ダクト88は、図1〜図3に示すように、一端が塵埃貯留容器60における塵埃貯留部62の第2端部67に接続され、他端が後述する塵埃収容箱90に接続されている。この搬送用ダクト88は、フレキシブルチューブで構成されている。
塵埃搬送機構80では、冷暖房を行う通常運転の場合、ダンパボックス81のダンパ82が閉じられる(図7(A)参照)。これにより、室内ファン21の吹出空気はダンパボックス81へ導入されない。また、塵埃搬送機構80では、塵埃貯留容器60内の塵埃を塵埃収容箱90に搬送する場合、ダンパボックス81のダンパ82が開く(図7(B)参照)。これにより、室内ファン21の吹出空気が導入用ダクト86およびダンパボックス81を通じて塵埃貯留容器60へ導入される。その結果、塵埃貯留容器60内の塵埃は、空気と共に搬送用ダクト88を通じて塵埃収容箱90へ搬送される。このように、塵埃搬送機構80は、室内ファン21の吹出空気を塵埃貯留部62に導入することによる送風作用によって、塵埃貯留部62内の塵埃を塵埃収容箱90に搬送するように構成されている。
さらに、塵埃搬送機構80では、塵埃収容箱90内の塵埃をケーシング10外へ排出する場合も、ダンパボックス81のダンパ82が閉じられる(図7(C)参照)。この場合、掃除機によって掃除機挿入口18から吸引することで、塵埃収容箱90内の塵埃が搬送用ダクト88、ダンパボックス81および吸引用ダクト87を通じて掃除機に吸引される。
<塵埃収容箱の構成>
塵埃収容箱90は、上述のように塵埃貯留容器60から空気とともに搬送される塵埃を収容するためのものである。この塵埃収容箱90内に収容された塵埃は、上述のように、外部から吸引される。
塵埃収容箱90は、図1〜図3、図8(A)〜(C)に示すように、塵埃貯留容器60よりも大きな容積を有する細長い多面体の箱本体91を備えている。この箱本体91は、複数の壁板に囲まれた塵埃収容空間Sを有する箱状体である。
塵埃収容箱90は、下側ケーシング10bの内方に、平面視でエアフィルタ30と重ならないように仕切板25の一端辺に沿って配置されている。これにより、塵埃収容箱90が、吸込グリル12から吸い込まれる空気の流通の邪魔になるのを防止することができる。
前記複数の壁板は、箱本体91の一端側に位置する前板(第1壁板)911と、この前板911と交わる底板(第2壁板)912と、前板911及び底板912と交わる側板913(第3壁板)及び側板914(第4壁板)と、底板912に対向して塵埃収容空間Sの上部を覆う天板915と、側板915と、箱本体91の他端側に位置する後板917とを含む。
前板911には、塵埃収容空間Sへの塵埃の出入り口となる搬送口(開口部)89が設けられており、後板917には、塵埃収容箱90と外部との間で空気の出入りを許容する通風口93が設けられている。箱本体91の側板のうちエアフィルタ30側に位置する側板914は、このエアフィルタ30の外周に対応して円弧状に形成されている。側板913及び後板917は、下側ケーシング10bの内面形状に合わせて一部が傾斜した形状を有している。
搬送口89は、図8(C)に示すように、前板911の高さ方向の中央よりも上方に設けられている。この搬送口89には、前板911に一体形成された円筒部95がつながっており、搬送口89及び円筒部95の中空部分は搬送ダクト88に連通している。この搬送口89は、詳しくは後述するが、塵埃貯留容器60から塵埃収容箱90に塵埃を搬送する「塵埃搬送動作」時、及び、塵埃収容箱90からケーシング10外へ塵埃を排出する「塵埃排出動作」時に、塵埃を通過させるためのものである。つまり、搬送口89は、塵埃収容箱90からの塵埃の流出、及び塵埃収容箱90への塵埃の流入の両方を許容するものである。
円筒部95の外周面上には、搬送用ダクト88の略円筒状の接続部材88aに設けられた係止部88bと係合する被係止部95aが設けられている。この被係止部95aは、先端が鈎状に形成された上記係止部88bが係合可能なように、円筒部95の外周面上に膨出している。係止部88bは、被係止部95aに対して着脱可能に取り付けられている。
