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JP5558804B2 - 錠剤容器 - Google Patents

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JP5558804B2 JP2009295649A JP2009295649A JP5558804B2 JP 5558804 B2 JP5558804 B2 JP 5558804B2 JP 2009295649 A JP2009295649 A JP 2009295649A JP 2009295649 A JP2009295649 A JP 2009295649A JP 5558804 B2 JP5558804 B2 JP 5558804B2
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Description

本発明は、錠剤を一定量ずつ取り出すことのできる錠剤容器に関する。
各種薬品や清涼菓子などは、取り扱いが容易で数量の管理もしやすい固形の錠剤に加工されることがある。錠剤は球形や円盤状など様々だが、いずれも市販される際は、合成樹脂またはガラス製の容器に詰められ、取り出しの際は、キャップを外した後に容器を傾斜させて、手の平やテーブルなどに錠剤を落下させる。通常の錠剤容器は、単に上部がくびれているだけで、一度に必要以上の錠剤が落下することもある。この点を解消するため一部の容器は、一定量だけの取り出しができるよう、特殊な構造の取出口を組み込む場合がある。
錠剤を一定量だけ取り出すための技術はこれまでにも多数開発されており、その例として以下の特許文献が挙げられる。文献1は、容器の開口部に対して直角方向に移動可能なスライダーを組み込み、錠剤を一粒ずつ取り出し可能な定量キャップに関する発明で、取出口付近の狭い空間で錠剤が詰まってしまうブリッジ現象を解消して、錠剤を確実に取り出しできることを目的としている。そのため容器の内部には、スライダーと一体で移動する撹拌部材(レバー)が差し込まれており、錠剤を取り出す際、レバーが錠剤をかき回すことで詰まりを防止している。
文献2は、容器の開口部に嵌め込まれる中栓に関する発明で、定量の錠剤の取り出しを低コストで実現することを目的としており、外筒と内筒の二重構造となっており、外筒と内筒を弾性変形可能な支持片で一体化している。そして内筒と外筒との境界には、一定の間隙が確保されており、内筒を指などで押圧すると、この間隙が広がって錠剤が通過できるようになる。この中栓は合成樹脂を一体成形することで製造可能で、コストの面で有利である。
文献3の図1および図2には、錠剤を一粒ずつ取り出しできる計量容器が開示されており、容器開口部に差し込まれるノズル中栓と、ノズル中栓を取り囲む開閉部材と、開閉部材を突出させるための弾性体(スプリング)などで構成されている。ノズル中栓には、錠剤が一列になって通過可能な導入部が形成されており、この先端部分には、導入部の挿通方向に対して交差して突出する固定係止部を備えている。また開閉部材には、固定係止部と対向するように突出する可動係止部を備えており、通常は、固定係止部と可動係止部で収容物の通過を阻止しているが、開閉部材が押し込まれることで、両係止部の間隔が広がり収容物が通過可能になる。
特開2000−226052号公報 特開2007−313131号公報 特開2009−102064号公報
錠剤を一定量ずつ取り出しできる容器は、利便性の向上の代償として、コストアップが避けられない。しかも先の文献1の発明のように、ブリッジ現象を防止する機能も付加することで、利便性はさらに向上するが、コストとの兼ね合いで使用できる分野が限られてくる。対して文献2の発明は、一体成形された中栓単体だけで一定量の錠剤を取り出し可能で、コストの面では優れている。しかしその構造上、間隙の大きさを厳密に管理することは難しいと推測され、直径が数mmといった小粒の錠剤では、一度に多数が間隙を通過してしまい、本来の機能を発揮できない恐れがある。
