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JP5589859B2 - 位置情報補正装置、タッチセンサ、位置情報補正方法、及びプログラム - Google Patents

位置情報補正装置、タッチセンサ、位置情報補正方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、位置情報補正装置、タッチセンサ、位置情報補正方法、及びプログラムに関する。
近年、様々な方式のタッチセンサが開発され(例えば、下記の特許文献1などを参照)、既に実用化されている方式も多数存在する。その中でも、操作性の良さや耐久性の高さなどの観点から、静電容量式のタッチセンサに大きな注目が集まっている。静電容量式のタッチセンサは、タッチセンサに操作体(例えば、指など)が近づくことによってタッチセンサ内の電極と操作体との間に生じる静電容量の変化を利用して操作体の位置を検出する。電極と操作体との間に生じる静電容量の変化は、操作体がタッチセンサに接触しなくても生じる。そのため、タッチセンサは、その表面に操作体が近づいたり、その表面に操作体が軽く触れたりしただけでも反応する。このような反応の良さから、ユーザは、良好な操作感を得ることができる。また、静電容量式のタッチセンサは、その表面に近接又は接触した複数の操作体の位置をそれぞれ検出することができる。
特開2010−39515号公報
静電容量式のタッチセンサは、操作性の良さなどを理由に、様々な電子機器に搭載されるようになってきている。例えば、静電容量式のタッチセンサは、携帯電話、携帯情報端末、携帯音楽プレーヤ、携帯ゲーム機など、様々な携帯型の電子機器に搭載されている。また、静電容量式のタッチセンサは、テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステム、デジタルサイネージ端末、ATMなど、比較的大きなサイズの電子機器への適用も期待されている。しかしながら、静電容量式のタッチセンサには克服すべき課題が存在する。その一つがタッチ位置の検出精度である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、実際に検出されたタッチ位置をより正確なタッチ位置に補正することが可能な、新規かつ改良された位置情報補正装置、タッチセンサ、位置情報補正方法、及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1の方向に沿って配線された複数の第1の電極と、前記第1の方向と略直角な第2の方向に沿って配線された複数の第2の電極と、前記第1及び第2の電極における静電容量に基づいて前記第1及び第2の電極に近接した操作体の位置を検出する位置検出部と、を有するタッチセンサから、前記位置検出部により検出された操作体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記タッチセンサから、前記第1及び第2の電極における静電容量の値を示す容量値を取得する容量値取得部と、前記第1の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第1の振幅A1を有する第1の周期関数を含む第1の補正関数と、前記第2の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第2の振幅A2を有する第2の周期関数を含む第2の補正関数と、を用いて、前記位置情報取得部により取得された位置情報を補正する位置情報補正部と、を備える、位置情報補正装置が提供される。
また、前記第1及び第2の振幅は、前記容量値の減少に伴って増加する、ように構成されていてもよい。
また、前記第1及び第2の振幅は、前記容量値が所定値を下回る領域で一定値をとり、かつ、前記容量値が所定値を上回る領域で前記容量値の減少に伴って増加する、ように構成されていてもよい。
また、前記第1の補正関数は、前記第1の周期関数の周期に比べてK倍(Kは3以上の奇数)の周期を有し、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第3の振幅A3を有する第3の周期関数をさらに含んでいてもよい。さらに、前記第2の補正関数は、前記第2の周期関数の周期に比べてK倍の周期を有し、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第4の振幅A4を有する第4の周期関数をさらに含んでいてもよい。この場合、前記第1の振幅に対する前記第3の振幅の比率(A3/A1)、及び前記第2の振幅に対する前記第4の振幅の比率(A4/A2)は、前記容量値の減少に伴って増加する、ように構成される。
また、前記位置情報補正部は、前記位置情報取得部により取得された位置情報のうち、前記第1の方向に沿った位置を示す第1の座標を前記第1の補正関数に基づいて補正し、前記第2の方向に沿った位置を示す第2の座標を前記第2の補正関数に基づいて補正する、ように構成されていてもよい。
また、上記の位置情報補正装置は、前記位置情報補正部により補正された位置情報に基づいて前記操作体の移動速度を算出する速度算出部をさらに備えていてもよい。
また、前記第1の補正関数は、前記第1の周期関数の周期に比べて2倍の周期を有し、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第3の振幅A3を有する第3の周期関数をさらに含んでいてもよい。さらに、前記第2の補正関数は、前記第2の周期関数の周期に比べて2倍の周期を有し、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第4の振幅A4を有する第4の周期関数をさらに含んでいてもよい。この場合、前記第1の振幅に対する前記第3の振幅の比率(A3/A1)、及び前記第2の振幅に対する前記第4の振幅の比率(A4/A2)は略一定値となる、ように構成される。
