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JP5569902B2 - 湿式電気集塵機及び集塵方法 - Google Patents

湿式電気集塵機及び集塵方法 Download PDF

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JP5569902B2 JP2010066992A JP2010066992A JP5569902B2 JP 5569902 B2 JP5569902 B2 JP 5569902B2 JP 2010066992 A JP2010066992 A JP 2010066992A JP 2010066992 A JP2010066992 A JP 2010066992A JP 5569902 B2 JP5569902 B2 JP 5569902B2
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Description

本発明は、湿式電気集塵機及び集塵方法に関し、火災発生をより適切に防止することが可能な湿式電気集塵機及び集塵方法に関する。
従来より、電気集塵機は、生産プロセスにおいて大風量のガスを除塵する目的等で使用されており、大気汚染の防止や環境対策に多大な貢献をしている。
特に、湿式電気集塵機は、微粒子がきわめて微細でかさ密度が小さい場合や、微粒子の固有抵抗が低過ぎるか高過ぎる場合には、集塵極表面に水膜を作り、集塵極に達した微粒子がこの水と共に流れ落ちる構造となっている。このため、湿式電気集塵機は、再飛散現象及び逆電離現象が起こらず安定にしかも高い集塵効率を示すため、広く用いられている。
湿式電気集塵機は、滑らかな集塵極と、放電極とを備えている(例えば特許文献1参照)。
集塵極を接地し、放電極に負の高電圧を印加すると、放電極から旺盛なコロナ放電が発生し、集塵空間は負イオンと電子によって満たされる。
この集塵空間(以下、「イオン空間」と呼ぶ)にミストやダスト等の微粒子を含んだガスが流通すると、ガス中の微粒子は負に帯電する。
帯電した微粒子は、静電凝集作用を伴いながら、クーロン力により集塵極に向って移動し、集塵極上に付着する。
従来の湿式電気集塵機は、集塵極の上方に離間して配設されている下向きスプレーノズルから、多量の洗浄水を下方向に噴出させることによって、集塵極に付着した微粒子を洗浄除去する。
特願2000−313963号公報
しかしながら、微粒子を洗浄除去する期間(以下、「間欠洗浄期間」と呼ぶ)では、放電極の周囲に粒径の大きい洗浄水が通過する際に、スパーク電圧が低下するおそれがある。
このため、従来、間欠洗浄期間では、放電極への直流高電圧Vの印加を停止させる(直流電圧Vの値を0にする)か、或いはまた直流高電圧Vの値を低下させており、その結果、集塵効率が著しく低下していた。
従って、従来、集塵効率が著しく低下する間欠洗浄期間は、可能な限り短時間とし、かつ、可能な限り長時間の間隔をあける必要があった。例えば、10分程度の間欠洗浄期間が、8時間の間隔をあけて設けられる必要があった。
このため、従来、間欠洗浄期間の合間の長期間(上述に例では8時間)、洗浄水が止められるため、集塵極の表面が乾燥した状態で局部過熱が生じた場合には火災が発生するおそれがある。以下、火災発生のおそれが生じる要因について、さらに詳しく説明する。
放電極に印加される直流高電圧Vの値が一定値Vsを超えると、スパーク、即ち火花放電が発生する。このようなスパークが発生する電圧の値Vsを、以下「スパーク発生電圧値Vs」と呼ぶ。スパーク発生電圧値Vsは、イオン空間を流通する含塵気体(集塵対象の微粒子を含む気体)の性状に依存する。この含塵気体の性状はイオン空間内では一定とならずに変化するため、スパーク発生電圧値Vsもまた変化する。
従って、直流高電圧Vを一定にする制御が従来の湿式電気集塵機に対して施されたとしても、直流高電圧Vの値がスパーク発生電圧値Vsを超えて、スパークが発生する場合がある。また、放電線が切断し、これが集塵極と接触した場合、集塵極表面上には大電流が流れるため、局部加熱が発生する。
このような局部加熱が発生している集塵極が乾燥している場合には、着火して火災が発生するおそれがある。