また文献3の発明は、導入部の内径や両係止部の間隔を適切に調整することで、確実に錠剤を取り出しでき信頼性に優れている。ただし固定係止部は、その構造上、導入部の挿通方向に対して交差するように突出しており、必然的にこの箇所で錠剤の通過ルートが屈曲して流動性が悪くなる。そのため、異物の存在や湿度の上昇などといった過酷な環境下では、錠剤の取り出しが円滑に進まないことも予想される。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、錠剤を一定量ずつ円滑に取り出し可能で、しかもコストや信頼性にも優れた錠剤容器の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、錠剤を収容する容器と、該容器の開口部に差し込まれ且つ錠剤が一列になって通過可能な通路孔を備える中栓と、該中栓の上部に覆い被さり且つ前記中栓に対して一定の範囲で軸線方向に移動可能な冠体と、該冠体が前記中栓から突出するように反力を発生する付勢部材と、からなり、前記中栓の上面には、環状に並ぶ複数の弁体を備え、該弁体は、径方向に弾性変形可能な板状の可倒片と、該可倒片の先端から内周側に突出して錠剤をせき止める閉止体と、を備え、前記冠体の上面を覆う天板には、出口孔を備え、該出口孔の下端の外周には、前記冠体を前記中栓に押し込んだ際、前記弁体を押し広げる押圧部を形成してあり、前記可倒片は、前記通路孔の出口外縁から突出しており、前記閉止体は、該通路孔の延長線上を塞ぐように配置してあることを特徴とする錠剤容器である。
本発明は、容器に収容された錠剤を一定量ずつ取り出すことのできる錠剤容器に関するもので、大別して、錠剤を収容する容器と、容器の開口部に嵌め込まれる中栓と、中栓に覆い被さる冠体と、冠体を押し上げるための付勢部材と、で構成される。容器は、素材や形状に制限はなく、何らかの開口部を有していればよい。なお本願において「上」または「下」との表記は、容器を正立させて開口部が真上を向いている時を想定している。
中栓は概ね円柱状で、その下部を容器の開口部に圧入することで密閉性を確保している。また容器に収容された錠剤を通過させるため、内部には軸線方向に延びる通路孔を形成している。通路孔は、錠剤が一列になって通過できる内径とする必要があり、想定される錠剤の最大径に対して若干の余裕を持たせる程度とする。なお本発明で取り扱う錠剤は、通路孔の中を一列に並んで整然と通過できるならば、球形のほか、カプセル形や卵形や多面体形などでも構わない。
冠体は、上面が天板で覆われた筒状であり、中栓の上部に覆い被さるように配置する。また冠体は、中栓に対して軸線方向に移動可能な構造とする必要がある。具体的には、中栓の外周面と冠体の内周面を部分的に接触させて、摺動によって冠体が上下方向に移動できるようにする。なお冠体は、通常の使用時に中栓から離脱してはならず、その移動範囲を規制する必要があり、適宜ストッパなどを組み込むが、その具体的な構成は、自在に決めることができる。
付勢部材は、冠体が中栓から突出した状態を維持するために組み込まれる。冠体は前記のように一定の範囲で軸線方向に移動可能だが、通常は中栓から最も突出した状態を維持する必要がある。そこで中栓と冠体の間にバネなどの付勢部材を介在させて、その反力を利用して冠体を押し上げる。なお付勢部材は、コイルバネや板バネなどを自在に選択可能で、組み込み方法も自在である。一例としては、コイルバネを押し縮めた状態で冠体の内部に収容して、その上端を天板に接触させて、さらに下端を中栓の上面に接触させる。そうするとコイルバネの反力で冠体が押し上げられる。
弁体は、錠剤の流れを制御する重要な要素であり、中栓の上面から上方に突出しており、通路孔を取り囲むように複数を並べて配置する。そして複数の弁体で取り囲まれる空間が、錠剤の通路となる。なお弁体は、通路孔の中心を基準として、同一円周上に複数を等角度で並べるため、上から見ると花弁状の配置となる。そして弁体は、中栓の上面から突出する板状の可倒片と、この可倒片の先端から内周側に突出する閉止体と、で構成される。
中栓の上面中心には通路孔が形成されており、必然的に可倒片は通路孔の外側に配置され、しかも通路孔の延長線上を塞ぐことのないよう、真上に延びている。また可倒片を板状とするのは、厚さを抑制して、径方向に弾性変形ができる構造とするためである。なお可倒片の横断面は、原則として通路孔と同心の円弧状とするが、弾性変形を考慮して長方形状とすることもできる。