また、前記第1及び第2の補正関数に含まれる周期関数は正弦関数であってもよい。
また、前記第1の補正関数は、前記容量値が一定になるように維持しながら前記第1の方向に沿って前記操作体を一定速度で移動した場合に前記位置検出部により検出される位置の間隔を一定に近づける方向に補正するための関数であってもよい。さらに、前記第2の補正関数は、前記容量値が一定になるように維持しながら前記第2の方向に沿って前記操作体を一定速度で移動した場合に前記位置検出部により検出される位置の間隔を一定に近づける方向に補正するための関数であってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の方向に沿って配線された複数の第1の電極と、前記第1の方向と略直角な第2の方向に沿って配線された複数の第2の電極と、前記第1及び第2の電極における静電容量の値を検出する容量検出部と、前記容量検出部により検出された静電容量の値に基づいて前記第1及び第2の電極に近接した操作体の位置を検出する位置検出部と、前記第1の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記静電容量の値に応じた第1の振幅を有する第1の周期関数を含む第1の補正関数と、前記第2の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記静電容量の値に応じた第2の振幅を有する第2の周期関数を含む第2の補正関数と、を用いて、前記位置検出部により検出された位置の情報を補正する位置補正部と、を備える、タッチセンサが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の方向に沿って配線された複数の第1の電極と、前記第1の方向と略直角な第2の方向に沿って配線された複数の第2の電極と、前記第1及び第2の電極における静電容量に基づいて前記第1及び第2の電極に近接した操作体の位置を検出する位置検出部と、を有するタッチセンサから、前記位置検出部により検出された操作体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記タッチセンサから、前記第1及び第2の電極における静電容量の値を示す容量値を取得する容量値取得ステップと、前記第1の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得ステップで取得された容量値に応じた第1の振幅A1を有する第1の周期関数を含む第1の補正関数と、前記第2の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得ステップで取得された容量値に応じた第2の振幅A2を有する第2の周期関数を含む第2の補正関数と、を用いて、前記位置情報取得ステップで取得された位置情報を補正する位置情報補正ステップと、を含む、位置情報補正方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の方向に沿って配線された複数の第1の電極と、前記第1の方向と略直角な第2の方向に沿って配線された複数の第2の電極と、前記第1及び第2の電極における静電容量に基づいて前記第1及び第2の電極に近接した操作体の位置を検出する位置検出部と、を有するタッチセンサから、前記位置検出部により検出された操作体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得機能と、前記タッチセンサから、前記第1及び第2の電極における静電容量の値を示す容量値を取得する容量値取得機能と、前記第1の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得機能により取得された容量値に応じた第1の振幅A1を有する第1の周期関数を含む第1の補正関数と、前記第2の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得機能により取得された容量値に応じた第2の振幅A2を有する第2の周期関数を含む第2の補正関数と、を用いて、前記位置情報取得機能により取得された位置情報を補正する位置情報補正機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記のプログラムが記録された、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体が提供される。
以上説明したように本発明によれば、実際に検出されたタッチ位置をより正確なタッチ位置に補正することが可能になる。
静電容量式タッチセンサの電極構造について説明するための説明図である。 静電容量式タッチセンサの電極構造について説明するための説明図である。 静電容量式タッチセンサの電極構造について説明するための説明図である。 静電容量式タッチセンサによるタッチ位置の検出方法について説明するための説明図である。 静電容量式タッチセンサの構成について説明するための説明図である。 静電容量式タッチセンサによるタッチ位置の検出方法について説明するための説明図である。 ドラッグ操作を行った際に静電容量式タッチセンサにより実際に検出されるタッチ位置の軌跡について説明するための説明図である。 ドラッグ操作を行った際に静電容量式タッチセンサにより実際に検出されるタッチ位置の軌跡について説明するための説明図である。 ドラッグ操作を行った際に静電容量式タッチセンサにより実際に検出されるタッチ位置の軌跡について説明するための説明図である。 タップ操作を行った際に静電容量式タッチセンサにより実際に検出される静電容量の分布について説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係る静電容量式タッチセンサを構成する制御装置の機能構成について説明するための説明図である。 静電容量式タッチセンサにより検出される静電容量の大きさと、タッチ位置の軌跡に現れる波打ちの振幅との関係について説明するための説明図である。 