<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態である基地局装置1の構成を示すブロック図である。基地局装置1は、高周波(Radio Frequency;略称:RF)部11、ディジタルフロントエンド(Digital Front End;略称:DFE)回路部12、LTE回路部13、3G回路部14、CPU(Central Processing Unit)15、システムクロック供給部16、第1アンテナ17および第2アンテナ18を備えて構成される。図1およびその他の図面において、DFE回路部12は、「DFEC」と記載する。LTE回路部13は、「LTEC」と記載する。3G回路部14は、「3GC」と記載する。システムクロック供給部16は、「SCP」と記載する。第1アンテナ17および第2アンテナ18は、「AT」と記載する。
RF部11は、第1デュプレクサ(duplexer;略称:DUP)部21、第1スイッチ部22、第1無線送信部23、第1無線受信部24、第1下り無線受信部25、第2デュプレクサ(DUP)部26、第2スイッチ部27、第2無線送信部28、第2無線受信部29および第2下り無線受信部30を備える。図1およびその他の図面において、第1無線送信部23および第2無線送信部28は、「TR」と記載する。第1無線受信部24および第2無線受信部29は、「RE」と記載する。第1下り無線受信部25および第2下り無線受信部30は、「DRE」と記載する。
DFE回路部12は、第1DFE部31および第2DFE部32を備える。DFE回路部12は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array;略称:FPGA)、または特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits;略称:ASIC)などに実装される。
LTE回路部13は、内蔵ディジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor;略称:DSP)/L1エンジン(Engine)部33および内蔵CPU34を備える。内蔵DSP/L1エンジン部33は、直交周波数分割多重アクセス(Orthogonal Frequency Division Multiple Access;略称:OFDMA)部35、LTE用チャネルコーディング部36、単一波周波数分割多重アクセス(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access;略称:SC−FDMA)部37、LTE用チャネルデコーディング部38およびLTE用無線パラメータ取得部39を備える。図1およびその他の図面において、内蔵DSP/L1エンジン部33は、「BDSP/L1E」と記載する。内蔵CPU34は、「BCPU」と記載する。LTE用チャネルコーディング部36は、「CHC」と記載する。LTE用チャネルデコーディング部38は、「CHDEC」と記載する。LTE用無線パラメータ取得部39は、「WLPA」と記載する。
内蔵CPU34は、無線リンク制御(Radio Link Control;略称:RLC)/メディアアクセス制御(Medium Access Control;略称:MAC)部40、パケットデータ収束プロトコル(Packet Data Convergence Protocol;略称:PDCP)/ユーザプレーン用汎用パケット無線サービストンネリングプロトコル(General Packet Radio Service Tunneling Protocol-User;略称:GTP−U)部41、LTE用インターネットプロトコル(Internet Protocol;略称:IP)部42、LTE用インターネットプロトコルセキュリティ(IP Security;略称:IPsec)部43、LTE用アプリケーション(application;略称:AP)部44、LTE用プラットフォーム(platform;略称:PF)部45、ネットワークパラメータ取得部46、ユニバーサルプラグアンドプレイ(Universal Plug and Play;略称:UPnP)部47、データオフロード部48およびシステムクロック補正部49を備える。LTE用AP部44およびLTE用PF部45は、受信信号解析手段および送信信号解析手段を含む。図1およびその他の図面において、ネットワークパラメータ取得部46は、「NWPA」と記載する。データオフロード部48は、「DO」と記載する。システムクロック補正部49は、「SCC」と記載する。
3G回路部14は、拡散変調部50、3G用チャネルコーディング部51、逆拡散復調部52、3G用チャネルデコーディング部53を備える。図1およびその他の図面において、拡散変調部50は、「SM」と記載する。3G用チャネルコーディング部51は、「CHC」と記載する。逆拡散復調部52は、「BDDEM」と記載する。3G用チャネルデコーディング部53は、「CHDEC」と記載する。
CPU15は、高速下り回線パケットアクセス(High Speed Downlink Packet Access;略称:HSDPA)用メディアアクセス制御(Medium Access Control-HSDPA;略称:MAC−hs)部54、エンハンストアップリンク(Enhanced Uplink;略称:EUL)用メディアアクセス制御(Medium Access Control-EUL;略称:MAC−e)部55、フレームプロトコル(Frame Protocol;略称:FP)終端部56、3G用無線パラメータ取得部57、3G用IP部58、3G用IPsec部59、イーサネット(登録商標)経由ポイントツーポイントプロトコル(Point to Point Protocol over Ethernet(登録商標);略称:PPPoE)部60、3G用AP部61および3G用PF部62を備える。図1およびその他の図面において、FP終端部56は、「FPT」と記載する。3G用無線パラメータ取得部57は、「WLPA」と記載する。
RF部11とDFE回路部12とは、無線送受信部71を構成する。図1およびその他の図面において、無線送受信部71は、「WTR」と記載する。無線送受信部71は、送信するべきベースバンド送信信号を無線周波数信号に変換する。また無線送受信部71は、受信した受信無線周波数信号を受信ベースバンド信号に変換する。無線送受信部71は、FPGAまたはASICに実装した回路およびRF部品によって構成される。
LTE回路部13のうち、内蔵DSP/L1エンジン部33と、内蔵CPU34のRLC/MAC部40およびPDCP/GTP−U部41とは、LTE用ベースバンド部72を構成する。図1およびその他の図面において、LTE用ベースバンド部72は、「BB」と記載する。
LTE回路部13のうち、内蔵CPU34のLTE用AP部44、LTE用PF部45およびネットワークパラメータ取得部46は、発展型基地局(Evolved Node Base Station;略称:eNB)制御部73を構成する。図1およびその他の図面において、eNB制御部73は、「eNBC」と記載する。eNB制御部73は、LTE方式の移動体通信システムにおける基地局であるeNBとして機能する部位を制御し、LTE機能に関する呼処理、呼処理監視、回線設定および管理、保守監視、ならびに状態管理などを行う。
3G回路部14と、CPU15のMAC−hs部54、MAC−e部55、FP終端部56および3G用無線パラメータ取得部57とは、3G用ベースバンド部74を構成する。3G用ベースバンド部74は、本実施の形態では、W−CDMA用のベースバンド部として機能する。図1およびその他の図面において、3G用ベースバンド部74は、「BB」と記載する。
CPU15の3G用AP部61および3G用PF部62は、NB制御部75を構成する。図1およびその他の図面において、NB制御部75は、「NBC」と記載する。NB制御部75は、3G方式の移動体通信システムにおける基地局であるNB(以下「Node B」という場合がある)として機能する部位を制御し、3G機能に関する呼制御、呼処理監視、回線設定および管理、保守監視、ならびに状態管理などを行う。
LTE回路部13の内蔵CPU34のLTE用IP部42およびLTE用IPsec部43と、CPU15の3G用IP部58、3G用IPsec部59およびPPPoE部60とは、有線側終端部76を構成する。図1およびその他の図面において、有線側終端部76は、「WTN」と記載する。有線側終端部76は、イーサネット(Ethernet:登録商標)およびIPの信号を終端する。また有線側終端部76は、IPsec機能、オペレーションシステム(operation system;略称:OPS)、AP、PF、コアネットワークなどの上位装置などからの緊急(emergency;略称:EM)信号受信時の装置リセット機能に対応している。
LTE回路部13の内蔵CPU34のシステムクロック補正部49は、システムクロック補正部49に接続されるシステムクロック供給部16とともに、クロック部77を構成する。図1およびその他の図面において、クロック部77は、「CLK」と記載する。クロック部77は、無線送受信部71、LTE用ベースバンド部72および3G用ベースバンド部74などで使用される基準クロック信号を生成するために、全地球測位システム(Global Positioning System;略称:GPS)またはネットワークタイムプロトコル(Network Time Protocol;略称:NTP)サーバなどを用いた補正方式を導入し、高安定な基準タイミングを生成している。
RF部71の第1DUP部21は、第1アンテナ17に接続されている。第1DUP部21は、送信信号の送信と受信信号の受信とを1つのアンテナ、具体的には第1アンテナ17によって実現するためのアンテナ共用器である。第1DUP部21は、予め定める周波数帯域のうち、送信に用いられる周波数帯域の信号のみを通過させる送信フィルタと、受信に用いられる周波数帯域の信号のみを通過させる受信フィルタとを備える。
第1スイッチ部22は、第1無線送信部23から出力される下りユーザデータのRF信号の送信処理と、第1下り無線受信部25による下り周波数帯域のRF信号の受信処理とを切替える。
第1無線送信部23は、第1DFE部31から与えられる信号に基づいて、下りユーザデータのRF信号を生成し、生成したRF信号を、第1スイッチ部22、第1DUP部21および第1アンテナ17を介して送信する。
第1無線受信部24は、第1アンテナ17を介して、第1DUP部21から与えられる受信信号を受信し、第1DFE部31に与える。
第1下り無線受信部25は、第1アンテナ17を介して受信され、第1DUP部21から与えられる受信信号に基づいて、下り周波数帯域のRF信号を生成し、生成したRF信号を第1DFE部31に与える。
RF部11の第2DUP部26は、第2アンテナ18に接続されている。第2DUP部26は、送信信号の送信と受信信号の受信とを1つのアンテナ、具体的には第2アンテナ18によって実現するためのアンテナ共用器である。第2DUP部26は、予め定める周波数帯域のうち、送信に用いられる周波数帯域の信号のみを通過させる送信フィルタと、受信に用いられる周波数帯域の信号のみを通過させる受信フィルタとを備える。
第2スイッチ部27は、第2無線送信部28から出力される下りユーザデータのRF信号の送信処理と、第2下り無線受信部30による下り周波数帯域のRF信号の受信処理とを切替える。
第2無線送信部28は、第2DFE部32から与えられる信号に基づいて、下りユーザデータのRF信号を生成し、生成したRF信号を、第2スイッチ部27、第2DUP部26および第2アンテナ18を介して送信する。
第2無線受信部29は、第2アンテナ18を介して、第2DUP部26から与えられる受信信号を受信し、第2DFE部32に与える。
第2下り無線受信部30は、第2アンテナ18を介して受信され、第2DUP部26から与えられる受信信号に基づいて、下り周波数帯域のRF信号を生成し、生成したRF信号を第2DFE部32に与える。
DFE回路部12の第1DFE部31および第2DFE部32は、有限インパルス応答(Finite Impulse Response Filter;略称:FIR)フィルタなどのディジタルフィルタによって実現される。第2DFE部32は、ベースバンド信号の周波数帯域で、3G方式に対応する信号(以下「3G信号」という場合がある)およびLTE方式に対応する信号(以下「LTE信号」という場合がある)の帯域制限を行う。第1DFE部31は、送信処理では、高周波になっても、3G信号とLTE信号とに周波数分離ができた状態にして、3G信号およびLET信号をそれぞれ取り出す。第1DFE部31は、受信処理では、高周波で3G信号領域とLTE信号領域とを含む広帯域の信号を、RF部11の第2無線受信部29でベースバンド領域にダウンコンバージョンして得られた信号に対して、ディジタルフィルタで3G信号帯域とLTE信号帯域とを分離する処理を施して、3G信号およびLET信号をそれぞれ取り出す。
第1DFE部31および第2DFE部32は、LTE回路部13の内蔵DSP/L1エンジン部33のOFDMA部35、SC−FDMA部37およびLTE用無線パラメータ取得部39にそれぞれ接続されている。また第2DFE部32は、3G回路部14の拡散変調部50および逆拡散復調部52、ならびにCPU15の3G用無線パラメータ取得部57に接続されている。
内蔵DSP/L1 エンジン部33の内蔵DSPとは、LTE回路部13に内蔵されたディジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor)である。DSPは、ソフトウェアプログラムを搭載し、ディジタル信号処理に適した処理を実行することができる。L1 Engineとは、以下の非特許文献6〜8において定義されるレイヤ1(Layer1)機能を処理するコプロセッサである。
非特許文献6:3GPP TS36.211 V9.1.0
非特許文献7:3GPP TS36.212 V9.3.0
非特許文献8:3GPP TS36.213 V9.3.0
OFDMA部35は、OFDMAのための変調処理(移動通信端末装置であれば復調処理)を行う。OFDMA部35は、主に非特許文献6,8で定義された変調機能(移動通信端末装置であれば復調機能)を有する。LTE用チャネルコーディング部36は、チャネル符号化、具体的には、誤り訂正符号化を行う。SC−FDMA部37は、SC−FDMAのための復調処理(移動通信端末装置であれば変調処理)を行う。SC−FDMA部37は、主に非特許文献6,8で定義された復調機能(移動通信端末装置であれば変調処理)を有する。LTE用チャネルデコーディング部38は、受信チャネルの復号化を行う。
LTE用無線パラメータ取得部39は、第1および第2アンテナ17,18の少なくともいずれか一方のアンテナから取得し、第1下り無線受信部25および第2下り無線受信部30によってダウンコンバージョンした下りデータの振幅強度または電力強度を測定する。またLTE用無線パラメータ取得部39は、データを復調および復号し、報知情報などの内容を解析することによって、隣接基地局からの電界強度などの3GおよびLTE両方の周辺セルの環境情報を取得する。
内蔵CPU34は、LTE回路部13に内蔵されたCPUである。内蔵CPU34は、ソフトウェアプログラムを搭載し、このソフトウェアプログラムを実行することができる。RLC/MAC部40は、無線リンク制御(RLC)およびメディアアクセス制御(MAC)を行う。PDCP/GTP−U部41は、PDCP処理およびGTP−U処理を行う。LTE用IP部42は、LTE信号に対してIP処理を行う。LTE用IP部42は、LTE信号に対してIP処理を行って生成したデータをLTE用IPsec部43に与える。
LTE用IPsec部43は、LTE用IP部42から与えられたデータを暗号化するセキュリティ機能を有する。LTE用IPsec部43は、LTE回路部13内に内蔵された専用のコプロセッサを用いて、前記セキュリティ機能を実現する。これによって、ソフトウェア処理のみでは高い周波数を必要とするCPUコアの周波数を低く抑えることができ、消費電力を低く抑えることができる。LTE用IPsec部43は、暗号化したデータを、CPU15のPPPoE部60に与える。
LTE用AP部44は、基地局装置1のLTE側機能を制御するアプリケーション機能を有する。LTE用PF部45は、基地局装置1のLTE側機能を制御するプラットフォーム機能を有する。
ネットワークパラメータ取得部46は、基地局装置1と、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity;略称:MME)およびサービングゲートウェイ(Serving Gateway;略称:SGW)などの上位装置とのインタフェースよりも上位側のネットワーク情報を取得する機能を有する。
UPnP部47は、UPnPによる通信のための処理を行う。データオフロード部48は、データオフロード機能を有する。データオフロード機能とは、データを伝送するときに、通常の携帯電話網を経由せずに、インターネット回線を利用することによって、トラヒックの負荷を軽減する機能である。データオフロード機能は、全てソフトウェアで実現する構成とするので、リモートアップグレードによるソフトウェアの更新によって、機能を追加または削減することができる。
システムクロック補正部49は、電圧制御発振器(Voltage Controlled Xtal Oscillator;略称:VCXO)および温度補償型水晶発振器(Temperature Compensated Xtal Oscillator;略称:TCXO)などの、電圧制御で周波数を変更することができるクロック発信源であるシステムクロック供給部16に対して、GPSおよびNTPサーバなどからの精確な時刻情報を、システムクロック供給部16が出力する時刻情報と比較し、ある一定の差分を超えていたら、システムクロック供給部16の電圧制御を行い、精確な時刻情報になるようにクロック周波数を補正する。
CPU15のMAC−hs部54は、HSDPAを行うときに必要なレイヤ2のMACスケジューリング機能である。MAC−e部55は、HSUPA(EUL)を行うときに必要なレイヤ2のMACスケジューリング機能である。
FP終端部56は、FP終端処理を行う。FP終端部56は、FP終端処理として、主に以下の非特許文献9,10で定義されたFPフォーマットのフレーミングを行う機能、具体的にはFPフォーマットを作成する機能およびFPフォーマットを解除する機能を有する。本実施の形態とは異なるが、FP終端処理を3G回路部14で行ってもよい。3G回路部14は、たとえばFPGAまたはASICで実現される3G用大規模集積回路(Large Scale Integration;略称:LSI)である3G−LSIで構成される。
非特許文献9:3GPP TS25.427 V9.0.0
非特許文献10:3GPP TS25.435 V9.3.0
3G用無線パラメータ取得部57は、第2アンテナ18から取得した下りデータの振幅強度または電力強度を測定し、またデータを復調および復号し、報知情報の内容を解析することによって、隣接基地局からの電界強度などの3G方式の周辺セルの環境情報を取得する。図1では、アンテナ1本、具体的には第2アンテナ18からのデータを3G用無線パラメータ取得部57に入力して解析したが、LTE側と同様に、第1アンテナ17からのデータも3G用無線パラメータ取得部57に入力して、アンテナ2本からのデータを解析してもよい。これにより、ダイバーシチ効果で、より正確に周辺セルの環境情報を得ることができる。
3G用IP部58は、レイヤ3のIPフレームデータを処理(以下「フレーミング」という場合がある)を行う機能を有する。3G用IP部58は、IPフレームデータを3G用IPsec部59に与える。
3G用IPsec部59は、3G用IP部58から与えられたIPフレームデータを暗号化するセキュリティ機能を有する。3G用IPsec部59は、CPU15に内蔵の専用コプロセッサを用いて、前記セキュリティ機能を実現する。これによって、ソフトウェア処理のみでは高い周波数を必要とするCPUコアの周波数を低く抑えることができ、消費電力を低く抑えることができる。3G用IPsec部59は、暗号化したIPフレームデータを、PPPoE部60に与える。
PPPoE部60は、LTE用IPsec部43から与えられたデータと、3G用IPsec部59から与えられたデータとに対して、PPPoEプロトコルに対応した処理を行う。PPPoE部60は、LTE側のインタフェースであるS1インタフェースを介して、MMEおよびSGWと接続される。またPPPoE部60は、3G側のインタフェースであるIubインタフェースまたはIuhインタフェースを介して、基地局制御装置(Radio Network Controller;略称:RNC)と接続される。
3G用AP部61は、基地局の3G側機能を制御するアプリケーション機能を有する。3G用PF部62は、基地局の3G側機能を制御するプラットフォーム機能を有する。
3G回路部14の拡散変調部50は、拡散変調処理を行う。3G用チャネルコーディング部51は、チャネル符号化、具体的には誤り訂正符号化を行う。逆拡散復調部52は、逆拡散によって復調する逆拡散復調処理を行う。3G用チャネルデコーディング部53は、受信チャネルの復号化を行う。
拡散変調部50および逆拡散復調部52は、主に以下の非特許文献11〜13で定義される機能を有する。3G用チャネルコーディング部51および3G用チャネルデコーティング部53は、主に非特許文献14で定義される機能を有する。
非特許文献11:3GPP TS25.211
非特許文献12:3GPP TS25.213
非特許文献13:3GPP TS25.214
非特許文献14:3GPP TS25.212
図1に示す基地局装置1は、3G方式、具体的にはW−CDMA方式と、LTE方式との両方に対応する共用基地局装置(以下「デュアル基地局装置」という場合がある)である。
基地局装置1において、3G方式に対応する機能を有する部位(以下「3G側機能部位」という場合がある)は、第2アンテナ18、RF部11の第2DUP部26、第2スイッチ部27、第2無線送信部28、第2無線受信部29および第2下り無線受信部30、DFE回路部12の第2DFE部32、3G回路部14のW-CDMA方式の拡散変調部50、3G用チャネルコーディング部51、逆拡散復調部52および3G用チャネルデコーディング部53、CPU15のMAC−hs54、MAC−e部55、FP終端部56、3G用無線パラメータ取得部57、3G用IP部58、3G用IPsec部59、PPPoE部60、3G用AP部61および3G用PF部62を備えて構成される。
LTE方式に対応する機能を有する部位(以下「LTE側機能部位」という場合がある)は、第1アンテナ17、RF部11の第1DUP部21、第1スイッチ部22、第1無線送信部23、第1無線受信部24、第1下り無線受信部25、DFE回路部12の第1DFE部31、LTE回路部13を構成するOFDMA部35、LTE用チャネルコーディング部36、SC−FDMA部37、LTE用チャネルデコーディング部38、LTE用無線パラメータ取得部39、RLC/MAC部40、PDCP/GTP−U部41、LTE用IP部42、LTE用IPsec部43、LTE用AP部44、LTE用PF部45、ネットワークパラメータ取得部46、UPnP部47、データオフロード部48およびシステムクロック補正部49を備えて構成される。
以上のように本実施の形態では、DFE回路部12によって、ディジタルベースバンド領域で、異なる方式の信号の帯域を並べたり、切り離したりする。
高周波(RF)の処理としては、本来、LTE方式で2系統、3G方式で1系統の合計3系統が必要であるが、本実施の形態では前述のようにディジタルベースバンド領域で処理するので、処理に必要な系統を2系統で済ませることができる。
このように高周波(RF)の処理系統の数を減らすことによって、RF部11において消費する電力、たとえばアンプなどの消費電力を低減することができる。また、基地局装置1の小型化および低価格化も実現することができる。
