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JP5491064B2 - 光画像計測装置 - Google Patents

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Description

この発明は、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography)を用いて被測定物体の断層像を形成する光画像計測装置に関する。
近年、レーザ光源等からの光ビームを用いて被測定物体の表面形態や内部形態を表す画像を形成する光コヒーレンストモグラフィが注目を集めている。光コヒーレンストモグラフィは、X線CT装置のような人体に対する侵襲性を持たないことから、特に医療分野や生物学分野における応用の展開が期待されている。
特許文献1には、光コヒーレンストモグラフィを適用した装置が開示されている。この装置は、測定腕が回転式転向鏡(ガルバノミラー)により物体を走査し、参照腕に参照ミラーが設置されており、その出口に計測腕及び参照腕からの光束の干渉光の強度を分光器で分析する干渉器が設けられている。更に、参照腕は、参照光光束位相を不連続な値で段階的に変えるように構成されている。
特許文献1の装置は、いわゆる「フーリエドメインOCT(Fourier Domain Optical Coherence Tomography)」の手法を用いるものである。すなわち、被測定物体に対して低コヒーレンス光のビームを照射し、その反射光と参照光とを重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル強度分布を取得してフーリエ変換を施すことにより被測定物体の深度方向(z方向)の形態を画像化するものである。なお、このタイプの手法は、スペクトラルドメイン(Spectral Domain)とも呼ばれる。
更に、特許文献1に記載の装置は、光ビーム(信号光)を走査するガルバノミラーを備え、それにより被測定物体の所望の測定対象領域の画像を形成するようになっている。この装置においては、z方向に直交する1方向(x方向)にのみ光ビームを走査するように構成されているので、この装置により形成される画像は、光ビームの走査方向(x方向)に沿った深度方向(z方向)の2次元断層像となる。
特許文献2には、信号光を水平方向(x方向)及び垂直方向(y方向)に走査することにより水平方向の2次元断層像を複数形成し、これら複数の断層像に基づいて測定範囲の3次元の断層情報を取得して画像化する技術が開示されている。この3次元画像化としては、たとえば、複数の断層像を垂直方向に並べて表示させる方法や(スタックデータなどと呼ばれる)、複数の断層像にレンダリング処理を施して3次元画像を形成する方法などが考えられる。
特許文献3、4には、他のタイプのOCT装置が開示されている。特許文献3には、被測定物体に照射される光の波長を走査し、各波長の光の反射光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光に基づいてスペクトル強度分布を取得し、それに対してフーリエ変換を施すことにより被測定物体の形態を画像化するOCT装置が記載されている。このようなOCT装置は、スウェプトソース(Swept Source)タイプなどと呼ばれる。なお、スウェプトソースタイプはフーリエドメインタイプの一例である。
また、特許文献4には、所定のビーム径を有する光を被測定物体に照射し、その反射光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光の成分を解析することにより、光の進行方向に直交する断面における被測定物体の画像を形成するOCT装置が記載されている。このようなOCT装置は、フルフィールド(full−field)タイプ、或いはエンフェイス(en−face)タイプなどと呼ばれる。
特許文献5には、光コヒーレンストモグラフィを眼科分野に適用した眼底観察装置が開示されている。なお、光コヒーレンストモグラフィが適用される以前の眼底観察装置としては眼底カメラが知られている(たとえば特許文献6を参照)。光コヒーレンストモグラフィを用いた眼底観察装置は、眼底を前方から撮影するだけの眼底カメラと比較して、眼底の断層像や3次元画像を取得できるという利点がある。そのため、診断精度の向上や病変の早期発見への寄与が期待されている。また、光コヒーレンストモグラフィを利用して角膜の断層像を取得する装置も知られている(たとえば特許文献7を参照)。
特許文献8にも、光コヒーレンストモグラフィを応用した眼科装置(眼底観察装置)が開示されている。この眼科装置の光学系は、光源からの低コヒーレンス光を参照光と信号光(測定光)とに分割する第1のカプラと、被検眼に信号光を導くとともに信号光の眼底反射光を第1のカプラに導く信号光路と、第2のカプラと、信号光と第1のカプラから第2のカプラに導く光ファイバと、参照光を第1のカプラから第2のカプラに導く参照光路とを有し、第2のカプラにより信号光と参照光とを重畳させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトルを検出するように構成されている。更に、光源と第1のカプラとの間には、大光量(強い強度)の光が光源に入射することによって光源の故障や性能劣化を防止するアイソレータが設けられている。
また、この眼科装置の参照光路は、第1のカプラに接続された光ファイバと、第2のカプラに接続された光ファイバとを含んでいる。これら光ファイバの間には、コリメータレンズ、光路長補正用ガラス、減衰フィルタ及びフォーカシングレンズが設けられている。第2のカプラに接続された光ファイバのファイバ端とフォーカシングレンズは、参照光の光路長を変更するために一体的に移動可能とされている。
特開平11−325849号公報 特開2002−139421号公報 特開2007−24677号公報 特開2006−153838号公報 特開2008−73099公報 特開平9−276232号公報 特開平8−206075号公報 特開2007−151622号公報
しかしながら、上記のような従来の光画像計測装置には次のような問題がある。まず、光源を守るためのアイソレータは高価であり、装置自体も高価になってしまう。更に、アイソレータを通過する際に低コヒーレンス光の偏光状態が変化して、画質が劣化するおそれがある。
また、特許文献8の装置のような構成では、偏光状態の補正(偏光補正)や、分散補償(信号光と参照光の波長分散特性を合わせること)を光学的に行うことができず、形成される画像の質が劣化するおそれがある。なお、画像処理によって画質向上を図ることも可能であるが、分散補償等を光学的に行う方が一般に精度が高い。また、医療分野においては、被検体の状態をより正確に把握するために画像の確度を高める必要があり、そのためには画像処理に頼るよりも、光学的に画質を向上させて被検体の状態をより正確に反映した画像を取得することが望ましい。
この発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、その目的は、アイソレータを用いなくても光源の故障や性能劣化を防止することが可能な光画像計測装置を提供することにある。