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JP5473940B2 - 官能化重合体並びに製造及び使用方法 - Google Patents

官能化重合体並びに製造及び使用方法 Download PDF

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Description

(背景情報)
タイヤトレッド等のゴム製品は、例えば、粒状カーボンブラック及びシリカ等の1種以上の補強材を含むエラストマー組成物から作製されることが多い。例えば、「バンダービルドラバーハンドブック(The Vanderbilt Rubber Handbook)」,第13版,1999年,pp.603-04(非特許文献1)を参照されたい。
タイヤトレッドでは、優れた牽引力及び耐摩耗性が第一の考慮すべき事項であるが、自動車の燃料効率の関係は、タイヤ転動時のヒステリシス及び発熱性の低減と相関する転がり抵抗の最小化について論じられている。不幸にも、優れた路上牽引力を与えるように設計された組成物から作製されたトレッドは、通常、転がり抵抗の増大を示す。
典型的には、これらの特性の許容可能な妥協点やバランスをもたらすように、1又は複数の充填材、1又は複数の重合体及び添加剤が選択される。エラストマー材中にわたって、1又は複数の補強性充填材が良好に分散するのを確保することは、加工性を向上させるとともに、物理的性質を向上させるように作用する。充填材の分散は、エラストマーとの相互作用を増大させることにより、改善することができる。この種の試みの例としては、選択的反応性促進剤の存在下での高温混合、配合材の表面酸化、表面グラフト化、及び重合体、典型的にはその末端での化学的修飾が挙げられる。
種々のエラストマー材料が、多くの場合、例えば、タイヤ構成部材などの加硫物の製造に使用される.天然ゴムに加えて、もっともよく使用されているもののいくつかには、多くの場合、触媒を使用するプロセスによって作製される高シスポリジエン、多くの場合、アニオン性開始剤を使用するプロセスによって作製されるスチレン/ブタジエン共重合体(interpolymer)がある。高シスポリジエンに組み込むことができる官能性は、多くの場合、アニオン的に開始されたスチレン/ブタジエン共重合体に組み込むことができず、逆もまた同様である。
ランタニド・ベースの触媒で製造されたシス−1,4−ポリジエンは、多くの場合、向上した引張り性質、向上した耐摩耗性及び耐疲労性,並びにヒステリシスロスの減少をもたらすと考えられる直線状の構造を有する。したがって、そのようなシス−1,4−ポリジエンは、サイドウォール及びトレッドなどのタイヤ構成部材に使用するのに適している。
「バンダービルドラバーハンドブック(The Vanderbilt Rubber Handbook)」,第13版,1999年,pp.603-04
一態様において、ジシリルアミノ基を有する末端部分を有する重合体が提供される。末端部分は、1又は複数のジシリルアミノ基に加えて少なくとも1つのヘテロ原子を有する基を含む化合物のラジカルであってもよい。特定の実施態様において、末端部分は、下記式
Figure 0005473940
(式中、各Rは、独立して、水素原子又は置換もしくは非置換の一価の有機(例えば、ヒドロカルビル)基であり、R1は、限定されないが、ヒドロカルビレン基などの置換もしくは非置換の二価の有機基であり、Jは、O又はSであり、各R′は、独立して、Rであるか、又は両方のR′基が、ジシリルアミノ基の2つのSi原子及びN原子と共に環状の官能部を構成する置換もしくは非置換の二価の有機基を共に形成する)を有することができる。
別の態様において、末端に活性のある(例えば、カルボアニオン又は疑似リビング)重合体鎖の反応生成物と、ジシリルアミノ基、及び例えば、(チオ)ケト基又はエポキシ(もしくはS類似体、すなわち、エピチオ)基などの末端に活性のある重合体と反応することができる基の両方を有する化合物を含む官能化重合体が提供される。この種の官能重合体を製造するのに有用な方法も提供される。特定の実施態様において、重合体と反応する化合物(本明細書において「反応性化合物」とも称される)は、下記式
Figure 0005473940
(R、R′及びR1は、上記で定義した通りであり、Qは、末端に活性のある重合体と反応することができるヘテロ原子含有基であり、特定の実施態様において、Qは、下記式
Figure 0005473940
又は
Figure 0005473940
(式中、R及びJは、上記で定義した通りである)を有することができる)によって定義される構造を有することができる。
更なる態様において、下記式
Figure 0005473940
(式中、{p}は、重合体鎖を表し、R、R′、R1、及びJは、上記で定義した通りである)によって定義される高分子が提供される。
どのように特徴付けたかにかかわらず、重合体は、例えば、カーボンブラック及びシリカなどの粒状充填材と相互作用することができる。粒状充填材及びそのような重合体を有する加硫物を含む組成物も提供され、同様に、そのような組成物を提供し、使用する方法も提供される。
これらのいずれの態様又は各々において、重合体は、直接結合した芳香族ペンダント基を含むことができ、実質的に直線状であってもよく、かつ/又は重合体鎖内の及び/又は重合体鎖から懸垂した不飽和を含むことができる。この不飽和は、ポリエン・マー単位の組み込みから生じ得、好ましくは、重合体鎖に沿って実質的にランダムである。
以下に続く多種の実施形態の記載から、本発明の他の態様は、当業者に明らかである。かかる記載の理解を助けるために、特定の定義を直下に記載する。周囲の文章が明らかに反対の意図を示さない限り、これらの定義が全体に適用される。
「重合体」とは、1又は複数のモノマーの重合生成物を意味し、単独重合体、二元共重合体、三元共重合体、四元共重合体などを含み、
「高分子」とは、その構造内に、2又は3以上の重合体鎖を含む化学物質を意味し、
「マー」又は「マー単位」は、単一の反応体分子から誘導される重合体部分(例えば、エチレン・マーが、一般式−CHCH−を有する)を意味し、
「二元共重合体」とは、2つの反応体、典型的にはモノマーに由来するマー単位を含む重合体を意味し、ランダム、ブロック、セグメント化、グラフトなどの共重合体を含み、
「共重合体」とは、少なくとも二つの反応体、典型的には単量体から誘導される単量体単位を含む重合体を意味し、二元共重合体、三元共重合体、四元共重合体及び同類のものを含めたものであり、
「(チオ)ケト」とは、ケト又はチオケトを意味し、
「置換」とは、対象となる基の本来の目的の妨げとならないヘテロ原子又は官能部(例えば、ヒドロカルビル基)を含有するものを意味し、
「直接結合した」とは、原子又は基を介在又は挿入しないで、共有結合したことを意味し、
「ポリエン」とは、分子の最も長い部分又は鎖に位置した少なくとも二つの二重結合を有する分子を意味し、特にジエン、トリエン及び同類のものを含めたものであり、
「ポリジエン」とは、1又は複数のジエン由来のマー単位を含む重合体を意味し、
「phr」とは、ゴム100質量部(pbw)当たりのpbwを意味し、
「ラジカル」は、反応の結果としていずれかの原子を得るか失うかにかかわらず、他の分子と反応した後に残存する分子の部分を意味し、