通風口93は、塵埃貯留容器60から塵埃収容箱90に塵埃とともに搬送される空気を外部へ排出する。また、通風口93は、塵埃収容箱90に収容した塵埃を掃除機で吸引する際に塵埃収容箱90内へ空気を流入させることにより、塵埃収容箱90に収容された塵埃を搬送口89から排出する。
上述のような構成において、掃除機によって掃除機挿入口18を介して塵埃収容箱90内を吸引すると、塵埃収容箱90内の塵埃は、通風口93から流入して搬送口89へ向かって流れる空気の流れによって搬送口89へ運ばれて、搬送用ダクト88等を介して掃除機へ吸い込まれる。
通風口93は、後板917のほぼ全体に開口するように形成されている。これにより、塵埃収容箱90内に通風口93から多くの空気を流入させることができるとともに、通風口93の近傍に空気が流れにくい部分ができるのを防止でき、当該部分に塵埃が溜まるのを防止することができる。なお、通風口93よりも塵埃収容箱90の内方には、この塵埃収容箱90内から通風口93を介して外部へ流出しようとする塵埃を捕捉するためのエアフィルタ93aが取り付けられている。
このように、細長い箱本体91の一端側に搬送口89を設ける一方、この箱本体91の他端側に通風口93を設けることで、通風口93から流入する空気を、箱本体91の内部の一端側から他端側に向けて流すことができる。これにより、塵埃収容箱90内の広い範囲に、スムーズに空気を流すことができるため、塵埃収容箱90内の塵埃を効率良く搬送口89へ運んで、搬送口89から効率良く回収することができる。
図8(B),(C)に示すように、塵埃収容箱90は、箱本体91内に案内板101を有している。図8(B)では、後述する塵埃排出動作時の塵埃収容空間Sにおける主な空気の流れを二点鎖線で示している。この案内板101は、塵埃収容空間Sにおいて、前記掃除機での吸引時における空気の流れ方向の上流側である通風口93側から下流側である搬送口89側に前板911に向かって延設されている。この案内板101は、前板911と底板912とが交わる下角部K1に前記吸引時に空気を案内するためのものである。案内板101の前記下流側の端部101aと前板911との間には前記塵埃が通過可能な間隙T1設けられている。
塵埃収容箱90の搬送口89側の下角部K1近傍には空気が流れにくく塵埃が残留しやすい。本実施形態では、上述のように下角部K1近傍に空気を案内する案内板101を設け、しかも前記間隙T1を設けているので、図8(B)において二点鎖線の矢印で示すように、案内板101に沿って前記上流側から前記下流側に案内された空気は、間隙T1を通って搬送口89に向かって上方に円滑に流れる。これにより、下角部K1近傍にある塵埃を搬送口89へ効率よく運ぶことができる。
また、案内板101の前記上流側の端部101bと後板917との間、及び案内板101の側端部101c,101dと側板913,914,916との間にも、前記塵埃が通過可能な間隙がそれぞれ設けられている。前記塵埃は、これらの間隙を通じて案内板101よりも上方の空間と下方の空間との間を移動できる。
図8(B)に示すように、案内板101は、その下面が底板912に略平行であり、かつ、底板912とは離隔して配置されている。案内板101は、天板915よりも底板912寄りの位置で、かつ、搬送口89の下端部よりも下方に配置されている。すなわち、案内板101の前記下流側の端部101aは、前板911の搬送口89の開口領域を避けて前記開口領域以外の非開口領域に対向している。これにより、案内板101が搬送口89を通じた塵埃の出入りを妨げるのを抑制できる。一方で、搬送口89が前板911の高さ方向の中央よりも上方に設けられているので、塵埃が塵埃収容箱90の下角部K1に溜まりやすい構造であるが、本実施形態では案内板101が設けられているので、下角部K1にある塵埃を搬送口89に効率よく運ぶことができる。
また、案内板101の前記下流側の端部101aは、前板911の幅方向(水平方向)の一方側の端部近傍から他方側の端部近傍まで延設されている。これにより、前板911と底板912との下角部K1のほぼ全域に空気を案内することができる。
