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JP5408057B2 - 映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ Download PDF

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本発明は、表示素子に表示された映像を虚像として観察者に観察させる映像表示装置と、その映像表示装置を備えたヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDとも称する)とに関するものである。
従来から、ホログラフィック光学素子(以下、HOEとも称する)を利用して、表示素子に表示された映像を虚像として観察者に観察させる映像表示装置が種々提案されている。例えば、特許文献1の映像表示装置では、表示素子からの映像光をHOEで回折反射させて観察者の瞳に導く構成において、HOEを円筒形状で形成している。つまり、HOEは円筒形状の基板上に形成されており、HOE面は全体として曲率が一定のシリンドリカル面となっている。
ここで、HOE面が例えば平面であるとき、観察画角が大きくなると、画面内での映像光のHOEでの回折角度が大きく変化する。つまり、画角中心に比べて画角端部でHOEにおける回折角度(特に回折角度と正反射角度との差)が大きくなる。このため、LEDのように発光波長幅を持つ光を出射する光源を用い、表示素子が上記光源から出射される光を変調して映像を表示する構成では、回折角度の大きい部分(画角端部)において、HOEでの回折による分散によって大きな倍率色収差が発生し、解像度が低下して映像品位が低下する。
この点、特許文献1では、HOE面をシリンドリカル面で形成することにより、広画角の場合でも、画角端部での回折角度を小さくすることができる(正反射角度に近づけることができる)。したがって、HOE面が平面であるときに発生する上記の収差を低減して、良好な虚像の観察が可能となっている。
特開平11−326824号公報(請求項1〜3、段落〔0004〕〜〔0006〕、〔0018〕、〔0019〕、〔0046〕等参照)
ところが、特許文献1のように、HOE面全体をシリンドリカル面とする構成では、広画角化に対応すべく、画角端部での回折角度を正反射角度に近づけるためには、HOE面の曲率を大きくする必要がある。HOE面の曲率が大きくなると、HOE面全体の凸側への突出量(飛び出し量)が大きくなる。このため、HOEを含む観察光学系(接眼光学系)を観察者の眼前に配置したときに、HOEを含む観察光学系の厚さ(観察瞳の面に垂直な方向の厚さ)が増大するという問題が生ずる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、広画角化する場合でも、HOEを含む観察光学系を厚くすることなく、HOEの分散による倍率色収差を小さく抑えて、高品位な映像を観察者に観察させることができる映像表示装置と、その映像表示装置を備えたHMDとを提供することにある。
本発明の映像表示装置は、発光ピーク波長が少なくとも1つ存在し、かつ、1つの発光ピーク波長を含む波長幅の光を出射する光源と、前記光源から出射された光を変調して映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光を観察瞳に導き、前記観察瞳の位置にて観察者に虚像を観察させるための観察光学系とを備えた映像表示装置であって、前記観察光学系は、前記表示素子からの映像光を回折反射させて前記観察瞳に導く体積位相型で反射型のホログラフィック光学素子を有しており、前記表示素子の表示面の中心と前記観察瞳の中心とを光学的に結ぶ軸を光軸とし、前記ホログラフィック光学素子に対する入射光の光軸と反射光の光軸とを含む面を主平面とすると、前記ホログラフィック光学素子の面は、前記主平面を対称面とする対称形であり、前記主平面に平行または垂直な面内でのみ曲率を有し、かつ、前記面内で前記表示面の中心に最も近い位置から最も遠い位置に向かうにつれて曲率半径が小さくなる、前記観察瞳側に凹の曲面で構成されていることを特徴としている。
本発明の映像表示装置では、前記観察光学系において、前記ホログラフィック光学素子の面のみが、光学パワーを有していてもよい。
本発明の映像表示装置において、前記ホログラフィック光学素子の面は、画角が異なる2方向のうち、画角がより広い方向に曲率を有していてもよい。
本発明の映像表示装置において、前記観察光学系は、前記ホログラフィック光学素子が形成される基板を含み、前記基板は、前記ホログラフィック光学素子の面に垂直な方向の厚さが一定の板状の基板であってもよい。
本発明の映像表示装置において、前記基板は、前記ホログラフィック光学素子で発生する0次回折光が前記観察瞳に向かう光路から外れるように、前記ホログラフィック光学素子を保持していてもよい。
本発明の映像表示装置において、前記観察光学系は、入射面を介して入射する前記表示素子からの映像光を少なくとも1つの全反射面で全反射させて導光し、前記ホログラフィック光学素子に導く接眼プリズムを備えていてもよい。
本発明の映像表示装置において、前記観察光学系は、前記ホログラフィック光学素子を介して前記接眼プリズムと接合される補正プリズムをさらに備えていてもよい。
本発明のヘッドマウントディスプレイは、上述した本発明の映像表示装置と、前記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持部材とを備えている構成であってもよい。
本発明によれば、観察光学系のHOE面は、主平面を対称面とする対称形であり、主平面に平行または垂直な面内でのみ曲率を有し、かつ、その面内で表示面の中心に最も近い位置から最も遠い位置に向かうにつれて曲率半径が小さくなる、観察瞳側に凹の曲面で構成されている。これにより、例えばHOEで表示面の中心に近い位置に入射する映像光については、HOE面の曲率半径の大きい(曲率の小さい)部分で回折させて、回折角度を小さくしつつ(正反射角度に近づけつつ)、HOEで表示面の中心から遠い位置に入射する映像光(画角端部の映像光)については、HOE面の曲率半径の小さい(曲率の大きい)部分で回折させて、回折角度を小さくする(正反射角度に近づける)ことができる。
しかも、HOE面の曲率を一定ではなく、位置によって(表示面中心からの距離に応じて)変化させることにより、広画角化する場合でも、HOE面全体をシリンドリカル面とする構成に比べて、HOE面全体の観察瞳とは反対側への突出量を小さく抑えながら、画角端部での回折角度を正反射角度に近づけることができる。したがって、広画角化する場合でも、HOEを含む観察光学系を厚くすることなく、HOEの分散による倍率色収差を小さく抑えて、高品位な映像を観察者に観察させることができる。
