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JP5458887B2 - シリコン構造体およびセンサチップ - Google Patents

シリコン構造体およびセンサチップ Download PDF

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Description

本発明は、シリコンを用いた各種センサ、アクチュエータおよび電子デバイスなどの親水性および保水性のうちの少なくともいずれかを必要とするシリコン構造体およびその製造方法、並びに細胞電気生理センサに用いられるシリコン構造体を有するセンサチップに関する。
近年、生化学反応を測定するためのシリコン材料を用いたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスが注目されている。
例えば、細胞保持基板に複数の貫通孔を設け、この貫通孔の開口部に被検体細胞を密着させ、貫通孔の下方に配置した測定電極で、被検体細胞の電位依存性のイオンチャネル活性を測定する技術を開示している。
また、シリコン酸化物製の細胞保持基板(membrane)の内部に2.5μmの貫通孔(hole)を形成し、この貫通孔にヒト培養細胞株の一種であるHEK293細胞を保持させて高い密着性を確保して高精度に細胞外電位を測定する技術を開示している(例えば、非特許文献1参照)。
このような細胞保持基板に用いる構造体としては、半導体技術の分野で広く用いられているシリコン材料を用いることが加工性と生産性の観点から好ましい。
このような構造体からなるデバイスに用いるシリコン材料の表面は親水性または保水性を有していることが好ましく、場合によっては親水性および保水性の両方を必要とすることがある。このシリコン材料の表面を親水性にするためにシリコン材料の表面にスパッタリングによって無機酸化物の薄膜を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来の構成では親水性を付与することはできるが、保水性を有することはできなかった。さらに、親水性や保水性を有する領域は特定の領域に限定して形成することが求められるが、特に保水性を有する領域を限定して形成することは困難であった。
ところで、ヒトを含む生命体は各種の細胞を組織化して活動を行っている。そしてある組織における細胞(例えば、視細胞)が外部より受けた刺激情報を他の組織細胞(例えば、神経)に伝達するための仕組みとして、機能性タンパク質の1種であるイオンチャネルの存在がある。このイオンチャネルは各種の細胞膜に内在しており、細胞内外間にイオン(例えば、Na+、K+、Ca2+、Cl-等)を通過させることにより細胞間を伝達する電流あるいは電位差を発生させる重要な役割を担っている。
近年、このイオンチャネルの働きを詳しく知ることにより細胞レベルで新薬の効果を測定する、あるいは副作用の有無を測定することができるようになった。イオンチャネルを計測する方法は各種存在するが、パッチクランプ法は単一の細胞がもつイオンチャネルの働きを正確に測定できることで最も用いられている方法である。このバッククランプ法の中でも平板基板に細胞を保持できるプレーナパッチ法は、測定のスループットを上げるために有効であるとして大変注目されている。
そして、このプレーナパッチ法では、細胞を保持して電気的測定を行うためにセンサ部分として細胞電気生理センサが用いられる。この細胞電気生理センサのセンサチップとして上述のシリコン材料を用いた構造体(以下、「シリコン構造体」とする)を用いることができる。
従来の細胞電気生理センサについて一例をさらに詳しく説明する。図37は、従来の細胞電気生理センサの断面図を示す。図37に示すように細胞電気生理センサ用のセンサチップ201は、導通孔202を有する薄板203と、この薄板203上に配置された枠体204とを備え、枠体204内側にはキャビティ205を有する。また、この薄板203や枠体204はシリコン材料で高精度に加工されている。
このセンサチップ201を用いた細胞電気生理センサは、センサチップ201が挿入されたチップ保持板206と、センサチップ201の上方および下方に配置された電解槽207、208と、これらの電解槽207、208内にそれぞれ配置された電極209、210とを備えている。
この細胞電気生理センサは、電解槽207、208のそれぞれを電解液で満たし、次に上方の電解槽207に細胞211を注入する。そののちに下方の電解槽208から電解液などを下方に吸引等すれば、細胞211を導通孔202の開口部に捕捉することができる。そして電解槽207、208間の電位差あるいは電流、抵抗等を計測することによって、細胞211が活動する際の物理化学的変化、つまりイオンチャネルの働きを測定できる。
ここで測定の際にはセンサチップ201の上面および下面は電解液によって満たされている必要がある。しかしながら、疎水性のシリコン基材からなるためキャビティ205内を電解液で満たすことが難しく。このため、センサチップ201を親水性にする方法として、センサチップ201を熱処理し、シリコン基材の表面に親水性の熱酸化膜212を形成する方法がある。
なお、上記センサチップ201の類似例は下記の特許文献2に開示されている。
しかしながら、従来のセンサチップ201では、細胞電気生理センサの測定精度が低くなることがあるという課題があった。
その理由は、測定を行う環境の違いによっては枠体204のキャビティ205内に気泡13が発生することがあるからである。
すなわち、枠体204の内壁に熱酸化膜212を形成しても、時間とともにその表面に有機物等が付着し、親水性が低下してしまうことが生じる。そうすると、キャビティ205内に気泡213が発生しやすくなり、導通孔202の上下間の電気的導通が気泡213の存在により阻害される、または薬剤の浸透が阻害されることが生じる。その結果として、細胞電気生理センサの測定精度が低下してしまうという課題があった。
また、従来の細胞電気生理センサについて他の一例をさらに詳しく説明する。図38は、従来の細胞電気生理センサの断面図を示す。図38に示すように従来の細胞電気生理センサ用のセンサチップ301は、導通孔302を有する薄板303と、この薄板303上に配置された枠体304とを備え、この薄板303や枠体304はシリコン材料で高精度に加工されている。
このセンサチップ301を用いた細胞電気生理センサ305は、センサチップ301が挿入されたチップ保持板306と、センサチップ301の上方および下方に配置された電解槽307a、307bと、これらの電解槽307a、307b内にそれぞれ配置された電極308a、308bとを備えている。
この細胞電気生理センサ305は、電解槽307a、307bのそれぞれを電解液で満たし、次に上方の電解槽307aに細胞309を注入する。そののちに、下方の電解槽307bから電解液などを下方に吸引等すれば、細胞309を導通孔302の開口部に捕捉できる。そして電解槽307a、307b間の電位差あるいは電流、抵抗等を計測すれば、細胞309が活動する際の細胞309の物理化学的変化、つまりイオンチャネルの働きを測定できる。
ここでセンサチップ301の上面および下面は電解液によって満たされている必要がある。しかしながら、表面が疎水性になりやすいシリコン基材からなるため、センサチップ301の下面に気泡が発生することがある。この気泡の発生を防ぐためにセンサチップ301の表面を親水性にする方法として、センサチップ301を熱処理し、その表面に親水性の熱酸化膜310を形成する方法がある。
なお、上記センサチップ301の類似例は下記の特許文献1に記載されている。
しかしながら、従来のセンサチップ301では、細胞電気生理センサ305の測定精度が低くなることがあるという課題があった。
その理由は、測定を行う環境の違いによっては薄板303の下面303aに気泡が発生することがあるからである。
すなわち、薄板303の下面303aに熱酸化膜310を形成しても、時間とともにその表面に有機物等が付着し、親水性が低下して気泡312が発生する。その結果、この気泡312が導通孔302の導出口311近傍に付着すると、導通孔302の上下で電気的導通が妨げられる。
そしてその結果、細胞電気生理センサ305の測定精度が低下してしまうという課題があった。
T.Sordel et al, Micro Total Analysis Systems 2004,P521〜522(2004)
特開2000−243700号公報 特開2004−69309号公報
本発明は、シリコンからなる構造体の表面に二酸化珪素からなる繊維状突起物を設けて親水性および保水性のうちの少なくともいずれかを有した領域を選択的に形成したシリコン構造体およびその製造方法を提供するものである。
また、本発明は、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができるシリコン構造体を含むセンサチップを提供するものである。
すなわち、本発明のシリコン構造体は、基材と、この基材のシリコンからなる表面に二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物とを備え、この複数の繊維状突起物は上記表面に直接接合された構成からなる。