図1において、各機能部位同士をつないだ線は、主にデータ信号線を示している。LTE用AP部44、LTE用PF部45、3G用AP部61および3G用PF部62は、制御すべき各機能に接続されるはずであるが、信号線の図示を省略している。ただし、3G用PF部62とLTE用PF部45とを接続する信号線は、CSフォールバックなどの3G機能とLTE機能との連携動作に関わる機能を実現するための信号線であるので、省略していない。
また本実施の形態におけるLTE回路部13は、内蔵DSPおよび内蔵CPU34などのソフトウェア処理を実装できるような柔軟な構成である。これによって、LSI化(ASIC化)することによって、仕様変更に柔軟に対応できる状態を持ちつつ、消費電力の低減、小型化および低価格化を実現することができる。3G回路部14も同様に、LSI化(ASIC化)することによって、消費電力の低減、小型化および低価格化を実現することができる。
また本実施の形態では、FPGAまたはASICなどに実装されるDFE回路部12に、DFE(Digital Front End)機能を実装することによって、3G RF1系統、LTE RF2系統の合計RF3系統が必要なところを、2系統化することができる。これによって、装置価格の低減、低消費電力および装置の小型化を実現することができる。
DFEは、3G/LTE帯域のディジタル分離/結合技術である。送受信信号に対して、3G/LTEの帯域振り分け/結合を適応的に行うことで、前述のようにRF2系統のうち1系統を3G/LTEで共用化することができる。
本実施の形態の基地局装置1は、演算処理に適したLTE回路部13内の内蔵DSPと、同じくLTE回路部13に実装されたL1 Engine(FFT、DFT、LLR、巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Checksum;略称:CRC)、ターボ(Turbo)/ビタビ(Viterbi)デコーダ(decoder)などのレイヤ1機能のコプロセッサ)に、OFDMA、SC−FDMA、チャネルコーディング、チャネルデコーディング、無線パラメータ取得機能などを実装することで実現することができる。なお、無線パラメータ取得機能は、3G/LTE両機能がサービス休止中にLTE回路で受信処理を行う。
またLTE回路部13に内蔵した内蔵CPU34に、システムクロック補正機能を実装することで、NTPサーバ補正方式による基地局生成クロックパルスの揺らぎ低減を行い、基準発振器の低価格化と、周波数精度信頼性を実現することができる。システムクロック供給機能としては、安価な基準発振器であるTCXOおよびVCXOを採用することができる。これによって、装置コストの低減を実現することができる。
さらに、CPU15またはLTE回路部13の内蔵CPU34に、ホームゲートウェイ接続機能を設けることによって、家電と基地局とを連携させることができるようになる。
さらに、本実施の形態では、図1に示すように、LTE機能の主要機能と3G機能の主要機能とをハードウェアレベルで独立させているので、3G用ベースバンド機能を搭載する3G回路部14およびCPU15を非搭載とすることによって、基地局装置1を、LTE方式専用機能のみの構成とすることが可能となっている。この場合、LTE側機能部位と3G側機能部位とで共有している有線側終端部76のLTE側機能部位への移植、BSP(Board Support Package)などのソフトウェアの変更などの軽微な変更のみで対応可能である。これによって、LTE専用構成への変更を、少ない開発工数で容易に行うことができるので、製造時の試験工程数を減らすことができる。したがって、低価格化を実現することができる。
また前述のようにLTE機能の主要機能と3G機能の主要機能とをハードウェアレベルで独立させていることによって、異なる2つの通信方式のうちの一方の通信方式の機能を容易に停止させることができる。具体的に述べると、本実施の形態では、前述の図1に示すようにLTE機能の主要機能を担うLTE回路部13と、3G機能の主要機能を担う3G用回路14とが、独立して設けられている。これによって、LTE方式および3G方式のうちの一方の通信方式の機能を容易に停止させることができる。
また本実施の形態では、LTE機能の主要機能を担うLTE回路部13、および3G機能の主要機能を担う3G回路部14は、いずれも、取外し可能に設けられている。これによって、LTE回路部13または3G回路部14を搭載しないようにすることができる。前述のようにLTE回路部13と3G回路部14とは、独立して設けられているので、LTE回路部13および3G回路部14のいずれかを取り除いても、もう一方の通信方式で通信することができる。
図2は、図1に示す第1DFE部31、第2DFE部32、ならびにLTE回路部13のOFDMA部35およびLTE用チャネルコーディング部36の具体的な構成を示すブロック図である。図2では、LTEレイヤ1の下り信号処理に関係する部分の構成を示す。また図2では、LTE回路部13の内蔵CPU34のうち、LTEレイヤ1の下り信号処理に関係する部分の構成を併せて示す。
LTE回路部101は、第1送信処理部111、第1アンテナ用逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform;略称:IFFT)前データ格納ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory;略称:RAM)112、第2送信処理部113、第2アンテナ用IFFT前データ格納RAM114、第1内蔵プロセッサ115、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel;略称:PDSCH)変調部116、物理報知チャネル(Physical Broadcast Channel;略称:PBCH)変調部117、物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel;略称:PCFICH)変調部118、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;略称:PDCCH)変調部119、物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel;略称:PHICH)変調部120、リファレンス信号(Reference Signal;略称:RS)リソースマッピング部121、同期信号(Synchronization Signal;略称:SS)リソースマッピング部122、および第2内蔵プロセッサ123を備える。
図2およびその他の図面において、第1送信処理部111および第2送信処理部113は、「TRP」と記載する。第1アンテナ用IFFT前データ格納RAM112および第2アンテナ用IFFT前データ格納RAM114は、「RAM」と記載する。第1内蔵プロセッサ115および第2内蔵プロセッサ123は、「BP」と記載する。PDSCH変調部116は、「PDSCH MOD」と記載する。PBCH変調部117は、「PBCH MOD」と記載する。PCFICH変調部118は、「PCFICH MOD」と記載する。PDCCH変調部119は、「PDCCH MOD」と記載する。PHICH変調部120は、「PHICH MOD」と記載する。RSリソースマッピング部121は、「RSRM」と記載する。SSリソースマッピング部122は、「SSRM」と記載する。下りリンク共有チャネル(Downlink Shared Channel)は、「DL−SCH」と記載する。報知チャネル(Broadcast Channel)は、「BCH」と記載する。報知制御チャネル(Broadcast Control Channel)は、「BCCH」と記載する。制御チャネルフォーマットインジケータ(Control Format Indicator)は、「CFI」と記載する。HARQインジケータ(HARQ indicator)は、「HI」と記載する。
RSリソースマッピング部121は、第1リソースエレメントマッピング部124および第2リソースエレメントマッピング部125を備える。SSリソースマッピング部122は、第3リソースエレメントマッピング部126および第4リソースエレメントマッピング部127を備える。図2およびその他の図面において、第1リソースエレメントマッピング部124、第2リソースエレメントマッピング部125、第3リソースエレメントマッピング部126および第4リソースエレメントマッピング部127は、「REM」と記載する。
PDSCHなどのチャネルに関しては、前述の非特許文献11,12,14および、以下の非特許文献15,16に記載されている。
非特許文献15:服部武、諸橋知雄、藤岡雅宣(監訳)、「3G Evolutionのすべて−HSPAモバイルブロードバンド技術とLTE基本技術」、丸善株式会社、平成21年11月30日
非特許文献16:服部武、諸橋知雄、藤岡雅宣(監訳)、「3G Evolutionのすべて−LTEモバイルブロード方式技術」、丸善株式会社、平成21年12月25日
内蔵CPU102は、マスター情報ブロック(Master Information Block)部131、制御チャネルフォーマットインジケータ(Control Channel Format Indicator;略称:CCFI)生成部132、下り制御情報(Downlink Control Information;略称:DCI)生成部133、およびACK/NACK(Acknowledgement/Negative Acknowledgement)部134を備える。図2およびその他の図面において、CCFI生成部132は、「CCFIG」と記載する。DCI生成部133は、「DCIG」と記載する。
第1送信処理部111は、第1ディジタル/アナログ(Digital/Analog;略称:D/A)変換部103と第1アンテナ用IFFT前データ格納RAM112との間に設けられており、第1D/A変換部103および第1アンテナ用IFFT前データ格納RAM112にそれぞれ接続されている。
第2送信処理部113は、第2D/A変換部104と第2アンテナ用IFFT前データ格納RAM114との間に設けられており、第2D/A変換部104および第2アンテナ用IFFT前データ格納RAM114にそれぞれ接続されている。
図3〜図12は、図2に示す各部の詳細な構成を示すブロック図である。図3は、第1送信処理部111およびその周辺部の詳細な構成を示すブロック図である。図4は、第2送信処理部113およびその周辺部の詳細な構成を示すブロック図である。図5は、第1アンテナ用IFFT前データ格納RAM112およびその周辺部の詳細な構成を示すブロック図である。図6は、第2アンテナ用IFFT前データ格納RAM114およびその周辺部の詳細な構成を示すブロック図である。図5と図6とは、境界線L4で接続されている。
図7〜図9は、第1内蔵プロセッサ115、PDSCH変調部116およびPBCH変調部117、ならびにそれらの周辺部の詳細な構成を示すブロック図である。図7と図8とは、境界線L1で接続されている。図8と図9とは、境界線L3で接続されている。図10および図11は、PCFICH変調部118、PDCCH変調部119およびPHICH変調部120の詳細な構成を示すブロック図である。図10と図11とは、境界線L2で接続されている。図12は、RSリソースマッピング部121、SSリソースマッピング部122および第2内蔵プロセッサ123の詳細な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、第1送信処理部111は、第1DFE部141、第2DFE部142、第1RAM143、第2RAM144、第1時間窓(Time Window)処理部145、第2時間窓(Time Window)処理部146、第3RAM147、第4RAM148、第1OFDM信号生成(signal generation)部149および第5RAM150を備える。図3およびその他の図面において、第1時間窓処理部145および第2時間窓処理部146は、「TWP」と記載する。第1OFDM信号生成部149は、「OFDM SG」と記載する。I信号は、「I」と記載する。Q信号は、「Q」と記載する。
第1DFE部141は、第1D/A変換部103のI信号用D/A変換部105に接続される。第2DFE部142は、第1D/A変換部103のQ信号用D/A変換部106に接続される。第1DFE部141および第2DFE部142は、それぞれ、APC、およびFIRフィルタなどのディジタルフィルタを含む。第1OFDM信号生成部149は、IFFTおよびサイクリックプリフィックス(Cyclic Prefix;略称:CP)付加の処理を行う。
図4に示すように、第2送信処理部113は、第3DFE部151、第4DFE部152、第6RAM153、第7RAM154、第3時間窓(Time Window)処理部155、第4時間窓(Time Window)処理部156、第8RAM157、第9RAM158、第2OFDM信号生成(signal generation)部159および第10RAM160を備える。図4およびその他の図面において、第3時間窓処理部155および第4時間窓処理部156は、「TWP」と記載する。第2OFDM信号生成部159は、「OFDM SG」と記載する。
第3DFE部151は、第2D/A変換部104のI信号用D/A変換部107に接続され、第4DFE部152は、第2D/A変換部104のQ信号用D/A変換部108に接続される。第3DFE部151および第4DFE部152は、それぞれ、APC、およびFIRフィルタなどのディジタルフィルタを含む。第2OFDM信号生成部159は、IFFTおよびCP付加の処理を行う。
図5および図6に示すように、PDSCH変調部116、PBCH変調部117、PCFICH変調部118、PDCCH変調部119、およびPHICH変調部120からそれぞれ出力される2組の同相(In-phase;略称:I)信号および直交(Quadrature;略称:Q)信号のうち、一方の組のI信号およびQ信号は、第1アンテナ用IFFT前データ格納RAM112に入力され、他方の組のI信号およびQ信号は、第2アンテナ用IFFT前データ格納RAM114に入力される。I信号は、搬送波の基準位相と同相の成分であり、Q信号は、搬送波の基準位相と直交する成分である。I信号は、複素信号の実数部分であり、Q信号は、複素信号の虚数部分である。
RSリソースマッピング部121の第1リソースエレメントマッピング部124および第2リソースエレメントマッピング部125、ならびにSSリソースマッピング部122の第3リソースエレメントマッピング部126および第4リソースエレメントマッピング部127からそれぞれ出力される2組のI信号およびQ信号のうち、一方の組のI信号およびQ信号は、第1アンテナ用IFFT前データ格納RAM112に入力され、他方の組のI信号およびQ信号は、第2アンテナ用IFFT前データ格納RAM114に入力される。
図7に示すように、第1内蔵プロセッサ115は、電力設定部194およびPDSCHのリソース割当て部195を備える。図7およびその他の図面において、電力設定部194は、「PWC」と記載する。PDSCHのリソース割当て部195は、「PDSCH RA」と記載する。
図7〜図9に示すように、PDSCH変調部116は、振幅調整部161、リソースエレメントマッピング部162、プリコーディング部163、レイヤマッピング部169、第1変調部174、第2変調部175、第1スクランブリング部178、第2スクランブリング部179、第1コードブロック連結部180、第2コードブロック連結部181、第1レートマッチング部182、第2レートマッチング部183、第1チャネルコーディング部186、第2チャネルコーディング部187、第1コードブロック分割&コードブロックCRC付加部190、第2コードブロック分割&コードブロックCRC付加部191、第1トランスポートブロックCRC付加部192、第2トランスポートブロックCRC付加部193、および第1〜第8RAM168,173,176,177,184,185,188,189を備える。
第1〜第8RAM168,173,176,177,184,185,188,189は、図7および図8では、理解を容易にするために、PDSCH変調部116を示す枠の外に記載されているが、実際には、PDSCH変調部116に含まれる。図8において、第3RAM173よりも左側の処理は、リソースブロック毎処理(略称:RBP)である。第3RAM173よりも右側の処理は、ユーザ毎処理(略称:USP)である。ユーザ毎処理は、時分割処理で行われ。ユーザ毎処理では、2つの回路が並列して動作するので、動作速度に制約がある。
図7およびその他の図面において、振幅調整部161は、「AA」と記載する。リソースエレメントマッピング部162は、「REM」と記載する。プリコーディング部163は、「PCOD」と記載する。レイヤマッピング部169は、「LM」と記載する。
図8およびその他の図面において、第1変調部174および第2変調部175は、「MOD」と記載する。第1スクランブリング部178および第2スクランブリング部179は、「SCR」と記載する。第1コードブロック連結部180および第2コードブロック連結部181は、「CBC」と記載する。第1レートマッチング部182および第2レートマッチング部183は、「RM」と記載する。第1チャネルコーディング部186および第2チャネルコーディング部187は、「CHC」と記載する。第1コードブロック分割&コードブロックCRC付加部190および第2コードブロック分割&コードブロックCRC付加部191は、「CBD/CBA」と記載する。
図9およびその他の図面において、第1トランスポートブロックCRC付加部192および第2トランスポートブロックCRC付加部193は、「TBA」と記載する。
第1レートマッチング部182から出力される信号は、時分割で、第1コードブロック連結部180に入力される。第1コードブロック連結部180から出力される信号は、時分割で、第1スクランブリング部178に入力される。同様に、第2レートマッチング部183から出力される信号は、時分割で、第2コードブロック連結部181に入力される。第2コードブロック連結部181から出力される信号は、時分割で、第2スクランブリング部179に入力される。
第1変調部174から出力されるI信号およびQ信号は、時分割で、レイヤマッピング部169に入力される。同様に、第2変調部175から出力されるI信号およびQ信号は、時分割で、レイヤマッピング部169に入力される。
プリコーディング部163は、アンテナマッピング部としても機能する。プリコーディング部163は、シングルアンテナポート送信部164、セル固有のRSの空間多重部165、ユーザ固有のRSの空間多重部166、およびダイバーシチ送信部167を備える。レイヤマッピング部169は、シングルアンテナポート送信部170、空間多重部171およびダイバーシチ送信部172を備える。図7およびその他の図面において、シングルアンテナポート送信部164,170は、「SAPTR」と記載する。セル固有のRSの空間多重部165は、「CSMP」と記載する。ユーザ固有のRSの空間多重部166は、「USMP」と記載する。ダイバーシチ送信部167,172は、「DTR」と記載する。空間多重部171は、「SMP」と記載する。
レイヤマッピング部169は、第1変調部174および第2変調部175から入力されるI信号およびQ信号から、第1レイヤのI信号およびQ信号と、第2レイヤのI信号およびQ信号とを生成し、プリコーディング部163に出力する。図7およびその他の図面において、第1レイヤのI信号は、「FLI」と記載する。第1レイヤのQ信号は、「FLQ」と記載する。第2レイヤのI信号は、「SLI」と記載する。第2レイヤのQ信号は、「SLQ」と記載する。
プリコーディング部163は、レイヤマッピング部169から入力される第1および第2レイヤのI信号およびQ信号から、第1アンテナ17用のI信号およびQ信号と、第2アンテナ18用のI信号およびQ信号とを生成し、リソースエレメントマッピング部162に出力する。図7およびその他の図面において、第1アンテナ17用のI信号は、「FAI」と記載する。第1アンテナ17用のQ信号は、「FAQ」と記載する。第2アンテナ18用のI信号は、「SAI」と記載する。第2アンテナ18用のQ信号は、「SAQ」と記載する。
図7および図8に示すように、PBCH変調部117は、振幅調整部201、リソースエレメントマッピング部202、プリコーディング部203、レイヤマッピング部207、変調部211、スクランブリング部213、レートマッチング部214、チャネルコーディング部216、CRC付加部218、および第1〜第5RAM206,210,212,215,217を備える。第1〜第5RAM206,210,212,215,217は、図7および図8では、理解を容易にするために、PBCH変調部117を示す枠の外に記載されているが、実際には、PBCH変調部117に含まれる。プリコーディング部203は、シングルアンテナポート送信部204およびダイバーシチ送信部205を備える。レイヤマッピング部207は、シングルアンテナポート送信部208およびダイバーシチ送信部209を備える。
図7およびその他の図面において、振幅調整部201は、「AA」と記載する。リソースエレメントマッピング部202は、「REM」と記載する。プリコーディング部203は、「PCOD」と記載する。レイヤマッピング部207は、「LM」と記載する。変調部211は、「MOD」と記載する。スクランブリング部213は、「SCR」と記載する。レートマッチング部214は、「RM」と記載する。チャネルコーディング部216は、「CHC」と記載する。CRC付加部218は、「CRCA」と記載する。シングルアンテナポート送信部204,208は、「SAPTR」と記載する。ダイバーシチ送信部205,209は、「DTR」と記載する。
図10および図11に示すように、PCFICH変調部118は、振幅調整部221、リソースエレメントマッピング部222、プリコーディング部223、レイヤマッピング部227、変調部231、スクランブリング部233、チャネルコーディング部235、および第1〜第5RAM226,230,232,234,236を備える。第1〜第4RAM226,230,232,234は、図10および図11では、理解を容易にするために、PCFICH変調部118を示す枠の外に記載されているが、実際には、PCFICH変調部118に含まれる。プリコーディング部223は、シングルアンテナポート送信部224およびダイバーシチ送信部225を備える。レイヤマッピング部227は、シングルアンテナポート送信部228およびダイバーシチ送信部229を備える。
PDCCH変調部119は、振幅調整部241、リソースエレメントマッピング部242、プリコーディング部243、レイヤマッピング部247、変調部251、マルチプレクシング&スクランブリング部253、レートマッチング部254、チャネルコーディング部256、CRC付加部257、および第1〜第5RAM246,250,252,255,258を備える。第1〜第5RAM246,250,252,255,258は、図10および図11では、理解を容易にするために、PDCCH変調部119を示す枠の外に記載されているが、実際には、PDCCH変調部119に含まれる。プリコーディング部243は、シングルアンテナポート送信部244およびダイバーシチ送信部245を備える。レイヤマッピング部247は、シングルアンテナポート送信部248およびダイバーシチ送信部249を備える。
PHICH変調部120は、振幅調整部261、リソースエレメントマッピング部262、プリコーディング部263、レイヤマッピング部267、変調部271、チャネルコーディング部273、および第1〜第4RAM266,270,272,274を備える。第1〜第3RAM266,270,272は、図10および図11では、理解を容易にするために、PHICH変調部120を示す枠の外に記載されているが、実際には、PHICH変調部120に含まれる。プリコーディング部263は、シングルアンテナポート送信部264およびダイバーシチ送信部265を備える。レイヤマッピング部267は、シングルアンテナポート送信部268およびダイバーシチ送信部269を備える。