本実施形態に係るタッチ位置の補正方法に用いる補正量の特性について説明するための説明図である。 本実施形態に係るタッチ位置の補正方法を適用した場合に得られる効果について説明するための説明図である。 本実施形態に係るタッチ位置の補正方法を適用した場合に得られる効果について説明するための説明図である。 静電容量式タッチセンサの他の電極構造について説明するための説明図である。 他の電極構造を有する静電容量式タッチセンサにおいて、本実施形態に係るタッチ位置の補正方法を適用した場合に得られる効果について説明するための説明図である。 本実施形態に係るタッチ位置の補正方法に用いる補正量の特性について説明するための説明図である。 本実施形態に係るタッチ位置の補正方法に用いる補正量の特性について説明するための説明図である。 本実施形態に係るタッチ位置の補正方法に用いる補正量の特性について説明するための説明図である。 本実施形態に係る制御装置又は本実施形態に係る静電容量式タッチセンサを搭載した情報処理装置の機能を実現することが可能なハードウェア構成について説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図1〜図3を参照しながら、静電容量式タッチセンサの電極構造について説明する。次いで、図4〜図6を参照しながら、静電容量式タッチセンサによるタッチ位置の検出方法について説明する。次いで、図7〜図9を参照しながら、ドラッグ操作を行った際に静電容量式タッチセンサにより実際に検出されるタッチ位置の軌跡について説明する。また、図10を参照しながら、タップ操作を行った際に静電容量式タッチセンサにより実際に検出される静電容量の分布について説明する。
次いで、図11を参照しながら、本発明の一実施形態に係る静電容量式タッチセンサを構成する制御装置100の機能構成について説明する。次いで、図12を参照しながら、静電容量式タッチセンサにより検出される静電容量の大きさと、タッチ位置の軌跡に現れる波打ちの振幅との関係について説明する。次いで、図13を参照しながら、本実施形態に係るタッチ位置の補正方法に用いる補正量の特性について説明する。次いで、図14及び図15を参照しながら、本実施形態に係るタッチ位置の補正方法を適用した場合に得られる効果について説明する。
次いで、図16を参照しながら、静電容量式タッチセンサの他の電極構造について説明する。次いで、図17を参照しながら、他の電極構造を有する静電容量式タッチセンサにおいて、本実施形態に係るタッチ位置の補正方法を適用した場合に得られる効果について説明する。次いで、図18〜図20を参照しながら、本実施形態に係るタッチ位置の補正方法に用いる補正量の特性について説明する。次いで、図21を参照しながら、本実施形態に係る制御装置100又は本実施形態に係る静電容量式タッチセンサを搭載した情報処理装置の機能を実現することが可能なハードウェア構成について説明する。
最後に、本実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
(説明項目)
1:はじめに
1−1:静電容量式タッチセンサの電極構造
1−2:静電容量式タッチセンサによるタッチ位置の検出方法
1−3:ドラッグ操作時の検出軌跡に生じる波打ちについて
2:実施形態
2−1:制御装置100の機能構成
2−2:補正により得られる効果
3:変形例(電極構造の変形)
3−1:静電容量式タッチセンサの電極構造
3−2:タッチ位置の補正方法
3−3:補正により得られる効果
4:ハードウェア構成例
5:まとめ
<1:はじめに>
はじめに、静電容量式タッチセンサの構成例、及び静電容量式タッチセンサにより検出されるタッチ位置の検出精度について簡単に説明する。
[1−1:静電容量式タッチセンサの電極構造]
まず、図1〜図3を参照しながら、静電容量式タッチセンサの電極構造について説明する。図1〜図3は、静電容量式タッチセンサの電極構造について説明するための説明図である。なお、ここではダイヤモンドタイプの電極構造を例に挙げて説明する。
静電容量式タッチセンサは、図1に示すようにX方向に沿って配線された複数のX電極11(第1電極群10)、及び図2に示すようにY方向に沿って配線された複数のY電極21(第2電極群20)を有する。また、第1電極群10と第2電極群20とは、図3に示すように、Z方向に見た場合にX電極11の矩形部分(以下、電極パッド)とY電極21の矩形部分(電極パッド)とが均等に露出するように並べて配線される。なお、ここでは簡単のために数本の電極しか図示しないが、実際には多数の電極が存在する。
[1−2:静電容量式タッチセンサによるタッチ位置の検出方法]
図4に示すように、指などの操作体H(誘電体)がX電極11(又はY電極21)に近づくと、操作体HとX電極11(又はY電極21)との間に静電結合が形成され、X電極11(又はY電極21)の静電容量が増加する(例えば、図10を参照)。そのため、静電容量の変化を検出することにより、操作体Hの近接を検知することが可能である。また、各X電極11及び各Y電極21の静電容量を監視することにより、操作体Hが近接した位置(以下、タッチ位置)を検出することができる。このような静電容量の監視及びタッチ位置の検出は、例えば、図5に示すように、第1電極群10及び第2電極群20に接続された制御装置100により行われる。
なお、制御装置100の機能は、ハードウェア的に実現されてもよいし、ソフトウェア的に実現されてもよい。例えば、制御装置100の一部機能は、静電容量式タッチセンサの制御ICによりハードウェア的に実現されてもよい。また、制御装置100の一部機能は、静電容量式タッチセンサの制御ICに実装されるファームウェアにより実現されてもよい。さらに、制御装置100の一部機能は、静電容量式タッチセンサを制御するためのデバイスドライバにより実現されてもよい。また、制御装置100の一部機能は、静電容量式タッチセンサを搭載する情報処理装置のオペレーティングシステム上で動作するミドルウェアやアプリケーションにより実現されてもよい。