特に、近年、硫黄や塩素等を含む腐食性ガスの排出用の湿式電気集塵機においては、当該腐食性ガスと接する集塵極やその周囲の部材として、腐食防止のために、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)の部材が採用される場合がある。このような場合には、火災発生のおそれはさらに高まることになる。
当然ながら、従来の湿式電気集塵機に対しても火災発生の防止措置は図られているが、このような従来の措置よりも適切に火災発生を防止できる措置の実現が求められている状況である。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、火災発生をより適切に防止することを目的とする。
本発明の一側面の湿式電気集塵機は、
直流高電圧が印加される放電極と、
微粒子を集塵する集塵極と、
前記集塵極に集塵された微粒子を洗浄除去する洗浄水を、前記集塵極に対して噴出するスプレーノズルを備え、
前記集塵極は、所定の形状の開口部を有する筒を単位として、複数の前記単位の集合体により構成されており、
前記放電極は、前記集塵極を構成する前記複数の単位の各々の中に収容されており、
前記スプレーノズルは、前記集塵極を構成する前記複数の単位に囲まれて形成される領域のうち、少なくとも1つの領域の上方に配設されており、前記洗浄水を噴出することによって、前記集塵極の表面に濡れ壁を形成させる、
ことを特徴とする。
本発明の一側面の湿式電気集塵機の集塵方法は、
所定の形状の開口部を有する筒を単位として、複数の前記単位の集合体により構成される集塵極と、
前記集塵極を構成する前記複数の単位の各々の中に収容される放電極と、
前記集塵極を構成する前記複数の単位に囲まれて形成される領域のうち、少なくとも1つの領域の上方に配設されているスプレーノズルと、
を備える湿式電気集塵機の集塵方法であって、
前記放電極に直流高電圧が印加されて、前記放電極近傍にて負コロナ放電が発生し、帯電した微粒子が前記集塵極に集塵されている状態で、
前記スプレーノズルは、前記集塵極に集塵された微粒子を洗浄除去する洗浄水を、前記集塵極に対して噴出することによって、前記集塵極の表面に濡れ壁を形成させる、
ことを特徴とする。
本発明の一側面の湿式電気集塵機及び集塵方法においては、
所定の形状の開口部を有する筒を単位として、複数の前記単位の集合体により構成される集塵極と、
前記集塵極を構成する前記複数の単位の各々の中に収容される放電極と、
前記集塵極を構成する前記複数の単位に囲まれて形成される領域のうち、少なくとも1つの領域の上方に配設されているスプレーノズルと、
を備える湿式電気集塵機によって、次のような動作がなされる。
即ち、前記放電極に直流高電圧が印加されて、前記放電極近傍にて負コロナ放電が発生し、帯電した微粒子が前記集塵極に集塵されている状態で、
前記スプレーノズルによって、前記集塵極に集塵された微粒子を洗浄除去する洗浄水が、前記集塵極に対して噴出され、その結果、前記集塵極の表面に濡れ壁が形成される。
本発明によれば、火災発生をより適切に防止することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る湿式電気集塵機の概略構成を示す断面図である。 図1の湿式電気集塵機の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。 図1の湿式電気集塵機の筺体内部の概略構成を示す上面図である。 図1の湿式電気集塵機の上向きスプレーノズルの各々から霧状として噴出される洗浄水の様子を模式的に示した図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る湿式電気集塵機1の概略構成を示す断面図である。
具体的には、図1(A)及び図1(B)は、湿式電気集塵機1の外観の概略構成を示す断面図であり、相互に略垂直の別々の方向からみた断面図である。
湿式電気集塵機1には、上部ケーシング11と、集塵極22と、下部ケーシング13と、架構14と、が設けられている。
上部ケーシング11と、集塵極22と、下部ケーシング13とが上方からその順番で組み合わされることによって、湿式電気集塵機1の筺体が構成される。湿式電気集塵機1の筺体は、架構14により、地上から所定距離だけ上方に離間して固定されている。湿式電気集塵機1の筺体の材質は、本実施形態では導電性のFRPが採用されている。
図2は、湿式電気集塵機1の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。