図10およびその他の図面において、振幅調整部221,241,261は、「AA」と記載する。リソースエレメントマッピング部222,242,262は、「REM」と記載する。プリコーディング部223,243,263は、「PCOD」と記載する。レイヤマッピング部227,247,267は、「LM」と記載する。シングルアンテナポート送信部224,228,244,248,264,268は、「SAPTR」と記載する。ダイバーシチ送信部225,229,245,249,265,269は、「DTR」と記載する。
図11およびその他の図面において、変調部231,251,271は、「MOD」と記載する。スクランブリング部233は、「SCR」と記載する。チャネルコーディング部235,256,273は、「CHC」と記載する。マルチプレクシング&スクランブリング部253は、「MUX/SCR」と記載する。レートマッチング部254は、「RM」と記載する。CRC付加部257は、「CRCA」と記載する。
図12に示すように、第2内蔵プロセッサ123は、第1振幅調整部281、第2振幅調整部282、リファレンス信号(Reference Signal)生成部283、第3振幅調整部291、第4振幅調整部292および同期信号(Synchronization Signal)生成部293を備える。リファレンス信号生成部283は、セル固有RS(Cell-specific RS;略称:CS−RS)部284および位置調整RS(Positioning RS;略称:P−RS)部285を備える。同期信号生成部293は、第1同期信号(Primary SS;略称:P−SS)部294および第2同期信号(Secondary SS;略称:S−SS)部295を備える。
セル固有RS部284、位置調整RS部285、P−SS部294およびS−SS部295は、それぞれシーケンス生成部286,287,296,297を備える。各振幅調整部281,282,291,292およびリファレンス信号生成部283は、第2内蔵プロセッサ(内蔵DSP)123のソフトウェア処理によって実現される。
図12およびその他の図面において、第1振幅調整部281、第2振幅調整部282、第3振幅調整部291および第4振幅調整部292は、「AA」と記載する。リファレンス信号生成部283は、「RSG」と記載する。同期信号生成部293は、「SSG」と記載する。シーケンス生成部286,287,296,297は、「SEQG」と記載する。
セル固有RS部284、位置調整RS部285、P−SS部294およびS−SS部295は、それぞれ、第1および第2アンテナ17,18に共通のI信号およびQ信号として、アンテナ共通I信号およびアンテナ共通Q信号を出力し、対応する振幅調整部281,282,291,292に与える。各振幅調整部281,282,291,292は、与えられたアンテナ共通I信号およびアンテナ共通Q信号の振幅を調整して出力し、対応するリソースエレメントマッピング部124,125,126,127に与える。図12およびその他の図面において、アンテナ共通I信号は、「ATCI」と記載する。アンテナ共通Q信号は、「ATCQ」と記載する。
図7〜図9に示すように、PDSCH変調部116では、第1〜第8RAM168,173,176,177,184,185,188,189を、コードブロック分割&コードブロックCRC付加部190,191とチャネルコーディング部186,187との間、チャネルコーディング部186,187とレートマッチング182,183との間、スクランブリング部178,179と変調部174,175との間、レイヤマッピング部169、プリコーディング部163にそれぞれ接続することで、ユーザデータの一次格納を確保し、データの滞留による伝送レートの低下を防止している。
PDSCH変調部116の振幅調整部161およびリソースエレメントマッピング部162の制御は、第1内蔵プロセッサ(内蔵DSP)115の電力設定部194およびPDSCHのリソース割当て部195によって行われる。電力設定部194およびPDSCHのリソース割当て部195は、第1内蔵プロセッサ(内蔵DSP)115のソフトウェア処理によって実現される。
PBCH変調部117では、第1〜第5RAM206,210,212,215,217を、CRC付加部218とチャネルコーディング部216との間、チャネルコーディング部216とレートマッチング部214との間、スクランブリング部213と変調部211との間、レイヤマッピング部207、プリコーディング部203にそれぞれ接続することで、ユーザデータの一次格納を確保し、データの滞留による伝送レートの低下を防止している。
PCFICH変調部118では、第1〜第5RAM226,230,232,234,236を、内蔵CPU102のCCFI生成部132とチャネルコーディング部235との間、チャネルコーディング部235とスクランブリング233部との間、スクランブリング部233と変調部231との間、レイヤマッピング227、プリコーディング部223にそれぞれ接続することで、ユーザデータの一次格納を確保し、データの滞留による伝送レートの低下を防止している。
PDCCH変調部119では、第1〜第5RAM246,250,252,255,258を、CRC付加部257とチャネルコーディング256部との間、チャネルコーディング部256とレートマッチング部254との間、マルチプレクシング&スクランブリング部253と変調部251との間、レイヤマッピング部247、プリコーディング部243にそれぞれ接続することで、ユーザデータの一次格納を確保し、データの滞留による伝送レートの低下を防止している。記憶手段である第5RAM258に格納されるデータの大きさは比較的小さいので、記憶手段は、必ずしもRAMによって実現されなくてもよく、フリップフロップ(Flip Flop;略称:FF)などの回路レジスタによって実現されてもよい。
本実施の形態では、各変調部117〜120、RSリソースマッピング部121およびSSリソースマッピング部122と、各送信処理部111,113の各OFDM signal generation部149,159との間に、第1アンテナ用IFFT前データ格納RAM112および第2アンテナ用IFFT前データ格納RAM114を配置し、IFFT前のデータを一旦メモリに格納する。これによって、各OFDM signal generation部149,159内のIFFT回路の動作周波数と、各変調部117〜120、RSリソースマッピング部121およびSSリソースマッピング部122の各動作周波数との差分を吸収する。
これによって、各変調部117〜120、RSリソースマッピング部121およびSSリソースマッピング部122の各動作周波数がIFFT回路の動作周波数より速い場合に、IFFT回路でデータを処理しきれずに、データが破棄されることを防ぐことができる。したがって、データ破棄に起因して、LTE回路部13の内蔵CPU34から内蔵DSP/L1エンジン部33への伝送レートが維持されずに低下してしまうことを防止することができる。
また本実施の形態では、各送信処理部111,113の各OFDM信号生成(signal generation)部149,159、各時間窓処理部145,146,155,156、および各DFE部141,142,151,152には、処理によるデータの一次格納を目的として、それぞれRAM143〜150,153〜160が接続され、各処理によるデータ破棄が無いようにしている。以上の構成によって、LTE機能において、高い伝送速度を満足することができる。
図13は、図1に示す第1DFE部31、第2DFE部32、SC−FDMA部37、およびLTE回路部13の内蔵DSP/L1エンジン部33の具体的な構成を示すブロック図である。図13では、LTEレイヤ1の上り信号処理に関係する部分の構成を示す。また図13では、LTE回路部13の内蔵CPU34のうち、LTEレイヤ1の上り信号処理に関係する部分の構成を併せて示す。図14〜図23は、図13に示す各部の詳細な構成を示すブロック図である。
図13に示すように、LTE回路部301は、第1受信処理部311、第2受信処理部313、物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;略称:PUSCH)復調部315、物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;略称:PUCCH)復調部316、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;略称:PRACH)検出部317、サウンドリファレンス信号(Sounding Reference Signal;略称:SRS)復調部318、第1RAM319、第2RAM320、第3RAM321およびチャネル分離部322を備える。チャネル分離部322は、第1アンテナ用高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;略称:FFT)後データRAM312および第2アンテナ用FFT後データRAM314を備える。
図13およびその他の図面において、第1受信処理部311および第2受信処理部313は、「REP」と記載する。第1アンテナ用FFT後データRAM312および第2アンテナ用FFT後データRAM314は、「RAM」と記載する。PUSCH復調部315は、「PUSCH DEM」と記載する。PUCCH復調部316は、「PUCCH DEM」と記載する。PRACH検出部317は、「PRACHD」と記載する。SRS復調部318は、「SRS DEM」と記載する。
内蔵CPU302は、物理リソースデマッピング部331、MAC部332、スケジューラ333、信号電力対干渉電力比(Signal power-to-Interference power Ratio;略称:SIR)推定部334および計算部335を備える。図13およびその他の図面において、物理リソースデマッピング部331は、「PRD」と記載する。SIR推定部334は、「SIRP」と記載する。計算部335は、「CLC」と記載する。
第1受信処理部311は、第1アナログ/ディジタル(Analog/Digital;略称:A/D)変換部303と第1アンテナ用FFT後データ格納RAM312との間に設けられており、第1A/D変換部303および第1アンテナ用FFT後データ格納RAM312にそれぞれ接続されている。
第2受信処理部313は、第2A/D変換部304と第2アンテナ用FFT後データ格納RAM314との間に設けられており、第2A/D変換部304および第2アンテナ用FFT後データ格納RAM314にそれぞれ接続されている。
図14は、第1受信処理部311およびその周辺部の詳細な構成を示すブロック図である。図15は、第2受信処理部313およびその周辺部の詳細な構成を示すブロック図である。図16〜図21は、第1アンテナ用FFT後データ格納RAM312、第2アンテナ用FFT後データ格納RAM314、PUSCH復調部315およびPUCCH復調部316、ならびにそれらの周辺部の詳細な構成を示すブロック図である。図16と図17とは、境界線L5で接続されている。図16と図18とは、境界線L6で接続されている。図18と図19とは、境界線L7で接続されている。図19と図20とは、境界線L8で接続されている。図18と図21とは、境界線L9で接続されている。図22および図23は、PRACH検出部317およびSRS復調部318、ならびにそれらの周辺部の詳細な構成を示すブロック図である。図22と図23とは、境界線L10で接続されている。図14〜図23では、理解を容易にするために、各部を示す枠の外にRAMを記載している場合があるが、RAMは、実際には各部に含まれる。
図14に示すように、第1受信処理部311は、第1DFE部341、第2DFE部342、第1RAM343、第2RAM344、第1PRACH以外用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生(frequency domain signal generator)部345、第3RAM346、第1PRACH用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部347および第4RAM348を備える。第1DFE部341は、第1A/D変換部303のI信号用A/D変換部305に接続される。第2DFE部342は、第1A/D変換部303のQ信号用A/D変換部306に接続される。
第1DFE部341および第2DFE部342は、それぞれ、AGC、およびFIRなどのディジタルフィルタを含む。第1PRACH以外用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部345および第1PRACH用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部347は、それぞれ、CP除去およびFFTの処理を行う。
図14およびその他の図面において、第1PRACH以外用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部345は、「PRACH以外用SC−FDMA FDSG」と記載する。第1PRACH用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部347は、「PRACH用SC−FDMA FDSG」と記載する。チャネル分離部322は、「CHS」と記載する。
図15に示すように、第2受信処理部313は、第3DFE部351、第4DFE部352、第5RAM353、第6RAM354、第2PRACH以外用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部355、第7RAM356、第2PRACH用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部357および第8RAM358を備える。第3DFE部351は、第2A/D変換部304のI信号用A/D変換部307に接続される。第4DFE部352は、第2A/D変換部304のQ信号用A/D変換部308に接続される。
第3DFE部351および第4DFE部352は、それぞれ、AGC、およびFIRなどのディジタルフィルタを含む。第2PRACH以外用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部355および第2PRACH用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部357は、それぞれ、CP除去およびFFTの処理を行う。
図15およびその他の図面において、第2PRACH以外用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部355は、「PRACH以外用SC−FDMA FDSG」と記載する。第2PRACH用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部357は、「PRACH用SC−FDMA FDSG」と記載する。
図16および図18〜図20に示すように、PUSCH復調部315は、プリデコーディング部361、内蔵プロセッサ362、SinCos Table部367、対数尤度比(Log-Likelihood Ratio;略称:LLR)部375、チャネル分離(Channel Separate;略称:CHSEP)部376、CHDEC_DATA部381、第1チャネルデコーディング部394、第2チャネルデコーディング部395、第3チャネルデコーディング部396、第4チャネルデコーディング部386、コードブロックCRCチェック/コードブロック連結部388、トランスポートブロックCRCチェック部389、および第1〜第12RAM364,366,369,374,378,383,385,387,390〜393を備える。LLR部375は、復調部としても機能する。第4チャネルデコーディング部386は、前方誤り訂正(Forward Error Correction;略称:FEC)を行う。
図16および図18〜図20、ならびにその他の図面において、プリデコーディング部361は、「PCOD」と記載する。内蔵プロセッサ362は、「BP」と記載する。SinCos Table部367は、「SCT」と記載する。LLR(復調)部375は、「LLR(DEM)」と記載する。第1チャネルデコーディング部394、第2チャネルデコーディング部395、第3チャネルデコーディング部396および第4チャネルデコーディング部386は、「CHDEC」と記載する。コードブロックCRCチェック/コードブロック連結部388は、「CBCRCC/CBC」と記載する。トランスポートブロックCRCチェック部389は、「TBCRCC」と記載する。ランク指標(rank indication)は、「RI」と記載する。
図16および図18に示すように、プリデコーディング部361は、周波数領域等化器(Frequency Domain Equalizer;略称:FDE)363、DATA回転部365および逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform;略称:IDFT)部368を備える。図18およびその他の図面において、DATA回転部365は、「DATAR」と記載する。
図16に示すように、内蔵プロセッサ362は、レプリカ乗算部370、シーケンス再生部371、チャネル推定部372およびSinCos Table部373を備える。シーケンス再生部371は、レプリカ生成部としても機能する。図16およびその他の図面において、レプリカ乗算部370は、「RMUL」と記載する。シーケンス再生部371は、「SEQRG」と記載する。チャネル推定部372は、「CHP」と記載する。SinCos Table部373は、「SCT」と記載する。
図18および図19に示すように、CHSEP部376は、デスクランブリング部(以下「デスクランブル部」という場合がある)377、チャネルデインタリーブ部(以下、単に「デインタリーブ部」という場合がある)379およびデータ&制御情報分離部380を備える。図18および図19、ならびにその他の図面において、デスクランブリング部377は、「DSCR」または「DSC」と記載する。チャネルデインタリーブ部379は、「CHDI」または「DI」と記載する。データ&制御情報分離部380は、「D/CISEP」または「DEMUX」と記載する。上りリンク共有チャネル(Uplink Shared channel)は、「UL−SCH」と記載する。上り制御情報(Uplink Control Information)は、「UCI」と記載する。
図19に示すように、CHDEC_DATA部381は、コードブロック分割部382およびレートデマッチング部384を備える。図19およびその他の図面において、コードブロック分割部382は、「CBP」と記載する。レートデマッチング部384は、「RDM」と記載する。
図21に示すように、PUCCH復調部316は、第1RAM401、LLR部402、第2RAM405およびチャネルデコーディング部406を備える。LLR部402は、復調部としても機能する。LLR部402は、第1フォーマット部403および第2フォーマット部404を備える。第1フォーマット部403は、PUCCHのフォーマットとして、フォーマット1、フォーマット1aおよびフォーマット1bを保持する。第2フォーマット部404は、PUCCHのフォーマットとして、フォーマット2、フォーマット2aおよびフォーマット2bを保持する。チャネルデコーディング部406は、ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat Request;略称:HARQ)−ACK部407、スケジューリングリクエスト部408、チャネル品質インジケータ(Channel Quality Indicator;略称:CQI)部409およびCQI&HARQ−ACK部410を備える。
図21およびその他の図面において、LLR(復調)部402は、「LLR(DEM)」と記載する。フォーマットは、「F」と記載する場合がある。チャネルデコーディング部406は、「CHDEC」と記載する。スケジューリングリクエスト部408およびスケジューリングリクエストは、「SCHR」と記載する。
図22に示すように、PRACH検出部317は、R2BF(Radix2 Butter Fly)部411、第1RAM415、PD部416および第2RAM420を備える。R2BF部411は、プリアンブル乗算部412、プリアンブルシーケンス再生部413およびIFFT部414を備える。PD部416は、補間部417、プリアンブル電力合成部(以下、単に「電力合成部」という場合がある)418およびブランチ合成部419を備える。
図22およびその他の図面において、プリアンブル乗算部412は、「MUL」と記載する。プリアンブルシーケンス再生部413は、「PRESRG」と記載する。補間部417は、「IPL」と記載する。プリアンブル電力合成部418は、「PWS」と記載する。ブランチ合成部419は、「BRS」と記載する。
SRS復調部318は、演算部421およびRAM424を備える。演算部421は、乗算部422およびシーケンス再生部423を備える。図21およびその他の図面において、乗算部422は、「MUL」と記載する。シーケンス再生部423は、「SEQRG」と記載する。
図23に示すように、内蔵CPU302の計算部335は、ピーク検出部431、第1干渉電力計算部432、第2干渉電力計算部433および信号電力計算部434を備える。ピーク検出部431、第1干渉電力計算部432、第2干渉電力計算部433および信号電力計算部434は、それぞれスケジューラ333に接続される。図23およびその他の図面において、ピーク検出部431は、「PD」と記載する。第1干渉電力計算部432および第2干渉電力計算部433は、「IPC」と記載する。信号電力計算部434は、「SPC」と記載する。
ピーク検出部431は、第1RAM319を介して、PRACH検出部317のPD部416のブランチ合成部419に接続される。第1干渉電力計算部432は、第2RAM320を介して、SRS復調部318に接続される。第2干渉電力計算部433および信号電力計算部434は、それぞれ、第3RAM321を介して、SRS復調部318の演算部421に接続される。
図16、図18〜図20に示すように、PUSCH復調部315では、第1〜第12RAM364,366,369,374,378,383,385,387,390〜393を、FDE部363、DATA回転部365、IDFT部368、IDFT部368とLLR部375との間、デスクランブリング部377とチャネルデインタリーブ部379との間、コードブロック分割部382とレートデマッチング部384との間、レートデマッチング部384と第4チャネルデコーディング部386との間、第4チャネルデコーディング部386とコードブロックCRCチェック/コードブロック連結部388との間、トランスポートブロックCRCチェック部389、データ&制御情報分離部380とCQIに対応する第1チャネルデコーディング部394との間、データ&制御情報分離部380とHARQ−ACKに対応する第2チャネルデコーディング部395との間、データ&制御情報分離部380とRIに対応する第3チャネルデコーディング部396との間にそれぞれ接続している。またIDFT部368とPUCCH復調部316のLLR部402との間に第1RAM401を接続している。これによって、ユーザデータの一次格納を確保し、データの滞留による伝送レートの低下を防止している。
本実施の形態では、PUSCH復調部315において、レプリカ乗算部370、チャネル推定部372、シーケンス再生部371およびSinCos Table部373は、内蔵プロセッサ362内に搭載しているが、回路で実現しても構わない。またレプリカ乗算部370は、内蔵CPU302のSIR推定部334に接続されているが、SIR推定部334をPUSCH復調部315の内蔵プロセッサ362内に搭載しても構わないし、回路で実現しても構わない。
