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JP5589860B2 - 熱交換器 - Google Patents

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JP5589860B2 JP2011007066A JP2011007066A JP5589860B2 JP 5589860 B2 JP5589860 B2 JP 5589860B2 JP 2011007066 A JP2011007066 A JP 2011007066A JP 2011007066 A JP2011007066 A JP 2011007066A JP 5589860 B2 JP5589860 B2 JP 5589860B2
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Description

本発明は、熱交換器に関するもので、例えば、車両空調用の熱交換器(冷媒放熱器、冷媒蒸発器、暖房用ヒータコア)等に用いて好適である。
従来の熱交換器の代表的なものは、水や冷媒等の流体が流れる断面扁平状に形成された扁平チューブと、この扁平チューブの平坦面からなる扁平部(扁平面)に接合されるフィンとにより熱交換コア部が構成されている。
ところで、チューブの外側を流れる空気は、チューブの外壁面付近を流れる空気と、チューブの外壁面から離れて流れる空気とで、チューブ内を流れる流体の温度差が異なり、空気側に温度境界層が生ずる。これにより、チューブの外壁面から離れるに伴って、チューブの外側を流れる空気とチューブ内を流れる流体との温度差が拡大し、伝熱性能が低下するといった問題がある。
これに対して、例えば、特許文献1では、チューブの外壁面に沿って流れる空気を撹乱するために、チューブの外壁面に外側に突出する突起(外側突起部)を設けることで、チューブの外壁面に流れる空気の温度分布を均一化して、空気側における伝熱性能の低下の抑制を図っている。
また、特許文献1では、チューブ内を流れる流体を撹乱するために、チューブの内壁面に内側に突出する突起(内側突起部)を設けることで、チューブ内を流れる流体の温度分布を均一化して、流体側における伝熱性能の低下の抑制を図っている。なお、特許文献1では、外側突起部に対応して内側突起部をチューブの内壁面に均等に設ける構成としている(特許文献1の図1、図5参照)。
特開平05−340686号公報
しかしながら、特許文献1の如く、チューブの外壁面に対応して内側突起部を設ける場合、複数の内側突起部によって流体の圧力損失が増大するので、熱交換器を流れる流量の低下を招き、所望の性能を発揮することが困難となるといった問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、熱交換器における伝熱性能の低下を抑制しつつ、チューブ内を流れる流体の圧力損失を低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、断面扁平形状を有し、内部に流体が流れる複数本のチューブ(1)、チューブ(1)の扁平面(10)に接合されてチューブ(1)周りを流れる空気との熱交換面積を増大させるフィン(2)を備える熱交換器であって、チューブ(1)は、扁平面(10)から外側に向かって突出する複数の外側突起部(11)、および扁平面(10)から内側に向かって突出する複数の内側突起部(12)を有し、内側突起部(12)の数が外側突起部(11)の数よりも少なく、内側突起部(12)は、チューブ(1)における外側突起部(11)が形成された部位の内側表面に対し、チューブ(1)の厚み方向に対向するように配置され、チューブ(1)は扁平面(10)が一対を成すように2つの扁平面(10)を有し、一対を成す扁平面(10)のうちの一方の扁平面(10)には外側突起部(11)は設けられているが内側突起部(12)は設けられておらず、他方の扁平面(10)には内側突起部(12)は設けられているが外側突起部(11)は設けられていないことを特徴とする。
これによると、チューブ(1)の扁平面(10)に複数の外側突起部(11)および複数の内側突起部(12)を設けているので、チューブ(1)の周りを流れる空気を撹乱させると共に、チューブ(1)内を流れる流体を撹乱させることができる。
加えて、内側突起部(12)の数を外側突起部(11)の数に比べて少ない構成としているので、従来のように外側突起部(11)に対応して内側突起部(12)を設ける構成に比べて、内側突起部(12)によるチューブ(1)内を流れる流体の圧力損失を低減することができる。