本発明の実施の一形態に係る映像表示装置の概略の構成を示す断面図である。 上記映像表示装置の光源の発光特性を示す説明図である。 上記映像表示装置の接眼光学系のHOEの回折特性を示す説明図である。 (a)は、平板状のHOEを作製する際に用いるホログラム感光材料の露光時の状態を示す説明図であり、(b)は、上記HOEの使用時の状態を示す説明図である。 上記映像表示装置における座標軸を示す説明図である。 上記映像表示装置のHOE面の主平面に平行な面内での断面形状を示すグラフである。 上記HOE面の上記面内での曲率半径の変化を示すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係る映像表示装置の概略の構成を示す断面図である。 上記映像表示装置における座標軸を示す説明図である。 上記映像表示装置のHOE面の主平面に平行な面内での断面形状を示すグラフである。 上記HOE面の上記面内での曲率半径の変化を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施の形態に係る映像表示装置の概略の構成を示す断面図である。 上記映像表示装置の接眼光学系の斜視図である。 上記映像表示装置における座標軸を示す説明図である。 上記映像表示装置における座標軸を示す説明図である。 上記映像表示装置のHOE面の主平面に垂直な面内での断面形状を示すグラフである。 上記HOE面の上記面内での曲率半径の変化を示すグラフである。 上記映像表示装置のHOEを作製する露光光学系の概略の構成を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係るHUDの概略の構成を示す断面図である。 上記の実施の形態に係るHMDの概略の構成を示す斜視図である。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
(映像表示装置について)
図1は、本実施形態の映像表示装置1の概略の構成を示す断面図である。映像表示装置1は、光源11(図12参照)と、照明光学系12(図12参照)と、表示素子13と、接眼光学系14とを有して構成されている。なお、図1では、便宜上、光源11および照明光学系12の図示を省略している。本実施形態の映像表示装置1は、表示素子13が観察者の顔の横に配置されるシースルー映像表示装置であり、接眼光学系14の後述するHOE23は、観察者の眼前に配置されて、観察者の顔の横から水平方向に進行する映像光を回折反射させて観察者の瞳に導く。以下、各構成について説明する。
光源11は、表示素子13を照明するものであり、発光ピーク波長が少なくとも1つ存在し、かつ、1つの発光ピーク波長を含む波長幅の光を出射する。
図2は、本実施形態の光源11の発光特性を示している。本実施形態では、光源11は、青(B)、緑(G)、赤(R)の3つの波長帯域において発光ピーク波長を有する光を出射する。より詳しくは、光源11は、発光ピーク波長と強度ピークに対する半値波長全幅で、例えば462±12nm(B光)、525±17nm(G光)、635±11nm(R光)の3つの波長帯域の光を発するRGB一体型のLEDで構成されている。なお、図2の発光強度は、B光の最大発光強度を100としたときの相対値で示している。
照明光学系12は、光源11からの光を集光して表示素子13に導く光学系であり、例えば凹面反射面を有するミラーで構成されている。表示素子13は、光源11から出射されて照明光学系12を介して入射する光を画像データに応じて変調して映像を表示するものであり、例えば透過型のLCDで構成されている。表示素子13は、矩形の表示画面の長辺方向が水平方向(図1の紙面に平行な方向)となり、短辺方向がそれに垂直な方向となるように配置されている。
接眼光学系14は、表示素子13からの映像光を観察瞳(光学瞳、射出瞳)Pに導き、観察瞳Pの位置にて観察者に虚像を観察させるための観察光学系であり、HOE23と、HOE23が形成される基板24とで構成されている。
HOE23は、表示素子13からの映像光を回折反射させて観察瞳Pに導く一方、外界光を透過させて観察瞳Pに導く体積位相型で反射型のホログラフィック光学素子であり、明るい映像と明るい外界の観察が同時に可能なコンバイナとして機能する。このHOE23は、基板24において観察瞳P側とは反対側の面に形成されており、基板24の上記面の形状によってHOE23の面の形状が規定されている。以下、HOE23における基板24側の面のことをHOE面23aと記載する。なお、HOE面23aの詳細については後述する。HOE23は、軸非対称(非回転対称)な正の光学パワーを有しており、正の光学パワーを持つ非球面凹面ミラー(自由曲面ミラー)と同様の機能を持っている。これにより、装置を構成する各光学部材の配置の自由度を高めて装置を容易に小型化することができるとともに、良好に収差補正された映像を観察者に提供することができる。
図3は、HOE23の回折特性を示している。同図に示すように、HOE23は、特定の入射角で入射する光であって、回折ピーク波長および回折効率ピークに対する半値波長全幅で例えば465±5nm(B光)、521±5nm(G光)、634±5nm(R光)の3つの波長帯域の光を回折反射させる角度選択性および波長選択性を有している。
基板24は、HOE面23aに垂直な方向の厚さが一定の板状の透明基板であり、HOE23を保持する。なお、基板24の厚さは、シースルー性を妨げない(観察される外界が歪まない)程度の厚さであればよい。特に、基板24は、HOE23で発生する0次回折光(正反射光)が全て観察瞳Pに向かう光路から外れるように、HOE23を保持している。
上記の構成において、光源11から出射された光は、照明光学系12によって集光され、ほぼコリメート光となって表示素子13に入射し、そこで変調されて映像光として出射される。表示素子13からの映像光は、接眼光学系14の基板24を介してHOE23に入射する。
HOE23は、凹面自由曲面と同等の光学パワーを有し、図3で示したように、光源11の発光波長領域に対応する波長領域で回折効率を有する。したがって、HOE23に到達した映像光は、回折効率が存在する波長領域の光のみが回折反射されて、観察瞳Pに到達する。これにより、観察瞳Pの位置に観察者の眼(瞳)Eを位置させることにより、観察者は、表示素子13に表示された映像の拡大虚像を眼前に観察することができる。また、HOE23は、回折効率が存在しない波長領域では、単なる透明なフィルムとして機能するので、観察者は映像と同時に、眼前の外界も観察することができる。
(回折角度と色分散との関係について)
次に、本実施形態のHOE面の詳細について説明する前に、一般的な平板状のHOEにおける回折角度と色分散との関係について説明する。
図4(a)は、平板状のHOE101を作製する際に用いるホログラム感光材料101aの露光時の状態を示しており、図4(b)は、HOE101の使用時(再生時)の状態を示している。ホログラム感光材料101aを露光する際に用いる2光束の、ホログラム感光材料101aに対する入射角をそれぞれθo(°)、θr(°)とし、露光波長をそれぞれλr(nm)とする。また、HOE101に対する再生光線の入射角および射出角を、それぞれθc(°)、θv(°)とし、使用波長(再生波長)をλc(nm)とする。
HOE101における回折では、下記のブラッグの条件式を満足するときに回折効率が最大となる。
Figure 0005408057
Figure 0005408057
(1)式は、薄いHOE101での回折に関するものである。ホログラム感光材料101aの露光時に形成される干渉縞の間隔は、露光時の物体光および参照光の入射角および露光波長によって決まり、再生時には、隣り合う縞(干渉縞の隣り合う低屈折率部または隣り合う高屈折率部)から出て行く光が1波長分だけずれる方向で回折光の光強度が最大になることから、(1)式が導き出される。ホログラム感光材料101aに対して入射角θoおよびθrで波長λrの2光束がそれぞれ入射すると、それら光束の干渉によってホログラム(干渉縞)が記録される。このホログラムに対して、波長λcの再生光をθcの角度から照射したとき、角度θvの方向に回折光が生じる。