さて、図5に示すように、第1電極群10及び第2電極群20の電極端子X1〜X5、Y1〜Y4で検出される静電容量の値(以下、容量値)は、制御装置100に入力される。各電極の容量値が入力されると、制御装置100は、入力された各電極の容量値に基づいてタッチ位置を検出する。タッチ位置の検出方法は次の通りである。
図6に示すように、操作体HがX電極11及びY電極21に近接すると、そのタッチ位置に近いX電極11及びY電極21の静電容量が変化する。そして、変化した容量値が制御装置100により検出される。例えば、図6に示すように、電極端子(X1,X2,X3,X4,X5)から、それぞれ容量値(0.01,0.03,0.73,0.22,0.01)が検出されたとしよう。また、電極端子(Y1,Y2,Y3,Y4)から、それぞれ容量値(0.01,0.02,0.60,0.37)が検出されたとしよう。この場合、制御装置100は、検出された容量値を用いてタッチ位置を検出する。
なお、ここで例示した容量値は、全てのX電極11又は全てのY電極21について合計した場合に1となるように正規化している。また、電極端子X1に対応するX座標を1、電極端子X2に対応するX座標を2、電極端子X3に対応するX座標を3、電極端子X4に対応するX座標を4、電極端子X5に対応するX座標を5とする。さらに、電極端子Y1に対応するY座標を1、電極端子Y2に対応するY座標を2、電極端子Y3に対応するY座標を3、電極端子Y4に対応するY座標を4とする。この場合、タッチ位置のX座標は3.19となる。また、タッチ位置のY座標は3.33となる。
このように、制御装置100は、X電極11の電極端子X1〜X5、及びY電極21の電極端子Y1〜Y4で検出される静電容量の変化を監視し、変化した容量値からタッチ位置を算出する。なお、上記の例では、電極端子X1〜X5、Y1〜Y4の全てで検出された容量値を用いてタッチ位置を算出しているが、例えば、最も容量値が大きな電極端子の周辺に位置する一部の電極端子で検出された容量値を利用してタッチ位置を算出してもよい。上記の例では、電極端子X2〜X4、Y2〜Y4で検出された容量値だけを利用してタッチ位置を算出するようにしてもよい。
以上、タッチ位置の検出方法について説明した。
[1−3:ドラッグ操作時の検出軌跡に生じる波打ちについて]
次に、静電容量式タッチセンサが抱える課題について説明する。図7左図に示すように操作体Hによりタッチ面上を斜め方向に向けて直線的になぞると、図7右図のようなタッチ位置の軌跡が検出される。図7右図から明らかなように、タッチ位置の軌跡は周期的に波打った形状(以下、波打ち)を成している。つまり、ユーザが操作体Hで描いた軌跡と、実際に静電容量式タッチセンサで検出される軌跡とが一致していない。さらに言い換えると、操作体Hがタッチ面に近接又は接触した位置の座標と、実際に静電容量式タッチセンサで検出されるタッチ位置の座標との間に誤差が生じているのである。
また、図8左図に示すようにX方向に沿って直線的なドラッグ操作を行うと、図8右図に示すようなタッチ位置の軌跡が検出される。図8右図に示すように、X方向に沿って直線的に操作体Hを移動させた場合には、図7右図に見られた波打ちがほとんど生じていない。しかし、図8右図に示すタッチ位置の軌跡には、タッチ位置を示す点の並びに粗密が確認される。タッチ位置のサンプリングは一定の時間間隔で行っていることから、本来は、均一の間隔でタッチ位置を示す点がプロットされるべきである。しかし、図8右図においては、タッチ位置を示す点の並びに粗密が生じてしまっている。つまり、この場合も、操作体Hがタッチ面に近接又は接触した位置の座標と、実際に静電容量式タッチセンサで検出されるタッチ位置の座標との間に誤差が生じているのである。
図7右図及び図8右図に示したように、ドラッグ操作時に静電容量式タッチセンサで検出されるタッチ位置の軌跡には、周期的な波打ちや粗密(以下、いずれも「波打ち」と呼ぶ。)が生じる。なお、図示しないが、Y方向に沿って直線的なドラッグ操作を行った場合にも、タッチ位置を示す点の並びに周期的な粗密が確認される。そこで、この周期的について詳しく調べるため、図8の例においてタッチ位置を示す点間の距離(続けてサンプリングされた点間の距離;以下、座標間距離)をプロットして座標間距離のピーク間隔を測定した。その結果、図9に示すように、ピーク間隔ΔGがちょうどX電極11の間隔(グリッド間隔)に一致することが分かった。なお、Y方向に沿ってドラッグ操作した場合に観測される波打ちの周期は、Y電極21の間隔(グリッド間隔)に一致する。
以上説明したように、タッチする位置によって、静電容量式タッチセンサにより検出されるタッチ位置と実際のタッチ位置との間には誤差が生じる。そのため、タップ操作した際に違う座標が検出され、ユーザが意図していないコマンドが実行されてしまうことがある。また、ドラッグ操作した際に検出されるタッチ位置の軌跡に波打ちが生じるため、ドラッグ操作に追従して動くオブジェクトが不自然な動きをしたり、正しくジェスチャーが認識されなかったりしてしまう。また、一定速度でドラッグ操作を行っていても座標間距離が変化することから、画面のスクロールなど、動きの方向が決まっている動作であっても、動作速度が揺らぐためにユーザに違和感を与えてしまう。
こうした事情に鑑み、本件発明者は、静電容量式タッチセンサによりタッチ位置をより正しく検出できるようにする仕組みを考案した。なお、波打ちの周期は、X電極11の間隔及びY電極21の間隔に依存する。そのため、X電極11及びY電極21の間隔を狭め(グリッドの密度を高め)ることにより、波打ちをある程度抑制することができる。しかしながら、電極の本数が増えると、タッチ位置を走査するのに要する時間が延びてしまい、レスポンスの低下に繋がる。さらに、端子数が増えることにより製造コストが増大してしまう。そのため、例えば、グリッド間隔を5〜7mm程度に維持することが好ましい。
<2:実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、静電容量式タッチセンサによりタッチ位置をより正しく検出できるようにする仕組みに関する。なお、この仕組みは、制御装置100の機能により実現される。
