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JP5486408B2 - 撮像レンズおよび撮像装置 - Google Patents

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JP5486408B2 JP2010126631A JP2010126631A JP5486408B2 JP 5486408 B2 JP5486408 B2 JP 5486408B2 JP 2010126631 A JP2010126631 A JP 2010126631A JP 2010126631 A JP2010126631 A JP 2010126631A JP 5486408 B2 JP5486408 B2 JP 5486408B2
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Description

本発明は、撮像レンズおよび撮像装置に関し、より詳しくは、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いた車載用カメラ、携帯端末用カメラ、監視カメラ等に使用されるのに好適な撮像レンズ、および該撮像レンズを備えた撮像装置に関するものである。
CCDやCMOS等の撮像素子は近年非常に小型化及び高画素化が進んでいる。それとともに、これら撮像素子を備えた撮像機器本体も小型化が進み、それに搭載される撮像レンズにも良好な光学性能に加え、小型化が求められている。例えば、車載用カメラや監視カメラ等に搭載されるレンズでは、小型化とともに、高い耐候性を有し、軽量で安価に構成可能なことが求められている。
上記分野において従来知られている比較的レンズ枚数の少ない撮像レンズとしては、例えば下記特許文献1〜4に記載のものがある。特許文献1〜4には、非球面レンズを含む4枚構成の撮像レンズが記載されている。
特開2002−244031号公報 特開2005−227426号公報 特開2006−259704号公報 特開2007−206516号公報
ところで、近年では上記要望に加えて、車載用カメラや監視カメラ等に搭載されるレンズに対する広角化の要望が高まってきている。しかしながら、従来のレンズを単に広角化しただけでは、広角化に伴って最も物体側のレンズの有効径が大きくなるため、レンズ径が大きくなり、小型化に反してしまうという不具合がある。特に、車載用カメラや携帯端末用カメラでは、外観を損なわないように、外部に露出するレンズの部分を小さくしたいという要望があるため、レンズ系の径方向の小型化が強く望まれている。また、監視カメラ等においても、できる限りカメラの存在を目立たせたくないという理由から、レンズ系の径方向の小型化が要望されている。すなわち、広角化および径方向の小型化という2つの相反する要望を満たすレンズ系が求められるようになってきている。
本発明は、上記事情に鑑み、広角でありながら、レンズ系の径方向の小型化が図られてコンパクトに構成可能で、良好な光学性能を有する撮像レンズ、および該撮像レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負の第1レンズと、像側に凹面を向けたメニスカス形状であり、少なくとも一方の面が非球面である負の第2レンズと、少なくとも一方の面が非球面である正の第3レンズと、絞りと、少なくとも一方の面が非球面である正の第4レンズとからなり、全系の焦点距離をfとし、第2レンズの焦点距離をf2とし、第2レンズの中心厚をD3としたとき、下記条件式(1)、(12)を満足することを特徴とするものである。
f2/f<−4.5 … (1)
0.7<D3/f<1.3 … (12)
また、本発明の撮像レンズにおいては、下記条件式()〜(10)を満足することが好ましい。なお、好ましい態様としては、下記条件式()〜(10)のいずれか1つの構成を有するものでもよく、あるいは任意の2つ以上を組合せた構成を有するものでもよい。
4.0<ED1/D1<15.0 … (2)
DX3≧0.5mm … (3)
2.5<|RX3|/f … (4)
0.7<R3/f<4.0 … (5)
7.5<L/f<13.0 … (6)
−8.0<f1/f<−3.0 … (7)
0.3<D2/f<2.0 … (8)
−3.5<f12/f<−0.7 … (9)
15<R1/f<30 … (10)
ただし、
ED1:第1レンズの物体側の面の有効径
D1:第1レンズの中心厚
DX3:第2レンズの物体側の面において、有効径端が面と光軸の交点と比較して像側にある場合、有効径端から光軸におろした垂線と光軸の交点と面の中心との光軸方向の距離
f:全系の焦点距離
RX3:第2レンズの物体側の面の有効径端における面の法線と光軸との交点から該有効径端までの距離
R3:第2レンズの物体側の面の中心での曲率半径
L:第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離(バックフォーカス分は空気換算長とする)
f1:第1レンズの焦点距離
D2:第1レンズと第2レンズの光軸上の空気間隔
f12:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
R1:第1レンズの物体側の面の曲率半径
なお、本発明の撮像レンズにおける、「像側に凹面を向けたメニスカス形状」は、非球面レンズについては近軸領域で考えるものとする。また、本発明の撮像レンズにおける、「負の」、「正の」のようなパワー(屈折力)の符号は、近軸領域で考えるものとする。さらに、本発明の撮像レンズにおける曲率半径の符号は、物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負とすることにする。
なお、「面の有効径」とは、結像に寄与する全光線とレンズ面との交わる点を考えたとき、径方向における最も外側の点(最も光軸から離れた点)からなる円の直径を意味し、「有効径端」とは、この最も外側の点を意味するものとする。なお、光軸に対して回転対称の系においては、上記の最も外側の点からなる図形は円となるが、回転対称ではない系においては円とならない場合があり、そのような場合は、等価の円形を考えてその円の直径を有効径としてもよい。
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明の撮像レンズを備えたことを特徴とするものである。
本発明の撮像レンズによれば、4枚のレンズ系において、第1レンズおよび第2レンズの形状を好適に設定し、第2レンズから第4レンズの各レンズに非球面を設け、全系におけるパワー配置、絞りの位置等の構成を好適に設定し、条件式(1)、(12)を満足するようにしているため、広角でありながら、レンズ系の径方向が小型で、コンパクトに構成されて、良好な光学性能を有する撮像レンズを実現することができる。
本発明の撮像装置によれば、本発明の撮像レンズを備えているため、外部に露出するレンズの部分が小さく、小型に構成可能であるとともに、広い画角で良好な像を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる撮像レンズの構成を説明するための図 本発明の実施例1の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例2の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例3の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例4の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例5の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例6の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例7の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例8の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例9の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例10の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例11の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 図13(A)〜図13(I)は本発明の実施例1の撮像レンズの各収差図 図14(A)〜図14(I)は本発明の実施例2の撮像レンズの各収差図 図15(A)〜図15(I)は本発明の実施例3の撮像レンズの各収差図 図16(A)〜図16(I)は本発明の実施例4の撮像レンズの各収差図 図17(A)〜図17(I)は本発明の実施例5の撮像レンズの各収差図 図18(A)〜図18(I)は本発明の実施例6の撮像レンズの各収差図 図19(A)〜図19(I)は本発明の実施例7の撮像レンズの各収差図 図20(A)〜図20(I)は本発明の実施例8の撮像レンズの各収差図 図21(A)〜図21(I)は本発明の実施例9の撮像レンズの各収差図 図22(A)〜図22(I)は本発明の実施例10の撮像レンズの各収差図 図23(A)〜図23(I)は本発明の実施例11の撮像レンズの各収差図 本発明の実施形態にかかる車載用の撮像装置の配置を説明するための図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照しながら、本発明の実施形態にかかる撮像レンズについて説明する。図1には、本発明の一実施形態にかかる撮像レンズ1のレンズ断面図、および、無限遠の距離にある物点からの軸上光束2、全画角2ωでの軸外光束3、4を示す。図1では、図の左側が物体側、右側が像側である。