「非配位アニオン」とは、立体障害ゆえに例えば触媒系の活性中心と配位結合を形成しない立体的に嵩高いアニオンを意味し、
「非配位アニオン前駆体」とは、反応条件の下で非配位アニオンを形成できる化合物を意味し、
「末端」は、重合体鎖の末端を意味し、
「末端部分」は、末端に位置した基又は官能部を意味する。
本明細書全体にわたって、周囲の文章が明らかに反対の意図を示さない限り、百分率の形で与えられた全数値は、重量百分率である。
上記で要約した官能化高分子材料は、少なくとも1つのジシリルアミノ基及び末端に活性のある重合体と反応することが可能な基を有する少なくとも1つの化合物(以下、「官能化剤」)を導入することによって提供できる。重合体鎖に対する1又は複数の官能化剤のモル比を調整して、官能化重合体の量を制御することができるが、完全な又はほぼ完全な官能化を達成するために、過剰の1又は複数の官能化剤を、典型的には使用する。
重合体は、エラストマーであってもよく、ポリエン、特にジエン及びトリエン由来のものなどの不飽和を含むマー単位を含むことができる。ポリエンの例としては、C−C12ジエン、特に、限定されないが、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、及び同類のものなどの共役ジエンが挙げられる。
意図した最終用途に応じて、1又は複数の重合体鎖は、例えば、ビニル芳香族マー、特にスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、及び同類のものなどのC−C20ビニル芳香族の組み込みによってもたらすことができるペンダント芳香族基を含むことができる。1又は複数のポリエンと共に使用する場合、ペンダント芳香族性を有するマー単位は、総マー含有量に基づいた、重合体鎖の約1〜約50%、約10〜約45%、又は約20〜約35%を構成することができ、そのような共重合体のミクロ構造は、ランダムであり得る、すなわち、それぞれの種類の構成モノマーから誘導されるマー単位がブロックを形成せず、その代わりに、基本的に繰り返しのないように組み込まれる。ランダムのミクロ構造は、例えば、タイヤトレッドの製造に用いるゴム組成物等のいくつかの最終用途に特別な利点を与えることができる。
エラストマーの例としては、例えばSBRとしても知られるポリ(スチレン−co−ブタジエン)等の一種又は複数のポリエンとスチレンの共重合体が挙げられる。
ポリエンは、一以上の方法で重合体鎖に組み込むことができる。特にタイヤトレッドの用途では、この組み込みの方法を制御することが望ましい場合がある。総ポリエン含有量に基づいた数値の百分率として与えられる約10〜約80%、任意選択的には約25〜約65%の全体の1,2−ミクロ構造を有する重合体鎖が、特定の最終用途に望ましい場合がある。総ポリエン含有量に基づき、約50%以下、好ましくは約45%以下、より好ましくは約40%以下、更に好ましくは約35%以下、最も好ましくは約30%以下の全体の1,2−ミクロ構造を有する重合体は、実質的に線状であるとみなされる。特定の最終使用用途には、1,2−結合含有量をさらに低く、例えば、約7%未満、5%未満、2%未満、又は1%未満に保つことが望ましい場合がある。
ムーニー粘度(ML /100℃)は、約2〜約150、より通常には約2.5〜約125、更により通常には約5〜約100、最も通常には約10〜約75が好ましい。
前記種類の重合体は、乳化重合又は溶液重合によって製造することができ、後者は、ランダム性、ミクロ構造等の特性に関してより高度な制御を与える。溶液重合は、20世紀半ば頃から実施されており、それ故に、その一般的な態様が当業者に知られているが、参照の便宜上、特定の態様をここに記載する。
望ましい重合体の性質に応じて,溶液重合の特定の条件を大きく変化させることができる。以下に続く議論において、アニオン的に開始された(リビング)重合を最初に説明し、続いて、配位触媒(疑似リビング)重合について説明する。これらの説明の後、官能化及びそのように作製された重合体の加工について説明する。
溶液重合は、一般に、開始剤を伴う。例示的な開始剤としては、有機リチウム化合物、特にアルキルリチウム化合物が挙げられる。有機リチウム開始剤の例としては、N-リチオ-ヘキサメチレンイミン、n-ブチルリチウム、トリブチルスズリチウム、ジメチルアミノリチウム、ジエチルアミノリチウム、ジプロピルアミノリチウム、ジブチルアミノリチウム及び同類のもの等のジアルキルアミノリチウム化合物、ジエチルアミノプロピルリチウム等のジアルキルアミノアルキルリチウム化合物、並びにC〜C12、好ましくはC〜Cアルキル基を含むそれらのトリアルキルスタニルリチウム化合物が挙げられる。
多官能開始剤、即ち二つ以上のリビング末端を有する重合体を形成可能な開始剤を用いることもできる。多官能開始剤の例としては、制限されるものではないが、1,4−ジリチオブタン、1,10−ジリチオデカン、1,20−ジリチオエイコサン、1,4−ジリチオベンゼン、1,4−ジリチオナフタレン、1,10−ジリチオアントラセン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、1,3,5−トリリチオペンタン、1,5,15−トリリチオエイコサン、1,3,5−トリリチオシクロヘキサン、1,3,5,8−テトラリチオデカン、1,5,10,20−テトラリチオエイコサン、1,2,4,6−テトラリチオシクロヘキサン及び4,4´−ジリチオビフェニルが挙げられる。
また、有機リチウム開始剤に加えて、いわゆる官能化開始剤を用いることができる。かかる開始剤は重合体鎖に組み込まれ、鎖の開始された末端に官能基を与える。かかる物質の例としては、リチオ化アリールチオアセタール(例えば、米国特許第7,153,919号参照)及び有機リチウム化合物の反応生成物、例えば、任意にジイソプロペニルベンゼン等の化合物と予備反応した、置換したアルジミン、ケチミン、第2級アミン等のN−含有有機化合物が挙げられる(例えば、米国特許第5,153,159号及び第5,567,815号参照)。
有用なアニオン重合溶媒としては、種々のC〜C12環式及び非環式アルカン、並びにそれらのアルキル化誘導体、特定の液状芳香族化合物、並びにそれらの混合物が挙げられる。当業者は、他の有用な溶媒の選択及び組み合わせを知っている。
溶液重合では、重合成分中に調整剤、通常、極性化合物を含むことにより、ランダム化及びビニル含有量(即ち、1,2−ミクロ構造)の両方を増大させることができる。開始剤1当量当たり90当量以上までの調整剤を使用することができ、その量は、例えば、所望のビニル含有量、使用される非ポリエン単量体のレベル、反応温度及び用いる特定の調整剤の性質によって決まる。調整剤として有用な化合物としては、非結合電子対を有するヘテロ原子(例えば、O又はN)を含む有機化合物が挙げられる。例としては、モノ及びオリゴアルキレングリコールのジアルキルエーテル、クラウンエーテル、テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミン、THF、THFオリゴマー、2,2’−ビス(2’−テトラヒドロフリル)プロパン等の直線状及び環状のオリゴマーのオキソラニルアルカン(例えば、米国特許第4,429,091号参照)、ジピペリジルエタン、ヘキサメチルホスホラミド、N,N’−ジメチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン、ジエチルエーテル、トリブチルアミン及び同類のものが挙げられる。