図3は、湿式電気集塵機1の筺体内部の概略構成を示す上面図である。
図2や図3に示すように、湿式電気集塵機1の筺体内部には、上部グリッド21と、集塵極22と、下部グリッド23と、電極ロッド24と、放電線25と、ウェイト26と、上向きスプレーノズル27と、洗浄用配管28と、が設けられている。
上部グリッド21と、集塵極22と、下部グリッド23とは、図2に示すように、上方からその順番で相互に所定距離だけ離間して、水平方向に相互に略平行となるように、配設されている。
集塵極22は、図2や図3に示すように、角筒を単位(以下、このような単位を「室」と呼ぶ)として、複数の室を繰り返し連続して配置することによって構成される。
具体的には、以下、略水平方向のうち、一方向を「縦方向」と呼び、縦方向に直角な方向を「横方向」と呼ぶ。この場合、縦方向にN個の単位を繰り返し連続して配置させ、横方向にM個の単位を繰り返し連続して配置させること(以下、「N×M」と表現する)によって、集塵極22が構成される。
ここで、NとMとは独立した任意の整数値であり、本実施形態では、図1に示すように、集塵極22の室の個数はN×M=9×9個とされている。
なお、図2乃至図4において、集塵極22の室の個数がN×M=3×3個とされているのは、単なる説明の便宜上のためである。換言すると、図2乃至図4においては、説明の便宜上、集塵極22を構成する9×9個の室のうち、中央の3×3個の室のみが図示されている。
ここで、集塵極22のように、角筒の集合体として構成される集塵極は、一般的に「角筒型集塵極」と呼ばれており、単位体積当たりの集塵極面積が大きいため、コンパクトな設計が可能になるという特長を有している。
なお、集塵極22の材質は、本実施形態では、導電性のFRPが採用されている。
このような集塵極22に対する放電極は、本実施形態では、電極ロッド24及び放電線25により構成されている。
電極ロッド24は、図2に示すように、集塵極22の所定の室の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設され、上端部が上部グリッド21に固定され、下端部が下部グリッド23に固定される。
放電線25は、図2に示すように、上部グリッド21から吊下げられ、集塵極22の所定の室の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設される。放電線25はまた、弛まないだけの張力を持たすように、下部グリッド23の上部に設けられたウェイト26に接続される。
電極ロッド24には、直流高圧発生装置30から負極の直流高電圧Vが直接印加される。一方、放電線25には、直流高圧発生装置30からの負極の直流高電圧Vが、電極ロッド24及び上部グリッド21を介して印加される。
上向きスプレーノズル27は、集塵極22の各室の四隅の上方に配設され、洗浄用配管28に流通している洗浄水を、略垂直上向き方向に微細の霧として噴出する。
ここで、「霧」とは、ミクロンオーダーの直径を有する水滴が、1cmの空間中に数個乃至数100個程度含まれている状態をいう。本実施形態では、洗浄水が、直径が約200〜800ミクロンの水滴として、上向きスプレーノズル27から略垂直上向き方向に噴出される。
詳細については図4を用いて後述するが、集塵極22の各室の四隅の上方に配設された上向きスプレーノズル27の各々から噴出された霧は、集塵極22の各室の側面全体を覆う水膜となる。即ち、上向きスプレーノズル27から霧として噴出された洗浄水によって、集塵極22の各室の側面には濡れ壁が形成される。これにより、集塵極22に付着したミストやダスト等の微粒子の成長を防止すると共に、これらの微粒子を従来よりも確実に洗浄除去することが可能になる。
なお、図1に示すように、従来の湿式電気集塵機と同様に、集塵極22の上端部から所定距離だけ離間した上方の所定位置に、下向きスプレーノズル29を設けるようにしてもよい。
次に、以上の湿式電気集塵機1の動作について説明する。
集塵極22が接地された状態で、直流高圧発生装置30から負極の直流高電圧Vが電極ロッド24及び放電線25に印加される。なお、以下、説明の便宜上、電極ロッド24及び放電線25をまとめて、「放電極」と呼ぶ。
直流高電圧Vの値が上昇すると、放電極と、その周囲を囲む集塵極22の部屋の各側面との間に負コロナ放電が発生し、その結果、放電極から、集塵極22の部屋の各側面の各々に向かう方向に負イオンが移行すると共に、同方向にイオン風が発生する。