<運転動作>
次に、室内ユニット1における運転動作について説明する。室内ユニット1は、冷暖房を行う通常運転と、エアフィルタ30の清掃を行うフィルタ清掃運転とが切換可能に構成されている。
(通常運転)
まず、通常運転では、回転ブラシ51を回転させてそのブラシ51bを清掃用ブラシ52側に位置させる。つまり、回転ブラシ51のブラシ51bがエアフィルタ30に接触しない位置まで回転ブラシ51を回転させて、回転ブラシ51の非ブラシ面(即ち、ブラシ51bが設けられていないシャフト51aの外周面)をエアフィルタ30に対面させる。また、ダンパボックス81のダンパ82が閉じられる(図7(A)の状態)。なお、エアフィルタ30は停止状態である。
この状態において、室内ファン21が駆動される。そうすると、室内ユニット1では、吸込口13から吸い込まれた室内空気がエアフィルタ30を通過してベルマウス24へ流入する。空気がエアフィルタ30を通過する際、空気中の塵埃がエアフィルタ30のメッシュ部材37に捕捉される。ベルマウス24に流入した空気は室内ファン21から吹き出される。この吹出空気は、室内熱交換器22の冷媒と熱交換して冷却または加熱された後、各吹出口14から室内へ供給される。これにより、室内の冷房または暖房が行われる。
このように、通常運転では、ダンパボックス81のダンパ82が閉じられているため、室内ファン21の吹出空気が塵埃貯留容器60へ導入されることはない。また、この通常運転では、回転ブラシ51のブラシ51bとエアフィルタ30とが非接触状態となる。したがって、ブラシ51bのエアフィルタ30に接触し続けることによる劣化を防止することができる。これにより、回転ブラシ51の耐久性が向上する。
(フィルタ清掃運転)
フィルタ清掃運転では、冷媒回路において圧縮機が停止されて冷媒が循環しない状態となる。このフィルタ清掃運転では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」と「塵埃搬送動作」と「塵埃排出動作」とが切換可能に構成されている。
「塵埃除去動作」は、エアフィルタ30に捕捉された塵埃を除去する動作である。「ブラシ清掃動作」は、回転ブラシ51に捕捉された塵埃を除去する動作である。「塵埃搬送動作」は、塵埃貯留容器60から塵埃収容箱90に塵埃を搬送する動作である。「塵埃排出動作」は、塵埃収容箱90からケーシング10外へ塵埃を排出する動作である。
本実施形態では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に行われる。先ず「塵埃除去動作」では、室内ファン21が停止される。そして、回転ブラシ51を回転させてそのブラシ51bをエアフィルタ30に接触させる。この状態において、エアフィルタ30は回転ブラシ51のブラシ51bの毛並みに対向するように回転(移動)する。なお、このとき回転ブラシ51は停止させたままである。
そうすると、エアフィルタ30の塵埃が回転ブラシ51のブラシ51bに捕捉される(図9(A)を参照。)。そして、フィルタ駆動機構40のリミットスイッチ44のレバー44aが作動すると、フィルタ駆動モータ41が停止されてエアフィルタ30が停止する。この動作では、ブラシ51bの毛並みがエアフィルタ30の回転方向(移動方向)に対向して傾斜しているため、エアフィルタ30の塵埃がブラシ51bによって容易に掻き取られる。よって、回転ブラシ51による塵埃の除去効率が向上する。エアフィルタ30が停止すると、「塵埃除去動作」から「ブラシ清掃動作」へ切り換えられる。
「ブラシ清掃動作」では、引き続き室内ファン21および回転ブラシ51が停止した状態で、先ず、エアフィルタ30が「塵埃除去動作」時とは逆方向(即ち、回転ブラシ51のブラシ51bの毛並みと同じ方向)に回転する。そうすると、エアフィルタ30とブラシ51bとの間に溜まった塵埃、即ちエアフィルタ30から除去されかかった塵埃がブラシ51bに均一に付着する。そのため、エアフィルタ30の塵埃がブラシ51bに確実に捕捉され、回転ブラシ51による塵埃除去効率を向上させることができる。
