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JP5471830B2 - 光変調装置の位置調整方法、光変調装置の位置調整量算出装置、及びプロジェクター - Google Patents

光変調装置の位置調整方法、光変調装置の位置調整量算出装置、及びプロジェクター Download PDF

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JP5471830B2 JP2010119042A JP2010119042A JP5471830B2 JP 5471830 B2 JP5471830 B2 JP 5471830B2 JP 2010119042 A JP2010119042 A JP 2010119042A JP 2010119042 A JP2010119042 A JP 2010119042A JP 5471830 B2 JP5471830 B2 JP 5471830B2
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Description

本発明は、光変調装置の位置調整方法、光変調装置の位置調整量算出装置、及びプロジェクター等に関する。
近年、投写型の画像表示装置としてのプロジェクターは、高画質化や低コスト化が進み、種々の場面で高品質な画像を表示することが求められている。そのため、例えば異なる色光にそれぞれ対応した複数の液晶パネル(光変調装置)を有する液晶プロジェクターでは、各色に対応する液晶パネルによる変調光により形成される画像がスクリーン(投射面)上で正確に重なるように、液晶パネルの取り付け位置を高精度に調整する必要がある。そこで、液晶パネル間の高精度な位置ずれ量を定量的に計測することが重要になっている。このような光変調装置の位置を調整する技術については、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1には、色毎に設けられた液晶パネルのうち、1つの液晶パネルの位置を基準に、他の液晶パネルの位置の定量的なずれ量を算出し、液晶パネルの位置を調整する技術が開示されている。ここで、ずれ量を定量化する方法として、テストパターンをカメラ(撮像装置)で撮影してカメラ座標におけるテストパターンの位置を算出し、2つの液晶パネルのそれぞれについて求めたテストパターンの位置の差をカメラ倍率で割った値を採用している。
また、特許文献2には、複数のプロジェクターによる投射画像をタイリングして表示する画像表示装置において、各プロジェクターの画像が滑らかに連結するように重畳領域の幾何学補正を行う技術が開示されている。このとき、幾何学補正の補正パラメーターを決定するために、カメラを用いて2つのプロジェクターの位置の対応関係を特定する。この対応関係を測定するために、まず、第1のプロジェクターで表示した3つの特徴点(画素等)(特許文献2の段落0038を参照)をカメラで撮影した結果からカメラ座標と第1のプロジェクターにおけるプロジェクター座標との第1の対応関係を生成する。次に、第2のプロジェクターで表示した3つの特徴点をカメラで撮影した結果からカメラ座標と第2のプロジェクターにおけるプロジェクター座標との第2の対応関係を生成する。そして、第1の対応関係及び第2の対応関係から、第1のプロジェクターにおけるプロジェクター座標と第2のプロジェクターにおけるプロジェクター座標との第3の対応関係を生成する。
特開2000−206633号公報 特許第3757979号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、カメラの設置位置の自由度が低くなるという問題がある。そのため、カメラの設置位置を精度良く調整できなければ、液晶パネルの高精度な位置ずれ量の定量化が困難であるという問題がある。以下では、この点について、第1の液晶パネル及び第2の液晶パネルの2つの液晶パネルの位置ずれ量を算出する例を用いて説明する。
図12(A)に、第1の液晶パネルによる変調光を用いてスクリーンに表示されるテストパターンの一例を示す。図12(B)に、第2の液晶パネルによる変調光を用いてスクリーンに表示されるテストパターンの一例を示す。
図12(A)では、テストパターンが4点の特徴点(表示画素)P1〜P4を有するものとする。また、このテストパターンを含む投射画像IMG1の水平方向に並ぶ2点と垂直方向に並ぶ2点とで形成される長方形の4隅となるように特徴点P1〜P4が配置されるものとする。図12(B)では、テストパターンが1点の特徴点(表示画素)Q1を有するものとする。ここで、図12(A)の特徴点P1〜P4のうち左上の特徴点P1に対応する画素と、図12(B)の特徴点Q1に対応する画素は、それぞれの液晶パネル上で同じ位置の画素である。
図13(A)に、図12(A)のテストパターンと図12(B)のテストパターンとを重ねて表示した例を示す。図13(B)に、図13(A)の特徴点が存在する領域をカメラで撮影した撮影画像を模式的に示す。例えば、クロスダイクロイックプリズム等の光合成手段によって図13(A)の投射画像IMG3を形成することができる。
ここで、特徴点P1と特徴点Q1について、投射画像IMG3の水平方向のずれ量Δx=d、投射画像IMG3の垂直方向のずれ量Δy=0に対応するずれ量だけ、第1の液晶パネルに対して第2の液晶パネルの位置がずれている。そこで、図13(A)の点線で囲まれた領域AR0をカメラで撮影すると、図13(B)に示す撮影画像が得られる。これにより、特許文献1で開示された方法によって、ずれ量Δx、Δyを正確に算出することができるので、ずれ量Δx、Δyに応じて、第1の液晶パネル及び第2の液晶パネルのいずれかの液晶パネルの位置を正確に調整することが可能となる。
ところが、特許文献1で開示された技術では、図13(A)の領域AR0を撮影するカメラは、スクリーンに対して正対する位置に正確に設置されていなければならない。例えば、カメラを傾いた状態で設置した場合、ずれ量を正確に算出することができない。また、プロジェクターを構成する投射レンズを通して画像に歪みが生じたり、カメラをスクリーンに対してあおりをもって設置したりした場合でも、ずれ量を正確に算出することができない。
図14に、カメラを傾いた状態で固定して図13(A)の領域AR0を撮影したときの撮影画像の一例を模式的に示す。
図15(A)に、プロジェクターで投射された画像の歪みを模式的に示す。図15(B)に、図15(A)の領域AR0をカメラで撮影した撮影画像を模式的に示す。図15(A)、図15(B)において、図13(A)に対応する部分には同一符号を付している。
図16に、スクリーンに対してあおりをもって設置されたカメラにより撮影された領域AR0の撮影画像を模式的に示す。図16において、図13(A)に対応する部分には同一符号を付している。
カメラを傾いた状態で撮影すると、図13(B)に対して回転させた撮影画像が得られる。例えば、図14の場合、特徴点P1〜P4を4隅として形成される長方形が、図13(B)に対して回転した状態となる。従って、カメラの設置状態を考慮して、特徴点P1と特徴点Q1のずれ量を算出する必要があり、算出したずれ量に無視できない誤差が生ずる場合がある。