また、この発明は、光学的に画質の向上を図ることが可能な光画像計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光源と、前記光源から出力された光を信号光と参照光とに分割し、信号光路を介して被測定物体を経由した前記信号光と参照光路を経由した参照光とを重畳させて干渉光を生成し、前記生成された干渉光を検出して検出信号を生成する光学系と、前記生成された検出信号に基づいて前記被測定物体の画像を形成する画像形成手段と、を有する光画像計測装置であって、前記光学系は、前記光源から出力された光を導光する第1の光ファイバと、前記導光された光を信号光と参照光とに分割する第1のファイバカプラと、第2のファイバカプラとを含むとともに、前記信号光路として、前記第1のファイバカプラに一端が接続され、前記信号光を前記被測定物体に向けて導光するとともに前記被測定物体を経由した信号光を前記第1のファイバカプラに導光する第2の光ファイバと、前記第2の光ファイバにより前記第1のファイバカプラに導光された信号光を前記第2のファイバカプラに導光する第3の光ファイバとを含み、前記参照光路として、前記第1のファイバカプラに一端が接続され、前記参照光を導光する第4の光ファイバと、前記第4の光ファイバの他端から出射された参照光を複数回反射させる反射手段と、前記反射手段を経由し一端に入射された参照光を前記第2のファイバカプラに導光する第5の光ファイバと、前記第4の光ファイバと前記第5の光ファイバとの間の光路上に設けられ、前記参照光の偏光状態を調整する偏光調整手段とを含み、前記反射手段は、前記反射手段を経由して前記第5の光ファイバの一端に向かう参照光の向きが前記第4の光ファイバの他端から出射され前記反射手段に向かう参照光の向きと平行になるように、参照光を反射させ、前記第2のファイバカプラは、前記第3の光ファイバにより導光された信号光と前記第5の光ファイバにより導光された参照光とを重畳させて干渉光を生成する、ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光画像計測装置であって、前記反射手段は、前記参照光を偶数回反射させる、ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光画像計測装置であって、前記反射手段は、前記参照光を分割するビームスプリッタと、該分割された一方の参照光を複数回反射させて前記ビームスプリッタに導く第1の反射部材と、他方の参照光を複数回反射させて前記ビームスプリッタに導く第2の反射部材とを含み、前記第1の反射部材及び前記第2の反射部材は、前記一方の参照光の光路長と前記他方の参照光の光路長とが異なるように前記ビームスプリッタに対して配置され、前記第5の光ファイバは、前記第1の反射部材を経由した前記一方の参照光及び/又は前記第2の反射部材を経由した前記他方の参照光を前記第2のファイバカプラに導光し、前記画像形成手段は、前記一方の参照光と前記信号光との干渉光の検出信号に基づいて前記被測定物体の第1の深度の画像を形成し、前記他方の参照光と前記信号光との干渉光の検出信号に基づいて前記被測定物体の第2の深度の画像を形成する、ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光画像計測装置であって、前記光学系は、前記反射手段を移動させて前記参照光路の光路長を変更する変更手段を含む、ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光画像計測装置であって、前記分散調整手段は、一対のプリズムと、前記一対のプリズムを相対的に移動させる移動手段とを含む、ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光画像計測装置であって、前記偏光調整手段は、円偏光若しくは楕円偏光を直線偏光に又は直線偏光を円偏光若しくは楕円偏光にそれぞれ変換する2つの1/4波長板と、前記2つの1/4波長板の間に配置され、前記参照光の偏光面の向きを変更する1/2波長板と、前記1/2波長板を回転させる回転手段とを含む、ことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光画像計測装置であって、前記偏光調整手段は、前記参照光の偏光状態を直線偏光に変換する偏光板と、直線偏光に変換された前記参照光を円偏光に変換する1/4波長板と、前記偏光板を回転させる回転手段とを含む、ことを特徴とする。
この発明に係る光画像計測装置は、低コヒーレンス光を信号光と参照光とに分割する第1のファイバカプラと、信号光路を経由した信号光と参照光路を経由した参照光とを重畳させる第2のファイバカプラとを備える。
信号光路には、信号光を被測定物体に向けて導光するとともに被測定物体を経由した信号光を第1のファイバカプラに導光する第2の光ファイバと、当該導光された信号光を第2のファイバカプラに導光する第3の光ファイバとが設けられている。
また、参照光路には、参照光を導光する第4の光ファイバと、第4の光ファイバから出射された参照光を複数回反射させる反射手段と、反射手段を経由した参照光を第2のファイバカプラに導光する第5の光ファイバと、第4の光ファイバと第5の光ファイバとの間の光路上に設けられた分散調整手段及び/又は偏光調整手段とが設けられている。
第2のファイバカプラは、第3の光ファイバにより導光された信号光と第5の光ファイバにより導光された参照光とを重畳させて干渉光を生成して検出信号を生成する。画像形成手段は、生成された検出信号に基づいて被測定物体の画像を形成する。
このような構成により、光源に対する参照光の入射を回避できる。また、被測定物体を経由して第1のファイバカプラに入射した信号光の一部が第1の光ファイバを通じて光源に到達するが、信号光路の各種光学素子や被測定物体を通過してきた当該信号光の光量は比較的小さく、更に当該信号光の一部が光源に入射するのみである。これらを勘案すると、光源に戻ってくる光の光量は十分に小さく、したがって、アイソレータを用いなくても光源の故障や性能劣化を防止できる。
更に、参照光路に分散調整手段や偏光調整手段が設けられているので、これらを用いて参照光の分散特性や偏光状態を調整することにより、光学的に画質向上を図ることが可能である。
このように、この発明に係る光画像計測装置によれば、アイソレータを用いなくても光源の故障や性能劣化を防止でき、また、光学的に画質向上を図ることが可能である。
この発明に係る光画像計測装置(眼科装置)の実施形態の全体構成の一例を表す概略構成図である。 この発明に係る光画像計測装置(眼科装置)の実施形態におけるOCTユニットの構成の一例を表す概略構成図である。 この発明に係る光画像計測装置(眼科装置)の実施形態の制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る光画像計測装置(眼科装置)の実施形態におけるOCTユニットの構成の一例を表す概略構成図である。 この発明に係る光画像計測装置(眼科装置)の実施形態の制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。
この発明に係る光画像計測装置の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
この発明に係る光画像計測装置は、光コヒーレンストモグラフィを用いて被測定物体の断層像や3次元画像を形成する。この発明に係る光画像計測装置としては、信号光や参照光を光ファイバにより導光する任意の構成が適用される。なお、光コヒーレンストモグラフィにより取得される画像をOCT画像と呼ぶことがある。
以下の実施形態では、フーリエドメインタイプの手法を用いて眼底や角膜のOCT画像を取得する構成について詳しく説明する。特に、この実施形態では、特許文献5に開示された装置と同様に、眼底カメラと光画像計測装置とを組み合わせた構成を具備する眼科装置を取り上げる。
なお、他の構成を適用する場合においても、この実施形態と同様の光画像計測装置(ファイバ光学系)の構成を適用することで同様の作用及び効果が得られる。たとえば、光画像計測装置単体からなる構成であっても、またはフーリエドメイン以外のタイプ(スウェプトソースタイプ等)を利用する場合であっても、この実施形態と同様の構成を適用することが可能である。
〈第1の実施形態〉
[構成]
眼科装置1は、図1に示すように、眼底カメラユニット1A、OCTユニット150及び演算制御装置200を含んで構成される。眼底カメラユニット1Aは、従来の眼底カメラとほぼ同様の光学系を有する。眼底カメラは、眼底の表面を撮影して2次元画像を取得する装置である。また、眼底カメラは、眼底血管の形態の撮影に利用される。OCTユニット150は、眼底のOCT画像を取得するための光学系を格納している。演算制御装置200は、各種の演算処理や制御処理等を実行するコンピュータを具備している。
OCTユニット150には、接続線152の一端が取り付けられている。接続線152の他端には、接続線152を眼底カメラユニット1Aに接続するコネクタ部151が取り付けられている。接続線152の内部には、信号光を導光する光ファイバ(図2に示す光ファイバ165)が導通されている。OCTユニット150と眼底カメラユニット1Aは、接続線152を介して光学的に接続されている。演算制御装置200は、眼底カメラユニット1A及びOCTユニット150のそれぞれと、電気信号を伝達する通信線を介して接続されている。
