以下に、本発明による情報処理装置が適用された移動通信装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る開閉自在の折畳み型移動通信装置の、上下筐体の折畳みを開いた時の外観を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。この移動通信装置は、上筐体1と下筐体2とが、ヒンジ部3によって軸A−Aを中心に回動自在に連結されてなることによって、上下筐体1、2の角度が略0度(閉状態)から略180度(開状態)の間で開閉自在に構成されている。
上筐体1の内面には、受話に用いられるスピーカ14aと、第1のタッチパネル15aとが設置されている。ここで、タッチパネルは、ディスプレイと、その前面に貼られたタッチパッドとからなる。ディスプレイは、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等、任意の表示装置であり、タッチパッドは、指及び/又はスタイラスペン(以後、指及び/又はスタイラスペンを指等と称する。)が接触された位置を検出する、感圧式、静電容量式等、任意の方式のセンサーである。また、接触は、所定の距離以内へ近づいたことを含む。第1のタッチパネル15aには、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示がされ、また、それを介して装置の使用者による入力が行なわれる。
下筐体2の内面には、送話に用いられるマイクロフォン14bと、入力素子であるキーパッドからなる第1の入力部16aとが設けられている。また、下筐体2の内部には、電波の送受に用いられるアンテナ(図示せず)が設置されている。なお、第1の入力部16aには、電話番号を含む数字の入力などに用いられるダイヤルキーと、移動通信装置の電源の投入及び切断などの動作指示などを入力するために用いられる機能キーとが設けられている。
上筐体1の上部の内部(ヒンジ部3から遠い部分。)に磁石4が埋め込まれ、下筐体2の下部の内部(ヒンジ部3から遠い部分。)に磁界検出素子5が埋め込まれている。磁界検出素子5は、例えば、ホール素子であって、上下筐体1、2が閉状態にある場合、磁石4と、磁界検出素子5との間の距離が近いように配置してある。磁界検出素子5は、磁石4に起因する磁界を検出することによって、上下筐体1、2が閉状態にあることを検出する。
なお、磁界検出素子5によれば、上下筐体1、2が閉状態にあることを検出するが、1つの磁界検出素子と、2つの磁石とをヒンジ部3に埋め込み、上下筐体1、2が閉状態にあるか、閉状態にあるかによって、いずれかの磁石と磁界検出素子との間の距離が近いように配置することによって、上下筐体1、2が閉状態にあることと、閉状態にあることとを検出するようにしても良い。
上筐体1の外面には、後で詳述するように、第2のタッチパネル15bと、第2の入力部16bとが設けられている。これらは、上下筐体1、2が開状態にあっても視認及び入力が可能であるが、その状態では、装置の使用者は、第1のタッチパネル15aと、第1の入力部16aとを用いることが想定される。
図2は、この移動通信装置の上筐体1をヒンジ部3によって回動させ、下筐体2に近づけて折畳みを閉じた時の外観を示し、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。折畳みが閉じられた状態では、第1のタッチパネル15aと、第1の入力部16aとは、折畳みの内側にあるため、使用者は、第1のタッチパネル15aに行われた表示を視認することができず、指等を接触させることができない。また、第1の入力部16aのキーを操作することができない。
しかし、閉状態では、装置の使用者は、第2のタッチパネル15bと、第2の入力部16bとを用いることができる。ここで、必須ではないものの、第2のタッチパネル15bは、第1のタッチパネル15aより小さく、また、第2の入力部16bを構成するキーの数は、第1の入力部16aを構成するキーの数より少ない。そして、閉状態では、開状態にある場合と比較して、装置の使用者は、主に、簡単な操作によって、簡単な表示が得られる機能を使用することが想定される。
以後、第1のタッチパネル15aへの指等の接触及び第1の入力部16aからのキー操作を、使用者の第1の入力操作と総称し、第2のタッチパネル15bへの指等の接触及び第2の入力部16bからのキー操作を、使用者の第2の入力操作と総称する。更に、使用者の第1の入力操作及び使用者の第2の入力操作を、使用者の入力操作と総称する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、装置全体の制御を行う制御部11と、移動通信網通信部12と、移動通信網の基地局(図示せず)との間で電波の送受信を行うアンテナ12aと、移動通信網送受信部13と、通話部14と、受話に用いられるスピーカ14aと、送話に用いられるマイクロフォン14bと、第1のタッチパネル15aと、第2のタッチパネル15bと、第1の入力部16aと、第2の入力部16bと、開閉検出部17と、電話帳処理部21と、電子メール送受信部22と、ブラウザ部23と、写真閲覧部24と、記憶部25とからなる。