図21に示すように、PUCCH復調部316では、半導体RAMである第2RAM405をLLR部402とチャネルデコーディング部406との間に接続することで、PUCCH信号の一次格納を確保し、データの滞留による伝送レートの低下を防止している。また、Demodulation RSを用いたFDE、DATA回転、IDFT処理を、PUSCH復調部315のプリコーディング部361で共通化することにより、回路規模の削減、小型化を実現することができるので、低消費電力化を実現することができる。
図22に示すように、PRACH検出部317では、第1および第2RAM415,420を、R2BF部411のプリアンブル乗算部412、PD部416のプリアンブル電力合成部418にそれぞれ接続している。またブランチ合成部419と内蔵CPU302の計算部335のピーク検出部431との間に第1RAM319を接続している。これによって、PRACH信号の一次格納を確保し、データの滞留による伝送レートの低下を防止している。
本実施の形態では、PRACH検出部317において、ブランチ合成部419は、内蔵CPU302の計算部335のピーク検出部431に接続されているが、ピーク検出部431をPRACH検出部317のプリアンブル電力合成部418に含めても構わない。
図22に示すように、SRS復調部318では、RAM424を演算部421に接続することで、SRS信号の一次格納を確保し、データの滞留による伝送レートの低下を防止している。本実施の形態では、SRS復調部318は、内蔵CPU302の計算部335の第1干渉電力計算部432、第2干渉電力計算部433、信号電力計算部434にそれぞれ接続されているが、それら第1干渉電力計算部432、第2干渉電力計算部433、信号電力計算部434をSRS復調部318に含めても構わない。
図14および図15に示すように、各A/D変換部305〜308によってディジタル信号に変換された受信信号は、各DFE部341,342,351,352の帯域制限によって、LTE方式に割当てられた帯域を占有している信号のみ通過することができる。通過したLTE方式の信号は、各SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部345,347,355,357によって、CP除去およびFFTの処理が施される。PRACH信号のみ、PRACH用のSC−FDMA周波数ドメイン信号発生部である各PRACH用SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部347,357で処理される。
各SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部345,347,355,357で処理された受信信号は、チャネル分離部322の各RAM312,314に格納される。PUSCH復調部315、PRACH検出部317、SRS復調部318は、チャネル分離部322の各RAM312,314に格納された信号のうち、該当する帯域の信号を取得し、それぞれの処理を行う。
各SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部345,347,355,357は、主に、3GPP TS36.211に定義された機能を行う。また各受信処理部311,313では、各SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部345,347,355,357に、それぞれRAM346,348,356,358を接続することで、FFT前の信号の一次格納を確保し、データの滞留による伝送レートの低下を防止している。
チャネル分離部322は、第1アンテナ用FFT後データ格納RAM312および第2アンテナ用FFT後データ格納RAM314のメモリで構成される。
図24は、図13に示すLTEレイヤ1の上り信号処理に関係する部分のうち、FFTよりも上位側の処理に関係する部分の構成を示すブロック図である。図24では、主に、復調処理に関係する部分の構成を示す。図25〜図28は、図24に示す各部の詳細な構成を示すブロック図である。図25および図26は、PUSCH復調部315の詳細な構成を示すブロック図である。図25と図26とは、境界線L11で接続されている。図27は、PUCCH復調部316の詳細な構成を示すブロック図である。図28は、PRACH検出部317およびSRS復調部318の詳細な構成を示すブロック図である。図24〜図28において、前述の図13〜図23に示す各部に相当する部分には、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
図13に示すLTEレイヤ1の上り信号処理に関係する部分のうち、FFTよりも上位側の処理に関係する部分は、図24に示すように、チャネル分離系441、PUSCH復調部315、PUCCH復調部316、PRACH検出部317およびSRS復調部318を備える。チャネル分離系441は、FFT部442とユーザ/チャネル(CH)分離部443とを含む。FFT部442は、前述の図14および図15に示す各SC−FDMA周波数ドメイン信号発生部345,347,355,357のFFT処理を施す部分に相当する。ユーザ/CH分離部443は、前述の図13に示すチャネル分離部322に相当する。図24およびその他の図面において、チャネル分離系441は、「CHSEPS」と記載する。ユーザ/CH分離部443は、「US/CHSEP」と記載する。
PUSCH復調部315は、図25および図26に示すように、レプリカ乗算部370、レプリカ生成部371、チャネル推定部372、RS/ユーザ分離部451、SIR推定部453、SinCos Table部367,373、DATA回転部365、IDFT部368、FDE部363、LLR部375、CHSEP部376、CHDEC_DATA部381、CHDEC_CQI部501、CHDEC_FEC部503、FEC_ACK部507、FEC_RI部508、FEC_DATA部494、フィラービット除去(FILL_RMV)部495およびCRC_DATA部496を備える。
DATA回転部365は、複素共役乗算を行う複素共役乗算部として機能する。FEC_ACK部507およびFEC_RI部508は、デインタリーブ部として機能する。FEC DATA部494は、CHDEC_DATA部381のレートデマッチング部384から与えられる信号に、Turbo復号などの復号処理を行い、FILL_RMV部495に与える。FILL_RMV部495は、FEC DATA部494から与えられる信号に、フィラービット除去の処理を行い、CRC_DATA部496に出力する。CRC_DATA部496は、FEC DATA部494から与えられる信号から、CRC結果(略称:CRCR)、エラービット(略称:ERB)などを求め、出力する。
図25および図26、ならびにその他の図面において、レプリカ生成部371は、「REPG」と記載する。RS/ユーザ分離部451は、「RS/USSEP」と記載する。SIR推定部453は、「SIRP」と記載する。DATA回転(複素共役乗算)部365は、「DATAR(CCMUL)」と記載する。FEC_ACK(デインタリーブ)部507は、「FEC ACK(DI)」と記載する。FEC_RI(デインタリーブ)部508は、「FEC RI(DI)」と記載する。
図25に示すように、RS/ユーザ分離部451は、リソースブロック(Resource Block;略称:RB)平均部452を備える。チャネル推定部372は、位相回転量検出部461、RS位相回転部462、周波数偏差検出部463、RS周波数偏差補正部464およびt軸平均部465を備える。チャネル推定部372は、推定手段に相当する。
図25およびその他の図面において、RB平均部452は、「RBAV」と記載する。位相回転量検出部461は、「PHRD」と記載する。RS位相回転部462は、「RSPHR」と記載する。周波数偏差検出部463は、「FDD」と記載する。RS周波数偏差補正部464は、「RSFDC」と記載する。t軸平均部465は、「tAAV」と記載する。
SIR推定部453は、信号電力計算部454、加減算部455および分散共分散計算部456を備える。分散共分散計算部456は、RSの複素共役乗算部457およびI2+Q2計算部458を備える。図25およびその他の図面において、信号電力計算部454は、「SPG」と記載する。分散共分散計算部456は、「DCCLC」と記載する。RSの複素共役乗算部457は、「CCMUL」と記載する。
信号電力計算部454は、複素乗算して、I2+Q2の値を算出する。信号電力計算部454は、算出したI2+Q2値を、減算する値として、すなわち算出したI2+Q2の値にマイナス(−)を付けて、加減算部455に与える。RSの複素共役乗算部457は、ブランチ0およびブランチ1のRSの複素共役を乗算する。
FDE部363は、FDE重み計算部471、移動平均部472、同期検波部473および干渉電力計算部474を備える。干渉電力計算部474は、選択部475および平均部476を備える。同期検波部473は、同期検波手段に相当する。同期検波部473は、複素乗算を行う複素乗算部として機能する。平均部476は、ブランチ0とブランチ1との平均を求める。
図25およびその他の図面において、FDE重み計算部471は、「FDEWC」と記載する。移動平均部472は、「MA」と記載する。同期検波(複素乗算)部473は、「SD(CMUL)」と記載する。干渉電力計算部474は、「IPC」と記載する。選択部475は、「SEL」と記載する。平均部476は、「AVE」と記載する。「共分散」は、「COV」と記載する。
図26に示すように、LLR部375は、シフト量計算部481、振幅計算部482、信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise power Ratio;略称:SINR)計算部483およびLLR計算部484を備える。LLR計算部484は、QPSK部485、16QAM部486および64QAM部487を備える。図26およびその他の図面において、シフト量計算部481は、「SAC」と記載する。振幅計算部482は、「ACAL」と記載する。SINR計算部483は、「SINRC」と記載する。LLR計算部484は、「LLRC」と記載する。「干渉電力」は、「IP」と記載する。「信号電力」は、「SP」と記載する。
CHSEP部376は、Goldシーケンス生成部490、デスクランブル部377、デインタリーブ部379およびデマルチプレックス(demultiplex;略称:DEMUX)部380を備える。図26およびその他の図面において、Goldシーケンス生成部490は、「GSEQG」と記載する。
CHDEC_DATA部381は、度数分布計算部491、HARQ合成部492、サブブロックデインタリーブ部493およびレートデマッチング部384を備える。図26およびその他の図面において、度数分布計算部491は、「FDC」と記載する。HARQ合成部492は、「HARQS」と記載する。サブブロックデインタリーブ部493は、「SBDI」と記載する。
CHDEC_CQI部501は、レートマッチング部502を備える。図26およびその他の図面において、レートマッチング部502は、「RM」と記載する。
CHDEC_FEC部503は、リード・ミュラー復号部504、ビタビ復号部505および選択部506を備える。図26およびその他の図面において、リード・ミュラー復号部504は、「RMDEC」と記載する。ビタビ復号部505は、「VDEC」と記載する。選択部506は、「SEL」と記載する。
図27に示すように、PUCCH復調部316は、チャネル推定部511、同期検波部520、直交系列逆拡散部521、ZC(Zadoff Chu)系列逆拡散部522、シンボルデマッピング部523、PUCCH復号部526およびSEL UCI(Uplink Control Information;略称:UCI)部528を備える。同期検波部520は、複素共役乗算を行う複素共役乗算部として機能する。
図27およびその他の図面において、チャネル推定部511は、「CHP」と記載する。同期検波(複素共役乗算)部520は、「SD(CCMUL)」と記載する。直交系列逆拡散部521は、「QSBD」と記載する。ZC系列逆拡散部522は、「ZCSBD」と記載する。ZC系列は、「ZCS」と記載する。シンボルデマッピング部523は、「SDM」と記載する。PUCCH復号部526は、「PUCCH DEC」と記載する。
チャネル推定部511は、RS抜出し部512、乗算部513、ZC系列生成部514、ACK/NACK判定部515、RS位相修正部516、同相加算部517、スロット(slot)内複数RSデータ積分部518およびSIR推定部519を備える。
図27およびその他の図面において、RS抜出し部512は、「RSEXT」と記載する。ZC系列生成部514は、「ZCSG」と記載する。ACK/NACK判定部515は、「ACK/NACK DET」と記載する。RS位相修正部516は、「RSPHA」と記載する。同相加算部517は、「INPHA」と記載する。スロット内複数RSデータ積分部518は、「RSDINT」と記載する。SIR推定部519は、「SIRP」と記載する。
シンボルデマッピング部523は、デスクランブリング部524およびシンボルデマッピング部525を備える。PUCCH復号部526は、リード・ミュラー復号部527を備える。図27およびその他の図面において、デスクランブリング部524は、「DSCR」と記載する。シンボルデマッピング部525は、「SDM」と記載する。リード・ミュラー復号部527は、「RMDEC」と記載する。
図28に示すように、SRS復調部318は、SRS抜出し部531、レプリカ乗算部422、ZC系列生成部532、第1干渉電力計算部432、第2干渉電力計算部433、信号電力計算部434および選択部533を備える。図28では、前述の図23に示す内蔵CPU302の計算部335の第1干渉電力計算部432、第2干渉電力計算部433および信号電力計算部434を、SRS復調部318に含めた場合を示している。
図28およびその他の図面において、SRS抜出し部531は、「SRSEXT」と記載する。ZC系列生成部532は、「ZCSG」と記載する。選択部533は、「SEL」と記載する。
PRACH検出部317は、DDC2部534、R2BF部411、PD部416およびピーク検出部431を備える。図28では、前述の図23に示す内蔵CPU302の計算部335のピーク検出部431を、PRACH検出部317に含めた場合を示している。ピーク検出部431は、閾値判定を行う閾値判定部として機能する。
R2BF部411は、FFT部535、ZC系列生成部(以下「ZC系列部」という場合がある)536、乗算部412およびIFFT部414を備える。PD部416は、補間部417および電力合成部418を備える。電力合成部418は、I2+Q2の平方根(√(I2+Q2))の値を算出する。PD部416は、前述の図22に示すように、ブランチ合成部419をさらに備える。図28では、理解を容易にするために、ブランチ合成部419の記載を省略している。参照符号「500」で示される、DDC2部534、R2BF部411およびPD部416の補間部417で構成されるユニットは、アンテナブランチ数分設けられる。
図28およびその他の図面において、DDC2部534は、「DDC2」と記載する。ZC系列部536は、「ZCSG」と記載する。ピーク検出(閾値判定)部431は、「PD(THDET)」と記載する。
図24に示すように、FFT部442によるFFT後、メモリに相当するユーザ/CH分離部443から、PUSCH復調部315、PUCCH復調部316、SRS復調部318、PRACH検出部317が、それぞれに割り当てられた帯域であるリソースブロック(Resource Block;略称:RB)の信号を取り出し、各チャネルの復調部315,316,318および検出部317が処理を行う。RBについては、3GPP TS36.211で定義されている。各チャネルの復調部315,316,318および検出部317に関して、図25〜図28を用いて、詳細な機能を主に説明する。
図25および図26に示すPUSCH復調部315の動作を説明する。まずレプリカ生成部371、レプリカ乗算部372、RS/ユーザ分離部451の動作を説明する。PUSCH復調部315において、レプリカ生成部371により、PUSCHのRS信号を生成する。生成したPUSCHのRS信号を、レプリカ乗算部370において、受信した信号のRSの信号に複素共役乗算する。これは、乗算された結果を、全てI,Q平面の同一象限、具体的には第一象限に持ってくるためである。
複素共役乗算した結果をRB毎に算出し、RS/ユーザ分離部451のRB平均部452において、複数のRBに渡って、加算し、平均化する。あるいは、RB平均部452に代えてサブキャリア平均部を設けて、複素共役乗算した結果を1サブキャリア毎に算出し、複数のサブキャリアに渡って、加算し、平均化してもよい。RB平均部452で平均化されて出力された信号は、SIR推定部453の信号電力計算部454、およびチャネル推定部372の位相回転量検出部461にそれぞれ与えられる。
次にSIR推定部453の動作を説明する。RS/ユーザ分離部451のRB平均部452で平均化された信号と、レプリカ生成部371から出力されるRB既知信号系列とを、信号電力計算部454において複素乗算する。加減算部455において、信号電力計算部454による乗算結果を、レプリカ乗算していない信号、すなわちユーザ/CH分離部443から取り出したままのRB信号から減算する。減算された信号は、分散共分散計算部456に与えられる。
分散共分散計算部456は、I2+Q2計算部458によって、加減算部455で減算された信号のI2+Q2を干渉電力(IP)として出力する。また、受信を2アンテナブランチとしているので、RSの複素共役乗算部457によって、ブランチ0およびブランチ1の減算後におけるRSの複素共役乗算を共分散(COV)として出力する。なお、信号電力計算部454において、RB平均部452から出力された信号に基づいてI2+Q2の演算を行い、この演算結果を信号電力(SP)として出力してもよい。
以上に述べたようにPUSCH復調部315を構成し、RB平均部452でRB平均化を行った後のデータを用いて、分散共分散計算部456で共分散、干渉電力および信号電力を求めることによって、前述の図1に示す基地局装置1を小型化することができる。また基地局装置1をフェムトセル基地局装置(Home Node B、Home eNode B)として大量生産する場合に、量産のばらつきを防ぎ、安定した精度で信号電力、干渉電力、SIRを推定することができるフェムトセル基地局装置を提供することができる。
チャネル推定部372の動作を説明する。RB平均部452より出力された信号について、位相回転量検出部461において、位相回転量を検出し、RS位相回転部462において、RSの位相回転量を補正する。RS位相回転部462から出力された信号について、周波数偏差検出部463において、次の時間のRBなど、時間差の付いた信号との位相差を求めることで周波数偏差を求め、RS周波数偏差部464において、周波数の偏差分を元に戻す補正を行う。
角度回転には、SinCos Table部367,373を用いる。RS周波数偏差補正部464から出力された信号について、t軸平均部465において、シンボル間の平均処理を行う。t軸平均部465において、シンボル間の平均処理を行った後の信号は、LLR部375のSINR計算部483、およびFDE部363のFDE重み計算部471にそれぞれ出力される。
このようなチャネル推定処理を行うことによって、周波数偏差を補正した精度の高いRS(Reference Signal)の復元を行うことができる。すなわち、無線伝送路を経由することによる歪みを推定した推定伝送路特性や、移動通信端末装置と基地局装置1との源信クロックの周波数のずれから生じる周波数オフセットを精度よく推定することができる。推定伝送路特性から周波数オフセット成分を除去することによって、高精度な伝送路特性の推定を行うことができる。
FDE(Frequency Domain Equalizer)部363の動作を説明する。FDE部363は、周波数領域の等化処理を行う。具体的には、まず干渉電力計算部474の選択部475によって、SIR推定部453の分散/共分散計算部457より出力された共分散および干渉電力の中から、干渉電力として適切な値を選択する。選択された値は、干渉電力値として、FDE重み計算部471に入力される。またFDE重み計算部471には、チャネル推定部372のt軸平均部465によって平均処理が行われたチャネル推定値が入力される。FDE重み計算部471によって、選択部475から入力された干渉電力値と、t軸平均部465から入力されたチャネル推定値とを用いて、式(1)に示すような行列演算を行う。
式(1)において、X,A〜Dは、干渉電力値とチャネル推定値とから算出される。FDE重み計算部471による計算結果は、移動平均部472と、LLR部375内のSINR計算部483とに与えられる。
次いで、FDE部363は、移動平均部472によって、数サブキャリア単位などで移動平均を行う。移動平均部472によって移動平均して得た値(以下「移動平均値」という場合がある)は、同期検波部473に与えられる。同期検波部473において、移動平均部472から出力される移動平均値を取ったときのFDE重み付けを、ユーザ/CH分離部443から取得したFFT後のPUSCH受信データに対して行う。重み付けは、同期検波部473において、複素乗算により行われる。同期検波部473で同期検波されたFFT後のPUSCH受信データは、DATA回転部365に与えられる。
このようにFDE部363は、周波数成分ごとに無線伝送路や干渉成分の情報を用いて重み付けを算出するので、周波数ごとに最適な同期検波を精度良く行うことができる。
FDE部363の同期検波部473で同期検波されたFFT後のPUSCH受信データは、DATA回転部365において、チャネル推定部372から出力される、周波数偏差補正されたチャネル推定値と複素共役乗算される。DATA回転部365は、振幅情報および位相情報の両方が入ったチャネル推定値である推定伝送路特性値の代わりに、チャネル推定値の位相回転分のみを補正する処理を行なってもよい。チャネル推定値の位相回転分のみを補正する処理は、無線伝送路の歪みによって、回転してしまった信号位相を元に戻す処理に相当する。回転した位相角度をI,Q信号に変換する処理は、SinCos Table部367,373で行われる。
DATA回転部365において複素共役乗算されたFFT後のPUSCH受信データは、IDFT部368に与えられ、IDFTされて時間領域の信号に変換される。変換された信号は、LLR部375のLLR計算部484に送られる。
LLR部375の動作を説明する。LLRは、軟判定復号において必要な各受信データが0となる信頼度情報と1になる尤度との比の対数値である。LLRは、受信信号より求めた事後確率から算出されるものであり、その受信信号の信頼性を表している。IDFT部368より出力された受信信号は、シフト量計算部481および振幅計算部482によって、信号の大きさの情報を抽出され、SINR計算部483により算出されたSINR(SIR)の値を用いて、LLR計算部484により、QPSK部485、16QAM部486、64QAM部487QPSK、16QAM、64QAMなどの変調情報に基づいた復調(マッピング)が行われる。
SINR計算部483では、t軸平均部465から出力されるチャネル推定値と、FDE重み計算部471から出力されるFDE重みとを、複素乗算÷(1−複素乗算)で計算することによってSINR(SIR)の値を求める。LLR計算部484からの出力信号は、以下のようなフォーマットとなる。
QPSK(bit0,bit1,0,0,0,0)
16QAM(bit0,bit1,bit2,bit3,0,0)
64QAM(bit0,bit1,bit2,bit3,bit4,bit5)
