JP5595323B2 - すべり角推定装置 - Google Patents
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Description
本実施形態に係るすべり角推定装置は、例えば図1に示される車両(以下、実車1と称する)の運動を安定化するための運動制御装置に備わっている。
図1に示すように、実車1は、転舵輪である左右の前輪WFL,WFRと左右の後輪WRL,WRRとを備えており、実車1が前輪駆動の場合、エンジンENGの駆動力はトランスミッションT/M及び駆動力伝達装置Tを介して左右の前輪WFL,WFRに伝達される。
すなわち、駆動力伝達装置Tに伝達されたエンジンENGの駆動力は、駆動力伝達装置Tから左方向に延出する左ドライブシャフトALと右方向に延出する右ドライブシャフトARを回転させ、左ドライブシャフトALに取り付けられる左前輪WFLと右ドライブシャフトARに取り付けられる右前輪WFRを回転させる。
したがって、操作角検出センサ21cは、特許請求の範囲に記載される操舵角検出手段に相当する。
したがって、横加速度センサ32は、特許請求の範囲に記載される横加速度検出手段に相当する。
また、ECU37は、例えば、車速、左右の前輪WFL,WFRの回転速度差等に基づいて空転している前輪WFL,WFRを検出するとともに、駆動力伝達装置Tを制御して空転している前輪に配分する駆動力を小さくして空転を抑えることができ、TCS(トラクションコントロールシステム)を構成する。
なお、図示はしないが、実車1の車速(車体速)を検出する車速センサが備わる構成であってもよい。
また、ヨーレートセンサ31、横加速度センサ32、車輪速センサ30FL,30FR,30RL,30RRは、それぞれ実車1の運動状態(実ヨーレートγact、横加速度Gact、各車輪WFL,WFR,WRL,WRRの回転速度)を検出するセンサであり、実ヨーレートγact、横加速度Gact、各車輪WFL,WFR,WRL,WRRの回転速度は実運動状態量になる。
そして、ステアリングモータ25aが発生する駆動力(回転駆動力)は、ラック歯25bを介してラック軸25cの直線運動に変換され、さらに左右のタイロッド25d、25dによって左右の前輪WFL,WFRの転舵運動に変換される。
そして、算出した駆動力をステアリングモータ25aに発生させるための制御信号をステアリングモータ25aに入力し、ステアリングモータ25aが発生する駆動力で左右の前輪WFL,WFRを転舵する。
なお、前輪転舵角制御装置40がステアリングモータ25aを制御して運転者の操舵力を軽減するEPS25の技術は公知の技術であり、その詳細な説明は省略する。
ブレーキ制御ECU29は、ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRの油圧系に供給されるブレーキ油圧を任意の比率で制御できる。
そして、ブレーキ制御ECU29は実車1の制動時にブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRを制御して、実車1の各車輪WFL,WFR,WRL,WRRに発生する制動力を制御することができ、ABS(アンチロックブレーキシステム)を構成する。
さらにブレーキ制御ECU29は、ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRを制御して、左車輪WFL(前輪)及びWRL(後輪)に発生する制動力と、右車輪WFR(前輪)及びWRR(後輪)に発生する制動力に差を持たせて実車1にヨーモーメントを発生させ、実車1のヨーレートを制御することができ、AYC(アクティブヨーコントロール)を構成する。
そして、実車挙動観測装置302は、推定重心すべり角βactを推定する機能を有して特許請求の範囲に記載されるすべり角推定装置になる。
さらに、実車1の重心点の横すべり角である重心横すべり角は各センサで直接検出できない値であり、実車挙動観測装置302が推定する値であることから、推定重心すべり角βactは、実車1の運動状態を示す推定運動状態量になる。
推定後輪すべり角βractについても同様である。
また、実車挙動観測装置302の実質的な動作部はECU37(図1参照)になる。つまり、ECU37が実行するプログラムに実車挙動観測装置302の機能が組み込まれ、ECU37が当該プログラムを実行することで、実車挙動観測装置302の機能を実現する。
そのため、本実施形態に係る実車挙動観測装置302は、実ヨーレートγactを、実車1のヨー方向の回転運動を示す実運動状態量として検出し、推定重心すべり角βactを、実車1の横方向の並進運動を示す推定運動状態量として推定する。
なお、実車挙動観測装置302は、ヨーレートセンサ31から入力されるヨーレート信号γSに基づいて実ヨーレートγactを検出する。
