しかしながら上記技術は、以下の点で改善の余地を有していた。特許文献1の技術は、上記間隔距離に応じて一律に時間間隔を決めるため、その時間間隔と実際に現在位置に携帯端末が滞留する時間との整合性が低く、携帯端末が動き出した直後の測位ができない可能性が高かった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、携帯端末における測位処理を制御し、適切な時間間隔で測位処理を実行させる測位システム、測位方法、サーバ装置および記憶媒体を提供することにある。
本発明によれば、測位する時刻を示す測位スケジュール情報に基づいて間欠的に自機の位置を測位する携帯端末と、前記測位スケジュール情報を生成して前記携帯端末に送信するサーバ装置と、を備え、前記サーバ装置は、前記携帯端末から測位された位置を示す位置情報を受信する位置情報受信手段と、前記位置情報受信手段により受信された前記位置情報と、前記位置情報に対応付けられた時刻情報と、をそれぞれ記憶している位置情報記憶手段と、前記位置情報受信手段が新規に受信した新規位置情報と一致する前記位置情報を前記位置情報記憶手段から検索し、検索された前記位置情報に対応付けられた前記時刻情報を解析し、前記新規位置情報が示す位置において前記携帯端末が滞留する時間の予測値を算出する滞留時間解析手段と、前記滞留時間解析手段により算出された前記予測値に基づいて前記測位スケジュール情報を生成するスケジュール生成手段と、前記スケジュール生成手段により生成された前記測位スケジュール情報を前記携帯端末に送信するスケジュール送信手段と、を含むことを特徴とする測位システムが提供される。
また、本発明によれば、測位する時刻を示す測位スケジュール情報に基づいて間欠的に自機の位置を測位する携帯端末から測位された位置を示す位置情報を受信する位置情報受信ステップと、前記位置情報受信ステップにおいて受信された前記位置情報と、前記位置情報に対応付けられた時刻情報と、をそれぞれ記憶する位置情報記憶ステップと、前記位置情報受信ステップにおいて新規に受信された新規位置情報と一致する前記位置情報を検索し、検索された前記位置情報に対応付けられた前記時刻情報を解析し、前記新規位置情報が示す位置において前記携帯端末が滞留する時間の予測値を算出する滞留時間解析ステップと、前記滞留時間解析ステップにおいて算出された前記予測値に基づいて前記測位スケジュール情報を生成するスケジュール生成ステップと、前記スケジュール生成ステップにおいて生成された前記測位スケジュール情報を前記携帯端末に送信するスケジュール送信ステップと、を備えることを特徴とする測位方法が提供される。
さらに、本発明によれば、測位する時刻を示す測位スケジュール情報に基づいて間欠的に自機の位置を測位する携帯端末から測位された位置を示す位置情報を受信する位置情報受信手段と、前記位置情報受信手段により受信された前記位置情報と、前記位置情報に対応付けられた時刻情報と、をそれぞれ記憶している位置情報記憶手段と、前記位置情報受信手段が新規に受信した新規位置情報と一致する前記位置情報を前記位置情報記憶手段から検索し、検索された前記位置情報に対応付けられた前記時刻情報を解析し、前記新規位置情報が示す位置において前記携帯端末が滞留する時間の予測値を算出する滞留時間解析手段と、前記滞留時間解析手段により算出された前記予測値に基づいて前記測位スケジュール情報を生成するスケジュール生成手段と、前記スケジュール生成手段により生成された前記測位スケジュール情報を前記携帯端末に送信するスケジュール送信手段と、を備えることを特徴とするサーバ装置が提供される。
さらに、本発明によれば、コンピュータが読み出し可能な記憶媒体に格納されるプログラムであって、測位する時刻を示す測位スケジュール情報に基づいて間欠的に自機の位置を測位する携帯端末から測位された位置を示す位置情報を受信する位置情報受信処理と、前記位置情報受信処理において受信された前記位置情報と、前記位置情報に対応付けられた時刻情報と、をそれぞれ記憶する位置情報記憶処理と、前記位置情報受信処理において新規に受信された新規位置情報と一致する前記位置情報を検索し、検索された前記位置情報に対応付けられた前記時刻情報を解析し、前記新規位置情報が示す位置において前記携帯端末が滞留する時間の予測値を算出する滞留時間解析処理と、前記滞留時間解析処理において算出された前記予測値に基づいて前記測位スケジュール情報を生成するスケジュール生成処理と、前記スケジュール生成処理において生成された前記測位スケジュール情報を前記携帯端末に送信するスケジュール送信処理と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラムが提供される。
上記発明によれば、実測における滞留時間をフィードバックして、携帯端末がその位置に滞留する時間を比較的高い精度で予測し、これに基づいて測位する時間間隔を定めるので、当該時間間隔を適切に定めることができる。