図1では、撮像レンズ1が撮像装置に適用される場合を考慮して、撮像レンズ1の像点Pimを含む像面Simに配置された撮像素子5も図示している。撮像素子5は、撮像レンズ1により形成される光学像を電気信号に変換するものであり、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等を用いることができる。
なお、撮像レンズ1を撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、カバーガラスや、ローパスフィルタまたは赤外線カットフィルタ等を設けることが好ましく、図1では、これらを想定した平行平板状の光学部材PPを最も像側のレンズと撮像素子5(像面Sim)の間に配置した例を示している。
撮像レンズ1は、基本構成として、物体側から順に、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負の第1レンズL1と、像側に凹面を向けたメニスカス形状であり、少なくとも一方の面が非球面である負の第2レンズL2と、少なくとも一方の面が非球面である正の第3レンズL3と、開口絞りStと、少なくとも一方の面が非球面である正の第4レンズL4とを備える。なお、図1における開口絞りStは、形状や大きさを表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
この撮像レンズ1は、4枚という少ないレンズ枚数で構成することで、低コスト化とともに光軸方向の全長の小型化を図ることができる。また、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4の3枚のレンズを非球面レンズとすることで、少ないレンズ枚数でありながら、諸収差を良好に補正し、小型化と高い光学性能を両立させることができる。
物体側に配置された2枚のレンズである第1レンズL1と第2レンズL2をともに像側に凹面を向けた負のメニスカス形状とすることで、広い画角の光線をとらえることが可能となり、レンズ系を広角化することが可能となる。また、負レンズを2枚にすることで、負レンズに求められる各収差の補正をこれらの2枚のレンズで分担することができ、良好に収差補正することができる。
第3レンズL3と第4レンズL4をともに正のパワーを持ち、少なくとも片側の面が非球面のレンズとすることで、像面湾曲を良好に補正することが可能となる。また、像側に第3レンズL3と第4レンズL4の2枚の正レンズを配置することで、像面で像を結ぶための収束作用および正レンズに求められる各収差の補正をこれらの2枚のレンズで分担することができ、良好に収差補正することができる。
開口絞りStを第3レンズL3と第4レンズL4の間に配置することで、開口絞りStを第4レンズL4の像側に配置した場合よりも、第1レンズL1での光線高を抑えることができ、レンズ系の径方向を小型化することが可能となる。さらに、像面湾曲、倍率の色収差の補正も容易となる。
図1に示す撮像レンズ1は、上記基本構成に加え、以下に述べる第1の態様および第2の態様の両方を備えるものである。第1の態様は、全系の焦点距離をfとし、第2レンズL2の焦点距離をf2としたとき、下記条件式(1)を満足するものである。
f2/f<−4.5 … (1)
条件式(1)の上限を満足することで、第2レンズL2のパワーが強くなりすぎるのを防止でき、第2レンズL2で光線が大きく曲がることがなくなるため、第1レンズL1での光線高を抑えることができ、結果として、レンズ系の径方向を小型化することが可能となる。
さらに、下記条件式(1−2)を満足することが好ましい。
−20.0<f2/f<−5.0 … (1−2)
条件式(1−2)の上限を満足することで、レンズ系の径方向を小型化することがさらに容易となる。条件式(1−2)の下限を満足することで、第2レンズL2のパワーが極端に弱くなるのを防止し、適度な値にすることができるため、広角化が容易となるとともに、バックフォーカスを長くとることも容易となる。また、第2レンズL2のパワーが極端に弱くなると、広角化のために第1レンズL1で光線を急激に曲げることになるため、ディストーションの補正も困難となる。
レンズ系の径方向の小型化と、広角化、バックフォーカスの確保とディストーションの補正をより容易にするためには、さらに下記条件式(1−3)を満足することが好ましい。
−12.0<f2/f<−5.2 … (1−3)
第2の態様は、第1レンズL1の物体側の面の有効径をED1とし、第1レンズL1の中心厚をD1としたとき、下記条件式(2)を満足するものである。
4.0<ED1/D1<15.0 … (2)
条件式(2)の上限を上回ると、第1レンズL1の物体側の面の有効径が大きくなり、レンズ系の径方向が大型化してしまうか、第1レンズL1の中心厚が小さくなり過ぎてしまい、第1レンズL1が割れやすくなってしまう。例えば車載カメラ用レンズとして用いる場合、レンズには各種衝撃に耐えることが求められるため、第1レンズL1は厚く割れにくいことが望ましい。条件式(2)の下限を下回ると、レンズ系の径方向の小型化は容易となるが、第1レンズL1の物体側の面の有効径が小さくなりすぎてしまい、軸上光線と軸外光線を分離することが困難となり、像面湾曲、ディストーションを良好に補正することが困難となるか、第1レンズL1が厚くなりすぎてしまい、レンズ系の光軸方向が大型化してしまう。
レンズ系の径方向および光軸方向の小型化と、像面湾曲、ディストーションの補正を条件式(2)を満足した場合よりさらに容易とするためには、下記条件式(2−2)を満足することが好ましい。
5.0<ED1/D1<12.0 … (2−2)
レンズ系の径方向および光軸方向の小型化と、像面湾曲、ディストーションの補正を条件式(2−2)を満足した場合よりさらに容易とするためには、下記条件式(2−3)を満足することが好ましい。
6.0<ED1/D1<11.0 … (2−3)
レンズ系の径方向および光軸方向の小型化と、像面湾曲、ディストーションの補正を条件式(2−3)を満足した場合よりさらに容易とするためには、下記条件式(2−4)を満足することが好ましい。
7.0<ED1/D1<10.0 … (2−4)
レンズ系の径方向および光軸方向の小型化と、像面湾曲、ディストーションの補正を条件式(2−4)を満足した場合よりさらに容易とするためには、下記条件式(2−5)を満足することが好ましい。
8.0<ED1/D1<9.5 … (2−5)
なお、上記第1の態様を有する撮像レンズが、上記第2の態様の構成、または上記第2の態様にかかる好ましい構成を兼備するようにしてもよい。同様に、上記第2の態様を有する撮像レンズが、上記第1の態様にかかる好ましい構成を兼備するようにしてもよい。
また、上記第1または第2の態様を有する撮像レンズは、以下に述べる構成を有することが好ましい。なお、好ましい態様としては、以下のいずれか1つの構成を有するものでもよく、あるいは任意の2つ以上を組合せた構成を有するものでもよい。
第2レンズL2の物体側の面は、有効径端が面と光軸の交点と比較して像側にあるように構成され、有効径端から光軸Zにおろした垂線と光軸Zの交点と面の中心との光軸方向の距離をDX3としたとき、下記条件式(3)を満足することが好ましい。なお、図1に示す例においては、点X3が第2レンズL2の物体側の面の有効径端の点であり、点XH3が点X3から光軸Zにおろした垂線と光軸Zの交点であり、点C3が中心の点である。