そのため、ECU37には、ヨーモーメント制御量算出部37aが備わり、ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに対する制御量を算出する。
規範操作量決定部304には、操作角検出センサ21c(図1参照)から出力される操舵角信号θSが入力されるとともに、実車挙動観測装置302が検出または推定する実車1の車速Vactと摩擦係数μestmが入力される。
さらに、規範操作量決定部304には、規範モデル301上での転舵輪の舵角の前回値(モデル舵角θmdlの前回値)が状態量として入力され、規範操作量決定部304は、入力される状態量に基づき、規範モデル操作量として、規範モデル301の転舵輪の舵角(モデル舵角θmdlの今回値)を算出(決定)する。
なお、前回値及び今回値については後記する。
そのため、規範モデル301には、規範操作量決定部304で算出される規範モデル操作量として、モデル舵角θmdlが入力される。
また、規範モデル301には、実車挙動観測装置302が算出する実車1の車速Vactが入力される。
本実施形態において、規範モデル301に入力されるフィードバック制御量は、実車1に作用する外力が規範モデル301に作用したことを想定して、規範モデル301に仮想的に作用させる外力(仮想外力)であり、当該フィードバック制御量を仮想外力MVFBと称する。
すなわち、仮想外力MVFBは、実車1に作用する外力を規範モデル301に入力するフィードバック制御量として算出される値である。
また、本実施形態では、規範モデル301の車速Vmdlを実車1の車速Vactに一致させる。
以降、規範モデル301上の車両をモデル車両1mと称する。
モデル車両1mの前輪WFMは、実車1の左右の前輪WFL,WFR(図1参照)を一体化した車輪に相当し転舵輪を示す。また、モデル車両1mの後輪WRMは、実車1の左右の後輪WRL,WRR(図1参照)を一体化した車輪に相当する。
また、モデル車両1mの前輪WFMの回転面と水平面との交線がモデル車両1mの前後方向に対してなす角が、モデル車両1mの転舵輪(前輪WFM)の舵角(モデル舵角θmdl)として規範モデル301に入力される規範モデル操作量である。
つまり、モデル車両1mの重心点Gdに付加的に作用させる横方向の並進力Fvirとモデル車両1mの重心点Gdの周りに付加的に作用させるヨー方向のモーメントMvirとが、規範モデル301に入力される仮想外力MVFBの成分となる。
モデル車両1mの総重量をm、モデル車両1mの前輪WFMのコーナリングパワーをCpf、モデル車両1mの後輪WRMのコーナリングパワーをCpr、モデル車両1mの前輪WFMと重心点Gdの前後方向の距離をLf、モデル車両1mの後輪WRMと重心点Gdの前後方向の距離をLr、モデル車両1mの重心点Gdにおけるヨー軸周りのモーメント(慣性モーメント)をI、モデル車両1mの車速をVmdlとすると、係数a11、a12、a21、a22は、例えば、式(1)の但し書きのように決定される。
また、式(1)に示される係数a11、a12、a21、a22は一例であり、係数a11、a12、a21、a22をこれらの値に限定するものではない。
そして、Cpf、Cprの設定の仕方によって、アンダーステア(US)、オーバステア(OS)、ニュートラルステア(NS)などのステアリング特性を設定できる。
このうち、「kV1・a21・βerr」はすべり角に依存する成分であり、モデル車両1mの重心点Gdに作用する並進力Fvirによる成分となる。
また、「kV2・a22・γerr」はヨーレートに依存する成分であり、モデル車両1mの重心点Gd周りに作用するモーメントMvirによる成分となる。
この場合、各演算周期において、モデル車両1mの車速Vmdlを実車1の車速Vactに一致させる。
また、FB分配則303では、入力されるヨーレート偏差γerr及びすべり角偏差βerrに基づいて、偏差依存アクチュエータ動作FB目標値MCerr(以下、偏差依存目標値MCerr)が算出される。
そのため、FB分配則303は、偏差依存仮想外力MVerrを算出する仮想外力決定部303a及び偏差依存目標値MCerrを算出するアクチュエータ動作FB目標値決定部303bを備える。
また、FB分配則303のアクチュエータ動作FB目標値決定部303bでは、ヨーレート偏差γerr及びすべり角偏差βerrをゼロに近づける所定のヨー方向のモーメントが実車1の重心点の周りに発生するような制動力を各車輪WFL,WFR,WRL,WRR(図1参照)に発生するように、ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRを制御するための偏差依存目標値MCerrを算出する。
すなわち、偏差依存目標値MCerrは、偏差依存仮想外力MVerrに応じて算出される。