[2−1:制御装置100の機能構成]
まず、図11を参照しながら、本実施形態に係る制御装置100の機能構成について説明する。図11は、本実施形態に係る制御装置100の機能構成について説明するための説明図である。
図11に示すように、制御装置100は、容量値検出部101と、座標算出部102と、座標補正部103とにより構成される。
まず、容量値検出部101は、各X電極11及び各Y電極21における容量値を検出する。容量値を検出すると、容量値検出部101は、検出した容量値を座標算出部102及び座標補正部103に入力する。各X電極11及び各Y電極21における容量値が入力されると、座標算出部102は、例えば、図6に示した方法によりタッチ位置の座標を算出する。タッチ位置の座標を算出すると、座標算出部102は、算出したタッチ位置の座標を座標補正部103に入力する。各X電極11及び各Y電極21における容量値及びタッチ位置の座標が入力されると、座標補正部103は、入力された容量値を用いて、入力されたタッチ位置の座標を補正する。
このとき、座標補正部103は、X電極11の間隔及びY電極21の間隔を周期とする周期関数を含む補正関数を用いて波打ちをキャンセルするようにタッチ位置の座標を補正する。例えば、座標補正部103は、下記の式(1)及び式(2)に示すような補正関数fx、fyを利用し、下記の式(3)及び式(4)のようにタッチ位置の座標を補正する。但し、補正前の座標を(X,Y)、補正後の座標を(X’,Y’)、X電極11の間隔をL、Y電極21の間隔をLとする。
Figure 0005589859
なお、ここでは波打ちの形状(例えば、図7右図を参照)が三角波的であることを考慮し、周期Lの正弦関数に加えて3次成分を考慮した補正関数fx、fyを紹介した。もちろん、5次成分など、奇数次の高次成分をさらに考慮してもよい。また、上記の補正関数fx、fyに含まれる係数a、b、c、dは、容量値検出部101により検出された容量値の大きさに応じて決定される。図12に示すように、波打ちの振幅は、容量値の大きさに依存する。具体的には、容量値が小さくなるにつれて、波打ちの振幅が大きくなる傾向にある。そのため、波打ちを良く相殺するように補正するためには、補正関数fx、fyの振幅を表す係数a、b、c、dを容量値に応じて変化させることが好ましい。
例えば、座標補正部103は、図13に示すように、容量値に応じて、補正関数fx、fyの1次成分に対応する係数a、c(1次のゲイン)、及び3次成分に対応する係数b、d(3次のゲイン)を決定する。なお、係数a、b、c、dの大きさを補正量と呼ぶことにする。この補正量は、図12に示した波打ちの特性と同様に、容量値が小さくなるほど大きな値に設定される。また、容量値が小さくなるほど波打ちの形状が三角波に近くなることから、容量値が小さい領域で3次のゲインが大きく設定される。例えば、係数a、b、c、dは、容量値に依存する所定の関数により表現されるか、波打ちの実測値にマッピングすることで得られるデータテーブルなどを用いて表現される。
このように、座標補正部103は、X電極11の間隔及びY電極21の間隔を周期とする周期関数を含む補正関数fx、fyによりタッチ位置の軌跡に現れる波打ちを相殺するように座標を補正する。この補正により、次のような効果が得られる。
[2−2:補正により得られる効果]
まず、図14を参照する。図14は、斜め方向にドラッグ操作した場合に検出されるタッチ位置の軌跡に対し、上記の式(3)及び式(4)に示す補正関数fx、fyを作用させた結果を示している。図14を参照すると、上記の式(3)及び式(4)に示す補正関数fx、fyを作用させることにより、波打ちの振幅が十分に抑制されていることが分かる。次に、図15を参照する。図15は、X方向にドラッグ操作した場合に検出されるタッチ位置の軌跡に対し、上記の式(3)及び式(4)に示す補正関数fx、fyを作用させた結果を示している。図15を参照すると、上記の式(3)及び式(4)に示す補正関数fx、fyを作用させることにより、座標間距離(速度に相当)の波打ちが抑制されていることが分かる。このように、本実施形態に係る座標の補正を適用することにより、静電容量式タッチセンサによるタッチ位置の検出結果に生じる波打ちを抑制することが可能になる。
以上、本発明の一実施形態について説明した。上記のようにタッチ位置の座標が正しく補正されることにより、タップ操作時に生じる誤判定、ドラッグ操作時に生じる速度や軌跡の揺らぎ、ジェスチャー操作の誤認識などを抑制することが可能になる。
<3:変形例(電極構造の変形)>
次に、本実施形態の一変形例について説明する。本変形例は、ラインタイプの電極構造を持つ静電容量式タッチセンサに対し、本実施形態に係る技術を適用する方法に関する。
[3−1:静電容量式タッチセンサの電極構造]
図16に示すように、ラインタイプの電極構造を有する静電容量式タッチセンサは、細いスリットで仕切られ、ほぼ一面を覆うように配置されたGNDを成す複数のX電極51と、ライン状の複数のY電極52とを有する。先に説明した静電容量式タッチセンサと同様、X電極51及びY電極52の静電容量は制御装置100により監視される。また、制御装置100は、その静電容量の変化からタッチ位置の座標を検出する。なお、制御装置100の機能構成は図11に示した通りである。但し、この場合、座標補正部103による座標の補正に利用される補正関数の構成が次のように変形される。
[3−2:タッチ位置の補正方法]
座標補正部103は、X電極51の間隔及びY電極52の間隔を周期とする周期関数を含む補正関数を用いて波打ちをキャンセルするようにタッチ位置の座標を補正する。例えば、座標補正部103は、下記の式(5)及び式(6)に示すような補正関数fx’、fy’を利用し、下記の式(7)及び式(8)のようにタッチ位置の座標を補正する。但し、補正前の座標を(X,Y)、補正後の座標を(X’,Y’)、X電極51の間隔をL、Y電極52の間隔をLとする。
Figure 0005589859