これらの中で、電話帳処理部21と、電子メール送受信部22と、ブラウザ部23と、写真閲覧部24とは、使用者との対話によって動作するアプリケーション処理部である。なお、プログラムを実行することで実現される本発明に関する機能として、制御部11には、設定機能11−1と、セキュリティ制御機能11−2とが含まれる。また、記憶部25は、フォルダとファイルとの階層構造によって情報を記憶する。そして、記憶部25には、電子メール送受信部22によって受信された、ブラウザ部23によって受信された、又は、写真撮影部(図示せず)によって撮影された写真画像がファイルとして記憶される。
上記のように構成された、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の各部の動作を、図3を参照して説明する。
制御部11は、少なくとも装置に電源が投入され、動作を開始した際、開閉検出部17に上下筐体1、2が開状態にあるか、又は、閉状態にあるかを検出させ、得られた検出結果を制御部11内に記憶する。また、開閉検出部17からの割込みを契機として、上下筐体1、2が開状態から閉状態になったこと、及び、閉状態から開状態になったことの通知を受信して、受信された検出結果を制御部11内に記憶する。
上記の処理により、制御部11は、上下筐体1、2が開状態にあるか、又は、閉状態にあるかを常に記憶し、記憶された状態に依存して、また、検出結果が開状態から閉状態になったこと、及び、閉状態から開状態になったことに依存して、所定の制御を行う。その制御の1つは、開状態にある場合、制御部11は、第2のタッチパネル15bに表示をさせず、かつ、使用者の第2の入力操作の通知を受信しない。また、閉状態にある場合、第1のタッチパネル15aに表示をさせず、かつ、使用者の第1の入力操作の通知を受信しない。
設定機能11−1は、使用者の第2の入力操作がされた場合にセキュリティ制御動作を行う旨、セキュリティ制御動作を行わない旨、又は、第1の入力操作がされた場合と同じ動作を行う旨を、第1の入力操作に基づいて制御部11内に記憶する。なお、セキュリティ制御動作は、セキュリティ制御機能11−2が行う動作であって、後述する。ここで、設定機能11−1は、ロック解除の状態にある場合、使用者の入力操作に基づいて動作するが、装置がロック状態にある場合、動作しない。
セキュリティ制御機能11−2は、所定のロック遷移イベントの発生があると、装置がロック状態にある旨を制御部11内に記憶する。ここで、ロック遷移イベントは、装置が閉状態に遷移したこと、装置の電源が投入されたこと、ロック遷移を指示する使用者の入力操作がされたこと、等のいずれかである。
そして、装置がロック状態にあり、使用者の第1の入力操作に基づいて装置の各部を動作させる場合、セキュリティ制御機能11−2は、使用者の第1の入力操作によって暗証情報を入力し、その暗証番号が制御部11内に記憶された暗証情報と等しい場合、装置がロック解除の状態にある旨を制御部11内に記憶する。そして、使用者の第1の入力操作に基づいて、装置の上記各部の全機能を動作させる。
また、セキュリティ制御機能11−2は、使用者の第2の入力操作に基づいて装置の各部を動作させる場合、セキュリティ制御動作を行う旨が設定機能11−1によって制御部11内に記憶されていれば、装置の上記各部の限定された機能を動作させる。一方、セキュリティ制御動作を行わない旨が記憶されていれば、装置の上記各部の全機能を動作させる。なお、全機能の動作と、限定された機能の動作との差は、各処理部に依存する。限定機能動作においては全く動作しない処理部もある。また、全機能動作と、限定機能動作との差がない処理部もある。
なお、第1の入力操作がされた場合と同じ動作を行う旨が記憶されていれば、セキュリティ制御機能11−2は、使用者の第2の入力操作によって暗証情報を入力し、その暗証番号が制御部11内に記憶された暗証情報と等しい場合、装置がロック解除の状態にある旨を制御部11内に記憶する。そして、使用者の第2の入力操作に基づいて、装置の上記各部の全機能、又は、限定された機能を動作させる。
移動通信網通信部12は、基地局から送信され、アンテナ12aが受信した高周波信号を移動通信網送受信部13へ送信し、また、移動通信網送受信部13から送信される高周波信号を、アンテナ12aを介して基地局に送信する。
移動通信網送受信部13は、移動通信網通信部12からの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによって得られたデジタル音声信号を通話部14へ、制御信号を制御部11へ、電子メール信号を電子メール送受信部22へ、Webページに係る信号をブラウザ部23へ送る。更には、通話部14から送信されるデジタル音声信号、制御部11から送信される制御信号、電子メール送受信部22から送信される電子メール信号、及び、ブラウザ部23から送信されるWebページに係る信号を変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを移動通信網通信部12に送る。
通話部14は、移動通信網送受信部13から送信されるデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ14aに送る。また、マイクロフォン14bから送信されるアナログ音声信号を増幅し、それをデジタル音声信号に変換して移動通信網送受信部13に送信する。なお、限定機能動作において、通話部14は、全機能を動作させる。