このようにシリコン構造体の表面に、二酸化珪素からなる繊維状突起物の一端を直接接合して形成することにより、これら繊維状突起物が形成された領域を選択的に親水性および保水性のうちの少なくともいずれかを有した構成とするものである。
また、本発明のシリコン構造体の製造方法は、基材のシリコンからなる表面の任意の領域に、有機ポリマーからなるシード層を形成する第1のステップと、上記基材を酸素雰囲気で加熱して上記シード層が形成された領域に二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物を形成する第2のステップとを備えている。
このような方法とすることにより、基材の表面の所定の領域に複数の繊維状突起物を直接接合させて形成することができるので、複数の繊維状突起物を形成する二酸化珪素が大きな表面積を有している。このことにより、全体として高い親水性および保水性のうちの少なくともいずれかを発揮することができるシリコン構造体を製造することができる。
また、本発明のセンサチップは、導通孔を有する薄板と、この薄板上に配置された枠体とを備え、上記薄板の細胞捕捉面は二酸化珪素層で形成されるとともに、上記枠体の内壁はシリコン層で形成され、この内壁には二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物が直接接合されている。
このような構成とすることにより、枠体の内壁に親水性かつ表面積の非常に大きい繊維状突起物を備えて枠体のキャビティ内に発生する気泡を低減できる。したがって、細胞電気生理センサなどに本発明のセンサチップを用いると測定精度を大きく向上することができる。
また、本発明のセンサチップは、導通孔を有する薄板と、この薄板上に配置された枠体とを備え、上記薄板は、シリコン層と、このシリコン層上に形成された二酸化珪素層との積層体からなり、上記シリコン層の下面には、二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物が直接接合されている。
このような構成とすることにより、薄板の下面に親水性かつ表面積の非常に大きい繊維状突起物を備えて下面に発生する気泡を低減できる。したがって、細胞電気生理センサなどに本発明のセンサチップを用いると測定精度を大きく向上することができる。
本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の断面図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の表面のSEM写真を示す図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の繊維状突起物のX線解析結果を示す図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の製造方法を説明するための断面図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の製造方法を説明するための断面図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の製造方法を説明するための断面図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の製造方法を説明するための断面図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の製造方法を説明するための断面図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の別の製造方法を説明するための断面図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の別の製造方法を説明するための断面図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の別の製造方法を説明するための断面図 本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の別の製造方法を説明するための断面図 本発明の実施の形態2における細胞電気生理センサの断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの製造ステップを示す断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの製造ステップを示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの製造ステップを示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの製造ステップを示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの製造ステップを示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの製造ステップを示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの製造ステップを示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの製造ステップを示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの製造ステップを示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態2におけるセンサチップの製造ステップを示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態3におけるセンサチップの断面図 本発明の実施の形態4における細胞電気生理センサの断面図 本発明の実施の形態4におけるセンサチップの断面図 本発明の実施の形態4におけるセンサチップの製造ステップを示す断面図 本発明の実施の形態4におけるセンサチップの製造ステップを示す断面図 本発明の実施の形態4におけるセンサチップの製造ステップを示す断面図 本発明の実施の形態4におけるセンサチップの製造ステップを示す断面図 本発明の実施の形態4におけるセンサチップの製造ステップを示す断面図 本発明の実施の形態4におけるセンサチップの製造ステップを示す断面図 本発明の実施の形態5におけるセンサチップの断面図 本発明の実施の形態5におけるセンサチップの製造ステップを示す断面図 従来の細胞電気生理センサの断面図 従来の他の細胞電気生理センサの断面図
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、同じ要素については同じ符号を付しているので説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体およびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の断面図、図2は、図1のシリコン構造体の表面状態を示すSEM写真を示す図である。白く互いに絡みあうように密集しているのが繊維状突起物2である。
図1および図2に示すように本発明のシリコン構造体は、基材1と、この基材1のシリコンからなる表面1aに直接接合された、二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物2とを備えている。ここで、基材1は、シリコンを含む基板であればよく、本実施の形態においては、例えばシリコン基板1を用いている。なお、シリコン基板1の表面1aには二酸化珪素からなる繊維状突起物2がその一端を表面1aに直接接合されている。このように二酸化珪素からなる繊維状突起物2がモケット状、あるいは網目状に複数の繊維状突起物2として形成されている。したがって、この領域においては、二酸化珪素の表面積が極めて大きくなる。そして、このように表面積が大きい領域においては、二酸化珪素の表面張力を大きく受ける液体材料、例えば水などは二酸化珪素の表面に強く引っ張られて繊維状突起物2の周辺に保水される。
次に、本実施の形態1における繊維状突起物2が大きな親水性および保水性を有する理由について説明する。二酸化珪素は元々、親水性の高い材料である。ところが、二酸化珪素を薄膜状で形成し、その表面に空気中などの外部からの汚れが付着した場合、二酸化珪素からなる薄膜は、水を引っ張る表面張力が小さくなる。したがって、薄膜の表面積が小さい場合には結果として親水性が相対的に相当失われる。
これに対して、本実施の形態1の図1および図2に示したシリコン構造体における繊維状突起物2は、表面積が極めて大きくなっている。このことから、所定の面積あたりの表面張力が汚れの付着によって小さくなった場合であっても、全体の表面積が大きいことから、水が引っ張られる力はあまり失われない。その結果として親水性・保水性を長期間保つことができるシリコン構造体を実現することができる。