続いて、「ブラシ清掃動作」では、室内ファン21が停止した状態で、回転ブラシ51が図9における右回り(時計回り)に回転する。その際、回転ブラシ51は、ブラシ51bに塵埃を捕捉したまま回転する。また、回転ブラシ51および清掃用ブラシ52のブラシ51b,52b同士が接触しながら、回転ブラシ51が回転する(図9(B)を参照)。そして、回転ブラシ51は、所定の回転角度だけ回転すると停止する。
続いて、回転ブラシ51は、上記とは逆回り(即ち、図9における左回り(反時計回り))に回転する。そうすると、回転ブラシ51のブラシ51bに捕捉されていた塵埃が清掃用ブラシ52のブラシ52bによって除去される(図9(C)を参照)。これは、清掃用ブラシ52のブラシ52bの毛並みが下向き、即ち毛並みが回転ブラシ51の回転方向に対向する向きに傾斜しているため、回転ブラシ51のブラシ51bから塵埃が掻き取られる。また、双方のブラシ51b,52b同士が接触することによって清掃用ブラシ52の本体部52aが後方へ押されるが、バネ部52cによって本体部52aが回転ブラシ51側へ付勢される。これにより、ブラシ51b,52b同士が離れることはなく、清掃用ブラシ52が適切に回転ブラシ51に押し付けられる。したがって、回転ブラシ51のブラシ51bから塵埃がより確実に除去される。以上により、清掃用ブラシ52のブラシ52bに塵埃が捕捉される。回転ブラシ51は、元の状態(図9(A)の状態)まで回転して停止する。
続いて、回転ブラシ51は、再び右回り(時計回り)に所定の回転角度だけ回転する。そうすると、清掃用ブラシ52のブラシ52bに捕捉されていた塵埃が回転ブラシ51のブラシ51bによって掻き取られ、塵埃貯留容器60の塵埃貯留部62に落下する(図9(D)を参照)。これは、回転ブラシ51のブラシ51bの毛並みが回転方向に向かって傾斜しているため、清掃用ブラシ52のブラシ52bから塵埃が確実に掻き取られる。その際も、上記と同様に、バネ部52cによって清掃用ブラシ52が回転ブラシ51に適切に押し付けられるため、清掃用ブラシ52から塵埃がより確実に除去される。以上により、回転ブラシ51に捕捉された塵埃が除去され、塵埃貯留容器60の塵埃貯留部62に貯留される。その後、回転ブラシ51は再び左回り(反時計回り)に回転して元の状態(図9(A)の状態)に戻り、「ブラシ清掃動作」が一旦終了する。
「ブラシ清掃動作」が終了すると、再び上述した「塵埃除去動作」が行われる。つまり、再びエアフィルタ30が回転し、リミットスイッチ44のレバー44aが再び作動するとエアフィルタ30が停止する。これにより、エアフィルタ30において回転ブラシ51のブラシ51bを通過した領域の塵埃が回転ブラシ51のブラシ51bに捕捉される(図9(A)の状態)。このように、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に繰り返される。その結果、エアフィルタ30において所定の領域毎に塵埃が除去されていく。そして、エアフィルタ30の全領域において塵埃が除去されると、「塵埃除去動作」および「ブラシ清掃動作」が完全に終了する。例えば、リミットスイッチ44のレバー44aが所定回数作動すると、エアフィルタ30が1回転したと判断して上記動作が終了する。
ここで、上述した「塵埃除去動作」および「ブラシ清掃動作」時には、貯留量検出機構70によって塵埃貯留容器60における塵埃貯留量が検出される。フォトトランジスタ73の検出光度が設定値(下限値)以下になると、塵埃貯留容器60において塵埃が所定量まで貯留されたと判断して、「塵埃搬送動作」に切り換えられる。