また、液晶プロジェクターでは、液晶パネル上の画像が投射レンズを通してスクリーンに表示される。従って、投射レンズを通して表示する画像には歪みが生じ、実際にスクリーンに表示される画像は、図15(A)のようになる。そのため、図15(A)の領域AR0の撮影画像は、例えば図15(B)に示すように、特徴点P1〜P4を4隅として形成される長方形が平行四辺形になる。特許文献1に開示された方法で、図14や図15(B)のような撮影画像に基づいてずれ量を算出すると、液晶パネルは実際には水平方向にだけずれているにも関わらず、液晶パネルのずれが斜め方向にも生じているように見なされる場合がある。この場合、正確なずれ量を算出することができないという問題がある。
このとき、カメラの設置に起因する計測誤差や、投射レンズの歪みによる計測誤差は、特許文献2に開示された方法で計測することで、ある程度解消することができることが考えられる。しかしながら、カメラの設置がスクリーンに対してあおりをもって設置される場合、領域AR0の撮影画像は、図16に示すように、特徴点P1〜P4を4隅とする長方形が平行四辺形でもなくなる。そのため、特許文献2に開示された方法であっても、正確なずれ量を算出することができず、液晶パネルの位置を正確に調整することができないという問題がある。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の幾つかの態様によれば、撮像装置の設置状態や画像の歪み等にかかわらず、高精度に光変調装置の位置を調整することができる光変調装置の位置調整方法、光変調装置の位置調整量算出装置、及びプロジェクター等を提供することができる。
(1)本発明の一態様は、光変調装置の位置調整方法が、第1の光変調装置による変調光を用いて投射面に少なくとも4点の第1の特徴点を含む第1のテストパターンを表示する第1の表示ステップと、前記第1の表示ステップにおいて表示された前記第1の特徴点を撮像装置により撮影して第1の撮影データを得る第1の撮影ステップと、第2の光変調装置による変調光を用いて前記投射面に少なくとも1点の第2の特徴点を含む第2のテストパターンを表示する第2の表示ステップと、前記第2の表示ステップにおいて表示された前記第2の特徴点を前記撮像装置により撮影して第2の撮影データを得る第2の撮影ステップと、前記第1の撮影データに基づいて、前記第1の光変調装置において定義される第1の座標系における前記第1の特徴点に対応する位置と前記撮像装置において定義される撮像座標系における前記第1の特徴点に対応する位置との対応関係を算出する対応関係算出ステップと、前記対応関係及び前記第2の撮影データに基づいて、前記第1の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置と前記第2の光変調装置において定義される第2の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置とのずれ量に対応した調整量を算出する調整量算出ステップと、前記調整量算出ステップにおいて算出された前記調整量に基づいて、前記第1の光変調装置及び前記第2光変調装置の少なくとも一方の位置を調整する位置調整ステップとを含む。
本態様においては、少なくとも4点の第1の特徴点について、第1の座標系と撮像座標系との対応関係を求め、該対応関係に従って少なくとも1点の第2の特徴点の位置を第1の座標系に変換している。そして、第1の座標系における第2の特徴点に対応する位置と元の第2の座標系における第2の特徴点に対応する位置との差に応じて、第1の光変調装置及び第2の光変調装置の少なくとも一方の位置を調整するようにしている。これにより、撮像装置の設置状態や画像に歪み等があった場合であっても、正確にずれ量を算出することができる。このように撮像装置の設置の自由度を高めることができるため、例えば投射面の外側からテストパターンに近い位置での撮影が可能となり、高倍率での撮影により、ずれ量の算出精度をより一層向上させることができるようになる。
(2)本発明の他の態様に係る光変調装置の位置調整方法では、前記対応関係及び前記第2の撮影データに基づいて、前記第1の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置を算出する位置算出ステップと、前記第2の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置と、前記位置算出ステップにおいて算出された前記第1の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置とのずれ量を算出するずれ量算出ステップとを含み、前記調整量算出ステップでは、前記ずれ量算出ステップにおいて算出された前記ずれ量に応じた調整量を算出する。
本態様においては、撮像座標系と第1の座標系との対応関係及び第2の撮影データに基づいて、第1の座標系における第2の特徴点に対応する位置を算出している。そして、第2の座標系におけるにおける第2の特徴点に対応する位置と第1の座標系における第2の特徴点に対応する位置とのずれ量を算出している。これにより、上記の効果に加えて、非常に簡素な処理で、光変調装置の位置を高精度に調整できるようになる。
(3)本発明の他の態様に係る光変調装置の位置調整方法では、前記第1の表示ステップは、いずれの3点の組み合わせも前記投射面において一直線上に存在しないように配置された前記第1の特徴点を有する前記第1のテストパターンを表示する。
本態様によれば、上記の効果に加えて、撮像装置が投射面に対してあおりをもって設置された場合であっても、光変調装置の位置を高精度、且つ確実に調整できるようになる。
(4)本発明の他の態様に係る光変調装置の位置調整方法では、前記第2の表示ステップは、前記第1の特徴点を結んで形成される領域内、又は該領域の近傍に配置された前記第2の特徴点を有する前記第2のテストパターンを表示する。
本態様によれば、上記の効果に加えて、光変調装置の位置をより一層高精度に調整できるようになる。
(5)本発明の他の態様に係る光変調装置の位置調整方法では、前記投射面における複数の領域毎に前記調整量を求め、複数の調整量に基づいて、前記第1の光変調装置及び前記第2光変調装置の少なくとも一方の位置を調整する。
本態様においては、投射面に表示された画像に設けられる複数の領域のそれぞれについて調整量を算出し、これらの調整量を用いて光変調装置の位置を調整している。こうすることで、1つの領域内で求められた調整量に基づいて調整する場合に比べて、より高精度に光変調装置の位置を調整できるようになる。
(6)また本発明の他の態様は、光変調装置の位置調整量算出装置が、第1の光変調装置による変調光を用いて投射面に表示された少なくとも4点の第1の特徴点を撮像装置により撮影して得られた、第1の撮影データを取得する第1の撮影データ取得部と、第2の光変調装置による変調光を用いて前記投射面に表示された少なくとも1点の第2の特徴点を前記撮像装置により撮影して得られた、第2の撮影データを取得する第2の撮影データ取得部と、前記第1の撮影データに基づいて、前記第1の光変調装置において定義される第1の座標系における前記第1の特徴点に対応する位置と前記撮像装置において定義される撮像座標系における前記第1の特徴点に対応する位置との対応関係を算出する対応関係算出部と、前記対応関係及び前記第2の撮影データに基づいて、前記第1の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置と前記第2の光変調装置において定義される第2の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置とのずれ量に対応した調整量を算出する調整量算出部とを含む。