また、繊維状突起物2をシリコン基板1の表面に直接接合で形成しておくことによって接着剤などを用いることなく簡単に形成することができ、かつ耐熱性を高めることができる。それとともに、シリコン構造体にとって不純物となる物質を含むことがある接着剤などを使用しないので、不純物などが混入しないシリコン構造体を実現することができる。
また、上述の繊維状突起物2はシリコン基板1の表面にモケット状あるいは網目状に形成しておくことが好ましい。このようにすることにより、単位面積あたりの表面積を非常に大きくすることができ親水性・保水性を高めることができる。
そして、その繊維状突起物2の最適な長さは1.0μm以上、200μm以下の範囲であり、繊維状突起物2が接合されている間隔は1μm以上、10μm以下の範囲とすることが好ましい。長さが1.0μm未満または間隔が1μm未満になると繊維状突起物2の製作条件が難しくなるだけで保水性は余り変わらない。また、長さが200μmを超えると折れやすくなる。間隔が10μmを超えると保水性が少し劣るようになる。したがって上述のように、長さを長くし、間隔を短くすることによって親水性と保水性を共により高めることができる。
そして、この繊維状突起物2の太さは0.01μm以上、1μm以下とすることが好ましい。この太さは生産性と強度の観点から適宜選択することができる。これらの数値範囲は繊維状突起物2が形成された領域に付与したい親水性、保水性または親水性と保水性の両方を高く保持させるなどのデバイスの要求性能の程度によって決定することができる。
さらに、この繊維状突起物2は適度にカールした状態で互いに絡み合って密集している。また、繊維状突起物2の枝部の間隔は1.0μm以上、10μm以下の範囲になっている。間隔が10μmを超えると繊維状突起物2は、お互いに絡みにくくなってしまう。
この密集度、および間隔の数値範囲も上述の太さと同様に付与したい親水性・保水性の程度によって決定される。なお、繊維状突起物2を上述の熱酸化により形成すると後述するように繊維状突起物2はアモルファスとなり、カールしやすくなる。このときの熱酸化による繊維状突起物2の製造方法については、例えば熱酸化の温度やガスの濃度などにより制御することができる。
また、繊維状突起物2はランダムな方向に枝分かれをしているように形成することもできる。このようにすると、親水性および保水性をさらに高めることができる。プラズマCVD法により所定の温度やガス濃度などの条件で熱酸化を行い形成されたアモルファスからなる繊維状突起物2は、ランダムな方向に枝分かれして形成することができる。
図3は、本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の繊維状突起物2のX線解析結果を示す図である。横軸はX線回折角2θを表し、縦軸は回折ピークの強度を任意単位で表している。
図3において、繊維状突起物2はSi(110)のピークである47°のピークを強く示しており、他のピークは見当たらない。また、繊維状突起物2は熱酸化で形成できることから、アモルファスの二酸化珪素からなりシリコン基板1の表面1aに直接接合されていると考えられる。なお、アモルファスの二酸化珪素からなる繊維状突起物2は、後述するように単結晶の二酸化珪素よりも弾性が小さいので柔らかく、折れにくい。
次に、本発明の実施の形態1におけるシリコン構造体の製造方法について図面を用いて説明する。図4から図8は本実施の形態1におけるシリコン構造体の製造方法を説明するための製造ステップを示す断面図である。
まず始めに、準備のステップとして、図4に示すようにシリコン基板1を準備する。この時、シリコン基板1の表面はシリコン原子が露出した状態が好ましい。しかしながら、シリコン原子が露出したシリコン基板1の表面は空気中では酸化されやすいので、二酸化珪素が表面1aに形成されている場合が多い。したがって、シリコン基板1を使用するにあたっては、自然酸化によって表面1aに形成される二酸化珪素の膜厚が薄いものを使用することが望ましい。
次に、図5に示すように所定の領域1bのみを露出させるようにレジスト膜3を形成する。このレジスト膜3はフォトリソ技術に用いる一般的なフォトレジストなどの材料を用いることができる。この露出した所定の領域1bは、後のステップで二酸化珪素からなる繊維状突起物2を選択的に形成する領域であり、任意の領域として選択することができる。
また、準備のステップにおいて、シリコン原子が露出している領域以外を二酸化珪素薄膜で被覆しておくことによって、シリコン原子が露出する領域を選択的に形成することもできる。例えば、予めシリコン基板1の表面1aに膜厚の薄い酸化珪素膜を形成したのちに、二酸化珪素薄膜で被覆する領域をレジスト膜などで覆い、所定の領域1bのところの二酸化珪素薄膜をエッチングなどで除去してシリコン原子を露出する領域とすることができる。
その後、第1のステップとして、図6に示すようにC、F、H元素を含むシード層4をシリコン基板1上の所定の領域1bに形成する。このシード層4は、C(炭素)、F(弗素)、H(水素)元素を含んだ有機ポリマーからなる層である。なお、H元素は必須ではなく、C、F元素を含んだシード層4でもよい。 このシード層4は、プラズマCVD法により弗化炭素系のガス、例えばCF4、CHF3、C26、C38およびC48のうちの少なくともいずれかのガスをプラズマ中で分解することにより形成することができる。
プラズマ中で上述の弗化炭素系のガスはCF、CF2、CF3等の結合手が切断された状態に分解され、これらにH原子が加わって再結合によって様々な組み合わせのポリマー分子が成立する。しかし、後のステップで二酸化珪素からなる繊維状突起物が形成されるためにはシード層4に含まれるこれらの分子の組み合わせ配列順序は特に重要ではなく、C、H、Fが結合した状態で形成されているだけで良いと考えられる。この理由については、後のステップで酸素雰囲気において1000℃から1100℃の範囲の温度にて焼成するため、分子がどのような組み合わせ配列であっても高熱によって分解され、このときの分解物が繊維状突起物の生成を促進する作用があるからであると推測している。
したがって、このときのC、H、F元素は様々な組み合わせの分子として多数の分子が成立することから、ここでは特に限定しない。
次に、図7に示すようにレジスト膜3を除去する。なお、このときレジスト膜3を除去する工程において、シード層4は残留するような除去方法が必要である。この点において、本実施の形態1のようにプラズマCVD法によりシード層4を形成する方法は優れている。つまり、プラズマCVD法によって形成される有機ポリマー膜は比較的耐薬剤性が強く、レジスト膜3を除去するための薬剤の選択肢が広がる。
また、このシード層4は耐薬剤性を有していることから、シード層4を形成した後に、このシード層4をレジスト膜として利用し、シリコン基板1を加工することも可能である。
次に、第2のステップとして、図8に示すようにシード層4を形成したシリコン基板1を酸素雰囲気中において1000℃から1100℃の範囲の温度にて焼成する。このことにより、シード層4が形成された所定の領域1bのみに二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物2を形成することができる。この繊維状突起物2はシリコン基板1に直接接合された状態で結合している。
以上説明したように、本発明のシリコン構造体の製造方法は、基材1のシリコンからなる表面1aの任意の領域に、有機ポリマーからなるシード層4を形成する第1のステップと、基材1を酸素雰囲気で加熱してシード層4が形成された領域に二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物2を形成する第2のステップとを備えている。
このような方法とすることにより、基材1の表面1aの任意の所定の領域1bに複数の繊維状突起物2を直接接合させて形成することができるので、複数の繊維状突起物2を形成する二酸化珪素が大きな表面積を有している。このことにより、全体として高い親水性および保水性のうちの少なくともいずれかを発揮することができるシリコン構造体を製造することができる。
さらに詳細に見ると、この繊維状突起物2が形成された所定の領域1bは、二酸化珪素からなる繊維状突起物2の一本一本が親水性を有しており、これらがモケット状あるいは網目状に多数形成されている。このことにより、この二酸化珪素からなる繊維状突起物2を形成した領域において、多少の表面汚れが発生したとしても、繊維状突起物2を形成する二酸化珪素が大きな表面積を有することとなる。したがって、このようにして形成されたシリコン構造体は、全体として高い親水性および保水性のうちの少なくともいずれかを発揮することができるものである。
なお、上述の製造方法では、第2のステップにおいて二酸化珪素からなる繊維状突起物2に加えて、レジスト膜3を形成していたシリコン基板1の表面1aには二酸化珪素薄膜5が形成されることになるが、この二酸化珪素薄膜5も親水性を有している。