本実施形態のフィードフォワード目標値FFtには、ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRの動作による実車1の各車輪WFL,WFR,WRL,WRR(図1参照)に関するフィードフォワード目標値が含まれる。
FF則305で算出されるフィードフォワード目標値FFtは、ヨーレート偏差γerr及びすべり角偏差βerrに依存しないで算出されるブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRR(図1参照)の動作目標値である。
前記したように、FB分配則303は、主に仮想外力決定部303aとアクチュエータ動作FB目標値決定部303bとから構成される。
フィードバックヨーモーメント基本要求値Mfbdmdは、実車1のブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRR(図1参照)に対する制御量の基本要求値になる。
この場合、図4に示す処理部313bで算出されるモーメント要求値Mfbdmdに応じてブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRが操作されると、ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRが頻繁に操作される虞がある。
そこで、本実施形態においては、ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRが頻繁に操作される現象を回避するため、モーメント要求値Mfbdmdを不感帯処理部323bに通して補正して得られる補正モーメント要求値Mfbdmd_aに応じてブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRを操作する。
具体的に不感帯処理部323bは、モーメント要求値Mfbdmdの不感帯からの超過分を補正モーメント要求値Mfbdmd_aとする。
そのため、アクチュエータ動作FB目標値分配処理部333bは、ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRごとの偏差依存目標値MCerrを算出する。
また、補正モーメント要求値Mfbdmd_aが負方向のモーメント(実車1の上方から見て時計周りの方向のモーメント)の場合、アクチュエータ動作FB目標値分配処理部333bは、実車1の右側の車輪WFR,WRR(図1参照)の制動力を増加させて実車1の重心点周りに補正モーメント要求値Mfbdmd_aに相当するモーメントを発生させる。つまり、右側の車輪WFR,WRRの制動力が増加するようにブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRを動作させる偏差依存目標値MCerrを算出する。
図5に示す、後輪すべり角不感帯処理部323cのグラフは、横軸に仮値βrtmpの値、縦軸に逸脱量βrtmpOVERの値を示し、最大値βrtmax(>0)、最小値βrtmin(<0)の範囲で後輪すべり角の不感帯[βrtmin、βrtmax]を有する。
そこで、後輪すべり角不感帯処理部323cでは、実車1の走行に与える影響が小さい範囲で、後輪すべり角の不感帯が設定される。すなわち、不感帯の最大値βrtmax及び最小値βrtminが設定される。
また、仮値βrtmpが不感帯[βrtmin、βrtmax]の範囲内のときは(βrtmin≦βrtmp≦βrtmax)、逸脱量βrtmpOVERをゼロに決定する(βrtmpOVER=0)。
具体的に、処理部333cでは、後輪すべり角不感帯処理部323cで算出される逸脱量βrtmpOVERに所定の係数Kvaspを乗算した値を、後輪横すべり角に基づく外力MVaspとして算出する。すなわち、後輪横すべり角に基づく外力MVaspは次式(2a)で示される。
また、処理部333cでは、逸脱量βrtmpOVERに所定の係数Kcaspを乗算した値を、後輪横すべり角に基づくアクチュエータ動作FB目標値MCaspとして算出する。すなわち、後輪横すべり角に基づくアクチュエータ動作FB目標値MCaspは次式(2b)で示される。
MVasp=Kvasp・βrtmpOVER (2a)
MCasp=Kcasp・βrtmpOVER (2b)
また、アクチュエータ動作FB目標値決定部303bが算出する偏差依存目標値MCerrとアンチスピンFB値決定部303cが算出する後輪横すべり角に基づくアクチュエータ動作FB目標値MCaspに基づいて決定されるアクチュエータ動作FB目標値MCFBがアクチュエータ動作目標値合成部306に入力される。
アクチュエータ動作FB目標値MCFBの詳細は後記する。
本実施形態において、ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRの動作を規定するアクチュエータ動作目標値ACtは、各車輪WFL,WFR,WRL,WRR(図1参照)の制動力の目標値になる。