当業者が、溶液重合に典型的に使用される条件を理解するが、参照を容易にするために、代表的な説明を提供する。下記に示すものは、バッチ法に基づくものであるが、この記載を、例えば、半バッチ法又は連続法にまで拡張することは、当業者の能力の範囲内である。
溶液重合は、一般に、適した反応容器に一つ又は複数の単量体と溶媒のブレンドを装填した後に、溶液又はブレンドの一環としてしばしば添加される調整剤(使用する場合)及び開始剤の添加により開始し、或いは、一つ又は複数の単量体と調整剤を開始剤に添加することができる。手順は、一般に、無水で嫌気の条件下で行われる。反応体を約150℃まで加熱して、攪拌することができる。望ましい程度の転化が達成された後に熱源(使用する場合)を除去することができ、また、反応容器が単に重合のために用意されたものである場合には、その反応混合物を官能化及び/又は失活用の重合後の容器に移動する。
概して、アニオン技術によって製造した重合体は、約50,000〜約500,000ダルトンの数平均分子量(M)を有するが、特定の実施態様において、数平均分子量は、約75,000〜約250,000ダルトン又は約90,000〜約150,000ダルトンの範囲内であってもよい。
特定の最終用途は、アニオン(リビング)重合によって達成することが困難又は非効率的となり得る特性を有する重合体を求める。例えば、一部の用途では、高いシス−1,4−結合含有量を有する共役ジエン重合体が望ましい場合がある。かかるポリジエンは、触媒(リビング重合で採用された開始剤に対し)を使用する方法によって調製でき、擬リビング特性を呈してもよい。
一部の触媒系は、優先的にシス−1,4−ポリジエンをもたらすが、他の触媒系は、優先的にトランス−1,4−ポリジエンをもたらす。当業者は各種類の例に精通している。この説明の残りは、特定のシス−特異的触媒系に基づくが、これは単に例示のためであり、官能化方法及び化合物を制限するとみなすものではない。
例示的な配位触媒系は、共役ジエン単量体の重合に有用であると知られているランタニド金属を使用することができる。具体的には、ランタニド化合物を含む触媒系を、一種類以上の共役ジエンからシス−1,4−ポリジエンを提供するのに使用できる。
好適なランタニド系触媒組成物は、米国特許第6,699,813号中及び該文献にて引用された特許文献に詳細に記載されている。「触媒組成物」という用語は、成分の単純な混合物、引力の物理的又は化学的な力によって引き起こされる種々の成分の複合体、成分の一部もしくはすべての化学的反応生成物、又は前記のものの組み合わせを包含することを意図したものである。参照を簡便簡潔にするため、凝縮した記載を本明細書中に示す。
ランタニド触媒組成物の例としては、(a)ランタニド化合物、アルキル化剤及びハロゲン含有化合物(しかしながら、ハロゲン含有化合物の使用は、ランタニド化合物及び/又はアルキル化剤がハロゲン原子を含有する場合には任意である)、(b)ランタニド化合物及びアルミノキサン、又は、(c)ランタニド化合物、アルキル化剤及び非配位アニオン又はその前駆体が挙げられる。
種々のランタニド化合物又はそれらの混合物が使用できる。これらの化合物は、好ましくは、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、(ジ)エチルベンゼン、メシチレン、及び同類のもの、直線状及び分岐状のC〜C10アルカン、石油エーテル、ケロシン、ペトロリウム・スピリット、及び同類のものなどの脂肪族炭化水素、又はシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、及び同類のものなどの脂環式炭化水素などの炭化水素溶媒に可溶であるが、炭化水素不溶のランタニド化合物は、重合媒体に懸濁できる。好ましいランタニド化合物としては、少なくとも一つのNd、LaもしくはSm原子を含むものまたはジジムを含むもの(モナズ砂から得られた希土類元素の市販の混合物)が挙げられる。ランタニド化合物中の単数又は複数のランタニド原子は、多くの酸化状態のいずれであってもよいが、+3酸化状態のランタニド原子を有する化合物が典型的には使用される。好適なランタニド化合物の例としては、カルボン酸塩、有機リン酸塩、有機ホスホン酸塩、有機ホスフィン酸塩、キサントゲン酸塩、カルバミン酸塩、ジチオカルバミン酸塩、β−ジケトナート、アルコキシド、アリールオキシド、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、オキシハライド及び同類のものが挙げられる。ランタニド化合物のこれらの種類のそれぞれの多数の例を、米国特許第6,699,813号で見出すことができる。
典型的には、ランタニド化合物は一以上のアルキル化剤、すなわち、ヒドロカルビル基を他の金属に移動できる有機金属化合物とともに使用される。かかる薬剤は、典型的には1、2及び3属金属などの電気陽性な金属の有機金属化合物である。アルキル化剤の例としては、有機アルミニウム化合物及び有機マグネシウム化合物が挙げられる。前者には、(1)下記一般式AlR 3−n[式中、nは1〜3の整数であり、各Rは独立してC原子を介してAl原子と結合する一価の有機基(N、O、B、Si、S、P等のヘテロ原子を含んでもよい)であり、各Xは独立して水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキシド基又はアリールオキシド基である]を有する化合物、(2)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を水と反応を反応させることによって作製できる直鎖又は環状のオリゴマー状アルミノキサンが挙げられる。後者には、下記一般式MgR 2−y[式中、Xは上記定義どおりであり、yは1〜2の整数であり、Rは各一価の有機基がC原子を介してMg原子と結合する以外はRと同様である]を有する化合物が挙げられる。
一部の触媒組成物は一以上の不安定なハロゲン原子を有する化合物を含むことができる。好ましくは、ハロゲン含有化合物は、ランタニド化合物に関して上述したものなどの炭化水素溶媒に可溶であるが、炭化水素に溶解しない化合物は重合媒体中に懸濁できる。有用なハロゲン含有化合物としては、ハロゲン元素、混合ハロゲン、ハロゲン化水素、有機ハロゲン化物、無機ハロゲン化物、金属ハロゲン化物、有機金属ハロゲン化物及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
他の触媒組成物は、非配位アニオン又は非配位アニオン前駆体を含む。非配位アニオンの例としては、テトラアリールホウ酸アニオン、 特にはフッ素化されたテトラアリールホウ酸アニオン、並びに非配位アニオン及び対カチオンを含有するイオン性化合物(例えば、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩)が挙げられる。非配位アニオン前駆体の例としては、強い電子吸引性基を含有するホウ素化合物が挙げられる。