以上のようなシリコン構造体の構成が好ましくない場合には、次のような製造方法によって、繊維状突起物2が形成された所定の領域1b以外はシリコン原子が露出するシリコン構造体を作製することができる。次に、このシリコン構造体の製造方法について図9から図12を用いて説明する。
まず、図9に示すように、表面6aにシリコン原子が露出したシリコン基板6の少なくとも一面に二酸化珪素からなる繊維状突起物7を形成させる。この形成方法は既に述べたようにC、H、Fを含むシード層4をシリコン基板6の全表面に形成した後、酸素雰囲気中において1000〜1100℃にて焼成することで形成することができる。
次に、図10に示すようにレジスト膜8を二酸化珪素からなる繊維状突起物7を残したい領域にパターニングして形成する。
その後、図11に示すように二酸化珪素からなる繊維状突起物7を例えば、HF、BHFなどのエッチング液を用いてエッチングする。これに用いるエッチング液としては二酸化珪素をエッチングすることができるが、シリコンはエッチングできないエッチング液を用いることが好ましいからである。したがって、このようなエッチング液として、HF、BHFなどのエッチング液を用いている。
次に、図12に示すようにレジスト膜8がレジスト剥離剤などを用いて除去される。これによって、所定の領域6bのみに二酸化珪素からなる繊維状突起物7を形成させることができる。
また、上述の一連の製造ステップにおいて、繊維状突起物7はシリコン基板6と結合している機械的強度が強く、界面に親水性を阻害する物質が介在することを防いでいることから、基材6のシリコンからなる表面6aに共有結合していると考えられる。このことにより、繊維状突起物7は上述のように酸性またはアルカリ性の溶媒ならびに有機溶剤などに対する耐性が強く、シリコン基板6の表面6aの任意の所定の領域6bに容易に形成することができる。
なお、この方法ではレジスト膜8の除去の際に二酸化珪素からなる繊維状突起物7の形状が、例えば繊維状突起物7の長さが200μmを超えるような場合には破壊されることがある。したがって、レジスト膜8を形成するレジスト剤の粘度、膜厚、乾燥方法、除去方法等には注意が必要である。
このような製造方法によって、二酸化珪素薄膜5を形成しないで、シリコン基板6の所定の領域6bに繊維状突起物7のみを有するシリコン構造体を作製することができる。
以上、説明したように本発明のシリコン構造体は、シリコンウエハをベース基板とするシリコンで構成することによって、加工性が高く、例えば微細な溝、穴、窪み、等の立体的な構造体を実現することができる。さらに、部分的にシリコン原子が露出するように選択的な形成が可能であり、このシリコン原子が露出した部分のみに二酸化珪素からなる繊維状突起物の一端を選択的に直接接合して形成することができる。
そして、この繊維状突起物が形成された領域においては親水性および保水性のうちの少なくともいずれかが極めて高い領域を実現することができる。このように選択的に限定された領域に親水性および保水性を有したシリコン構造体を実現できることから、複雑な形状でありながら部分的に親水性および保水性を有する必要があるデバイス、例えばバイオセンサー、化学反応チップ、流体制御デバイス等の各種シリコンデバイスに応用することができる。
(実施の形態2)
図13は本発明の実施の形態2における細胞電気生理センサの断面図である。図13に示す細胞電気生理センサ用のセンサチップ14は、薄板15と、この薄板15上に形成され配置された枠体16とを備えている。この薄板15の細胞捕捉面19は二酸化珪素層20で形成されるとともに、枠体16はシリコン層で形成され、この枠体16の内壁16aには二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物22が直接接合されている。なお、枠体16は上方が開放され、枠体16の内側はキャビティ17となっている。
このセンサチップ14は、二枚のシリコン層の間に薄膜状の二酸化珪素層を挟んだいわゆるSOI基板で形成されており、実施の形態1で示したシリコン構造体を含んで構成されている。
すなわち薄板15は、底面となる(第二の)シリコン層18と、このシリコン層18上において薄板15の細胞捕捉面19となる二酸化珪素層20との積層体からなる。また、枠体16は前述の二酸化珪素層20上に形成されたシリコン層からなる。また、薄板15には、図13および図14に示すように、この薄板15を上下方向に貫く導通孔21が形成されている。
また、本実施の形態では枠体16の内壁16aのほぼ全域に、二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物22が直接接合されている。なお、この繊維状突起物22は、枠体16の内壁16aの全域でなくとも、後述のように一部の領域にのみ形成してもよい。
また、本実施の形態では、例えば薄板15のシリコン層18は、膜厚が約5.0μm、二酸化珪素層20の厚さは約2.0μm、シリコン層が約400μmの厚さに形成されている。
そして、導通孔21は、捕捉する細胞の形状に対応して直径および深さが決められている。図13に示す導通孔21は、直径約3μm、深さは約7.0μmとして形成されている。これは直径10μmから20μmの細胞を捕捉する場合に、導通孔21は直径が1μm以上、5μm以下、深さが1μm以上、10μm以下となることが好ましい。また、薄板15のシリコン層18および二酸化珪素層20の厚みも捕捉する細胞の形状に対応して適宜決定される。ただし、二酸化珪素層20の厚みは後述する理由により少なくとも0.1μm以上であることが望ましい。
さらに本実施の形態では、繊維状突起物22の長さは全長で1.0μm以上、200μm以下、太さを0.01μm以上、10.0μm以下とし、複数の繊維状突起物22の間隔を1.0以上、10μm以下とした。
また、この繊維状突起物22は、より表面積を大きくするため、細かくうねったりカールしたりするまで成長させたものであり、一本一本は縮れた形状であって、互いに絡み合った状態で密集している。
また本実施の形態では、上述の具体的な構成のセンサチップ14を、図13に示す細胞電気生理センサに用いた。
図13に示す細胞電気生理センサは、センサチップ14と、このセンサチップ14が挿入されたチップ保持板(保持部)23と、センサチップ14の上方および下方に配置された電解槽24a、24bと、これらの電解槽24a、24bにそれぞれ配置される電極25a、25bとを備えている。
なお、本実施の形態では、電解槽24a、24bを、電解液および電極25a、25bを配置するための液だまり部として用いているが、電極25a、25bは必ずしも電解槽24a、24bに接触させる必要はない。
すなわち、これらの電極25a、25bは、電解槽24a、24b内に配置されていなくてもよく、これらの電解槽24a、24bに充填される電解液と電気的に接続されていればよい。
また、本実施の形態では、センサチップ14を保持するものとして、樹脂からなるチップ保持板23を用いたが、その他の樹脂管、ガラス板やガラス管などを用いてもよい。
次に本実施の形態における細胞電気生理センサの動作を説明する。
まず、図13に示す上方の電解槽24a内に細胞外液、下方の電解槽24b内に細胞内液を気泡が入らないよう充填し、細胞外液、細胞内液にそれぞれ電極25a、25bを接触させる。
ここで細胞外液とは、例えば哺乳類の筋細胞の場合、代表的にはK+イオンが155mM、Na+イオンが12mM程度、Cl-イオンが4.2mM程度添加された電解液であり、細胞内液とはK+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液である。なお、電解液は上述の溶液以外でもよく、細胞がイオンチャネル活動を行うために必要なCa2+、K、Na、Cl等のイオンを含む溶液であり、細胞およびイオンチャネルの種類によって適切にこれらの成分が配合されたものであればよい。
この状態において電極25a、25bの間で100kΩから10MΩ程度の導通抵抗値を測定することができる。これは細胞外液あるいは細胞内液が導通孔21に浸透し、2つの電極25a、25bが細胞外液と細胞内液とを介して導通するからである。
次に上方の電解槽24aの上側から細胞26を投入し、下方の電解槽24bを減圧すると、細胞26は導通孔21に引き付けられ、導通孔21を塞ぐ。そして、細胞26の細胞膜が導通孔21周辺に密着すると、上下の電解槽24aと24bとの間の電気抵抗が十分に高い1GΩ以上の状態(以下、「ギガシール状態」とする)となる。
このギガシール状態を実現できると、細胞26を介さない電気的パス(リークパス)を極力減らすことができる。したがって、細胞26のイオンチャネルの活動によって生じた細胞26の内外の電位が変化した場合には、わずかな電位差あるいは電流であっても検出できることとなる。
次に本実施の形態のセンサチップ14の製造方法を説明する。
はじめに、図15に示すような、シリコン層18とシリコン層27との間に二酸化珪素層20を挟んだいわゆるSOI基板を準備する。SOI基板は、張り合わせ法やCVD法などによって、予め膜厚2.0μmの厚い二酸化珪素層20、および5μmのシリコン層18が形成されているものを用いた。