DX3≧0.5mm … (3)
第2レンズL2の物体側の面を条件式(3)を満足するような形状とすることで、この面における光線と面の法線とのなす角を小さく抑えることができ、光線を大きく曲げないようにできるため、レンズ系の径方向を小型化することが容易となる。
レンズ系の径方向を小型化するためには、下記条件式(3−2)を満足することがより好ましい。
DX3≧1.0mm … (3−2)
レンズ系の径方向をより小型化するためには、下記条件式(3−3)を満足することがより好ましい。
DX3≧1.2mm … (3−3)
レンズ系の径方向をさらにより小型化するためには、下記条件式(3−4)を満足することがさらにより好ましい。
DX3≧1.3mm … (3−4)
全系の焦点距離をfとし、第2レンズL2の物体側の面の有効径端における面の法線と光軸との交点から該有効径端までの距離をRX3としたとき、下記条件式()を満足することが好ましい。なお、RX3については後で詳述する。
2.5<|RX3|/f … (4)
条件式(4)の下限を下回ると、第2レンズL2の物体側の面の有効径端での曲率半径RX3が小さくなりすぎてしまい、この有効径端における光線と面の法線とのなす角が大きくなるため、この面で屈折する光線が大きく曲げられてしまい、レンズ系の径方向の小型化が困難となると共に像面湾曲を良好に補正することが困難となる。
さらに、下記条件式(4−2)を満足することが望ましい。
4.0<|RX3|/f … (4−2)
条件式(4−2)の下限を満足することで、条件式(4)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
またさらに、下記条件式(4−3)を満足することが望ましい。
6.0<|RX3|/f<100.0 … (4−3)
条件式(4−3)の上限を上回ると、広角化が困難になるか、広角化を達成するためには第1レンズL1で光線を大きく曲げることになるためディストーションの補正が困難になり、周辺の画像が縮小されて結像してしまうため、撮像素子で撮像して画像処理により拡大しても解像度が低く、画質の低下を防ぐことができない。条件式(4−3)の下限を満足することで、条件式(4−2)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
さらに、下記条件式(4−4)を満足することがより望ましい。
6.0<|RX3|/f<50.0 … (4−4)
条件式(4−4)の上限を満足することで、条件式(4−3)の上限を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
全系の焦点距離をfとし、第2レンズL2の物体側の面の中心での曲率半径をR3としたとき、下記条件式(5)を満足することが好ましい。
0.7<R3/f<4.0 … (5)
条件式(5)の上限を上回ると、第2レンズL2の物体側の面の中心での曲率半径が大きくなりすぎてしまう。第2レンズL2の物体側の面は後述のように周辺にいくに従ってパワーが弱くなることが望ましいため、第2レンズL2の中心での曲率半径が大きくなりすぎると周辺部の曲率半径も大きくなりすぎてしまう。そのため特に周辺で光線の面に対する入射角が大きくなり、第2レンズL2の物体側の面で光線が大きく曲げられてしまうため第1レンズL1を通過する光線の高さが大きくなってしまい、レンズ系の径方向を小型化することが困難となる。条件式(5)の下限を下回ると、第2レンズL2の物体側の面の中心での曲率半径が小さくなりすぎてしまい、加工が困難となる。
さらに、下記条件式(5−2)を満足することがより望ましい。
0.7<R3/f<1.3 … (5−2)
条件式(5−2)の上限を満足することで、条件式(5)の上限を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
またさらに、下記条件式(5−3)を満足することがより望ましい。
0.85<R3/f<1.2 … (5−3)
条件式(5−3)を満足することで、条件式(5−2)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
全系の焦点距離をfとし、第1レンズL1の物体側の面から像面Simまでの光軸方向の距離をLとしたとき、下記条件式(6)を満足することが好ましい。なお、Lの算出の際には、バックフォーカス分は空気換算長とする。すなわち、最も像側のレンズと像面Simとの間にカバーガラスやフィルタなどがある場合は、カバーガラスやフィルタの厚さは空気換算した値を用いるものとする。
7.5<L/f<13.0 … (6)
条件式(6)の上限を上回ると、系が大型化してしまう。条件式(6)の下限を下回ると、広角化が不十分となるか、広角にしようとするとディストーションにより画角をかせぐことになるので結像領域周辺での像の歪みが大きくなりすぎてしまうか、もしくは全長が短くなるため各レンズもそれに合わせて小さくなってしまうため、製造が困難となるかコストアップの原因となってしまう。
さらに、下記条件式(6−2)を満足することがより望ましい。
7.5<L/f<11.0 … (6−2)
条件式(6−2)の上限を満足することで、条件式(6)の上限を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
またさらに、下記条件式(6−3)を満足することがより望ましい。
8.0<L/f<10.0 … (6−3)
条件式(6−3)を満足することで、条件式(6−2)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
全系の焦点距離をfとし、第1レンズL1の焦点距離をf1としたとき、下記条件式(7)を満足することが好ましい。
−8.0<f1/f<−3.0 … (7)
条件式(7)の上限を上回ると、第1レンズL1のパワーが強くなるため、広角化は容易となるが、物体側の面で周辺の光線が急激に曲げられてしまうためディストーションの補正が困難となるか、像側の面で光線が大きく曲げられてしまうため物体側の面での光線高が大きくなり、レンズ系の径方向が大型化してしまう。条件式(7)の下限を下回ると、第1レンズL1のパワーが弱くなり過ぎてしまい、広角化が困難となり、十分な画角が得られなくなる。
さらに、下記条件式(7−2)を満足することがより望ましい。
−7.0<f1/f<−3.5 … (7−2)
条件式(7−2)を満足することで、条件式(7)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
さらにまた、下記条件式(7−3)を満足することがより望ましい。
−6.3<f1/f<−4.0 … (7−3)
条件式(7−3)を満足することで、条件式(7−2)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
全系の焦点距離をfとし、第1レンズL1と第2レンズL2の光軸上の空気間隔をD2としたとき、下記条件式(8)を満足することが好ましい。
0.3<D2/f<2.0 … (8)
条件式(8)の上限を上回ると、第1レンズL1と第2レンズL2の間隔が大きくなるため、第1レンズL1の径が大きくなってしまうか、径方向の小型化のために第1レンズのパワーが強くなりすぎてしまい、ディスト−ションの補正が困難となる。条件式(8)の下限を下回ると、第1レンズL1と第2レンズL2が近接しすぎてしまい、軸上光線と周辺光線の分離が不十分となり、像面湾曲の補正が困難となる。
さらに、下記条件式(8−2)を満足することがより望ましい。
0.3<D2/f<0.6 … (8−2)
条件式(8−2)の上限を満足することで、条件式(8)の上限を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
またさらに、下記条件式(8−3)を満足することがより望ましい。
0.35<D2/f<0.45 … (8−3)
条件式(8−3)を満足することで、条件式(8−2)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
全系の焦点距離をfとし、第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離をf12としたとき、下記条件式(9)を満足することが好ましい。
−3.5<f12/f<−0.7 … (9)
条件式(9)の上限を上回ると、広角化は容易に達成できるが、像面湾曲が大きくなってしまい良好な像を得ることが難しくなる。条件式(9)の下限を下回ると、最も物体側に配置される2枚の負レンズのパワーが弱くなるため、光線を強く曲げることができず、広角化を達成することが困難となるか、広角化を達成するためにはレンズ系が大型化してしまう。