〔眼底カメラユニット〕
眼底カメラユニット1Aは、眼底表面の形態を表す2次元画像を形成するための光学系を有する。ここで、眼底表面の2次元画像には、眼底表面を撮影したカラー画像やモノクロ画像、更には蛍光画像(フルオレセイン蛍光画像、インドシアニングリーン蛍光画像等)などが含まれる。
眼底カメラユニット1Aには、従来の眼底カメラと同様に、照明光学系100と撮影光学系120が設けられている。照明光学系100は眼底Efに照明光を照射する。撮影光学系120は、この照明光の眼底反射光を撮像装置10、12に導く。また、撮影光学系120は、OCTユニット150からの信号光を眼底Efに導くとともに、眼底Efを経由した信号光をOCTユニット150に導く。
照明光学系100は、従来の眼底カメラと同様に、観察光源101、コンデンサレンズ102、撮影光源103、コンデンサレンズ104、エキサイタフィルタ105及び106、リング透光板107(リングスリット107a)、ミラー108、LCD(Liquid Crystal Display)109、照明絞り110、リレーレンズ111、孔開きミラー112、対物レンズ113を含んで構成される。
観察光源101は、たとえば約700nm〜800nmの範囲の近赤外領域の波長を含む照明光を出力する。この近赤外光は、OCTユニット150で使用する光の波長よりも短く設定されている(後述)。撮影光源103は、たとえば約400nm〜700nmの範囲の可視領域の波長を含む照明光を出力する。
観察光源101から出力された照明光は、コンデンサレンズ102、104、(エキサイタフィルタ105又は106、)リング透光板107、ミラー108、LCD109、照明絞り110、リレーレンズ111を介して孔開きミラー112に到達する。更に、この照明光は、孔開きミラー112により反射され、対物レンズ113を介して被検眼Eに入射して眼底Efを照明する。一方、撮影光源103から出力された照明光は、コンデンサレンズ104から対物レンズ113までを経由して被検眼Eに入射して眼底Efを照明する。
撮影光学系120は、対物レンズ113、孔開きミラー112(の孔部112a)、撮影絞り121、バリアフィルタ122及び123、変倍レンズ124、リレーレンズ125、撮影レンズ126、ダイクロイックミラー134、フィールドレンズ(視野レンズ)128、ハーフミラー135、リレーレンズ131、ダイクロイックミラー136、撮影レンズ133、撮像装置10、反射ミラー137、撮影レンズ138、撮像装置12、レンズ139及びLCD140を含んで構成される。撮影光学系120は、従来の眼底カメラとほぼ同様の構成を有する。
ダイクロイックミラー134は、照明光学系100からの照明光の眼底反射光(約400nm〜800nmの範囲に含まれる波長を有する)を反射する。また、ダイクロイックミラー134は、OCTユニット150からの信号光LS(たとえば約800nm〜900nmの範囲に含まれる波長を有する;図2を参照)を透過させる。
ダイクロイックミラー136は、観察光源101からの照明光の眼底反射光を反射する。また、ダイクロイックミラー136は、撮影光源103からの照明光の眼底反射光を透過させる。
LCD140は、被検眼Eを固視させるための固視標(内部固視標)を表示する。LCD140からの光は、レンズ139により集光され、ハーフミラー135により反射され、フィールドレンズ128を経由してダイクロイックミラー136に反射される。更に、この光は、撮影レンズ126、リレーレンズ125、変倍レンズ124、孔開きミラー112(の孔部112a)、対物レンズ113等を経由して被検眼Eに入射する。それにより、眼底Efに内部固視標が投影される。
LCD140による内部固視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eの固視方向を変更することができる。被検眼Eの固視方向としては、たとえば従来の眼底カメラと同様に、眼底Efの黄斑部を中心とする画像を取得するための固視方向や、視神経乳頭を中心とする画像を取得するための固視方向や、黄斑部と視神経乳頭との間の眼底中心を中心とする画像を取得するための固視方向などがある。
撮像装置10には撮像素子10aが内蔵されている。撮像装置10は、特に近赤外領域の波長の光を検出可能である。つまり、撮像装置10は、近赤外光を検出する赤外線テレビカメラとして機能する。撮像装置10は、近赤外光を検出して映像信号を出力する。撮像素子10aは、たとえば、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の任意の撮像素子(エリアセンサ)である。
撮像装置12には、撮像素子12aが内蔵されている。撮像装置12は、特に可視領域の波長の光を検出可能である。つまり、撮像装置12は、可視光を検出するテレビカメラとして機能する。撮像装置12は、可視光を検出して映像信号を出力する。撮像素子12aは、撮像素子10aと同様に、任意の撮像素子(エリアセンサ)により構成される。
タッチパネルモニタ11は、各撮像素子10a、12aからの映像信号に基づいて眼底画像Ef′を表示する。また、この映像信号は演算制御装置200に送られる。
眼底カメラユニット1Aには、走査ユニット141とレンズ142とが設けられている。走査ユニット141は、OCTユニット150から出力される信号光LSの眼底Efに対する照射位置を走査する。
走査ユニット141は、図1に示すxy平面上において信号光LSを走査する。そのために、走査ユニット141には、たとえば、x方向への走査用のガルバノミラーと、y方向への走査用のガルバノミラーとが設けられている。
〔OCTユニット〕
次に、OCTユニット150の構成について図2を参照しつつ説明する。OCTユニット150は、低コヒーレンス光を参照光と信号光に分割し、所定の信号光路を介して被測定物体(被検眼)を経由した信号光と所定の参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光を検出する光学系とを備えている。干渉光の検出結果(検出信号)は演算制御装置200に送られる。
低コヒーレンス光源160は、広帯域の低コヒーレンス光L0を出力する広帯域光源である。この広帯域光源としては、たとえば、スーパールミネセントダイオード(Super Luminescent Diode:SLD)や、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などを用いることができる。低コヒーレンス光源160は、この発明の「光源」の一例である。
低コヒーレンス光L0は、たとえば、近赤外領域の波長の光を含み、かつ、数十マイクロメートル程度の時間的コヒーレンス長を有する。低コヒーレンス光L0は、眼底カメラユニット1Aの照明光(波長約400nm〜800nm)よりも長い波長、たとえば約800nm〜900nmの範囲の波長を含んでいる。
低コヒーレンス光源160から出力された低コヒーレンス光L0は、光ファイバ161を通じてファイバカプラ162に導かれる。光ファイバ161は、たとえばシングルモードファイバやPMファイバ(Polarization maintaining fiber;偏波面保持ファイバ)等により構成される。ファイバカプラ162は、低コヒーレンス光L0を参照光LRと信号光LSとに分割する。ファイバカプラ162は、たとえば、低コヒーレンス光L0の光量の80パーセントを参照光LRとし、20パーセントを信号光LSとするように構成されている。ファイバカプラ162による低コヒーレンス光L0の分割比率は、被検眼Eに対して照射可能な光量の規格値や、低コヒーレンス光源160の出力光量などを勘案して予め決定される。
なお、ファイバカプラ162は、光を分割する手段(スプリッタ;splitter)、及び、光を重畳する手段(カプラ;coupler)の双方の作用を有するが、ここでは慣用的に「ファイバカプラ」と称する(ファイバカプラ167についても同様)。
ファイバカプラ162により生成された参照光LRは、シングルモードファイバ等からなる光ファイバ163により導光され、そのファイバ端から出射される。このファイバ端にはコリメータ171が取り付けられている。コリメータ171には、たとえば、ファイバ端から出射された参照光LRを平行光束にするコリメータレンズが設けられている。