従って、熱交換器における伝熱性能の低下を抑制しつつ、チューブ(1)内を流れる流体の圧力損失を低減することができる。
具体的には、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の熱交換器において、チューブ(1)内を流れる流体の流れ方向に並んだ内側突起部(12)同士の間隔を、チューブ(1)内を流れる流体の流れ方向に並んだ外側突起部(11)同士の間隔よりも広くする構成とすることができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の熱交換器において、チューブ(1)内を流れる流体の流れ方向に並んだ内側突起部(12)同士の間隔は、複数の内側突起部(12)におけるチューブ(1)内を流れる流体の流れ方向の寸法の2倍以上であることを特徴とする。
これによると、内側突起部(12)によるチューブ(1)内を流れる流体の圧力損失を充分に低減することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係るヒータコアの正面図である。 第1実施形態に係るヒータコアの要部を示す斜視図である。 チューブ内を流れるエンジン冷却水の流れを説明する説明図である。 第1実施形態に係るヒータコアの要部を示す正面拡大図である。 図4のA−A断面図である。 第1実施形態に係る外側突起部および内側突起部の配置形態を説明する説明図である。 エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部同士の間隔とチューブ内を流れるエンジン冷却水の渦度との関係を示す図表である。 エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部同士の間隔とチューブ内における圧力損失との関係を示す図表である。 エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部12同士の間隔を説明する説明図である。 第2実施形態に係る外側突起部および内側突起部の配置形態を説明する説明図である。 第3実施形態に係る外側突起部および内側突起部の配置形態を説明する説明図である。 外側突起部および内側突起部の形状の変形例を説明する説明図である。 他の実施形態に係るヒータコアの要部を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図9に基づいて説明する。本実施形態は、本発明に係る熱交換器を、車両用空調装置の暖房用熱交換器であるヒータコアに適用したものであって、図1は本実施形態に係るヒータコアの正面図であり、図2は本実施形態に係るヒータコアの要部を示す斜視図である。
ヒータコアは、車両のエンジンの発熱により温められたエンジン冷却水(温水)と、車室内に送風する空気とを熱交換させて、車室内に送風する空気を加熱する加熱用熱交換器である。そして、ヒータコアには、エンジン冷却水回路(図示略)に設けられた水ポンプ(図示略)によりエンジン冷却水が供給されるとともに、ヒータコアに対して車両後方側に配置される送風ファン(図示略)により空気が供給される。
ヒータコアは、図1に示すように、エンジン冷却水(流体)が流れる複数本のチューブ1、チューブ1の外表面に接合されて車室内に送風する空気(チューブ周りを流れる空気)との伝熱面積(熱交換面積)を増大させてエンジン冷却水と空気の熱交換を促進するフィン2等からなる熱交換コア部を備えている。また、チューブ1の長手方向両端側にてチューブ1の長手方向(紙面左右方向)と直交する方向に延びて各チューブ1と連通するヘッダタンク3、並びに熱交換コア部の補強部材をなすサイドプレート(インサート)4等を備えている。
なお、本実施形態では、チューブ1、フィン2、ヘッダタンク3及びサイドプレート4を全て金属(例えば、アルミニウム合金)として、これらの部材1〜4をろう付けにて接合している。
図2に示すように、本実施形態のチューブ1は、内部(チューブ内)にエンジン冷却水通路(流体通路)が形成された断面扁平形状の管であり、その断面長径方向が空気の流れ方向と一致するようにヘッダタンク3に接合されている。
チューブ1は、空気の流れ方向に沿って延びる平坦面からなる一対の扁平面10を有して構成されている。そして、チューブ1の扁平面10の外側表面には、フィン2がろう付けにて接合されている。フィン2は板面を有する平板部2a及び隣り合う平板部2aを繋ぐように湾曲した湾曲部2bを有するように波状に形成されたコルゲートフィンである。なお、フィン2の湾曲部2bがチューブ1の扁平面10にろう付けされている。