[3−3:補正により得られる効果]
本変形例に係る電極構造の場合、斜め方向にドラッグ操作した際に静電容量式タッチセンサにより検出されるタッチ位置の軌跡は、図17左図のようになる。また、上記の式(7)及び式(8)に示した補正関数fx’、fy’により補正した後の軌跡は、図17右図のようになる。図17の左図及び右図を比較すると明らかなように、タッチ位置の軌跡に生じていた波打ちは、上記の補正により抑制されている。
(補足説明)
なお、補正関数fx’、fy’の振幅を表す係数a、b、c、dは、容量値に対する依存関係(図18及び図19を参照)を有する。本変形例の場合、X電極51は幅が広く、Y電極52は幅が狭い。そのため、操作体Hの僅かな位置変化に対する静電容量の変化は、X電極51よりも幅の狭いY電極52に生じやすい。そのため、X方向に対する補正量(図18)に比べ、Y方向に対する補正量(図19)の方が数倍(この例では約3倍)大きくなっている。なお、この例において比a/b、比c/dは一定となっている。
このように、電極構造に依存して補正関数fx’、fy’の振幅を表す係数a、b、c、dは適宜調整されるべきである。例えば、ある静電容量式タッチセンサにおいて生じる波打ちを打ち消すように補正量を調整した結果、図20に示すような特性が得られる場合もある。図20の例では、容量値が大きな領域で補正量が負の値をとっている。但し、このような場合、実測値などから補正量の合わせ込みを行う必要がある。
以上、本実施形態に係る一変形例について説明した。上記のようにタッチ位置の座標が正しく補正されることにより、タップ操作時に生じる誤判定、ドラッグ操作時に生じる速度や軌跡の揺らぎ、ジェスチャー操作の誤認識などを抑制することが可能になる。
<4:ハードウェア構成例>
上記の制御装置100又は上記の静電容量式タッチセンサを搭載した情報処理装置が有する各構成要素の機能は、例えば、図21に示すハードウェア構成を用いて実現することが可能である。つまり、当該各構成要素の機能は、コンピュータプログラムを用いて図21に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
図21に示すように、このハードウェアは、主に、CPU902と、ROM904と、RAM906と、ホストバス908と、ブリッジ910と、を有する。さらに、このハードウェアは、外部バス912と、インターフェース914と、入力部916と、出力部918と、記憶部920と、ドライブ922と、接続ポート924と、通信部926と、を有する。但し、上記のCPUは、Central Processing Unitの略である。また、上記のROMは、Read Only Memoryの略である。そして、上記のRAMは、Random Access Memoryの略である。
CPU902は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM904、RAM906、記憶部920、又はリムーバブル記録媒体928に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM904は、CPU902に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM906には、例えば、CPU902に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
これらの構成要素は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス908を介して相互に接続される。一方、ホストバス908は、例えば、ブリッジ910を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス912に接続される。また、入力部916としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力部916としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。
出力部918としては、例えば、CRT、LCD、PDP、又はELD等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。但し、上記のCRTは、Cathode Ray Tubeの略である。また、上記のLCDは、Liquid Crystal Displayの略である。そして、上記のPDPは、Plasma DisplayPanelの略である。さらに、上記のELDは、Electro−Luminescence Displayの略である。
記憶部920は、各種のデータを格納するための装置である。記憶部920としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。但し、上記のHDDは、Hard Disk Driveの略である。
ドライブ922は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体928に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体928に情報を書き込む装置である。リムーバブル記録媒体928は、例えば、DVDメディア、Blu−rayメディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体928は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。但し、上記のICは、Integrated Circuitの略である。
接続ポート924は、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器930を接続するためのポートである。外部接続機器930は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。但し、上記のUSBは、Universal Serial Busの略である。また、上記のSCSIは、Small Computer System Interfaceの略である。
