JP5592065B2 - Golf club head - Google Patents
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Description
本発明はゴルフクラブヘッドに関するものである。 The present invention relates to a golf club head.
一般に、ゴルフクラブヘッドのフェース面にはトウ−ヒール方向に互いに平行な複数の直線状の溝が形成されている。この溝はスコアライン、マーキングライン、フェースライン等と呼ばれている(本書においてはスコアラインと称する。)。このスコアラインは、打球のバックスピン量を増大させたり、或いは、雨天時やラフからのショットの場合に、打球のバックスピン量が著しく低減することを抑制する効果がある。 Generally, a plurality of linear grooves parallel to each other in the toe-heel direction are formed on the face surface of a golf club head. This groove is called a score line, a marking line, a face line, etc. (referred to as a score line in this document). This score line has an effect of increasing the backspin amount of the hit ball or suppressing the backspin amount of the hit ball from being remarkably reduced in the case of a rainy day or a shot from the rough.
特許文献1及び2には、スコアラインに類する溝として断面を三角形とした溝をフェース面に形成したゴルフクラブヘッドが開示されている。特許文献3及び4には、断面を三角形とした溝をフェース面に形成したゴルフクラブヘッド(パターヘッド)が開示されている。特許文献5及び6には、複数のリブを有するパッドをフェース面に貼り付けたゴルフクラブヘッドが開示されている。また、特許文献7には、スコアラインとは別にスコアラインよりも小さな溝をフェース面に形成したゴルフクラブヘッドが開示されている。
スコアラインの工夫により、打球のバックスピン量を増大させることには限界がある。特許文献7のゴルフクラブヘッドのように、スコアラインとは別の溝を設けることは、打球のバックスピン量を増大させることに有効である。しかし、スコアラインとは別の溝を設けた場合、ボールに傷がつく場合がある。 There is a limit to increasing the backspin amount of the hit ball by devising the score line. Providing a groove different from the score line as in the golf club head of Patent Document 7 is effective in increasing the backspin amount of the hit ball. However, if a groove other than the score line is provided, the ball may be damaged.
本発明の目的は、ボールに傷がつくことを抑制しながら、より高いバックスピン量が得られるゴルフクラブヘッドを提供することにある。 An object of the present invention is to provide a golf club head capable of obtaining a higher backspin amount while suppressing damage to the ball.
本発明によれば、フェース面に複数本のスコアラインが形成されたゴルフクラブヘッドにおいて、前記フェース面に形成され、トウ側からヒール側へ延設された複数本の細溝を備え、各々の前記細溝の断面形状が、その幅方向の仮想中心線に対して非対称の三角形であって、3つの内角のうちの最小内角が前記ゴルフクラブヘッドのソール側に位置した三角形であり、前記フェース面から各々の前記細溝の最深部までの深さDが、10μm≦D≦25μmであり、前記細溝間のピッチPが、100μm≦P≦800μmであり、前記フェース面の前記細溝を形成した部分の算術平均粗さRaが、1.0μm≦Ra≦4.57μmであることを特徴とするゴルフクラブヘッドが提供される。 According to the present invention, in the golf club head in which a plurality of score lines are formed on the face surface, the golf club head includes a plurality of narrow grooves formed on the face surface and extending from the toe side to the heel side, The cross-sectional shape of the narrow groove is a triangle that is asymmetric with respect to a virtual center line in the width direction, and the minimum inner angle of three inner angles is a triangle positioned on the sole side of the golf club head, and the face the depth D from the surface to the deepest portion of the each of the fine grooves, Ri 10μm ≦ D ≦ 25 μm der, pitch P between the thin groove is a 100 [mu] m ≦ P ≦ 800 [mu] m, the fine of the face Provided is a golf club head characterized in that the arithmetic average roughness Ra of the groove-formed portion is 1.0 μm ≦ Ra ≦ 4.57 μm .
本発明によれば、ボールに傷がつくことを抑制しながら、より高いバックスピン量が得られるゴルフクラブヘッドを提供することができる。 According to the present invention, it is possible to provide a golf club head capable of obtaining a higher backspin amount while suppressing damage to the ball.