第1のタッチパネル15aは、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示や、装置の動作状態の表示等に用いられ、制御部11に制御されることで、文字、数字、更に、アイコンを含む画像データを表示し、表示されるデータは、第1のタッチパネル15aにソフトキーが表示された位置への指等の接触や、第1の入力部16aからのキー操作や着信信号に応答して制御部11からの指示を受けることで切換わる。なお、第1のタッチパネル15aは、指等が接触されると、接触された位置を識別する情報を制御部11へ通知する。
第2のタッチパネル15bは、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示や、装置の動作状態の表示等に用いられ、制御部11に制御されることで、文字、数字、更に、アイコンを含む画像データを表示し、表示されるデータは、第2のタッチパネル15bにソフトキーが表示された位置への指等の接触や、第2の入力部16bからのキー操作や着信信号に応答して制御部11からの指示を受けることで切換わる。なお、第2のタッチパネル15bは、指等が接触されると、接触された位置を識別する情報を制御部11へ通知する。
第1の入力部16aは、通信相手の電話番号等を指定し、また、トグル式の入力方式によってひらがな文字、アルファベット文字及び記号文字を入力するための数字キーと、カーソル移動や、表示のスクロール指示を示す矢印キーや、決定キー、着呼キー、終話キー、電源投入及び切断キーを含む複数の機能キーとを含む。そして、第1の入力部16aのキーが押下されると、そのキーの識別子を制御部11に通知する。
第2の入力部16bは、電源投入及び切断キーを含む複数の機能キーからなる。そして、第2の入力部16bのキーが押下されると、そのキーの識別子を制御部11に通知する。
開閉検出部17は、磁界検出素子5が磁界を検出しているか否かによって、上下筐体1、2が開状態にあるか、閉状態にあるかを検出する。そして、上下筐体1、2が開状態にあるか、閉状態にあるかの検出要求を受信して、いずれかの状態であるかを通知する。また、所定の時間間隔で磁界検出素子5が磁界を検出しているか否かを調べ、その結果の変化によって、上下筐体1、2が開状態から閉状態になった、及び、閉状態から開状態になったと検出された場合、割込みを介して検出結果を制御部11へ通知する。
電話帳処理部21は、使用者の入力操作に基づいて動作を開始し、記憶部25に記憶された電話帳を新規記憶、更新記憶、検索、及び、検索する。電話帳は、氏名、電話番号、電子メールアドレス等が関連付けられた情報である。なお、限定機能動作において、電話帳処理部21は、電話帳の検索動作のみを行い、かつ、検索された情報の一部を表示しない。
電子メール送受信部22は、電子メールの送受信を行う。即ち、使用者の入力操作に基づいて、電子メールアドレスと、電子メール件名と、電子メール本文とからなる電子メールを入力する。そして、その電子メールを、移動通信網送受信部13を介してメールサーバ装置(図示せず)に対して送信する。また、メールサーバ装置から送信された電子メールを移動通信網送受信部13を介して受信して、記憶部25に記憶させる。
更に、使用者の入力操作に基づいて、電子メール送受信部22は、記憶部25に記憶された電子メールの一覧を第1のタッチパネル15a又は第2のタッチパネル15bに表示させ、更に、使用者の入力操作によってその一覧から選択された電子メールを第1のタッチパネル15a又は第2のタッチパネル15bに表示させる。また、電子メール送受信部22は、その表示させた電子メールを記憶部25から削除する。
なお、限定機能動作において、電子メール送受信部22は、電子メールの送信動作を行わず、受信動作を行う。また、電子メールの一覧の表示、及び、電子メールの表示の際、一部の情報を表示しない。
ブラウザ部23は、使用者の入力操作によって指定されたウェブページアドレスによって識別されるウェブサーバ装置(図示せず)に移動通信網送受信部13を介してアクセスし、その装置に記憶されたインターネットコンテンツ信号の静止画像及び動画像、並びに、文字を移動通信網送受信部13を介して受信して、第1のタッチパネル15a又は第2のタッチパネル15bに表示させ、音声をスピーカ14a又は第2のスピーカ(図示せず)から発生させる。なお、限定機能動作において、ブラウザ部23は、全く動作しない。
写真閲覧部24は、使用者の入力操作によって指定された、記憶部25にファイルとして記憶された写真情報を読み出して、第1のタッチパネル15a又は第2のタッチパネル15bに表示させる。ここで、読み出しの際、使用者の入力操作に従って、フォルダ及びファイルからなる記憶部25の階層をたどる。なお、限定機能動作において、写真閲覧部24は、一部の写真を表示させない。
次に、装置の各処理部が使用者の入力操作によって動作を開始する際の、セキュリティ制御機能11−2の制御動作を説明する。この制御動作は、使用者の第2の入力操作がされた場合、セキュリティ制御動作を行う旨が記憶されているか、行わない旨が記憶されているか、又は、第1の入力操作がされた場合と同じ動作を行う旨が記憶されているか、及び、上記使用者の入力操作が第1の入力操作であるか、第2の入力操作であるかに基づいて行われ、この制御によって、上記各処理部の動作が変化する。なお、第1の入力操作がされた場合と同じ動作を行う旨が記憶されている際の動作は、既に説明したので繰り返さない。