「塵埃搬送動作」では、回転ブラシ51が図9(A)の状態で停止されると共に、エアフィルタ30が停止状態となる。また、ダンパボックス81のダンパ82が開状態(図7(B)の状態)になる。この状態において、室内ファン21が駆動される。室内ファン21の吹出空気は、導入用ダクト86およびダンパボックス81を順に介して塵埃貯留容器60へ導入される。これにより、塵埃貯留容器60の塵埃が空気と共に搬送用ダクト88を介して塵埃収容箱90へ搬送される。そうすると、塵埃貯留容器60において塵埃の貯留量が減少し、それに伴いフォトトランジスタ73の検出光度が高くなる。そして、その検出光度が設定値(上限値)以上になると、塵埃貯留容器60において塵埃が殆ど搬送(排出)されたと判断して、「塵埃搬送動作」が終了する。その後、「塵埃除去動作」または「ブラシ清掃動作」が再開される。
「塵埃搬送動作」では、塵埃が空気と共に塵埃収容箱90に搬送されると共に、塵埃収容箱90の通風口93からケーシング10の内側へ空気が排出される。このように排出された空気は、室内ファン21によってエアフィルタ30を通過し吸引される。室内ファン21によって吸引された空気は、再び、塵埃貯留容器60へ導入されることになる。ここで、上述のように、塵埃収容箱90の通風口93から排出される空気は、ケーシング10の内側へ排出されるため、塵埃が通風口93に設けられたエアフィルタ93aを通過して塵埃収容箱90外へ流出した場合であっても、ケーシング10外へ塵埃が流出することはない。
また、本実施形態のフィルタ清掃運転では、所定条件によって「塵埃排出動作」が行われる。例えば、「塵埃搬送動作」中においてフォトトランジスタ73の検出光度が上昇しない場合、塵埃収容箱90および搬送用ダクト88において塵埃が満杯になったと判断して「塵埃排出動作」が行われる。それ以外にも、「塵埃搬送動作」が所定回数(所定時間)行われると「塵埃排出動作」を自動的に行うようにしてもよいし、ユーザーによるリモコン操作によって任意に行うようにしてもよい。
「塵埃排出動作」では、上述した「塵埃搬送動作」と同様に、回転ブラシ51が図9(A)の状態で停止されると共に、エアフィルタ30が停止状態になる。また、ダンパボックス81のダンパ82が閉状態(図7(C)の状態)になる。この状態において、掃除機のホースが化粧パネル11の掃除機挿入口18に挿入される。この吸引動作により、塵埃収容箱90の塵埃が搬送用ダクト88、塵埃貯留容器60および吸引用ダクト87を順に介して掃除機へ吸い込まれる。その際、塵埃貯留容器60内の塵埃も吸引用ダクト87を介して掃除機へ吸い込まれる。その結果、塵埃収容箱90および塵埃貯留容器60の塵埃がケーシング10外へ排出される。
上述のように掃除機挿入口18を介して掃除機によって塵埃収容箱90内の塵埃を吸引する際には、塵埃収容箱90に形成された通風口93から空気が流入する。これにより、流入した空気によって塵埃収容箱90内の塵埃は搬送口89へ運ばれる。
以上説明したように、本実施形態では、塵埃収容箱90の案内板101は、塵埃収容空間Sにおいて、前記吸引時における空気の流れ方向の上流側から下流側の前板911に向かって底板912に沿って延設されているので、前記吸引時に空気が流れにくい塵埃収容箱90の下角部K1に空気を案内することができる。したがって、前記下角部K1に存在する塵埃を、案内された空気の流れに乗せて移動させることができる。この移動した塵埃の一部又は全部は、吸引時における前記上流側から下流側の搬送口89に向かう空気の流れに乗って搬送口89から塵埃収容箱90の外部に排出される。これにより、前記下角部K1に残留する塵埃の量を減少させて、塵埃収容箱90内に収容された塵埃を効率よく回収することができる。
このように案内板101を設けることにより、塵埃収容箱90内の塵埃を効率良く回収できるようになるため、例えば塵埃収容箱90の内面を空気が流れやすい流線形状などにする必要がなくなる。これにより、塵埃収容箱90の容積が減少するのを防止でき、塵埃収容箱90内により多くの塵埃を回収できるようになる。したがって、上述の構成により、ユーザーによる塵埃の回収頻度の増大を防止できる。