図1は本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド1の外観図である。同図の例はアイアン型のゴルフクラブヘッドに本発明を適用した例を示す。本発明は、アイアン型のゴルフクラブヘッド、特に、ミドルアイアン、ショートアイアン、ウェッジ型のゴルフクラブヘッドに好適であり、具体的には、ロフト角が30度以上70度以下、ヘッド重量が240g以上320g以下のゴルフクラブヘッドに好適である。しかし、本発明はウッド型やユーティリティー型(ハイブリッド型)のゴルフクラブヘッドにも適用できる。
FIG. 1 is an external view of a
ゴルフクラブヘッド1は、そのフェース面(打撃面)10に複数本のスコアライン20が形成されている。各々のスコアライン20はトウ−ヒール方向に延設された、互いに平行な直線状の溝である。また、フェース面10には、複数本の細溝30が形成されている。本実施形態の場合、細溝30はスコアライン20と平行にトウ−ヒール方向に延設された直線状の溝であるが、トウ−ヒール方向に延設された円弧状又は楕円弧状の溝としてもよい。図2は、スコアライン20及び細溝30の、その長手方向(トウ−ヒール方向)に直交する方向の断面図及び細溝30の拡大断面図である。図中、破線10'はフェース面10と同一の平面上の仮想線を示す。まず、スコアライン20について説明する。
The
本実施形態において、スコアライン20の断面形状は、その長手方向の両端部を除き、同じである。また、各々のスコアライン20の断面形状は同じである。更に、本実施形態の場合、スコアライン20の断面形状は、その幅方向の仮想中心線CLaに対して対称である。仮想中心線CLaはフェース面10に直交し、スコアライン20の幅Wの中点を通る線である。本実施形態の場合、スコアライン20の断面形状は台形状であるが、V字形状等、他の形状でもよい。
In the present embodiment, the cross-sectional shape of the
スコアライン20は、一対の側面22及び底面23を有する。スコアライン20の縁21は側面22とフェース面10との境界部分である。この縁21には丸みを設けてもよい。角度θは側面22とフェース面10とがなす角度である。角度θが大きいほど打球のスピン量が高くなる。底面23はフェース面10と平行である。深さD0はフェース面10からスコアライン20の最深部である底面23までの距離である。競技用ゴルフクラブヘッドの場合、ルール上、深さD0は0.020インチ(0.508mm)以下としなければならない。
The
図3は30度測定法によるスコアライン20の幅W及びスコアライン20間の距離Sの説明図である。幅Wは、競技用ゴルフクラブのルールの、いわゆる30度測定法により測定した場合の幅を意味する。すなわち、フェース面10から30度傾斜した仮想線と、スコアライン20の縁21との接点間の距離を意味する。各スコアライン20間の距離Sは、隣接するスコアライン20において、フェース面10から30度傾斜した仮想線と、スコアライン20の縁21との接点間の距離を意味する。
FIG. 3 is an explanatory diagram of the width W of the
競技用ゴルフクラブヘッドの場合、スコアライン20の断面積、幅W並びに距離Sが、ルール上、断面積A(inch2)/(W(inch)+S(inch))≦0.003である必要がある(以下、面積ルールという)。なお、メートル単位の場合、断面積A(mm 2 )/(W(mm)+S(mm))≦0.0762である。ゴルフクラブヘッド1を競技用ゴルフクラブヘッドとする場合は、面積ルールを満たすように設計する。なお、断面積A(inch2)/(W(inch)+S(inch))≦0.0025となるように設計すれば、より確実に面積ルールに適合させることができる。
In the case of a golf club head for competition, the cross-sectional area, width W, and distance S of the
競技用のゴルフクラブヘッドのスコアラインに関するルールとしては、面積ルール以外に、スコアラインの側面とフェース面とに内接する半径0.010インチの仮想円と同心であって、半径0.011インチの仮想円の内側に、スコアラインの縁が位置しなければならない(以下、2円ルールという。)。 As a rule regarding the score line of the golf club head for competition, in addition to the area rule, the rule is concentric with a virtual circle having a radius of 0.010 inch inscribed in the side surface and the face surface of the score line and having a radius of 0.011 inch. The edge of the score line must be located inside the virtual circle (hereinafter referred to as the two-circle rule).