これに対して、厚いHOE101では、干渉縞が3次元的に記録されているので、(1)式と同時に厚み方向の干渉縞の状態も考慮しなければならない。厚み方向の干渉縞による回折に関する式が(2)式である。つまり、(2)式は、ホログラム感光材料101aに対して入射角θoおよびθrで波長λrの2光束がそれぞれ入射することによって形成されるホログラムに対して、再生光をθcの角度から照射したときに再生される光の波長を特定する式である。HOE101の厚みが増すにしたがって、(2)式の回折波長域の半値半幅が狭くなり、再生の条件が厳しくなる。
体積位相型ホログラムでは、上記の(1)(2)式を同時に満足する必要があるが、少なくとも(1)式を満足する必要があることから、以下のことが言える。
(1)式より、再生光の射出角θvは、(3)式で表わされる。
Figure 0005408057
(3)式において、以下の(4)式を満足するとき、波長に依存する項がなくなる。そして、HOE101での回折光の方向は、波長によらず一定で、sinθv=sinθcを満たす方向、すなわち、θv=180°−θcを満たす方向となる。このことは、HOE101での回折方向は、HOE101が形成される基板で正反射される方向と一致し、露光波長と再生波長とのズレによる回折方向のズレは発生しないことを意味する。
Figure 0005408057
しかし、(3)式において、以下の(5)式を満足するときは、波長に依存する項が存在し、HOE101での回折光の方向が、sinθv=sinθcを満たす方向、すなわち、θv=180°−θcを満たす方向とはならない。つまり、露光波長と再生波長とがズレると、HOE101による回折方向が、HOE101が形成される基板での正反射方向からずれ、波長によって回折角(射出角θv)が異なる。したがって、再生光が波長幅を持つ光源を用いた場合、再生光の回折角が波長幅に応じた幅を持ち、回折による色分散に起因する映像の劣化が起こる。
Figure 0005408057
HOE面を1面の平面で構成した場合、特に画角が広い方向(例えば水平方向)では、画面中心に比べて画面周辺での回折角と正反射角とのズレ(入射角と回折角とのズレ)が大きくなるので、画面周辺での色分散が著しく大きくなり、画質劣化が大きくなる。
(HOE面の詳細について)
次に、本実施形態のHOE面の詳細について説明する。なお、説明の便宜上、映像表示装置1における各方向を以下のように定義しておく。図5は、映像表示装置1における座標軸を示す説明図である。同図に示すように、観察瞳Pの中心を原点とし、原点において観察瞳面に垂直な方向であって、接眼光学系14に向かう方向を+Z方向とし、原点から上に向かう方向を+X方向とし、原点から左に向かう方向を+Y方向とする。なお、上記の各方向の定義は、本実施形態でHOE面23aの形状を説明するときだけ参酌されるものとし、後述する実施例のコンストラクションデータでの方向の定義とは異なることを断わっておく。
また、表示素子13の表示面の中心と、接眼光学系14によって形成される観察瞳Pの中心とを光学的に結ぶ軸を光軸とし、接眼光学系14のHOE23に対する入射光の光軸と反射光の光軸とを含む面を主平面とすると、本実施形態では、YZ平面が主平面または主平面に平行な面に相当する。
図6は、HOE面23aの主平面に平行な面内での断面形状を示すグラフであり、図7は、HOE面23aの上記面内での曲率半径の変化を示すグラフである。これらの図に示すように、HOE面23aは、主平面に平行な面内でのみ(主平面に平行な方向にのみ)曲率を有する、観察瞳P側に凹の曲面で構成されている。しかも、HOE面23aの上記面内での曲率半径は、上記面内で表示素子13の表示面の中心a0に最も近い位置b1から最も遠い位置b2に向かうにつれて小さくなっている。また、HOE面23aは、主平面を対称面として上下方向に対称な形状となっている。
なお、図6および図7では、HOE23の基準点Q(X0,Y0,Z0)をローカル座標の原点としたときの座標系(Xhoe ,Yhoe ,Zhoe )を用いて、HOE23aの断面形状および曲率の変化をそれぞれ示している。このとき、観察瞳Pの中心をグローバル座標の原点(x,y,z)=(0,0,0)とすると、HOE23の基準点Qのグローバル座標は、(X0,Y0,Z0)=(0,−0.684,36.88)である。ただし、HOE面23aのX軸回りの回転角度をADEとすると、ADE=−20°である。
HOE面23aが上記のような曲面で構成されていることにより、HOE23で表示面の中心a0に近い位置に入射する映像光、すなわち、HOE面23aが平面であるときに回折角度の小さい映像光については、HOE面23aの曲率半径の大きい(曲率の小さい)部分で回折させて、回折角度を小さくしつつ(正反射角度に近づけつつ)、HOE23で表示面の中心a0から遠い位置に入射する映像光、すなわち、HOE面23aが平面であるときに回折角度が大きくなる映像光(画角端部の映像光)については、HOE面23aの曲率半径の小さい(曲率の大きい)部分で回折させて、回折角度を小さくする(正反射角度に近づける)ことができる。なお、HOE面23aの最大曲率半径は無限大であってもよい。つまり、HOE面23aで曲率半径が最大となる部分は平面であってもよい。
しかも、HOE面23aの曲率を一定ではなく、位置によって(表示面の中心a0からの距離に応じて)変化させることにより、広画角化する場合でも、HOE面23aの全体をシリンドリカル面とする構成に比べて、HOE面23aの凸側(観察瞳Pとは反対側)への突出量(サグ量Zhoe )を小さく抑えながら、画角端部での回折角度を正反射角度に近づけることができる。したがって、広画角化する場合でも、HOE23を含む接眼光学系14がZ方向に厚くなることなく、HOE23の分散による倍率色収差を小さく抑えて、高品位な映像を観察者に観察させることができる。
また、本実施形態では、表示素子13の表示面の長辺方向が水平方向であるため、観察画角は、上下方向に比べて水平方向のほうが広い。上記の水平方向は主平面に平行な方向であり、HOE面23aは主平面に平行な面内でのみ曲率を有していることから、HOE面23aは、観察画角が異なる2方向のうち、画角がより広い方向に(画角がより広い方向に平行な断面内で)曲率を有しているとも言うことができる。
このように、HOE面23aが、画角がより広い方向に曲率を有していることにより、画角が広い方向における画角端部の映像光のHOEでの回折角度を、HOE面23aの曲率半径の小さい(曲率の大きい)部分で回折させて、回折角度を小さくすることができる(正反射角度とのずれを小さくすることができる)。これにより、画角がより広い方向に広画角化する場合でも、画面全体においてHOE23の分散による倍率色収差を小さく抑えることができる。
また、接眼光学系14において、HOE23が形成される基板24は、HOE面23aに垂直な方向の厚さが一定の板状の基板であるので、接眼光学系14を薄型で軽量に構成することができ、これによって観察瞳Pの面に垂直な方向に薄型の映像表示装置1を実現することができる。
さらに、基板24は、上述したように、HOE23で発生する0次回折光が全て観察瞳Pに向かう光路から外れるようにHOE23を保持しているので、HOE23での表面反射によるゴースト像の発生を回避することができる。また、ゴースト像の発生を回避すべく、板状の基板24が上記のようにHOE23を保持している場合には、主平面に平行な面内での最大回折角度が大きくなりやすいので、主平面に平行な面内でのみHOE面23aに曲率を持たせ、かつ、その曲率を変化させる本実施形態の構成は、板状の基板24を用いる構成において非常に有効となる。