このように、本実施形態の湿式電気集塵機1では、集塵極22の各部屋の内部空間がイオン空間になる。従って、図1に示すように、ミストやダスト等の微粒子を含む気体G1が、湿式電気集塵機1の筺体の下部に供給されて、集塵極22の各部屋の下端の開口部から上端の開口部に向けて流通すると、負イオンの衝突により微粒子が帯電する。
帯電した微粒子は、集塵極22の各部屋内部の直流電界により、放電極から、集塵極22の各部屋の各側面の各々に向かう方向に力を受けて移動して、集塵極22の各部屋の各側面に付着する。
このようにして、ガスG1から微粒子が除去される。ガスG1から微粒子が除去された結果得られたガスG2は、集塵極22の各部屋の上端部から放出され、さらに、図1に示すように、本実施形態の湿式電気集塵機1の筺体の上部から排出される。
ここまでの本実施形態の湿式電気集塵機1の動作は、従来の湿式電気集塵機の動作と基本的に同様である。
しかしながら、その後の動作、即ち、集塵極22に付着した微粒子を洗浄除去する動作が、本実施形態の湿式電気集塵機1と従来の湿式電気集塵機とでは異なる。
即ち、従来の湿式電気集塵機では、集塵極よりも上方に所定距離だけ離間して、少ない個数の下向きスプレーノズルが設けられている。このような少ない個数の下向きスプレーノズルが、略垂直下向き方向に多量の洗浄水を吹きかけることによって、集塵極に付着した微粒子を洗浄除去していた。
これに対して、本実施形態の湿式電気集塵機1においては、集塵極22の各部屋の四隅の上方近傍に、上向きスプレーノズル27がそれぞれ設けられている。
図4は、上向きスプレーノズル27の各々から霧として噴出される洗浄水の様子を模式的に示した図である。
図4に示すように、上向きスプレーノズル27の各々は、洗浄用配管28に流通する洗浄水を、略垂直上向き方向に微細の霧として噴出させる。
上向きスプレーノズル27から略垂直上向き方向に噴出された多数の霧(200〜800ミクロン程度の微細な水滴)の各々は、重力の影響により水平方向の全方位に対して放射線状に落下して、集塵極22の各室の側面体を覆う水膜となる。即ち、上向きスプレーノズル27から霧として噴出された洗浄水によって、集塵極22の各室の側面には濡れ壁が形成される。これにより、集塵極22に付着したミストやダスト等の微粒子の成長を防止すると共に、これらの微粒子を従来よりも確実に洗浄除去することが可能になる。
このような動作が可能になる本実施形態の湿式電気集塵機1は、従来の湿式電気集塵機と比較すると、次のような特徴を有している。
即ち、上述したように、従来の湿式電気集塵機では、集塵極より高い位置に、少ない個数の下向きスプレーノズルが単に設けられていた。従って、集塵極に付着した微粒子を確実に洗浄除去するためには、多量洗浄水量が必要であった。
これに対して、本実施形態の湿式電気集塵機1では、洗浄水は、上向きスプレーノズル27から微細の霧として略垂直上方向に噴出される。このため、洗浄水の分散がよくなるため、使用洗浄水量は従来より少なくて済む。
具体的には例えば、集塵極面積が126mである場合、従来の湿式電気集塵機では、150L/minの使用洗浄水量が必要であったものが、本実施形態の湿式電気集塵機1では、15L/minの使用洗浄水量で済む。
ここで、放電極の周囲に多量の洗浄水が通過する程、スパーク(火花放電)が発生し易くなる。従って、従来の湿式電気集塵機と比較して、使用洗浄水量が圧倒的に少ない本実施形態の湿式電気集塵機1では、スパークの発生が大幅に抑制される。
さらに、本実施形態の湿式電気集塵機1では、洗浄水は微細の霧として噴出されるため、放電極の周囲に通過する際の洗浄水の粒子径は、従来の湿式電気集塵機のものと比較して小さくなるために、スパークの発生がより一段と抑制される。
本実施形態の湿式電気集塵機1は、このような特徴を有しているため、例えば次の(1)乃至(4)のように、従来の湿式電気集塵機と比較して有利な効果を奏することが可能である。
(1)本実施形態の湿式電気集塵機1では、上向きスプレーノズル27から洗浄水を噴出させている状態でも、スパークの発生が大幅に抑制されるため、間欠洗浄期間を長時間継続させること、場合によっては、連続した洗浄期間を設けることが可能になる。これにより、集塵極22の各室の側面には濡れ壁が常時形成され、集塵極22が乾燥することはほぼ無くなる。これにより、異常放電が発生しても、火災発生をより適切に防止することが可能になる。