この種の触媒組成物は、広範な濃度及び比率にわたり共役ジエンが立体特異的ポリジエンへと重合するのに非常に高い触媒活性を有するが、最も望ましい特性を有する重合体は、典型的には成分の濃度及び比率の比較的狭い範囲を使用する系から得られる。更に、触媒成分は、活性触媒種を形成するように相互作用すると考えられており、それ故に、各成分の最適な濃度は他の成分の濃度に依存しうる。以下のモル比率は、前述の成分に基づく多種の異なる系に対して比較的適例と考えられる。
ランタニド化合物に対するアルキル化剤(アルキル化剤/Ln)は、約1:1〜約200:1、好適には約2:1〜約100:1、より好適には約5:1〜約50:1であり、
ランタニド化合物に対するハロゲン含有化合物(ハロゲン原子/Ln)は、約1:2〜約20:1、好適には約1:1〜約10:1、より好適には約2:1〜約6:1であり、
ランタニド化合物に対するアルミノキサン、特にランタニド化合物中のランタニド原子当量に対するアルミノキサン上のアルミニウム原子当量(Al/Ln)は、約50:1〜約50,000:1、好適には約75:1〜約30,000:1、より好適には約100:1〜約1,000:1であり、
ランタニド化合物に対する非配位アニオン又は前駆体(An/Ln)は、約1:2〜約20:1,好適には約3:4〜約10:1、より好適には約1:1〜約6:1である。
ランタニド系触媒を用いて製造されたポリジエンの分子量は、触媒系内の使用した触媒量及び/又は共触媒濃度量を調整することで制御でき、幅広い範囲の分子量を有するポリジエンをこのようにして製造できる。一般に、触媒及び共触媒の濃度を増加させると、得られるポリジエンの分子量は低下するが、極低分子量のポリジエン(例えば、液状ポリジエン)は、極めて高い触媒濃度を必要とする。
ランタニド系触媒組成物へ一以上のNi含有化合物を含めることは、有利なことに、触媒活性及び重合体ミクロ構造へ重大な負の影響を与えることなく、得られたポリジエンの分子量を容易に制御できる。上記で示したものなどの炭化水素溶媒に可溶なものを優先して、多種のNiを含有する化合物又はその混合物を採用できる。Ni含有化合物は、好ましくは、上述したものなどの炭化水素溶媒に可溶であるが、炭化水素に溶解しないNi含有化合物は、重合媒体中に懸濁して、触媒活性種を形成できる.
Ni含有化合物中のNi原子は、0、+2、+3、及び+4酸化状態を含め酸化状態数がいくつでもよいが、Ni原子が+2酸化状態である二価Ni化合物が一般的に好ましい。Ni化合物の例としては、カルボン酸塩、有機リン酸塩、有機ホスホン酸塩、有機ホスフィン酸塩、キサントゲン酸塩、カルバミン酸塩、ジチオカルバミン酸塩、β−ジケトナート、アルコキシド、アリールオキシド、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、オキシハライド、有機ニッケル化合物(すなわち、例えば、ニッケロセン、デカメチルニッケロセンなどの少なくとも一つのC−Ni結合を有する化合物)等が挙げられる。
ランタニド化合物に対するNi含有化合物物のモル比率(Ni/Ln)は、一般的に約1:1000〜約1:1、好適には約1:200〜約1:2及びより好適には約1:100〜約1:5の範囲に及ぶ。
かかる種類の触媒組成物は、下記方法を使用して形成できる。
(1)インサイチュ 触媒成分を、単量体及び溶媒(又は単にバルク単量体)を含有する溶液に添加する。添加は段階的又は一斉に行ってもよい。後者の場合、アルキル化剤を好適には最初に添加し、順次ランタニド化合物、ニッケル含有化合物(使用する場合)および(使用する場合)ハロゲン含有化合物又は非配位アニオン又は非配位アニオン前駆体が続く。
(2)予備混合 単数又は複数の共役ジエン単量体を導入する前に、成分を、重合系外で、一般に約−20℃〜80℃の温度で混合できる。
(3)単数又は複数の単量体の存在下での予備形成 触媒成分を、少量の単数又は複数の共役ジエン単量体の存在下、約−20℃〜80℃の温度で混合できる。共役ジエン単量体の量は、ランタニド化合物のモル当たり約1〜約500モル、好適には約5〜約250モル、より好適には約10〜約100モルの範囲に及ぶことができる。得られた触媒組成物を重合する単数又は複数の共役ジエン単量体の残分に添加する
(4)二段階法
(a)共役ジエン単量体の不在又は少量の共役ジエン単量体の存在下、アルキル化剤を、ランタニド化合物と約−20℃〜約80℃の温度で混合する。
(b)前述の混合物及び残存する構成成分を段階的又は一斉のいずれの方法で重合する単数又は複数の共役ジエン単量体の残分に投入する(使用する場合、Ni含有化合物はいずれの段階にも含めることができる)。
一以上の触媒成分の溶液を、前述の方法により重合系外で調製する場合、有機溶媒又はキャリヤーを好適には使用する。有用な有機溶媒としては、前述のものが挙げられる。
シス−1,4−ポリジエンの製造は、触媒的に効果的な量の触媒組成物の存在下での1つ又は複数の共役ジエン単量体の重合によってなされる。重合質量で使用される全触媒濃度は、成分の純度、重合温度、重合速度及び所望の転換率、所望の分子量並びに多くの他の要因などの多種の要因との相互作用に依存する。従って、個々の触媒成分の触媒的に効果的な量を使用すべきであると言う以外に、具体的な全触媒濃度を絶対的に示すことはできない。一般に使用されるランタニド化合物の量は、共役ジエン単量体100g当たり約0.01〜約2mmol、好適には約0.02〜約1mmol、より好適には約0.05〜約0.5mmolの範囲に及ぶ。他の全ての成分は、一般に、ランタニド化合物の量に基づいた量で添加される(前記で規定した多種の比率を参照)。
重合を、好適には有機溶媒中で、すなわち、単量体が凝縮相中にある溶液重合又は沈殿重合として実施する。触媒成分は、好適には有機液体内に溶解又は懸濁される。重合初期に重合媒体中に存在する単量体量(wt.%)は、一般的に、約3〜約80%、好適には約5〜約50%及びより好適には約10%から約30%の範囲に及ぶ(また、重合は、凝縮液相中又は気相中のいずれかで行われるバルク重合手段によっても実施できる)。
バッチ、連続又は半連続方法のいずれを採用するかに関わらず、重合は、好適には、中程度から激しく撹拌して、N、Ar又はHeなどの不活性保護気体により提供される無酸素条件下で行われる。重合温度は、広範囲に変更してもよいが、典型的には、約20℃〜約90℃の温度が採用され、熱を、外部冷却及び/又は単量体又は溶媒の蒸発による冷却によって除去できる。採用される重合圧力は、広範囲に変更してもよいが、典型的には約0.1〜約1MPaの圧力が採用される。
1,3−ブタジエンを重合する場合、シス−1,4−ポリブタジエンは、一般的に、ポリスチレン標準を用いたGPCによって決定された約5,000〜約200,000ダルトン、約25,000〜約150,000ダルトン又は約50,000〜約120,000ダルトンのMを有する。重合体の多分散は、一般的に、約1.5〜約5.0、典型的には約2.0〜約4.0の範囲に及ぶ。
得られたポリジエンは、好適には、少なくとも約60%、少なくとも約75%、少なくとも約90%及び更に少なくとも約95%のシス−1,4−結合含有量を有し、約7%未満、約5%未満、約2%未満、約1%未満の1,2−結合含有量を有し得る。
記載した重合プロセスの両方とも、好都合に、官能化重合体をもたらすように、1又は複数の官能化剤と更に反応することができる活性(リビング又は疑似リビング)末端を持つ重合体鎖をもたらす。上記のように、官能化によって、ゴム配合物中での重合体と粒状充填材との間の相互作用を増大させ、それによって、加硫物の機械的及び動的性質を向上させることができる。
