JP5585026B2 - 感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜および半導体装置装置 - Google Patents
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Description
ここでポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂を用いた場合のプロセスを簡略化するために、感光材のジアゾキノン化合物をこれらの樹脂と組み合わせたポジ型感光性樹脂組成物も使用されている(例えば、特許文献1参照)。
これらポジ型感光性樹脂を実際のプロセスに用いた場合、問題となるのは露光特性であり、その中でも特に重要なのは露光時間である。つまり、スループット向上のため、g線およびi線に対して短時間で露光できる高感度であるポジ型感光性樹脂が望まれている。また、半導体の小型化に伴い微細パターンの形成が必要となるために高解像度であるポジ型感光性樹脂が望まれている。
また、現像液として一般に広く用いられている2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像できることが強く望まれている。
さらに、近年、短納期および低コストという観点から、半導体ウエハーのパッド部を無電解めっきを用いてNiおよびAu層を形成し、半田ボールをレーザーで搭載するという表面実装型半導体ウエハーが増えてきている。この無電解めっき工程においては、pHが13以上の強アルカリ性水溶液で処理するジンケート処理があり、強アルカリ性水溶液への耐性に優れたポジ型感光性樹脂組成物が必要とされている。
ところが、従来のポジ型感光性樹脂組成物では、g線とi線に高感度かつ高解像度で、汎用現像液での現像が可能であり、さらに強アルカリ水溶液耐性に優れる性能を同時に満たすことは困難であった。
(1)ベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)100重量部と、
下記一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂(B)0.1〜100重量部と、感光剤(C)1〜50重量部と、
を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物、
(4)前記ベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)が、一般式(3)で示される樹脂である(1)ないし(3)のいずれか記載のポジ型感光性樹脂組成物、
(7)前記一般式(6)中のY4およびY5が、下記式(7)からなる群より選ばれる構
造単位を含むものである、(6)に記載のポジ型感光性樹脂組成物、
(9)前記一般式(6)で示される樹脂の側鎖および他方の末端の少なくとも一方に窒素含有環状化合物を含む酸無水物を反応させ、前記一般式(6)で示される樹脂に窒素含有環状化合物を導入したものである、(6)ないし(8)のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物、
(10)さらに、フェノール性水酸基を有する化合物(D)を含むものである、(1)ないし(9)のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物、
(11)前記フェノール性水酸基を有する化合物(D)が、下記式(8)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、(10)に記載のポジ型感光性樹脂組成物、
(13)(12)に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする保護膜、
(14)(12)に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする絶縁膜、
(15)(12)に記載の硬化膜を有することを特徴とする半導体装置、
(16)(12)に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示体装置。
独立に水素原子、炭素数1〜15の有機基であるが、強アルカリ性水溶液に対する耐性に優れる水素原子、炭素数1〜10の有機基が好ましい。
ビフェニルジオールと、ジカルボン酸、ジカルボン酸クロライド等のカルボン酸誘導体とを、反応して得られる構造単位を有するものが特に好ましい。この時、ジカルボン酸を使用する場合には、反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のカルボン酸誘導体を用いても良い。
性に優れる性能を全て同時に満たすことが可能となる。
ともできる。
本発明の硬化膜は、例えば下記の工程を経て得ることができる。
上述したポジ型感光性組成物を支持体(例えばシリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等)に塗布する(塗布工程)。塗布量は、半導体素子上に塗布する場合、硬化後の膜の厚さが、例えば0.1〜30μmになるよう塗布する。膜の厚さが前記下限値を下回ると半導体素子の保護(表面)膜としての機能を十分に発揮することが困難となる場合があり、前記上限値を越えると微細な加工パターンを得ることが困難となる場合がある。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等を挙げることができる。
用できるが、例えば200〜500nmの波長のものが好ましい。
未露光部ではジアゾキノン化合物がポリアミド樹脂と作用し、溶解抑止効果を発現して、アルカリ水溶液に難溶となる。一方、露光部ではジアゾキノン化合物が化学変化を起こし、アルカリ水溶液に可溶となる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することにより未露光部のみの塗膜パターンの作製が可能となるものである。現像工程で使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液およびこれにメタノール、エタノール等のアルコール類の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、例えばスプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
加熱処理温度は、特に限定されないが、150〜380℃が好ましく、特に250〜380℃が好ましい。
るものではない。
[ベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸21.43g(0.083モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール22.43g(0.166モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物40.87g(0.083モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン32.96g(0.090モル)と3,3’−ジアミノ−4,4 ’−ビフェニルジオール2.16g(
0.010モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン296.96gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン34.88gに溶解させた3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物6.98g(0.0425モル)を加え、さらに12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/イソプロパノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A−1)を得た。
3,3’−ジアミノジフェニルスルホン23.80g(0.096モル)と1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物26.20g(0.132モル)とN−メチル−2−ピロリドン200.00gとを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、溶解させた後、オイルバスを用いて35℃にて5時間反応させた。得られたポリアミド溶液を(B−1)とする。