本態様においては、少なくとも4点の第1の特徴点について、第1の座標系と撮像座標系との対応関係を求め、該対応関係に従って少なくとも1点の第2の特徴点の位置を第1の座標系に変換している。そして、第1の座標系における第2の特徴点に対応する位置と元の第2の座標系における第2の特徴点に対応する位置との差に応じて、第1の光変調装置及び第2の光変調装置の少なくとも一方の位置を調整するようにしている。これにより、撮像装置の設置状態や画像に歪み等があった場合であっても、正確にずれ量を算出することができる。このように撮像装置の設置の自由度を高めることができるため、例えば投射面の外側からテストパターンに近い位置での撮影が可能となり、高倍率での撮影により、ずれ量の算出精度をより一層向上させることができるようになる。
(7)本発明の他の態様は、プロジェクターが、前記投射面に前記第1の特徴点を表示する光を変調する前記第1の光変調装置と、前記投射面に前記第2の特徴点を表示する光を変調する前記第2の光変調装置と、上記記載の光変調装置の位置調整量算出装置と、前記位置調整量算出装置によって算出された調整量に基づき、前記第1の光変調装置及び前記第2の光変調装置の少なくとも一方の位置を調整する位置調整機構部とを含む。
本態様によれば、撮像装置の設置状態や画像の歪み等にかかわらず、高精度に光変調装置の位置を調整することができるプロジェクターを提供できるようになる。
(8)本発明の他の態様に係るプロジェクターは、前記第1の特徴点及び前記第2の特徴点を撮影する前記撮像装置を含む。
本態様によれば、撮像装置の設置位置の自由度を向上させることができ、上記の効果に加えて、プロジェクターの小型化に寄与できるようになる。
本発明の一実施形態における表示システムの構成例のブロック図。 図1のプロジェクターの構成の概要を示す図。 図1の位置調整装置の構成例の機能ブロック図。 図4(A)、図4(B)は本実施形態におけるテストパターンの一例を示す図。 図5(A)、図5(B)は図4(A)の第1のテストパターン及び図4(B)の第2のテストパターンを重ねて表示した例を示す図。 本実施形態における液晶パネルの位置調整方法の処理の一例を示す図。 位置調整装置の処理例のフロー図。 図8(A)、図8(B)は本実施形態の効果の説明図。 本実施形態の第1の変形例におけるテストパターンを模式的に示す図。 第1の変形例における位置調整装置の処理例のフロー図。 本実施形態の第2の変形例におけるプロジェクターの構成例の概要を示す図。 図12(A)、図12(B)はテストパターンの一例を示す図。 図12(A)のテストパターンと図12(B)のテストパターンとを重ねて表示した例を示す図。 カメラを傾いた状態で固定して図13(A)の領域を撮影したときの撮影画像の一例を模式的に示す図。 図15(A)はプロジェクターで投射された画像の歪みを模式的に示す図。図15(B)は、図15(A)のをカメラで撮影した撮影画像を模式的に示す図。 スクリーンに対してあおりをもって設置されたカメラにより撮影された領域の撮影画像を模式的に示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の課題を解決するために必須の構成要件であるとは限らない。
以下では、2つの光変調装置による変調光を用いて形成される各画像を完全に重ねるように光変調装置の位置を調整する例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1に、本発明の一実施形態における表示システムの構成例のブロック図を示す。図1は、投射面であるスクリーンを上側から見た図を模式的に表している。
図2に、図1のプロジェクター100の構成の概要を示す。図2は、光変調装置として液晶パネルを用いた3板式の液晶プロジェクターを例に説明する。なお、図2において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
表示システム10は、プロジェクター100と、位置調整装置200と、カメラ(撮影装置)300とを含む。プロジェクター100は、図示しない画像データ生成装置によって生成された画像データに対応した画像を、スクリーンSCRに投射する。カメラ300は、スクリーンSCR(投射面)に投射されたプロジェクター100によるテストパターンの画像を撮影する。位置調整装置200は、色毎に生成された画像データに基づいて光源からの光を変調する液晶パネルの位置を調整する制御を行う。このとき、位置調整装置200は、基準となる液晶パネルにより形成されるテストパターンの撮影画像と、調整対象の液晶パネルにより形成されるテストパターンの撮影画像とに基づいて、調整対象の液晶パネルの位置を調整する制御を行う。なお、図1では、位置調整装置200がプロジェクター100の外部に設けられているが、プロジェクター100が位置調整装置200及びカメラ300の少なくとも1つを内蔵する構成を有していてもよい。
プロジェクター100は、図2に示すように、光源110、一対のインテグレーターレンズ112、114、偏光変換素子116、重畳レンズ118、R用ダイクロイックミラー120R、G用ダイクロイックミラー120G、反射ミラー122を含む。更に、プロジェクター100は、R用フィールドレンズ124R、G用フィールドレンズ124G、R用液晶パネル130R(第2の光変調装置)、G用液晶パネル130G(第1の光変調装置)、B用液晶パネル130Bを含む。またプロジェクター100は、リレー光学系140、クロスダイクロイックプリズム160、投射レンズ170、位置調整機構部180、182を含む。R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G及びB用液晶パネル130Bとして用いられる液晶パネルは、透過型の液晶表示装置である。リレー光学系140は、リレーレンズ142、144、146、反射ミラー148、150を含む。
光源110は、例えば超高圧水銀ランプにより構成され、少なくともR成分の光、G成分の光、B成分の光を含む光を射出する。インテグレーターレンズ112は、光源110からの光を複数の部分光に分割するための複数の小レンズを有する。インテグレーターレンズ114は、インテグレーターレンズ112の複数の小レンズに対応する複数の小レンズを有する。重畳レンズ118は、インテグレーターレンズ112の複数の小レンズから射出される部分光を液晶パネル上で重畳する。
偏光変換素子116は、偏光ビームスプリッターアレイとλ/2板とを有し、光源110からの光を略一種類の偏光光に変換する。偏光ビームスプリッターアレイは、インテグレーターレンズ112により分割された部分光をp偏光とs偏光に分離する偏光分離膜と、偏光分離膜で反射された光の向きを変える反射膜とを、交互に配列した構造を有する。偏光分離膜で分離された2種類の偏光光は、λ/2板によって偏光方向が揃えられる。この偏光変換素子116によって略一種類の偏光光に変換された光が、重畳レンズ118に照射される。
重畳レンズ118からの光は、R用ダイクロイックミラー120Rに入射される。R用ダイクロイックミラー120Rは、R成分の光を反射して、G成分及びB成分の光を透過させる機能を有する。R用ダイクロイックミラー120Rを透過した光は、G用ダイクロイックミラー120Gに照射され、R用ダイクロイックミラー120Rにより反射した光は反射ミラー122により反射されてR用フィールドレンズ124Rに導かれる。G用ダイクロイックミラー120Gは、G成分の光を反射して、B成分の光を透過させる機能を有する。G用ダイクロイックミラー120Gを透過した光は、リレー光学系140に入射され、G用ダイクロイックミラー120Gにより反射した光はG用フィールドレンズ124Gに導かれる。