そして、加算器307cで、実ヨーレートγactから横加速度に基づくヨーレート(Gact/Vact)が減算されて、ヨーレートのβ非依存検出値dβ(=γact−Gact/Vact)が算出される。
図6に示す不感帯処理部307dのグラフは、横軸にヨーレートのβ非依存検出値dβ、縦軸にヨーレートのβ非依存検出値の逸脱量dβemgの値を示し、最大値(>0)及び最小値(<0)の範囲で不感帯が設定される。
そして、不感帯処理部307dは、ヨーレートのβ非依存検出値dβが最小値より小さい場合、ヨーレートのβ非依存検出値dβから最小値を減算した値を逸脱量dβemgに設定し、ヨーレートのβ非依存検出値dβが最大値より大きい場合、ヨーレートのβ非依存検出値dβから最大値を減算した値を逸脱量dβemgに設定する。また、ヨーレートのβ非依存検出値dβが不感帯の範囲内の場合、逸脱量dβemgをゼロに設定する。
PID処理部307eでは、逸脱量dβemgに基づいて、β非依存仮想外力MVβaspとβ非依存アクチュエータ動作FB目標値MCβaspが算出される。
具体的に、比例定数KPVに逸脱量dβemgを乗算する比例項と積分定数KLVに逸脱量dβemgの積分値を乗算する積分項と微分定数KDVに逸脱量dβemgの微分値を乗算する微分項を加算してβ非依存仮想外力MVβaspが算出される。
また、比例定数KPrに逸脱量dβemgを乗算する比例項と積分定数KLrに逸脱量dβemgの積分値を乗算する積分項と微分定数KDrに逸脱量dβemgの微分値を乗算する微分項を加算してβ非依存アクチュエータ動作FB目標値MCβaspが算出される。
また、β非依存目標値決定部307で算出されたβ非依存アクチュエータ動作FB目標値MCβaspは、比較器37fに入力される。
さらに、比較器37fには、アクチュエータ動作FB目標値決定部303bが算出する偏差依存目標値MCerrとアンチスピンFB値決定部303cが算出するアクチュエータ動作FB目標値MCaspが加算器37cで加算されたβ依存アクチュエータ動作FB目標値MCが入力される。
比較器37fは、β依存アクチュエータ動作FB目標値MCとβ非依存アクチュエータ動作FB目標値MCβaspを比較し、値の大きい一方をアクチュエータ動作FB目標値MCFBとして出力する。
したがって、β依存アクチュエータ動作FB目標値MCとβ非依存アクチュエータ動作FB目標値MCβaspのうち、値の大きな一方が比較器37fから出力されてアクチュエータ動作目標値合成部306によってアクチュエータ動作目標値ACtが決定され、ブレーキ制御ECU29に入力される。
そして、ブレーキ制御ECU29は、入力されたアクチュエータ動作目標値ACtに基づいてブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRR(図1参照)を制御し、各車輪WFL,WFR,WRL,WRR(図1参照)に発生する制動力を設定する。
したがって、アクチュエータ動作目標値合成部306では、各車輪WFL,WFR,WRL,WRRごとのアクチュエータ動作目標値ACtが算出される。
そして、FB分配則303の仮想外力決定部303aが算出する偏差依存仮想外力MVerrにアンチスピンFB値決定部303cが算出する後輪横すべり角に基づく外力MVaspとβ非依存目標値決定部307が算出するβ非依存仮想外力MVβaspを加算し、仮想外力MVFBとして規範モデル301にフィードバック入力し、ヨーレート偏差γerr及びすべり角偏差βerrがゼロに近づくように規範モデル301における外力状態を修正し、この修正された規範モデル301で、次回の規範ヨーレートγmdl及び規範すべり角βmdlを算出する。
この構成によって、ヨーレート偏差γerr及びすべり角偏差βerrを効果的にゼロに収束できる。すなわち、実車1のAYC制御の精度を向上できる。
β推定ブロック302aは、推定重心すべり角βactの基準となるすべり角推定基準値βstdを算出し、β補償ブロック302bは、横加速度センサ32が検出する横加速度に基づいて、すべり角推定基準値βstdの補償量となるすべり角補償値βcを算出する。
なお、β推定ブロック302aはすべり角推定基準値βstdを算出することから、特許請求の範囲に記載される基準値推定部に相当し、β補償ブロック302bは、すべり角推定基準値βstdの補償量となるすべり角補償値βcを算出することから、特許請求の範囲に記載される補償量算出部に相当する。
具体的に、予め設定される範囲として上限値βlmtu、下限値βlmtdが設定される場合、β補償器リミッタ322gは、すべり角補償操作値βOPが上限値βlmtu以上であれば作動して、上限値βlmtuをすべり角補償値βcとし、すべり角補償操作値βOPが下限値βlmtd以下であれば作動して、下限値βlmtdをすべり角補償値βcとする。また、すべり角補償操作値βOPが上限値βlmtuより小さく下限値βlmtdより大きい場合、β補償器リミッタ322gは、すべり角補償操作値βOPをそのまますべり角補償値βcとする。