そしてシリコン層18と二酸化珪素層20とをそれぞれドライエッチングして導通孔21を形成し、さらにシリコン層27のキャビティ相当部分(図14のキャビティ17となる部分)をドライエッチングして枠体(図14の枠体16となる部分)を形成する。
その後、CF4、CHF3、C26、C38およびC48のうちの少なくともいずれかのガスをプラズマ中で分解し、シリコン層27からなる枠体16の内壁16aに向かって導入する。そうすると、図16に示すように、枠体16の内壁16aにシード層28が形成される。
このシード層28はC、H、F元素を含んだ有機ポリマーからなる層であり、プラズマCVD法を用いて、前述のCF4、CHF3、C26、C38およびC48等のフッ化炭素系のガスをプラズマ中で分解することによって形成できる。
なお、これらのガスをプラズマ中で分解するときには、ICP(Inductive Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)を用いると、ガスの分解度が高くなるのでシード層28の均一な形成が行われやすい。
なお、シード層28によって後のステップで形成される繊維状突起物を均一に形成するには、枠体16の内壁16aとなる露出したシリコン層27は、表面はシリコン原子のみからなることが望ましいが、極薄い自然酸化膜が形成された状態でもよい。
そしてその後、センサチップ14を、酸素雰囲気の存在下にて、1000℃から1100℃の範囲で焼成すると、図14に示すように、枠体16の内壁16a(図16のシード層28が形成された領域に対応)に、二酸化珪素からなる繊維状突起物22が形成される。この方法によれば、この繊維状突起物22は、内壁16aと直接接合で結合された状態となり、実施の形態1でも示したように耐熱性にも優れる。
また、この焼成ステップでは、シード層28が形成されていないシリコン層18の側面やシリコン層27の表面には、繊維状突起物は形成されず二酸化珪素からなる熱酸化膜(図示せず)が形成されている。この熱酸化膜は電気的絶縁性を有するため、本実施の形態では、センサチップ14を介するリーク電流を低減でき、細胞電気生理センサの測定精度向上に寄与する。
なお、焼成ステップにおいてC、H、F元素を含んだシード層28は焼失して内壁16aには何も付着していないと考えられ、親水性を阻害する要因となる付着物は存在しない。
本実施の形態では、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。その理由は、枠体16のキャビティ17内に発生する気泡を低減できるからである。
すなわち、図37に示すように、従来のセンサチップ201は、表面に二酸化珪素からなる熱酸化膜212を形成していた。この熱酸化膜212が形成された領域では、二酸化珪素の表面張力を大きく受ける液体材料、例えば水などが、その領域表面に強く引っ張られており、親水性を有した表面となっている。
しかし、この熱酸化膜212は、その表面に空気中などの外部からの汚れが付着した場合には、表面の親水性を失う。すなわち、この状態は、表面が水を引っ張る表面張力が小さくなっている状態となっている。また、この状態に加えて熱酸化膜212の表面積が小さい場合には、結果として親水性が相対的に相当失われる。
そして、枠体204の内壁の親水性が低下すると、例えばキャビティ205内に電解液を充填する際、空気溜まりを排出できず、気泡213が発生しやすくなる。そうすると、この気泡213によって導通孔202の上下間、すなわち電解槽207と電解槽208との間で電気的導通や電解液、薬剤の浸透が阻害され、細胞電気生理センサの測定精度が低下することがあった。また、細胞211と導通孔202の開口部との密着性が阻害され、センサの測定精度が低下することがあった。
本実施の形態では、図14に示すように、枠体16の内壁16aに二酸化珪素からなる繊維状突起物22を備えている。そして、この繊維状突起物22が複数形成されている領域においては、二酸化珪素の表面積が極めて大きくなる。
したがって、汚れの付着によって単位面積あたりの表面張力が小さくなった場合であっても、全体の表面積が大きいことから、水が引っ張られる力はあまり失われず、表面は結果として高い親水性を長期間保つことができる。そしてその結果、キャビティ17内に気泡が発生しにくくなり、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、繊維状突起物22をシリコンからなる枠体16の表面に直接接合させているため、接着剤などを用いることなく形成することができ、耐熱性を高めることができる。さらにセンサの測定誤差の要因となる、接着剤等から出てくる不純物などが、細胞電気生理センサ内に混入しにくくなる。
また、本実施の形態における繊維状突起物22は細かくうねったりカールしたりしているため、さらに表面積が大きくなり、親水性向上に寄与する。
そして、その繊維状突起物22の長さを長くし、間隔を短くすることによって親水性と後述の保水性をより高めることができる。また、このような繊維状突起物22は、近傍の繊維状突起物22と重なることなく絡ませることによって、表面積がさらに大きくなり、親水性を高める。
また、本実施の形態では、複数の繊維状突起物22が複雑に絡み合い、その間隔が1μm以上、10μm以下と非常に狭いため、二酸化珪素の表面積は極めて大きくなっているため親水性が低下しにくく、結果として気泡が発生しにくい。
さらに本実施の形態では、細胞捕捉面19には繊維状突起物22が形成されないようにしている。すなわち、繊維状突起物22は、シリコン層の所定の位置に選択的に形成でき、この所定の位置は任意に設定することができる。このため、二酸化珪素からなるセンサチップ14の細胞捕捉面19は、繊維状突起物22が形成されないようにすることができ、細胞捕捉面19の表面の平坦性が維持されている。
したがって、図13に示すように細胞26と細胞捕捉面19とを密着させて保持することができる。したがって、細胞26と導通孔21の開口部との密着性、すなわちギガシール状態も高まり、結果として細胞電気生理センサの測定精度が向上する。
なお、二酸化珪素層20の膜厚が少なくとも1000Åであれば、その表面には繊維状突起物22が形成されず、この繊維状突起物22をシリコン層に選択的に形成することができる。
また、細胞捕捉面19を二酸化珪素層20で構成すれば、この二酸化珪素層20は電気的絶縁性が高いため、センサチップ14の表面あるいは内部を介するリーク電流を低減でき、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
また、細胞捕捉面19は、熱酸化による二酸化珪素層で構成してもよいが、本実施の形態のようにSOI基板の二酸化珪素層を利用することによって、二酸化珪素層の膜厚を容易に大きくできる。したがって、センサチップを介する電気的パスにおいて、浮遊容量成分を非常に小さくでき、リーク電流の低減に顕著な効果を有する。
なお、本実施の形態では、薄板15を、細胞捕捉面19となる二酸化珪素層20とシリコン層18との積層体で構成したが、例えば図17に示すように、薄板15を二酸化珪素層20のみから形成してもよい。また図17に示すように、枠体16を薄板15の下面に配置してもよい。
なお、本実施の形態では、繊維状突起物22を、枠体16の内壁16aのほぼ全域に形成したが、一部の領域にのみ形成してもよい。部分的に繊維状突起物22を形成する方法として、下記に二つ例を挙げる。
一つは、図18に示すように、予め繊維状突起物22を形成しない領域を樹脂や二酸化珪素からなる保護膜29で覆い、その後に図19に示すように、シード層28を形成する方法である。
この場合、シード層28を形成後、図20に示すように保護膜29を除去し、酸素存在下で焼成すれば、図21に示すように、任意の領域に繊維状突起物22を形成できる。この時、シード層28が形成されなかった領域には、絶縁性の熱酸化膜30が形成され、枠体16の表面を介するリーク電流を低減できる。
なお、シード層28をプラズマCVD法により形成した場合、このシード層28は比較的耐薬剤性が強いため、薬剤を用いた化学的処理によって、保護膜29のみを選択的に除去しやすい。
また、このシード層28は耐薬剤性を有していることから、シード層28を形成した後に、このシード層28を通常のフォトリソグラフィ手法を用いてパターニング加工することが可能である。この方法の利点はシード層28のパターニングだけではなく、枠体16をエッチング加工することも可能であり、より複雑な形状をした構造体を形成できる。
さらに、繊維状突起物22を部分的に形成する二つ目の方法としては、図22に示すように枠体16の内壁16aに繊維状突起物22を形成後、図23に示すように繊維状突起物22を残したい領域を、樹脂からなる保護膜31で覆う方法がある。
この場合、次に図24に示すように繊維状突起物を除去したい領域の繊維状突起物22を、HFやBHFなど通常の薬剤を用いてエッチングして除去し、その後図25に示すように保護膜31を除去すればよい。この場合は、露出した面に前述の熱酸化膜は形成されない。
なお、保護膜31を除去する方法としては、溶剤などの化学的処理によって保護膜31を除去することが望ましい。それは、機械的処理に比べ、化学的処理の方が、微細な繊維状突起物22が壊れにくいからである。