リレー光学系140では、G用ダイクロイックミラー120Gを透過したB成分の光の光路長と他のR成分及びG成分の光の光路長との違いをできるだけ小さくするために、リレーレンズ142、144、146を用いて光路長の違いを補正する。リレーレンズ142を透過した光は、反射ミラー148によりリレーレンズ144に導かれる。リレーレンズ144を透過した光は、反射ミラー150によりリレーレンズ146に導かれる。リレーレンズ146を透過した光は、B用液晶パネル130Bに照射される。
R用フィールドレンズ124Rに照射された光は、平行光に変換されてR用液晶パネル130Rに入射される。R用液晶パネル130Rは、光変調装置として機能し、R用画像データに基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、R用液晶パネル130Rに入射された光は、R用画像データに基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。G用フィールドレンズ124Gに照射された光は、平行光に変換されてG用液晶パネル130Gに入射される。G用液晶パネル130Gは、光変調装置として機能し、G用画像データに基づいて透過率が変化するようになっている。従って、G用液晶パネル130Gに入射された光は、G用画像データに基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。リレーレンズ142、144、146で平行光に変換された光が照射されるB用液晶パネル130Bは、光変調装置として機能し、B用画像データに基づいて透過率が変化するようになっている。従って、B用液晶パネル130Bに入射された光は、B用画像データに基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G、及びB用液晶パネル130Bは、それぞれ同様の構成を有している。各液晶パネルは、電気光学物質である液晶を一対の透明なガラス基板に密閉封入したものであり、例えばポリシリコン薄膜トランジスターをスイッチング素子として、各色の画像データに対応して各色光の通過率を変調する。
クロスダイクロイックプリズム160は、R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G及びB用液晶パネル130Bからの入射光を合成した合成光を出射光として出力する機能を有する。投射レンズ170は、出力画像をスクリーンSCR上に拡大して結像させるレンズである。
本実施形態では、G用液晶パネル130Gの位置を基準に、R用液晶パネル130R又はB用液晶パネル130Bの位置を調整する。そのため、位置調整機構部180は、位置調整装置200からの調整制御信号に基づいて、R用液晶パネル130Rの位置を調整する。また、位置調整機構部182は、位置調整装置200からの調整制御信号に基づいて、B用液晶パネル130Bの位置を調整するようになっている。このような位置調整機構部180、182は、それぞれアクチュエーター付き光学ステージを有し、該光学ステージに対応する液晶パネルが固定して設置される。この場合、各光学ステージを各光軸に直交する平面上で水平方向及び垂直方向に移動可能となるように構成することで、その移動量に対応した調整制御信号により、液晶パネルの位置を調整できる。
図3に、図1の位置調整装置200の構成例の機能ブロック図を示す。
図4(A)、図4(B)に、本実施形態におけるテストパターンの一例を示す。図4(A)は、調整の基準となるG用液晶パネル130Gによる変調光により形成される第1のテストパターンの一例を模式的に表す。図4(B)は、調整対象となる液晶パネルによる変調光により形成される第2のテストパターンの一例を模式的に表す。
図5(A)、図5(B)に、図4(A)の第1のテストパターン及び図4(B)の第2のテストパターンを重ねて表示した例を示す。
位置調整装置200は、撮影データ取得部210、対応関係算出部220、位置算出部230、ずれ量算出部240、調整量算出部250、位置調整部260を含む。撮影データ取得部210は、第1の撮影データ取得部212と、第2の撮影データ取得部214とを含む。
第1の撮影データ取得部212は、スクリーンSCR上の図4(A)に示す第1のテストパターンの画像IMG1を、カメラ300で撮影した第1の撮影データを取得する。画像IMG1は、基準となるG用液晶パネル130Gによる変調光を用いて形成される。第1のテストパターンは、図4(A)に示すように、画像IMG1内に少なくとも4点の特徴点(表示画素、第1の特徴点)P10〜P13を有する。第1のテストパターンは、いずれの3点の組み合わせもスクリーンSCRにおいて一直線上に存在しないように配置された特徴点P10〜P13を含むことが望ましい。G用液晶パネル130Gの光変調面において定義されるパネル座標系において、特徴点P10〜P13の位置は予め認識されている。なお、特徴点P10〜P13のそれぞれの位置は、図4(A)に示すように1画素で特定されるものに限らず、数画素の重心位置で特定されたり、十字状やX字状の交差位置によって特定されたりしてもよく、特徴点の形状に限定されるものではない。
第2の撮影データ取得部214は、スクリーンSCR上の図4(B)に示す第2の表示テストパターンの画像IMG2を、カメラ300で撮影した第2の撮影データを取得する。画像IMG2は、調整対象となる液晶パネル(例えばR用液晶パネル130R、B用液晶パネル130B)による変調光を用いて形成される。第2のテストパターンは、図4(B)に示すように、画像IMG2内に少なくとも1点の特徴点(表示画素、第2の特徴点)Q10を有する。例えばR用液晶パネル130R又はB用液晶パネル130Bにおいて定義されるパネル座標系において、特徴点Q10の位置は予め認識されている。特徴点Q10は、図5(A)に示すように、スクリーンSCR上において、特徴点P10〜P13を結んで形成される領域AR1内に配置されるように表示される。或いは、特徴点Q10は、図5(B)に示すように、スクリーンSCR上において、特徴点P10〜P13を結んで形成される領域AR2の外側であって領域AR2の近傍に配置されるように表示される。こうすることで、より一層高精度に、液晶パネルの位置を調整できるようになる。
対応関係算出部220は、第1の撮影データ取得部212によって取得された第1の撮影データに基づいて、第1のパネル座標系(第1の座標系)における特徴点P10〜P13に対応する位置と、カメラ座標における特徴点P10〜P13に対応する位置との対応関係を算出する。第1のパネル座標系は、G用液晶パネル130Gにおいて定義される。
位置算出部230は、対応関係算出部220によって算出された対応関係及び第2の撮影データ取得部214によって取得された第2の撮影データに基づいて、第1のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置を算出する。即ち、位置算出部230は、カメラ座標系における特徴点Q10に対応する位置と、第1のパネル座標系とカメラ座標系との対応関係から、第1のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置を算出する。