官能化剤は、概して、ジシリルアミノ基及び又は末端に活性のある重合体と反応することが可能なヘテロ原子含有基又は官能部を含み、かかる基の制限されない例としては、(チオ)イソシアネート基、(チオ)アルデヒド基、イミン基、アミド基、トリヒドロカルビルイソシアヌレート基、(チオ)カルボン酸エステル基およびその塩の基、無水カルボン酸基及び酸ハロゲン化物の基、炭酸のジヒドロカルビルエステル、(チオ)ケト基、エポキシ基およびエピチオ基が挙げられる。これらの化合物の特定の具体例としては、式(II)(式中、各R′が独立してRであってもよいか、又は、これとは別に、両方のR′基が、ジシリルアミノ基の2つのSi原子およびN原子と共に、環状の官能部を構成する置換もしくは非置換の二価の有機基を共に形成することができる)において上記に示されるものがあり、これらの可能性の第2のものは以下の構造:
Figure 0005473940
によって表わすことができる。
式(II)によって定義される好ましい化合物としては、Qが、JがOである式(II−a)において定義されるものがある。かかる基の中でも、好ましい一部のものとしては、Rがフェニレン基である化合物がある。この好ましい一部の化合物の具体例としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノベンゾフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノベンゾフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノベンゾフェノン(以下、BTMSABと略す)、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノアセトフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノアセトフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノアセトフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノベンズアルデヒド、N,N−ビス(トリメチルシリル)−1−アミノアントラキノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノアントラキノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−6−アミノフラボン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−7−アミノフラボン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−1−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノクマリン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−7−アミノ−2−メチルクロモン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−7−アミノ−4−メチルクマリン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−1,2−ジアミノアントラキノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−1,4−ジアミノアントラキノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−1,5−ジアミノアントラキノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−2,6−ジアミノアントラキノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−1,3−ジアミノアセトン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−2,2′−ジアミノベンゾフェノン(以下、TTMSDABと略す)、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−3,3′−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−2,3−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−2,4−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−3,4−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−2,7−ジアミノ−9−フルオレノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−1,4−ジアミノアントラキノン、N,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−1,8−ジアミノアントラキノン、及びN,N,N′,N′−テトラキス(トリメチルシリル)−1,4−ジアミノアントラキノンが挙げられる。
式(II)によって定義される他の好ましい化合物としては、Qが、JがOである式(II−b)において定義されるものがある。かかる基の中でも、好ましい一部のものとしては、RがC−Cアルキレン基である化合物がある。この好ましい一部の化合物の具体例は、N,N−ビス(トリメチルシリル)グリシジルアミン(以下、BTMSGAと略す)である。
単数又は複数のかかる官能化剤と末端反応性重合体との反応を、比較的迅速に(数分間〜数時間)、中程度の温度(例えば、0℃〜75℃)で単に混合することによって行うことができる。概して,ランタニド化合物の当たり約0.01〜約200モル,好ましくは約0.1〜約150モル,及びより好ましくは約0.25〜約75モルの官能化剤を使用する。望ましい場合,官能化反応を、重合容器で行うことができる。
この官能化反応によって、構造式(III)によって定義される有する高分子をもたらすことができ、該高分子は、重合体、特にカルボアニオン又は疑リビング重合体と、ジシリルアミノ基及び反応性重合体末端と反応することができるか、又は該末端に付加することができる少なくとも1つの官能部を含む化合物との反応生成物と記載することもできる。反応性重合体末端と反応することが可能な官能部の制限されない例としては、(チオ)ケト、エポキシ及びエピチオ基が挙げられる。特定の実施態様において、化合物は、1、2又は3以上の芳香族(例えば、フェニル)基を含有することもでき、これらの実施態様の特定のものにおいて、各芳香族基は、環のC原子の1つに結合している少なくとも1つのN原子を有することができ、特定の好ましい実施態様において、各N原子が、C−Cアルキル鎖を含有する基でシリル化されている。他の実施態様において、エポキシ又はエピチオ官能部が、C−Cアルキレン基を介してジシリルアミノ基に付着することができる。記載した種類の化合物は、概して、式(II)に示す構造に従って定義できる。