しかし、2円ルールを満たすためには、スコアラインの側面とフェース面とがなす角度(上記の角度θ)を小さくせざるを得ない。この場合、スピン量が低下するだけでなく、スコアラインの容積も小さくなるため、ラフからのショットや雨天時のショットの場合にスピン量が著しく低下する畏れがある。 However, in order to satisfy the two-circle rule, the angle formed by the side surface of the score line and the face surface (the angle θ described above) must be reduced. In this case, not only the spin amount is reduced, but also the volume of the score line is reduced. Therefore, in the case of a shot from a rough or a shot in the rain, the spin amount may be significantly reduced.
図4は、スコアライン20の他の例(スコアライン20')を示す図である。以下、スコアライン20'について、スコアライン20と同様の構成については同じ符号を付して説明を割愛し、異なる構成についてのみ説明する。
FIG. 4 is a diagram illustrating another example of the score line 20 (
図4において、仮想円C1は、側面22とフェース面10とに内接する半径0.01インチの円であり、仮想円C2は、仮想円C1と同心であって、半径0.011インチの円である。上述した2円ルールに適合するためには、仮想円C2の内側にスコアラインの縁が位置している必要がある。
In FIG. 4, a virtual circle C1 is a circle having a radius of 0.01 inches inscribed in the
スコアライン20'では縁の部分に平坦面21'を設けることで、2円ルールを満たすようにしている。なお、縁21'の形状としては、平坦面21a以外に、丸み、切り欠きでもよい。ゴルフクラブヘッド1を競技用ゴルフクラブヘッドとする場合は、2円ルールも満たすように設計する。
In the
次に、細溝30について図2を参照して説明する。本実施形態の場合、多数の細溝30がその長手方向と直交する方向(スコアライン20の長手方向と直交する方向)に等ピッチで配列されている。しかし、細溝30のピッチは等ピッチでなくてもよい。
Next, the
細溝30は側面31と側面32とを有する。細溝20の断面形状は、その長手方向の両端部を除き、同じである。本実施形態の場合、各々の細溝30の断面形状は同じであるが、断面形状が異なる細溝30を組み合わせてもよい。
The
側面31と側面32とフェース面10を示す破線10'とにより規定される、細溝30の断面形状は、その幅Ws方向の仮想中心線CLbに対して非対称な三角形である。仮想中心線CLbはフェース面10に直交し、細溝30の幅Wsの中点を通る線である。側面31と側面32との交点部分には丸みを持たせてもよい。
The cross-sectional shape of the
側面31と側面32とフェース面10を示す破線10'とにより規定される、細溝30の断面形状である三角形は3つの内角θ1乃至θ3を有する。内角θ1は側面32と破線10'との間の角度、内角θ2は側面31と側面32との間の角度、内角θ3は側面31との間の角度である。3つの内角θ1乃至θ3のうち、角度が最小となる最小内角θ1は、ソール側に位置している。
A triangle which is a cross-sectional shape of the
このように、細溝30の断面形状をその幅Ws方向の仮想中心線CLbに対して非対称な三角形とし、かつ、最小内角θ1をソール側に位置するようにすることで、側面31の法線方向が、よりソール側を指向する。ゴルフクラブヘッド1をゴルフボールに対してダウンブロー気味に打ち込むと、側面31がボール表面に引っかかり、打球のバックスピン量をより高くすることができる。
In this way, the cross-sectional shape of the
このように本実施形態では、スコアライン20に加えて細溝30により、打球のバックスピン量をより高くすることができる。
Thus, in the present embodiment, the backspin amount of the hit ball can be further increased by the
深さDは、フェース面10から細溝30の最深部までの距離である。最深部は側面31と側面32との交点となり、深さDは破線10'から側面31と側面32との交点への垂線の長さである。深さDをより深くすると、打球のバックスピン量がより高くなるが、打球に傷がつき易くなる。したがって、深さDは40μm以下とする。また、深さDをより浅くすると、打球に傷がつき難くなるが、バックスピン量を高める効果が弱くなる。よって、深さDは10μm以上とする。
The depth D is a distance from the