フィン2の平板部2aには、空気流れ方向と交差するように突出する突起部として複数個の鎧窓状のルーバ2cが形成されている。具体的には、複数個のルーバ2cは、平板部2aの一部を切り起こすことで形成されている。このルーバ2cの縁に流れる空気を衝突させ先端効果によって空気との熱伝達率を増大させるようなっている。
ここで、チューブ1の扁平面10との接合不良などを避けるために、ルーバ2cの両端部の位置は、チューブ1の扁平面10と接合部位である湾曲部2bから離間している。そのため、フィン2には、ルーバ2cが設けられた部分である切り起こし部2dと、切り起こし部2d以外の部分、つまりフィン2におけるルーバ2cの両端部とチューブ1の扁平面10との間におけるルーバ2cが形成されていない部分である非切れ部2eとが存在する。
チューブ1における一対の扁平面10のうち、一方の扁平面10(図2における手前側の扁平面)には、外側表面(外壁面)に、空気が流通する外側に向かって突出する半球状の外側突起部11が複数形成されている。この外側突起部11は、フィン2の非切れ部2eを通過する空気の流れを乱す抵抗体として機能する。なお、一方の扁平面10における外側突起部11が形成された部位の内側表面は、外側に向かって凹んでいる。
また、チューブ1における一対の扁平面10のうち、他方の扁平面10(図2における奥側の扁平面)には、内側表面(内壁面)に、エンジン冷却水が流通する内側に向かって突出する半球状の内側突起部12が複数形成されている。この内側突起部12は、チューブ1内部を流れるエンジン冷却水の流れを乱す抵抗体として機能する。なお、他方の扁平面10における内側突起部12が形成された部位の外側表面は、内側に向かって凹んでいる。
本実施形態では、各突起部11、12における径や突出高さといった突出形状を、外側突起部11および内側突起部12それぞれで同様の形状としている。
図3は、チューブ1内を流れるエンジン冷却水の流れを説明する説明図である。図3に示すように、エンジン冷却水は、チューブ1の扁平面10の内側表面から離れるに伴って温度差が拡大する。このような温度分布を持つエンジン冷却水は、チューブ1の内側表面に沿って流れるエンジン冷却水が内側突起部12に衝突することで撹乱され、チューブ1の内側表面に沿って流れるエンジン冷却水と内側表面から離れて流れるエンジン冷却水とが入れ替えによって温度分布が縮小される。このため、チューブ1の扁平面10の内側表面に内側突起部12を設ける構成では、エンジン冷却水側の伝熱性能の向上を図ることができる。
ところが、チューブ1の扁平面10の内側表面に内側突起部12を設ける構成では、チューブ1内におけるエンジン冷却水の圧力損失ΔPの増大を招くといった背反がある。
そこで、本実施形態では、チューブ1の扁平面10における内側突起部12の数を複数の外側突起部11の数よりも少なくすることで、エンジン冷却水の圧力損失ΔPの増大を抑制する構成としている。
各突起部11、12の具体的な配置形態について図4〜図6に基づいて説明する。図4は、ヒータコアの要部を示す正面拡大図であり、図5は図4のA−A断面図である。また、図6は、外側突起部11および内側突起部12の配置形態を説明するための説明図であり、図6の(a)がチューブ1の斜視図を示し、(b)が(a)におけるB矢視図を示し、(c)が(a)におけるC矢視図を示している。
図4に示すように、複数の外側突起部11は、チューブ1内を流れるエンジン冷却水の流体流れ方向(空気流れ方向の直交方向)に、フィン2における隣り合う湾曲部2bの間に挟まれるように、等間隔に並んで配置されている。
ここで、外側突起部11は、扁平面10に対する直交方向の突出高さHが、非切れ部2eの非切れ部長さL以上となるように形成されている。具体的には、非切れ部長さLに対する外側突起部11の突出高さHの比(H/L)を、ヒータコアの伝熱性能の向上を充分に図ることが可能な範囲(例えば、1.0〜3.5)に設定している。
一方、複数の内側突起部12は、チューブ1内を流れるエンジン冷却水の流体流れ方向(空気流れ方向の直交方向)に等間隔に並んで配置されている。本実施形態の複数の内側突起部12は、エンジン冷却水の流体流れ方向において、隣り合う内側突起部12同士の間隔P2が、隣り合う外側突起部同士の間隔P1よりも広くなるように配置されている。
また、図5に示すように、複数の外側突起部11は、チューブ1外側を流れる空気の空気流れ方向に、等間隔をあけて一列に並んで配置されている。一方、複数の内側突起部12は、複数の外側突起部11に対応して、チューブ1外側を流れる空気の空気流れ方向に、等間隔をあけて一列に並んで配置されている。