このように異常が発生している横加速度センサ32は、実横加速度Grealより大きな検出値を出力する。
このとき、フィルタ後偏差Gfiltが所定の積分区間で積分された成分を有するすべり角補償操作値βOPは、図8の(b)に示すようにフィルタ後偏差Gfiltの増大にともなって増大し、フィルタ後偏差Gfiltがゼロに収束するのにともなってゼロに収束する。
すなわち、実車挙動観測装置302(図2参照)は、横加速度センサ32に発生する異常の影響によって、すべり角補償値βcが上限値βlmtuより大きな値や下限値βlmtdより小さな値になることを防止することができ、横加速度センサ32に発生する異常の影響を小さくしてすべり角補償値βcを算出できる。
換言すると、β補償ブロック302b(図7参照)は、実車1(図1参照)に発生している実横加速度Grealによる実すべり角βrealと逆の方向にすべり角推定基準値βstdを補償するためのすべり角補償操作値βOPを算出する。
換言すると、ローパスフィルタ322bから出力されるデータのベースとなる入力データに含まれるデータ数が少なくなり、異常が発生した横加速度センサ32(図1参照)から入力されるデータ(異常なデータ)が出力データに与える影響が小さくなる。
すなわち、実車挙動観測装置302(図2参照)は、横加速度センサ32(図1参照)に発生する異常の影響を小さくして推定重心すべり角βactを推定できる。
そして、ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRが過剰に動作をすることが回避される。
21a 操向ハンドル
21c 操作角検出センサ(操舵角検出手段)
30FL,30FR,30RL,30RR 車輪速センサ(車速検出手段)
32 横加速度センサ(横加速度検出手段)
302 実車挙動観測装置(すべり角推定装置)
302a β推定ブロック(基準値推定部)
302b β補償ブロック(補償量算出部)
322b ローパスフィルタ
322c,322d ハイパスフィルタ
322g β補償器リミッタ
322j 時定数変更器
Claims (6)
- 車両の車速を検出する車速検出手段と、
前記車両に備わる操向ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、を備え、
前記車速検出手段が検出する前記車速および前記操舵角検出手段が検出する前記操舵角に基づいて前記車両の横加速度の推定値を推定するとともに前記推定値に基づいて前記車両のすべり角の基準値を推定する基準値推定部と、
前記横加速度検出手段が検出する前記横加速度に基づいて前記基準値の補償量を算出する補償量算出部と、を有し、
前記基準値を前記補償量で補償して前記車両のすべり角を推定するすべり角推定装置であって、
前記補償量算出部が算出する前記補償量を所定の範囲に制限することを特徴とするすべり角推定装置。 - 前記補償量算出部は、
前記横加速度検出手段が検出する前記横加速度と前記推定値の差分である横加速度偏差を、ローパスフィルタを通した後に時間積分した積分値に基づいて前記補償量を算出することを特徴とする請求項1に記載のすべり角推定装置。 - 前記補償量算出部は、
制限される前の前記補償量が前記所定の範囲を超えているときに、前記ローパスフィルタの時定数を小さくすることを特徴とする請求項2に記載のすべり角推定装置。 - 前記補償量算出部は、
前記横加速度偏差の符号と、前記横加速度偏差の微分値の符号と、が異なるときに、前記ローパスフィルタの時定数を小さくすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のすべり角推定装置。 - 前記補償量算出部は、
前記横加速度検出手段が検出する前記横加速度と前記推定値の差分である横加速度偏差を、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを通した後に時間積分した積分値に基づいて前記補償量を算出するとともに、
前記補償量算出部は、
制限される前の前記補償量が前記所定の範囲を超えているときに、前記ローパスフィルタおよび前記ハイパスフィルタの時定数を小さくすることを特徴とする請求項1に記載のすべり角推定装置。 - 前記補償量算出部は、
前記横加速度偏差の符号と、前記横加速度偏差の微分値の符号と、が異なるときに、前記ローパスフィルタおよび前記ハイパスフィルタの時定数を小さくすることを特徴とする請求項5に記載のすべり角推定装置。
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