ピッチPは、細溝30の一端と、隣接する細溝30の一端との間の距離である。ピッチPや幅Wsが狭いと、細溝30に芝等が詰まりやすくなり、打球のバックスピン量が低下する。ピッチPや幅Wsが広いと、インパクト時にゴルフボールに接する細溝30の数が減るので打球のバックスピン量が低下する。したがって、ピッチP及び幅Wsは、100μm以上800μm以下であることが好ましい。
The pitch P is a distance between one end of the
細溝30は、その配列方向に連続的に形成してもよい。図5は細溝30を、その配列方向に連続的に形成した例を示す細溝30の断面図である。同図の例では、隣接する細溝30が隙間無く繋がっており、連続的に形成されている。この場合、ピッチPと幅Wsとは一致する。
The
ショートアイアンやウェッジでは、そのフェース面を開いてゴルフボールにバックスピンがかかり易くなるようにショットする場合がある。図6(A)はフェース面10をターゲット方向に直角に向けた場合を示し、図6(B)はフェース面10を開いた場合を示している。なお、図6(A)及び図6(B)において細溝30は図示省略されている。また、図6(A)及び図6(B)において、矢印は打撃時のフェース面10に対するゴルフボールBの相対移動方向を示す。
In the case of a short iron or a wedge, there are cases where the face is opened and a golf ball is shot so that backspin is easily applied. FIG. 6A shows a case where the
図6(B)のようにフェース面10を開いた場合、打撃時にゴルフボールBはスコアライン20及び細溝30を斜めに横切るようにしてフェース面10上を摺動することになる。細溝30の長手方向に直交する方向(つまり、配列方向)が同図の矢印で示す方向と、より平行である方が、ゴルフボールBが摺動する細溝30の数が多くなり、ゴルフボールBにバックスピンが係り易くなる。そこで、細溝30をスコアライン20と平行にせずに、交差するようにしてもよい。
When the
図7は、細溝30がスコアライン20と交差したゴルフクラブヘッド2の外観図である。ゴルフクラブヘッド2は、ゴルフクラブヘッド1と細溝30の配列方向drのみが異なる。同図の例において、配列方向drと、スコアライン20の長手方向とがなす角度θrは、スコアライン20のトウ側から時計回りに見て約45度である。このように細溝30の配列方向drを設定することで、フェース面10を開いた場合に打球のバックスピン量を高めることができる。
FIG. 7 is an external view of the
角度θrは、例えば、20度以上90度以下の範囲で設定でき、ショートアイアンやウエッジの場合、フェース面10を開く場合が多いことから、40度以上70度以下の範囲で設定することが望ましい。
For example, the angle θr can be set in a range of 20 degrees or more and 90 degrees or less, and in the case of a short iron or a wedge, the
次に、細溝30はフェース面10の表面粗さに影響する。表面粗さの指標としては、最大高さ(Ry)と、算術平均粗さ(Ra)とが知られている。深さDは、最大高さ(Ry)に関連する。また、深さD、幅Ws及びピッチPは算術平均粗さ(Ra)に関連する。算術平均粗さ(Ra)は、これが大きいほど打球のバックスピン量がより高くなるが、打球に傷がつき易くなる。したがって、フェース面10の細溝30を形成した部分の算術平均粗さは5.0μm以下であることが好ましい。また、算術平均粗さ(Ra)が小さいほど打球に傷がつき難くなるが、バックスピン量を高める効果が弱くなる。よって、フェース面10の細溝30を形成した部分の算術平均粗さは1.0μm以上であることが好ましく、更に好ましくは1.5μm以上である。
Next, the
競技用のゴルフクラブヘッドでは、ルール上、フェース面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で4.57μm以下、最大高さ(Ry)で25μm以下であることが定められている。ゴルフクラブヘッド1及び2を競技用ゴルフクラブヘッドとする場合は、表面粗さのルールも満たすように設計する。 In a golf club head for competition, the rule specifies that the surface roughness of the face surface is 4.57 μm or less in terms of arithmetic average roughness (Ra) and 25 μm or less in terms of the maximum height (Ry). When the golf club heads 1 and 2 are golf club heads for competition, they are designed to satisfy the rules for surface roughness.