また、案内板101の前記下流側の端部101aと前板911との間には前記塵埃が通過可能な間隙T1が設けられているので、前記塵埃は、この間隙T1を通じて前板911に沿って移動できる。これにより、前記吸引時に案内板101によって案内された空気の流れに乗せて塵埃を搬送口89に効率よく導くことができる。
[第2実施形態]
図10(A)は、本発明の第2実施形態に係る塵埃収容箱90の構成を示す断面図である。図10(B)は、第2実施形態に係る塵埃収容箱90の変形例を示す断面図であり、図10(C)は、第2実施形態に係る塵埃収容箱90の他の変形例を示す断面図である。なお、ここでは第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10(A)の案内板101は、平板により構成されており、前記下流側に向かうにつれて下方に位置するように底板912に対して傾斜して配置されている。この案内板101は、その下面が底板912に対面している。図10(B)の案内板101は、前記上流側から前記下流側に向かって底板912に略平行に配置された平板部102と、この平板部102の下流側端部から下方に屈曲した傾斜部103とを有している。図10(C)の案内板101は、前記上流側から前記下流側に向かって底板912に略平行に配置された平板部102と、この平板部102の下流側端部から下方に湾曲した円弧状部104とを有している。図10(A)〜(C)では、塵埃排出動作時の塵埃収容空間Sにおける主な空気の流れを二点鎖線で示している。
これらの第2実施形態では、案内板101の前記下流側の端部101aと底板912との間隔は、案内板101の前記上流側の端部101bと底板912との間隔よりも小さい。したがって、前記塵埃排出動作の吸引時において、案内板101の下流側の端部101aと底板912との間から流出するときの空気の流速は、案内板101の上流側の端部101bと底板912との間に流入するときの流速よりも高められる。これにより、前板911と底板912とが交わる下角部K1に存在する塵埃を、案内された空気の流れに乗せて上方に巻き上げる効果を高めることができる。よって、下角部K1に残留する塵埃の量を減少させて、塵埃収容箱90内に収容された塵埃をさらに効率よく回収することができる。なお、その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが前記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
図11(A)は、本発明の第3実施形態に係る塵埃収容箱90を水平面で切ったときの断面図であり、図11(B)は、図11(A)のXIB−XIB線断面図である。なお、ここでは第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11(A),(B)に示すように、第3実施形態では、案内板101は、第1案内板105と、第2案内板106と、これらの間に設けられ、塵埃が上下方向に通過可能な流通部107とを有している。
第1案内板105及び第2案内板106は、それぞれ下面が底板912に対面し、底板912と略平行に配置されている。第1案内板105は、前板911の幅方向(水平方向)の一方側に配置され、第2案内板106は、前板911の幅方向の他方側に配置されている。流通部107は、第1案内板105と第2案内板106との間に設けられた幅Wの間隙である。この第3実施形態の案内板101は、塵埃収容空間Sにおいて前板911の近傍にのみ(前記下流側にのみ)設けられている。
この第3実施形態では、案内板101が流通部107を有し、しかも前板911の近傍にのみ設けられているので、案内板101がこの案内板101と対面する底板912の全体を覆ってしまうことがない。したがって、塵埃収容空間S内の塵埃は、案内板101により仕切られた一方の空間と他方の空間との間を、流通部107を通って行き来することができるので、塵埃収容空間Sにデッドスペースが生じるのを抑制して塵埃収容空間Sを有効に活用することができる。