図4に示すフローチャートを参照して、使用者の第2の入力操作がされた際、セキュリティ制御動作を行わない旨が記憶されている場合の、セキュリティ制御機能11−2の制御動作を説明する。セキュリティ制御機能11−2は、装置の電源投入によって動作を開始し(ステップS101)、制御部11の待受画面表示機能(図示せず)によって待受画面が表示されることを待ち(ステップS102)、使用者の入力操作を判断する(ステップS103)。なお、動作開始の際、装置はロック状態にある。
入力操作が第1の入力操作である場合、セキュリティ制御機能11−2は、暗証情報の入力を促す画面を第1のタッチパネル15aに表示させ(ステップS104)、入力された暗証情報が制御部11内に記憶された暗証情報と一致するか否かを判断する(ステップS105)。一致した場合、装置をロック解除の状態に置き(ステップS106)、装置の各部の全機能を、第1の入力操作に基づいて動作させる(ステップS107)。この動作中、装置は、ロック解除の状態に置かれる。一方、一致しない場合、セキュリティ制御機能11−2は、ステップS104の暗証情報の入力を促す表示をさせるステップに戻る。
ステップS103で、入力操作が第2の入力操作である場合、セキュリティ制御機能11−2は、装置の各部の全機能を、第2の入力操作に基づいて動作させる(ステップS107)。この動作中、装置は、ロック状態に置かれる。
なお、ステップS107で装置の各部の全機能の動作をさせている際、例えば、開状態にあった上下筐体1、2が閉じられた場合、装置は、ロック状態に遷移するが、セキュリティ制御機能11−2は、使用者の第2の入力操作に基づいて、開状態にあった際に動作していた処理部の限定機能の動作をさせる(図示せず)。一方、例えば、閉状態にあった上下筐体1、2が開けられた場合、装置は、ステップS104の暗証情報の入力を促す画面の表示動作以降の動作をさせる(図示せず)。なお、その後、ステップS107で、装置の各部の全機能を、第1の入力操作に基づいて動作させるが、この際、閉状態にあった際に動作していた処理部を引き続き動作をさせても良く、新たに任意の動作をさせても良い。
図5に示すフローチャートを参照して、使用者の第2の入力操作がされた際、セキュリティ制御動作を行う旨が記憶されている場合の、セキュリティ制御機能11−2の制御動作を説明する。この制御動作は、図4に示すフローチャートを参照して説明したセキュリティ制御動作を行わない旨が記憶されている場合の制御動作と類似している。そこで、同じ動作ステップには同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS103で、入力操作が第2の入力操作である場合、セキュリティ制御機能11−2は、装置の各部の限定機能を、第2の入力操作に基づいて動作させる(ステップS111)。この動作中、装置は、ロック状態に置かれる。
なお、ステップS107で装置の各部の全機能の動作をさせている際、開状態にあった上下筐体1、2が閉じられた場合、装置は、ロック状態に遷移し、セキュリティ制御機能11−2は、使用者の第2の入力操作に基づいて、開状態にあった際に動作していた処理部の限定機能の動作をさせる(図示せず)。言い換えると、ステップS111に移る。
一方、ステップS111で装置の各部の限定機能をさせている際、閉状態にあった上下筐体1、2が開けられた場合、装置は、ステップS104の暗証情報の入力を促す画面の表示動作以降の動作をさせる(図示せず)。なお、その後、ステップS107で、装置の各部の全機能を、第1の入力操作に基づいて動作させるが、この際、閉状態にあった際に動作していた処理部を引き続き動作をさせても良く、新たに任意の動作をさせても良い。
全機能及び限定機能動作の一例として、電話帳処理部21の全機能動作及び限定機能動作を説明する前に、記憶部25に記憶される電話帳の詳細を説明する。図6は、電話帳の構成の一例を示す。この電話帳は、氏名25aと、別名25bと、電話番号25cと、電子メールアドレス25dと、住所25eとが関連付けられた情報である。
氏名25aは、個人等を識別する文字列である。別名25bは、氏名25aで識別される個人等に付された任意の文字列である。電話番号25cは、氏名25aで識別される個人等が使用する移動通信装置を含む電話の電話番号である。電子メールアドレス25dは、氏名25aで識別される個人等が使用する電子メールアドレスである。住所25eは、氏名25aで識別される個人等の住所である。ここで、必須な情報は氏名25aのみであり、その他の情報は、記憶されなくとも良い。
既に説明したように、電話帳処理部21の全機能及び限定機能動作の相違は、電話帳の検索動作にある。そこで、その検索動作を説明する。図7は、電話帳処理部21の全機能動作による第1のタッチパネル15aへの表示の一例を示す。電話帳処理部21は、上下筐体1、2が開状態にあって全機能動作をする際、使用者の第1の入力操作に基づいて、先ず、図7(a)に示すように、第1のタッチパネル15aの標題欄15a−1に「電話帳」と表示させ、電話帳処理部表示欄15a−2に電話帳データの氏名25aの一覧を表示させる。この際、1つの氏名25aの表示にカーソルを置き、カーソルが置かれる氏名25aは、使用者の第1の入力操作に基づいて変化する。図7(a)では、カーソルは「○○一郎」に置かれていることを、ハッチングによって示す。