具体的には、深さDは10μm以上25μm以下とする。フェース面10の細溝30を形成した部分の算術平均粗さは1.0μm以上4.57μm以下とし、好ましくは、1.5μm以上4.57μm以下である。
Specifically, the depth D is 10 μm or more and 25 μm or less. The arithmetic average roughness of the portion of the
上記の通り、競技用ゴルフクラブヘッドでは、スコアライン20及びフェース面の表面粗さについて一定の制約があり、ルールを満たした上で、バックスピン量を高めることは容易ではない。本実施形態では、細溝30の断面形状をその幅Ws方向の仮想中心線CLbに対して非対称な三角形とし、かつ、最小内角θ1をソール側に位置するようにして、側面31の法線方向が、よりソール側を指向するようにしたことで、ルールの制約の範囲内であっても、より高いバックスピン量を得ることができる。
As described above, in the competition golf club head, there are certain restrictions on the surface roughness of the
次に、細溝30の形成方法について説明する。細溝30はフェース面10に対するミーリング加工による切削跡として形成することができる。細溝30のミーリング加工による形成は、例えばNC(数値制御)フライス盤を用いて行なうことができる。図8(A)及び(B)はNCフライス盤による細溝30の形成方法の説明図である。
Next, a method for forming the
図8(A)に示すように、細溝30が未加工のゴルフクラブヘッド1'はNCフライス盤に治具2を介して固定される。なお、本実施形態の場合、フェース面10がゴルフクラブヘッドに一体成形された場合について説明するが、フェース面10を構成するフェース部材と、ヘッド本体とを別部材として接合してもよく、この場合、フェース部材をNCフライス盤に固定して細溝30を形成すればよい。また、ゴルフクラブヘッド1'はスコアライン20が形成済みのものを想定するが、スコアライン20の形成前に細溝30を形成してもよい。
As shown in FIG. 8 (A), the
NCフライス盤は、Z軸回りに回転駆動されるスピンドル4を有し、スピンドル4の下端には切削ツール(エンドミル)5が取り付けられている。スピンドル4(つまりZ軸)は傾倒可能なものとする。また、図8(B)に示すように切削ツール5の先端形状は細溝30の断面形状に応じたものを使用する。
The NC milling machine has a
しかして、NCフライス盤において、フェース面10の平面座標を設定した後、スピンドル4を回転駆動し、フェース面10(ゴルフクラブヘッド1')又は切削ツール5を細溝30の形成方向に相対的に移動しながら、フェース面10を切削する。一つの細溝30を形成すると、切削ツール5をフェース面10から離間させた後、細溝30の配列方向に切削ツール5を相対的に移動し、次の細溝30を形成することで、順次細溝30が形成される。
In the NC milling machine, after setting the plane coordinates of the
なお、細溝30の形成方法としては、ミーリング加工以外にも、放電加工や鋳造等、他の形成方法も採用可能である。
As a method for forming the
次に、フェース面10に細溝30を形成すると、フェース面10の表面硬度が低下し、磨耗し易くなる場合がある。そのため、細溝30の形成後、フェース面10の硬度を硬くする表面処理を行うことが好ましい。このような表面処理としては、浸炭処理、窒化処理、軟窒化処理、PVD(Physical Vepor Deposition)処理、イオンプレーティング、DLC(ダイヤモンド ライク カーボン)処理、めっき処理等が挙げられる。特に、浸炭処理や窒化処理といった、表面に別の金属層を形成せず、表面を改質する表面処理が好ましい。
Next, when the
細溝の有無及び仕様が異なるゴルフクラブヘッド#1〜#3及び#11〜#17を作成し、これらを装着したゴルフクラブによりバックスピン量及び打球の傷つき具合を評価した。図9は各ゴルフクラブヘッド#1〜#3及び#11〜#17の細溝の有無及び仕様、バックスピン量及び打球の傷つき具合の評価結果及フェース面の表面粗さに関わるルール適合性を示す図である。
Golf club heads # 1 to # 3 and # 11 to # 17 having different specifications and the presence or absence of fine grooves were prepared, and the backspin amount and the degree of damage to the hit ball were evaluated using the golf clubs equipped with these. FIG. 9 shows the conformity of the rules regarding the presence / absence and specifications of the narrow grooves of each golf