通信部926は、ネットワーク932に接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。また、通信部926に接続されるネットワーク932は、有線又は無線により接続されたネットワークにより構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、可視光通信、放送、又は衛星通信等である。但し、上記のLANは、Local Area Networkの略である。また、上記のWUSBは、Wireless USBの略である。そして、上記のADSLは、Asymmetric Digital Subscriber Lineの略である。
<5:まとめ>
最後に、本発明の実施形態に係る技術内容について簡単に纏める。ここで述べる技術内容は、例えば、PC、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯情報端末、情報家電、カーナビゲーションシステム等、種々の情報処理装置及び当該情報処理装置に搭載される静電容量式タッチセンサに適用可能である。
例えば、このような静電容量式タッチセンサとしては、第1の方向に沿って配線された複数の第1の電極と、前記第1の方向と略直角な第2の方向に沿って配線された複数の第2の電極と、前記第1及び第2の電極における静電容量に基づいて前記第1及び第2の電極に近接した操作体の位置を検出する位置検出部と、を有するものが考えられる。
また、このような静電容量式タッチセンサを搭載した情報処理装置としては、後述する位置情報取得部、容量値取得部、及び位置情報補正部を有するものが考えられる。当該位置情報取得部は、上記の静電容量式タッチセンサから、前記位置検出部により検出された操作体の位置を示す位置情報を取得するものである。また、上記の容量値取得部は、前記静電容量式タッチセンサから、前記第1及び第2の電極における静電容量の値を示す容量値を取得するものである。
そして、上記の位置情報補正部は、前記第1の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第1の振幅A1を有する第1の周期関数を含む第1の補正関数と、前記第2の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第2の振幅A2を有する第2の周期関数を含む第2の補正関数と、を用いて、前記位置情報取得部により取得された位置情報を補正するものである。
第1及び第2の電極でグリッドを構成する静電容量式タッチセンサを用いると、直線的なドラッグ操作時に検出されるタッチ位置の軌跡に、グリッドの周期を持つ波打ちが発生する。しかし、本実施形態に係る技術を適用すると、グリッドの周期を持つ補正関数により波打ちが相殺され、正しいタッチ位置の軌跡が得られる。また、静電容量の大きさに応じて変化する波打ちの振幅を考慮した補正関数を利用することにより、タッチ位置の軌跡に生じる波打ちをより効果的に相殺することが可能になる。その結果、より正しいタッチ位置の軌跡が得られる。もちろん、ドラッグ操作以外のタッチ操作を行う場合においても、上記の補正関数を利用してタッチ位置を補正することにより、より正確なタッチ位置を得ることが可能になる。
(備考)
上記の制御装置100は、位置情報補正装置の一例である。上記のX電極11、51又はY電極21、52は、第1の電極又は第2の電極の一例である。上記の容量値検出部101及び座標算出部102は、位置検出部の一例である。上記の座標補正部103は、位置情報取得部、容量値取得部、位置情報補正部、速度算出部の一例である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 第1電極群
11、51 X電極
20 第2電極群
21、52 Y電極
100 制御装置
101 容量値検出部
102 座標算出部
103 座標補正部

Claims (12)

  1. 第1の方向に沿って配線された複数の第1の電極と、前記第1の方向と略直角な第2の方向に沿って配線された複数の第2の電極と、前記第1及び第2の電極における静電容量に基づいて前記第1及び第2の電極に近接した操作体の位置を検出する位置検出部と、を有するタッチセンサから、前記位置検出部により検出された操作体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記タッチセンサから、前記第1及び第2の電極における静電容量の値を示す容量値を取得する容量値取得部と、
    前記第1の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第1の振幅A1を有する第1の周期関数を含む第1の補正関数と、前記第2の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第2の振幅A2を有する第2の周期関数を含む第2の補正関数と、を用いて、前記位置情報取得部により取得された位置情報を補正する位置情報補正部と、
    を備える、
    位置情報補正装置。
  2. 前記第1及び第2の振幅は、前記容量値の減少に伴って増加する、
    請求項1に記載の位置情報補正装置。
  3. 前記第1及び第2の振幅は、前記容量値が所定値を下回る領域で一定値をとり、かつ、前記容量値が所定値を上回る領域で前記容量値の減少に伴って増加する、
    請求項1に記載の位置情報補正装置。
  4. 前記第1の補正関数は、前記第1の周期関数の周期に比べてK倍(Kは3以上の奇数)の周期を有し、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第3の振幅A3を有する第3の周期関数をさらに含み、