さらに、下記条件式(9−2)を満足することがより望ましい。条件式(9−2)の下限を満足する場合には、広角化を達成しつつレンズ系の小型化を図ることがより容易になる。
−3.0<f12/f<−0.7 … (9−2)
さらにまた、下記条件式(9−3)を満足することがより望ましい。条件式(9−3)の下限を満足する場合には、広角化を達成しつつレンズ系の小型化を図ることがよりいっそう容易になる。
−2.4<f12/f<−0.7 … (9−3)
全系の焦点距離をfとし、第1レンズL1の物体側の面の曲率半径をR1としたとき、下記条件式(10)を満足することが好ましい。
15<R1/f<30 … (10)
条件式(10)の上限を上回ると、第1レンズL1の物体側の面の曲率半径が大きくなりすぎてしまい、径方向の小型化の目的は容易に達成可能だが、光線が急激に曲げられてしまうためディストーションが大きくなり、結像領域での周辺の画像が縮小されて結像してしまうため、撮像素子で撮像して画像処理により拡大しても解像度が低く、画質の低下を防ぐことができない。条件式(10)の下限を下回ると、第1レンズL1の物体側の面の曲率半径が小さくなりすぎてしまい、広角化のためには第1レンズL1の像側の面か第2レンズL2で光線を大きく曲げることが必要となるため、第1レンズL1の物体側の面の光線高が大きくなり、小型化が困難となる。また、第1レンズL1の像側の面で大きく光線を曲げるためには第1レンズL1の像側の面の曲率半径が小さくなるため加工が困難となるかコストアップの原因となってしまう。
さらに、下記条件式(10−2)を満足することが望ましい。
18<R1/f<25 … (10−2)
条件式(10−2)を満足することで、条件式(10)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
さらに、下記条件式(10−3)を満足することがより望ましい。
19.5<R1/f<24.0 … (10−3)
条件式(10−3)を満足することで、条件式(10−2)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
全系の焦点距離をfとし、第2レンズL2と第3レンズL3の光軸上の空気間隔をD4としたとき、下記条件式(11)を満足することが好ましい。
0.8<D4/f<1.8 … (11)
条件式(11)の上限を上回ると、レンズ系の光軸方向の長さが長くなるとともに、第1レンズL1の外径も大きくなり、系全体が大型化してしまう。条件式(11)の下限を下回ると、第2レンズL2と第3レンズL3の間隔が小さくなってしまう。第2レンズL2と第3レンズL3の間隔が小さくなってしまうと、第2レンズL2の像側の面の非球面形状が制限されてしまい、像面湾曲とディストーションの補正が困難となる。
さらに、下記条件式(11−2)を満足することが望ましい。
0.9<D4/f<1.4 … (11−2)
条件式(11−2)を満足することで、条件式(11)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
全系の焦点距離をfとし、第2レンズL2の中心厚をD3としたとき、下記条件式(12)を満足することが好ましい。
0.7<D3/f<1.3 … (12)
条件式(12)の上限を上回ると、第2レンズL2の厚みが大きくなりすぎてレンズ系が大型化してしまう。条件式(12)の下限を下回ると、第2レンズL2の中心厚が小さくなりすぎてしまい、小型化は容易となるが、周辺部の肉厚比(レンズ中心厚に対するレンズ周辺部の光軸方向の厚み)が大きくなるため、レンズの成型が困難となる。
さらに、下記条件式(12−2)を満足することが望ましい。
0.9<D3/f<1.2 … (12−2)
条件式(12−2)を満足することで、条件式(12)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
第2レンズL2の物体側の面の中心での曲率半径をR3とし、第2レンズL2の像側の面の中心での曲率半径をR4としたとき、下記条件式(13)を満足することが好ましい。
0.1<(R3−R4)/(R3+R4)<0.55 … (13)
条件式(13)の上限を上回ると、第2レンズL2の物体側の面と像側の面の曲率半径の差が大きくなるため、第2レンズL2で光線が大きく曲がってしまい、径方向の小型化が困難となる。条件式(13)の下限を下回ると、第2レンズL2の物体側の面と像側の面の曲率半径が近くなりすぎてしまい、第2レンズL2のパワーが弱くなりすぎて広角化が困難となる。
さらに、下記条件式(13−2)を満足することが望ましい。
0.1<(R3−R4)/(R3+R4)<0.5 … (13−2)
条件式(13−2)の上限を満足することで、条件式(13)の上限を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
またさらに、下記条件式(13−3)を満足することが望ましい。
0.2<(R3−R4)/(R3+R4)<0.42 … (13−3)
条件式(13−3)を満足することで、条件式(13−2)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
全系の焦点距離をfとし、第1レンズL1の中心厚をD1としたとき、下記条件式(14)を満足することが好ましい。
0.7<D1/f<1.8 … (14)
条件式(14)の上限を上回ると、第1レンズL1の厚みが大きくなりすぎてレンズ系の光軸方向および径方向の小型化が困難となる。条件式(14)の下限を下回ると、第1レンズL1の厚みが小さくなりすぎてしまい、小型化は容易となるが、各種衝撃に対して弱くなってしまう。例えば、車載カメラ用レンズや監視カメラ用レンズとして使用される場合、第1レンズL1は外部に露出するため各種衝撃に強いことが求められるため、第1レンズL1の厚みが小さくなりすぎるのは好ましくない。
さらに、下記条件式(14−2)を満足することが望ましい。
0.8<D1/f<1.3 … (14−2)
条件式(14−2)を満足することで、条件式(14)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
全系の焦点距離をfとし、最も像側のレンズ(図1に示す例では第4レンズL4)の像側の面から像面Simまでの光軸上の距離をBfとしたとき、Bf/fは1.0から2.4の間にあることが好ましい。1.0<Bf/f<2.4とすることで、レンズ系の大型化を抑制しながら、十分なバックフォーカスを確保することが容易となる。さらには、2<Bf/f<2.4とすることがより好ましい。なお、Bfは空気換算長を用いるものとする。すなわち、最も像側のレンズと像面Simとの間にカバーガラスやフィルタなどがある場合は、カバーガラスやフィルタの厚さは空気換算した値を用いるものとする。
第2レンズL2の物体側の面は、非球面とすることが好ましい。第2レンズL2の物体側の面は、中心で正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状であることが好ましい。第2レンズL2の物体側の面をこのような形状とすることで、有効径端において光線と面の法線のなす角を小さく抑えることが可能となり、この面で光線を大きく曲げることなく集光することが可能となり、レンズ系の径方向を小型化することが容易となる。また、像面湾曲とディストーションを良好に補正することが可能となる。
ここで、図1を参照しながら、上記の第2レンズL2の物体側の面の形状について説明する。図1において、点C3は、第2レンズL2の物体側の面の中心であり、第2レンズL2の物体側の面と光軸Zとの交点である。図の点X3は、第2レンズL2の物体側の面の有効径端の点であり、軸外光束に含まれる最も外側の光線6と第2レンズL2の物体側の面との交点である。
このとき、点X3でのレンズ面の法線と光軸Zとの交点を図1に示すように点P3とし、点X3と点P3を結ぶ線分X3−P3を点X3での曲率半径RX3と定義し、線分X3−P3の長さ|X3−P3|を曲率半径RX3の絶対値|RX3|と定義する。つまり、|X3−P3|=|RX3|である。また、点C3での曲率半径、すなわち、第2レンズL2の物体側の面の中心の曲率半径をR3とし、その絶対値を|R3|とする(図1では不図示)。
上記の第2レンズL2の物体側の面の「中心で正のパワーを持ち」とは、点C3を含む近軸領域が凸形状であることを意味する。また、上記の第2レンズL2の物体側の面の「有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状」とは、点P3が点C3より像側にあり、点X3での曲率半径の絶対値|RX3|が点C3での曲率半径の絶対値|R3|よりも大きい形状を意味する。