いずれのゴルフクラブヘッドも細溝の有無及び仕様のみが異なるサンドウェッジとした。#1のゴルフクラブヘッドについては細溝を形成せず、#2〜#3及び#11〜#17のゴルフクラブヘッドについては細溝を形成した。細溝は図1のゴルフクラブヘッド1のように、スコアラインに平行に多数形成し、かつ、図5に示したように、配列方向に連続的に形成した。したがって、細溝の幅とピッチとは一致する。
All golf club heads were sand wedges that differed only in the presence or absence of narrow grooves and the specifications. No narrow groove was formed for the # 1 golf club head, and narrow grooves were formed for the # 2 to # 3 and # 11 to # 17 golf club heads. A large number of narrow grooves were formed in parallel to the score line as in the
図9において、「最小内角の位置」とは、図2に示した内角θ1〜θ3のうち、最小内角がどれであるかを示す。#2及び#3のゴルフクラブヘッドにおける「上部側」とは、図2においてθ3が最小内角であることを意味し、つまり、#2及び#3のゴルフクラブヘッドの細溝の断面形状は図2に示したものと上下が反転しているものに相当する。#11〜#17のゴルフクラブヘッドにおける「ソール側」とは、図2においてθ1が最小内角であることを意味し、つまり、#11〜#17のゴルフクラブヘッドの細溝の断面形状は図2に示したものに相当する。 In FIG. 9, “the position of the minimum internal angle” indicates which of the internal angles θ1 to θ3 illustrated in FIG. 2 is the minimum internal angle. “Upper side” in the golf club heads of # 2 and # 3 means that θ3 is the minimum inner angle in FIG. 2, that is, the cross-sectional shape of the narrow grooves of the golf club heads of # 2 and # 3 is shown in FIG. This corresponds to the one shown in FIG. “Sole side” in the golf club heads of # 11 to # 17 means that θ1 is the minimum inner angle in FIG. 2, that is, the cross-sectional shape of the narrow grooves of the golf club heads of # 11 to # 17 is shown in FIG. This corresponds to that shown in FIG.
「深さD」は、図2における深さDに相当し、換言すれば、フェース面の表面粗さ(最大高さ:Ry)である。「ピッチP」は図2におけるピッチPに相当し、上記の通り、#2〜#3及び#11〜#17のゴルフクラブヘッドは、細溝をその配列方向に連続的に形成しているため、ピッチPは細溝の幅(図2、図5のWs)でもある。「表面粗さ(Ra)」は、フェース面の算術平均粗さである。 “Depth D” corresponds to the depth D in FIG. 2, in other words, the surface roughness (maximum height: Ry) of the face surface. “Pitch P” corresponds to the pitch P in FIG. 2, and as described above, the golf club heads of # 2 to # 3 and # 11 to # 17 have narrow grooves continuously formed in the arrangement direction. The pitch P is also the width of the narrow groove (Ws in FIGS. 2 and 5). “Surface roughness (Ra)” is the arithmetic average roughness of the face.