本発明によれば、携帯端末における測位処理を制御し、適切な時間間隔で測位処理を実行させる測位システム、測位方法、サーバ装置およびプログラムが提供される。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る測位システム1000の構成図である。測位システム1000は、測位する時刻を示す測位スケジュール情報に基づいて間欠的に自機の位置を測位する携帯端末100と、測位スケジュール情報を生成して携帯端末100に送信するサーバ装置200と、を備える。図1において、携帯端末100とサーバ装置200は有線で接続されて通信するように図示されているが、無線通信により通信可能であってもよい。
サーバ装置200は、携帯端末100から測位された位置を示す位置情報を受信する位置情報受信部210を備える。また、サーバ装置200は、位置情報受信部210により受信された位置情報と、位置情報に対応付けられた時刻情報と、をそれぞれ記憶している位置情報記憶部220を備える。さらに、サーバ装置200は、位置情報受信部210が新規に受信した新規位置情報と一致する位置情報を位置情報記憶部220から検索し、検索された位置情報に対応付けられた時刻情報を解析し、新規位置情報が示す位置において携帯端末100が滞留する時間の予測値を算出する滞留時間解析部230を備える。さらに、サーバ装置200は、滞留時間解析部230により算出された予測値に基づいて測位スケジュール情報を生成するスケジュール生成部240を備える。さらに、サーバ装置200は、スケジュール生成部240により生成された測位スケジュール情報を携帯端末100に送信するスケジュール送信部250を備える。
携帯端末100は、サーバ装置200から測位スケジュール情報を受信するスケジュール受信部140を備える。また、携帯端末100は、スケジュール受信部140により受信された測位スケジュール情報を記憶媒体(図示せず)に記憶し、記憶されている測位スケジュール情報が示す時刻に測位部120に測位処理を実行させる測位制御部130を備える。さらに、携帯端末100は、測位制御部130の制御により測位処理を実行して、自機の位置を示す位置情報を生成する測位部120を備える。さらに、携帯端末100は、測位部120により生成された位置情報をサーバ装置200に送信する位置情報送信部110を備える。
携帯端末100およびサーバ装置200に内包される構成の全部または一部は、ハードウェアで実現されてもよいし、あるいは、プロセッサに処理を実行させるプログラム(またはプログラムコード)で実現されてもよい。プロセッサは、不揮発性メモリなどの記録媒体からそのプログラムを読み出し実行する。
サーバ装置200に内包される構成がプログラムによって実施される場合、当該プログラムはサーバ装置200(コンピュータ)が読み出し可能な記憶媒体に格納される。そして、当該プログラムは、測位する時刻を示す測位スケジュール情報に基づいて間欠的に自機の位置を測位する携帯端末100から測位された位置を示す位置情報を受信する位置情報受信処理をサーバ装置200に実行させる。また、当該プログラムは、位置情報受信処理において受信された位置情報と、位置情報に対応付けられた時刻情報と、をそれぞれ記憶する位置情報記憶処理をサーバ装置200に実行させる。さらに、当該プログラムは、位置情報受信処理において新規に受信された新規位置情報と一致する位置情報を検索し、検索された位置情報に対応付けられた時刻情報を解析し、新規位置情報が示す位置において携帯端末100が滞留する時間の予測値を算出する滞留時間解析処理をサーバ装置200に実行させる。さらに、当該プログラムは、滞留時間解析処理において算出された予測値に基づいて測位スケジュール情報を生成するスケジュール生成処理をサーバ装置200に実行させる。さらに、当該プログラムは、スケジュール生成処理において生成された測位スケジュール情報を携帯端末100に送信するスケジュール送信処理をサーバ装置200に実行させる。
測位部120が実行する測位処理とは、GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて演算して位置情報を生成する処理であってもよい。また、測位処理とは、GPS衛星から受信したGPS信号を演算サーバ(図示せず)に送信して、演算サーバが演算して得られた位置情報を受信する処理であってもよい。さらに、測位処理とは、携帯端末100と通信可能なエリア内に設置されている無線装置(図示せず)と相互に無線通信することによって、位置情報を生成する処理であってもよい。なお、ここで述べた演算サーバや無線装置は、サーバ装置200が有する機能として実現されてもよい。
位置情報記憶部220が記憶している時刻情報とは、対応付けられている位置情報が測位部120により生成された時刻を示す情報であってもよい。また、時刻情報とは、対応付けられている位置情報が位置情報送信部110により送信された時刻であってもよいし、当該位置情報が位置情報受信部210により受信された時刻であってもよいし、当該位置情報が位置情報記憶部220に記憶された時刻であってもよい。