閉止体は、可倒片の先端から中栓の内周側に隆起している部位であり、可倒片の内周に沿って移動する錠剤をせき止める機能を有する。全ての可倒片が自然な形状になっている際、複数の閉止体は中心付近に集積しており、可倒片の内周に沿って移動してきた錠剤は、ここでせき止められる。当然ながら閉止体は、錠剤を確実にせき止めることができる寸法とする。ただし可倒片が外周側に弾性変形すると、閉止体も外周側に移動して、錠剤が通過可能になる。
中栓の上部に覆い被さる冠体は、必然的に筒状になるが、その上面は天板で覆われている。そして天板には、錠剤の取り出すための出口孔を形成してある。出口孔は、通路孔と同様、錠剤が一列で通過できる内径であり、その下端の外周には押圧部を形成している。押圧部は、閉止体に接触して弁体を押し広げるために使用され、その具体例としては、出口孔の内周面を起点として、外周側に向かうに連れて徐々に上方に登っていく裾絞り形状が挙げられる。
中栓と冠体が組み上げられた状態において、押圧部は閉止体の真上に位置している。したがって、付勢部材に逆らって冠体を押し下げていくと、やがて押圧部が閉止体に接触して、その後も冠体を押し下げ続けると、押圧部を外周側に押し広げる分力が発生して、可倒片が弾性変形していく。そして冠体を完全に押し下げると、弁体が開いて錠剤が通過可能になる。
このように、軸線方向に移動可能な冠体を備え、しかも冠体の裏面に形成した押圧部を利用して弁体を押し広げて錠剤を通過させる構造とすることで、シンプルな構成で錠剤の定量取り出しが実現する。なお本発明品を実際に使用する際は、全体を上下反転させて冠体を手の平などに押し当てる。そうすると冠体が押し下げられ、錠剤が弁体を通過して出口孔に入り込む。そして容器を持ち上げると、冠体と弁体が元の位置に戻り、再び錠剤をせき止め、手の平には、出口孔に入り込んだ錠剤だけが残ることになる。したがって出口孔は、最低でも錠剤の直径程度の延長が必要になり、一度に複数の錠剤を取り出しする場合には、それに応じた延長とする。
請求項1記載の発明のように、容器の開口部に差し込まれる中栓と、中栓の上部に覆い被さり上下に移動可能な冠体と、冠体を押し上げる付勢部材などで錠剤容器を構成して、中栓の上面には、錠剤をせき止める弁体を設けて、また冠体の裏面には、弁体に接触する押圧部を設けることで、冠体を押し下げると弁体が押し広げられ、錠剤が通過可能になる。
本発明では、中栓の通過孔から冠体の出口孔までが一本の軸線上に配置され、錠剤の通過ルートは極めて単純である。したがって異物が排出されやすく、内部で錠剤が詰まる恐れが少なく、また湿度などで錠剤の表面に粘着性が生じた場合でも、内部に付着しにくく、信頼性が向上する。さらに全体がシンプルな形状であり、製造コストも抑制できる。加えて、可倒片を通路孔の出口外縁から突出させることで、通路孔を通過した錠剤だけが閉止体でせき止められ、錠剤が内部で詰まりにくくなる。
本発明による錠剤容器の形状例を示す斜視図である。 図1に示す各要素を組み上げた際の中央縦断面図であり、上側の図は、冠体が突出した状態で、下側の図は、冠体が押し込まれた状態である。 弁体の形状を示す平面図と中央縦断面図であり、左側の図は、弁体が閉じた状態で、右側の図は、弁体が開いた状態である。 錠剤を取り出す過程を示す端面図であり、上側の図は、冠体を平面に押し当てる前で、下側の図は、押し当てている時である。 図4の後、冠体を平面から引き離す過程を示す端面図であり、上側の図は、引き離す途中で、下側の図は、引き離した後である。 弁体の形状例を示す平面図と中央縦断面図である。
図1は、本発明による錠剤容器の形状例を示している。錠剤容器は、実際に球形の錠剤Jを収容する容器10、容器10の開口部17に差し込まれる中栓20、中栓20に覆い被さる冠体40などで構成され、本図はこれらを分離した状態で描いている。容器10の上部は、円筒状に絞り込まれた頸部13となっており、その側周面にはキャップ(図示は省略)を取り付けるための雄ネジ15が形成され、さらに頸部13の先端が円形の開口部17になっている。また中栓20は概ね円柱状で、上面には外周方向にせり出した上フランジ27が形成され、その下方には、上フランジ27よりも直径の大きい中フランジ23が形成され、両フランジの間は円断面の中間部25となっている。そして中フランジ23よりも下の差込部22は、開口部17の内径よりもわずかに大きく、差込部22の弾性変形によって中栓20が固定される。