バックスピン量及び打球の傷つき具合の評価は、グリーンから約30ヤード離れたラフから、1つのゴルフクラブについて複数個のゴルフボールをショットして評価した。図9における「スピン量」は、グリーン上での打球の止まり易さを観察して5段階(A〜E)で評価した。Aが最も打球が止まり易かった、つまり、バックスピン量が多かったことを意味する。「傷つき具合」は、ショット後のゴルフボールの傷を目視にて観察して評価した。「ルール適合」は、フェース面の表面粗さに関するルールの適合性を示し、算術平均粗さ(Ra)が4.57μm以下で、かつ、最大高さ(Ry)が25μm以下であるものを適合(○)とし、そうでないものを不適合(×)とした。 The backspin amount and the degree of damage to the hit ball were evaluated by shooting a plurality of golf balls for one golf club from a rough about 30 yards away from the green. The “spin amount” in FIG. 9 was evaluated in five stages (A to E) by observing the ease of stopping of the hit ball on the green. A means that the hit ball was most easily stopped, that is, the backspin amount was large. “Damage” was evaluated by visually observing the scratches on the golf ball after the shot. “Rule conformance” indicates the conformity of the rule regarding the surface roughness of the face surface, and the arithmetic average roughness (Ra) is 4.57 μm or less and the maximum height (Ry) is 25 μm or less. (○) and non-conformity (×).
#1のゴルフクラブヘッドと他のゴルフクラブヘッドとの比較から、細溝の有無がバックスピン量に影響していることがわかる。また、#2及び#3のゴルフクラブヘッドと、#11〜#17のゴルフクラブヘッドとの比較から、最小内角がソール側に位置している断面形状を有する細溝の方がバックスピンがかかり易いことがわかる。 From the comparison between the golf club head of # 1 and other golf club heads, it can be seen that the presence or absence of a narrow groove affects the backspin amount. Further, from comparison between the golf club heads # 2 and # 3 and the golf club heads # 11 to # 17, backspin is applied to the narrow groove having a cross-sectional shape in which the minimum inner angle is located on the sole side. It turns out that it is easy.
#11〜#17のゴルフクラブヘッドのうち、#13のゴルフクラブヘッドでは、バックスピン量は高いが、ゴルフボールにやや傷がついている。したがって、深さDは40μm以下であることが好ましく、ルール適合性を考慮すると、25μm以下とする必要がある。また、#11のゴルフクラブヘッドではバックスピン量が余り高くなく、細溝の効果が薄い。したがって、深さDは10μm以上とすることで、バックスピン量をより高くすることができる。
Of the golf club heads # 11 to # 17, the golf
#11〜#17のゴルフクラブヘッドについて、ピッチPについて着目すると、#14〜#17のゴルフクラブヘッドにおいては、#14及び#17のゴルフクラブヘッドではバックスピン量が余り高くない。また、#15及び#16のゴルフクラブヘッドでは、より高いバックスピン量が得られている。したがって、ピッチPは100μm以上800μm以下が好ましく、更に好ましくは400μm以上600μm以下である。 Focusing on the pitch P of the golf club heads of # 11 to # 17, the backspin amount is not so high in the golf club heads of # 14 and # 17 in the golf club heads of # 14 to # 17. Further, in the golf club heads of # 15 and # 16, a higher backspin amount is obtained. Therefore, the pitch P is preferably 100 μm or more and 800 μm or less, and more preferably 400 μm or more and 600 μm or less.
#11〜#17のゴルフクラブヘッドについて、表面粗さ(Ra)について着目すると、値が大きいほどバックスピン量は高くなるが、#13のゴルフクラブヘッドでは、ゴルフボールにやや傷がついている。一方、#14のゴルフクラブヘッドでは傷がほとんどない。したがって、表面粗さ(Ra)は5.0μm以下であることが好ましく、ルール適合性を考慮すると、4.57μm以下である。また、#17のゴルフクラブヘッドでは、バックスピン量が余り高くない。したがって、表面粗さ(Ra)は1.0μm以上であることが好ましい。 When focusing on the surface roughness (Ra) of the golf club heads of # 11 to # 17, the larger the value, the higher the backspin amount. However, in the golf club head of # 13, the golf ball is slightly scratched. On the other hand, the golf club head of # 14 has almost no scratch. Accordingly, the surface roughness (Ra) is preferably 5.0 μm or less, and 4.57 μm or less in consideration of rule compatibility. Further, in the golf club head of # 17, the backspin amount is not so high. Therefore, the surface roughness (Ra) is preferably 1.0 μm or more.