    前記第2の補正関数は、前記第2の周期関数の周期に比べてK倍の周期を有し、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第4の振幅A4を有する第4の周期関数をさらに含み、
    前記第1の振幅に対する前記第3の振幅の比率(A3/A1)、及び前記第2の振幅に対する前記第4の振幅の比率(A4/A2)は、前記容量値の減少に伴って増加する、
    請求項1に記載の位置情報補正装置。
  5. 前記位置情報補正部は、前記位置情報取得部により取得された位置情報のうち、前記第1の方向に沿った位置を示す第1の座標を前記第1の補正関数に基づいて補正し、前記第2の方向に沿った位置を示す第2の座標を前記第2の補正関数に基づいて補正する、
    請求項1に記載の位置情報補正装置。
  6. 前記位置情報補正部により補正された位置情報に基づいて前記操作体の移動速度を算出する速度算出部をさらに備える、
    請求項1に記載の位置情報補正装置。
  7. 前記第1の補正関数は、前記第1の周期関数の周期に比べて2倍の周期を有し、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第3の振幅A3を有する第3の周期関数をさらに含み、
    前記第2の補正関数は、前記第2の周期関数の周期に比べて2倍の周期を有し、かつ、前記容量値取得部により取得された容量値に応じた第4の振幅A4を有する第4の周期関数をさらに含み、
    前記第1の振幅に対する前記第3の振幅の比率(A3/A1)、及び前記第2の振幅に対する前記第4の振幅の比率(A4/A2)は略一定値となる、
    請求項1に記載の位置情報補正装置。
  8. 前記第1及び第2の補正関数に含まれる周期関数は正弦関数である、
    請求項1に記載の位置情報補正装置。
  9. 前記第1の補正関数は、前記容量値が一定になるように維持しながら前記第1の方向に沿って前記操作体を一定速度で移動した場合に前記位置検出部により検出される位置の間隔を一定に近づける方向に補正するための関数であり、
    前記第2の補正関数は、前記容量値が一定になるように維持しながら前記第2の方向に沿って前記操作体を一定速度で移動した場合に前記位置検出部により検出される位置の間隔を一定に近づける方向に補正するための関数である、
    請求項1に記載の位置情報補正装置。
  10. 第1の方向に沿って配線された複数の第1の電極と、
    前記第1の方向と略直角な第2の方向に沿って配線された複数の第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極における静電容量の値を検出する容量検出部と、
    前記容量検出部により検出された静電容量の値に基づいて前記第1及び第2の電極に近接した操作体の位置を検出する位置検出部と、
    前記第1の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記静電容量の値に応じた第1の振幅を有する第1の周期関数を含む第1の補正関数と、前記第2の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記静電容量の値に応じた第2の振幅を有する第2の周期関数を含む第2の補正関数と、を用いて、前記位置検出部により検出された位置の情報を補正する位置補正部と、
    を備える、
    タッチセンサ。
  11. 第1の方向に沿って配線された複数の第1の電極と、前記第1の方向と略直角な第2の方向に沿って配線された複数の第2の電極と、前記第1及び第2の電極における静電容量に基づいて前記第1及び第2の電極に近接した操作体の位置を検出する位置検出部と、を有するタッチセンサから、前記位置検出部により検出された操作体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
    前記タッチセンサから、前記第1及び第2の電極における静電容量の値を示す容量値を取得する容量値取得ステップと、
    前記第1の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得ステップで取得された容量値に応じた第1の振幅A1を有する第1の周期関数を含む第1の補正関数と、前記第2の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得ステップで取得された容量値に応じた第2の振幅A2を有する第2の周期関数を含む第2の補正関数と、を用いて、前記位置情報取得ステップで取得された位置情報を補正する位置情報補正ステップと、
    を含む、
    位置情報補正方法。
  12. 第1の方向に沿って配線された複数の第1の電極と、前記第1の方向と略直角な第2の方向に沿って配線された複数の第2の電極と、前記第1及び第2の電極における静電容量に基づいて前記第1及び第2の電極に近接した操作体の位置を検出する位置検出部と、を有するタッチセンサから、前記位置検出部により検出された操作体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得機能と、
    前記タッチセンサから、前記第1及び第2の電極における静電容量の値を示す容量値を取得する容量値取得機能と、
    前記第1の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得機能により取得された容量値に応じた第1の振幅A1を有する第1の周期関数を含む第1の補正関数と、前記第2の電極の配線間隔を周期とし、かつ、前記容量値取得機能により取得された容量値に応じた第2の振幅A2を有する第2の周期関数を含む第2の補正関数と、を用いて、前記位置情報取得機能により取得された位置情報を補正する位置情報補正機能と、
    をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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