コリメータ171により平行光束とされた参照光LRは、分散補償部材172を経由する。分散補償部材172は、たとえば一対の(つまり二つの)プリズム(くさび型プリズム、三角プリズム等)により構成される。一対のプリズムは、後述の駆動機構により相対的に移動される。その移動方向は、たとえば、参照光LRの進行方向に対して直交する方向である。なお、「相対的に移動する」とは、二つのプリズムの一方又は双方を移動させることを意味し、換言すると、二つのプリズムの一方から見た他方の位置が変化するような運動を意味する。
一対のプリズムは、たとえば形成されるOCT画像が最適な画質になる位置に移動される。画質の評価は、公知の任意の画像処理を用いて行うことができる。また、OCT画像を肉眼観察しながら一対のプリズムの位置を決定してもよい。
また、干渉光の検出信号の状態(振幅レベル等)が好適になる位置に一対のプリズムを配置させてもよい。検出信号の状態の適否は、たとえば、事前に設定された閾値を参照することによって判定可能である。
一対のプリズムの位置は、任意のタイミングで決定することが可能である。たとえば、各被検眼毎に、各計測毎に、或いは毎日の装置起動時のように、被測定物体の実際の計測を行う前に、一対のプリズムの位置を決定することができる。また、装置のメンテナンスを行う際に一対のプリズムの位置を決定してもよい。この位置決定作業は、手作業で行ってもよいし、自動的に実行されるようにしてもよい。
更に、被検眼Eを計測していない状態で一対のプリズムの位置を決定することも可能である。その場合、たとえば模型眼を被測定物体とすることができる。
なお、被検眼Eを計測しつつ一対のプリズムの位置を決定する場合には、信号光路や参照光路の光学素子による分散だけでなく、被検眼E自身の分散をも考慮することが可能である。他方、被検眼Eを計測していない状態で一対のプリズムの位置を決定する場合には、信号光路の(少なくとも一部の)光学素子による分散と、参照光路の光学素子による分散とを合わせるような分散補償となる。
また、信号光路や参照光路に配置された各種の光学素子の分散値を予め取得しておき、この情報を参照して一対のプリズムの位置を決定することも可能である。
分散補償部材172を経由した参照光LRは、コーナーキューブ173に到達する。コーナーキューブ173は、たとえば、互いに直交する2つの反射面173a、173bを有し、入射した参照光LRを同じ方向(ただし光軸は一致しない)に反射する部材である。なお、3つの反射面を有するコーナーキューブを適用することも可能である。
コーナーキューブ173は、後述の駆動機構によって、図2中の両側矢印に示すように参照光LRの進行方向に沿って移動可能とされている。それにより、参照光LRの光路長が変更される。参照光LRの光路長は、被検眼Eの眼軸長やワーキングディスタンス(対物レンズ113と被検眼Eとの間の距離)などに応じて変更することができる。
コーナーキューブ173を経由した参照光LRは、偏光補正部材174を経由する。偏光補正部材174は、たとえば、2枚の1/4波長板と、1/2波長板とを含んで構成される。1/2波長板は、2枚の1/4波長板の間に配置される。
1/4波長板は、一般に、通過する光の常光線成分と異常光線成分との間の位相差をπ/2ずらす偏光子であり、その作用は、円偏光若しくは楕円偏光を直線偏光に、又は、直線偏光を円偏光若しくは楕円偏光に変換するものである。なお、光学的主軸に対して偏光面を45度傾けて入射させた直線偏光は円偏光に変換される。また、1/2波長板は、一般に、互いに直交する方向に振動する2つの直線偏光成分の間に1/2波長分の位相差を生じさせる偏光子であり、光ビームの偏光面を回転させるように作用する。
1つ目の1/4波長板は、コーナーキューブ173を経由した参照光LRの偏光状態を変換する。具体的に説明すると、コーナーキューブ173を経由した参照光LRが円偏光である場合、1つ目の波長板は、これを直線偏光に変換する。逆に、コーナーキューブ173を経由した参照光LRが直線偏光である場合、1つ目の波長板は、これを円偏光に変換する。なお、1つ目の波長板は、楕円偏光を直線偏光に、直線偏光を楕円偏光にそれぞれ変換するものであってもよい。
1/2波長板は、1/4波長板により偏光状態が変換された参照光LRの偏光面の向きを変更する。1/2波長板は、後述の駆動機構により、参照光路の光軸を中心に回転される。1/2波長板は、たとえば形成されるOCT画像が最適な画質になる位置に回転される。画質の評価は、公知の任意の画像処理を用いて行うことができる。また、OCT画像を肉眼観察しながら1/2波長板の回転位置を決定してもよい。この位置決定作業は、手作業で行ってもよいし、自動的に実行されるようにしてもよい。
また、干渉光の検出信号の状態(振幅レベル等)が好適になる位置に1/2波長板を回転させてもよい。検出信号の状態の適否は、たとえば、事前に設定された閾値を参照することによって判定可能である。
1/2波長板の回転位置は、任意のタイミングで決定することが可能である。たとえば、各被検眼毎に、或いは各計測毎に、1/2波長板の回転位置を決定することができる。
更に、被検眼Eを計測していない状態で1/2波長板の回転位置を決定することも可能である。その場合、たとえば模型眼を被測定物体とすることができる。また、反射ミラーを配置して1/2波長板の回転位置を決定してもよい。
2つ目の1/4波長板について説明する。1/2波長板を回転させて参照光LRの偏光面と信号光LSの偏光面とを(ほぼ)一致させた後に、2つ目の1/4波長板を回転させて、それぞれの偏光度を(ほぼ)一致させて、最適な画質が得られるようにする。一例として、画像の良し悪しの評価値を参考にして、2つ目の1/4波長板を回転させることができる。
ここで、参照光LRの光路長補正について説明する。この光路長補正は、良好な干渉信号を得るために、信号光LSの光路長と参照光LRの光路長とを(ほぼ)一致させるものである。一例として、参照光路に配置されたコーナーキューブ173を、良好な干渉信号が得られる位置に移動させることにより実施される。干渉信号の良否は、たとえば、画像の良し悪しの評価値を参考にしたり、実際の画像を観察して評価したりすることによって評価できる。
偏光補正部材174を経由した参照光LRは、コリメータ175により集束光とされて光ファイバ164に入射し、ファイバカプラ167に導光される。なお、参照光路には、光量を減少させる光学素子など、任意の光学素子を適宜に設けることも可能である。
濃度フィルタ196は、参照光LRの光量を減少させる減光フィルタとして作用する。濃度フィルタ196は、たとえば、回転型のND(Neutral Density)フィルタにより構成される。濃度フィルタ196は、図示しない駆動機構によって回転駆動されて、干渉光LCの生成に寄与する参照光LRの光量を変更する。
次に、信号光路について説明する。ファイバカプラ162により生成された信号光LSは、シングルモードファイバ等からなる光ファイバ165(接続線152の内部を通っている)により導光されて眼底カメラユニット1Aに案内される。更に、信号光LSは、レンズ142、走査ユニット141、ダイクロイックミラー134、撮影レンズ126、リレーレンズ125、変倍レンズ124、撮影絞り121、孔開きミラー112の孔部112a、対物レンズ113を経由して被検眼Eに照射されて眼底Efに照射される。なお、信号光LSを眼底Efに照射させるときには、バリアフィルタ122、123は事前に光路から退避される。
被検眼Eに入射した信号光LSは、眼底Ef上にて集束して反射される。このとき、信号光LSは、眼底Efの表面で反射されるだけでなく、眼底Efの深部領域にも到達して屈折率境界において散乱される。したがって、眼底Efを経由した信号光LSは、眼底Efの表面形態を反映する情報と、眼底Efの深層組織の屈折率境界における後方散乱の状態を反映する情報とを含んでいる。この光を単に「信号光LSの眼底反射光」と呼ぶことがある。
信号光LSの眼底反射光は、被検眼Eに向かう信号光LSと同じ経路を逆方向に案内されて光ファイバ165の端面に集光される。更に、信号光LSの眼底反射光は、光ファイバ165を通じてOCTユニット150に入射してファイバカプラ162に戻ってくる。