1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン51重量部(0.12モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド72.5重量部(0.27モル)をテトラヒドロフラン450mlに溶解し、トリエチルアミン28.3重量部(0.28モル)を滴下する。室温で20時間反応させた後、析出したトリエチルアミンの塩酸塩を濾別除去し、イオン交換水10Lに投入し、沈殿物を得た。この沈殿物を凝集し、室温で48時間真空乾燥させた。これを感光剤(C−1)とする。
合成したポベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A−1)10g、合成したポリアミド溶液(B−1)1.25g、合成した感光剤(C−1)2gをγ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
実施例1のベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)の合成において、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの添加量を25.64g(0.070モル)に、3,3’−ジアミノ−4,4 ’−ビフェニルジオー
ルの添加量を6.49g(0.030モル)に変更してベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)を合成した(A−2)。また、ベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)の合成以外は、実施例1と同様に、ポリアミド樹脂(B)の合成、感光剤の合成、ポジ型感光性樹脂組成物の作製を行った。
実施例1のポジ型感光性樹脂樹脂組成物の作製において、さらにフェノール化合物(D−1)0.5gを添加した以外は、実施例1と同様に、ベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)の合成、ポリアミド樹脂(B)の合成、感光剤の合成、ポジ型感光性樹脂組成物の作製を行った。
実施例3のポジ型感光性樹脂樹脂組成物の作製において、合成したポリアミド溶液(B−1)を2.5g添加した以外は、実施例3と同様に、ベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)の合成、ポリアミド樹脂(B)の合成、感光剤の合成、ポジ型感光性樹脂組成物の作製を行った。
実施例3のポリアミド樹脂(B)の合成において、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン23.80g(0.096モル)を1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン24.00g(0.082モル)に、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物26.20g(0.132モル)を4,4’−オキシジフタル酸無水物26.00g(0.084モル)に変更してポリアミド溶液(B−2)を合成した。また、ポリアミド樹脂(B)の合成以外は、実施例3と同様に、ベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)の合成、感光剤の合成、ポジ型感光性樹脂組成物の作製を行った。
実施例1のポジ型感光性樹脂組成物の作製において、ポリアミド溶液(B−1)を添加しない以外は、実施例1と同様に、ベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)の合成、感光剤の合成、ポジ型感光性樹脂組成物の作製を行った。
実施例1のベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)の合成において、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの添加量を36.63g(0.100モル)に、3,3’−ジアミノ−4,4 ’−ビフェニルジオー
ルを無添加に変更してベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂(A)を合成し(A−3)、ポリアミド溶液(B−1)を添加しない以外は、実施例1と同様に、感光剤の合成、ポジ型感光性樹脂組成物の作製を行った。
1.g線感度および解像度
各実施例および比較例で得られたポジ型感光性樹脂組成物を、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約1
0μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製g線ステッパNSR―1505G3Aを用いて、露光量を100mJ/cm2から10mJ/cm2ステップで増やして露光を行った。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスし、未露光部でパターンが形成されている露光量(g線感度)および未露光部でパターンが形成されている露光量で良好に開口したパターン幅(i線解像度)を算出した。
各実施例および比較例で得られたポジ型感光性樹脂組成物を、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製i線ステッパNSR―4425iを用いて、露光量を100mJ/cm2から10mJ/cm2ステップで増やして露光を行った。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスし、未露光部でパターンが形成されている露光量(i線感度)および未露光部でパターンが形成されている露光量で良好に開口したパターン幅(i線解像度)を算出した。
シリコンウエハー上にTiを500Åの厚みでスパッタ膜を形成し、続いてAlを3,000Åの厚さでスパッタ膜を形成した。各実施例および各比較例で得られたポジ型感光性樹脂組成物を上記シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製g線ステッパNSR―1505G3Aを用いて、露光量を320mJ/cm2固定として露光を行った。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。上記パターン加工したシリコンウエハーをクリーンオーブンにて酸素濃度1,000ppm以下で、150℃/30分、320℃/30分で硬化を行った。次に、このシリコンウエハーをジンケート処理液(メルテックス(株)製、メルプレートFZ−7350)に25℃/15分の条件で浸漬させた。次に純水で5分洗浄した後、乾燥させて膜表面を金属顕微鏡で観察した(評価はn=10で行った)。各符号は、以下の通りである。
◎:全てのサンプルにおいて、剥離は観察されなかった。
○:7〜9個のサンプルにおいて、剥離は観察されなかった。
△:全てのサンプルで微少な剥離が観察された。
×:全てのサンプルで激しく剥離が観察された。
Claims (15)
- 前記一般式(6)で示される樹脂の少なくとも一方の末端のアミノ基に、アルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基、または環式化合物基を含む酸無水物を反応させ、前記一般式(6)で示される樹脂の末端に不飽和基を導入したものである、請求項5または6に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記一般式(6)で示される樹脂の側鎖および他方の末端の少なくとも一方に窒素含有環状化合物を含む酸無水物を反応させ、前記一般式(6)で示される樹脂に窒素含有環状化合物を導入したものである、請求項5ないし7のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- さらに、フェノール性水酸基を有する化合物(D)を含むものである、請求項1ないし8のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする硬化膜。
- 請求項11に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする保護膜。
- 請求項11に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする絶縁膜。
- 請求項11に記載の硬化膜を有することを特徴とする半導体装置。
- 請求項11に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示体装置。
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