ずれ量算出部240は、第2のパネル座標系(第2の座標系)における特徴点Q10に対応する位置と、位置算出部230によって算出された第1のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置とのずれ量を算出する。第2のパネル座標系は、R用液晶パネル130R又はB用液晶パネル130Bにおいて定義される。
調整量算出部250は、ずれ量算出部240によって算出されたずれ量に応じた調整量を算出する。位置調整部260は、調整量算出部250によって算出された調整量に基づいて、R用液晶パネル130R又はB用液晶パネル130Bの位置を調整する制御を行う。
なお、本実施形態では、G用液晶パネル130Gの位置を基準にR用液晶パネル130R又はB用液晶パネル130Bの位置を調整する例を説明するが、これに限定されるものではない。例えば位置調整部260は、G用液晶パネル130G、R用液晶パネル130R及びB用液晶パネル130Bの少なくとも1つの位置を調整する制御を行うようにしてもよい。以下では、G用液晶パネル130Gの位置を基準にR用液晶パネル130Rの位置を調整する処理例について説明するが、G用液晶パネル130Gの位置を基準にB用液晶パネル130Bの位置を調整する処理も同様である。
図6に、本実施形態における液晶パネルの位置調整方法の処理の一例を示す。
まず、例えば位置調整装置200の制御により、プロジェクター100が、図4(A)に示す特徴点P10〜P13を有する第1のテストパターンをスクリーンSCRに表示する(ステップS10、第1の表示ステップ)。このステップS10では、G用液晶パネル130Gにより変調された変調光を用いて、特徴点P10〜P13を有する第1のテストパターンが表示される。続いて、例えば位置調整装置200の制御により、カメラ300により、スクリーンSCRに表示された特徴点P10〜P13を撮影する(ステップS12、第1の撮影ステップ)。位置調整装置200は、カメラ300により撮影された撮影データを第1の撮影データとして取り込む。
次に、例えば位置調整装置200の制御により、プロジェクター100が、図4(B)に示す特徴点Q10を有する第2のテストパターンをスクリーンSCRに表示する(ステップS14、第2の表示ステップ)。このステップS14では、R用液晶パネル130Rにより変調された変調光を用いて、特徴点Q10を有する第2のテストパターンが表示される。また、第1のテストパターンと第2のテストパターンとを重ねて表示したときに、図5(A)又は図5(B)のように、特徴点P10〜P13を結んで形成される領域内又は該領域の近傍に特徴点Q10が配置されるように第2のテストパターンが表示される。続いて、例えば位置調整装置200の制御により、カメラ300により、スクリーンSCRに表示された特徴点Q10を撮影する(ステップS16、第2の撮影ステップ)。位置調整装置200は、カメラ300により撮影された撮影データを第2の撮影データとして取り込む。なお、カメラ300の設置位置は固定しておき、ステップS12における撮影時のカメラ300の位置とステップS16における撮影時のカメラ300の位置とが同じ位置になるようにする。
そして、位置調整装置200は、ステップS12において撮影された第1の撮影データに基づいて、G用液晶パネル130Gにおける第1のパネル座標系とカメラ300におけるカメラ座標系との対応関係を算出する(ステップS18、対応関係算出ステップ)。その後、位置調整装置200は、R用液晶パネル130Rの第2のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置と第1のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置とのずれ量に対応した調整量を算出する(ステップS20、調整量算出ステップ)。このステップS20では、算出された第1のパネル座標系とカメラ座標との対応関係及び第2の撮影データを用いる。
次に、位置調整装置200は、ステップS20において算出された調整量に応じて、R用液晶パネル130Rの位置を調整し(ステップS22、位置調整ステップ)、一連の処理を終了する(エンド)。
次に、位置調整装置200が行う位置調整処理について、具体的に説明する。
図7に、位置調整装置200の処理例のフロー図を示す。位置調整装置200は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や専用のハードウェアによって構成され、図3の各部に対応したハードウェアが図7の各ステップに対応した処理を実行することができる。或いは、位置調整装置200が、中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下、CPU)、読み出し専用メモリー(Read Only Memory:以下、ROM)又はランダムアクセスメモリー(Random Access Memory:以下、RAM)によって構成されてもよい。この場合、位置調整装置200は、ROM又はRAMに格納されたプログラムを読み込んだCPUが、該プログラムに対応した処理を実行することで図7の各ステップに対応した処理を実行する。
位置調整装置200は、第1の撮影データ取得部212において、ステップS12で撮影された図4(A)の画像の撮影データである第1の撮影データを取得する(ステップS30、第1の撮影データ取得ステップ)。続いて、位置調整装置200は、第2の撮影データ取得部214において、ステップS16で撮影された図4(B)の画像の撮影データである第2の撮影データを取得する(ステップS32、第2の撮影データ取得ステップ)。次に、位置調整装置200は、対応関係算出部220において、ステップS30において取得された第1の撮影データから、第1のパネル座標系とカメラ座標系との対応関係を算出する(ステップS34、対応関係算出ステップ)。
ここで、第1のパネル座標系において、特徴点P10の位置を(X1P1,Y1P1)、特徴点P11の位置を(X2P1,Y2P1)、特徴点P12の位置を(X3P1,Y3P1)、特徴点P13の位置を(X4P1,Y4P1)とする。対応関係算出部220は、第1の撮影データから、カメラ座標系における特徴点P10〜P13に対応する位置を算出する。このとき、第1の撮影データに基づいて、重心の算出、輝度ピークの検出等によって、カメラ座標系における特徴点P10〜P13の位置を算出する。この結果、カメラ座標系において、特徴点P10に対応する位置(X1CAM,Y1CAM)、特徴点P11に対応する位置(X2CAM,Y2CAM)、特徴点P12に対応する位置(X3CAM,Y3CAM)、特徴点P13に対応する位置(X4CAM,Y4CAM)が求められる。これにより、第1のパネル座標系の位置(X1P1,Y1P1)〜(X4P1,Y4P1)は、それぞれカメラ座標系の位置(X1CAM,Y1CAM)〜(X4CAM,Y4CAM)に対応することになる。
本実施形態では、カメラ座標系の位置(XCAM,YCAM)を第1のパネル座標系の位置(XP1,YP1)に座標変換する座標変換式を、次の式(1)、式(2)のように定義する。対応関係算出部220は、これらの式におけるパラメーターa〜hを算出することで、パラメーターa〜hで特定される座標変換式を上記の対応関係として算出する。
Figure 0005471830