次に、所定の使用者の第1の入力操作がされると、電話帳処理部21は、図7(b)に示すように、電話帳処理部表示欄15a−2にカーソルが置かれた氏名25aに係る電話帳データを表示させる。即ち、その氏名25aに加え、その氏名25aと関連付けられて記憶された別名25b、電話番号25c、電子メールアドレス25d、及び住所25eを表示させる。
図8は、電話帳処理部21の限定機能動作による第2のタッチパネル15bへの表示の第1の例を示す。電話帳処理部21は、上下筐体1、2が閉状態にあって限定機能動作をする際、先ず、図8(a)に示すように、第2のタッチパネル15bの標題欄15b−1に「電話帳」と表示させ、電話帳処理部表示欄15b−2に電話帳データの氏名25aの一覧を表示させる。この表示に含まれる情報は、図7(a)に示した全機能動作の際と同じである。
次に、所定の使用者の第2の入力操作がされると、電話帳処理部21は、図8(b)に示すように、電話帳処理部表示欄15b−2にカーソルが置かれた氏名25aに係る電話帳データを表示させる。即ち、氏名25aを表示させ、更に、その氏名25aと関連付けられて記憶された電話番号25c、電子メールアドレス25d及び住所25eとを、実データを伏せて、伏せ字で表示させる。ここで、伏せ字の文字数は、実データの文字数と一致させる。これにより、装置の使用者は、例えば、住所25eとして2通りが思い出された際、いずれが正しいかを知ることができる。しかし、伏せ字の文字数を乱数に基づいて決定しても良く、電話帳データの文字数を視認不可能にすることにより、より高いセキュリティが得られる。なお、別名25bは、全く表示させない。
図9は、電話帳処理部21の限定機能動作による第2のタッチパネル15bへの表示の第2の例を示す。電話帳処理部21は、上下筐体1、2が閉状態にあって限定機能動作をする際、先ず、図9(a)に示すように、第2のタッチパネル15bの電話帳処理部表示欄15b−2に電話帳データの氏名25aの一覧を表示させる。この一覧に含まれる文字の中で、乱数に基づいて選択された、略半数の文字を伏せて、伏せ字で表示させる。
次に、所定の使用者の第2の入力操作がされると、電話帳処理部21は、図9(b)に示すように、電話帳処理部表示欄15b−2にカーソルが置かれた氏名25aに係る電話帳データを表示させる。即ち、その一部の文字を伏せ字に代えた氏名25aを表示させ、その他の表示は、図8(b)に示す第1の例と同じである。
図10は、電話帳処理部21の限定機能動作による第2のタッチパネル15bへの表示の第3の例を示す。電話帳処理部21は、上下筐体1、2が閉状態にあって限定機能動作をする際、先ず、図10(a)に示すように、第2のタッチパネル15bの電話帳処理部表示欄15b−2に電話帳データの別名25bの一覧を表示させる。この際、別名25bが記憶されていない電話帳については、空行が表示される。また、1つの別名25bの表示にカーソルを置き、カーソルが置かれる別名25bは、使用者の第2の入力操作に基づいて変化する。図10(a)では、カーソルは「いち」に置かれていることを、ハッチングによって示す。
次に、所定の使用者の第2の入力操作がされると、電話帳処理部21は、図10(b)に示すように、電話帳処理部表示欄15b−2にカーソルが置かれた別名25bに係る電話帳データを表示させる。即ち、その別名25bを表示させ、更に、その別名25bと関連付けられて記憶された、氏名25a、電話番号25c、電子メールアドレス25d及び住所25eとを、実データを伏せて、伏せ字で表示させる。ここで、伏せ字の文字数については、既に説明した通りである。
図8〜図10を参照して説明した限定機能動作において、各図(b)で示した電話帳データの表示は、対応する各図(a)で示した一覧表示と比較して、詳細な情報が表示されるとは必ずしも言えない。そこで、電話帳データの表示を指示する入力操作を無視し、各図(b)に示す表示は行なわれないとしても良い。
次に、全機能及び限定機能動作の別の一例として、写真閲覧部24の全機能動作及び限定機能動作を説明する。写真閲覧部24は、全機能動作においては、記憶部25にフォルダ及びファイルの階層に従ってファイルとして記憶された写真の全てを、第1、第2のタッチパネル15a、15bに表示させる。フォルダの階層を上下するには、あるフォルダの下にあるフォルダの名称一覧及びそのフォルダの上のフォルダの名称を第1、第2のタッチパネル15a、15bに表示させ、その中の1つを使用者の入力操作に基づいて選択する。そして、あるフォルダの下にあるファイルの名称の一覧を表示させ、その中の1つを使用者の入力操作に基づいて選択し、選択されたファイルとして記憶された写真を表示させる。
写真閲覧部24は、限定機能動作においては、記憶部25に記憶されたフォルダ及びファイルの階層の中で、所定のフォルダの名称を第2のタッチパネル15bに表示させない。当然、そのフォルダの下にあるフォルダの名称及びファイルの名称も表示されず、表示されないフォルダ及びファイルを第2の入力操作に基づいて選択することはできない。