CHSEP部376は、3GPP TS36.212により定義されたシーケンスを生成するGoldシーケンス生成部490と、LLR計算部484から出力された受信データとGoldシーケンス生成部490から出力されるGoldシーケンスとをデスクランブルするデスクランブル部377と、デインタリーブを行うデインタリーブ部379と、DATA/CQIの分離を行うDEMUX部380とを備える。
CHDEC DATA部381は、CHSEP部376のDEMUX部380から出力されたデータ、すなわちCQIではなくDATAの方を、HARQ合成部492において、HARQ合成し、度数分布計算部491とサブブロックデインタリーブ部493とに結果を与える。度数分布計算部491では、コードブロック(Code Block)単位で軟判定ビット系列の度数分布を計算する。サブブロックデインタリーブ部493でデインタリーブされた受信データと、度数分布計算部491によって計算された度数分布とを元に、レートデマッチング部384において、レートデマッチングが行われる。レートデマッチングされた信号は、FEC DATA部494において、Turbo復号などの復号処理がなされる。PUSCH復調処理は、前述の通りである。
PUCCH復調部316の動作の説明を行う。PUCCHのデータのチャネル推定は、PUSCH復調部315で行われるチャネル推定の結果を用いることで、ACK/NACK判定以外の処理を省略することができる。これにより、回路規模を削減し、小型化、省電力化を実現することができる。逆に、PUCCH復調部316のチャネル推定の結果を用いて、PUSCH復調部315のチャネル推定を省略することができる。これによっても、回路規模を削減し、小型化、省電力化を実現することができる。
PUCCH復調部316のチャネル推定部511の動作の説明を行う。PUCCH復調部316は、ユーザ/CH分離部443に格納されたFFT後の受信データより、PUCCHに該当するデータを取り出し、チャネル推定部511のRS抜出し部512において、PUCCHに対応したRS(Reference Signal)を取り出す。取り出したRS信号は、乗算部513において、ZC系列生成部514で生成されたZC系列(3GPP TS36.211参照)と複素共役乗算される。PUCCH復調部316は、乗算部513で乗算された結果を用いて、PUCCHのRS信号以外の制御信号の部分の復号を行う。
PUCCHのフォーマット(format)が2a/2bであれば、ACK/NACK判定部515において、PUCCHのACK/NACK判定を行う。フォーマット(format)が2a/2b以外であれば、スロット(slot)毎にスロット内の複数RSのデータ積分を行い、結果を同期検波部520に与える。また、どちらのフォーマットであったとしても、SIR推定を行う。ACK/NACK判定後、RS位相修正部516において、位相補正を行い、同相加算部517で同相加算を行う。同相加算部517は、演算結果を同期検波部520に与える。RS抜出し部512にてRSを抜き出された残りのPUCCH信号と、スロット内複数RSデータ積分部518もしくは同相加算部517から出力される信号とは、同期検波部520に入力され、同期検波、具体的には複素共役乗算される。
同期検波後のPUCCH制御信号は、直行系列逆拡散部521において、PUSCH復調部315にあるデスクランブル部377と同様に、デスクランブリングが行われる。その信号は、ZC系列逆拡散部522において、ZC系列生成部514からのZC系列を用いて逆拡散され、その結果の信号はシンボルデマッピング部523に与えられる。シンボルデマッピング部523、PUCCH復号部526の順に制御信号は復号され、UCI(制御信号)となり、SEL UCI部528において、SIR推定部519から出力されるSIRと共に、ユーザごとに分離され、上位に与えられる。シンボルデマッピング部523、PUCCH復号部526などのその他の処理は、前述の通りである。
SRS復調部318は、複数の移動通信端末装置で同一のRBを周波数分割複信(Frequency Division Duplex;略称:FDD)しない場合は、第2干渉電力計算部432において、FFTした後のSRS受信信号から干渉電力を計算する。複数の移動通信端末装置で同一のRBをFDD多重する場合は、第1干渉電力計算部433によって、ZC系列生成部532で生成されたZC系列を複素共役乗算した後の信号から干渉電力の計算を行う。その他処理は、前述の通りである。PRACH検出部317は、前述の通りである。
図29〜図39は、LTE方式の物理レイヤ1の下り信号データの流れを示す図である。図29〜図39では、各信号処理の段階でのデータフォーマットの変遷を示す。図29〜図39は、ユーザ数が2であり、1番目のユーザがコードワード数2で、2番目のユーザがコードワード数1で、同時送信する場合の例である。図29〜図32、図36および図37において、参照符A1〜A4、B1、B2、C1、C2で示す線は、図38の各線に対応する。
図29〜図39において、TTIとは、送信時間間隔(Transmission Time Interval)のことである。MIBとは、マスター情報ブロック(Master Information Block)のことである。SFBCとは、空間周波数ブロック符号化のことである。「×3」、「×16」などは、ビット(bit)数の何倍かを示す。たとえば、「×3」は、「bit数×3倍」を意味する。「CCE」とは、制御チャネルエレメント(Control Channel Element)のことである。「ICP」は、I成分を示す。「QCP」は、Q成分を示す。「AT」は、アンテナ(antenna)を示す。「CE」は、巡回拡張を示す。
図36および図37は、20MHzシステム帯域で100RBの場合を示す。図36は、1番目のユーザとして、ユーザ#0(User#0)の場合である。図37は、2番目のユーザとして、ユーザ#1(User#1)の場合である。図36に示すユーザ#0の場合、コードワード#0(Codeword#0)およびコードワード#1(Codeword#1)の2つである。図37に示すユーザ#0の場合、コードワード#0(Codeword#0)の1つである。
図36および図37において、「16bit〜74888bit」は、最小値が16bitであり、最大値が74888bitであることを示す。「2×2MIMO」は、2×2MIMOの行列演算を行うことを示す。図36において、「MAX6144bit」は、最大6144bitであることを示す。図37において、「MIN16bit」は、最小値が16bitであることを示す。「MAX74888bit」は、最大値が74888bitであることを示す。図38および図39に示す「DFE」は、ディジタルフィルタを含む。
図29〜図39に示すレイヤマッピングは、以下の式(2)および(3)に従って行われる。式(2)は、3GPP TS36.211.6.3.3.3で定義されている。式(3)は、3GPP TS36.211.6.3.4.3で定義されている。
本実施の形態では、空間周波数ブロックコーディング(space frequency block coding;略称:SFBC)であるので、2つのシンボルが、同一のレイヤの隣合うサブキャリアに配置される。また制御チャネルはSFBCを適用した場合、コードワード(Codeword)が1つであるので、1シンボルずつ交互にレイヤ0,1に割り当てられていく。
図40〜図51は、LTE方式の物理レイヤ1の上り信号データの流れを示す図である。図42(a)および図42(b)は、図41に示す信号データの各フォーマットにおける配置を示す。図42(a)は、フォーマット(format)が2、2aまたは2b(2/2a/2b)の場合を示す。図42(b)は、フォーマット(format)が1、1aまたは1b(1/1a/1b)の場合を示す。図44と図45とは、接続線L12で接続されている。図46と図47とは、接続線L13で接続されている。
図40〜図51では、各信号処理の段階でのデータフォーマットの変遷を示す。図40〜図51は、ユーザ数が4であり、ユーザ#0およびユーザ#1がパケットデータを送受中であり、ユーザ#2が制御信号のみを通信中であり、ユーザ#3がPRACHを送信中であり、ユーザ#0がSounding RSも送信中の場合の例である。図40、図41、図43、図45、図47〜図49および図51に示す矢符D1〜D7、E1、E2は、図50の各矢符に対応する。図29〜図51に示す各データ処理は、前述の図2〜図28に示す各機能ブロックに対応している。
図40において、「MAXPN(≦1200)」は、1200以下の最大素数を示す。図41において、ZC系列(ZCS)のI,Qは、12bitで固定である。図41において、「NCE」は、「巡回拡張無し」を示す。図43において、「MAX SL」は、SRSの最大系列長を示す。図43において、巡回拡張(CE)のI,Qは、24の倍数であり、最大600bitである。図43において、巡回拡張(CE)の下の実線の四角形は、シンボルが有ること(シンボル有)を示し、破線の四角形は、シンボルが無いこと(シンボル無)を示す。
図46および図46において、トランスポートブロックは、帯域が10MHzで50RBの場合には、最小値が16bit、最大値が36696bitであり、50Mbps、帯域が20MHzで100RBの場合には、最大75376bitである。図48において、「Scheduling Request」は、上位レイヤ(Layer)から来るデータである。図49において、「PS」は、プリアンブル系列を示す。「CIRS」は、巡回シフトを示す。図49および図50において、「6RB」は、6RBで固定であることを示す。図50に示すIFFT,CP付加のI,Qのポイント(point)は、帯域20MHz時の値である。図50に示す「15[OFDMsymbol]」は、14OFDMsymbol+CP分である。図50に示す「DFE」は、ディジタルフィルタを含む。
図52〜図56は、図1に示す基地局装置1における下りのFP終端処理の処理手順を示すフローチャートである。図52〜図56では、内蔵CPU34およびCPU15によるソフトウェアプログラムの実行によってFP終端処理を実現する場合の処理手順を示す。
図52は、下りのFP終端処理におけるFP種別解析処理の処理手順を示すフローチャートである。図52に示すフローチャートの各処理は、内蔵CPU34およびCPU15によって実行される。図52に示すフローチャートの処理は、3G用IP部58によって、FPデータがFP終端部56へ送信され、FP種別解析処理を開始するトリガに相当するイベント発行が行われると開始され、ステップa1に移行する。
ステップa1において、FP終端部56は、FPデータのFPフォーマットを解析し、FPフォーマットのFT領域が0(零)であるか否か、さらに具体的には、FT領域が0であるか1であるかを判断する。FP終端部56は、ステップa1において、FT領域が0であると判断した場合は、FT領域がデータフレーム(DATA Frame)であると判断してステップa2に移行する。FP終端部56は、FT領域が0ではない、すなわちFT領域が1であると判断した場合は、FT領域が制御フレーム(Control Frame)であると判断してステップa3に移行する。
ステップa3において、FP終端部56は、下りの制御フレーム処理の関数を呼び出し、全ての処理手順を終了する。このようにして下りの制御フレーム処理の関数が呼び出されると、図53に示す下りの制御フレーム処理が開始される。
ステップa2において、FP終端部56は、高速下り共有チャネル(High Speed Downlink Shared Channel;略称:HS−DSCH)であるか否かを判断する。FPヘッダからは、DCHとHS−DSCHとを区別できないので、FP終端部56は、3G用IP部58からIP番号またはフェムトセル用基地局(Femto Access Point;略称:FAP)番号を取得し、取得したIP番号またはFAP番号に基づいて、HS−DSCHであるか否かを判断する。
IP番号は、たとえば「10.xxx.xx.xx」などのIPアドレスである。FAP番号は、ユーザ毎、トランスポートチャネル(Transport Channel;略称:TrCH)毎に区別した管理番号である。FP終端部56は、ステップa2において、HS−DSCHであると判断した場合は、ステップa5に移行し、HS−DSCHではないと判断した場合は、ステップa4に移行する。
ステップa5において、FP終端部56は、HS−DSCH処理の関数を呼び出し、全ての処理手順を終了する。このようにしてHS−DSCH処理の関数が呼び出されると、図54に示すHS−DSCH処理が開始される。
ステップa4において、FP終端部56は、FPフレームの到達時間(Time of Arrival;略称:ToA)を計算し、算出した到達時間が、受信可能な時間範囲である時間窓(Time Window)(以下、受信窓(Receiving Window)という場合がある)内か否かを判断する。換言すれば、FP終端部56は、FPフレームのToAが、基地局装置1が送信処理の装置内遅延を考慮に入れた上で、データを送信可能なタイミングであるか否かを判断する。FP終端部56は、ステップa4において、FPフレームのToAが時間窓内であると判断した場合は、ステップa6に移行し、時間窓内ではないと判断した場合は、ステップa7に移行する。
ステップa6において、FP終端部56は、DL−DCH/CCH処理の関数を呼び出し、全ての処理手順を終了する。このようにしてDL−DCH/CCH処理の関数が呼び出されると、図56に示すDL−DCH/CCH処理が開始される。
ステップa7において、FP終端部56は、上りの制御フレーム処理の関数を呼び出し、全ての処理手順を終了する。このようにして上りの制御フレーム処理の関数が呼び出されると、図55に示す上りの制御フレーム処理が開始される。
図53は、図52に示すステップa3の処理によって開始される下りの制御フレーム処理の処理手順を示すフローチャートである。図53に示すフローチャートの各処理は、FP終端部56によって実行される。図53に示すフローチャートの処理は、図52に示すフローチャートのステップa7において、下りの制御フレーム処理の関数が呼び出されると開始され、ステップb1に移行する。
ステップb1において、FP終端部56は、ヘッダ巡回冗長検査(Header Cyclic Redundancy Checksum;略称:Header CRC)の計算を行う。Header CRCの計算を行った後は、ステップb2に移行する。
ステップb2において、FP終端部56は、ステップb1のHeader CRCの計算結果に基づいて、誤りが検出されなかったかどうかを判断する。具体的には、FP終端部56は、算出したヘッダCRCが、誤りが検出されず、受信が正常にできたこと(以下「受信OK」という場合がある)を示すか、または、誤りが検出され、受信が正常にできなかったこと(以下「受信NG」という場合がある)を示すかを判断することによって、誤りが検出されなかったかどうかを判断する。FP終端部56は、ステップb2において、ヘッダCRCが「受信OK」を示すと判断した場合は、誤りが検出されなかったと判断してステップb3に移行し、ヘッダCRCが「受信NG」を示すと判断した場合は、誤りが検出されたと判断してステップb4に移行する。
ステップb3において、FP終端部56は、ペイロード(Payload)巡回冗長検査(CRC)の計算を行う。ペイロードCRCの計算を行った後は、ステップb5に移行する。ステップb4において、FP終端部56は、FPデータを破棄して、全ての処理手順を終了する。
ステップb5において、FP終端部56は、ステップb3のペイロードCRCの計算結果に基づいて、誤りが検出されなかったかどうかを判断する。具体的には、FP終端部56は、算出したペイロードCRCが、「受信OK」を示すか、または「受信NG」を示すかを判断することによって、誤りが検出されなかったか否かを判断する。FP終端部56は、ステップb5において、ペイロードCRCが「受信OK」を示すと判断した場合は、誤りが検出されなかったと判断してステップb6に移行し、ペイロードCRCが「受信NG」を示すと判断した場合は、誤りが検出されたと判断してステップb4に移行する。
ステップb6において、FP終端部56は、上位からの下りデータを、上り方向へ折り返して送信する指示(以下「折返し指示」という場合がある)があったか否かを判断する。FP終端部56は、ステップb6において、折返し指示があったと判断した場合は、ステップb8に移行し、折返し指示がなかったと判断した場合はステップb7に移行する。
ステップb7において、FP終端部56は、TrCHデータの切り出しを行い、メモリに格納されたデータの先頭アドレスおよびデータ長を回路に設定する。ステップb7の処理の終了後は、全ての処理手順を終了する。
ステップb8において、FP終端部56は、指定されたTrCHなどのチャネルを上り方向に折り返し、上り個別チャネル(Uplink Dedicated Channel;略称:UL−DCH)処理にイベント発行を行う。具体的には、UL−DCH処理を開始するトリガに相当するイベントを発行する。ステップb8の処理の終了後は、全ての処理手順を終了する。
図54は、図52に示すステップa5の処理によって開始されるHS−DSCH処理の処理手順を示すフローチャートである。図54に示すフローチャートの各処理は、FP終端部56によって実行される。図54に示すフローチャートの処理は、図52に示すフローチャートのステップa7において、上りの制御フレーム処理の関数が呼び出されると開始され、ステップc1に移行する。図54に示すフローチャートは、前述の図53に示すフローチャートと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
HS−DSCH処理では、FP終端部56は、ステップb5においてペイロードCRCが「受信OK」を示す、すなわち誤りが検出されなかったと判断すると、ステップc1に移行する。ステップc1において、FP終端部56は、受信したFPフレームのフレームシーケンス番号(Frame Sequence Number)が連続しているか否かを判断する。FP終端部56は、ステップc1において、フレームシーケンス番号が連続していると判断した場合は、ステップc2に移行し、フレームシーケンス番号が連続していないと判断した場合は、ステップb4に移行する。
ステップc2において、FP終端部56は、受信したFPフレームから、スケジューリング情報を切り出して、MACスケジューリングを行うスケジューラに与える。FP終端部56のスケジューリング情報切出部として機能する部分は、Average Data Rateの計算、MAC−hsバッファ滞留量の算出、および周波数(Frequency)の算出などを行う。ステップc2の処理の終了後は、ステップc3に移行する。
ステップc3において、FP終端部56は、プロトコルデータユニット(Protocol Data Unit;略称:PDU)データ切出部として機能する部分によって、PDUデータの切り出しを行い、メモリに格納されたデータの先頭アドレスおよびデータ長を回路に設定する。ステップc3の処理の終了後は、全ての処理手順を終了する。
図55は、図52に示すステップa7の処理によって開始される上りの制御フレーム処理の処理手順を示すフローチャートである。図55に示すフローチャートの各処理は、FP終端部56によって実行される。図55に示すフローチャートの処理は、図52に示すフローチャートのステップa7において、上りの制御フレーム処理の関数が呼び出されると開始され、ステップd1に移行する。
ステップd1において、FP終端部56は、フレーム(Frame)巡回冗長検査(CRC)の計算を行う。フレームCRCの計算を行った後は、ステップd2に移行する。
ステップd2において、FP終端部56は、ステップd1のフレームCRCの計算結果に基づいて、誤りが検出されなかったかどうかを判断する。具体的には、FP終端部56は、算出したフレームCRCが、「受信OK」を示すか、または「受信NG」を示すかを判断することによって、誤りが検出されなかったかどうかを判断する。FP終端部56は、ステップd2において、フレームCRCが「受信OK」を示すと判断した場合は、誤りが検出されなかったと判断してステップd3に移行し、フレームCRCが「受信NG」を示すと判断した場合は、誤りが検出されたと判断してステップd4に移行する。
ステップd3において、FP終端部56は、FPフレームのヘッダ以外の制御データの切り出しを行う。ステップd3の処理の終了後は、ステップd5に移行する。ステップd4において、FP終端部56は、FP制御フレーム(FP Control Frame)データを破棄する。ステップd4の処理の終了後は、全ての処理手順を終了する。
ステップd5において、FP終端部56は、切り出した制御データに基づいて、下りリンク同期化(DL Synchronization)または上りリンクノード同期化(UL Node Synchronization)を行うか否かを判断する。FP終端部56は、ステップd5において、下りリンク同期化または上りリンクノード同期化を行うと判断した場合は、ステップd7に移行し、下りリンク同期化および上りリンクノード同期化を行わないと判断した場合は、ステップd6に移行する。
ステップd6において、FP終端部56は、スケジューラに制御情報を与える。ステップd6の処理の終了後は、全ての処理手順を終了する。
ステップd7において、FP終端部56は、下りリンク同期化または上りリンクノード同期化の処理を行う。下りリンク同期化および上りリンクノード同期化のいずれの処理を行うかは、ステップd5で切り出された制御データに基づいて判断される。ステップd7の処理の終了後は、全ての処理手順を終了する。
図56は、図52に示すステップa6の処理によって開始されるDL−DCH/CCH処理の処理手順を示すフローチャートである。図56に示すフローチャートの各処理は、FP終端部56によって実行される。図56に示すフローチャートの処理は、図52に示すフローチャートのステップa7において、DL−DCH/CCH処理の関数が呼び出されると開始され、ステップe1に移行する。
ステップe1において、FP終端部56は、上り制御フレーム(UL Control Frame)のCRC(以下「上り制御フレームCRC」という場合がある)の計算を行う。上り制御フレームCRCの計算を行った後は、ステップe2に移行する。
ステップe2において、FP終端部56は、FPデータ組立て部によって、ToA(Time Of Arrival)などの情報をFP制御フレーム(FP Control Frame)フォーマットに組み立てる。ステップe2の処理の終了後は、全ての処理手順を終了する。
図57および図58は、図1に示す基地局装置1における上りのFP終端処理の処理手順を示すフローチャートである。図57および図58では、内蔵CPU34およびCPU15によるソフトウェアプログラムの実行によってFP終端処理を実現する場合の処理手順を示す。
図57は、上りのFP終端処理全体の処理手順を示すフローチャートである。図57に示すフローチャートの各処理は、内蔵CPU34およびCPU15によって実行される。図57に示すフローチャートの処理は、DL−DCH/CCH処理からの折り返しイベント発行、またはFPGAなどの回路からの2ms割り込み信号が与えられると開始され、ステップf1に移行する。
ステップf1において、FP終端部56は、デマルチプレックス処理を行う。具体的には、トランスポートブロック(Transport Block)を設定数分集めて連結する。このようにしてデマルチプレックス処理を行うと、ステップf2に移行する。
ステップf2において、FP終端部56は、通信品質を表す品質評価(Quality Estimate;略称:QE)値を計算して、フレームデータに付加し、ステップf3に移行する。
ステップf3において、FP終端部56は、FPフレームのCRCを計算し、算出したCRCを示すインジケータであるCRCI(CRC Indicator)をフレームデータに付加し、ステップf4に移行する。
ステップf4において、FP終端部56は、FPフレームのペイロードCRCを計算して、算出したペイロードCRCをフレームデータに付加し、ステップf5に移行する。