なお、本実施形態では、基板24において観察瞳Pとは反対側の面にHOE23を形成した例について説明したが、基板24における観察瞳P側の面にHOE23を形成しても、上述した本実施形態の効果を得ることは可能である。
なお、本実施形態では、表示素子13を表示面が横長となるように配置した例について説明したが、表示面が縦長となるように表示素子13を配置して、主平面に平行な面内でのみHOE面23aに曲率を持たせ、かつ、その曲率を変化させるようにしてもよい。この構成では、HOE面23aが曲率を持つ面(主平面に平行な面)が、観察画角の狭い方向(水平方向)に平行な面となるが、この場合でも、HOE面23aの上記した曲率の変化によって、観察画角の狭い方向での最大回折角度を小さく抑えることができる。したがって、観察画角の狭い方向を広画角化する場合でも、接眼光学系14の前方への突出を抑えながら、倍率色収差の低減によって高品位な映像を観察者に観察させることができる。
また、HOE23における最大回折角度は、観察画角と観察瞳Pのサイズとで決まるので、観察画角の狭い方向で最大回折角度を小さく抑えることにより、観察瞳Pのサイズを水平方向に大きく形成することができる。観察者の眼幅(フレームに対する観察瞳位置)には個人差があるので、観察瞳Pのサイズを水平方向に大きく形成することにより、より多くの人が良好に映像を観察できる装置を実現することができる。
なお、HOE23は、ホログラム感光材料を、露光用光学系を用いて露光することにより作製される。このときの露光は、基板24にホログラム感光材料を貼り付けた後に行ってもよいし、フィルム状のホログラム感光材料を露光した後に、基板24に貼り付けてもよい。なお、ホログラム感光材料としては、フォトポリマー、銀塩乳剤、重クロム酸ゼラチンなどが用いられるが、中でもドライプロセスでHOE23を容易に製造可能なフォトポリマーを用いることが望ましい。
なお、HOE23の作製時(ホログラム感光材料の露光時)には、ホログラム感光材料の表面および基板24の表面に、反射防止コートまたは反射防止フィルムを施すことが望ましい。これは、露光時のホログラム感光材料での表面反射光、または基板24での表面反射光および裏面反射光により、ホログラム感光材料に不要な干渉縞が記録され、これによって観察像にゴーストやフレアが発生し、映像品位が劣化するからである。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図8は、本実施形態の映像表示装置1の概略の構成を示す断面図である。なお、図8では、便宜上、光源11および照明光学系12の図示を省略している。本実施形態の映像表示装置1は、表示素子13を観察者の顔の横に配置し、眼前に配置される導光プリズムの一面にHOE23を保持して、HOE23を、水平方向に進行する映像光と外界光とのコンバイナとして使用するシースルー映像表示装置である。以下、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
映像表示装置1の接眼光学系14は、接眼プリズム21と、偏向プリズム22と、HOE23とを有して構成されている。
接眼プリズム21は、面21aを介して入射する表示素子13からの映像光を、面21b・21cで少なくとも1回全反射させてHOE23に導光するプリズムである。なお、面21a・21b・21cは、いずれも平面であり、光学パワーを持っていない。
偏向プリズム22は、平面視で略U字型の平行平板で構成されており、接眼プリズム21とHOE23を介して貼り合わされたときに、接眼プリズム21と一体となって略平行平板となるものである。
HOE23は、接眼プリズム21において偏向プリズム22との接合面である面21dに形成されている。したがって、HOE面23aの形状は、面21dの形状によって規定されることになる。また、本実施形態では、接眼光学系14において、光学パワーを持つ面は、HOE面23aのみとなっている。
上記の構成において、光源11から出射された光は、照明光学系12によって集光され、ほぼコリメート光となって表示素子13に入射し、そこで変調されて映像光として出射される。表示素子13からの映像光は、接眼プリズム21の内部に面21aから入射し、続いて面21b・21cで少なくとも1回ずつ全反射されてHOE23に入射する。HOE23に到達した映像光は、そこで回折反射された後、面21cを透過して観察瞳Pに到達する。したがって、観察瞳Pの位置に観察者の眼(瞳)Eを位置させることにより、観察者は、表示素子13に表示された映像の拡大虚像を眼前に観察することができる。また、観察者は、HOE23を介して、眼前の外界も同時に観察することができる。
次に、本実施形態のHOE面23aの形状について説明する。なお、説明の便宜上、映像表示装置1における各方向を以下のように定義しておく。図9は、本実施形態の映像表示装置1における座標軸を示す説明図である。同図に示すように、観察瞳Pの中心を原点とし、原点において観察瞳面に垂直な方向であって、接眼光学系14に向かう方向を+Z方向とし、原点から上に向かう方向を+X方向とし、原点から左に向かう方向を+Y方向とする。なお、上記の各方向の定義は、本実施形態でHOE面23aの形状を説明するときだけ参酌されるものであり、後述する実施例のコンストラクションデータでの方向の定義とは異なることを断わっておく。本実施形態では、YZ平面が主平面または主平面に平行な面に相当する。
図10は、HOE面23aの主平面に平行な面内での断面形状を示すグラフであり、図11は、HOE面23aの上記面内での曲率半径の変化を示すグラフである。これらの図に示すように、HOE面23aは、主平面に平行な面内でのみ(主平面と平行な方向にのみ)曲率を有する、観察瞳P側に凹の曲面で構成されている。しかも、HOE面23aの上記面内での曲率半径は、上記面内で表示素子13の表示面の中心a0に最も近い位置b1から最も遠い位置b2に向かうにつれて小さくなっている。また、HOE面23aは、主平面を対称面として上下方向に対称な形状となっている。
なお、図10および図11では、HOE23の基準点Q(X0,Y0,Z0)をローカル座標の原点としたときの座標系(Xhoe ,Yhoe ,Zhoe )を用いて、HOE23aの断面形状および曲率の変化をそれぞれ示している。このとき、観察瞳Pの中心をグローバル座標の原点(x,y,z)=(0,0,0)とすると、HOE23の基準点Qのグローバル座標は、(X0,Y0,Z0)=(0,6.6,19.74)である。ただし、HOE面23aのX軸回りの回転角度をADEとすると、ADE=−22°である。
本実施形態においても、HOE面23aが上記のような曲面で構成されているので、HOE23で表示面の中心a0に近い位置に入射する映像光については、HOE面23aの曲率半径の大きい部分で回折させて、回折角度を正反射角度に近づけつつ、HOE23で表示面の中心a0から遠い位置に入射する映像光については、HOE面23aの曲率半径の小さい部分で回折させて、回折角度を正反射角度に近づけることができる。ちなみに、画面中心と観察瞳中心とを結ぶ光線(主光線)についての0次回折光と1次回折光の回折角度の差Δθは、
Δθ<3°
を満足しており、HOE面23a上で正反射に近い角度で主光線が回折している。