以上説明したように、使用者の第1の入力操作に基づいて装置が動作し、その動作の結果を第1のタッチパネル15aに表示させるには、装置をロックが解除された状態に置く。そして、装置の各部の全機能が動作する。この動作は、上下筐体1、2が開状態であることが必須である。一方、使用者の第2の入力操作に基づいて装置が動作し、その動作の結果を第2のタッチパネル15bに表示させるには、装置がロック状態に置かれたままで良い。そして、装置の各部の全機能、又は、限定された機能が動作する。この動作は、上下筐体1、2が閉状態であることが想定されている。
上下筐体1、2が閉状態である際、それを開状態にして暗証情報の入力を行うには、時間を要する。そこで、閉状態のまま、たとえ、限定された機能ではあるものの、暗証情報の入力なしで動作することによって、セキュリティを保ち、かつ、使用者の利便性が損なわれない効果が得られる。
なお、以上の説明で、限定された機能の例として、通話部14は全機能が動作すること、電話帳処理部21は検索動作のみを行い、かつ、検索された情報の一部を表示しないこと、電子メール送受信部22は電子メールの受信動作を行い、かつ、電子メールの一部の情報を表示しないこと、ブラウザ部23は全く動作しないこと、更に、写真閲覧部24は、一部の写真を表示させないことを述べた。これらは、一例であって、どの処理部がどのような限定された動作を行っても良い。また、限定された機能の動作で、全機能が動作する処理部があっても良い。そして、これらは、使用者の入力操作によって設定されても良い。
ただし、制御部11の制御機能は、限定された機能としては全く動作しない。暗証情報の入力による使用者認証を経て、ロックが解除された状態でのみ動作することが適切であるからである。
なお、以上の説明で、使用者の第1の入力操作は第1のタッチパネル15aへの指等の接触及び第1の入力部16aからのキー操作であるとしたが、これに限るものではない。例えば、第1のタッチパネル15aはタッチパッドを備えず、ディスプレイである場合、使用者の第1の入力操作は第1の入力部16aからのキー操作である。また、第1の入力部16aを備えない装置の場合や、第1の入力部16aは装置の電源の投入と切断などを指示する限られた数のキーからなる場合、使用者の第1の入力操作は第1のタッチパネル15aへの指等の接触である。使用者の第2の入力操作についても、同様である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る移動通信装置は、第1の実施形態に係る移動通信装置と類似している。そこで、同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。図11は、第2の実施形態に係る開閉自在の折畳み型移動通信装置の、左右筐体の折畳みを開いた時の外観を示し、図11(a)は正面図、図11(b)は上面図である。
この移動通信装置は、左筐体6と右筐体7とが、ヒンジ部8によって軸B−Bを中心に回動自在に連結されてなることによって、左右筐体6、7の角度が略0度(閉状態)から略180度(開状態)の間で開閉自在に構成されている。
左筐体6の内面には、第3のタッチパネル15cと、第3の入力部16cとが設置され、右筐体7の内面には、第4のタッチパネル15dと、第4の入力部16dとが設置されている。
図12は、この移動通信装置の左筐体6をヒンジ部8によって回動させ、右筐体7に近づけて折畳みを閉じた時の外観を示し、図12(a)は正面図、図12(b)は上面図である。折畳みが閉じられた状態では、第3、第4のタッチパネル15c、15dと、第3、第4の入力部16c、16dとは、折畳みの内側にあるため、使用者は、第3、第4のタッチパネル15c、15dに行われた表示を視認することができず、また、指等を接触させることができない。更には、第3、第4の入力部16c、16dのキーを操作することができない。
なお、図示を省略したが、左筐体6の内面には、スピーカ14aと、マイクロフォン14bとが設置されている。更に、左筐体6の左部の内部(ヒンジ部8から遠い部分。)に磁石4が埋め込まれ、右筐体7の右部の内部(ヒンジ部8から遠い部分。)に磁界検出素子5が埋め込まれ、左右筐体6、7が閉状態にある場合、磁石4と、磁界検出素子5との間の距離が近いように配置してある。
図13は、第2の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、上述した移動通信装置と比較して、第1、第2のタッチパネル15a、15bと、第1、第2の入力部16a、16bとを有さず、第3、第4のタッチパネル15c、15dと、第3、第4の入力部16c、16dとを有することが相違している。
この相違に伴い、制御部11は、第1の実施形態における動作と比較して、以下のような異なる制御動作を行う。まず、左右筐体6、7が閉状態にある場合、第3、第4のタッチパネル15c、15dに表示をせず、また、第3、第4のタッチパネル15c、15d及び第3、第4の入力部16c、16dからの使用者の入力操作の通知を受信しない。一方、左右筐体6、7が開状態にある場合、第3、第4のタッチパネル15c、15dの一方、又は、両方に表示をし、一方、又は、両方からの入力操作の通知を受信する。更には、第3、第4の入力部16c、16dの一方、又は、両方からの入力操作の通知を受信する。