(2)本実施形態の湿式電気集塵機1では、このように、火災発生をより適切に防止することができるため、ガスが接する部材(以下、「接ガス部」と呼ぶ)の素材として、導電性のFRPを採用し易くなる。これにより、接ガス部の腐食がより確実に防止され、その結果、本実施形態の湿式電気集塵機1の寿命が長くなる。ただし、この場合、集塵極22以外に用いるFRPの電気抵抗値は、500Ω以下が望ましい。
(3)本実施形態の湿式電気集塵機1では、上述の如く、洗浄期間を長時間継続させること、場合によっては、連続した洗浄期間を設けることができるので、メンテナンスが容易になる。
即ち、洗浄期間が長時間になる程、集塵極に付着した微粒子がより確実に洗浄除去される。従って、例えば、定期点検の際の人手による集塵極の掃除回数を少なくすることができる。
また、例えば、このような掃除を行う場合にも、従来の湿式電気集塵機では、集塵極に付着した微粒子が数多く蓄積されてこびりついてしまうため、これらを人手で完全に除去すべく、掻き落とし作業が必要になる。
これに対して、本実施形態の湿式電気集塵機1では、集塵極22の表面には濡れ壁が常時形成されているので、集塵極22に付着した微粒子のほとんどは堆積する前に洗浄除去される。その結果、本実施形態の湿式電気集塵機1では、掻き落とし作業は不要になり、例えば高圧洗浄水を用いた簡単な作業で済む。
(4)[発明が解決しようとする課題]の欄で上述したように、従来の湿式電気集塵機においては、間欠洗浄期間時には、直流電圧Vの値を0にするか又は低下させる必要があったため、集塵効率が著しく低下していた。
これに対して、本実施形態の湿式電気集塵機1では、上向きスプレーノズル27から洗浄水を噴出させている洗浄期間でも、スパークの発生が大幅に抑制されるため、放電極に印加する直流高電圧Vの値を低下させることなくほぼ一定に保持することができる。これにより、洗浄期間であっても、集塵効率を一定以上に維持することが可能になる。
以上の内容を換言すると、上述の(1)乃至(4)の効果を奏するためには、集塵極22の各室の側面に濡れ壁をほぼ常時形成させた上で、スパークの頻度を一定以下に保つように、洗浄水を噴出させればよい。
このような洗浄水の噴出を可能にするためには、集塵極22の各室の側面の単位面積当たりの洗浄水の水量を適切に管理すればよい。
即ち、単位面積当たりの洗浄水の水量が一定以下の場合、集塵極22の各室の側面に濡れ壁をほぼ常時形成させることが不可能になる。一方、単位面積当たりの洗浄水の水量が一定以上の場合、スパークの発生が多発する。このように、集塵極22の各室に濡れ壁をほぼ常時形成させた上で、スパークの頻度を一定以下に保つためには、単位面積当たりの洗浄水の水量の下限値と上限値とが存在する。
従って、このような単位面積当たりの洗浄水の水量の下限値と上限値との範囲(以下、「適正範囲」と呼ぶ)内で洗浄水を噴出すれば、集塵極22の各室の側面に濡れ壁をほぼ常時形成させた上で、スパークの発生頻度を一定以下に保つことができ、その結果、上述の(1)乃至(4)の効果を奏することが可能になる。
具体的には例えば、ダストを洗浄除去する場合には、0.15L/m・minを含む下限値0.10から上限値0.25L/m・minの範囲が適正範囲である。また例えば、ミストを洗浄除去する場合には、0.10L/m・minを含む下限値0.075から上限値0.20L/m・minの範囲が適正範囲である。
ここで、単位面積当たりの洗浄水の水量の変更は、例えば、上向きスプレーノズル27の個数を変更することで実現可能である。即ち、上向きスプレーノズル27は、上記実施形態では集塵極22の各室の四隅の上方の全てに設けられていたが、適正範囲内で洗浄水を噴出できるのであれば、必ずしも集塵極22の各室の四隅の上方の全てに設ける必要は無い。
或いはまた、適正範囲内で洗浄水を噴出できるのであれば、全ての上向きスプレーノズル27から洗浄水(霧)を噴出させる必要は無く、その中から選択された所定の個数の上向きスプレーノズル27のみから洗浄水を噴出させてもよい。即ち、1以上の上向きスプレーノズル27の洗浄水の噴出を適宜停止してもよい。
さらにまた、上記実施形態では、洗浄水を略垂直上向き方向に噴出する上向きスプレーノズル27が設けられていたが、適正範囲内で洗浄水を噴出できるのであれば、洗浄水(霧)の噴出方向は、特に略垂直上向き方向に限定されず、任意の方向でよい。