図1では理解を助けるために、半径|R3|で点C3を通り、光軸上の点を中心とする円CC3を破線で描き、半径|RX3|で点X3を通り、光軸上の点を中心とする円CX3を二点鎖線で描いている。円CX3の方が円CC3よりも大きな円となっており、|R3|<|RX3|であることが明示されている。
点X3での曲率半径の絶対値|RX3|は、点C3での曲率半径の絶対値|R3|の3倍以上であることが好ましく、この場合にはレンズ系の径方向の小型化が容易となる。さらに、|RX3|は、|R3|の4倍以上であることがより好ましく、この場合にはレンズ系の径方向の小型化がより容易となる。
第2レンズL2の像側の面は、非球面とすることが好ましい。第2レンズL2の像側の面は、中心が負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが弱い形状であることが好ましい。第2レンズL2の像側の面をこのような形状とすることで、周辺の光線を急激に曲げることなく第3レンズL3へ光を伝送して後続の正レンズで集光させることができるため、ディストーションを良好に補正することが可能となる。また、第2レンズL2の像側の面で周辺の光線を急激に曲げることがないため、レンズ系の径方向を小型化することが容易となる。
第2レンズL2の像側の面の上記形状は、図1を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第2レンズL2の像側の面の有効径端を点X4として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P4とするとき、点X4と点P4とを結ぶ線分X4−P4を点X4での曲率半径とし、点X4と点P4とを結ぶ線分の長さ|X4−P4|を点X4での曲率半径の絶対値|RX4|とする。つまり、|X4−P4|=|RX4|である。また、第2レンズL2の像側の面と光軸Zとの交点、すなわち、第2レンズL2の像側の面の中心を点C4とする。そして、点C4での曲率半径の絶対値を|R4|とする。
第2レンズL2の像側の面の「中心が負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが弱い形状」とは、点C4を含む近軸領域で凹形状であり、点P4が点C4より像側にあり、かつ、点X4での曲率半径の絶対値|RX4|が点C4での曲率半径の絶対値|R4|よりも大きい形状である。
点X4での曲率半径の絶対値|RX4|と、点C4での曲率半径の絶対値|R4|とは下記条件式(15)を満足することが好ましい。条件式(15)の下限を下回ると、ディストーションを良好に補正することが困難となり、また、レンズ系の径方向を小型化することが困難となる。
1.2<|RX4|/|R4| … (15)
さらに、下記条件式(15−2)を満足することがより望ましい。
2.0<|RX4|/|R4| … (15−2)
条件式(15−2)を満足することで、条件式(15)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
またさらに、下記条件式(15−3)を満足することがより望ましい。
3.0<|RX4|/|R4|<8.0 … (15−3)
条件式(15−3)の上限を満足することで、有効径端での曲率半径が大きくなりすぎてしまうことを防ぐことができ、広角化が容易となると共に像面湾曲の補正も容易となる。条件式(15−3)の下限を満足することで、条件式(15−2)を満足することにより得られる効果をさらに向上させることができる。
また、点X4での曲率半径の絶対値|RX4|は、全系の焦点距離fの1.5倍以上の値であることが望ましい。|RX4|をfの1.5倍以上とすることで、ディストーションと像面湾曲の補正が容易となる。さらに、|RX4|は、fの1.8倍以上の値であることがより望ましく、この場合には、ディストーションと像面湾曲の補正がより容易となる。
第3レンズL3の物体側の面は、非球面とすることが望ましい。第3レンズL3の物体側の面は、中心が正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが強い形状であることが好ましい。第3レンズL3の物体側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲と倍率の色収差を良好に補正することが可能となる。
第3レンズL3の物体側の面の上記形状は、図1を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第3レンズL3の物体側の面の有効径端を点X5として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P5とするとき、点X5と点P5とを結ぶ線分X5−P5を点X5での曲率半径とし、点X5と点P5とを結ぶ線分の長さ|X5−P5|を点X5での曲率半径の絶対値|RX5|とする。よって、|X5−P5|=|RX5|となる。また、第3レンズL3の物体側の面と光軸Zとの交点、すなわち、第3レンズL3の物体側の面の中心を点C5とする。そして、点C5での曲率半径の絶対値を|R5|とする。
第3レンズL3の物体側の面の「中心が正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが強い形状」とは、点C5を含む近軸領域で凸形状であり、点P5が点C5より像側にあり、かつ、点X5での曲率半径の絶対値|RX5|が点C5での曲率半径の絶対値|R5|よりも小さい形状である。
点X5での曲率半径の絶対値|RX5|は、点C5での曲率半径の絶対値|R5|の0.9倍以下であることが好ましく、この場合には像面湾曲と倍率の色収差の良好な補正が可能となる。
また、点X5での曲率半径の絶対値|RX5|は、全系の焦点距離fの1.2倍以上、3倍以下の値であることが望ましい。|RX5|をfの1.2倍以上、3倍以下とすることで、像面湾曲と倍率の色収差の補正が容易となる。さらに、|RX5|は、fの1.5倍以上、3倍以下であることがより好ましく、この場合には像面湾曲と倍率の色収差の補正がより容易となる。
第3レンズL3の像側の面は、非球面とすることが望ましい。第3レンズL3の像側の面は、中心が正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状であることが好ましい。第3レンズL3の像側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第3レンズL3の像側の面の上記形状は、図1を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第3レンズL3の像側の面の有効径端を点X6として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P6とするとき、点X6と点P6とを結ぶ線分X6−P6を点X6での曲率半径とし、点X6と点P6とを結ぶ線分の長さ|X6−P6|を点X6での曲率半径の絶対値|RX6|とする。よって、|X6−P6|=|RX6|となる。また、第3レンズL3の像側の面と光軸Zとの交点、すなわち、第3レンズL3の像側の面の中心を点C6とする。そして、点C6での曲率半径の絶対値を|R6|とする。
第3レンズL3の像側の面の「中心が正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状」とは、点C6を含む近軸領域で凸形状であり、点P6が点C6より物体側にあり、かつ、点X6での曲率半径の絶対値|RX6|が点C6での曲率半径の絶対値|R6|よりも大きい形状である。
点X6での曲率半径の絶対値|RX6|は、点C6での曲率半径の絶対値|R6|の2倍以上であることが好ましく、この場合には像面湾曲を良好に補正することが容易となる。さらに、|RX6|は、|R6|の7倍以上であることがより好ましく、この場合には像面湾曲を良好に補正することがより容易となる。
なお、第3レンズL3の像側の面は、中心が正のパワーを持ち、有効径端では負のパワーを持つように構成してもよく、この場合には像面湾曲を良好に補正することが可能となる。ここでいう第3レンズL3の像側の面の「中心が正のパワーを持ち、有効径端では負のパワーを持つ形状」とは、点C6を含む近軸領域で凸形状であり、有効径端では凹形状であること(点P6が点C6より像側にあること)を意味する。