また、図11(A)に示すように、流通部107は、平面視で搬送口89に対向する位置に設けられているので、塵埃収容箱90内の塵埃は、前記塵埃搬送動作時及び前記塵埃排出動作時に、流通部107を通じて上下方向に自由に移動可能になる。これにより、搬送口89を通じた塵埃の吸引及び排出が円滑に行われる。
流通部107は、図11(A),(B)に示すように第1案内板105と第2案内板106とを分割する間隙であってもよいが、例えば案内板101の一部に穿孔された貫通口や、案内板101の一部を切り欠いた切り欠きなどであってもよい。
なお、その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが前記第1実施形態と同様である。
[第4実施形態]
図12(A)は、本発明の第4実施形態に係る塵埃収容箱を水平面で切ったときの断面図であり、図12(B)は、図12(A)のXIIB−XIIB線断面図である。なお、ここでは第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図12(A),(B)に示すように、この第4実施形態の案内板101は、底板912から上方にそれぞれ立設された第1案内板107及び第2案内板108を有している。第1案内板107は、側板913の近傍において側板913に沿って配置されている。第1案内板107の側面は、側板913に対面し、かつ、側板913とは離隔している。第2案内板108は、側板914の近傍において側板914に沿って配置されている。第2案内板108の側面は、側板914に対面し、かつ、側板914とは離隔している。この第4実施形態の案内板101は、塵埃収容空間Sにおいて前板911の近傍にのみ(前記下流側にのみ)設けられている。
この第4実施形態では、上記のような案内板107,108が設けられているので、前板911と側板913とが交わる横角部K2、及び前板911と側板914とが交わる横角部K3に空気を効率よく案内することができる。また、各案内板107,108は底板912から上方に立設されているので、横角部K2と下角部K1とが交わる角部、及び横角部K3と下角部K1とが交わる角部に空気を効率よく案内することができる。また、この第4実施形態では、各案内板107,108が上方に立設された構造を有しているので、塵埃収容空間Sにおいてデッドスペースが形成されにくく、塵埃収容空間Sをより有効に活用することができる。
また、図12(B)に示すように、各案内板107,108の上端は、搬送口89の下端よりも下方に位置している。これにより、搬送口89を通じた塵埃の出入りが妨げられるのを抑制できる。
[第5実施形態]
図13(A)は、本発明の第5実施形態に係る塵埃収容箱90を示す斜視図であり、図13(B)は、この塵埃収容箱90を水平面で切ったときの断面図であり、図13(C)は、図13(B)のXIIIC−XIIIC線断面図であり、図13(D)は、前記塵埃収容箱の変形例を示す断面図である。なお、ここでは第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図13(A)に示すように、この第5実施形態に係る塵埃収容箱90は、略直方体形状を有し、前板911と、底板912と、側板913,914と、天板915と、後板917とにより囲まれた塵埃収容空間Sを有している。
図13(B),(C)に示すように、この第5実施形態の案内板101は、前記第4実施形態と同様に、底板912から上方にそれぞれ立設された第1案内板107及び第2案内板108を有している。この案内板107,108による作用及び効果はその説明を省略するが前記第4実施形態と同様である。