このように、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態の集塵極22としては、開口部が正方形の形状を有する角筒を室(単位)とする角筒型集塵極が採用されたが、特にこれに限定されない。
具体的には例えば、角筒型集塵極を構成する各室の開口部の形状は、正方形である必要は特に無く、N角形(Nは3以上の整数値)であれば足りる。この場合、上向きスプレーノズル27等は、各室のN個の角のうち、少なくとも1つの角の周囲に配設させればよい。
さらに例えば、開口部が円状等のN角形以外の形状を有する筒を室として、複数の室の集合体により構成される集塵極を採用してもよい。この場合には、複数の室に囲まれて形成される領域のうち、少なくとも1つの領域の上方に、上向きスプレーノズル27等を配設させればよい。
ここで、開口部の形状がN角形の角筒を室とする角筒型集塵極の場合、複数の室に囲まれて形成される領域とは、複数の室の交点、即ち、各室のN個の角の各々を意味する。
従って、複数の室に囲まれて形成される領域のうち少なくとも1つの領域の上方に、上向きスプレーノズル27等が配設されるという配置手法が上位概念である。即ち、複数の単位の交点のうち少なくとも1点の上方、即ち、各単位のN個の角のうち少なくとも1つの角の上方に、上向きスプレーノズル27等が配設されるという配置手法は、開口部の形状がN角形の角筒を室とする角筒型集塵極の場合に適用される、前記上位概念の下位概念である。
1 湿式電気集塵機, 21 上部グリッド, 22 集塵極, 23 下部グリッド, 24 電極ロッド, 25 放電線, 26 ウェイト, 27 上向きスプレーノズル, 28 洗浄用配管, 30 直流高圧発生装置

Claims (5)

  1. 直流高電圧が印加される放電極と、
    前記直流高電圧に基づいて前記放電極近傍にて発生する負コロナ放電によって、微粒子を集塵する集塵極と、
    前記集塵極に集塵された微粒子を洗浄除去する洗浄水を、前記集塵極に対して噴出するスプレーノズルと、
    を備え、
    前記集塵極は、所定の形状の開口部を有する筒を単位として、複数の前記単位の集合体により構成されており、
    前記放電極は、前記集塵極を構成する前記複数の単位の各々の中に収容されており、
    前記スプレーノズルは、前記集塵極を構成する前記複数の単位に囲まれて形成される領域のうち、少なくとも1つの領域の上方に配設されており、前記集塵極の表面に濡れ壁を形成させることができる範囲内の水量で前記洗浄水を噴出することによって、前記集塵極の表面に濡れ壁を形成させ
    前記スプレーノズルは、略垂直上向き方向に、前記洗浄水を噴出する、
    湿式電気集塵機。
  2. 前記スプレーノズルは、前記集塵極の表面に濡れ壁を形成させた上でさらにスパークの発生頻度を一定以下に保つことができる範囲内の水量で、前記洗浄水を噴出する、
    請求項1に記載の電気集塵機。
  3. 前記スプレーノズルは、前記洗浄水を霧として噴出する、
    請求項1又は2に記載の湿式電気集塵機。
  4. 前記集塵極を構成する前記複数の単位は、開口部の形状がN角形(Nは3以上の整数値)の角筒であり、
    前記スプレーノズルは、前記集塵極を構成する前記複数の単位の交点のうち少なくとも1点の上方に配設される、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の湿式電気集塵機。
  5. 所定の形状の開口部を有する筒を単位として、複数の前記単位の集合体により構成される集塵極と、
    前記集塵極を構成する前記複数の単位の各々の中に収容される放電極と、
    前記集塵極を構成する前記複数の単位に囲まれて形成される領域のうち、少なくとも1つの領域の上方に配設されているスプレーノズルであって、略垂直上向き方向に、前記洗浄水を噴出するスプレーノズルと、
    を備える湿式電気集塵機の集塵方法において、
    前記放電極に直流高電圧が印加されて、前記放電極近傍に負コロナ放電が発生して、帯電した微粒子が前記集塵極に集塵されている状態で、
    前記スプレーノズルは、前記集塵極に集塵された微粒子を洗浄除去する洗浄水を、前記集塵極の表面に濡れ壁を形成させることができる範囲内の水量で前記集塵極に対して噴出することによって、前記集塵極の表面に濡れ壁を形成させる、
    集塵方法。
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