官能化反応後、失活剤を、重合体セメントに添加して、残りの反応性重合体鎖のいずれ及び触媒組成物を不活性化することができる。失活剤は、例えば、アルコール、カルボン酸、無機酸、水及び同類のものなどの1又は複数のプロトン性化合物であってもよい。抗酸化剤を失活剤の前に、失活剤と共に、又は失活剤の後に添加してもよい。使用する抗酸化剤の量は、重合体生成物の重量で約0.2〜約1%の範囲に及ぶことができる。
官能化重合体を、ドラム乾燥、押出機乾燥、真空乾燥又は同類のものなどの従来の技術によって、重合混合物から単離することができ、水、アルコール又は水蒸気、熱脱溶媒和等での凝固と組み合わせてもよい。凝固を行う場合、オーブン乾燥が望ましい場合がある。
官能化重合体は、とりわけ、カーボンブラック及びシリカなどの補強性充填材と配合した際に、特に有利な性質を示すことができる。該官能化重合体は、サイドウォール又はトレッドストック配合物に利用することができるか、又は、天然ゴム、及び/又は例えば、ポリエン由来のマー単位を含む一以上の単独重合体及び二元共重合体(例えば、ポリ(ブタジエン)、ポリ(イソプレン)及びブタジエン、イソプレン等を組み入れた二元共重合体等)、SBR、ブチルゴム、ネオプレン、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/ジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、シリコーンゴム、フルオロエラストマー、エチレン/アクリルゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、水素化ニトリルゴム、テトラフルオロエチレン/プロピレンゴム及び同類のものなどの非官能化合成ゴムを含む従来使用されているトレッドストックゴムのいずれとも混合できる。単数又は複数の官能化重合体を単数又は複数の従来のゴムと混合する場合、その量は、単数又は複数の従来のゴムが全ゴムのバランスを整えながら、全ゴムの約5〜約99%で変えることができる。最小量は、所望するヒステリシス低減度合いに大いに依存する。
エラストマー配合物は、典型的には、添加した単数又は複数の充填材の全体積をエラストマーストックの全体積で割ったものである、多くの場合約25%の体積分率で充填され、典型的な(組み合わせた)補強性充填材の量は約30〜約100phrであり、範囲の上限は、かかる充填材を使用した際に与えられる上昇した粘度をどれほど効果的に加工機器が扱うことができるかによって大きく定められる
有用な充填材として、種々の形態のカーボンブラックが挙げられ、該カーボンブラックとしては、限定されないが、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びランプブラックが挙げられる。より具体化的には、カーボンブラックの例としては、超耐摩耗性ファーネスブラック、高耐摩耗性ファーネスブラック、高速押出性ファーネスブラック、微粒子ファーネスブラック、準超耐摩耗性ファーネス(ISAF)ブラック、半補強性ファーネス(SRF)ブラック、中級作業性チャンネルブラック、難作業性チャンネルブラック及び導電性チャンネルブラック及びアセチレンブラックが挙げられ、これらの二以上の混合物も使用できる。少なくとも20m2/g、好適には少なくとも約35m2/gの表面積(EMSA)を有するカーボンブラックが好適である。表面積の値は、CTAB技術を用いたASTM D-1765によって決定できる。カーボンブラックは、ペレット化された形態でも、ペレット化されていない凝集した塊でもよいが、ペレット化されていないカーボンブラックが、特定の混合機に好適でありうる。
カーボンブラックの量は、約50phrまでであってもよく、約5〜約40phrが典型的である。
また、非晶質シリカ(SiO2)も充填材として利用できる。シリカは、水中での化学反応によって作られ、超微細球状粒子として沈殿させることから、一般に湿式法ケイ酸として分類される。これらの一次粒子は、強く会合して凝集体になり、該凝集体は、順にそれほど強くなく結合し凝集塊になる。「高分散性シリカ」は、解凝集し且つエラストマーマトリックスに分散するのに非常に十分な能力を有するいずれのシリカであり、薄片鏡検法により観測できる。
表面積は、異なるシリカの補強特性の信頼できる測定結果を与え、ブルナウアー(Brunauer)、エメット(Emmet)及びテラー(Teller)(「BET」)法(J.Am.Chem.Soc.,vol.60,p.309以下に記載)が、表面積を決定するのに認められた方法である。シリカのBET表面積は、概して、450m/g未満、通常は約32〜約400m/g又は約100〜約250m/g又は約150〜約220m/gである。
シリカ充填材(使用する場合)のpHは、一般に約5〜約7であるか、又はわずかに超えており、好ましくは約5.5〜約6.8である。
市販のシリカとしては、種々のグレードのHi−Sil(商標)粉末化及び粒状シリカ(PPGインダストリーズ社、ピッツバーグ、ペンシルバニア州)が挙げられる。市販のシリカの他の供給者としては、グレースダビソン社(ボルティモア、メリーランド州)、デグサ社(パーシッパニー、ニュージャージー州)、ロディアシリカシステムズ社(クランバリー、ニュージャージー州)及びJ.M.フーバー社(エジソン、ニュージャージー州)が挙げられる。
シリカは、約1〜約100phrの量で、好ましくは約5〜約80phrの量で使用できる。カーボンブラックと使用する場合、シリカの量を、約1phrと同程度まで減少させることができ、シリカの量を減少させた際、より少ない量の加工助剤を、もしあればシランを加えて使用できる。
シリカを使用する場合、単数又は複数のエラストマー中での良好な混合及び単数又は複数のエラストマーとの相互作用を確実にするように、シランなどのカップリング剤を、多くの場合添加する。一般に、添加されるシランの量は、エラストマー配合物中に存在するシリカ充填材の重量に対して約4〜20%の間の範囲である。
カップリング剤は、一般式A−T−Gを有することができ、式中、Aは、シリカ充填材の表面上の基(例えば、表面のシラノール基)と物理的及び/又は化学的に結合可能な官能基を表わし、Tは、炭化水素基の結合を表わし、Gは、エラストマーと結合可能な(例えば、硫黄含有結合を介して)官能基を表わす。かかるカップリング剤としては、オルガノシラン、特には多硫化アルコキシシラン(例えば、米国特許第3,873,489号、第3,978,103号、第3,997,581号、第4,002,594号、第5,580,919号、第5,583,245号、第5,663,396号、第5,684,171号、第5,684,172号、第5,696,197号等参照)又は上述のG及びA官能部を持つポリオルガノシロキサンが挙げられる。カップリング剤の例は、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドである。
加工助剤の添加により、使用するシランの量を低減することができる。加工助剤として使用される糖の脂肪酸エステルの記載については、例えば、米国特許第6,525,118号を参照されたい。加工助剤として有用な追加の充填材には、限定されないが、クレー(含水ケイ酸アルミニウム)、タルク(含水ケイ酸マグネシウム)及びマイカ等の鉱物充填材、並びに尿素及び硫酸ナトリウム等の非鉱物充填材が含まれる。好ましいマイカは、主としてアルミナ、シリカ及びカリを含むが、他の変形も使用できる。追加の充填材を、約40phrまでの量で、好ましくは約20phrまでの量で利用することができる