信号光LSの一部は、ファイバカプラ162を介して光ファイバ166に入射し、ファイバカプラ167に導光される。なお、信号光LSの残りの部分は、光ファイバ161に入射して低コヒーレンス光源160に戻ってくるが、信号光路上の光学素子や被検眼Eを通過する際に信号光LSの光量は減衰すること、更に、ファイバカプラ162により生成される信号光LSの光量が参照光LRの光量に比べて十分に小さい(上記の例では、信号光:参照光=2:8)ことなどを勘案すると、信号光LSの戻り光が低コヒーレンス光源160の故障や性能低下を引き起こすおそれはない。
ファイバカプラ167は、光ファイバ164により導光された参照光LRと、光ファイバ166により導光された信号光LSとを重ね合わせて干渉光LCを生成する。ファイバカプラ167は、参照光LRと信号光LSとをたとえば1:9の割合で重畳させる。干渉光LCは、シングルモードファイバ等からなる光ファイバ168を通じてスペクトロメータ180に導かれる。
スペクトロメータ(分光計)180は、干渉光LCのスペクトル成分を検出する。スペクトロメータ180は、コリメータレンズ181、回折格子182、結像レンズ183、CCD184を含んで構成される。回折格子182は、透過型でも反射型でもよい。また、CCD184に代えて、CMOS等の他の光検出素子(ラインセンサ又はエリアセンサ)を用いることも可能である。
スペクトロメータ180に入射した干渉光LCは、コリメータレンズ181により平行光束とされ、回折格子182によって分光(スペクトル分解)される。分光された干渉光LCは、結像レンズ183によってCCD184の撮像面上に結像される。CCD184は、分光された干渉光LCの各スペクトル成分を検出して電荷に変換する。CCD184は、この電荷を蓄積して検出信号を生成する。更に、CCD184は、この検出信号を演算制御装置200に送る。
〔演算制御装置〕
演算制御装置200について説明する。演算制御装置200は、CCD184から入力される検出信号を解析して眼底EfのOCT画像を形成する。そのための演算処理は、従来のフーリエドメインタイプのOCT装置と同様である。
また、演算制御装置200は、眼底カメラユニット1A及びOCTユニット150の各部を制御する。
眼底カメラユニット1Aの制御として、演算制御装置200は、観察光源101や撮影光源103による照明光の出力制御、エキサイタフィルタ105、106やバリアフィルタ122、123の光路上への挿入/退避動作の制御、LCD140等の表示装置の動作制御、照明絞り110の移動制御(絞り値の制御)、撮影絞り121の絞り値の制御、変倍レンズ124の移動制御(倍率の制御)などを行う。更に、演算制御装置200は、走査ユニット141を制御して信号光LSを走査させる。
また、OCTユニット150の制御として、演算制御装置200は、低コヒーレンス光源160による低コヒーレンス光L0の出力制御や、CCD184による電荷蓄積時間や電荷蓄積タイミングや信号送信タイミングの制御などを行う。更に、演算制御装置200は、分散補償部材172の一対のプリズムの移動制御、コーナーキューブ173の移動制御、偏光補正部材174の1/2波長板の回転制御などを行う。
演算制御装置200は、従来のコンピュータと同様に、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、キーボード、マウス、ディスプレイ、通信インターフェイスなどを含んで構成される。ハードディスクドライブには、眼科装置1を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。また、演算制御装置200は、CCD184からの検出信号に基づいてOCT画像を形成する専用の回路基板を備えていてもよい。
演算制御装置200は、眼底カメラユニット1Aと同じ筺体内に格納されていてもよい。その場合、上記ディスプレイはタッチパネルモニタ11と同じものであってよく、上記マウス等の操作デバイスは、従来の眼底カメラと同様のジョイスティック、ボタン、スイッチ等であってよい。また、OCTユニット150についても眼底カメラユニット1Aと同じ筺体内に格納されていてもよい。
〔制御系〕
眼科装置1の制御系の構成について図3を参照しつつ説明する。
(制御部)
眼科装置1の制御系は、演算制御装置200の制御部210を中心に構成される。制御部210は、たとえば、前述のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス等を含んで構成される。
制御部210には、主制御部211と記憶部212が設けられている。主制御部211は、前述した各種の制御を司る。
記憶部212は、各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、たとえば、OCT画像の画像データ、眼底画像Ef′の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。主制御部211は、記憶部212にデータを書き込む処理や、記憶部212からデータを読み出す処理を行う。
(画像形成部)
画像形成部220は、撮像装置10、12からの映像信号を受けて眼底画像Ef′の画像データを形成する。
また、画像形成部220は、CCD184からの検出信号に基づいて眼底Efの断層像の画像データを形成する。この処理には、従来のフーリエドメインタイプの光コヒーレンストモグラフィと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などの処理が含まれている。
画像形成部220は、たとえば、前述の回路基板や通信インターフェイス等を含んで構成される。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づいて呈示される「画像」とを同一視することがある。
(画像処理部)
画像処理部230は、画像形成部220により形成された画像に対して各種の画像処理や解析処理を施す。たとえば、画像処理部230は、画像の輝度補正や分散補正等の各種補正処理などを実行する。
また、画像処理部230は、画像形成部220により形成された断層像の間の画素を補間する補間処理等を実行することにより、眼底Efの3次元画像の画像データを形成する。
なお、3次元画像の画像データとは、3次元座標系により画素の位置が定義された画像データを意味する。3次元画像の画像データとしては、3次元的に配列されたボクセルからなる画像データがある。この画像データは、ボリュームデータ或いはボクセルデータなどと呼ばれる。ボリュームデータに基づく画像を表示させる場合、画像処理部230は、このボリュームデータに対してレンダリング処理(ボリュームレンダリングやMIP(Maximum Intensity Projection:最大値投影)など)を施して、特定の視線方向から見たときの擬似的な3次元画像の画像データを形成する。表示部240等の表示デバイスには、この擬似的な3次元画像が表示される。
また、3次元画像の画像データとして、複数の断層像のスタックデータを形成することも可能である。スタックデータは、複数の走査線に沿って得られた複数の断層像を、走査線の位置関係に基づいて3次元的に配列させることで得られる画像データである。すなわち、スタックデータは、元々個別の2次元座標系により定義されていた複数の断層像を、一つの3次元座標系により表現する(つまり一つの3次元空間に埋め込む)ことにより得られる画像データである。
また、画像処理部230は、分散補償や偏光補正を実行する際の画質評価処理を行う。この処理は、前述のように、画質を評価するための任意の公知の処理である。なお、肉眼観察により画質を評価する場合、画像処理部230は画像評価処理を行う必要はない。
画像処理部230は、たとえば、前述のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、回路基板等を含んで構成される。
(表示部、操作部)
表示部240は、ディスプレイを含んで構成される。操作部250は、キーボード、マウス、ジョイスティック、ボタン、キー、スイッチ等、各種の入力デバイスや操作デバイスを含んで構成される。
なお、表示部240と操作部250は、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。たとえばタッチパネル方式のLCDのように、表示部240と操作部250とが一体化されたデバイスを用いることも可能である。
(駆動機構)
前述のように、OCTユニット150には各種の駆動機構が設けられている。光路長変更機構260は、コーナーキューブ173を参照光LRの進行方向に沿って移動させることにより、参照光LRの光路長(参照光路長)を変更する。光路長変更機構260は、この発明の「変更手段」に相当する。