パラメーターa〜hは、特徴点P10〜P13のそれぞれについて代入することで得られる次の式(3)〜式(10)から算出できる。
Figure 0005471830
Figure 0005471830
Figure 0005471830
Figure 0005471830
次に、位置調整装置200は、位置算出部230において、ステップS34で算出された対応関係及び第2の撮影データに基づき、第1のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置を算出する(ステップS36、位置算出ステップ)。
ここで、R用液晶パネル130Rにおける第2のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置を(X1P2,Y1P2)、第2の撮影データから、カメラ座標系における特徴点Q10に対応する位置を(X1P2_CAM,Y1P2_CAM)とする。第1のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置を(X1P2_P1,Y1P2_P1)とすると、ステップS34で算出された対応関係(パラメーターa〜h)を用いて、次式のように算出できる。
Figure 0005471830
続いて、位置調整装置200は、ずれ量算出部240において、第2のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置と第1のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置との差であるずれ量を算出する(ステップS38、ずれ量算出ステップ)。
Figure 0005471830
その後、位置調整装置200は、調整量算出部250において、ステップS38において算出されたずれ量に対応した調整量を算出する(ステップS40、調整量算出ステップ)。位置調整装置200は、位置調整部260において、ステップS38で算出した調整量に応じた調整制御信号によりR用液晶パネル130Rの位置を調整する制御を行い(ステップS42、位置調整ステップ)、一連の処理を終了する(エンド)。
以上のように、本実施形態では、少なくとも4点の特徴点P10〜P13について、第1のパネル座標系とカメラ座標系との対応関係を求めている。次に、該対応関係に従って、少なくとも1点の特徴点Q10の第2のパネル座標系における位置から、第1のパネル座標系における特徴点Q10に対応する位置を求めている。そして、第1のパネル座標系における特徴点Q10の位置と元の第2のパネル座標系における特徴点Q10の位置との差に応じて、特徴点Q10を表示するR用液晶パネル130Rの位置を調整している。このように図4(A)に示すように少なくとも4点の特徴点P10〜P13を用いるようにしたので、カメラがスクリーンSCRに対してあおりをもって設置された場合であっても、液晶パネルの位置を高精度に調整できるようになる。
図8(A)、図8(B)に、本実施形態の効果の説明図を示す。図8(A)、図8(B)において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
一般的に、テストパターンを撮影して表示画素の表示位置のずれ量に対応した液晶パネルの位置を調整する場合、カメラをスクリーンSCRに対して正対する位置に設置する必要がある。このため、カメラが、プロジェクターからの投射画像の影にならないよう設置する必要性から、カメラの設置位置の制約があった。これにより、カメラをスクリーンに近い位置に設置できず、高精細なカメラやズームレンズが必要となり、コストが高くなるという問題があった。
これに対して、本実施形態では、カメラ300が、傾いた状態で設置されたり、あおりをもって設置されたりした場合や、画像に歪み等があった場合であっても、正確にずれ量を算出することができる。このようにカメラ300の設置の自由度を高めることができるため、スクリーンSCRに対して正対する位置でなくても、スクリーンSCRの外側からテストパターンに近い位置での撮影が可能となる。これは、図8(B)に示すように、視聴の邪魔にならない位置にカメラ300を設置できることを意味し、高倍率での撮影により、結果的にずれ量の算出精度を向上させることができるようになる。
また、図8(A)に示すようにカメラ300をプロジェクター100と同じ位置に設置することができる。従って、カメラ300をプロジェクター100に内蔵することができ、装置構成を小型化できるようになる。
〔第1の変形例〕
本実施形態では、スクリーンSCRに投射される画像内の1つの領域内で特徴点P10〜P13、Q10を撮影することにより、液晶パネルの位置を調整する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、スクリーンSCRに投射される画像内に複数の領域を設け、各領域内で本実施形態の特徴点(第1の特徴点及び第2の特徴点)を表示して撮影して液晶パネルの位置を調整するようにしてもよい。
図9に、本実施形態の第1の変形例におけるテストパターンを模式的に示す。図9は、プロジェクターに投射された画像内の4隅付近に設けられた4つの領域のそれぞれにおいて、本実施形態のように第1のテストパターン及び第2のテストパターンを重ねて表示した例を表す。
第1の領域AR10には、第1の特徴点として、いずれの3点の組み合わせも一直線上に存在しないように少なくとも4点の特徴点(図9では、特徴点P20〜P23)が表示される。また、第1の領域AR10内には、第2の特徴点として、特徴点P20〜P23を結ぶ領域内又は該領域の近傍に特徴点Q20が表示される。第2の領域AR11には、第1の特徴点として、いずれの3点の組み合わせも一直線上に存在しないように少なくとも4点の特徴点(図9では、特徴点P30〜P33)が表示される。また、第2の領域AR11内には、第2の特徴点として、特徴点P30〜P33を結ぶ領域内又は該領域の近傍に特徴点Q21が表示される。第3の領域AR12には、第1の特徴点として、いずれの3点の組み合わせも一直線上に存在しないように少なくとも4点の特徴点(図9では、特徴点P40〜P43)が表示される。また、第3の領域AR12内には、第2の特徴点として、特徴点P40〜P43を結ぶ領域内又は該領域の近傍に特徴点Q22が表示される。第4の領域AR13には、第1の特徴点として、いずれの3点の組み合わせも一直線上に存在しないように少なくとも4点の特徴点(図9では、特徴点P50〜P53)が表示される。また、第4の領域AR13内には、第2の特徴点として、特徴点P50〜P53を結ぶ領域内又は該領域の近傍に特徴点Q23が表示される。
図10に、第1の変形例における位置調整装置の処理例のフロー図を示す。第1の変形例においても、位置調整装置は、ASICや専用のハードウェアによって構成され、図3の各部に対応したハードウェアが図10の各ステップに対応した処理を実行することができる。或いは、位置調整装置が、CPU、ROM又はRAMによって構成されてもよい。この場合、位置調整装置は、ROM又はRAMに格納されたプログラムを読み込んだCPUが、該プログラムに対応した処理を実行することで図10の各ステップに対応した処理を実行することができる。