滞留時間解析部230は、位置情報記憶部220に記憶されている位置情報のうち、位置情報受信部210が新規に受信した新規位置情報と一致する位置情報を検索する。ここで一致するとは、完全一致であってもよいし、所定の誤差以内であれば一致と見なしてもよい。このとき、滞留時間解析部230は、位置情報受信部210から新規位置情報を受け付けたことをトリガにして、上記検索処理を実行してもよい。
また、滞留時間解析部230は、上記検索処理によって抽出された位置情報に対応付けられている時刻情報に対して解析処理を実行する。具体的に解析処理とは、解析対象である複数の時刻情報が示す時刻を各々比較して、近い時刻を示す複数の時刻情報を一つのグループとして分ける。このとき、他の時刻情報と近い時刻を示さない単独の時刻情報は解析処理から除外してもよい。そして、分けられたグループに含まれる複数の時刻情報が示す時刻の差分をそれぞれ求め、最大値をそのグループにおける滞留時間として算出する。複数のグループにおいて上記滞留時間を算出することによって、複数の滞留時間を算出することができる。
そして、滞留時間解析部230は、上記解析処理によって算出された複数の滞留時間の平均時間を予測値として算出してもよい。この場合、スケジュール生成部240は、上記滞留時間の平均時間に基づいて測位スケジュール情報を生成する。
具体的には、スケジュール生成部240は、新規位置情報に対応づけられた時刻情報が示す時刻から、上記滞留時間の平均時間が経過した時刻に次の測位処理を実行するように測位スケジュール情報を生成してもよい。あるいは、スケジュール生成部240は、新規位置情報に対応づけられた時刻情報が示す時刻から、上記滞留時間の平均時間が経過した時刻までの間、所定の回数だけ均等な時間間隔で測位処理を実行するように測位スケジュール情報を生成してもよい。
または、滞留時間解析部230は、上記解析処理によって算出された複数の滞留時間それぞれを確率変数とする連続関数を算出し、この連続関数を予測値としてもよい。
ここで、図4に滞留時間解析部230により算出された連続関数の一例を表す。図4において横軸は滞留時間の長さを表しており、縦軸はその位置においてその滞留時間となる確率を表している。
なお、図4に示すとおり、上記連続関数は連続的な値をとる。上記解析処理によって算出された複数の滞留時間それぞれは離散的な値であるが、これらに基づいて連続関数を算出する手法は種々紹介されているので、ここでの詳細説明は割愛する。
算出された連続関数を予測値とする場合、スケジュール生成部240は、上記滞留時間の平均時間に基づいて測位スケジュール情報を生成する。具体的には、スケジュール生成部240は、複数の時刻を示す測位スケジュール情報を生成するとき、複数の時刻における時間間隔において連続関数を積分した値が等しくなるように定めてもよい。
ここで図5は、算出された連続関数に基づいて測位スケジュール情報を生成する概念を示す図である。ここでt1は、新規位置情報に対応する時刻情報が示す時刻である。またt5は、t1に算出された遅延時間の最大値を加算した時刻である。さらにt2、t3およびt4は、スケジュール生成部240により生成された測位スケジュール情報が示す測位処理を実行する予定時刻である。このとき、算出された連続関数をf(t)とすると以下の式(1)が成立する。
すなわち、t1からt2の時間帯で携帯端末100が移動を開始する確率と、t2からt3の時間帯で携帯端末100が移動を開始する確率と、t3からt4の時間帯で携帯端末100が移動を開始する確率と、t4からt5の時間帯で携帯端末100が移動を開始する確率と、が全て等しくなるように設定されている。ここでは、四つの区分として分けたが、任意の数だけ区分可能とする。
図2は、本発明の実施の形態に係る測位方法のうち携帯端末100におけるステップを表すフローチャートである。
この測位方法は、測位スケジュール情報が示す時刻になるまで待機し(ステップS1のNO)、測位スケジュール情報が示す時刻になったとき(ステップS1のYES)、測位処理を実行して、携帯端末100の位置を示す位置情報を生成する測位ステップ(ステップS2)を備える。
また、この測位方法は、測位ステップ(ステップS2)において生成された位置情報をサーバ装置200に送信する位置情報送信ステップ(ステップS3)を備える。
さらに、この測位方法は、サーバ装置200から測位スケジュール情報を受信するまで待機し(ステップS4のNO)、サーバ装置200から測位スケジュール情報を受信したとき(ステップS4のYES)、当該測位スケジュール情報を受信するスケジュール受信ステップ(ステップS5)を備える。
さらに、この測位方法は、スケジュール受信ステップ(ステップS5)において受信された測位スケジュール情報を記憶して設定するスケジュール設定ステップ(ステップS6)を備える。