例えば、チューブ1の一方の扁平面10に16個の外側突起部11を設けると共に、他方の扁平面10に8個の内側突起部12を設ける場合、図6に示すように、チューブ1の扁平面10に流体流れ方向および空気流れ方向に沿って4個ずつ格子状に外側突起部11を配置し、内側突起部12を流体流れ方向に外側突起部11よりも間隔を空けて配置する構成とする。
ここで、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部12同士の間隔について図7〜図9に基づいて説明する。図7は、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部同士の間隔とチューブ1内を流れるエンジン冷却水の渦度との関係を示す図表であり、図8は、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部同士の間隔とチューブ1内における圧力損失ΔPとの関係を示す図表である。また、図9は、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部同士の間隔を説明する説明図である。
図7に示すように、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部12同士の間隔P2が内側突起部12におけるチューブ1内を流れる流体の流れ方向の寸法の2倍までの範囲(P2<2d)では、エンジン冷却水の渦度が略一定に維持される。なお、本実施形態では、内側突起部12におけるチューブ1内を流れる流体の流れ方向の寸法が内側突起部12の内径dに相当する。
また、図8に示すように、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部12同士の間隔P2が内側突起部12の内径dの2倍までの範囲(P2<2d)では、内側突起部12同士の間隔の縮小に伴って、チューブ1内の圧力損失が急激に増大する。
このように、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部12同士の間隔P2を内側突起部12の内径dの2倍までの範囲とする場合、内側突起部12同士の間隔を狭めたとしても、エンジン冷却水の撹乱効果に差異がなく、チューブ1内の圧力損失ΔPが増大することとなる。
一方、図7に示すように、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部12同士の間隔P2が内側突起部12の内径dの2倍以上となる範囲(P2≧2d)では、内側突起部12同士の間隔の拡大に伴って渦度が徐々に低下する。
また、図8に示すように、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部12同士の間隔が内側突起部12の内径dの2倍以上となる範囲では(P2≧2d)、チューブ1内の圧力損失が内側突起部12同士の間隔P2の拡大に伴って徐々に低下する。
このように、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部12同士の間隔P2を内側突起部12の内径dの2倍以上とする場合、内側突起部12同士の間隔P2を拡大したとしても、エンジン冷却水の撹乱効果を得つつ、チューブ1内の圧力損失ΔPを充分に低減させることができる。
このため、本実施形態では、図9に示すように、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部12同士の間隔P2を内側突起部12の内径dの2倍以上離れた間隔に設定している。
以上説明した本実施形態のヒータコアによれば、チューブ1の一方の扁平面10に複数の外側突起部11を設けることで、チューブ1の周りを流れる空気を撹乱させて、チューブ1における空気側の伝熱性能の向上を図ることができる。
また、チューブ1の他方の扁平面10に複数の内側突起部12を設けることで、チューブ1内を流れるエンジン冷却水を撹乱させて、チューブ1におけるエンジン冷却水側の伝熱性能の向上を図ることができる。
加えて、内側突起部12の数を外側突起部11の数に比べて少ない構成とすることで、外側突起部11に対応して内側突起部12を設ける構成に比べて、内側突起部12によるチューブ1内を流れるエンジン冷却水の圧力損失を低減することができる。
従って、本実施形態の構成によれば、ヒータコアにおける伝熱性能の低下を抑制しつつ、チューブ1内を流れる流体の圧力損失を低減することができる。
また、本実施形態では、エンジン冷却水の流体流れ方向に隣り合う内側突起部12同士の間隔P2を内側突起部12の内径dの2倍以上離れた間隔としているので、内側突起部12によるエンジン冷却水の撹乱効果を得つつ、チューブ1内の圧力損失ΔPを充分に低減させることができる。