中栓20の中心には、垂直方向に延びる通路孔24が形成されている。通路孔24は錠剤Jを通過させるためのもので、その内径は、錠剤Jの外径よりもわずかに大きく、必然的に錠剤Jはこの中で一列に並ぶ。また上フランジ27からは、三個の弁体26が上方に突出している。いずれの弁体26も同一形状で、上方から見て、通路孔24を取り囲むように120度間隔で花弁状に配置されている。そして個々の弁体26は、上フランジ27から延びる板状の可倒片31と、その先の閉止体29で構成され、上方から見ると円弧状である。
可倒片31の内周面は、通路孔24と同心になっており、通路孔24から出てきた錠剤Jは、三個の可倒片31の内周を通過する。なお隣接する可倒片31の境界に隙間があっても構わないが、ここから錠剤Jが脱落してはならない。さらに可倒片31は厚さを抑制しており、径方向に外力が作用すると柔軟に弾性変形ができる。また可倒片31上部の閉止体29は、中心に向けて突出している部位であり、三個の弁体26が自然な状態にあるとき、通路孔24から来た錠剤Jをせき止める。さらに個々の閉止体29は、外周側に進むに連れて上方に登る傾斜面33が形成されている。
冠体40は、全体が円断面で構成され、円筒状の胴部42の上面を天板43で覆った形状である。なお図1の冠体40は、中央部の縦断面を示している。胴部42は、中栓20の上部に覆い被るように取り付けられ、冠体40は、上フランジ27の側周面をガイドとして上下に移動可能である。そのため胴部42の内径は、上フランジ27の外径よりもわずかに大きい。また冠体40が中栓20から離脱しないよう、胴部42の下部には、内周にせり出したストッパ48を形成している。中栓20と冠体40が分離した状態において、冠体40を中栓20に覆い被せて強力に押し込むと、ストッパ48と上フランジ27が弾性変形して、ストッパ48が上フランジ27を乗り越えていく。その後ストッパ48は、上フランジ27と中フランジ23で挟まれる中間部25に限って自由に移動でき、冠体40の移動範囲が規制される。
天板43は、錠剤Jの取り出しを考慮して厚さが増大しており、その中心には錠剤Jを通過させるため、通路孔24と同心の出口孔45を形成している。出口孔45も錠剤Jが一列で通過する内径としているが、この図では、通路孔24よりもわずかに狭くなっている。また出口孔45の下面の外周は、外周側に向かうに連れて上方に登る押圧部46を形成している。この押圧部46は下方から見て、円錐形となっており、冠体40が下方に押し込まれると、その先端が弁体26の傾斜面33に接触して、弁体26を押し広げる。
付勢部材35は、胴部42の内部に収容されるコイルバネであり、その上端が天板43の裏面に接触して、下端が上フランジ27に接触する。また付勢部材35は外力で押し潰した状態で組み込まれ、その後は、冠体40を押し上げる反力を発生することになる。ただし付勢部材35の反力は、指などで押し返すことができる程度とする。
中栓20や冠体40や付勢部材35の材質は自在だが、中栓20や冠体40は、合成樹脂を用いた一体成形が最適である。また付勢部材35については、合成樹脂のほか、耐久性を考慮して金属製とすることもある。
図2は、図1に示す各要素を組み上げた際の中央縦断面であり、冠体40が突出した状態と、冠体40が押し込まれた状態を描いている。図1のように中栓20と冠体40が分離した状態で、中栓20に冠体40を強く押し込むと、ストッパ48が上フランジ27を乗り越えて、中栓20と冠体40が一体化する。その後は上方の図のように、付勢部材35の反力で、冠体40が上方に突出しているが、ストッパ48が上フランジ27に接触することで、冠体40が離脱することはない。またこの状態では、傾斜面33と押圧部46がわずかに離れているため、弁体26は自然な形状を維持しており、直立する可倒片31の上の閉止体29によって内部が塞がれている。そのほか中栓20の差込部は、全体が容器10の開口部17に差し込まれて、しかも中フランジ23が容器10の上端面に接触しており、容器10と中栓20は一体化している。