(実施の形態3)
図26は本発明の実施の形態3におけるセンサチップの断面図である。本実施の形態と実施の形態2との違いは、図26に示すように、繊維状突起物22を、枠体16の内壁16aだけでなく、薄板15のシリコン層18の下面にも形成した点である。さらに本実施の形態では、繊維状突起物22を、導通孔21の周辺を囲むように形成している。
これにより、本実施の形態では、薄板15の下面においても、気泡の発生を低減できる。すなわち薄板の下面に気泡が発生すると、その気泡が導通孔21の直下に漂着して、導通孔21の上下間において電気的導通が阻害される、あるいは細胞を吸引しにくくなる。その結果、細胞電気生理センサの測定精度が低下することがある。
これに対し本実施の形態では、薄板15の下面に親水性を長時間保持できる繊維状突起物22を形成したため、薄板15の下面に発生する気泡を低減でき、結果として細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
さらに本実施の形態では、製造ステップにおいて導通孔21内にダストが溜まる現象を低減でき、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
その理由は、薄板15の下面において、導通孔21の外周に、保水性の高い領域を設けたからである。
すなわち、センサチップ14は、ドライエッチング等によって形成された後、洗浄ステップと、乾燥ステップとを経て、細胞電気生理センサに実装される。
ここで、洗浄ステップで用いられたアルコールや水などの洗浄液は、微小な導通孔21内に残って乾燥しにくい。したがって、センサチップ14表面に付着していたダスト(例えば、レジストマスクや自然酸化膜のカスなど)は、乾燥が進むにつれて、導通孔21内に残った水分へと徐々に引き寄せられ、導通孔21内にダストが集積した状態で乾燥することがあった。そして従来は、このダストによって、導通孔21の上下で電気的導通が図りにくくなる、あるいは細胞の吸引が阻害されることが起こり、その結果として細胞電気生理センサの測定精度が低下するという課題があった。
これに対し本実施の形態では、導通孔21と所定の間隔をあけてこれらの外周を囲むように、親水性の繊維状突起物22が絡み合うように形成されている。よってこの繊維状突起物22が形成された領域は、非常に高い保水性を有する。
したがって本実施の形態では、センサチップ14の乾燥ステップにおいて、液体は繊維状突起物22の形成領域に長時間保持され、シリコン層18の表面の乾燥が進むに従って、ダストはこの繊維状突起物22の形成領域へと引き寄せられる。その結果、導通孔21に溜まるダストを低減することができ、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
なお、センサチップ14を乾燥させるステップでは、枠体16のキャビティ17を下にする場合と上にする場合があるが、上記で述べたようなダストが水に引き寄せられる現象は、乾燥時に上を向けた面で発生することが多い。よって、本実施の形態においては、キャビティ17を下にするように乾燥させた場合において特にダストが導通孔21に集積するのを効果的に防ぐ点で有効である。
なお、その他実施の形態2と同様の構成および効果は説明を省略した。
(実施の形態4)
図27は本発明の実施の形態4における細胞電気生理センサの断面図である。図27に示す細胞電気生理センサ用のセンサチップ113は、薄板114と、この薄板114上に形成され配置された円筒状の枠体115とを備えている。枠体115は上方が開放され、内部はキャビティ116となっている。
そして、このセンサチップ113は二枚のシリコン層の間に二酸化珪素層を挟んだいわゆるSOI基板で形成され、薄板114は底面を構成するシリコン層117と、このシリコン層117上に形成された二酸化珪素層118との積層体からなる。そして、シリコン層117の下面117aには、二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物121が直接接合されている。なお、二酸化珪素層118はシリコン層117上において細胞捕捉面113aとなっており、また枠体115は上述の二酸化珪素層118上に形成されたシリコン層からなる。
また、図28に示すように、薄板114には底面側(シリコン層117の下面117a側)に形成された凹部119と、この凹部119の最深部から二酸化珪素層118の上面までを貫く導通孔120が形成されている。
本実施の形態では、薄板114のシリコン層117の下面117aのほぼ全域に、二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物121が直接接合されている。なお、この繊維状突起物121は、後述のように一部の領域にのみ形成してもよい。
また本実施の形態では、薄板114のシリコン層117は膜厚が、例えば約15μm、二酸化珪素層118の厚さは約2.0μm、シリコン層117の厚さが約400μmに形成されている。
そして、凹部119は直径が約20μmの半球形状であり、導通孔120は直径が約3μm、深さは約7.0μmである。ここで導通孔120は直径が10μmから20μmの細胞を捕捉する場合、直径が1μm以上、5μm以下、深さが1μm以上、10μm以下が好ましい。したがって、シリコン層117が厚すぎる場合、本実施の形態のように、凹部119を設けて調整すればよい。
さらに本実施の形態では、繊維状突起物121の長さは、全長で1.0μm以上、200μm以下、太さを0.01μm以上、10.0μm以下とし、複数の繊維状突起物121の間隔を1.0μm以上、10μm以下とした。
また、この繊維状突起物121は、より表面積を大きくするため、細かくうねったりカールしたりするまで成長させたものであり、一本一本は縮れた形状であって、互いに絡み合った状態で密集している。
また、本実施の形態では、上述のセンサチップ113を、図27に示す細胞電気生理センサに用いた。
図27に示す細胞電気生理センサは、センサチップ113と、このセンサチップ113が挿入され、センサチップ113の側面を保持するチップ保持板(保持部)122と、センサチップ113の上方および下方に配置された電解槽123a、123bと、これらの電解槽123a、123bにそれぞれ配置される電極124a、124bとを備えている。なお、これらの電極124a、124bは、電解槽123a、123b内に配置されていなくても、これらの電解槽123a、123bに充填される電解液と電気的に接続されていればよい。
なお、本実施の形態では、センサチップ113を保持するものとして樹脂からなるチップ保持板122を用いたが、その他の樹脂から形成されている樹脂管、ガラス板およびガラス管などを用いてもよい。
次に本実施の形態における細胞電気生理センサの動作を説明する。
まず、図27に示す上方の電解槽123a内に細胞外液、下方の電解槽123b内に細胞内液を気泡が入らないように充填し、細胞外液および細胞内液にそれぞれ電極124aおよび124bを接触させる。
ここで細胞外液とは、例えば哺乳類の筋細胞の場合、代表的にはK+イオンが155mM、Na+イオンが12mM程度、Cl-イオンが4.2mM程度添加された電解液である。また、細胞内液とはK+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液である。
この状態において電極124a、124bの間で100kΩから10MΩ程度の範囲の導通抵抗値を測定することができる。これは細胞外液あるいは細胞内液が導通孔120に浸透し、2つの電極124a、124bが細胞外液と細胞内液とを介して導通するからである。
次に上方の電解槽123aの上側から細胞125を投入し、下方の電解槽123bを減圧すると、細胞125は導通孔120の開口部(図28の開口部120aが該当)に引き付けられ、導通孔120の開口部120aを塞ぎ、細胞膜が導通孔120の周辺に密着する。そうすると、この開口部120aと導出口(図28の導出口120bが該当)との間、すなわち上下の電解槽123a、123b間の電気抵抗が十分に高い1GΩ以上の状態(以下、「ギガシール状態」という)となる。
このギガシール状態を実現できれば、細胞125を介さない電気的パスが殆ど無くなる。よって、細胞125のイオンチャネルの活動によって生じた細胞125内外の電位が変化した場合には、わずかな電位差あるいは電流であっても高精度な測定が可能となる。
次に本実施の形態のセンサチップの製造方法を説明する。
はじめに、図29に示すような、シリコン層117とシリコン層126との間に二酸化珪素層118を挟んだいわゆるSOI基板を準備する。SOI基板は、張り合わせなどによって、例えば予め膜厚2.0μm程度の厚い二酸化珪素層118が形成されているものを用いた。
そして、図30に示すように、シリコン層117上にマスク127を配置する。なお、図30は、シリコン層117および二酸化珪素層118からなる薄板(図28の薄板114が該当)部分のみを示し、枠体(図28の枠体115が該当)となるシリコン層(図29のシリコン層126が該当)を省略して表した。
