JP5412915B2 - フェライト・パーライト型圧延非調質鋼材の製造方法 - Google Patents
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1.C:0.30〜0.55質量%、
Si:0.01〜1.2質量%、
Mn:1.8超〜2.5質量%、
P:0.040質量%以下、
S:0.040質量%以下、
Al:0.005〜0.06質量%及び
V:0.05〜0.20質量%
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼素材に熱間圧延を施すに当り、下記(1)式で求められるT1℃以下の温度域での粗圧延の減面率を25%以下とし、その後下記(2)式で求められる(T2−200)〜T2℃の温度域で減面率25%以上の仕上げ圧延を施した後、550℃まで5℃/s未満の冷却速度で冷却することを特徴とするフェライト・パーライト型圧延非調質鋼材の製造方法。
記
T1(℃)=−5440/(log[V] [C]−3.314)−173 …(1)
T2(℃)=910−203[C]+44.7[Si]−30[Mn]−20[Cu]−15.2[Ni]−11[Cr]+31.5[Mo]+104[V]+400[Ti]+460[Al]+700[P] …(2)
ここで、上の式中の[]表示は、その括弧内の成分の含有率(質量%)を意味している。
Cr:1.0質量%以下、
Cu:1.0質量%以下、
Ni:1.0質量%以下及び
Mo:1.0質量%以下
から選ばれる1種または2種以上を含有するフェライト・パーライト型圧延非調質鋼材の製造方法。
Ti:0.15質量%以下及び
Nb:0.15質量%以下
のいずれか1種または2種を含有するフェライト・パーライト型圧延非調質鋼材の製造方法。
Pb:0.01〜0.40質量%、
Bi:0.01〜0.40質量%及び
Ca:0.0005〜0.0100質量%
から選ばれる1種または2種以上を含有するフェライト・パーライト型圧延非調質鋼材の製造方法。
まず、本発明における鋼素材について、その成分組成を詳しく説明する。
[成分組成]
C:0.30〜0.55質量%
Cは、強度を得るために必要な元素であり、そのためには0.30質量%以上は必要である。一方、多量に含有させると靭性が低下するため、上限を0.55質量%とした。好ましくは、0.35〜0.50質量%である。
Siは、製鋼プロセスにおいて、脱酸剤および強度を調整するのに有効な元素である。これらの効果を得るには、0.01質量%以上が必要であり、一方1.2質量%を超えると靭性が損なわれるため、0.01〜1.2質量%の範囲とした。好ましくは、0.1〜1.0質量%である。
Mnは、パーライトラメラ間隔を制御し、強度と靭性を調整するために重要な元素であるが、その効果を得るためには1.8質量%を超えて含有させる必要があり、一方2.5質量%を超えると靭性が損なわれるため、1.8超〜2.5質量%の範囲とした。好ましくは、1.85〜2.2質量%である。
Pは、勒性を劣化させる元素であり、極力低減することが好ましいが、0.040質量%までは許容される。
Sは、Pとともに靭性を劣化させる元素であり、やはり極力低減することが好ましいが、0.040質量%までは許容される。
Alは、脱酸剤として添加する元素であり、0.005質量%未満ではその効果が小さく、一方0.06質量%を超えて添加すると、靭性に影響を及ぼすためAlは0.005〜0.06質量%の範囲とした。好ましくは、0.01〜0.05質量%である。
Vは、Cと析出物を形成して強度の向上に寄与する元素である。その効果を得るためには0.05質量%以上が必要であるが、0.20質量%を超えて添加しても効果が飽和するため、0.05〜0.20質量%の範囲とした。好ましくは、0.06〜0.18質量%である。
Cr:1.0質量%以下、Cu:1.0質量%以下、Ni:1.0質量%以下、Mo:1.0質量%以下
Cr、Cu、Ni及びMoは、固溶強化元素として強度調整に有効な元素である。必要に応じて、上記4種のいずれか1種または2種以上を、好ましくは0.2質量%以上で添加することが可能である。一方、いずれの元素も、1.0質量%を超えると靭性が低下するため、1.0質量%以下とすることが好ましい。
Ti:0.15質量%以下
Tiは、鋼中のNをTiNとして固定し、結晶粒の粗大化を防止する効果を有するとともに、Vと同様にCと析出物を形成するため、強度を得るのに有用な元素であるが、0.15質量%を超えて添加すると靭性が低下するため、0.15質量%以下とした。好ましくは、0.05〜0.12質量%である。
Nbは、炭窒化物を形成することによって結晶粒の粗大化を防止する効果を有するとともに、VやTiと同様にCと析出物を形成し、強度を得るために有用な元素であるが、0.15質量%を超えて添加すると靭性が低下するため、0.15質量%以下とした。好ましくは、0.05〜0.12質量%である。
Pb:0.01〜0.40質量%
Pbは、被削性を向上させる元素であり、その効果を得るためには、0.01質量%以上で添加することが好ましい。一方、0.40質量%を超えて添加すると、靭性を低下させるため、0.01〜0.40質量%の範囲とした。
Biは、被削性を向上させる元素である。その効果を得るためには、0.01質量%以上で添加させることが好ましい。一方、0.40質量%を超えて添加すると、靭性を著しく低下させるため、0.01〜0.40質量%の範囲とする。