なお、本実施形態では、チューブ1の扁平面10に設けた複数の外側突起部11の突出高さHを、非切れ部長さL以上としているので、ルーバ2cが設けられていない非切れ部2eを流れる空気の通風抵抗を増大させることができる。この結果、フィン表面におけるルーバ2cが設けられていない非切れ部2eを流れる空気の風速、風量等を低減するとともに、ルーバ2cが設けられた切り起こし部2dを流れる空気の風速、風量等を増大させることができる。これにより、熱交換器の伝熱性能の向上効果を充分に得ることができる。
また、本実施形態では、外側突起部11の突出高さHを、1.0〜3.5といった適切な範囲に設定しているので、伝熱効率の悪化を招くことなく伝熱性能の向上効果を充分に得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図10に基づいて説明する。図10は、本実施形態に係る外側突起部11および内側突起部12の配置形態を説明するための説明図であり、図10の(a)がチューブ1の斜視図を示し、(b)が(a)におけるD矢視図を示し、(c)が(a)におけるE矢視図を示している。
本実施形態のヒータコアは、チューブ1における外側突起部11および内側突起部12の配置形態が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
本実施形態では、複数の内側突起部12を、チューブ1外側を流れる空気の空気流れ方向において隣り合う外側突起部11同士の間隔よりも広い間隔を空けて等間隔に一列に並べて配置すると共に、エンジン冷却水の流れ方向においても隣り合う外側突起部11同士の間隔よりも広い間隔を空けて等間隔に一列に並べて配置する。
例えば、チューブ1の一方の扁平面10に16個の外側突起部11を設けると共に、他方の扁平面10に8個の内側突起部12を設ける場合、図10に示すように、チューブ1の扁平面10において、流体流れ方向および空気流れ方向に沿って4個ずつ格子状に外側突起部11を配置する。そして、複数の内側突起部12を流体流れ方向および空気流れ方向に沿って2個ずつ配置し、流体流れ方向および空気流れ方向において複数の内側突起部12の成す列を、一列毎に半ピッチずつ交互にずらして千鳥状に配置する。
このように、複数の内側突起部12を、千鳥状に配置する形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図11に基づいて説明する。図11は、本実施形態に係る外側突起部11および内側突起部12の配置形態を説明するための説明図であり、図11の(a)がチューブ1の斜視図を示し、(b)が(a)におけるF矢視図を示し、(c)が(a)におけるG矢視図を示している。
本実施形態のヒータコアは、チューブ1における外側突起部11および内側突起部12の配置形態が第1、第2実施形態と相違している。本実施形態では、第1、第2実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
本実施形態では、複数の外側突起部11を、チューブ1の扁平面10全体に配置するのに対して、複数の内側突起部12を、チューブ1の扁平面10全体のうち一部にだけ配置する構成としている。
例えば、図11に示すように、内側突起部12をエンジン冷却水の入口側(上流側)に配置し、エンジン冷却水の出口側(下流側)に配置しない構成とする。なお、本実施形態の内側突起部12同士の間隔P2は、隣り合う外側突起部11同士の間隔P1と同じ間隔としている。
このように、複数の内側突起部12を、チューブ1の扁平面10の全域に配置せず、一部に偏って配置することで、内側突起部12の数を外側突起部11の数よりも少なくし、チューブ1内の圧力損失ΔPを充分に低減させることができる。
特に、本実施形態のように、内側突起部12をエンジン冷却水の入口側に配置する構成では、チューブ1におけるエンジン冷却水の入口側でエンジン冷却水が撹乱されるので、エンジン冷却水の出口側(下流側)に内側突起部12を配置する場合に比べて、チューブ1におけるエンジン冷却水側の伝熱性能の低下を抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。例えば、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態では、チューブ1における外側突起部11の配置形態をチューブ1の扁平面10の全域に配置する構成としているが、内側突起部12の数が外側突起部11の数よりも少ない配置形態であれば、外側突起部11の配置形態をチューブ1の扁平面10の一部に配置する構成としてもよい。