しかも、HOE面23aの曲率を一定ではなく、位置によって変化させることにより、広画角化する場合でも、HOE面23aの全体をシリンドリカル面とする構成に比べて、HOE面23aの凸側への突出量を小さく抑えながら、画角端部での回折角度を小さくすることができる。したがって、広画角化する場合でも、HOE23を含む接眼光学系14がZ方向に厚くなることなく、HOE23の分散による倍率色収差を小さく抑えて、高品位な映像を観察者に観察させることができる。
また、接眼光学系14において、光学パワーを持つ面が複数あると、各面に光学パワーが分担されることにより、HOE面23aが負担する光学パワーが小さくなる。したがって、この場合は、HOE23の分散による倍率色収差が元々小さい。これに対して、本実施形態では、接眼光学系14においてHOE面23aの1面のみが光学パワーを持つため、HOE面23aが負担する光学パワーが大きくなり、HOE23の分散による倍率色収差が大きくなる。したがって、HOE面23aを上記の曲面で構成して、HOE23の分散による倍率色収差を小さく抑える本発明が非常に有効となる。
また、接眼光学系14の接眼プリズム21は、入射面である面21aを介して入射する表示素子13からの映像光を少なくとも1つの全反射面(面21b・21c)で全反射させて導光し、HOE23に導く。このように映像光を全反射によって導光する接眼プリズム21を用いることにより、接眼光学系14を薄型に構成することができ、コンパクトな映像表示装置1を実現することができる。
また、本実施形態では、偏向プリズム22がHOE23を介して接眼プリズム21と接合されているので、HOE23での表面反射を低減することができ、0次回折光によるゴースト像の発生を低減することができる。また、表示素子13の表示映像を外界と重畳させてシースルーで観察する構成では、偏向プリズム22により、外界光のHOE23の表面での屈折がなくなるため、観察者は歪みのない自然な外界を観察することができる。したがって、偏向プリズム22は、視認される映像および外界の像を良好に補正するための補正プリズムとしての機能を有する。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1、2と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
(映像表示装置について)
図12は、本実施形態の映像表示装置1の概略の構成を示す断面図である。本実施形態の映像表示装置1は、観察者の眼前に配置される接眼光学系14の上方に表示素子13を配置し、接眼光学系14の導光プリズムの一面にHOE23を保持して、HOE23を、上下方向に進行する映像光と外界光とのコンバイナとして使用するシースルー映像表示装置である。
すなわち、本実施形態の映像表示装置1は、映像光の観察瞳Pへの導光方向が上下方向である点で、導光方向が水平方向である実施の形態2と異なっているが、接眼プリズム21内で全反射を用いて映像光を導光する点、HOE23で映像光を回折反射させて観察瞳Pに導く点については、実施の形態2と同様である。ただし、HOE面23aの形状は、実施の形態2とは異なっている。以下、この点について説明する。
なお、本実施形態の映像表示装置1では、表示素子13からの映像光は、接眼光学系14のHOE23に対して上方から入射し、そこで回折反射されて観察瞳Pに導かれるので、HOE23に対する入射光の光軸と反射光の光軸とを含む主平面は、左右方向に垂直な面となる。
図13は、接眼光学系14の斜視図を示している。本実施形態においても、HOE23は、接眼プリズム21の面21d(図12参照)に形成されており、面21dの形状によってHOE面23aの形状が規定される。本実施形態では、HOE面23aは、主平面に垂直な面内でのみ(主平面に垂直な方向でのみ)曲率を有する、観察瞳P側に凹の曲面で構成されており、主平面に対して左右対称な形状となっている。なお、主平面に垂直な面とは、ここでは、主平面に垂直で、かつ、観察瞳Pの面に垂直な面を指す。
ここで、本実施形態では、映像表示装置1における各方向を以下のように定義しておく。図14および図15は、本実施形態の映像表示装置1における座標軸を示す説明図であり、図14は映像表示装置1のYZ平面での断面図も兼ねており、図15は映像表示装置1のZX平面での断面図も兼ねている。これらの図面に示すように、観察瞳Pの中心を原点とし、原点において観察瞳面に垂直な方向であって、接眼光学系14に向かう方向を+Z方向とし、原点から上に向かう方向を+Y方向とし、原点から右に向かう方向を+X方向とする。このような座標系では、YZ平面が主平面または主平面に平行な面に相当し、ZX平面が主平面に垂直な面に相当する。なお、上記の各方向の定義は、後述する実施例のコンストラクションデータでの方向の定義と同じである。
図16は、HOE面23aの主平面に垂直な面内での断面形状を示すグラフであり、図17は、HOE面23aの上記面内での曲率半径の変化を示すグラフである。これらの図に示すように、HOE面23aの上記面内での曲率半径は、上記面内で表示素子13の表示面の中心a0に最も近い位置b1から最も遠い位置b2に向かうにつれて小さくなっている。
なお、図16および図17では、HOE23の基準点Q(X0,Y0,Z0)をローカル座標の原点としたときの座標系(Xhoe ,Yhoe ,Zhoe )を用いて、HOE23aの断面形状および曲率の変化をそれぞれ示している。このとき、観察瞳Pの中心をグローバル座標の原点(x,y,z)=(0,0,0)とすると、HOE23の基準点Qのグローバル座標は、(X0,Y0,Z0)=(0,0.164,17.5)である。
表示面が横長となるように表示素子13が配置されているとすると、HOE面23aは、画面の長辺方向、すなわち観察者の左右方向に曲率を有する曲面形状である。そして、HOE面23aは、表示素子13の表示面の中心a0に最も近い位置b1(HOE面23aの中央)では曲率半径が大きく、左右端に行くにしたがって曲率半径が小さくなる左右対称の曲面であり、表示面の中心a0から最も遠い位置b2で曲率半径が最も小さくなる。
HOE面23aを例えば平面で構成した場合、長辺方向の左右端は映像光の回折角度が大きいため、分散による倍率色収差が大きい。本実施形態のように、HOE面23aを、主平面に垂直な左右方向に曲率を持ち、かつ、左右端になるほど曲率半径の小さい曲面で構成することにより、左右端での映像光の回折角度を小さくして、画面全域で回折により発生する倍率色収差を抑えることができ、高品位な映像表示装置1を実現することができる。
(HOEの作製について)
次に、上述したHOE23の作製方法(露光方法)について説明する。図18は、HOE23を作製する露光光学系の概略の構成を示す断面図である。反射型のHOE23は、RGBのそれぞれについて、レーザー光を2光束に分離してそれぞれ参照光および物体光とし、基板(ここでは接眼プリズム21)上のホログラム感光材料23pを基板側およびその反対側から2光束(参照光、物体光)で露光し、これら2光束による干渉縞をホログラム感光材料23pに記録することにより作製される。より具体的には、以下の通りである。なお、ここでは、観察者の眼を配置する側の光を参照光、反対側からの光を物体光と呼ぶことにする。また、RGBのレーザーの発光波長は、例えば、R:647nm、G:532nm、B:476nmである。
ホログラム感光材料23pは、1枚の長方形状にカットされたフィルム状の感光材料であり、基板としての接眼プリズム21の面21d上に貼り付けられている。このとき、ホログラム感光材料23pは、露光面積よりも大きいサイズにカットされており、点光源41とホログラム感光材料23pとの間に配置される露光マスク42によって、露光領域が規定される。