次に冠体40を下方に押し込むと、下方の図のように、ストッパ48が中フランジ23に接触して、これ以上、冠体40を押し下げることができない。この際、押圧部46の先端は傾斜面33の下側に達しており、押圧部46によって弁体26が外周側に押し広げられ、閉止体29が開いている。なお冠体40が押し込まれると、付勢部材35はさらに圧縮されるため、外力をなくすと冠体40は速やかに上方に復元していく。
図3は、弁体26の形状を示す平面図と中央縦断面であり、弁体26が閉じた状態と開いた状態を描いている。平面図のように計三個の弁体26は同一形状で、通路孔24を中心として120度間隔で配置されている。弁体26が閉じている場合、錠剤Jは閉止体29でせき止められるが、弁体26が開くと錠剤Jは、通過孔24から弁体26を通過して出口孔45に移動できるようになる。
図4は、錠剤Jを取り出す過程を端面で示しており、冠体40を平面Pに押し当てる前と、押し当てている時を描いている。錠剤Jを取り出す際は、この図のように、全体を上下反転させて、冠体40の天板43を手の平やテーブルなどの平面Pに押し当てる。押し当てる直前は、上方の図のように、弁体26によって錠剤Jの落下が阻止されているが、天板43を平面Pに押し当てて冠体40を完全に押し込むと、下方の図のように、弁体26が開いて最下部の錠剤Jが平面Pに落下する。
天板43は、平面Pから閉止体29までの距離を確保するため、厚さを増大させている。そのため下方の錠剤Jが弁体26を通過して平面Pに落下した際、上方の錠剤J’は閉止体29を通過しておらず、一度に二個以上の錠剤Jが落下することはない。なお意図的に二個の錠剤Jを取り出しできるようにするには、天板43の厚さをさらに増大すればよい。
図5は、図4の後、冠体40を平面Pから引き離す過程を端面で示しており、引き離す途中と引き離した後を描いている。冠体40を完全に押し込んだ後、徐々に全体を持ち上げていくと、上方の図のように、ストッパ48が上フランジ27と中フランジ23の中間に位置する。この際、傾斜面33と押圧部46の位置関係が変化して、弁体26はある程度復元した状態になる。そのため、下方の錠剤Jは閉止体29の傾斜面33で押し出されて平面Pに落下していくが、上方の錠剤J’は閉止体29の裏面ですくい上げられ、弁体26を通過できない。そして最終的には下方の図のように、一粒の錠剤Jだけが取り出される。
図6は、弁体26の形状例を示す平面図と中央縦断面である。弁体26の個数や配置は図1の形態に限定させるものではなく、この図の中栓20’のように、四個を90度間隔で配置することもできる。なお図1などの弁体26は通路孔24と同心の円弧状としているが、この図の弁体26は弾性変形を容易にするため、円弧状ではなく直線状にしている。
10 容器
13 頸部
15 雄ネジ
17 開口部
20 中栓
22 差込部
23 中フランジ
24 通路孔
25 中間部
26 弁体
27 上フランジ
29 閉止体
31 可倒片
33 傾斜面
35 付勢部材
40 冠体
42 胴部
43 天板
45 出口孔
46 押圧部
48 ストッパ
P 平面
J 錠剤

Claims (1)

  1. 錠剤(J)を収容する容器(10)と、該容器(10)の開口部に差し込まれ且つ錠剤(J)が一列になって通過可能な通路孔(24)を備える中栓(20)と、該中栓(20)の上部に覆い被さり且つ前記中栓(20)に対して一定の範囲で軸線方向に移動可能な冠体(40)と、該冠体(40)が前記中栓(20)から突出するように反力を発生する付勢部材(35)と、からなり、
    前記中栓(20)の上面には、環状に並ぶ複数の弁体(26)を備え、該弁体(26)は、径方向に弾性変形可能な板状の可倒片(31)と、該可倒片(31)の先端から内周側に突出して錠剤(J)をせき止める閉止体(29)と、を備え、
    前記冠体(40)の上面を覆う天板(43)には、出口孔(45)を備え、該出口孔(45)の下端の外周には、前記冠体(40)を前記中栓(20)に押し込んだ際、前記弁体(26)を押し広げる押圧部(46)を形成してあり、
    前記可倒片(31)は、前記通路孔(24)の出口外縁から突出しており、前記閉止体(29)は、該通路孔(24)の延長線上を塞ぐように配置してあることを特徴とする錠剤容器。
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