また、他の従来のゴム添加剤を加えることもできる。かかる添加剤としては、例えば、プロセスオイル、可塑剤、酸化防止剤及びオゾン亀裂防止剤等の劣化防止剤、硬化剤等が挙げられる。
全ての成分を、例えば、バンバリーミキサー又はブラベンダーミキサーなどの標準的な装置で混合できる。典型的には、混合は二以上の段階で行われる。第一段階(しばしばマスターバッチ段階と称される)中、混合は典型的に約120℃〜約130℃の温度で開始され、いわゆる落下温度、典型的には約165℃に達するまで上昇させる。
処方がシリカを含む場合、単数又は複数のシラン成分を別個に添加するため、別個のリミル(re−mill)段階が多くの場合使用される。本段階は、マスターバッチ段階で使用したのと同じであるが、多くの場合、やや低い温度、すなわち、約90℃から落下温度の約150℃までの傾斜する温度で多くの場合行われる。
補強されたゴム配合物を、通常、例えば、硫黄又は過酸化物系硬化システムなどの一以上の既知の加硫剤を約0.2〜約5phr用いて硬化する。適した加硫剤の一般的な開示について、関心ある読者には、カーク・オスマー(Kirk-Othmer),Encyclopedia of Chem. Tech.,第3版,(ワイリーインターサイエンス、ニューヨーク州、1982年),20巻,pp.365-468に載せられた総説等を薦める。加硫剤、促進剤等は、最終混合段階で添加する。望ましくないスコーチ及び/又は加硫の早期開始の機会を低減するため、本混合工程は、多くの場合より低い温度、例えば、約60℃〜約65℃で開始し、約105℃から約110℃より高くならない温度で行われる。
その後、配合された混合物を、いずれの多種の部材に形成する前に、シート状に加工し(例えば、圧延)、その後、典型的には、混合段階中で使用される最高温度よりも約5℃〜約15℃高い温度、最も通常には約170℃で加硫される。
下記に示す実施例は、読者に本発明の実施に有用となり得る詳細な条件及び材料を提供するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
例1:TTMSDAB
約5.1gの4,4′−ジアミノベンゾフェノン、10.7gのトリエチルアミン、及び10mLのトルエンを、氷浴で冷却した丸底反応フラスコ中で混合した。この混合物に、トルエン50mL中のトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート23.5gの溶液を一滴ずつ添加した。
得られた混合物を室温で2日間撹拌した後、トルエン及び未反応の試薬を真空下で除去した。残留物を100mL ヘキサンで抽出した。ヘキサン層を真空下40℃で蒸発させて、約11.0g(92%収率)の黄色固体を得た。
H NMRスペクトルのデータ(C、25℃、テトラメチルシラン基準)から、生成物の構造が、各R及びR′がメチル基であり、Rがフェニレン基であり、Qが、JがOであり、Rがジシリルアミノ基置換フェニレン基である式(II−a)で表わされる上記式(II)由来の構造に相当する
Figure 0005473940
であると確認した。
例2:BTMSAB
約12.0g 4−アミノベンゾフェノン、13.5g トリエチルアミン、及び15mL トルエン(15mL)を、氷浴で冷却した丸底反応フラスコ中で混合した。この混合物に、トルエン50mL中の29.7gのトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートの溶液を一滴ずつ添加した。
得られた混合物室温で2日間撹拌した後、トルエン及び未反応の試薬を真空下で除去した。残留物を、100mL シクロヘキサンで抽出した。ヘキサン層真空下50℃で蒸発させて、約19.3g(93%収率)の粘性の茶色がかった黄色液体を得た。
H NMRスペクトルのデータ(C、25℃、テトラメチルシラン基準)から、生成物の構造が、各R及びR’がメチル基であり、Rがフェニレン基であり、Qが、JがOであり、Rがフェニル基である式(II−a)で表わされる上記式(II)由来の構造に相当する
Figure 0005473940
であると確認した。
例3:BTMSGA
約10.4gのエピクロロヒドリン及び リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.0MTHF溶液112mLを、還流冷却器に連結したフラスコ中で混合した。混合物を加熱して、約1時間還流した。
真空下で蒸発させることによって、溶媒を反応混合物から除去した。残存する反応混合物を真空下で蒸留し、約12.1g(50%収率)の無色液体を得た。
H NMRスペクトルのデータ(C、25℃、テトラメチルシラン基準)から、生成物の構造が、各R及びR′がメチル基であり、Rがメチレン基であり、Qが、JがOであり、各RがHである式(II−b)で表わされる上記式(II)由来の構造に相当する
Figure 0005473940
であるとを確認した。
例4:シス−1,4−ポリブタジエン(未修飾)の合成
タービン撹拌器ブレードを備え付けた反応器に、1.403kgのヘキサン及びの1,3−ブタジエン20.6(重量)%のヘキサン溶液3.083kgを添加した。
行われた触媒を、4.32Mのメチルアルミノキサンのトルエン溶液7.35mL、1.66gの前記ブタジエン溶液、0.537Mのバーサチック酸ネオジムのシクロヘキサン溶液0.59mL、6.67mLのヘキサン中の1.0Mジイソブチルアルミニウムヒドリド、及び1.27mLの1.0Mヘキサン中のジエチルアルミニウムクロライドを混合することによって調製した。触媒を、反応器に充填する前に、約15分間熟成させた。
反応器のジャケットの温度を65℃に設定し、触媒添加から約53分間後、重合混合物を室温に冷却した。得られた重合体セメントを5gの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを含有するイソプロパノール12Lで凝固し、次にドラム乾燥した。
例5:第2のシス−1,4−ポリブタジエン(未修飾)の合成
下表にてにまとめられている反応体及び触媒成分の量を使用して、例4の工程を、基本的に繰り返した。
Figure 0005473940
触媒添加から約72分間後、重合混合物を室温に冷却した。例4と同様に、得られた重合体セメントを凝固し、ドラム乾燥した。
例4及び5のコントロール重合体の性質を以下の表3に示す。
例6〜9:修飾したシス−1,4−ポリブタジエン
例4の工程を基本的に繰り返した。反応器に、1.526kgのヘキサン及び1,3−ブタジエン18.8(重量)%のヘキサン溶液2.940kgを添加した。
実施した触媒を、例4に示す通りに調製し、熟成させた。
反応器のジャケット温度を65℃に設定し、触媒添加から約60分間後、重合混合物を室温に冷却した。
重合体セメントの一部を、4つのNパージした瓶に移し、異なる官能化物質と反応させた。詳細を下表に示す。
Figure 0005473940
各瓶を、約30分間、65℃に維持した水浴中で回転させた。各瓶中の重合体を、0.5g 2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを含有するイソプロパノール3Lで凝固し、次にドラム乾燥した。