Caは、被削性を向上させる元素である。その効果を得るためには、0.005質量%以上で添加させることが好ましい。一方、0.0100質量%を超えて添加しても効果が飽和するため、0.0005〜0.0100質量%の範囲とする。
次に、各工程の限定理由を詳しく述べる。
本発明が対象とするフェライト・パーライト型非調質鋼において、高い強度及び靭性を両立させるには、オーステナイト再結晶域圧延にて結晶粒を微細化することが重要であるが、Vの析出を考慮して最適圧延条件を検討する必要がある。ここに、Vの固溶温度は溶解度積から推定することが可能であり、この温度以上で圧延すれば、理論上Vは析出しない。しかし、実際の熱間圧延では、熱間加工歪みによる析出の促進によって、上記推定温度よりも高い温度でV炭化物が析出する。これを回避するためには、次式(1)で得られる温度T1℃以下の温度域での粗圧延減面率を25%以下に規制する必要がある。
T1(℃)=−5440/(log[V] [C]−3.314)−173 …(1)
なお、T1℃以下での粗圧延は複数パスで行ってもよいが、ここでいう減面率は、T1℃以下で行う粗圧延の開始前の断面率S0と粗圧延後の断面積S1とから、
(S0−S1)/S0×100(%)
で求めることができる。
仕上げ圧延では、粗圧延で微細化したオーステナイトを未再結晶域でさらに微細化すると同時に、圧延歪みを用いてV炭化物の析出強化を促進させる必要がある。フェライト・パーライト鋼のミクロ組織は、旧オーステナイト粒界から生成した初析フェライトとパーライトとの混合組織である。特に、中炭素鋼においては、パーライト分率が高いため、旧オーステナイト粒径を細かくすることが靭性向上の上で重要となる。オーステナイト未再結晶域での圧延は、圧下されたオーステナイト粒が圧下方向と垂直な方向に伸長し、圧下方向の見掛けのオーステナイト粒径が小さくなるため、靭性向上には有効な手法である。この効果を発揮させるためには、次式で得られる温度T2につき、(T2−200)〜T2℃の温度域での仕上げ圧延の減面率を25%以上とすることが重要である。
T2(℃)=910−203[C]+44.7[Si]−30[Mn]−20[Cu]−15.2[Ni]−11[Cr]+31.5[Mo]+104[V]+400[Ti]+460[Al]+700[P] …(2)
なお、仕上げ圧延についても、複数パスで行っても1パスで行ってもよく、ここでいう減面率も、仕上げ圧延開始前の断面積s0と仕上げ圧延後の断面積s1とから、
(s0−s1)/s0×100(%)
で求めることができる。
さらに、(T2−200)〜T2℃の温度域で減面率25%以上の圧下量で仕上げ圧延を施すと、見掛けの結晶粒径が小さくなり、それと同時にフェライト分率が増加する。このフェライト分率の最適化を図るために、冷却制御が必要である。すなわち、本発明では、Mn量を1.8超〜2.5質量%とすることによって、パーライトラメラの微細化を図り高強度化している。ここで、仕上げ圧延後の冷却速度が5℃/s以上の場合、フェライト分率が低くなり、また、一部ベイナイトが混入し、靭性が低下するが、冷却速度を5℃/s未満に制御することにより、フェライト・パーライト組織となり、靭性を良好にできることが新たに判明した。
なお、下限は、特に設定する必要はないが、実用上は0.01℃/s以上とすればよい。
Claims (4)
- C:0.30〜0.55質量%、
Si:0.01〜1.2質量%、
Mn:1.8超〜2.5質量%、
P:0.040質量%以下、
S:0.040質量%以下、
Al:0.005〜0.06質量%及び
V:0.05〜0.20質量%
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼素材に熱間圧延を施すに当り、下記(1)式で求められるT1℃以下の温度域での粗圧延の減面率を25%以下とし、その後下記(2)式で求められる(T2−200)〜T2℃の温度域で減面率25%以上の仕上げ圧延を施した後、550℃まで5℃/s未満の冷却速度で冷却することを特徴とするフェライト・パーライト型圧延非調質鋼材の製造方法。
記
T1(℃)=−5440/(log[V] [C]−3.314)−173 …(1)
T2(℃)=910−203[C]+44.7[Si]−30[Mn]−20[Cu]−15.2[Ni]−11[Cr]+31.5[Mo]+104[V]+400[Ti]+460[Al]+700[P] …(2) - 請求項1において、前記鋼素材が、さらに
Cr:1.0質量%以下、
Cu:1.0質量%以下、
Ni:1.0質量%以下及び
Mo:1.0質量%以下
から選ばれる1種または2種以上を含有するフェライト・パーライト型圧延非調質鋼材の製造方法。 - 請求項1または2において、前記鋼素材が、さらに
Ti:0.15質量%以下及び
Nb:0.15質量%以下
のいずれか1種または2種を含有するフェライト・パーライト型圧延非調質鋼材の製造方法。 - 請求項1、2または3において、前記鋼素材が、さらに
Pb:0.01〜0.40質量%、
Bi:0.01〜0.40質量%及び
Ca:0.0005〜0.0100質量%
から選ばれる1種または2種以上を含有するフェライト・パーライト型圧延非調質鋼材の製造方法。
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