(2)上述の各実施形態では、外側突起部11および内側突起部12それぞれを半球状の突起部で構成する例を説明したが、これに限定されない。例えば、図12に示すように、外側突起部11および内側突起部12それぞれを、空気流れ方向に沿って長径となる半楕円体状の突起部で構成してもよい。なお、図12は、外側突起部11および内側突起部12それぞれの形状の変形例を説明する説明図である。
(3)上述の各実施形態では、外側突起部11をエンジン冷却水が流れる内側から空気が流れる外側に向かって扁平面10の一部を隆起させることにより形成しているが、これに限定されない。例えば、外側突起部11をチューブ1と別体で構成し、チューブ1の扁平面10の外壁面に接合して設ける構成としてもよい。
同様に、内側突起部12を空気が流れる外側からエンジン冷却水が流れる内側に向かって扁平面10の一部を隆起させることにより形成しているが、これに限定されない。例えば、内側突起部12をチューブ1と別体で構成し、チューブ1の扁平面10の内壁面に接合して設ける構成としてもよい。
このように、チューブ1と外側突起部11および内側突起部12を別体とする構成とする場合、既存のチューブ1に外側突起部11および内側突起部12を接合すればよくチューブ1自体の加工を要しないので、熱交換器の生産性の向上を図ることができる。
(4)上述の各実施形態では、熱交換器のフィン2を波上に成形されたコルゲートフィンとする構成を例示したが、これに限定されず、例えば、図13に示すように、フィン2を平板状に成形されたプレートフィンとしてもよい。
(5)上述の各実施形態では、フィン2の突起部をフィン2の平板部2aの一部を切り起こすことにより形成された鎧窓状のルーバ2cで構成しているが、これに限定されない。フィン2の突起部としては、例えば、フィンの平板部2aを折り曲げて形成した帯状のオフセット、フィンの平板部2aに千鳥状に配置したピン等で構成してもよい。
(6)上述の各実施形態では、チューブ1とフィン2とはろう付けにより接合されているとしているが、これに限定されず、例えば、チューブ1を拡管することによりチューブ1とフィン2とを機械的に結合してもよい。
(7)上述の各実施形態では、車両用空調装置のヒータコアに本発明を適用したが、ヒータコアに限らず、例えば、ラジエータ、エバポレータ(蒸発器)、コンデンサ(凝縮器)等にも本発明は適用することができる。また、本発明は、車両用空調装置用の熱交換器に限らず他の装置の熱交換器に適用することができる。
1 チューブ
2 フィン
10 扁平面
11 外側突起部
12 内側突起部

Claims (3)

  1. 断面扁平形状を有し、内部に流体が流れる複数本のチューブ(1)、前記チューブ(1)の扁平面(10)に接合されて前記チューブ(1)周りを流れる空気との熱交換面積を増大させるフィン(2)を備える熱交換器であって、
    前記チューブ(1)は、前記扁平面(10)から外側に向かって突出する複数の外側突起部(11)、および前記扁平面(10)から内側に向かって突出する複数の内側突起部(12)を有し、前記内側突起部(12)の数が前記外側突起部(11)の数よりも少なく、
    前記内側突起部(12)は、前記チューブ(1)における前記外側突起部(11)が形成された部位の内側表面に対し、前記チューブ(1)の厚み方向に対向するように配置され、
    前記チューブ(1)は前記扁平面(10)が一対を成すように2つの前記扁平面(10)を有し、
    前記一対を成す扁平面(10)のうちの一方の扁平面(10)には前記外側突起部(11)は設けられているが前記内側突起部(12)は設けられておらず、他方の扁平面(10)には前記内側突起部(12)は設けられているが前記外側突起部(11)は設けられていないことを特徴とする熱交換器。
  2. 前記チューブ(1)内を流れる流体の流れ方向に並んだ前記内側突起部(12)同士の間隔は、前記チューブ(1)内を流れる流体の流れ方向に並んだ前記外側突起部(11)同士の間隔よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記チューブ(1)内を流れる流体の流れ方向に並んだ前記内側突起部(12)同士の間隔は、前記複数の内側突起部(12)における前記チューブ(1)内を流れる流体の流れ方向の寸法の2倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
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