分散補償駆動機構270は、分散補償部材172の一対のプリズムを相対的に移動させることにより、参照光LRの分散の状態を変更する。分散補償駆動機構270は、この発明の「移動手段」に相当する。偏光補正駆動機構280は、偏光補正部材174の1/2波長板を回転させる。偏光補正駆動機構280は、この発明の「回転手段」に相当する。
これらの駆動機構260、270、280は、それぞれ、ステッピングモータ(パルスモータ)等の駆動力発生部と、発生された駆動力を駆動対象部材に伝達するギア等の伝達部材とを含んで構成される。主制御部211は、各駆動力発生部に対して制御信号(パルス信号等)を送信してこれを制御することにより、各駆動対象部材(コーナーキューブ173、分散補償部材172、偏光補正部材174)を移動させる。ここで、画像処理や信号処理等の結果に基づいて自動的に各駆動機構260、270、280を制御するように構成することもできるし、操作部250に対する操作内容に応じて各駆動機構260、270、280を制御するように構成することもできる。ここで、自動的な制御は、たとえば、実際に断層像を形成しつつ断層像の画像状態(フレーム中における眼底Efの画像位置や、ノイズの混入度合など)を評価し、この評価値が所定の許容範囲内に入るように参照光LRの分散特性や偏光状態を調整することにより実現できる。また、CCD184から出力される検出信号や、これに基づいて得られる信号(スペクトル強度分布等)を解析し、その信号特性(信号の最大強度等)が所定の許容範囲内に入るように分散特性や偏光状態を調整するように構成しても、制御の自動化を図ることが可能である。
また、各駆動対象部材を手動で移動させるように構成することも可能である。その場合、眼科装置1の筺体表面にハンドルやレバー等の操作部材が設けられるとともに、操作部材に対する操作内容を伝達する伝達部材を設けられる。
〔信号光の走査及びOCT画像について〕
ここで、信号光LSの走査及びOCT画像について説明しておく。
眼科装置1による信号光LSの走査態様としては、たとえば、水平スキャン、垂直スキャン、十字スキャン、放射スキャン、円スキャン、同心円スキャン、螺旋スキャンなどがある。これらの走査態様は、眼底の観察部位、解析対象(網膜厚など)、走査に要する時間、走査の精密さなどを考慮して適宜に選択的に使用される。
水平スキャンは、信号光LSを水平方向(x方向)に走査させるものである。水平スキャンには、垂直方向(y方向)に配列された複数の水平方向に延びる走査線に沿って信号光LSを走査させる態様も含まれる。この態様においては、走査線の間隔を任意に設定することが可能である。走査線の間隔を十分に狭くすることにより、前述の3次元画像を形成することができる(3次元スキャン)。垂直スキャンについても同様である。
十字スキャンは、互いに直交する2本の直線状の軌跡(直線軌跡)からなる十字型の軌跡に沿って信号光LSを走査するものである。放射スキャンは、所定の角度を介して配列された複数の直線軌跡からなる放射状の軌跡に沿って信号光LSを走査するものである。なお、十字スキャンは放射スキャンの一例である。
円スキャンは、円形状の軌跡に沿って信号光LSを走査させるものである。同心円スキャンは、所定の中心位置の周りに同心円状に配列された複数の円形状の軌跡に沿って信号光LSを走査させるものである。円スキャンは同心円スキャンの特殊例と考えられる。螺旋スキャンは、螺旋状の軌跡に沿って信号光LSを走査するものである。
走査ユニット141は、前述のような構成により、信号光LSをx方向及びy方向にそれぞれ独立に走査できるので、xy面上の任意の軌跡に沿って信号光LSを走査することが可能である。それにより、上記のような各種の走査態様を実現できる。
上記のような態様で信号光LSを走査することにより、走査線(走査軌跡)に沿った深度方向(x方向)の断層像を形成することができる。また、特に走査線の間隔が十分に狭い場合には、前述の3次元画像を形成することができる。
[作用・効果]
以上のような眼科装置1の作用及び効果について説明する。
眼科装置1は、低コヒーレンス光L0を信号光LSと参照光LRとに分割するファイバカプラ162(第1のファイバカプラ)と、信号光路を介して被検眼Eを経由した信号光LSと参照光路を経由した参照光LRとを干渉させるファイバカプラ167(第2のファイバカプラ)とを備えている。
ここで、信号光LSは、ファイバカプラ162を経由してファイバカプラ167に導光される。このとき、信号光LSの一部が低コヒーレンス光源160に入射するが、前述のようにその光量は小さく、また参照光LRが低コヒーレンス光源160に戻ってこないことから、低コヒーレンス光源160の故障や性能劣化は起こらない。
なお、信号光路には、光ファイバ165、166が設けられている。光ファイバ165は、ファイバカプラ162に一端が接続されており、信号光LSを被検眼Eに向かって導光するとともに、信号光LSの眼底反射光をファイバカプラ162に導光する。また、光ファイバ166は、ファイバカプラ162に導光された信号光LSの眼底反射光をファイバカプラ167に導光する。前者はこの発明の「第2の光ファイバ」に相当し、後者は「第3の光ファイバ」に相当する。なお、光ファイバ161は「第1の光ファイバ」に相当する。
他方、参照光LRは、ファイバカプラ162を通らない参照光路を経由してファイバカプラ167に導光されて信号光LSと重畳される。参照光路には、光ファイバ163、164、コリメータ171、175、分散補償部材172、コーナーキューブ173、偏光補正部材174が設けられている。
光ファイバ163は、ファイバカプラ162に一端が接続されており、この発明の「第4の光ファイバ」に相当する。コーナーキューブ173は、光ファイバ163から出射された参照光LRを複数回(ここでは2回)反射させるように構成されており、「反射手段」に相当する。光ファイバ164は、コーナーキューブ173を経由した参照光LRをファイバカプラ167に導光するもので、「第5の光ファイバ」に相当する。
分散補償部材172は、信号光LSと参照光LRとの間の分散の差を補償するためのもので、参照光LRの分散特性を調整(変更)するように作用する。分散補償部材172は、分散補償駆動機構270とともに「分散調整手段」を構成する。偏光補正部材174は、参照光LRの偏光状態の調整(変更)を行うもので、偏光補正駆動機構280とともに「偏光調整手段」を構成する。分散補償部材172と偏光補正部材174は、それぞれ、光ファイバ163と光ファイバ164との間の参照光路上の任意の位置に配置される。
ファイバカプラ167は、信号光路を経由した信号光LSと参照光路を経由した参照光LRとを重畳して干渉光LCを生成する。スペクトロメータ180は、干渉光LC(のスペクトル成分)を検出して検出信号を生成する。画像形成部220(画像形成手段)は、信号光LSの走査線に沿った複数の走査点に対応する複数の検出信号に基づいて、当該走査線に沿った眼底Efの断面の形態を表わす断層像を形成する。
このような眼科装置1によれば、アイソレータを用いなくても低コヒーレンス光源160の故障や性能劣化を防止でき、また、分散補償や偏光補正を行って光学的に画質の向上を図ることが可能である。
ところで、第4の光ファイバから出射された参照光の進行方向に対して反射面を斜設するとともに、その反射方向に第5の光ファイバを配置すれば、1回の反射回数で同様の効果が得られると考えられる。
しかし、このような構成では、参照光路長を変更するのが難しくなるという問題が生じる。すなわち、参照光路長を変更するために反射面を移動させると、参照光の反射方向が変わり、それに応じて第5の光ファイバの位置を変更する必要がある。極めて精緻な位置調整が必要な光コヒーレンストモグラフィにおいては、このような連動動作を高精度で行うことは困難である。このような事情に鑑み、この実施形態では、参照光を複数回反射させるようになっている。
また、この実施形態では、参照光を2回反射させているが、これは、上記の問題を最も簡便に解決可能な構成だからである。また、コーナーキューブを用いることにより、反射前及び反射後の参照光の進行方向を平行にすることができる。このとき、第4の光ファイバの出射端近傍と、第5の光ファイバの入射端近傍とは平行に配置されるが、このような配置は単一の反射面の場合よりも精度の向上を図りやすい。