これらの官能化重合体の性質も下記の表3にまとめる。
例10:BTMSGAで修飾したシス−1,4−ポリブタジエン
例4の工程を、基本的に繰り返した。反応器に1.512kgのヘキサン及び1,3−ブタジエン21.5(重量)%のヘキサン溶液2.954kgを添加した。
実施した触媒を例4に示す通りに調製し、熟成させた。
反応器のジャケット温度を65℃に設定し、触媒添加から約55分間後、重合混合物を室温に冷却した。
重合体セメントの一部435gを、Nパージした瓶に移し、5.26mLヘキサン中の0.463MのBTMSGA(例3)と反応させた。この瓶を、例6〜9のものと同様に処理した。
例4〜10で調製した重合体の性質を、以下の表形式で示す。ゴムのムーニー粘度(ML1+4)の値を、Monsanto(商標)ムーニー粘度計(ラージ・ローター)で、1分間の起動時間4分間の実行時間を用いて決定し、分子量を、ポリスチレン標準を用いるGPCで決定し、1,2−、シス1,4−、及びトランス1,4−結合含有量を、IRスペクトルの分析から決定した。
Figure 0005473940
例11〜13:スチレン/ブタジエン共重合体の合成
タービン撹拌器ブレードを備え付けた反応器に、5.100kg ヘキサン、1.278kg スチレン溶液(ヘキサン中33.0重量%)、及び1,3−ブタジエン22.0(重量)%のヘキサン溶液7.670kgを添加した。反応器に、11.98mLのn−ブチルリチウム溶液(ヘキサン中1.6M)及び3.95mLの2,2−ビス(2′−テトラヒドロフリル)プロパン溶液(ヘキサン中1.6M)を充填した。反応器のジャケットを加熱し、バッチ温度が50℃に到達したら、反応器のジャケットを冷水で冷却した。
パージした瓶中で、重合体セメントの一部420gを0.3gの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを含有するイソプロパノール3mLで失活し、次に凝固させ(0.5gの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを含有するイソプロパノール約3L)、ドラム乾燥した。これを下表にて例11と特定する。
別のNパージした瓶中で、重合体セメントの一部416gを、約5.1mLヘキサン中の0.50MのBTMSGA(例3)と反応させた。瓶を、約30分間、50℃に維持した水浴中で回転させた。得られた混合物を前記と同様に凝固させ、ドラム乾燥した。これを、以下、例13と特定する。
以下の図2における第2のベースラインのデータの点を得るために、別の未修飾SBR(以下、例12と特定する)を調製した。タービン撹拌器ブレードを備え付けたより小さい反応器に、1.597kgのヘキサン、0.399kgのスチレン溶液(ヘキサン中34.0重量%)、及び1,3−ブタジエン22.3(重量)%のヘキサン溶液2.440kgを添加した。反応器に2.58mLのn−ブチルリチウム溶液(ヘキサン中1.6M)及び0.85mLの2,2−ビス(2′−テトラヒドロフリル)プロパン溶液(ヘキサン中1.6M)を充填した。反応器のジャケットを加熱し、バッチ温度が55℃に到達したら、反応器のジャケット冷水で冷却した。この重合体セメントを反応器から除去し、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを含有するイソプロパノール中で凝固させ、ドラム乾燥した。
Figure 0005473940
例14〜22: 加硫物の調製および試験
以下に示す処方を用いて、充填材入りの配合物を、例4−10のポリブタジエン及び例11〜13のスチレン/ブタジエン二元共重合体から調製した。量はphrで記載した。
Figure 0005473940
ムーニー粘度(ML1+4)値を、例14〜20(ポリブタジエン)については130℃で、例21−23(SBR)については100℃で、Alpha Technologies(商標)ムーニー粘度計(ラージ・ローター)で、1分間の起動時間及び4分間の実行時間を用いて決定した。
配合物のそれぞれから作製した加硫物を、約15分間、171℃で加硫した。引張り機械的特性を、ASTM−D412に記載されている手順を用いて決定した。ペイン効果(ΔG′)及びヒステリシス(tanδ)のデータを、表6に示す条件に従って行った動的歪掃引実験から得た。
Figure 0005473940
これらの加硫物の物理的性質を、以下の表6に示し、表6中、それぞれ、Tは、破断時引張強さであり、Eは、破断時伸びである。
Figure 0005473940
表7のデータは、特に、ジシリルアミノ基含有化合物で官能化したシス−1,4−ポリブタジエンを使用する配合物から作製した加硫物(例16、18及び20)が、未修飾シス−1,4−ポリブタジエンで作製したものと比較して、50℃におけるtanδの減少(ヒステリシスの減少を示す)及びΔG’の減少(重合体とカーボンブラック充填材との間の相互作用の増大によるペイン効果の減少を示す)をもたらすことを示す。例17及び19(比較)を、ジアルキルアミノ基含有化合物で官能化した重合体を用いて作製し、そのうちの1つは(例19)、未修飾重合体で作製した加硫物に対してヒステリシス及びペイン効果の減少を示さなかったが、他方(例17)は、ジシリルアミノ類似体によって達成したもの(例16)に対して、少ない程度だが、ヒステリシスの減少及びペイン効果の減少を示した。
SBR共重合体に関して、BTMSGAで修飾したSBR(例23)を使用する配合物から作製した加硫物は、非官能化SBRコントロール重合体を使用する配合物から作製した加硫物(例21−22)よりも、60℃における低いtanδ(ヒステリシスの減少を示す)及び低いΔG′(SBRとカーボンブラック充填材粒子との間のより強い相互作用力によるペイン効果の減少を示す)を示した。

Claims (5)

  1. 末端に活性のある重合体を、ジシリルアミノ基と、ケト、チオケト、エポキシ及びエピチオから選択される末端に活性のある重合体と反応することが可能な基とを含む化合物と反応させることを含み、前記重合体が、ジエン・マーを含む官能化重合体を提供する方法。
  2. 前記化合物が、1つより多くのジシリルアミノ基を含み前記1以上のジシリルアミノ基のそれぞれのN原子が、芳香族環のC原子に直接結合している請求項1記載の方法。
  3. ジエン・マーとジシリルアミノ基とヘテロ原子を含む基の残部とを有する末端部分とを含む重合体であって,前記重合体が、少なくとも95%のシス−1,4−結合含有量を有し、前記末端部分が、一般式
    Figure 0005473940
    (式中、各Rは、独立して、水素原子又は置換もしくは非置換の一価の有機基であり、R は、置換もしくは非置換の二価の有機基であり、Jは、O又はS原子であり、各R′は、独立して、Rであるか、又は両方のR′基が、ジシリルアミノ基の2つのSi原子及びN原子と共に環状の官能部を形成する置換もしくは非置換の二価の有機基を共に形成する)
    を有する重合体。
  4. 少なくとも1つの種類の充填材と請求項3記載の重合体とを含む加硫物。
  5. 請求項4記載の加硫物を含む物品。
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