次に、セキュリティ制御機能11−2は、第3のタッチパネル15cへの指等の接触及び第3の入力部16cからのキー操作を、使用者の第1の入力操作とし、第4のタッチパネル15dへの指等の接触及び第4の入力部16dからのキー操作を、使用者の第2の入力操作とする。又は、第3のタッチパネル15cへの指等の接触及び第3の入力部16cからのキー操作を、使用者の第2の入力操作とし、第4のタッチパネル15dへの指等の接触及び第4の入力部16dからのキー操作を、使用者の第1の入力操作とする。
このように制御することによって、装置がロック状態にある際、使用者の入力操作が左筐体6に設置された入力用のデバイスを介して行われたか、右筐体7に設置された入力用のデバイスを介して行われたかによって、セキュリティ制御機能11−2は、暗証情報の入力を経て装置をロック解除の状態に遷移させた上で全機能を動作させるか、又は、ロック状態にあるまま、全機能、若しくは、限定された機能を動作させるかの制御を行う。
これは、第2の実施形態に係る移動通信装置は携帯に適した小型の装置であり、使用者は片手で保持し、その手の指によって入力操作をする、即ち、第1の入力操作か、第2の入力操作かのいずれか一方をすることが多い特徴を活かした制御である。即ち、片手で保持し、その手の指によって入力操作をしている際、その手の指の操作によって、たとえ、限定された機能ではあるものの、暗証情報の入力なしで動作することによって、セキュリティを保ち、かつ、使用者の利便性が損なわれない効果が得られる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る移動通信装置の外観及び構成は、第1の実施形態に係る移動通信装置の外観及び構成を同じである。そこで、外観及び構成の説明を省略する。
この移動通信装置と、第1の実施形態に係る移動通信装置との相違は、主に開状態にあった上下筐体1、2が閉じられた際の、及び、閉状態にあった上下筐体1、2が開けられた際のセキュリティ制御機能11−2の制御動作にある。
即ち、概ね、第1のタッチパネル15aは、第2のタッチパネル15bより大きいため、上下筐体1、2が開状態にある際には、閉状態にある際よりも複雑な、セキュリティを保ちたい情報が表示されることが多い。そこで、上下筐体1、2が開状態にある際に、使用者以外の者によって第1のタッチパネル15aの表示が視認されることは好ましくなく、使用者は、上下筐体1、2を閉じて視認されることを避けることができる。
そこで、上下筐体1、2が閉状態にある際に、第2のタッチパネル15bに何ら装置の動作に係る表示がされないなら、セキュリティは保たれるものの、装置の使用者は、何ら装置を使用することができないので、利便性が損なわれる問題点がある。以下に説明するセキュリティ制御機能11−2の制御動作によって、この問題点が解決される。
ここで、このセキュリティ制御機能11−2の制御動作は、使用者の第2の入力操作がされた場合、セキュリティ制御動作を行う旨が記憶されているか、セキュリティ制御動作を行わない旨、又は、第1の入力操作がされた場合と同じ動作を行う旨のいずれが記憶されているかに依存しない。更に、ロック遷移イベントの発生によって、装置がロック状態に遷移されるか否かに依存しない。
第3の実施形態における各部の動作で、第1の実施形態における動作との相違を説明する。
第3の実施形態において、記憶部25には、閉状態表示設定が記憶される。図14は、閉状態表示設定の構成の一例を示す。この閉状態表示設定は、処理部25mと、閉状態表示25nとが関連付けられた情報である。処理部25mは、使用者の入力操作に基づいて動作する処理部であって、「電話帳処理部」、「電子メール送受信部」、「ブラウザ部」、及び、「写真閲覧部」のいずれかである。なお、設定機能11−1や、セキュリティ制御機能11−2のロック解除の動作も使用者の入力操作に基づいて動作するが、制御部11の制御機能は、処理部25mには記憶されない。これらの制御機能の動作に係る表示は、使用者の意思に委ねられるべきではないからである。
閉状態表示25nは、上下筐体1、2が閉状態にあり処理部25mによって識別される処理部が動作している際(その際、その処理部の動作の結果は、第1のタッチパネル15aに表示される。)、上下筐体1、2が閉じられた場合の、第2のタッチパネル15bの表示内容であって、「同じ」、「選択」、及び、「非表示」のいずれかである。なお、「選択」の場合、併せて、使用者によって選択された内容、例えば、「待受画面」が記憶される。また、「写真閲覧部」と関連付けられた閉状態表示25nには、複数が記憶され、それぞれにフォルダ名及び/又はファイル名が併せて記憶されても良い。
設定機能11−1は、使用者の入力操作に基づいて動作を開始し、記憶部25に記憶された閉状態表示設定を第1のタッチパネル15a又は第2のタッチパネル15bに表示させる。そして、使用者の入力操作に基づいていずれかの処理部25mを選択する。更に、「同じ」、「選択」、及び、「非表示」のいずれかを使用者の入力操作に基づいて選択して、その処理部25mに関連付けられた閉状態表示25nに記憶される。なお、「選択」が選択された場合、併せて、使用者によって指定された内容、例えば、「待受画面」を記憶させる。
また、設定機能11−1は、写真閲覧部24が動作中に所定の入力操作が行われた場合、「写真閲覧部」なる処理部25mと関連付けられた閉状態表示25nに、入力操作に依存して、「同じ」、「選択」、及び、「非表示」のいずれかを記憶させ、併せて、その際に表示していた写真情報ファイルが属するフォルダ名、又は、そのファイル名を記憶させる。