また、特許文献8のように、第4の光ファイバの出射端と第5の光ファイバの入射端とを向かい合わせに配置させて参照光を反射させない構成においては、参照光路長を変更するために光ファイバ自体を移動させる必要がある。この場合、筺体内に配設された光ファイバの曲がり方(曲率等)が変化し、それにより参照光の偏光状態等が乱されて画質が劣化するおそれがある。更に、この実施形態に係る構成では、参照光路長を所定距離だけ変更させるときに、この所定距離の半分の距離だけコーナーキューブを移動させればよいが、特許文献8のような構成では当該所定距離だけ移動させる必要がある。このように移動距離が長くなると、ファイバ端同士の位置の対向関係にズレが生じるおそれがある。
この実施形態は、上記のような様々な問題を解決するものである。なお、3次元のコーナーキューブを用いて反射回数を3回にしても同様である。反射回数が4回以上の場合(特に偶数回の場合)については、第2の実施形態で説明する。
〈第2の実施形態〉
この実施形態では、第1の実施形態よりも多い回数だけ参照光を反射させる構成の光画像計測装置を例示する。
この実施形態に係る光画像計測装置(眼科装置)は、第1の実施形態の眼科装置1と同様の全体構成を有する(図1を参照)。また、眼底カメラユニットについても第1の実施形態と同様である(図1を参照)。以下、第1の実施形態と同様の構成部分については、同じ符号を付して説明する。
この実施形態の眼科装置のOCTユニット150の構成例を図4に示し、制御系の構成例を図5に示す。
この実施形態のOCTユニット150におけるファイバ光学系は、第1の実施形態と同様である。すなわち、このOCTユニット150には、低コヒーレンス光源160、2つのファイバカプラ162、167、6本の光ファイバ161、163〜166、168、及びスペクトロメータ180を備えている。
この実施形態の特徴は参照光路である。光ファイバ163により導光された参照光LRは、コリメータ171により平行光束とされ、1/4波長板190により偏光状態が変換される。参照光LRが円偏光又は楕円偏光の場合、1/4波長板190はこれを直線偏光に変換する。また、参照光LRが直線偏光の場合、1/4波長板190はこれを円偏光又は楕円偏光に変換する。
なお、この実施形態では、参照光LRは1/4波長板190を2回経由するので、光ファイバ164に入射する参照光LRは元の種類の偏光状態になる。1/4波長板190は、波長板回転機構300により参照光路の光軸を中心に回転され、それにより参照光LRの偏光補正がなされる。
参照光LRを1回経由した参照光LRは、コーナーキューブ191により2回(或いは3回以上:以下同様)反射されて進行方向を転換し、ビームスプリッタ192に入射する。ビームスプリッタ192は参照光LRを二分割する。コーナーキューブ191は、第1の実施形態と同様に、参照光LRの進行方向に沿って移動可能に構成されていてもよい。
ビームスプリッタ192により二分割された各光路上にはシャッタ193、195が設けられている。各シャッタ193,195は、当該光路を進行する参照光LRを遮断するものである。各シャッタ193、195は、光路切替機構320により、光路に対して挿入/退避が可能とされている。
シャッタ193が光路から退避されている場合、ビームスプリッタ192を透過した参照光LR(の一部)は、コーナーキューブ194により2回(或いは3回以上)反射されて進行方向を転換し、ビームスプリッタ192に再度入射する。ビームスプリッタ192を再度透過した参照光LRは、コーナーキューブ191により2回反射されて進行方向を転換し、1/4波長板190を透過して元の種類の偏光状態に変換され、コリメータ175により集束光とされて光ファイバ164の入射端に入射する。
他方、シャッタ195側の光路には、濃度フィルタ196が設けられている。濃度フィルタ196は、透過光の光量を減衰させるフィルタである。濃度フィルタ196は、フィルタ移動機構330により、光路に対して挿入/退避が可能とされている。
シャッタ195が光路から退避されている場合、ビームスプリッタ192により反射された参照光LR(の一部)は、(必要に応じて濃度フィルタ196を透過し、)コーナーキューブ197により2回(或いは3回以上)反射されて進行方向を転換し、ビームスプリッタ192に再度入射する。ビームスプリッタ192に再度反射された参照光LRは、コーナーキューブ191により2回反射されて進行方向を転換し、1/4波長板190を透過して元の種類の偏光状態に変換され、コリメータ175により集束光とされて光ファイバ164の入射端に入射する。
各コーナーキューブ194、197は、光路長変更機構310により、参照光LRの進行方向に沿って移動可能とされる。光路長変更機構310は、制御部210に制御されて動作するものであり、二つのコーナーキューブ194、197をそれぞれ独立に移動させることもできるし、互いに連係させて移動させることもできる。
なお、実際の眼科検査においては、たとえば、コーナーキューブ194を経由した参照光LRは眼底の計測に用いられ、コーナーキューブ197を経由した参照光LRは前眼部(角膜等)の計測に用いられる。ワーキングディスタンスに応じて光路長を変更する場合には、二つのコーナーキューブ194、197の移動を連係させることができる。一方、被検眼の眼軸長に応じて光路長を変更する場合には、二つのコーナーキューブ194、197をそれぞれ独立に移動させることができる。また、眼底のみ計測する場合や前眼部のみ計測する場合、更には双方の部位を同時に計測する場合であって一方のみ深度調整を行う場合にも、独立の移動形態を適用できる。
光ファイバ164に入射した参照光LRは、ファイバカプラ167に導光される。他方、ファイバカプラ162により生成された信号光LSは、光ファイバ165、眼底カメラユニット1Aを経由して被検眼Eに照射される。更に、被検眼Eの眼底Efや前眼部により反射された信号光LSは、眼底カメラユニット1A、光ファイバ165、ファイバカプラ162、光ファイバ166を経由してファイバカプラ167に導光される。
ファイバカプラ167は、光ファイバ164からの参照光LRと、光ファイバ166からの信号光LSとを重畳させて干渉光LCを生成する。干渉光LCは、光ファイバ168によってスペクトロメータ180に導光される。スペクトロメータ180は、光ファイバ168から出射された干渉光LCをコリメータレンズ181によって平行光束にし、回折格子182により干渉光LCをスペクトル分解する。干渉光LCの各スペクトル成分は、結像レンズ183によりCCD184の撮像面に結像される。CCD184は、各スペクトル成分を検出して検出信号を生成する。
画像形成部220は、CCD184からの検出信号に基づいて被検眼Eの断層像を形成する。また、画像処理部230は、複数の断層像に基づいて3次元画像を形成する。
この眼科装置(光画像計測装置)の作用及び効果について説明する。この眼科装置は、コーナーキューブ191とともに、参照光LRを分割するビームスプリッタ192と、分割後の一方の参照光LRを複数回反射させてビームスプリッタ192に導くコーナーキューブ194(第1の反射部材)と、他方の参照光LRを複数回反射させてビームスプリッタ192に導くコーナーキューブ197(第2の反射部材)とを備えている。
更に、この眼科装置は、コーナーキューブ194を経由した参照光LRと、信号光LSの眼底反射光とを重畳させて干渉光LCを生成して検出し、この検出結果(検出信号)に基づいて眼底Ef(第1の深度)のOCT画像を形成する。
また、この眼科装置は、コーナーキューブ197を経由した参照光LRと、信号光LSの前眼部での反射光とを重畳させて干渉光LCを生成して検出し、この検出結果(検出信号)に基づいて前眼部(第2の深度)のOCT画像を形成する。
更に、この眼科装置の参照光路には、参照光LRの偏光補正を行う1/4波長板190が設けられている。なお、第1の実施形態と同様の分散調整手段や偏光調整手段を設けることも可能である。
このような眼科装置によれば、第1の実施形態と同様に、アイソレータを用いなくても低コヒーレンス光源160の故障や性能劣化を防止できる。また、このような眼科装置によれば、分散補償や偏光補正を行って光学的に画質向上を図ることが可能である。