ステップf5において、FP終端部56は、FPフレームに、接続フレーム番号(Connection Frame Number;略称:CFN)、転送フォーマットインジケータ(Transport Format Indicator;略称:TFI)、および伝播遅延(Propagation delay)情報などを付加し、ステップf6に移行する。
ステップf6において、FP終端部56は、FPフレームのヘッダCRCを計算して、算出したヘッダCRCをフレームデータに付加し、ステップf7に移行する。
ステップf7において、FP終端部56は、EUL FP処理にイベントを発行する。具体的には、EUL FP処理のトリガに相当するイベントを発行する。ステップf7の処理の終了後は、全ての処理手順を終了する。
図58は、図57に示すステップf7の処理によって開始されるEUL FP処理の処理手順を示すフローチャートである。図58に示すフローチャートの各処理は、FP終端部56によって実行される。図58に示すフローチャートの処理は、図57に示すフローチャートのステップf7において、イベントが発行されて、EUL FP処理が起動されると開始され、ステップg1に移行する。
ステップg1において、FP終端部56は、デマルチプレックス処理を行う。具体的には、MAC−es PDUを設定数分集めて連結する。MAC−es PDUは、MAC−es層(MAC−enhanced sub layer)の単位データである。このようにしてデマルチプレックス処理を行うと、ステップg2に移行する。
ステップg2において、FP終端部56は、FPフレームのペイロードCRCを計算して、算出したペイロードCRCをフレームデータに付加し、ステップg3に移行する。
ステップg3において、FP終端部56は、FPフレームのフレームシーケンス番号を増加(インクリメント)させてフレームデータに付加し、ステップg4に移行する。
ステップg4において、FP終端部56は、CFN、HARQの再送回数(Number of HARQ Retransmissions)、MAC−es PDUのサブフレーム数(0〜15)、データ記述インジケータ(DATA Description Indicator)の付加を行い、ステップg5に移行する。
ステップg5において、FP終端部56は、FPフレームのヘッダCRCを計算してFPフレームに付加し、ステップg6に移行する。
ステップg6において、FP終端部56は、IP処理にイベントを発行する。具体的には、IP処理を開始するトリガに相当するイベントの発行を行う。これによってIP処理が起動する。ステップg6の処理の終了後は、全ての処理手順を終了する。
同じ基地局装置と通信状態にある複数の移動通信端末装置のうち、あるユーザの移動通信端末装置が、別のユーザの移動通信端末装置とは異なる通信方式で通信している場合、基地局装置は、同時に、異なる通信方式での通信を行うことができる。その際、一方の通信方式に対応した通信機能を停止するのは、全てのユーザが一方の通信方式のみで通信をしている、あるいは通信をすることを基地局装置が認知した場合とする。この場合、基地局装置は、消費電力を低く抑えるために、あえてユーザに一方の通信方式の通信のみを実行するように、移動通信端末装置および上位ネットワークを誘導することができる。
たとえば、ある基地局装置が4つの移動通信端末装置と通信状態にあり、そのうちの3つの移動通信端末装置が同じ通信方式で通信しており、残りの1つの移動通信端末装置だけが他の3つの移動通信端末装置とは異なる通信方式で通信していると基地局装置が判断した場合を考える。この場合、基地局装置、移動通信端末装置、または、上位ネットワークは、その1つの移動通信端末装置の通信方式を、他の3つの移動通信端末装置と同じ通信方式になるように制御あるいは誘導することができる。
そして、基地局装置は、全てのユーザの移動通信端末装置が一方の通信方式のみで通信していると判断して、使用していない通信方式の機能動作を停止する。これによって、基地局装置は、消費電力の低減を実現することが可能となり、それにより、フィンなどによる放熱も不要となるので、小さい筐体を採用することで小型化を実現することができる。
全てのユーザの移動通信端末装置を一方の通信方式に誘導することによって、消費電力を低減することができるという効果が得られる理由は、以下のとおりである。2つの通信方式がそれぞれ別々のオペレーションシステム(OPS)の管理下で実現されていたり、別々のアプリケーション(AP)が搭載されていたりした場合に、ユーザの移動通信端末装置が1つでも他と異なる通信方式で通信していると、それだけで、OPSおよびAPの基底動作、保守機能などのユーザ共通の機能を動作させなければならなくなる。したがって、前述のように全てのユーザの移動通信端末装置を一方の通信方式に誘導することによって、消費電力を低減することができる。
<第1の実施の形態 変形例1>
図59は、本発明の第1の実施の形態の変形例1である基地局装置2の構成を示すブロック図である。本変形例における基地局装置2の構成は、前述の図1に示す第1の実施の形態の基地局装置1の構成と類似しているので、図1に示す第1の実施の形態に対応する部分については、同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。
本変形例の基地局装置2は、RF部11、DFE回路部12、LTE回路部13A、システムクロック供給部16、第1アンテナ17、第2アンテナ18、第1の3G回路部81、第2の3G回路部82、CPU83およびIPsec専用回路部84を備えて構成される。
図59およびその他の図面において、第1の3G回路部81は、「F3GC」と記載する。第2の3G回路部82は、「S3GC」と記載する。IPsec専用回路部84は、「IPsecDCC」と記載する。
RF部11およびDFE回路部12は、第1の実施の形態における基地局装置1のRF部11およびDFE回路部12と同一の構成である。第1の3G回路部81は、第1の実施の形態における基地局装置1の3G回路部14と同一の構成である。LTE回路部13Aは、第1の実施の形態における基地局装置1のLTE回路部13からシステムクロック補正部49を除いた構成である。
FP終端部56、3G用IP部58、3G用IPsec部59およびPPPoE部60は、前述の第1の実施の形態では、図1に示すようにCPU15によって実現されるが、本変形例では、ハードウェア回路である第2の3G回路部82およびIPsec専用回路部84によって実現される。つまり、本変形例では、FP終端部56、3G用IP部58、IPsec部59およびPPPoE部60は、CPU83とは別の回路として構成される。
第2の3G回路部82は、FP終端部56、3G用IP部58、PPPoE部60および切替スイッチ部85を備える。第1の3G回路部13Aおよび第2の3G回路部82は、同一回路としてもよい。IPsec専用回路部84は、3G用IPsec部59を備える。切替スイッチ部85は、PPPoE部60の接続先を、IPsec専用回路84の3G用IPsec部59、またはLTE回路部13Aの内蔵CPU34AのLTE用IPsec部43に切り替える。第2の3G回路部82およびIPsec専用回路部84は、FPGAまたはLSIなどのASICなどの回路によって実現される。
CPU83は、MAC−hs部54、MAC−e部55、3G用無線パラメータ取得部57、3G用AP部61、3G用PF部62およびシステムクロック補正部49を備える。
RF部11とDFE回路部12とは、無線送受信部71を構成する。LTE回路部13Aの内蔵DSP/L1エンジン部と、内蔵CPU34AのRLC/MAC部40およびPDCP/GTP−U部41とは、LTE用ベースバンド部72を構成する。LTE用ベースバンド部72は、非特許文献6〜8などで定義されたLTE方式のIFFTおよびFFT、チャネルコーディングおよびチャネルデコーディングのデータ処理、多入力多出力(Multiple Input Multiple Output;略称:MIMO)処理、ならびにスケジューリング処理などを行う。
内蔵CPU34AのLTE用AP部44、LTE用PF部45およびネットワークパラメータ取得部46は、eNB制御部73を構成する。第1の3G回路部81と、CPU83のMAC−hs部54、MAC−e部55および3G用無線パラメータ取得部57と、第2の3G回路部82のFP終端部56とは、3G用ベースバンド部74Aを構成する。3G用ベースバンド部74Aは、3GPP TS25.211〜214などで定義されたW−CDMA方式のベースバンド信号処理を行う。
CPU83の3G用AP部61および3G用PF部62は、NB制御部75を構成する。LTE回路部13AのLTE用IP部42およびLTE用IPsec部43と、第2の3G回路部82の3G用IP部58、PPPoE部60および切替スイッチ部85と、IPsec専用回路部84の3G用IPsec部59とは、有線側終端部76Aを構成する。CPU83のシステムクロック補正部49と、システムクロック補正部49に接続されるシステムクロック供給部16とは、クロック部77Aを構成する。
本変形例において、LTE側機能部位の構成は、前述の第1の実施の形態におけるLTE回路部13からシステムクロック補正部49がCPU83に移動されたこと以外は、前述の図1に示す第1の実施の形態における構成と同じである。
3G側機能部位の構成は、前述の図1に示す第1の実施形態における構成と異なる。具体的には、3G側機能部位は、第2アンテナ18と、RF部11の第2DUP部26、第2スイッチ部27、第2無線送信部28、第2無線受信部29および第2下り無線受信部30と、DFE回路部12の第2DFE部32と、第1の3G回路部81のW-CDMA方式の拡散変調部50、3G用チャネルコーディング部51、逆拡散復調部52および3G用チャネルデコーディング部53と、第2の3G回路部82のFP終端部56、3G用IP部58、3G用IPsec部59、PPPoE部60および切替スイッチ部85と、CPU83のMAC−hs部54、MAC−e部55、3G用無線パラメータ取得部57、3G用AP部61、3G用PF部62およびシステムクロック補正部49とを備えて構成される。
以上のように本変形例では、FP終端部56、3G用IP部58、IPsec部59およびPPPoE部60は、ハードウェア回路によって実現されるので、MAC−hs部54およびMAC−e部55を、ユーザデータの導通ではなく、パラメータを取得し、伝送速度の制御などのスケジューリング機能のみを行うように構成することができる。これによって、図59に示すように、3G側のユーザデータの通路を回路のみで構成することができるので、ソフトウェア処理の負荷を軽減することができる。また本変形例では、前述の第1の実施の形態と同様の効果を達成することができる。
<第1の実施の形態 変形例2>
図60は、本発明の第1の実施の形態の変形例2である基地局装置3の構成を示すブロック図である。本変形例における基地局装置3の構成は、前述の図59に示す第1の実施の形態の変形例2における基地局装置2の構成と類似しているので、図2に示す第1の実施の形態の変形例2に対応する部分については、同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。
本変形例の基地局装置3は、RF部11A、LTE回路部13A、システムクロック供給部16、第1アンテナ17、第2アンテナ18、第1の3G回路部81、第2の3G回路部82、CPU83およびIPsec専用回路部84を備えて構成される。LTE回路部13A、第1の3G回路部81、第2の3G回路部82、CPU83およびIPsec専用回路部84は、第1の実施の形態の変形例2における基地局装置2のLTE回路部13A、第1の3G回路部81、第2の3G回路部82、CPU83およびIPsec専用回路部84と同一の構成である。第1の3G回路部81および第2の3G回路部82は、同一回路としてもよい。
本変形例のRF部11Aは、第1DUP部21、第1スイッチ部22、第1無線送信部23、第1無線受信部24、第1下り無線受信部25、第2DUP部26、第2スイッチ部27、第2無線送信部28、第2無線受信部29、第2下り無線受信部30、合成部91、第1分配部92、第2分配部93、3G用無線送信部94、3G用無線受信部95および3G用下り無線受信部96を備える。本変形例のRF部11Aは、無線送受信部71Aを構成する。
図60およびその他の図面において、合成部91は、「SYN」と記載する。第1分配部92および第2分配部93は、「DIS」と記載する。3G用無線送信部94は、「3GTR」と記載する。3G用無線受信部95は、「3GRE」と記載する。3G用下り無線受信部96は、「3GDRE」と記載する。
本変形例の基地局装置3は、無線送受信部71Aを構成するRF部11A以外は、前述の第1の実施の形態の変形例1における基地局装置2と同じ構成である。本変形例のRF部11は、DFEが無い。
本変形例では、第1アンテナ17、第2アンテナ18、第1デュプレクサ(duplexer;略称:DUP)部21、第1スイッチ部22、第1無線送信部23、第1無線受信部24、第1下り無線受信部25、第2DUP部26、第2スイッチ部27、第2無線送信部28、第2無線受信部29、第2下り無線受信部30、合成部91、第1分配部92、第2分配部93、3G用無線送信部94、3G用無線受信部95および3G用下り無線受信部96を備えて構成される。
3G用無線送信部94は、W-CDMA方式の拡散変調後の信号をRF信号にアップコンバージョンする。3G用無線受信部95は、W-CDMA方式のRF信号をダウンコンバージョンして、A/D変換する。3G用下り無線受信部96は、W−CDMA方式の下り周波数のRF信号をダウンコンバージョンして、A/D変換する。
合成部91は、第2無線送信部28から出力されるLTE方式のRF信号と、3G用無線送信部94から出力されるW−CDMA方式のRF信号とを、周波数帯域を重複させること無く、周波数を並べて配置する帯域制限機能を有するアナログフィルタである。第1および第2分配部92,93は、RF信号を、3G帯域を通過する信号とLTE帯域を通過する信号とに分離するアナログフィルタである。
以上のように本変形例では、前述の第1の実施の形態の変形例1と同様に、FP終端部56、3G用IP部58、IPsec部59およびPPPoE部60が、CPU83とは別の回路として構成されるので、MAC−hs部54およびMAC−e部55を、ユーザデータの導通ではなく、パラメータを取得し、伝送速度の制御などのスケジューリング機能のみを行うように構成することができる。これによって、図60に示すように、3G側のユーザデータの通路を回路のみで構成することができるので、ソフトウェア処理の負荷を軽減することができる。
また、前述の第1の実施の形態の変形例1ではDFE部31を用いて、ディジタルベースバンド周波数帯域で合成または分配を行う構成であるのに対し、本変形例では、DFE回路部を用いずに、アナログ高周波(RF)で3G信号およびLTE信号の合成または分配を行っている。これによって、ディジタルベースバンド周波数帯域で合成または分配を行う場合に比べて、合成時には誤差の拡大を防ぐことができる。また分配時には、ダウンコンバージョン前に3G信号とLTE信号とを分離するので、ダウンコンバージョン時の干渉波の混入および雑音の混入を防ぐことができる。
本変形例では、RFを1系統少なくすることができるという前述の第1の実施の形態における効果は得られないが、それ以外は、前述の第1の実施の形態と同様の効果を達成することができる。
前述の第1の実施の形態およびその変形例1,2におけるDFE処理に関して、さらに詳細に説明する。図61は、図1に示す第1の実施の形態における基地局装置1のDFE回路部12およびその周辺部の詳細な構成を示すブロック図である。図62は、本発明の第1の実施の形態における信号の状態を示す図である。図61に示す例では、前述の図1に示す第1の実施の形態について説明するが、前述の図59に示す第1の実施の形態の変形例1についても、DFE回路部12およびその周辺部の詳細な構成は、第1の実施の形態と同様に図61に示す構成となる。
図61に示す例では、−5MHz〜+10MHzの周波数帯域の部分にLTE方式の信号が割り当てられ、−10MHz〜−5MHzの周波数帯域の部分にW−CDMA方式の信号が割り当てられるようなシステムを想定して説明するが、必ずしもこのような割り当てにしなくても、DFEの処理によるLTE方式信号とW−CDMA方式信号との分離および結合は成立する。
ここで、「−5MHz〜+10MHz」および「−10MHz〜−5MHz」とは、中心周波数を0MHzとした場合の相対的な周波数であり、実際には、中心周波数は、ベースバンド信号の周波数となる。たとえば、LTE方式のベースバンド周波数が30.72MHzである場合を想定する。この場合、中心周波数は、LTE方式のベースバンド周波数である30.72MHzとなるので、この周波数を基準として、周波数帯域を考える。W−CDMA方式のベースバンド周波数がLTE方式のベースバンド周波数と異なっていても、中心周波数は、LTE方式のベースバンド周波数に合わせる。図61に示す例ではアンテナの数を2本としているが、必ずしも2本である必要はなく、1本でもよいし、3本でもよい。
基地局装置1は、第1アンテナ701、第1デュプレクサ(duplexer;略称:DUP)部702、第1RF−IC部707、送信用DFE部716、LTE方式ベースバンド信号処理部717、第2アンテナ721、第2デュプレクサ(DUP)部722、第2RF−IC部727、受信用DFE部741およびW−CDMA方式ベースバンド信号処理部742を備えて構成される。受信用DFE部741は、受信処理手段に相当し、送信用DFE部716は、送信処理手段に相当する。
図61およびその他の図面において、送信用DFE部716は、「SDFE」と記載する。LTE方式ベースバンド信号処理部717は、「LTE_BBSP」と記載する。受信用DFE部741は、「RDFE」と記載する。W−CDMA方式ベースバンド信号処理部742は、「W−CDMA_BBSP」と記載する。
図61に示す第1アンテナ701は、図1の第1アンテナ17に相当する。第2アンテナ721は、図1の第2アンテナ18に相当する。第1DUP702、第2DUP部722、第1RF−IC回路707および第2RF−IC部727は、図1のRF部11に相当する。送信用DFE部716および受信用DFE部741は、図1のDFE回路12に相当する。具体的には、第1DUP702は、図1の第1DUP部21に相当する。第2DUP部722は、図1の第2DUP部26に相当する。第1RF−IC回路707は、図1の第1無線送信部23、第1無線受信部24および第1下り無線受信部25に相当する。第2RF−IC部727は、図1の第2無線送信部28、第2無線受信部29および第2下り無線受信部30に相当する。LTE方式ベースバンド信号処理部717は、図1のLTE用ベースバンド部72に相当する。W−CDMA方式ベースバンド信号処理部742は、図1のW−CDMA用のベースバンド部である3G用ベースバンド部74に相当する。
第1RF−IC部707は、第1アップコンバージョン部703、第1ダウンコンバージョン部704、第1D/A変換部705および第1A/D変換部706を備える。第2RF−IC部727は、第2アップコンバージョン部723、第2ダウンコンバージョン部724、第2D/A変換部725および第2A/D変換部726を備える。図61およびその他の図面において、第1アップコンバージョン部703および第2アップコンバージョン部723は、「UC」と記載する。第1ダウンコンバージョン部704および第2ダウンコンバージョン部724は、「DC」と記載する。
送信用DFE部716は、送信信号に対応したDFE部であり、第1合成部708、第2合成部709、第1LTE用周波数変換部710、第2LTE用周波数変換部711、第1W−CDMA用周波数変換部712、第2W−CDMA用周波数変換部713、第1レート変換部714および第2レート変換部715を備える。送信用DFE部716は、前述の図1に示す第1第1DFE部31および第2DFE部32の中で、送信信号の処理を行う部分に相当する。
図61およびその他の図面において、第1LTE用周波数変換部710、第2LTE用周波数変換部711、第1W−CDMA用周波数変換部712および第2W−CDMA用周波数変換部713は、「FC」と記載する。第1レート変換部714および第2レート変換部715は、「RC」と記載する。
受信用DFE部741は、受信信号に対応したDFE部であり、分離部728、第3LTE用周波数変換部729、第4LTE用周波数変換部730、第3W−CDMA用周波数変換部731、第4W−CDMA用周波数変換部732、第1ディジタルフィルタ733、第2ディジタルフィルタ734、第3ディジタルフィルタ735、第4ディジタルフィルタ736、第1自動利得制御(Automatic Gain Control;略称:AGC)部737、第2AGC部738、第3AGC部739および第4AGC部740を備える。受信用DFE部741は、前述の図1に示す第1第1DFE部31および第2DFE部32の中で、受信信号の処理を行う部分に相当する。
図61およびその他の図面において、分離部728は、「SEP」と記載する。第3LTE用周波数変換部729、第4LTE用周波数変換部730、第3W−CDMA用周波数変換部731および第4W−CDMA用周波数変換部732は、「FC」と記載する。第1ディジタルフィルタ733、第2ディジタルフィルタ734、第3ディジタルフィルタ735および第4ディジタルフィルタ736は、「DFI」と記載する。
第1DUP部702は、第1アンテナ701に接続されており、送信信号および/または受信信号を結合および/または分離する。第2DUP部722は、第2アンテナ721に接続されており、送信信号および/または受信信号を結合および/または分離する。
第1アップコンバージョン部703および第2アップコンバージョン部723は、たとえば30.72MHzのベースバンド周波数を、たとえば2GHzの高周波に変換する。第1アップコンバージョン部703および第2アップコンバージョン部723は、搬送波に位相変調することで信号を乗せてもよい。
第1ダウンコンバージョン部704および第2ダウンコンバージョン部724は、高周波の信号をベースバンド周波数に変換する。搬送波に位相変調することで信号を乗せるシステムであるならば、第1ダウンコンバージョン部704および第2ダウンコンバージョン部724は、搬送波から位相変調された変調成分を取り出してもよい。
第1D/A変換部705および第2D/A変換部725は、ディジタル信号をアナログ信号に変換する。第1A/D変換部706および第2A/D変換部726は、アナログ信号をディジタル信号に変換する。
第1合成部708は、第1LTE用周波数変換部710から与えられるLTE方式信号帯域信号と、第1W−CDMA用周波数変換部712から与えられるW−CDMA方式信号帯域信号とを並べ、20MHz帯域の1つの信号に合成する。第2合成部709は、第2LTE用周波数変換部711から与えられるLTE方式信号帯域信号と、第2W−CDMA用周波数変換部713から与えられるW−CDMA方式信号帯域信号とを並べ、20MHz帯域の1つの信号に合成する。
第1および第2LTE用周波数変換部710,711は、15MHzのLTE方式信号を、使用可能な20MHzの周波数帯域幅のうちの−5MHz〜10MHzの周波数に周波数変換する。第1および第2W−CDMA用周波数変換部712,713は、5MHzのW−CDMA方式信号を、使用可能な20MHzの周波数帯域幅のうちの−10MHz〜−5MHzの周波数に周波数変換する。
第1および第2レート変換部714,715は、W−CDMA方式信号サンプリング周波数たとえば7.68MHzを、LTE方式信号サンプリング周波数たとえば30.72MHzに変換して、合成可能な状態にする。LTE方式ベースバンド信号処理部717は、LTE方式の変復調、符号化および復号化などの処理を行う。