第4レンズL4の物体側の面は、非球面とすることが望ましい。第4レンズL4の物体側の面は、中心が負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが強い形状であることが好ましい。第4レンズL4の物体側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4の物体側の面の上記形状は、図1を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第4レンズL4の物体側の面の有効径端を点X8として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P8とするとき、点X8と点P8とを結ぶ線分X8−P8を点X8での曲率半径とし、点X8と点P8とを結ぶ線分の長さ|X8−P8|を点X8での曲率半径の絶対値|RX8|とする。よって、|X8−P8|=|RX8|となる。また、第4レンズL4の物体側の面と光軸Zとの交点、すなわち、第4レンズL4の物体側の面の中心を点C8とする。そして、点C8での曲率半径の絶対値を|R8|とする。
第4レンズL4の物体側の面の「中心が負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが強い形状」とは、点C8を含む近軸領域で凹形状であり、点P8が点C8より物体側にあり、かつ、点X8での曲率半径の絶対値|RX8|が点C8での曲率半径の絶対値|R8|よりも小さい形状である。
点X8での曲率半径の絶対値|RX8|は、点C8での曲率半径の絶対値|R8|の0.9倍以下であることが好ましく、この場合には像面湾曲を良好に補正することが容易となる。さらに、|RX8|は、|R8|の0.5倍以下であることがより好ましく、この場合には像面湾曲を良好に補正することがより容易となる。
第4レンズL4の像側の面は、非球面とすることが望ましい。第4レンズL4の像側の面は、中心が正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状であることが好ましい。第4レンズL4をこのような形状とすることで、球面収差と像面湾曲の良好な補正が可能となる。
第4レンズL4の像側の面の上記形状は、図1を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第4レンズL4の像側の面の有効径端を点X9として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P9とするとき、点X9と点P9とを結ぶ線分X9−P9を点X9での曲率半径とし、点X9と点P9とを結ぶ線分の長さ|X9−P9|を点X9での曲率半径の絶対値|RX9|とする。よって、|X9−P9|=|RX9|となる。また、第4レンズL4の像側の面と光軸Zとの交点、すなわち、第4レンズL4の像側の面の中心を点C9とする。そして、点C9での曲率半径の絶対値を|R9|とする。
第4レンズL4の像側の面の「中心が正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状」とは、点C9を含む近軸領域で凸形状であり、点P9が点C9より物体側にあり、かつ、点X9での曲率半径の絶対値|RX9|が点C9での曲率半径の絶対値|R9|よりも大きい形状である。
点X9での曲率半径の絶対値|RX9|は、点C9での曲率半径の絶対値|R9|の1.3倍以上であることが好ましく、この場合には球面収差と像面湾曲の良好な補正が可能となる。
また、点X9での曲率半径の絶対値|RX9|は、全系の焦点距離fの1.1倍以上の値であることが望ましい。|RX9|をfの1.1倍以上とすることで、球面収差と像面湾曲の補正が容易となる。
なお、有効径や有効径端については、手段に項において述べた通りであるが、例えば、矩形の撮像素子を像面に配置してこの撮像素子上に結像させる場合は、撮像素子の対角端へ入射する光線とレンズ面との交わる点のうち、最も外側の点を有効径端とし、この最も外側の点を含む円を考え、この円の直径を有効径としてもよい。
第1レンズL1の物体側の面の有効径が12mm以下であることが望ましい。第1レンズL1の物体側の面の有効径を12mm以下とすることで、外部に露出する部分を小さくすることができる。
広角化が要望される場合は、撮像レンズの全画角を180°以上とすることが好ましく、この場合も、全画角を180°以上としつつ、第1レンズL1の物体側の面の有効径を12mm以下とすることが望ましい。例えば、車載カメラ用レンズとして使用される場合、全画角が180°を超える魚眼レンズでありながら、車の外観を乱さないようにレンズ系の径方向は小型であることが求められる。全画角が180°以上で第1レンズL1の物体側の面の有効径が12mm以下とすることで、外部に露出する部分が小さく、かつ、広角のレンズ系を作製することができる。より好ましくは、全画角が180°以上で、第1レンズL1の物体側の面の有効径を11mm以下とすることである。
また、光軸方向の小型化のためには、撮像レンズは、第1レンズL1の物体側の面から像面Simまでの光軸上の距離をLとしたとき、Lは13mm以下であることが好ましい。より小型化を図るために、Lは12mm以下であることが好ましい。なお、Lはバックフォーカス分は空気換算長を用いるものとする。
第1レンズL1の材質のd線におけるアッベ数は40以上とすることが好ましく、これにより、軸上色収差の発生を実用上問題のない範囲に抑えながら、倍率の色収差を良好に補正することが可能となる。
第2レンズL2の材質のd線におけるアッベ数は40以上とすることが好ましく、これにより、軸上色収差の発生を実用上問題のない範囲に抑えながら、倍率の色収差を良好に補正することが可能となる。
第3レンズL3の材質のd線におけるアッベ数は40以下とすることが好ましく、これにより、軸上色収差の発生を実用上問題のない範囲に抑えながら、倍率の色収差を良好に補正することが可能となる。
さらに、第3レンズL3の材質のd線におけるアッベ数は30以下とすることが好ましく、この場合には、倍率の色収差をより良好に補正することが可能となる。またさらに、第3レンズL3の材質のd線におけるアッベ数は27以下とすることが好ましく、この場合には、倍率の色収差をよりいっそう良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4の材質のd線におけるアッベ数は40以上とすることが好ましく、これにより、軸上色収差の発生を実用上問題のない範囲に抑えながら、倍率の色収差を良好に補正することが可能となる。
第3レンズL3は少なくとも近軸領域で両凸形状であることが望ましい。第3レンズL3を両凸レンズとすることで、倍率の色収差の補正が容易となると共に像面湾曲も良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4は像側に凸面を向けたメニスカス形状であることが望ましい。第4レンズL4を像側に凸面を向けたメニスカス形状とすることで、球面収差と像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第1レンズL1は低コスト化のためにはガラス球面レンズであることが好ましいが、高い光学性能が重視される場合はガラス非球面レンズとしてもよい。いずれにしろ、第1レンズL1の材質はガラスであることが好ましい。撮像レンズが例えば車載用カメラや監視カメラ用等の厳しい環境において使用される場合には、最も物体側に配置される第1レンズL1は、風雨による表面劣化、直射日光による温度変化に強く、さらには油脂・洗剤等の化学薬品に強い材質、すなわち耐水性、耐候性、耐酸性、耐薬品性等が高い材質を用いることが要望され、また、堅く、割れにくい材質を用いることが要望されることがある。材質をガラスとすることで、これらの要望を満たすことが可能となる。また、第1レンズL1の材質として、透明なセラミックスを用いてもよい。
例えば車載カメラ用レンズにおいては、第1レンズL1は各種衝撃に対する強度が求められる。そのため、第1レンズL1の中心厚は0.8mm以上であることが望ましい。第1レンズL1の中心厚が0.8mmより小さいと、第1レンズL1が割れやすくなってしまう。さらに第1レンズL1の強度を上げるためには、第1レンズL1の中心厚を1.1mm以上とすることが望ましい。
なお、第1レンズL1の物体側の面に、強度、耐キズ性、耐薬品性を高めるための保護手段を施してもよく、その場合には、第1レンズL1の材質をプラスチックとしてもよい。このような保護手段は、ハードコートであってもよく、撥水コートであってもよい。
第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4のいずれか、あるいはこれらのうちの任意の組合せにおいて、その材質をプラスチックとすることが好ましい。材質をプラスチックとすることで、レンズ系を安価で軽量に構成することが可能となるとともに、非球面形状を正確に作製することが容易となるため、良好な光学性能を確保しやすくなる。