次に図31に示すように、ドライエッチング方法によって、マスク127の上方からエッチングガスを噴き付け、シリコン層117の中央に凹部119を形成する。
この時のガスとしてはシリコンを選択的にエッチングするガスを用い、例えばSF6やXeF2、またはこれらの混合ガスなどが挙げられる。これらのガスはシリコンのエッチングを深さ方向だけでなく、水平方向へも促進する作用があるため、シリコン層117を半球形状の碗型にエッチングすることができる。
また、上記エッチングガスには、N2、Ar、He、H2などのキャリアガスを混合して用いた。また、エッチングガスのキャリアガスに対するモル比は、2.0以下であることが望ましい。
次に、図32に示すようにICPプラズマを用いたドライエッチング方法によって、マスク127の上方からシリコンのエッチングを促進するガス(以下、「促進ガス」という)と抑制するガス(以下、「抑制ガス」という)とを交互に導入してシリコン層117に導通孔120を形成する。
抑制ガスとしては例えばC48、CHF3を用いることが好ましい。このステップにおいて、促進ガス導入時にはシリコン層117がエッチングされ、抑制ガスの導入時にはエッチングされた内壁に保護膜が形成される。したがって、これらのエッチングガスの組み合わせを最適化することによって、エッチングはマスク127のマスクホール直下でのみ進行し、凹部119の最深部から導通孔120をほぼ垂直な形状にエッチング加工することができる。
なお、シリコン層117と二酸化珪素層118とはエッチングレートが異なることから、二酸化珪素層118はエッチングストップ層として機能し、所定の深さの導通孔120を高精度に形成することができる。
その後、マスク127を除去し、図33に示すようにシリコン層117の表面を露出させる。なお、この時に露出したシリコン層117は、シリコン原子のみからなることが望ましいが、極薄い自然酸化膜が形成された状態でもよい。
次にCF4、CHF3、C26、C38およびC48のうち少なくともいずれかのガスをプラズマ中で分解し、シリコン層117の表面から導入する。そうすると、図33に示すように、二酸化珪素層118が選択的にエッチングされ、導通孔120が形成される。
また、この工程では、シリコン層117の表面全域にガスが導入されると、この表面全域にシード層128が形成される。
このシード層128はC、H、F元素を含んだ有機ポリマーからなる層であり、プラズマCVD法を用いて、上述のCF4、CHF3、C26、C38およびC48等のフッ化炭素系のガスをプラズマ中で分解することによって形成できる。
上記のように薄板(図28の薄板114に該当)部分を形成した後、枠体(図28の枠体115に該当)となるシリコン層(図29のシリコン層126)をドライエッチングし、枠体115を形成する。このステップは、シリコン層117に導通孔120を形成するステップと同様のICPプラズマを用いたドライエッチング方法であるため、説明を省略する。
そしてその後、センサチップ113を、酸素雰囲気の存在下にて、1000℃から1100℃の温度範囲で焼成すると、図28に示すようにシリコン層117の下面117a(図33のシード層128が形成された領域に該当)に、二酸化珪素からなる繊維状突起物121が形成される。この方法によれば、この繊維状突起物121は、シリコン層117と直接接合で結合された状態となり、耐熱性にも優れる。
また、この焼成ステップでは、シード層128が形成されていないシリコン層117の側面やシリコン層126の表面には、繊維状突起物121は形成されず、二酸化珪素からなる熱酸化膜(図示せず)が形成される。この熱酸化膜は電気的絶縁性を有するため、本実施の形態では、センサチップ113を介するリーク電流を低減でき、細胞電気生理センサの測定精度向上に寄与する。
なお、焼成ステップにおいてC、H、F元素を含んだシード層128はシリコン層117の表面から焼失していると考えられ、親水性を阻害する要因とはならない。
なお、本実施の形態では、繊維状突起物121を、シリコン層117の下面117aのほぼ全域に形成したが、一部の領域にのみ形成してもよい。この場合、例えば図34に示すように、繊維状突起物121を形成後、繊維状突起物121を残したい領域129に樹脂からなる保護膜130を形成する。次に繊維状突起物121を除去したい領域131の繊維状突起物121を、HFやBHFなど通常の薬剤を用いてエッチングにより除去し、その後に保護膜130を除去すればよい。この場合は、露出した面に上述の熱酸化膜は形成されない。
なお、保護膜130を除去する方法としては、化学的処理によって保護膜130を除去することが望ましい。それは、機械的処理に比べ、化学的処理の方が、微細な繊維状突起物121が壊れにくいからである。
本実施の形態では、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
その理由は、薄板114のシリコン層117の下面117aに発生する気泡を低減できるからである。
すなわち、図38に示すように、従来のセンサチップ301は、表面に二酸化珪素からなる熱酸化膜310を形成していた。この熱酸化膜310が形成された領域では、二酸化珪素の表面張力を大きく受ける液体材料、例えば水などが、その領域表面に強く引っ張られており、つまり親水性を有した表面である。
しかし、この熱酸化膜310は、表面に空気中などの外部からの汚れが付着した場合、表面の親水性を失う。すなわち、これは表面において水を引っ張る表面張力が小さくなっている状態である。また、熱酸化膜310の表面積が小さい場合には、汚れの付着のために結果として親水性が相対的に相当失われる。
そして、センサチップ301の薄板303の下面303aの親水性が低下すると、気泡312が発生しやすくなる。ここで、この気泡312が導通孔302の導出口311の近傍に発生したり、あるいは導出口311の近傍に漂着したりすると、導通孔302の上下、すなわち電解槽307a、307b間で電気的導通が阻害されてしまう。また細胞309を吸引しにくくなり、細胞309と導通孔302の開口部との密着性(ギガシール性)が阻害される。
本実施の形態では、図28に示すように、シリコン層117の下面117aに、二酸化珪素からなる繊維状突起物121を備えている。そして、この繊維状突起物121が複数形成されている領域においては、二酸化珪素の表面積が極めて大きくなる。
したがって、汚れの付着によって単位面積あたりの表面張力が小さくなった場合であっても、全体の表面積が大きい。このことから、水が引っ張られる力はあまり失われず、結果として表面は高い親水性を長期間保つことができる。そしてその結果、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、繊維状突起物121をシリコン層117の表面に直接接合させているため、接着剤などを用いることなく形成することができ、耐熱性を高めることができる。さらにセンサの測定誤差の要因となる不純物など(例えば、接着剤等から出てくる不純物など)が、細胞電気生理センサ内に混入しにくくなる。
また、本実施の形態における繊維状突起物121は細かくうねったりカールしたりしているため、さらに表面積が大きくなり、親水性向上に寄与する。
そして、その繊維状突起物121の長さを長くし、間隔を短くすることによって親水性と後述の保水性をより高めることができる。また、このような繊維状突起物121は、近傍の繊維状突起物121と絡ませて密集させることによって、表面積がさらに大きくなり、親水性を高める。
また、本実施の形態では、複数の繊維状突起物121が複雑に絡み合い、その間隔が非常に狭く、二酸化珪素の表面積は極めて大きくなっているため、親水性が低下しにくい。そしてその結果、図28に示す凹部119に細かい気泡の種119aが発生したとしても大きくなることがないので、下面117aなどに気泡が発生しにくくなる。
さらに本実施の形態では、細胞捕捉面113aには繊維状突起物121が形成されないようにしている。すなわち、繊維状突起物121は、シリコン層に選択的に形成されるため、二酸化珪素からなるセンサチップ113の細胞捕捉面113aは、繊維状突起物121が形成されず、細胞捕捉面113aの表面の平坦性が維持されている。
したがって、細胞125と細胞捕捉面113aとを密着させて保持することができる。したがって、細胞125と導通孔120の開口部120aとの密着性(ギガシール性)も高まり、結果として細胞電気生理センサの測定精度が向上する。
なお、二酸化珪素層118の膜厚が少なくとも1000Åであれば、その表面には繊維状突起物121が形成されず、この繊維状突起物121をシリコン層に選択的に形成することができる。
また、細胞捕捉面113aを二酸化珪素層118で構成すれば、この二酸化珪素層118は電気的絶縁性が高いため、センサチップ113の表面あるいは内部を介するリーク電流を低減でき、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。また、細胞捕捉面113aは、熱酸化による二酸化珪素層で構成してもよいが、本実施の形態のようにSOI基板の二酸化珪素層を利用することによって、膜厚を大きくできる。したがって、センサチップ113を介する電気的パスにおいて、浮遊容量成分を非常に小さくでき、リーク電流の低減に顕著な効果を有する。