分離部728は、第1A/D変換部706でA/D変換されたディジタル信号を分離して、第3LTE用周波数変換部729および第3W−CDMA用周波数変換部731に与える。また分離部728は、第2A/D変換部726でA/D変換されたディジタル信号を分離して、第4LTE用周波数変換部730および第4W−CDMA用周波数変換部732に与える。
第3および第4LTE用周波数変換部729,730は、分離部728から与えられた信号のうち、LTE方式信号の周波数として割り当てられた−5MHz〜+10MHzの信号を、−7.5MHz〜+7.5MHzの周波数帯域になるように周波数変換する。
第3および第4LTE用周波数変換部729,730による周波数変換後には、計算上、所望の周波数帯域よりも高い周波数の信号も出力される。第1および第2ディジタルフィルタ733,734は、第3および第4LTE用周波数変換部729,730から出力される信号から、所望の周波数帯域の信号のみを取り出すローパスフィルタ(Low Pass Filter;略称:LPF)として機能する。
第3および第4W−CDMA用周波数変換部731,732は、分離部728によって分離されて与えられた信号のうち、W−CDMA方式信号の周波数として割り当てられた−10MHz〜−5MHzの信号を、−2.5MHz〜+2.5MHzの周波数帯域になるように周波数変換する。
第3および第4W−CDMA用周波数変換部731,732による周波数変換後には、計算上、所望の周波数帯域よりも高い周波数の信号も出力される。第3および第4ディジタルフィルタ735,736は、第3および第4W−CDMA用周波数変換部731,732から出力される信号から、所望の周波数帯域の信号のみを取り出すLPFとして機能する。
第1〜第4AGC部737〜740は、ディジタル信号の振幅を抑える。W−CDMA方式ベースバンド信号処理部742は、W−CDMA型式の変復調、符号化および復号化などの処理を行う。
第1〜第4AGC部737〜740は、ディジタル信号において、小型化および低価格化を実現する目的で、第1および第2A/D変換部706,726などで十分なビット幅を持てない場合に必要となる。第1および第2A/D変換部706,726などで十分なビット幅を持てる場合には、第1〜第4AGC部737〜740は設けなくてもよい。
第1アップコンバージョン部703、第1ダウンコンバージョン部704、第1D/A変換部705および第1A/D変換部706で構成される第1RF−IC部707は、1つのRF専用チップであるRF−ICなどで実現することができる。同様に、第2アップコンバージョン部723、第2ダウンコンバージョン部724、第2D/A変換部725および第2A/D変換部726で構成される第2RF−IC部727は、1つのRF専用チップであるRF−ICなどで実現することができる。
次に、受信処理の動作を説明する。第1および第2アンテナ701,721で受信したW−CDMA方式およびLTE方式の両方を含む20MHz帯域の信号は、第1および第2DUP部702,722を介して第1および第2ダウンコンバージョン部704,724に入力される。
第1および第2ダウンコンバージョン部704,724において、2GHzなどの高周波(Radio Frequency)の信号は、61.44MHzなどのベースバンド信号に周波数変換され、第1および第2A/D変換部706,726に入力される。第1および第2A/D変換部706,726において、アナログ信号がディジタル信号に変換され、分離部728に入力される。
図61に示す例では、前述のように20MHz幅の周波数帯域のうち、−5MHz〜+10MHzの部分がLTE方式の信号に割り当てられ、−10MHz〜−5MHzの部分がW−CDMA方式の信号に割り当てられるようなシステムである場合を想定している。したがって、分離部728に入力される信号743の状態は、図62に示すように、20MHz幅の周波数帯域のうち、−5MHz〜+10MHzの部分をLTE方式の信号が専有しており、−10MHz〜−5MHzの部分をW−CDMA方式の信号が専有している状態となる。
分離部728は、第3および第4LTE用周波数変換部729,730ならびに第3および第4W−CDMA用周波数変換部731,732に、20MHz帯域の信号を送るか、あるいは、−5MHz〜+10MHz帯域の信号を切り出して第3および第4LTE用周波数変換部729,730に送り、−10MHz〜−5MHz帯域の信号を切り出して第3および第4W−CDMA用周波数変換部731,732に送る。切り出して送った方が、周波数変換で位相回転のための乗算を行うときに、別方式の信号が入り込むことを未然に防ぐことができるので好ましい。切り出さずに送る場合は、第1〜第4ディジタルフィルタ733〜736によって、別方式の信号を取り除く処理を行うことによって、取り出したい通信方式の信号のみを取り出すことができる。
第3および第4LTE用周波数変換部729,730は、−5MHz〜+10MHz帯域のLTE方式信号を、−7.5MHz〜+7.5MHz帯域の0MHzを中心とした周波数帯域の信号に変換するために、複素乗算などによる位相回転を行う。
第1および第2ディジタルフィルタ733,734は、第3および第4LTE用周波数変換部729,730において行われた複素乗算などによる位相回転で生じた、−7.5MHz〜+7.5MHz帯域以外の信号成分を除去し、−7.5MHz〜+7.5MHz帯域信号成分のみを取り出す。すなわち、第1および第2ディジタルフィルタ733,734は、高調波成分を取り除くローパスフィルタの役割を果たしている。
第3および第4W−CDMA用周波数変換部731,732は、−10MHz〜−5MHz帯域のW−CDMA方式信号を、−2.5MHz〜+2.5MHz帯域の0MHzを中心とした帯域の信号に変換するために、複素乗算などによる位相回転を行う。
第3および第4ディジタルフィルタ735,736は、第3および第4W−CDMA用周波数変換部731,732において行われた複素乗算などによる位相回転で生じた、−2.5MHz〜+2.5MHz帯域以外の信号成分を除去し、−2.5MHz〜+2.5MHz帯域信号成分のみを取り出す。すなわち、第3および第4ディジタルフィルタ735,736は、高調波成分を取り除くローパスフィルタの役割を果たしている。
信号成分の振幅の変動を表現するためには、多くのビット幅が必要となる。これを避けるために、第1〜第4AGC部737〜740は、信号成分の振幅の変動を抑えて、必要とするビット幅を小さく抑える。LTE方式信号は、第1および第2AGC部737,738での処理を経て、LTE方式ベースバンド信号処理部717へ入力される。W−CDMA方式信号は、第3および第4AGC部739,740での処理を経て、W−CDMA方式ベースバンド信号処理部742へ入力される。
次に、送信処理の動作を説明する。LTE方式ベースバンド信号処理部717から出力されたLTE方式の変調信号は、第1および第2LTE用周波数変換部710,711に入力される。第1および第2LTE用周波数変換部710,711では、−7.5MHz〜+7.5MHzの信号帯域から、−5MHz〜+10MHzの信号帯域に周波数変換される。
W−CDMA方式ベースバンド信号処理部742から出力されたW−CDMA方式の変調信号は、第1および第2レート変換部714,715に入力される。第1および第2レート変換部714,715では、3.84MHzもしくは、2倍オーバサンプリングされているのであれば、7.68MHzのベースバンド周波数から、LTE方式信号と同じ周波数30.72MHzに変換され、第1および第2W−CDMA用周波数変換部712,713に入力される。
第1および第2W−CDMA用周波数変換部712,713では、−2.5MHz〜+2.5MHzの信号帯域から、−10MHz〜−5MHzの信号帯域に周波数変換される。ここで、−2.5MHz〜+2.5MHzおよび−10MHz〜−5MHzは、中心周波数を0MHzとした場合の相対周波数帯域であり、実際には、中心周波数は30.72MHzである。
第1および第2LTE用周波数変換部710,711から出力されたLTE方式信号は、第1合成部708に入力される。第1および第2W−CDMA用周波数変換部712,713から出力されたW−CDMA方式信号は、第2合成部709に入力される。
第1および第2合成部708,709では、LTE方式信号とW−CDMA方式信号とが合成され、図62に示すように、20MHz帯域幅の信号に並べられる。つまり、第1および第2合成部708,709から出力される信号718は、図62に示すように、20MHz幅の周波数帯域のうち、−5MHz〜+10MHzの部分をLTE方式の信号が専有し、−10MHz〜−5MHzの部分をW−CDMA方式の信号が専有する状態となる。
その後、第1および第2D/A変換部705,725において、アナログ信号に変換され、第1および第2アップコンバージョン部703,723において、ベースバンド周波数から、2GHzなどの高周波の信号に変換される。そして、高周波の信号は、第1および第2DUP部702,722を経由して、第1および第2アンテナ701,721から空中に放射される。
このように、ディジタル信号処理によって、2つの異なる通信方式の信号を帯域分離または結合することによって、異なる2つの通信方式の信号を、1つのアンテナにつき、1つのRF系統で同時に送受信することが可能である。これによって、第1および第2RF−IC部707,727などの高周波部品の部品点数を減らすことができるので、基地局装置の小型化、低消費電力化、低価格化を実現することができる。また、部品点数の削減および低消費電力化を図ることによって、比較的小さな筐体を採用することができるので、ファンおよびフィンが不要となり、基地局装置の小型化および低価格化を実現することができる。
図61に示す例では、2本のアンテナ共にDFEを適用する構成について説明したが、一方のアンテナのみに、DFEを適用し、他方のアンテナはLTE方式またはW−CDMA方式のみを送受信するような構成としてもよい。このような構成の場合でも、DFEを適用したアンテナ(RF)系統のみ、RF−IC部などの高周波部品の部品点数を減らすことができる。これによって、基地局装置の小型化、低消費電力化および低価格化を実現することができる。
図63は、一方のアンテナのみにDFEを適用する場合の基地局装置のDFE回路部およびその周辺部の構成を示すブロック図である。図64および図65は、図63に示す例における信号の状態を示す図である。図63に示す例におけるDFE回路部およびその周辺部の構成は、前述の図61に示す第1の実施の形態の構成と類似しているので、図61に示す第1の実施の形態に対応する部分については、同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。
図63に示す例の基地局装置は、第1アンテナ701、第1デュプレクサ(DUP)部702、第1RF−IC部707、LTE方式ベースバンド信号処理部717、第2アンテナ721、第2デュプレクサ(DUP)部722、第2RF−IC部727、受信用DFE部741、W−CDMA方式ベースバンド信号処理部742、第1合成部751、第3RF−IC部754、第2合成部755および第4RF−IC部758を備えて構成される。
第3RF−IC部754は、第3アップコンバージョン部752および第3D/A変換部753を備える。第4RF−IC部758は、第4アップコンバージョン部756および第4D/A変換部757を備える。図63およびその他の図面において、第3アップコンバージョン部752および第4アップコンバージョン部756は、「UC」と記載する。
図63に示す例では、受信処理のみDFEを適用して、送信処理は、アップコンバージョン後の高周波成分に周波数変換された信号に、第1および第2合成部751,755でアナログフロントエンド(Analog Front End;略称:AFE)の合成処理を行い、第1および第2デュプレクサ部702,722を経由して、第1および第2アンテナ701,721から放射するという構成である。ここで、AFEの合成処理とは、LTE方式およびW−CDMA方式のそれぞれのシステムで割り当てられた帯域に、LTE方式信号およびW−CDMA方式信号をそれぞれ割り当てる処理である。
図63に示す例において、LTE方式ベースバンド信号処理部717から第1および第2RF−IC部707,727に入力されるLTE方式信号759は、図64に示すように、−7.5MHz〜+7.5MHzの周波数帯域を専有する。W−CDMA方式ベースバンド信号処理部742から第3および第4RF−IC部754,757に入力されるW−CDMA方式信号760は、図65に示すように、−2.5MHz〜+2.5MHzの周波数帯域を専有する。
分離部728に入力される信号743の状態は、前述の図61に示す例と同様に、図62に示すように、20MHz幅の周波数帯域のうち、−5MHz〜+10MHzの部分をLTE方式の信号が専有し、−10MHz〜−5MHzの部分をW−CDMA方式の信号が専有する状態となる。
図63に示す例では、送信処理においては、ベースバンドディジタル信号の段階では、周波数の変換は行わない。これによって、前述の図61に示す第1の実施の形態のようにRF−IC部707,727が、送信と受信とでそれぞれ個別に存在するような場合に、受信側のRF−IC部を減らすことができる。したがって、部品点数を減らし、基地局装置の低消費電力化、低価格化および小型化を実現することができる。
図63に示す例では、送信処理にDFEのディジタル信号処理部が存在しないので、前述の図61に示す第1の実施の形態の構成と比較して、回路の規模を小さくすることができるという利点がある。
また図63に示す例では、前述の図61に示す第1の実施の形態と同様に、2本のアンテナ全てに送信ではAFEを適用し、受信ではDFEを適用しているが、一方側のアンテナだけをLTE方式およびW−CDMA方式で共用して、他方側のアンテナをLTE方式またはW−CDMA方式専用としてもよい。その場合は、一方のアンテナ側にだけ、AFEおよびDFEの合成処理、分離処理を行うことになる。このような場合でも、DFEを行わない場合に比べて、RF−IC部などの高周波(RF)関連の部品を削減することができるので、基地局装置の低価格化、低消費電力化および小型化を実現することができる。
図66は、DFEを適用しない場合の基地局装置の一部の構成を示すブロック図である。図66に示す構成は、前述の図60に示す第1の実施の形態の変形例2における基地局装置3の無線送受信部11Aおよびその周辺部の詳細な構成に相当する。図66に示す例の構成は、前述の図61に示す第1の実施の形態および前述の図63に示す例の構成と類似しているので、図61に示す第1の実施の形態および図63に示す例に対応する部分については、同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。
図66に示す例の基地局装置は、第1アンテナ701、第1デュプレクサ(DUP)部702、第1RF−IC部707、LTE方式ベースバンド信号処理部717、第2アンテナ721、第2デュプレクサ(DUP)部722、第2RF−IC部727、W−CDMA方式ベースバンド信号処理部742、第1合成部751、第2合成部755、第1分離(AFE)部761、第2分離(AFE)部762、第3RF−IC部765および第4RF−IC部768を備えて構成される。
第3RF−IC部765は、第3アップコンバージョン部752、第3D/A変換部753、第3ダウンコンバージョン部763および第3A/D変換部764を備える。第4RF−IC部768は、第4アップコンバージョン部756、第4D/A変換部757、第4ダウンコンバージョン部766および第4A/D変換部767を備える。図66およびその他の図面において、第3ダウンコンバージョン部763および第4ダウンコンバージョン部766は、「DC」と記載する。
図66に示す例では、DFEを使用せず、送信処理におけるLTE方式およびW−CDMA方式の合成処理も、受信処理におけるLTE方式およびW−CDMA方式の分離処理も、共にAFEを行う場合を想定している。この場合には、RF−IC部などのRF関連部品を、LTE方式信号およびW−CDMA方式信号で共用することによって削減することはできない。しかし、高周波の段階で、LTE方式信号およびW−CDMA方式信号の合成および分離を行うので、LTE方式およびW−CDMA方式の両方の通信方式の信号同士が混ざる可能性を低くすることができる。
これによって、信号成分に含まれる干渉成分を、DFE、具体的には、回路規模を小さくするためにフィルタのタップ数を減らすなど方式分離精度が低いDFEを備える場合に比べて、確実に小さく抑えることができる。また図66に示す例では、DFE回路が不要であるので、FPGAなどの低価格のデバイスを選定することができ、基地局装置の小型化および低消費電力化を実現することができる。
図66に示す例における送信処理の動作に関しては、図63に示す例と同様であるので、共通する説明を省略する。図66に示す例における受信処理の動作に関して、以下に説明する。
第1および第2アンテナ701,721で受信した無線信号は、第1および第2DUP部702,722を介して、第1および第2分離部761,762に入力される。
第1分離部761では、LTE方式信号帯域からLTE方式の信号成分を取り出し、LTE方式用の第1および第3ダウンコンバージョン部704,763に送る。第2分離部762では、W−CDMA方式信号帯域からW−CDMA方式の信号成分を取り出し、W−CDMA方式用の第2および第4ダウンコンバージョン部724,766に送る。
LTE方式信号を処理する第1および第3ダウンコンバージョン部704,763において、LTE方式信号成分はベースバンド信号となり、第1および第3A/D変換部706,764でディジタル信号に変換され、LTE方式ベースバンド信号処理部717に入力される。
W−CDMA方式信号を処理する第2および第4ダウンコンバージョン部724,766において、W−CDMA方式信号成分はベースバンド信号となり、第2および第4A/D変換部726,767でディジタル信号に変換され、W−CDMA方式ベースバンド信号処理部742に入力される。
図66に示す例において、LTE方式ベースバンド信号処理部717から第1および第2RF−IC部707,727に入力されるLTE方式信号759は、図64に示すように、−7.5MHz〜+7.5MHzの周波数帯域を専有する。W−CDMA方式ベースバンド信号処理部742から第3および第4RF−IC部754,757に入力されるW−CDMA方式信号760は、図65に示すように、−2.5MHz〜+2.5MHzの周波数帯域を専有する。
図66に示す例では、AFEを送信処理および受信処理のそれぞれに適用したが、一方側のアンテナだけに適用して、他方側のアンテナは、LTE方式だけ、あるいは、W−CDMA方式だけを送受信するという構成にしてもよい。この場合は、AFEを減らすことができ、また、RF関連部品をどちらか一方の方式分だけ備えればよいので、RF関連部品の部品点数を減らすことができる。これによって、両方のアンテナでAFEを実現した場合に比べて、基地局装置の低価格化、低消費電力化および小型化を実現することができる。
図61、図63および図66に示す各例では、基地局装置における2つの異なる通信方式での送受信について説明したが、移動通信端末装置においても、同様に適用することができる。
<第2の実施の形態>
図67は、本発明の第2の実施の形態である移動体通信システム6の構成を示すブロック図である。移動体通信システム6は、基地局装置4と、移動通信端末装置(User Equipment;以下「移動通信端末」または「UE」という場合がある)5a〜5cとを備える。本実施の形態では、移動体通信システム6は、3つの移動通信端末、具体的には、第1移動通信端末5a、第2移動通信端末5bおよび第3移動通信端末5cを備える。基地局装置4は、前述の第1の実施の形態またはその変形例1,2のいずれかの基地局装置1〜3によって実現される。
基地局装置4は、異なる2つの方式を共用する基地局装置である。基地局装置4は、フェムトセルの基地局装置である。以下、基地局装置4を、「共用フェムトセル基地局装置」または「デュアルフェムトセル基地局装置」という場合がある。本実施の形態では、基地局装置4は、3G方式、具体的にはW−CDMA方式と、LTE方式との2つの方式を共用する3G/LTE共用フェムトセル基地局装置である。
基地局装置4は、3G側機能部位601、LTE側機能部位602、電源部603、第1アンテナ604および第2アンテナ605を備えて構成される。3G側機能部位601は、3G(W−CDMA)方式に対応するベースバンド信号処理などの機能を有する。LTE側機能部位602は、LTE方式に対応するベースバンド信号処理などの機能を有する。電源部603は、基地局装置4に実装された3G側機能部位601およびLTE側機能部位602に対し、電源を供給する。
図67およびその他の図面において、3G側機能部位601は、「3G_FS」と記載する。LTE側機能部位602は、「LTE_FS」と記載する。図67に示す破線は、基地局装置4と移動通信端末装置5a〜5cとが通信状態であることを意味する。
第1移動通信端末5aは、LTE方式に対応する。第2移動通信端末5bは、LTE方式に対応する。第3移動通信端末5cは、3G方式およびLTE方式の両方式に対応する。したがって、図67では、第1移動通信端末5aおよび第2移動通信端末5bを、「LTE対応登録UE」と記載し、第3移動通信端末5cを、「LTE/3G対応登録UE」と記載する。各移動通信端末5a〜5cは、それぞれ、2つのアンテナ611〜616を備える。
各移動通信端末5a〜5cが、基地局装置4と通信することができるように登録されており、基地局装置4が、各移動通信端末5a〜5cと互いに通信状態にある場合を考える。
基地局装置4は、通信状態にある移動通信端末5a〜5cが全てLTE方式に対応する移動通信端末(以下「LTE対応端末」という場合がある)であると判断すると、LTE側機能部位602から、電源部603に対して、登録UE識別信号(略称:UEIS)を出力する。登録UE識別番号とは、全UEがLTE対応端末か否かを示す識別信号である。
電源部603は、LTE側機能部位602から、登録UE識別信号を受信すると、3G側機能部位601に対して、電源の供給を停止する。これによって、3G側機能部位に電源が供給されなくなった分、消費電力を小さくすることができるので、基地局装置4全体の消費電力を低く抑えることができる。
全ての移動通信端末が、LTE方式だけで通信しているかどうかの識別方法としては、以下の方法が挙げられる。3GPPで規定されるSC−FDMA方式などでLTE受信を実施し、前述の図13〜図23に示すCHSEP部376、CHDEC_DATA部381、チャネルデコーディング(FEC)部386で復号を行う。次いで、図13〜図23に示すコードブロックCRCチェック/コードブロック連結部388、トランスポートブロックCRCチェック部389によるCRCチェックで、誤りが無いか否かを判断する。これによって、全ての移動通信端末が、LTE方式だけで通信しているかどうかを判断することができる。具体的には、CRC誤りが無い場合は、LTE方式だけで通信していると判断することができる。
また、3G側機能部位601で、W−CDMA方式で逆拡散しても、前述の図49に示すPRACHに相当するRACHプリアンブル(Preamble)のパスが検出されないことなどでも判断することができる。具体的には、パスが検出されなければ、LTE方式だけで通信していると判断することができる。その場合は、3G側機能部位601からも登録UE識別信号を電源部603に送出し、電源部603において、3G側機能部位601に対する電源供給を停止する動作を行う。ここで電源部603に登録UE識別番号を送出する3G側機能部位603は、前述の図1、図59および図60に示す基地局装置1,2,3の3G側機能部位内のPF部に相当する。
前述の「パスが検出されない」とは、3GPP TS25.213に記載されるように、RACHプリアンブル信号を拡散コードで相関計算しても、電力が、ある一定の閾値を超えないなどで定義することができる。