第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4の少なくともいずれか1つにプラスチック材質を用いた場合は、その材質として、プラスチックに光の波長より小さな粒子を混合させた、いわゆるナノコンポジット材料を用いてもよい。ナノコンポジット材料は混合させる粒子の種類や量によって、材質の屈折率とアッベ数を変化させることが可能となる。ナノコンポジット材料を用いることで、例えばこれまでのプラスチック材料では得られなかった高屈折率の材質や、アッベ数の小さい材質等を作ることができ、それにより良好な光学性能のレンズを作製することが可能となる。
なお、撮像レンズ1の用途に応じて、レンズ系と撮像素子5との間に紫外光から青色光をカットするようなフィルタ、または赤外光をカットするようなIR(InfraRed)カットフィルタを挿入してもよい。上記フィルタと同様の特性を持つコートをレンズ面に塗布してもよい。またはいずれかのレンズの材質として紫外光や青色光、赤外光などを吸収する材質を用いてもよい。
図1では、レンズ系と撮像素子5との間に各種フィルタ等を想定した光学部材PPを配置した例を示しているが、この代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよい。あるいは、撮像レンズ1が有するいずれかのレンズのレンズ面に、各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
なお、各レンズ間の有効径外を通過する光束は、迷光となって像面に達し、ゴーストとなるおそれがあるため、必要に応じて、この迷光を遮光する遮光手段を設けることが好ましい。この遮光手段としては、例えばレンズの有効径外の部分に不透明な塗料を施したり、不透明な板材を設けたりしてもよい。または、迷光となる光束の光路に不透明な板材を設けて遮光手段としてもよい。あるいは、最も物体側のレンズのさらに物体側に迷光を遮断するフードのようなものを配置してもよい。一例として、図1では、第1レンズL1、第2レンズL2それぞれの像側の面の有効径外に遮光手段11、12を設けた例を示している。なお、遮光手段を設ける箇所は図1に示す例に限定されず、他のレンズや、レンズ間に配置してもよい。
さらに、各レンズの間に周辺光量比が実用上問題の無い範囲で周辺光線を遮断する絞り等の部材を配置してもよい。周辺光線とは、光軸Z外の物点からの光線のうち、光学系の入射瞳の周辺部分を通る光線のことである。このように周辺光線を遮断する部材を配置することにより、結像領域周辺部の画質を向上させることができる。また、この部材でゴーストを発生させる光を遮断することにより、ゴーストを低減することが可能となる。
次に、本発明の撮像レンズの数値実施例について説明する。実施例1〜実施例11の撮像レンズのレンズ断面図をそれぞれ図2〜図12に示す。図2〜図12において、図の左側が物体側、右側が像側であり、開口絞りSt、光学部材PPも合せて図示している。各図の開口絞りStは形状や大きさを表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。各実施例において、レンズ断面図の符号Ri、Di(i=1、2、3、…)は以下に説明するレンズデータのRi、Diと対応している。
実施例1にかかる撮像レンズのレンズデータおよび各種データを表1に、非球面データを表2に、曲率半径に関するデータを表3に示す。同様に、実施例2〜11にかかる撮像レンズのレンズデータおよび各種データ、非球面データをそれぞれ表4〜表33に示す。以下では表中の記号の意味について、実施例1を例にとり説明するが、実施例2〜11のものについても基本的に同様である。
表1のレンズデータにおいて、Siの欄は最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示し、Riの欄はi番目の面の曲率半径を示し、Diの欄はi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示している。なお、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。
また、表1のレンズデータにおいて、Ndjの欄は最も物体側のレンズを1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νdjの欄はj番目の光学要素のd線に対するアッベ数を示している。なお、レンズデータには、開口絞りStおよび光学部材PPも含めて示しており、開口絞りStに相当する面の面番号の欄には、(開口絞り)という語句を合わせて記載している。
表1の各種データにおいて、Fno.はFナンバー、2ωは全画角、Lは第1レンズL1の物体側の面から像面Simまでの光軸Z上の距離(バックフォーカス分は空気換算長)、Bfは最も像側のレンズの像側の面から像面Simまでの光軸Z上の距離(バックフォーカスに相当、空気換算長)、fは全系の焦点距離、f1は第1レンズL1の焦点距離、f2は第2レンズL2の焦点距離、f3は第3レンズL3の焦点距離、f4は第4レンズL4の焦点距離、ED1は第1レンズL1の物体側の面の有効径、f12は第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離である。
表1のレンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸曲率半径(中心の曲率半径)の数値を示している。表2の非球面データには、非球面の面番号と、各非球面に関する非球面係数を示す。表2の非球面データの数値の「E−n」(n:整数)は「×10−n」を意味し、「E+n」は「×10」を意味する。なお、非球面係数は、以下の式で表される非球面式における各係数KA、RBm(m=3、4、5、…20)の値である。
Figure 0005486408
Zd:非球面深さ(高さYの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に
下ろした垂線の長さ)
Y:高さ(光軸からのレンズ面までの距離)
C:近軸曲率
KA、RBm:非球面係数(m=3、4、5、…20)
表3の曲率半径に関するデータでは、面番号と、有効径端での曲率半径の絶対値、有効径端での曲率半径の絶対値と中心の曲率半径の絶対値の比を前述の説明の記号を用いて示している。|RX3|は第2レンズL2の物体側の面の有効径端での曲率半径の絶対値、|RX3|/|R3|は第2レンズL2の物体側の面の有効径端での曲率半径の絶対値と中心の曲率半径の絶対値の比である。|RX4|は第2レンズL2の像側の面の有効径端での曲率半径の絶対値、|RX4|/|R4|は第2レンズL2の像側の面の有効径端での曲率半径の絶対値と中心の曲率半径の絶対値の比である。|RX5|は第3レンズL3の物体側の面の有効径端での曲率半径の絶対値、|RX5|/|R5|は第3レンズL3の物体側の面の有効径端での曲率半径の絶対値と中心の曲率半径の絶対値の比である。|RX6|は第3レンズL3の像側の面の有効径端での曲率半径の絶対値、|RX6|/|R6|は第3レンズL3の像側の面の有効径端での曲率半径の絶対値と中心の曲率半径の絶対値の比である。|RX8|は第4レンズL4の物体側の面の有効径端での曲率半径の絶対値、|RX8|/|R8|は第4レンズL4の物体側の面の有効径端での曲率半径の絶対値と中心の曲率半径の絶対値の比である。|RX9|は第4レンズL4の像側の面の有効径端での曲率半径の絶対値、|RX9|/|R9|は第4レンズL4の像側の面の有効径端での曲率半径の絶対値と中心の曲率半径の絶対値の比である。
なお、表1〜表3には、所定の桁でまるめた数値を記載している。各数値の単位としては、表1の2ωについては「度」を用い、長さについては「mm」を用いている。しかし、これは一例であり、光学系は比例拡大または比例縮小しても使用可能なため、他の適当な単位を用いることもできる。
Figure 0005486408
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上記実施例1〜11の撮像レンズでは全て、第1レンズL1はガラス球面レンズであるが、第1レンズL1の片側の面もしくは両側の面を非球面として用いてもよい。第1レンズL1をガラス非球面レンズとすることで、諸収差をさらに良好に補正することができる。
また、上記実施例1〜11の撮像レンズにおける、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4の材質は全てプラスチックであり、軽量で安価に作製可能である。