まず、第1の変形例における位置調整装置は、第1の領域AR10について、調整量を算出する(ステップS50)。ステップS50における処理の内容は、図7のステップS30〜ステップS40と同様である。同様に、第1の変形例における位置調整装置は、第2の領域AR11〜第4の領域AR13のそれぞれについて、ステップS50と同様に各領域について調整量を算出する(ステップS52、ステップS54、ステップS56)。続いて、第1の変形例における位置調整装置は、ステップS50〜ステップS56において各領域について算出された調整量の平均値を算出する(ステップS58)。そして、この位置調整装置は、ステップS58において算出された第1の領域AR10〜第4の領域AR13の各領域の調整量の平均値に応じて、R用液晶パネル130Rの位置を調整する制御を行い(ステップS60)、一連の処理を終了する(エンド)。
以上説明したように、本実施形態の第1の変形例では、スクリーンSCR上の複数の領域のそれぞれについて調整量を算出し、これらの調整量を用いて液晶パネルの位置を調整するようにしている。こうすることで、1つの領域内で求められた調整量に基づいて調整する場合に比べて、より高精度に液晶パネルの位置を調整できるようになる。なお、第1の変形例では、各領域の調整量の平均値に基づいて液晶パネルの位置を調整する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば投射画像の形状、特徴点の数、投射画像内の各領域の位置等に応じて各領域の調整量の重み付けを行い、重み付けにより決定された調整量に応じて液晶パネルの位置を調整するようにしてもよい。
〔第2の変形例〕
本実施形態又はその第1の変形例では、基準となる液晶パネルと調整対象となる液晶パネルとが1つの画像形成ユニットを構成する3板式の液晶プロジェクターを例に説明したが、これに限定されるものではない。
図11に、本実施形態の第2の変形例におけるプロジェクターの構成例の概要を示す。図11は、基準となる液晶パネルと調整対象となる液晶パネルとが別の画像形成ユニットを構成する6板式の液晶プロジェクターの構成の概要を表す。
第2の変形例におけるプロジェクター700は、第1の画像形成ユニット710と、第2の画像形成ユニット720と、偏光合成プリズム(Polarization Beam Splitter:PBS)780、投射レンズ790とを含む。
第1の画像形成ユニット710は、図2に示す構成のうち投射レンズ170、位置調整機構部180182が省略された構成を有している。即ち、第1の画像形成ユニット710は、光源110、一対のインテグレーターレンズ112、114、偏光変換素子116、重畳レンズ118、R用ダイクロイックミラー120R、G用ダイクロイックミラー120G、反射ミラー122を含む。更に、第1の画像形成ユニット710は、R用フィールドレンズ124R、G用フィールドレンズ124G、R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G、B用液晶パネル130Bを含む。また第1の画像形成ユニット710は、リレー光学系140、クロスダイクロイックプリズム160を含む。また、第1の画像形成ユニット710と第2の画像形成ユニット720は、同様の構成を有している。投射レンズ790は、図2の投射レンズ170と同様である。
このプロジェクター700は、第1の画像形成ユニット710及び第2の画像形成ユニット720により形成される2つの画像を重ね合わせて投射することにより、スクリーンSCRに画像を表示することができるようになっている。
第2の変形例では、第1の画像形成ユニット710のG用液晶パネル130G(第1の光変調装置)を基準として、第2の画像形成ユニット720のR用液晶パネル130R(第2の光変調装置)を上記の実施形態と同様に調整する。ここで、第2の画像形成ユニット720が、内蔵するR用液晶パネル130Rの位置を調整する本実施形態と同様の位置調整機構部(図示せず)を有し、算出された調整量に応じて、第2の画像形成ユニット720のR用液晶パネル130Rの位置を調整する。或いは、偏光合成プリズム780を基準に第2の画像形成ユニット720の全体の位置を調整するための位置調整機構部(図示せず)を有し、算出された調整量に応じて、第2の画像形成ユニット720の全体の位置を調整するようにしてもよい。
以上、本発明に係る光変調装置の位置調整方法、光変調装置の位置調整装置、プロジェクター及び表示システム等を上記の実施形態形又はその変形例に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態又はその変形例に限定されるものではない。その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)本実施形態又はその変形例では、主に、基準となる液晶パネルに対して1つの液晶パネル、又は基準となる画像形成ユニットに対して1つの画像形成ユニットの位置を調整する例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。基準となる液晶パネルに対して1又は複数の液晶パネル、又は基準となる画像形成ユニットに対して1又は複数の画像形成ユニットの位置を調整するようにしてもよい。
(2)本実施形態又はその変形例では、1つの液晶パネル又は1つの画像形成ユニットを基準に、他の液晶パネル又は他の画像形成ユニットの位置を調整する例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。所与の基準位置に対して、液晶パネル又は画像形成ユニットの位置を調整するものに本発明を適用することができる。
(3)本実施形態又はその変形例では、基準となる液晶パネル又は基準となる画像形成ユニットと、調整対象となる液晶パネル又は調整対象となる画像形成ユニットとが同一プロジェクターに含まれる例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。基準となる液晶パネル又は基準となる画像形成ユニットが第1のプロジェクターに含まれており、他の液晶パネル又は他の画像形成ユニットが第1のプロジェクターとは異なる第2のプロジェクターに含まれていてもよい。従って、第1のプロジェクターが投射する第1の画像と第2のプロジェクターが投射する第2の画像とを重ねて1枚の画像を投射するシステムにも本発明を適用することができる。
(4)上記の実施形態又はその変形例では、プロジェクターが、いわゆる3板式の透過型の液晶パネルを用いた光変調装置により構成される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば単板式の液晶パネルや2板又は4板式以上の透過型の液晶パネルを用いた光変調装置を採用することができる。また、光変調装置として透過型の液晶パネルを用いるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば光変調装置としてDLP(Digital Light Processing)(登録商標)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等を採用したプロジェクターにも適用することができる。
(5)上記の実施形態又はその変形例において、本発明を、光変調装置の位置調整方法、光変調装置の位置調整装置、プロジェクター及び表示システム等として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明に係る光変調装置の位置調整方法や表示システムの位置調整方法の処理手順が記述されたプログラムや、これらのいずれかのプログラムが記録された記録媒体であってもよい。