このようにして、基地局装置4は、自装置と通信状態にある移動通信端末5a〜5cが、全て、ある一方の方式、ここではLTE方式のみで通信している場合、もう一方の方式の機能処理、たとえば回路およびソフトウェアプログラムを実行する部位に対する電源供給を停止する。これによって、基地局装置4全体の消費電力を低く抑えることができる。
次に、前述の例とは逆に、LTE方式を停止する例を示す。図13〜図28に示すチャネル推定部372において、求めたチャネル推定値が、ある一定の大きさ(以下「閾値」という)以上であれば、LTE方式の受信は適さないとして、3G方式の通信に切り替えるように、図1、図59および図60に示すPF部などから、基地局装置1,2,3の上位装置に信号を出すことが考えられる。これによって、全ての移動通信端末との通信が3G方式の通信に切り替わったら、LTE側機能部位602に対する電源供給を停止する動作を行う制御もできる。
このように基地局装置4は、自装置と通信状態にある移動通信端末を、全てある一方の方式、ここでは3G方式のみで通信させるように制御した上で、それが実現した後に、もう一方の方式、ここではLTE方式の機能処理、たとえば回路およびソフトウェアプログラムを実行する部位に対する電源供給を停止することによって、基地局装置4全体の消費電力を低く抑えることができる。
以上のように本実施の形態によれば、デュアル基地局装置4において、CSフォールバック時の装置動作に、以上のような動作を行うことによって、デュアル基地局装置4の低消費電力化を図ることができる。
具体的には、本実施の形態では、Closedモードで動作中のデュアル基地局装置4において、登録UEが全てLTE対応であれば、CSFB時以外は、3G側の電源をOFFする。これによって、デュアル基地局装置4の消費電力を低減することができる。また、消費電力が小さくなると、たとえば、装置筐体の放熱対策がその分不要となるので、筐体を比較的小さくすることができ、基地局装置の小型化を実現することができる。放熱対策とは、筐体にフィンを設けたり、自然空冷のために金属筐体を大きくしたりすることなどである。消費電力が小さくなると、このように筐体を比較的小さくすることができるので、基地局装置の小型化および軽量化を図ることができる。したがって、デュアル基地局装置4全体を小型化および軽量化することができる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態の基地局装置は、前述の第1の実施の形態またはその変形例1,2の基地局装置1〜3と同様の構成であるので、図示および説明を省略する。本実施の形態では、基地局装置は、拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)などを受信した場合、CSFBが実行されることを考慮して、事前に3G側機能部位の電源をONする。以下では、基地局装置を「eNodeB」という場合がある。
図68は、CSFBに関連する着呼の手順を示すシーケンス図である。ステップS11において、G−MSC(Gateway Mobile-services Switching Center)に、初期アドレスメッセージ(Initial Address Message;略称:IAM)が通知される。
ステップS11においてIAMが通知されると、G−MSCは、ステップS12において、ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server;略称:HSS)および移動交換局/在圏網加入者管理レジスタ(Mobile-services Switching Center/Visitor Location Register;略称:MSC/VLR)とともに、SRI(Send Routeing Information)プロシージャを行う。SRIプロシージャは、移動通信端末の場所を問う検索に関する手続である。SRIプロシージャは、3GPP TS23.018に規定される。
ステップS13において、G−MSCは、HSSを経由してMSC/VLRに、IAMを送信する。IAMを送信することは、3G方式で呼び出すことに相当する。G−MSCから送信されたIAMを受信したMSC/VLRは、ステップS14において、無線ネットワーク制御装置/基地局制御装置(Radio Network Controller/Base Station Controller;略称:RNC/BSC)を経由してMMEに、ページングリクエスト(Paging Request)メッセージを送信する。
MSC/VLRから送信されたページングリクエストメッセージを受信したMMEは、ステップS15において、eNodeBにページングメッセージを送信する。ステップS15においてeNodeBに送信されるページングメッセージには、コアネットワークドメインインジケータ(Core Network Domain Indicator)が含まれる。
MMEから送信されたページングメッセージを受信したeNodeBは、ステップS16において、UEにページングメッセージを送信する。ステップS16においてUEに送信されるページングメッセージには、コアネットワークドメインインジケータが含まれる。
eNodeBから送信されたページングメッセージを受信したUEは、ステップS17において、eNodeBおよびMMEに拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)メッセージを送信する。ステップS17においてeNodeBおよびMMEに送信される拡張サービスリクエストには、CSフォールバックインジケータ(CS Fallback Indicator)が含まれる。
また拡張サービスリクエストは、移動通信端末がアイドルモード(Idle Mode)であったことを示すインジケータ(Indicator)を含む。発呼側が長時間の無音状態となる可能性を回避するために、移動通信端末(UE)がアイドルモードであったことを示すインジケータを用いる。発呼側は、長時間待たされることが想定されている。
UEから送信された拡張サービスリクエストメッセージを受信したMMEは、ステップS18において、RNC/BSCを経由してMSC/VLRに、拡張サービスリクエスト(Service Request)メッセージを送信する。この拡張サービスリクエストの受信によって、MSCのSGsインタフェースを介したページングメッセージの再送が止められる。
また、UEから送信された拡張サービスリクエストメッセージを受信したMMEは、ステップS19において、eNodeBに、初期UEコンテキストセットアップ(Initial UE Cortext Setup)メッセージを送信する。初期UEコンテキストセットアップメッセージには、CSフォールバックインジケータが含まれる。
図69は、CSFBに関連するアタッチの手順を示すシーケンス図である。ステップS21において、UEは、MMEにアタッチリクエスト(Attach Request)メッセージを送信する。アタッチリクエストメッセージには、結合EPS/IMSI(Evolved Packet System/International Mobile Subscriber Identity)アタッチメッセージ、およびCSFBの移動通信端末の能力(UE Capability)が含まれている。
ステップS22において、UE、MME、MSC/VLRおよびHSSは、第1のアタッチプロシージャ(Attach Procedure(1))を行う。第1のアタッチプロシージャとしては、具体的には、接続されるMMEが変更される場合の新たなMMEと以前のMMEとの間の識別要求および応答、新たなMMEにUEが認識されていない場合のMMEとUEとの間の認証要求および応答、UE、MMEおよびHSSの間の認証および安全確保、暗号化要求および応答、セッションの消去要求および応答、位置の更新、ならびにセッションの生成要求および応答などが行われる。第1のアタッチプロシージャは、3GPP TS23.401に規定されるアタッチプロシージャのステップ3〜ステップ16に相当する。
ステップS23において、MMEは、VLR番号を取得する。ステップS24において、MMEは、MSC/VLRに、ロケーションアップデートリクエスト(Location Update Request)メッセージを送信する。
ステップS25において、MSC/VLRは、SGs associationを生成する。ステップS26において、MSC/VLRおよびHSSは、CSドメインにおけるロケーションアップデート(Location Update)を行う。
ステップS27において、MSC/VLRは、MMEに、ロケーションアップデートアクセプト(Location Update Accept)メッセージを送信する。
ステップS28において、UE、MME、MSC/VLRおよびHSSは、第2のアタッチプロシージャ(Attach Procedure(2))を行う。第2のアタッチプロシージャとしては、具体的には、初期設定要求、アタッチアクセプトメッセージの送信、RRC接続の確立、ベアラの修正要求および応答などが行われる。第2のアタッチプロシージャは、3GPP TS23.401に規定されるアタッチプロシージャのステップ17〜ステップ26に相当する。
図70は、CSFBに関連する、結合したトラッキングエリア(TA)およびローカルエリア(LA)のアップデートの手順を示すシーケンス図である。図70では、LTE側、すなわちTA側がアップデートされた場合のシーケンスを示す。
ステップS31において、UEは、トラッキングエリアを更新するトラッキングエリアアップデート(Tracking Area Update;略称:TAU)を実行することを決定する。ステップS32において、UEは、新たに接続されるMME(new MME)に、TAUリクエスト(TAU Request)メッセージを送信する。以下の説明において、新たに接続されるMMEを「新たなMME」という場合がある。
ステップS33において、UE、新たなMME、以前に接続されていたMME(old MME)、MSC/VLRおよびHSSは、TAUプロシージャ(TAU procedure)を行う。TAUプロシージャは、3GPP TS23.401に規定される。以下の説明において、以前に接続されていたMMEを「以前のMME」という場合がある。
ステップS34において、新たなMMEは、以前のMMEを経由してMSC/VLRに、ロケーションアップデートリクエスト(Location Update Request)メッセージを送信する。
ステップS35において、MSC/VLRおよびHSSは、CSドメインにおけるロケーションアップデート(Location Update)を行う。
ステップS36において、MSC/VLRは、以前のMMEを経由して新たなMMEに、ロケーションアップデートアクセプト(Location Update Accept)メッセージを送信する。
MSC/VLRから送信されたロケーションアップデートアクセプトメッセージを受信した、新たなMMEは、ステップS37において、UEに、TAUアクセプト(TAU Accept)メッセージを送信する。
新たなMMEから送信されたTAUアクセプトメッセージを受信したUEは、ステップS38において、新たなMMEに、TAUコンプリート(TAU Complete)メッセージを送信する。
図71は、CSFBに関連する発呼の手順を示すシーケンス図である。ステップS41において、UE/MS(Mobile Station)は、eNodeBを経由してMMEに、拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)メッセージを送信する。
UE/MSから送信された拡張サービスリクエストメッセージを受信したMMEは、ステップS42において、eNodeBに、CSFBインジケータを含むS1−AP(S1-Application Protocol)リクエストメッセージ(Request message)を送信する。
S1−APリクエストメッセージを受信したeNodeBは、ステップS43において、MMEに、S1−APレスポンスメッセージ(Response message)を送信する。
ステップS44において、UE/MS、eNodeB、および基地局サブシステム/無線ネットワークサブシステム(Base Station Subsystem/ Radio Network Subsystem;略称:BSS/RNS)は、任意の測定報告(Optional Measurement Report Solicitation)を行う。
ステップS45において、UE/MS、eNodeB、BSS/RNS、MME、MSC、およびパケットアクセス制御ノード(Serving GPRS Support Node;略称:SGSN)は、LTEから3GへのPS(Packet Switch)ドメインのハンドオーバ(以下「PS HO」という場合がある)処理を行う。ステップS45のPS HO処理は、PS HOの準備段階および実行開始段階に相当する。ステップS45のPS HO処理は、3GPP TS23.401に規定される。
ステップS46において、UE/MSは、SGSNに対して、一時停止(Suspend)メッセージを送信する。
一時停止(Suspend)メッセージを受信したSGSNは、ステップS47において、サービングゲートウェイ(ServingGW)およびパケットデータネットワークゲートウェイ/パケットゲートウェイノード(Packet Data Network Gateway/ Gateway General packet ratio service Support Node;略称:P−GW/GGSN)に、アップデートベアラ(Update Bearer(s))を送信する。
ステップS48において、UE/MS、eNodeB、BSS/RNS、MMEおよびMSCは、ロケーションエリアアップデート(Location Area Update)または結合ルーティングエリア/ロケーションエリア(Routing Area/Location Area;略称:RA/LA)アップデート(Update)を行う。
ステップS49において、UE/MSは、eNodeBを経由してBSS/RNSに、コネクション管理(Connection Management;略称:CM)サービスリクエスト(Service Request)メッセージを送信する。
UE/MSからCMサービスリクエストメッセージを受信したBSS/RNSは、ステップS50において、MMEを経由してMSCに、CMサービスリクエスト(CM Service Request)メッセージを含むA/lu−csメッセージ(A/lu-cs message)を送信する。
MSCが変化した場合は、次のステップS51の処理を行う。ステップS51の処理は、ステップS52およびステップS53の各処理を含む。
ステップS52において、MSCは、MMEを経由してBSS/RNSに、CMサービスリジェクト(CM Service Reject)メッセージを送信するとともに、BSS/RNSおよびeNodeBを経由してUE/MSに、CMサービスリジェクト(CM Service Reject)メッセージを送信する。
ステップS53において、UE/MS、eNodeB、BSS/RNS、MMEおよびMSCは、ロケーションエリアアップデート(Location Area Update)または結合RA/LAアップデート(Combined RA/LA Update)を行う。
ステップS54において、UE/MS、eNodeB、BSS/RNS、MMEおよびMSCは、CS呼出し設定プロシージャ(CS call establishment procedure)を行う。
ステップS55において、UE/MS、eNodeB、BSS/RNS、MME、MSC、SGSNおよびServingGWは、PS HOを行う。ステップS55のPS HO処理は、PS HOの実行継続段階に相当する。ステップS55のPS HO処理は、3GPP TS23.401に規定される。
着呼の場合、図68および図71に示すように、UE、eNodeB、MMEの順に、拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)が通知される。基地局装置は、eNodeBとして機能する部位であるLTE側機能部位に、拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)が通知されると、それを起点として、3G側、具体的にはW−CDMA方式側の機能部位である3G側機能部位の電源を起動する。3G側機能部位である回路およびデバイスの電源を事前に投入することによって、CSFBを遅延無く行わせることができる。また、拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)が通知されるまで、3G側機能部位である回路およびデバイスの電源を投入しないことによって、基地局装置の消費電力を低減して、省電力化を実現することができる。
拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)は、図68および図71のシーケンスにおいて、移動通信端末(UE)が基地局装置(eNB)を経由してMMEに送るCSフォールバックインジケータ(CS Fallback Indicator)である。CSフォールバックインジケータは、CSフォールバック(CS Fallback)を実行するためにMMEへ示すものである。
移動通信端末は、結合EPS/IMSIアタッチメッセージによってCSドメインにアタッチされており、かつIMSヴォイス(IMS voice)のセッションを介して通話ができない場合にのみ、CSフォールバックインジケータをMMEに送信する。たとえば、移動通信端末が、登録されたIMSでない、またはIP−CANサービスによって、家庭用公衆移動通信網(home Public Land Mobile Network;略称:home PLMN)で、IMSボイスサービスがサポートされない場合に、移動通信端末は、CSフォールバックインジケータをMMEに送信する。
前述の図68および図71に示すシーケンスは、3GPP TS23.272、23.018、23.401などによって定義されている。このシーケンスによれば、拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)のメッセージは、基地局装置(eNodeB)を経由してMMEへ送信される。したがって基地局装置は、基地局装置内で、拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)メッセージを解析する処理を行うことによって、移動通信端末が拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)をMMEに送信したことを知ることができる。
具体的には、前述の図1、図59および図60に示す第1の実施の形態またはその変形例1,2における基地局装置1,2,3のLTE用PF(プラットフォーム)部45、またはLTE用AP部44において、移動通信端末(UE)が拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)をMMEに送信したことを知ることができる。それによって、基地局装置は、CSフォールバック(CS Fallback)が行われようとしているか否かの判断を行うことができる。
図69に示すアタッチシーケンス、および図70に示す結合TA/LAアップデート(Update)手順では、拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)が存在しない。この場合、基地局装置は、発呼または着呼シーケンスが進むのを待ってから、そこで発行される拡張サービスリクエスト(Extended Service Request)を元に、CSフォールバック(CS Fallback)を識別してもよいし、アタッチシーケンス、または結合したTA/LA Update手順の情報を用いて識別してもよい。
「アタッチシーケンスの情報を用いる」とは、たとえば、図69のステップS21のアタッチリクエスト(Attach Request)に含まれるアタッチタイプ(Attach Type)の情報を用いるなどである。アタッチタイプ(Attach Type)の情報は、移動通信端末が、ショートメッセージサービス(Short Message Service;略称:SMS)専用なのか、CSフォールバックを使用可能なのかをMMEに指示できる情報である。アタッチタイプの情報を図1、図59および図60に示すLTE用PF部45で解析し、その解析した時点では、3G側機能部位の電源をオフ(OFF)しない制御を行うといった使用方法がある。
「結合したTA/LA Update手順の情報を用いる」とは、たとえば、図70のステップS37のTAUアクセプト(TAU Accept)メッセージにおいて、ネットワークから「SMS専用支持」で「CSフォールバック(CS Fallback)実行なし」と指示されているか、または「CSフォールバック(CS Fallback)とSMSを支持」するように指示されているかの情報を、図1、図59および図60に示すLTE用PF部45で解析して、その解析した時点では、3G側機能部位の電源をオフ(OFF)しない制御を行うといった使用方法がある。
以上に述べた制御方法を、受信したデータの無線伝送路状態だけを見て、3G側機能部位だけを用いることにしたり、LTE側機能部位だけを用いることにしたりする制御方法に加えることによって、3G側機能部位の電源をオフ(OFF)にしても、その後すぐにオン(ON)しなければならないような切り替えの増える無駄な制御を減らすことができる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、基地局装置の設置場所が、VoIP(Voice over Internet Protocol)対応である場合について説明する。「VoIP」とは、音声データをパケット化してIPネットワークでリアルタイムに伝送する技術である。「VoIP対応である」とは、CSFB(CS Fallback)が機能しなくても、LTEシステムで音声通話が可能であることを意味する。
この場合、前述の図67に示す3G/LTE共用基地局装置4は、設置場所がVoIP対応であるか否かを、コアネットワークへ問い合わせる。
VoIP対応であれば、音声通話のためにはCSFBは使用されないので、基地局装置4は、登録されている移動通信端末(UE)が全てLTE対応であれば、3G側機能部位601の電源を常にオフ(OFF)する。たとえば、UEが第3移動通信端末5cのように、LTEと3Gとのデュアル機能対応端末であったとしても、基地局装置4は、3G側機能部位601の電源を常にオフする。
このようにVoIP対応であれば、CSFBの手順は、音声通話のためには使用されないが、UE同士で数十文字程度の文字数から成る比較的短い文字メッセージを送受信可能なサービスであるショートメッセージサービス(Short Message Service;略称:SMS)を利用する場合にも用いられる。したがって、基地局装置4は、SMSを利用する場合には、3G側機能部位601の電源をオン(ON)する機能を有する。
SMSを利用するかどうかを表す情報(以下「SMS利用情報」という場合がある)は、前述の図68〜図71に示すシーケンスの情報から入手することができる。たとえば、前述の図69では、ステップS21のアタッチリクエスト(Attach Request)メッセージ、図70では、ステップS37のTAUアクセプト(TAU Accept)メッセージの中に、SMS利用情報が含まれる。
基地局装置は、このようにして得たSMS利用情報を、前述の図1、図59および図60に示すLTE用PF部45によって解析し、SMSを利用するかどうかを判断する。
このようにVoIP対応であるか否か、およびSMSを利用するか否かに応じて、3G側機能部位601の電源をオン、オフすることによって、基地局装置4の省電力化を実現することができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。