実施例1〜11の撮像レンズにおける条件式(1)〜(15)に対応する値を表34に示す。実施例1〜11では、d線を基準波長としており、表34にはこの基準波長における各値を示す。
Figure 0005486408
上記実施例1〜11にかかる撮像レンズの各収差図をそれぞれ、図13(A)〜図13(I)、図14(A)〜図14(I)、図15(A)〜図15(I)、図16(A)〜図16(I)、図17(A)〜図17(I)、図18(A)〜図18(I)、図19(A)〜図19(I)、図20(A)〜図20(I)、図21(A)〜図21(I)、図22(A)〜図22(I)、図23(A)〜図23(I)に示す。
ここでは、実施例1の収差図を例にとり説明するが、他の実施例の収差図についても同様である。図13(A)、図13(B)、図13(C)、図13(D)のそれぞれに、実施例1にかかる撮像レンズの球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)の収差図を示し、図13(E)〜図13(G)にタンジェンシャル方向の各画角の横収差を示し、図13(H)、図13(I)にサジタル方向の各画角の横収差を示す。
球面収差図のFno.はF値を意味し、その他の収差図のωは半画角を意味する。ディストーションの図は、全系の焦点距離f、画角φ(変数扱い、0≦φ≦ω)を用いて、理想像高をf×tan(φ)とし、それからのずれ量を示す。横収差図では同じ半画角におけるタンジェンシャル方向、サジタル方向の収差図を水平方向に並べて図示している。ω=0°の光軸上においてはタンジェンシャル方向の横収差とサジタル方向の横収差は同じであるので、光軸上のサジタル方向の横収差の図は省略してある。各収差図には、d線(587.56nm)を基準波長とした収差を示すが、球面収差図および倍率の色収差図には、F線(波長486.13nm)、C線(波長656.27nm)についての収差も示す。
以上のデータからわかるように、実施例1〜11の撮像レンズは、4枚という少ないレンズ枚数で構成され、小型で安価に作製可能である上、Fナンバーが2.0〜2.8と小さく、全画角が149°〜184°と広い画角を達成しつつ、第1レンズL1の物体側の有効径が12mm以下であり外部に露出する部分が小さく構成されており、諸収差が良好に補正されて良好な光学性能を有する。これらの撮像レンズは、監視カメラや、自動車の前方、側方、後方などの映像を撮影するための車載用カメラ等に好適に使用可能である。
図24に使用例として、自動車100に本実施形態の撮像レンズを備えた撮像装置を搭載した様子を示す。図24において、自動車100は、その助手席側の側面の死角範囲を撮像するための車外カメラ101と、自動車100の後側の死角範囲を撮像するための車外カメラ102と、ルームミラーの背面に取り付けられ、ドライバーと同じ視野範囲を撮影するための車内カメラ103とを備えている。車外カメラ101と車外カメラ102と車内カメラ103とは、本発明の実施形態にかかる撮像装置であり、本発明の実施形態にかかる撮像レンズと、該撮像レンズにより形成される光学像を電気信号に変換する撮像素子とを備えている。
本発明の実施形態にかかる撮像レンズは、上述した長所を有するものであるから、車外カメラ101、102および車内カメラ103は、車の外観を損ねることはなく、小型で安価に構成でき、広い画角を有し、良好な映像を得ることができる。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
また、撮像装置の実施形態では、本発明を車載用カメラに適用した例について図を示して説明したが、本発明はこの用途に限定されるものではなく、例えば、携帯端末用カメラや監視カメラ等にも適用可能である。
1 撮像レンズ
2 軸上光束
3、4 軸外光束
5 撮像素子
6 光線
11、12 遮光手段
100 自動車
101、102 車外カメラ
103 車内カメラ
Pim 結像位置
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
PP 光学部材
Sim 像面
St 開口絞り
Z 光軸

Claims (11)

  1. 物体側から順に、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負の第1レンズと、像側に凹面を向けたメニスカス形状であり、少なくとも一方の面が非球面である負の第2レンズと、少なくとも一方の面が非球面である正の第3レンズと、絞りと、少なくとも一方の面が非球面である正の第4レンズとからなり
    全系の焦点距離をfとし、前記第2レンズの焦点距離をf2とし、第2レンズの中心厚をD3としたとき、下記条件式(1)、(12)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    f2/f<−4.5 … (1)
    0.7<D3/f<1.3 … (12)
  2. 記第1レンズの物体側の面の有効径をED1とし、前記第1レンズの中心厚をD1としたとき、下記条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
    4.0<ED1/D1<15.0 … (2)
  3. 前記第2レンズの物体側の面は、有効径端が、面と光軸の交点と比較して像側にあるように構成され、前記有効径端から光軸におろした垂線と光軸の交点と面の中心との光軸方向の距離をDX3としたとき、下記条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1または2記載の撮像レンズ。
    DX3≧0.5mm … (3)
  4. 全系の焦点距離をfとし、前記第2レンズの物体側の面の有効径端における面の法線と光軸との交点から該有効径端までの距離をRX3としたとき、下記条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の撮像レンズ。
    2.5<|RX3|/f … (4)
  5. 全系の焦点距離をfとし、前記第2レンズの物体側の面の中心での曲率半径をR3としたとき、下記条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の撮像レンズ。
    0.7<R3/f<4.0 … (5)
  6. 全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズの物体側の面から像面までの光軸方向の距離をLとしたとき、下記条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の撮像レンズ。
    7.5<L/f<13.0 … (6)
  7. 全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズの焦点距離をf1としたとき、下記条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の撮像レンズ。
    −8.0<f1/f<−3.0 … (7)
  8. 全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズと前記第2レンズの光軸上の空気間隔をD2としたとき、下記条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の撮像レンズ。
    0.3<D2/f<2.0 … (8)
  9. 全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズと前記第2レンズの合成焦点距離をf12としたとき、下記条件式(9)を満足することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載の撮像レンズ。
    −3.5<f12/f<−0.7 … (9)
  10. 全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズの物体側の面の曲率半径をR1としたとき、下記条件式(10)を満足することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載の撮像レンズ。
    15<R1/f<30 … (10)
  11. 請求項1から10のいずれか一項記載の撮像レンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
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