また、図13(D)の変形例に示すように、案内板107,108を側板913,914に対してそれぞれ傾斜して配置してもよい。これらの案内板107,108は、各側面が側板913,914にそれぞれ対面している。すなわち、第1案内板107の前記下流側の端部107aと側板913との間隔を、第1案内板107の前記上流側の端部107bと側板913との間隔よりも小さくし、第2案内板108の前記下流側の端部108aと側板914との間隔を、第2案内板108の前記上流側の端部108bと側板914との間隔よりも小さくする。この場合、各案内板107,108の下流側の端部107a,108aと側板913,914との間からそれぞれ流出するときの空気の流速は、各案内板107,108の上流側の端部107b,108bと側板913,914との間に流入するときの流速よりも高められる。これにより、前板911、底板912及び側板913が交わる角部K2、及び前板911、底板912及び側板914が交わる角部K3に存在する塵埃を、案内された空気の流れに乗せて上方に巻き上げる効果を高めることができる。
[第6実施形態]
図14(A)は、本発明の第6実施形態に係る塵埃収容箱を示す斜視図であり、図14(B)は、この塵埃収容箱の内部に配設される案内板を示す斜視図である。なお、ここでは第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図14(B)に示すように、この第6実施形態に係る塵埃収容箱90は、第5実施形態と同様の略直方体形状を有している。案内板101は、底板912に沿って設けられた横板部111と、この横板部111に交差し、側板913に沿って設けられた縦板部112と、側板914に沿って設けられた縦板部113とを有している。この案内板101は、塵埃収容箱90の底板912上に載置されている。
横板部111は、縦板部112と縦板部113との間に位置する中央部111aと、縦板部112よりも側板913側に位置する側部111bと、縦板部113よりも側板914側に位置する側部111cとを有している。
横板部111は、底板912に対して傾斜して配置されている。横板部111の下流側(搬送口89側)の端部と底板912との間隔は、横板部111の前記上流側(通風口93側)の端部と底板912との間隔よりも小さい。
縦板部112及び縦板部113は上下方向にそれぞれ延びている。縦板部112は、横板部111よりも下方に延びる下部112aと横板部111よりも上方に延びる上部112bとを有している。縦板部113は、横板部111よりも下方に延びる下部113aと横板部111よりも上方に延びる上部113bとを有している。
縦板部112は、側板913に対して傾斜して配置されている。縦板部112の下流側(搬送口89側)の端部と側板913との間隔は、縦板部112の前記上流側(通風口93側)の端部と側板913との間隔よりも小さい。縦板部113は、側板914に対して傾斜して配置されている。縦板部113の下流側(搬送口89側)の端部と側板914との間隔は、縦板部113の前記上流側(通風口93側)の端部と側板914との間隔よりも小さい。
案内板101の前記下流側の端部(横板部111、縦板部112及び縦板部113の前記下流側の端部)は、前板911と離隔して配置されている。すなわち、案内板101の前記下流側の端部と前板911との間には前記塵埃が通過可能な間隙設けられている。
なお、塵埃は主に下角部に溜まりやすいので、この案内板101においては、横板部111の中央部111a、縦板部112の上部112b、及び縦板部113の上部113bのいずれか一つ又は全部を省くこともできる。これにより、塵埃収容空間Sにより多くの塵埃を収容することができる。
この第6実施形態に係る案内板101による作用及び効果はその説明を省略するが前記実施形態と同様である。
[他の実施形態]
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。例えば、前記実施形態では、箱本体91は、細長い箱状体であるが、この限りでなく、例えば三角錐や五面体等の多面体など、塵埃が残留しやすい形状であればどのような形状でもよい。
また、前記実施形態では、塵埃収容箱90に、通風口93が1つ設けられているが、この限りでなく、通風口93を2つ以上設けてもよい。また、上記実施形態では、塵埃収容箱90に搬送口89を1つ設けているが、この限りでなく、搬送口を2つ以上設けてもよい。