なお、この測位方法は、終了しない間(ステップS7のNO)繰り返される。そして、この測位方法は、終了するべきとき(ステップS7のYES)に、終了となる。ここで、終了するべきときとは携帯端末100やサーバ装置200が電源断となった場合や、携帯端末100とサーバ装置200との間の通信が不能となった場合等が考えられる。
図3は、本発明の実施の形態に係る測位方法のうちサーバ装置200におけるステップを表すフローチャートである。
この測位方法は、測位する時刻を示す測位スケジュール情報に基づいて間欠的に自機の位置を測位する携帯端末100から測位された位置を示す位置情報を受信する位置情報受信ステップ(ステップT1)を備える。また、この測位方法は、位置情報受信ステップにおいて受信された位置情報と、位置情報に対応付けられた時刻情報と、をそれぞれ記憶する位置情報記憶ステップ(ステップT2)を備える。さらに、この測位方法は、位置情報受信ステップ(ステップT1)において新規に受信された新規位置情報と一致する位置情報を検索し、検索された位置情報に対応付けられた時刻情報を解析し、新規位置情報が示す位置において携帯端末100が滞留する時間の予測値を算出する滞留時間解析ステップ(ステップT3)を備える。さらに、この測位方法は、滞留時間解析ステップ(ステップT3)において算出された予測値に基づいて測位スケジュール情報を生成するスケジュール生成ステップ(ステップT4)を備える。さらに、この測位方法は、スケジュール生成ステップにおいて生成された測位スケジュール情報を携帯端末100に送信するスケジュール送信ステップ(ステップT5)を備える。
ここで、本実施形態の効果について説明する。本実施形態は、携帯端末における測位処理の時間間隔を、携帯端末の滞留時間の予測値に基づいて制御する。これにより、携帯端末の測位処理の頻度が少なくても済むとき(携帯端末が滞留しているとき)、測位処理の頻度を通常より減らすことができる。
また、本実施形態は、新規に受信した新規位置情報と一致する実測の位置情報を検索し、これに対応する時刻情報を解析し、現在位置に滞留する時間の予測値を求めて、携帯端末はこの予測値に基づいて測位する。これにより、実測における滞留時間をフィードバックして、測位する時間間隔を適切に定めるので、携帯端末がその位置に滞留する時間を比較的高い精度で予測することができる。
さらに、本実施形態は、新規に受信した新規位置情報が示す位置において携帯端末の滞留平均時間を予測値として算出したり、当該位置において携帯端末の滞留時間を確率変数とする連続関数を予測値として算出したりできる。
さらに、本実施形態は、確率的に等間隔な時間間隔で測位処理を実行する。これにより、より適切な測位処理の時間間隔制御を実現することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、図1の測位システム1000は、1台の携帯端末100と1台のサーバ装置200とが情報を授受しているが、どちらも複数であってよい。このとき、サーバ装置は、複数の携帯端末から位置情報とともに当該携帯端末を識別する識別情報を受信して記憶し、記憶した位置情報と識別情報に基づいて当該携帯端末に送信する測位スケジュール情報を生成して送信してもよい。
また、似通った行動をとる複数のユーザが本発明の携帯端末を使用することが前提となる場合、上記複数のユーザが使用する携帯端末には、一つのグループに属していることを示すグループ情報を割り当ててもよい。そして、サーバ装置は、複数の携帯端末から位置情報とともにグループ情報を受信して記憶し、グループが割り当てられている携帯端末から受信した位置情報に基づいて、当該グループに属している携帯端末それぞれに対して測位スケジュール情報を生成して送信してもよい。
さらに、上述したようなナビゲーションシステムと連動して動作し、設定された目的地における滞留時間の予測値を本発明によって予測してもよいし、目的地到着後に実行される測位処理制御についても本発明を用いてもよい。
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各構成要素の機能などを具体的に説明したが、その機能などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
また、本発明の測位方法には複数のステップを順番に記載してあるが、その記載の順番は複数のステップを実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の測位方法を実行するときには、その複数のステップの順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
この出願は、2009年4月16日に出願された日本出願特願2009−100241号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。