まず、RGBのそれぞれについて、レーザー光をビームスプリッタで2光束に分離した後、それぞれの光束(参照光、物体光)を点光源41・51から発散する発散光となるように集光する。
RGBの参照光は、同一位置の点光源41から出射される球面波であり、露光マスク42を介して接眼プリズム21側からホログラム感光材料23pに入射する。このとき、RGBの各点光源41は、映像観察時の接眼光学系14の観察瞳Pの中心に位置する。なお、使用状態において、光源11(LED)からのRGBのピーク波長の光がHOE23にて回折されたときに同じ(1つの)点光源41の位置に重なるように、使用時に用いる光源11のピーク波長と製造時に用いるレーザーの発光波長とのずれ量に応じて、接眼光学系14の観察瞳P上でRGBの各点光源41をずらして配置してもよい。
一方、RGBの物体光は、同一位置の点光源51から出射される発散光であり、自由曲面ミラー52によって所定の波面に整形され、反射ミラー53で反射され、色補正プリズム54を介して接眼プリズム21とは反対側からホログラム感光材料23pに入射する。このとき、色補正プリズム54の面54aは、使用時に用いられる接眼光学系14の接眼プリズム21の面21a(図12参照)での映像光の屈折に起因して発生する色収差を打ち消すように、その角度が決定されている。なお、色補正プリズム54は、表面反射によるゴーストを防止するためにホログラム感光材料23pに対して密着して配置されるか、エマルジョンオイルなどを介して配置されることが望ましい。
以上のようにして、ホログラム感光材料23pに対して参照光と物体光とを照射することにより、これら2光束による干渉縞がホログラム感光材料23pに記録され、HOE23が作製される。
本実施形態のように、HOE面23aが主平面に垂直な面内でのみ曲率を有する形状の場合、上記のように連続した1枚のホログラム感光材料23pを用いてHOE23を作製することができるので、その作製が容易となる。
また、露光マスク42は、参照光がホログラム感光材料23pに照射される領域を規制する絞りとしての機能を有していることから、HOE23の有効領域は、ホログラム感光材料23pを露光する露光光学系の光路中の絞り(露光マスク42)により規定されると言える。
HOE23は、露光による干渉縞が形成された領域のみ、所望の光学特性を有する有効領域として機能するが、例えば、本実施形態において、ホログラム感光材料23pの外形形状(大きさ)によってHOE23の有効領域を規定しようとすると、ホログラム感光材料23pのエッジにより、フレアが発生して映像品位を劣化させる。
これに対して、本実施形態のように、露光光学系の光路中の絞り(露光マスク42)によって、HOE23の有効領域を規定することにより、HOE23の有効領域を、ホログラム感光材料23pの形成範囲よりも内側に形成することができる。これにより、HOE23の有効領域がホログラム感光材料23pのエッジを含まないようにすることができるので、ホログラム感光材料23pのエッジによる映像品位の劣化を回避することができる。
また、光路中に露光マスク42を配置することにより、HOE23を、1つの露光光学系での露光によって形成することができ、製造工程を単純化することができる。
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜3と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。本実施形態では、上述した映像表示装置1を適用することが可能なヘッドアップディスプレイ(HUD)およびヘッドマウントディスプレイについて説明する。
(HUDについて)
図19は、本実施形態のHUDの概略の構成を示す断面図である。なお、図19では、便宜上、光源および照明光学系の図示を省略している。本実施形態のHUDでは、例えば、車両のダッシュボード内に映像表示装置1の表示素子13を配置し、使用者(運転者)の視界内の眼前に配置される薄い板状の基板25にHOE23が保持されている。これにより、HOE23を、表示素子13からの映像光と外界光とを同時に観察瞳Pに導くコンバイナとして使用することができる。本実施形態では、HOE23と基板25とで、表示素子13からの映像光を観察瞳Pに導き、観察瞳Pの位置にて観察者に虚像を観察させるための観察光学系26が構成されている。
ここで、基板25は、HOE面23aに垂直な方向の厚さが一定の板状の基板であり、HOE23で発生する0次回折光(正反射光)が観察瞳Pに向かう光路から外れるように、主平面に平行な方向に傾いて配置されている。なお、本実施形態では、表示素子13からの映像光は下方から上方に向かって進行しながら、HOE23で回折反射されて観察瞳Pに入射するので、上記の主平面は、水平方向(図19の紙面に垂直な方向)に垂直な面となり、HOE23は、この主平面を対称面として左右方向に対称に形成されることになる。
HOE面23aは、主平面に平行な面内でのみ曲率を有する、全体として観察瞳P側に凹の曲面で構成されている。しかも、HOE面23aの上記面内での曲率半径は、上記面内で表示素子13の表示面の中心a0に最も近い位置b1から最も遠い位置b2に向かうにつれて小さくなっている。
実施の形態1と同様に、本実施形態でも、HOE23および基板25での表面反射光によるゴースト像を回避するため、基板25を傾けて配置し、0次回折光等が観察瞳Pに到達しない構成になっている。このような構成では、画角上端での回折角度が比較的大きいために、分散により発生する倍率色収差が比較的大きくなりやすい。
しかし、本実施形態のように、HOE面23aを上記の曲面で構成することにより、画角上端でのHOE23での回折角(回折角と正反射角とのズレ)を小さく抑えることができ、HOE23での分散による倍率色収差を小さく抑えることができる。
なお、画角上端でのHOE23での回折角が正反射角よりも小さくなるように設定されると、観察者が顔を下方に向けたときに正反射光によるゴースト像が観察されることがある。この場合は、光路の途中に配置される筐体などの構成部材でゴースト光を遮断することで、ゴースト像が観察されるのを回避することが可能である。
(HMDについて)
図20は、本実施形態のHMDの概略の構成を示す斜視図である。このHMDは、上述した実施の形態3の映像表示装置1と、支持部材2とで構成されている。
映像表示装置1は、光源11、照明光学系12および表示素子13(ともに図12参照)を内包する筐体3を有している。この筐体3は、接眼光学系14の一部を保持している。接眼光学系14は、接眼プリズム21および偏向プリズム22の貼り合わせによって構成されており、全体として眼鏡の一方のレンズ(図20では右眼用レンズ)のような形状をしている。また、映像表示装置1は、筐体3を貫通して設けられるケーブル4を介して、光源11および表示素子13に少なくとも駆動電力および映像信号を供給するための回路基板(図示せず)を有している。
支持部材2は、眼鏡のフレームに相当する支持機構であり、映像表示装置1を観察者の眼前(例えば右眼の前)に正確に位置するように支持している。この支持部材2は、観察者の左右の側頭部に当接するテンプル5(右テンプル5R、左テンプル5L)と、観察者の鼻と当接する鼻当て6(右鼻当て6R・左鼻当て6L)と、その鼻当て6を所定の位置で固定する鼻当てロックユニット(図示せず)とを含んでいる。鼻当てロックユニットは、ばね性の軸により鼻当て6を保持しており、鼻当て6の傾きを調整することが可能である。さらに、支持部材2は、観察者の左眼の前方に配置されるダミーレンズ7も支持している。