1 ゴルフクラブヘッド
10 フェース面
20 スコアライン
30 細溝
1
Claims (6)
前記フェース面に形成され、トウ側からヒール側へ延設された複数本の細溝を備え、
各々の前記細溝の断面形状が、
その幅方向の仮想中心線に対して非対称の三角形であって、3つの内角のうちの最小内角が前記ゴルフクラブヘッドのソール側に位置した三角形であり、
前記フェース面から各々の前記細溝の最深部までの深さDが、
10μm≦D≦25μm
であり、
前記細溝間のピッチPが、
100μm≦P≦800μm
であり、
前記フェース面の前記細溝を形成した部分の算術平均粗さRaが、
1.0μm≦Ra≦4.57μm
であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。 In a golf club head having a plurality of score lines formed on the face surface,
A plurality of narrow grooves formed on the face surface and extending from the toe side to the heel side;
The cross-sectional shape of each narrow groove is
A triangle that is asymmetric with respect to the virtual center line in the width direction, the smallest inner angle of the three inner angles being a triangle located on the sole side of the golf club head,
A depth D from the face surface to the deepest part of each narrow groove is:
10 μm ≦ D ≦ 25 μm
Der is,
The pitch P between the narrow grooves is
100 μm ≦ P ≦ 800 μm
And
Arithmetic average roughness Ra of the portion where the narrow groove of the face surface is formed,
1.0 μm ≦ Ra ≦ 4.57 μm
A golf club head characterized by the above.
前記フェース部材が接合される、前記フェース部材とは別部材のヘッド本体と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。 A face member constituting the face surface;
A head body which is a member different from the face member to which the face member is joined;
The golf club head according to claim 1, further comprising:
一端において前記フェース面と連続する第1の側面と、
一端において前記第1の側面と連続し、他端において前記フェース面と連続する第2の側面と、を有し、
前記第1の側面と前記第2の側面との境界部分に丸みを持たせたことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。 The narrow groove is
A first side surface continuous with the face surface at one end;
A second side surface that is continuous with the first side surface at one end and is continuous with the face surface at the other end;
The golf club head according to claim 1, wherein a boundary portion between the first side surface and the second side surface is rounded.
一端において前記フェース面と連続する第1の側面と、
一端において前記第1の側面と連続し、他端において前記フェース面と連続する第2の側面と、を有し、
前記第1の側面と前記フェース面との内角が90度未満であることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。 The narrow groove is
A first side surface continuous with the face surface at one end;
A second side surface that is continuous with the first side surface at one end and is continuous with the face surface at the other end;
The golf club head according to claim 1, wherein an inner angle between the first side surface and the face surface is less than 90 degrees.
A/(W+S)≦0.003
であり、
前記スコアラインの縁を、
前記スコアラインの側面と前記フェース面とに内接する半径0.010インチの第1仮想円と同心であって、半径0.011インチの第2仮想円の内側に位置するように形成したことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。 A cross-sectional area A (inch 2 ) of the score line, a width W (inch) of the score line measured by a 30-degree measurement method, and a distance S (inch) of the adjacent score lines,
A / (W + S) ≦ 0.003
And
The edge of the score line
It is formed so as to be concentric with a first imaginary circle having a radius of 0.010 inches inscribed in a side surface of the score line and the face surface, and to be located inside a second imaginary circle having a radius of 0.011 inches. The golf club head according to claim 1, wherein:
A/(W+S)≦0.0025
であり、
前記スコアラインの縁を、
前記スコアラインの側面と前記フェース面とに内接する半径0.010インチの第1仮想円と同心であって、半径0.011インチの第2仮想円の内側に位置するように形成したことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。 A cross-sectional area A (inch 2 ) of the score line, a width W (inch) of the score line measured by a 30-degree measurement method, and a distance S (inch) of the adjacent score lines,
A / (W + S) ≦ 0.0025
And
The edge of the score line
It is formed so as to be concentric with a first imaginary circle having a radius of 0.010 inches inscribed in a side surface of the score line and the face surface, and to be located inside a second imaginary circle having a radius of 0.011 inches. The golf club head according to claim 1, wherein:
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