図15に示すフローチャートを参照して、開状態にあった上下筐体1、2が閉じられた際のセキュリティ制御機能11−2の制御動作を説明する。セキュリティ制御機能11−2は、開状態にあった上下筐体1、2が閉じられた際に制御動作を開始し(ステップS201)、その際に動作中である処理部と等しい処理部25mと関連付けられた閉状態表示25nを閉状態表示設定から検索する(ステップS202)。その処理部が写真閲覧部24である場合、閉状態表示25nには複数の値が記憶されていることがあるので、その場合、その値と併せて記憶されたフォルダ名又はファイル名と、写真閲覧部24が表示していた写真情報であるファイルが属するフォルダ名又はそのファイル名とが等しい値を検索する。
セキュリティ制御機能11−2は、検索された閉状態表示25nを判断し(ステップS203)、それが「同じ」である場合、第1のタッチパネル15aに表示されていた内容を第2のタッチパネル15bに表示させる(ステップS204)。これは、動作中である処理部を引き続き動作させることを意味する。また、第2のタッチパネル15bの表示画面が第1のタッチパネル15aの表示画面より小さい場合、その処理部及び/又は制御部11は、表示内容を縮小し、また、同時に表示される内容を減らしてスクロールによって全ての内容を表示する。
検索された閉状態表示25nが「選択」である場合、セキュリティ制御機能11−2は、「選択」に併せて記憶されている内容を第2のタッチパネル15bに表示させる(ステップS205)。これは、動作中である処理部を一時停止させることを意味する。また、その内容が「待受画面」である場合、使用者の第2の入力操作に基づいて、新たに処理部の動作が開始されることがある。この処理部が上下筐体1、2が開状態にあった際に動作していた処理である場合、新たに動作を開始させても良く、上下筐体1、2が閉じられた際の動作の続きをさせても良い。
検索された閉状態表示25nが「非表示」である場合、セキュリティ制御機能11−2は、第2のタッチパネル15bにメニューを表示させる(ステップS206)。図16は、このメニュー画面の一例を示し、メニュー画面は、「メニュー」と表示された標題欄15b−1と、メニュー表示欄15b−3とからなる。メニュー表示欄15b−3には、装置の一部の処理を識別する情報が表示される。「電話発信」は、通話部14による通話の発信を、「電話帳処理」は、電話帳処理部21の動作を示す。
このメニューの表示は、動作中である処理部を一時停止させることを意味する。また、そのメニューに対する使用者の第2の入力操作に基づいて、新たに処理部の動作が開始されることがある。この処理部が上下筐体1、2が開状態にあった際に動作していた処理である場合、セキュリティ制御機能11−2は、新たに動作を開始させても良く、上下筐体1、2が閉じられた際の動作の続きをさせても良い。
なお、検索された閉状態表示25nが「非表示」である場合、セキュリティ制御機能11−2は、上記のように第2のタッチパネル15bにメニューを表示させると限るものではなく、何も表示させない、時刻を表示させる、等をしても良い。いずれにしても、上下筐体1、2が開状態にあった際に動作していた処理は、第2のタッチパネル15bの表示によって視認されることはない。
また、動作中である処理部がない場合(これは、待受画面が第1のタッチパネル15aに表示されていた場合である。)、セキュリティ制御機能11−2は、待受画面を第2のタッチパネル15bに表示させる(図示せず)。その後の動作は、ステップS205の動作説明で述べたことに準じる。
なお、ステップS204、S205、S206の動作の後、閉状態にあった上下筐体1、2が開かれた際のセキュリティ制御機能11−2の制御動作は、以下の通りである(図示せず)。ステップS204の動作の後、並びに、ステップS204又はS206の動作によって新たに処理部の動作が開始されなかった、及び、新たに開始された処理部の動作が終了した場合、セキュリティ制御機能11−2は、開状態にあった際に、即ち、ステップS201の直前に動作していた処理部の動作を続けさせる。
ステップS204、及び、S206の動作によって新たに処理部の動作が開始されている場合、セキュリティ制御機能11−2は、その処理部の動作を続けさせる。又は、その処理部の動作を終了させ、開状態にあった際に、即ち、ステップS201の直前に動作していた処理部の動作を続けさせる。
(その他の実施形態)
以上の実施形態で、移動通信装置は、筐体の回動によって開閉自在であるとしたが、これに限るものではない。例えば、筐体のスライドによって開閉自在であっても良い。
以上説明した実施形態は、適宜組み合わせても良い。また、以上の説明は、本発明を移動通信装置に適用した例によって行ったが、本発明は、使用者の入力操作を複数のデバイスによって行うことができ、1つの入力デバイスは、他の入力デバイスより入力が容易な全ての装置に、また、表示を複数のデバイスに行ない、1つの表示デバイスは、使用者以外の者によって他の表示デバイスより視認が容易な全ての装置に適用が可能である。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。