観察者は、支持部材2のテンプル5を持って接眼光学系14を移動させながら、接眼光学系14の観察瞳の位置と、観察者の瞳位置とが一致するように全体の位置調整を行い、鼻当てロックユニットによって鼻当て6を固定し、HMDを頭部に装着する。この状態で表示素子13に映像を表示すると、観察者は、映像表示装置1の表示映像の拡大虚像を観察することができると同時に、接眼光学系14を介して外界をシースルーで観察することができる。
このように、映像表示装置1が支持部材2にて支持されることにより、観察者は映像表示装置1から提供される映像をハンズフリーで長時間安定して観察することができ、良好な映像観察を長時間にわたって楽しむことができる。
なお、映像表示装置1を2つ用いて両眼で映像を観察できるようにしてもよい。この場合は、両方の接眼光学系の間の距離(眼幅距離)を調整するための調整機構(図示せず)を設けることが必要である。
なお、上述した各実施の形態の構成を組み合わせて映像表示装置1、ひいてはHMDやHUDを構成することも勿論可能である。
〔実施例〕
次に、上述した実施の形態1〜3の映像表示装置1の実施例について、実施例1〜3として、コンストラクションデータ等を挙げてさらに具体的に説明する。実施例1〜3は、実施の形態1〜3の映像表示装置1に対応する数値実施例である。
なお、以下に示すコンストラクションデータにおいて、Si(i=1、2、3、・・・)は、観察瞳P側から数えてi番目の面(観察瞳Pを1番目の面とする)を示している。また、表示素子13のカバーガラス(CG)において、接眼光学系14側の面をCG面とし、光源11側の面を像面(表示面)としている。なお、各面Siについては、図5、図9および図14を参照することによってより明らかになる。
各面Siの配置は、面頂点座標(x,y,z)と回転角度(ADE)の各面データでそれぞれ特定される。面Siの面頂点座標は、その面頂点をローカルな直交座標系(X,Y,Z)の原点として、グローバルな直交座標系(x,y,z)におけるローカルな直交座標系(X,Y,Z)の原点の座標(x,y,z)で表されている(単位はmm)。また、面Siの傾きは、その面頂点を中心とするX軸回りの回転角度(X回転)で表されている。なお、回転角度の単位は°であり、X軸の正方向から見て反時計回りの方向がX回転の回転角度の正方向とする。
また、グローバルな直交座標系(x,y,z)は、観察瞳面(S1)のローカルな直交座標系(X,Y,Z)と一致した絶対座標系になっている。すなわち、各面Siの配置データは、観察瞳面中心を原点としたグローバル座標系で表現される。なお、観察瞳面(S1)では、観察瞳Pから接眼光学系14に向かう方向が+Z方向であり、観察瞳Pに対して上方向が+Y方向であり、観察瞳Pに対して右方向が+X方向である。
また、各実施例1〜3で用いたHOE23を作製する際の製造波長(HWL;規格化波長)および使用波長はともに532nmであり、回折光の使用次数は1次である。HOE面については、作製に用いる2光束を定義することにより、HOEを一義的に定義する。2光束の定義は、各光束の光源位置と、各光源からの射出ビームが収束ビーム(VIR)、発散ビーム(REA)のどちらであるかで行う。なお、第1の点光源(HV1)、第2の点光源(HV2)の座標を、それぞれ(HX1,HY1,HZ1)、(HX2,HY2,HZ2)とする。
また、各実施例1〜3では、HOEによる複雑な波面再生を行うので、2光束の定義に加えて、位相関数φによってもHOEを定義する。位相関数φは、以下の数6式に示すように、HOEの位置(X,Y)による生成多項式であり、係数が1次〜10次までの昇順の単項式で表される。コンストラクションデータにおいては、位相関数φの係数Cjを示している。
Figure 0005408057
なお、係数Cjの番号jは、m、nをX、Yの指数として以下の数7式で表される。
Figure 0005408057
なお、HOE面において、射出光線の法線ベクトルをそれぞれp’、q’、r’とし、入射光線の法線ベクトルをそれぞれp、q、rとし、再生光束の波長をλ(nm)とし、HOEを作製する光束の波長をλ0(nm)とすると、p’、q’、r’は、以下の数8式で表される。
Figure 0005408057
このように、各実施例1〜3では、G(緑)に対応する波長532nmの光を射出する光源を使用してホログラム感光材料を露光し、波長532nmの位相関数に対応する干渉縞を作成している。上記波長に対応する干渉縞を作成した後に、他の波長R(赤)、B(青)の光を射出する光源を使用して順次ホログラム感光材料を多重露光することにより、接眼光学系14をカラー表示に対応させることができる。また、RGBに対応するホログラムを同時に多重露光することも可能である。
また、コンストラクションデータにおいて、多項式自由曲面の面形状は、次の数9式によって表現される。ただし、Zは高さhの位置でのZ軸方向(光軸方向)のサグ量(mm)を示し、cは面頂点での曲率(1/mm)を示し、hは高さ、すなわちZ軸(光軸)からの距離(mm)を示し、kはコーニック定数を示し、c(i,j)は、xijの係数(自由曲面係数)を示す。なお、全てのデータに関して、表記の無い項の係数は全て0であり、E−n=×10-nとする。
Figure 0005408057
(実施例1)
面番号 曲率半径 材質
S1 瞳面 INFINITY Air
S2 基板入射面 INFINITY PMMA
(XY多項式面係数)
Y : 3.6866E-02 Y2: -4.1394E-03 Y3: 6.4925E-04
Y4: -4.0291E-05 Y5: -1.6199E-07 Y6: -2.2083E-08
S3 HOE面(回折反射面) INFINITY
(XY多項式面係数)
Y : 3.6866E-02 Y2: -4.1394E-03 Y3: 6.4925E-04
Y4: -4.0291E-05 Y5: -1.6199E-07 Y6: -2.2083E-08
(2光束の定義)
HV1;REA HV2;REA
HX1; 0.000000E+00 HY1; 0.000000E+00 HZ1; 0.100000E+01
HX2; 0.000000E+00 HY2; 0.000000E+00 HZ2; 0.100000E+01
HWL;532.00
(位相係数)
C2 : 9.5525E-02 C3 : -4.9889E-03 C5 : 3.8435E-03
C7 : 1.3277E-05 C9 : -1.2231E-03 C10: 2.0391E-08
C12: 2.5675E-07 C14: 8.1069E-05
S4 基板射出面 INFINITY Air
(XY多項式面係数)
Y : 3.6866E-02 Y2: -4.1394E-03 Y3: 6.4925E-04
Y4: -4.0291E-05 Y5: -1.6199E-07 Y6: -2.2083E-08
S5 像面 INFINITY
面番号 x y z ADE 基準面番号
S1 0 0 0 0 (座標基準)
S2 0 0 35 -20 S1
S3 0 0 2 0 S2
S4 0 0 0 0 S2
S5 0 76.57 -27.73 -43.48 S1
(実施例2)
面番号 曲率半径 材質
S1 瞳面 INFINITY Air
S2 射出面 INFINITY PMMA
S3 HOE面(回折反射面) INFINITY
(XY多項式面係数)
Y2: -3.1317E-02 Y3: -8.0485E-03 Y4: -1.1618E-03
Y5: -8.0516E-05 Y6: -2.1900E-06
