JP5416439B2 - アルミニウム合金ろう付け体およびその熱処理方法ならびに熱交換器 - Google Patents
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Description
本発明に係るアルミニウム合金ろう付け体を構成するアルミニウム合金ブレージングシートは、Cu:0.5質量%以上を含有するアルミニウム合金からなる心材の片面または両面にアルミニウム合金ろう材を積層したクラッド材である。または、前記心材の片面(一面側)にろう材を、他面側に犠牲陽極材を備えてもよい。アルミニウム合金ブレージングシートの厚さは、好ましくは0.2〜3mmであるが、特に規定されるものではなく、作製される熱交換器の仕様等に合わせて、要求される軽量化や強度および耐食性に対応可能な厚さとする。
Cuは、アルミニウム合金中で固溶・析出強化して強度を向上させる。また、Cuはアルミニウム合金の電位を貴にする働きがあるため、ろう材が心材を犠牲防食し、アルミニウム合金ブレージングシートの耐食性を向上させる。一方で、Cuは、その含有量が0.5質量%以上になると、150℃以上の高温において初期に粒界に析出するため、腐食環境下で粒界腐食を生じて耐食性を顕著に劣化させるため、熱交換器に組み立てる際に後記の熱処理を施す。なお、Cu含有量が0.5質量%未満では、特に前記熱処理を施さなくても耐食性の劣化を生じないため、本発明の範囲外とする。また、Cu含有量の上限は特に規定しないが、増大するにしたがいアルミニウム合金の融点が低下するため、3.5質量%以下が好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。
アルミニウム合金ブレージングシートに備えるろう材は、一般的なアルミニウム合金ブレージングシートに積層されるろう材やろう付け用アルミニウム合金材のろう付けに通常用いられるろう材用のアルミニウム合金を使用できる。このようなアルミニウム合金としては、例えば、Al−Si系合金、Al−Si−Zn系合金、Al−Si−Mg(Bi)系合金等を挙げることができる。
アルミニウム合金ブレージングシートに備える犠牲陽極材は、一般的なアルミニウム合金ブレージングシートの犠牲陽極材として公知のアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用することができる。アルミニウム合金としては、例えば、Al−Zn系合金、Al−Zn−Mg系合金、そしてこれらにMn,Si等を添加した合金等が挙げられる。
(熱処理時間t(hr):t>(190−T)/(0.62×[Cu]−0.16)、熱処理温度T(℃)、[Cu]:アルミニウム合金ブレージングシートの心材のCu含有量(質量%))
本発明に係るアルミニウム合金ろう付け体熱処理方法(以下、熱処理方法)は、時間t(hr)が、熱処理温度(℃)をT、アルミニウム合金ブレージングシートの心材のCuの含有量(質量%)を[Cu]として表したとき、条件式:t>(190−T)/(0.62×[Cu]−0.16)を満足するように行う。
表3、表4、表5に示す組成を有する心材(C1〜C5)用、ろう材(F)用、および犠牲陽極材(S)用のアルミニウム合金を作製し、連続鋳造にて溶解、鋳造した後、均質化熱処理、熱間圧延を施し、心材用アルミニウム合金板、ろう材用アルミニウム合金板および犠牲陽極材用アルミニウム合金板を得た。それぞれのアルミニウム合金板を表6に示す組合せで重ね合わせ、ろう材および犠牲陽極材の厚さをそれぞれ板厚全体の10%となるように熱間圧延にてクラッドし、冷間圧延にて板厚1.5mmとした。その後、仕上げ焼鈍によりO材に調質して表6に示す3層材(ブレージングシート)を作製した。
高温経時耐食性の評価として、ろう材側の一面を試験面とし、他面および端面をシールして、5%NaCl水溶液中にて、電流密度1mA/cm2で24時間の定電流電解による促進腐食試験を行った。試験後に試験面から粒界腐食深さを測定した。耐食性の合格基準は、最大腐食深さが100μm以下として「○」、100μmを超えたものは「×」として表6に示す。なお、熱交換器使用環境の高温経時は、熱処理時間に含むものとした。
Claims (4)
- Cu:0.5質量%以上を含有するアルミニウム合金からなる心材の少なくとも一方の面にアルミニウム合金からなるろう材を備えるアルミニウム合金ブレージングシートをろう付けした後に、前記心材の粒界と粒内とにCuを析出させる熱処理を施したアルミニウム合金ろう付け体であって、
前記アルミニウム合金ブレージングシートの心材のCuの含有量(質量%)を[Cu]として表し、前記熱処理における温度(℃)をT、時間(hr)をtとしてそれぞれ表したとき、t>(190−T)/(0.62×[Cu]−0.16)の関係を満足することを特徴とするアルミニウム合金ろう付け体。 - 前記アルミニウム合金ブレージングシートは、前記ろう材を前記心材の一方の面に備えて、前記心材の他方の面にアルミニウム合金からなる犠牲陽極材をさらに備える請求項1に記載のアルミニウム合金ろう付け体。
- 請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金ろう付け体を用いた熱交換器。
- Cu:0.5質量%以上を含有するアルミニウム合金からなる心材の少なくとも一方の面にアルミニウム合金からなるろう材を備えるアルミニウム合金ブレージングシートをろう付けした後に行って、前記心材の粒界と粒内とにCuを析出させるアルミニウム合金ろう付け体熱処理方法であって、
前記アルミニウム合金ブレージングシートの心材のCuの含有量(質量%)を[Cu]として表したとき、熱処理温度T(℃)および熱処理時間t(hr)が、t>(190−T)/(0.62×[Cu]−0.16)の関係を満足するように行うことを特徴とするアルミニウム合金ろう付け体熱処理方法。
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