10…表示システム、 100,700…プロジェクター、 110…光源、
112,114…インテグレーターレンズ 116…偏光変換素子、
118…重畳レンズ、 120G…G用ダイクロイックミラー、
120R…R用ダイクロイックミラー、 122…反射ミラー、
124G…G用フィールドレンズ、 124R…R用フィールドレンズ、
130B…B用液晶パネル、 130G…G用液晶パネル、
130R…R用液晶パネル、 140…リレー光学系、
142,144,146…リレーレンズ、 148,150…反射ミラー、
160…クロスダイクロイックプリズム、 170,790…投射レンズ、
180,182…位置調整機構部、 200…位置調整装置、
210…撮影データ取得部、 212…第1の撮影データ取得部、
214…第2の撮影データ取得部、 220…対応関係算出部、 230…位置算出部、
240…ずれ量算出部、 250…調整量算出部、 260…位置調整部、
300…カメラ、 710…第1の画像形成ユニット、
720…第2の画像形成ユニット、 780…偏光合成プリズム、
P10〜P13,Q10…特徴点、 SCR…スクリーン

Claims (8)

  1. 第1の光変調装置による変調光を用いて投射面に少なくとも4点の第1の特徴点を含む第1のテストパターンを表示する第1の表示ステップと、
    前記第1の表示ステップにおいて表示された前記第1の特徴点を撮像装置により撮影して第1の撮影データを得る第1の撮影ステップと、
    第2の光変調装置による変調光を用いて前記投射面に少なくとも1点の第2の特徴点を含む第2のテストパターンを表示する第2の表示ステップと、
    前記第2の表示ステップにおいて表示された前記第2の特徴点を前記撮像装置により撮影して第2の撮影データを得る第2の撮影ステップと、
    前記第1の撮影データに基づいて、前記第1の光変調装置において定義される第1の座標系における前記第1の特徴点に対応する位置と前記撮像装置において定義される撮像座標系における前記第1の特徴点に対応する位置との対応関係を算出する対応関係算出ステップと、
    前記対応関係及び前記第2の撮影データに基づいて、前記第1の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置と前記第2の光変調装置において定義される第2の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置とのずれ量に対応した調整量を算出する調整量算出ステップと、
    前記調整量算出ステップにおいて算出された前記調整量に基づいて、前記第1の光変調装置及び前記第2光変調装置の少なくとも一方の位置を調整する位置調整ステップとを含むことを特徴とする光変調装置の位置調整方法。
  2. 請求項1において、
    前記対応関係及び前記第2の撮影データに基づいて、前記第1の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置を算出する位置算出ステップと、
    前記第2の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置と、前記位置算出ステップにおいて算出された前記第1の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置とのずれ量を算出するずれ量算出ステップとを含み、
    前記調整量算出ステップでは、
    前記ずれ量算出ステップにおいて算出された前記ずれ量に応じた調整量を算出することを特徴とする光変調装置の位置調整方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1の表示ステップは、
    いずれの3点の組み合わせも前記投射面において一直線上に存在しないように配置された前記第1の特徴点を有する前記第1のテストパターンを表示することを特徴とする光変調装置の位置調整方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記第2の表示ステップは、
    前記第1の特徴点を結んで形成される領域内、又は該領域の近傍に配置された前記第2の特徴点を有する前記第2のテストパターンを表示することを特徴とする光変調装置の位置調整方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記投射面における複数の領域毎に前記調整量を求め、複数の調整量に基づいて、前記第1の光変調装置及び前記第2光変調装置の少なくとも一方の位置を調整することを特徴とする光変調装置の位置調整方法。
  6. 第1の光変調装置による変調光を用いて投射面に表示された少なくとも4点の第1の特徴点を撮像装置により撮影して得られた、第1の撮影データを取得する第1の撮影データ取得部と、
    第2の光変調装置による変調光を用いて前記投射面に表示された少なくとも1点の第2の特徴点を前記撮像装置により撮影して得られた、第2の撮影データを取得する第2の撮影データ取得部と、
    前記第1の撮影データに基づいて、前記第1の光変調装置において定義される第1の座標系における前記第1の特徴点に対応する位置と前記撮像装置において定義される撮像座標系における前記第1の特徴点に対応する位置との対応関係を算出する対応関係算出部と、
    前記対応関係及び前記第2の撮影データに基づいて、前記第1の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置と前記第2の光変調装置において定義される第2の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置とのずれ量に対応した調整量を算出する調整量算出部とを含むことを特徴とする光変調装置の位置調整量算出装置。
  7. 1の光変調装置と、
    2の光変調装置と、
    前記第1の光変調装置による変調光を用いて投射面に表示された少なくとも4点の第1の特徴点を撮像装置により撮影して得られた、第1の撮影データを取得する第1の撮影データ取得部と、
    前記第2の光変調装置による変調光を用いて前記投射面に表示された少なくとも1点の第2の特徴点を前記撮像装置により撮影して得られた、第2の撮影データを取得する第2の撮影データ取得部と、
    前記第1の撮影データに基づいて、前記第1の光変調装置において定義される第1の座標系における前記第1の特徴点に対応する位置と前記撮像装置において定義される撮像座標系における前記第1の特徴点に対応する位置との対応関係を算出する対応関係算出部と、
    前記対応関係及び前記第2の撮影データに基づいて、前記第1の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置と前記第2の光変調装置において定義される第2の座標系における前記第2の特徴点に対応する位置とのずれ量に対応した調整量を算出する調整量算出部と、
    前記調整量算出部によって算出された調整量に基づき、前記第1の光変調装置及び前記第2の光変調装置の少なくとも一方の位置を調整する位置調整機構部とを含むことを特徴とするプロジェクター。
  8. 請求項7において、
    前記第1の特徴点及び前記第2の特徴点を撮影する前記撮像装置を含むことを特徴とするプロジェクター。
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