(2光束の定義)
HV1;REA HV2;REA
HX1; 0.000000E+00 HY1; 0.000000E+00 HZ1; 0.000000E+00
HX2; 0.000000E+00 HY2; 0.000000E+00 HZ2; 0.000000E+00
HWL;532.00
(位相係数)
C2 : 8.9698E-02 C3 : -2.5256E-02 C5 : 8.1844E-02
C7 : -4.4438E-04 C9 : 2.4356E-02 C10: -1.2722E-06
C12: -1.4105E-04 C14: 3.4778E-03 C16: -2.6487E-07
C18: -2.0987E-05 C20: 2.4594E-04 C21: -5.9037E-10
C23: -4.3156E-08 C25: -1.5238E-06 C27: 7.2815E-06
C29: 1.8119E-09 C31: -3.3815E-09 C33: -4.2611E-08
C35: 2.9000E-08
S4 第2の反射面(全反射面) INFINITY
S5 第1の反射面(全反射面) INFINITY
S6 入射面 INFINITY
S7 CG面 INFINITY BK7
S8 表示面 INFINITY
面番号 x y z ADE 基準面番号
S1 0 0 0 0 (座標基準)
S2 0 -2 14 0 S1
S3 0 6.6 19.74 -22 S1
S4 0 6 14 0 S1
S5 0 10 18.5 0 S1
S6 0 16.76 15 -85.7 S1
S7 0 20.44 9.28 -48.82 S1
S8 0 0 0.7 0 S7
(実施例3)
面番号 曲率半径 材質
S1 瞳面 INFINITY Air
S2 射出面 INFINITY PMMA
S3 HOE面(回折反射面) INFINITY
(XY多項式面係数)
X2: -2.4394E-03 X4: -3.0356E-05 X6: -5.3477E-07
X8: -1.2270E-08
(2光束の定義)
HV1;REA HV2;VIR
HX1; 0.000000E+00 HY1; 0.000000E+00 HZ1; 0.000000E+00
HX2; 0.000000E+00 HY2; 0.000000E+00 HZ2; 0.000000E+00
HWL;532.00
(位相係数)
C2 : -9.4030E-02 C3 : -1.6930E-02 C5 : -1.8831E-02
C7 : 2.4887E-04 C9 : -1.0513E-04 C10: 9.1556E-05
C12: 1.2468E-05 C14: -1.2551E-04 C16: -3.9056E-06
C18: -8.7326E-06 C20: -8.7201E-06 C21: 9.7327E-07
C23: -9.7672E-07 C25: 5.7536E-07 C27: 7.2400E-06
C29: 1.0168E-08 C31: 1.5354E-07 C33: 6.1819E-07
C35: 1.6951E-06 C36: 3.5887E-08 C38: 3.0111E-08
C40: 9.4827E-09 C42: 6.1225E-08 C44: 1.1060E-07
S4 第3の反射面(全反射面) INFINITY
S5 第2の反射面(全反射面) INFINITY
S6 第1の反射面(全反射面) INFINITY
S7 入射面 INFINITY
S8 CG面 INFINITY BK7
S9 表示面 INFINITY
面番号 x y z ADE 基準面番号
S1 0 0 0 0 (座標基準)
S2 0 -2 14 0 S1
S3 0 -0.164 17.5 -29.94 S1
S4 0 6 14 0 S1
S5 0 10 18.8 0 S1
S6 0 16 14 0 S1
S7 0 18.72 17.49 65.90 S1
S8 0 21.40 19.17 40.37 S1
S9 0 0 0.8 0 S8
本発明の映像表示装置は、HMDやHUDに利用可能である。
1 映像表示装置
2 支持部材
11 光源
13 表示素子
14 接眼光学系(観察光学系)
21 接眼プリズム
23 HOE(ホログラフィック光学素子)
23a HOE面
24 基板
25 基板
26 観察光学系
P 観察瞳

Claims (8)

  1. 発光ピーク波長が少なくとも1つ存在し、かつ、1つの発光ピーク波長を含む波長幅の光を出射する光源と、
    前記光源から出射された光を変調して映像を表示する表示素子と、
    前記表示素子からの映像光を観察瞳に導き、前記観察瞳の位置にて観察者に虚像を観察させるための観察光学系とを備えた映像表示装置であって、
    前記観察光学系は、前記表示素子からの映像光を回折反射させて前記観察瞳に導く体積位相型で反射型のホログラフィック光学素子を有しており、
    前記表示素子の表示面の中心と前記観察瞳の中心とを光学的に結ぶ軸を光軸とし、前記ホログラフィック光学素子に対する入射光の光軸と反射光の光軸とを含む面を主平面とすると、
    前記ホログラフィック光学素子の面は、前記主平面を対称面とする対称形であり、前記主平面に平行または垂直な面内でのみ曲率を有し、かつ、前記面内で前記表示面の中心に最も近い位置から最も遠い位置に向かうにつれて曲率半径が小さくなる、前記観察瞳側に凹の曲面で構成されていることを特徴とする映像表示装置。
  2. 前記観察光学系において、前記ホログラフィック光学素子の面のみが、光学パワーを有していることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  3. 前記ホログラフィック光学素子の面は、画角が異なる2方向のうち、画角がより広い方向に曲率を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の映像表示装置。
  4. 前記観察光学系は、前記ホログラフィック光学素子が形成される基板を含み、
    前記基板は、前記ホログラフィック光学素子の面に垂直な方向の厚さが一定の板状の基板であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の映像表示装置。
  5. 前記基板は、前記ホログラフィック光学素子で発生する0次回折光が前記観察瞳に向かう光路から外れるように、前記ホログラフィック光学素子を保持していることを特徴とする請求項4に記載の映像表示装置。
  6. 前記観察光学系は、入射面を介して入射する前記表示素子からの映像光を少なくとも1つの全反射面で全反射させて導光し、前記ホログラフィック光学素子に導く接眼プリズムを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の映像表示装置。
  7. 前記観察光学系は、前記ホログラフィック光学素子を介して前記接眼プリズムと接合される補正プリズムをさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の映像表示装置と、
    前記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持部材とを備えていることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
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