なお、この眼科装置における参照光の反射回数は、コーナーキューブ191において4回(往復)、ビームスプリッタ192において0回又は2回、各コーナーキューブ194、197において2回の、合計6回又は8回である。また、これらの部材は、この発明の「反射手段」に相当する。
第1の実施形態において説明した各種構成を第2の実施形態に係る眼科装置に適用することが可能である。
[変形例]
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜に施すことが可能である。
たとえば、第1の実施形態においては、分散調整手段と偏光調整手段の双方が設けられているが、これらのうちの一方のみを設けた構成を採用することも可能である。また、分散調整手段や偏光調整手段は、上記実施形態で説明したものには限定されず、同様の機能を有する任意の構成の光学素子に置換することができる。
たとえば、偏光調整手段として、参照光の偏光状態を直線偏光に変換する偏光板と、直線偏光に変換された参照光を円偏光に変換する1/4波長板と、偏光板を回転させる回転手段とを設けることが可能である。それにより、画質を評価しつつ偏光板の回転位置を決定することにより偏光補正を行うことができる。
第2の実施形態では、参照光を二分割して二つの深度のOCT画像を形成するようになっているが、参照光を三つ以上に分割することにより三つ以上の深度のOCT画像を形成可能に構成することも可能である。そのためには、たとえば、二つ以上のビームスプリッタを設けるとともに、分割後の三つ以上の参照光路のそれぞれに反射部材(コーナーキューブ等)やシャッタなどを設ければよい。
上記の実施形態においては、コーナーキューブを移動させて信号光LSの光路と参照光LRの光路との光路長差を変更しているが、光路長差を変更する手法はこれに限定されるものではない。たとえば、被検眼に対して眼底カメラユニットやOCTユニットを移動させて信号光の光路長を変更することにより光路長差を変更することができる。また、特に被測定物体が生体部位でない場合などには、被測定物体を深度方向(z方向)に移動させることにより光路長差を変更することも可能である。
また、この発明に係る構成を、眼科以外の分野で使用される光画像計測装置に適用することも可能である。たとえば、他の医療分野(皮膚科や歯科等)、生物学分野、工業分野などで用いられる光画像計測装置に対して、この発明に係る構成を適用することが可能である。
上記の実施形態におけるコンピュータプログラムを、コンピュータのドライブ装置によって読み取り可能な任意の記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体としては、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などを用いることが可能である。また、ハードディスクドライブやメモリ等の記憶装置に記憶させることも可能である。更に、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
1 眼科装置
1A 眼底カメラユニット
141 走査ユニット
150 OCTユニット
160 低コヒーレンス光源
161、163、164、165、166、168 光ファイバ
162、167 ファイバカプラ
173、191、194,197 コーナーキューブ
172 分散補償部材
174 偏光補正部材
180 スペクトロメータ
182 回折格子
184 CCD
190 1/4波長板
192 ビームスプリッタ
193、195 シャッタ
196 濃度フィルタ
200 演算制御装置
210 制御部
220 画像形成部
230 画像処理部
240 表示部
250 操作部
260、310 光路長変更機構
270 分散補償駆動機構
280 偏光補正駆動機構
300 波長板回転機構
320 光路切替機構
330 フィルタ移動機構

Claims (7)

  1. 光源と、
    前記光源から出力された光を信号光と参照光とに分割し、信号光路を介して被測定物体を経由した前記信号光と参照光路を経由した参照光とを重畳させて干渉光を生成し、前記生成された干渉光を検出して検出信号を生成する光学系と、
    前記生成された検出信号に基づいて前記被測定物体の画像を形成する画像形成手段と、
    を有する光画像計測装置であって、
    前記光学系は、
    前記光源から出力された光を導光する第1の光ファイバと、前記導光された光を信号光と参照光とに分割する第1のファイバカプラと、第2のファイバカプラとを含むとともに、
    前記信号光路として、前記第1のファイバカプラに一端が接続され、前記信号光を前記被測定物体に向けて導光するとともに前記被測定物体を経由した信号光を前記第1のファイバカプラに導光する第2の光ファイバと、前記第2の光ファイバにより前記第1のファイバカプラに導光された信号光を前記第2のファイバカプラに導光する第3の光ファイバとを含み、
    前記参照光路として、前記第1のファイバカプラに一端が接続され、前記参照光を導光する第4の光ファイバと、前記第4の光ファイバの他端から出射された参照光を複数回反射させる反射手段と、前記反射手段を経由し一端に入射された参照光を前記第2のファイバカプラに導光する第5の光ファイバと、前記第4の光ファイバと前記第5の光ファイバとの間の光路上に設けられ、前記参照光の偏光状態を調整する偏光調整手段とを含み、
    前記反射手段は、前記反射手段を経由して前記第5の光ファイバの一端に向かう参照光の向きが前記第4の光ファイバの他端から出射され前記反射手段に向かう参照光の向きと平行になるように、参照光を反射させ、
    前記第2のファイバカプラは、前記第3の光ファイバにより導光された信号光と前記第5の光ファイバにより導光された参照光とを重畳させて干渉光を生成する、
    ことを特徴とする光画像計測装置。
  2. 前記反射手段は、前記参照光を偶数回反射させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光画像計測装置。
  3. 前記反射手段は、前記参照光を分割するビームスプリッタと、該分割された一方の参照光を複数回反射させて前記ビームスプリッタに導く第1の反射部材と、他方の参照光を複数回反射させて前記ビームスプリッタに導く第2の反射部材とを含み、
    前記第1の反射部材及び前記第2の反射部材は、前記一方の参照光の光路長と前記他方の参照光の光路長とが異なるように前記ビームスプリッタに対して配置され、
    前記第5の光ファイバは、前記第1の反射部材を経由した前記一方の参照光及び/又は前記第2の反射部材を経由した前記他方の参照光を前記第2のファイバカプラに導光し、
    前記画像形成手段は、前記一方の参照光と前記信号光との干渉光の検出信号に基づいて前記被測定物体の第1の深度の画像を形成し、前記他方の参照光と前記信号光との干渉光の検出信号に基づいて前記被測定物体の第2の深度の画像を形成する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光画像計測装置。
  4. 前記光学系は、前記反射手段を移動させて前記参照光路の光路長を変更する変更手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光画像計測装置。
  5. 前記分散調整手段は、一対のプリズムと、前記一対のプリズムを相対的に移動させる移動手段とを含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光画像計測装置。
  6. 前記偏光調整手段は、円偏光若しくは楕円偏光を直線偏光に又は直線偏光を円偏光若しくは楕円偏光にそれぞれ変換する2つの1/4波長板と、前記2つの1/4波長板の間に配置され、前記参照光の偏光面の向きを変更する1/2波長板と、前記1/2波長板を回転させる回転手段とを含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光画像計測装置。
  7. 前記偏光調整手段は、前記参照光の偏光状態を直線偏光に変換する偏光板と、直線偏光に変換された前記参照光を円偏光に変換する1/4波長板と、前記偏光板を回転させる回転手段とを含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光画像計測装置。
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