(実施の形態5)
図35は本発明の実施の形態5におけるセンサチップの断面図である。本実施の形態と実施の形態4との違いは、図35に示すように、繊維状突起物121をシリコン層117の下面117aの一部の領域に形成した点である。すなわち、本実施の形態の繊維状突起物121は、凹部119および導通孔120の内壁には形成されていない。本実施の形態の繊維状突起物121は、導通孔120の導出口120bや凹部119と所定の間隔をあけ、導出口120bや凹部119の外周を囲うように形成されている。
このことにより、実施の形態4と同様にセンサチップ113の下方に発生する気泡を低減でき、さらに凹部119や導通孔120内に溜まるダストを低減でき、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。このダスト低減効果については、後段で詳説する。
本実施の形態のように部分的に繊維状突起物121を形成する方法としては、一つは、実施の形態4と同様に、繊維状突起物121を形成した後、繊維状突起物121を残したい領域を保護膜で覆い、その後に繊維状突起物121が不要な領域においては、繊維状突起物121を除去する方法がある。
さらに二つ目の方法は、図36に示すように、予め繊維状突起物を形成しない領域132を樹脂または二酸化珪素等からなる保護膜133で覆い、その後にシード層128を形成する方法である。この場合、シード層128を形成した後、保護膜133を除去し、センサチップ(図3のセンサチップ113が該当)を酸素存在下で焼成すれば、任意の所定の領域に繊維状突起物121を形成できる。
なお、実施の形態4と同様に、シード層128をプラズマCVD法により形成した場合、このシード層128は比較的に耐薬剤性が強いため、薬剤を用いた化学的処理によって、保護膜133のみを選択的に除去しやすい。
また、このシード層128は耐薬剤性を有していることから、シード層128を形成した後に、このシード層128を通常のフォトリソグラフィ手法を用いてパターニング加工することが可能である。この方法の利点はシード層128のパターニングだけではなく、枠体115をエッチング加工することも可能であり、より複雑な形状をしたシリコン構造体を形成することができる。
本実施の形態では、センサチップ113の下面において、凹部119および導通孔120内のダストを低減し、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
その理由は、凹部119および導通孔120の導出口120bの外周に、保水性の高い領域を設けたからである。
すなわち、センサチップ113は、ドライエッチング等によって形成された後、洗浄ステップと、乾燥ステップとを経て、細胞電気生理センサに実装される。
ここで、洗浄ステップで用いられた洗浄液(例えば、アルコールや水など)は、センサチップ113の凹部119や導通孔120内に残って乾燥しにくい。したがって、センサチップ113の表面に付着していたダスト(例えば、レジストマスクや自然酸化膜のカスなど)は、乾燥が進むにつれて、凹部119や導通孔120内に残った水分へと徐々に引き寄せられる。その結果、凹部119や導通孔120内にダストが集積した状態で乾燥することがあった。そして従来は、このダストによって、導通孔120の上下で電気的導通が図りにくくなり、あるいは細胞の吸引が阻害され、細胞電気生理センサの測定精度が低下するという課題があった。
これに対して本実施の形態では、凹部119及び導通孔120と所定の間隔をあけてこれらの外周を囲うように、親水性の繊維状突起物121が絡み合うように形成されている。したがって、この繊維状突起物121が形成された領域は、非常に高い保水性を有することとなる。
したがって本実施の形態では、センサチップ113の乾燥ステップにおいて、液体は繊維状突起物121の形成領域に長時間保持され、シリコン層117の表面の乾燥が進むに従って、ダストは繊維状突起物121の形成領域へと引き寄せられる。そしてその結果、凹部119及び導通孔120に溜まるダストを低減することができ、結果として、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
なお、センサチップ113を乾燥させるステップでは、枠体115のキャビティ116を下にする場合と上にする場合がある。上記で述べたようなダストが水に引き寄せられる現象は、乾燥時に枠体115のキャビティ116を上に向けた面で発生することが多い。したがって本実施の形態では、シリコン層117上に繊維状突起物121を形成することにより、ダストが導通孔120に集積するのを効果的に防ぐことができる。
なお、繊維状突起物121は、導通孔120の導出口120bの外周を囲う一帯に帯状に形成するだけでなく、外周に点在させてもよいものとする。また、外周を囲う一帯に点在させて形成してもよい。
その他の実施の形態4と同様の構成および効果については説明を省略する。
なお、本実施の形態では、薄板114にのみ繊維状突起物121を形成したが、さらに枠体115の表面にも形成してもよい。例えば、枠体115の内壁にも繊維状突起物121を形成すれば、枠体115内の親水性が高まり、気泡の発生を抑制することによって細胞電気生理センサの測定精度がさらに向上する。
さらに薄板114や枠体115の側面にも繊維状突起物121を形成してもよい。
本発明にかかるシリコン構造体およびその製造方法は、例えば細胞などの生化学反応を測定するバイオセンサデバイス、高速で薬理判定を行う薬品スクリーニングシステム、およびインクジェットヘッドなどの流体制御アクチュエータなどに適用することができ有用である。
また、本発明のセンサチップは、細胞電気生理センサなどの測定精度を著しく向上させることができるため、例えば高精度な分析が求められる医療分野を初めとして、細胞の薬理反応の解析などに適用することができ有用である。
1,6 シリコン基板(基材)
1a,6a 表面
1b,6b 所定の領域
2,7,22,121 繊維状突起物
3,8 レジスト膜
4,28,128 シード層
5 二酸化珪素薄膜
14,113 センサチップ
15,114 薄板
16,115 枠体
16a 内壁
17,116 キャビティ
18 第二のシリコン層(シリコン層)
19,113a 細胞捕捉面
20,118 二酸化珪素層
21,120 導通孔
23,122 チップ保持板(保持部)
24a,24b,123a,123b 電解槽
25a,25b,124a,124b 電極
26,125 細胞
27 第一のシリコン層(シリコン層)
29,31,130,133 保護膜
30 熱酸化膜
117,126 シリコン層
117a 下面
119 凹部
120a 開口部
120b 導出口
127 マスク
129 繊維状突起物を残したい領域
131 繊維状突起物を除去したい領域
132 繊維状突起物を形成しない領域

Claims (10)

  1. 基材と、
    この基材のシリコンからなる表面に直接接合された、アモルファスの二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物とを備え、
    前記複数の繊維状突起物は、カールした状態で互いに絡みあうように密集し、それぞれの前記繊維状突起物はランダムな方向に枝分かれしているシリコン構造体。
  2. 前記繊維状突起物は、前記基材のシリコンからなる表面に共有結合している請求項1に記載のシリコン構造体。
  3. 前記繊維状突起物の長さは、1.0μm以上、200μm以下とした請求項1に記載のシリコン構造体。
  4. 前記繊維状突起物の間隔は、1μm以上、10μm以下とした請求項1に記載のシリコン構造体。
  5. 前記繊維状突起物の太さは、0.01μm以上、1μm以下とした請求項1に記載のシリコン構造体。
  6. 前記繊維状突起物の間隔は、1.0μm以上、10μm以下とした請求項1に記載のシリコン構造体。
  7. 導通孔を有する薄板と、
    この薄板上に配置された枠体と、を備え、
    前記薄板の細胞捕捉面は二酸化珪素層で形成されるとともに、前記枠体はシリコン層で形成され、この枠体の内壁にはアモルファスの二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物が直接接合され、前記繊維状突起物は、カールした状態で互いに絡みあうように密集し、それぞれの前記繊維状突起物はランダムな方向に枝分かれしているセンサチップ。
  8. 導通孔を有する薄板と、
    この薄板上に配置された枠体と、を備え、
    前記薄板は、シリコン層と、このシリコン層上に形成された二酸化珪素層との積層体からなり、前記シリコン層の下面には、アモルファスの二酸化珪素からなる複数の繊維状突起物が直接接合され、前記繊維状突起物は、カールした状態で互いに絡みあうように密集し、さらに、ランダムな方向に枝分かれしているセンサチップ。
  9. 前記二酸化珪素層は、細胞捕捉面を形成している請求項に記載のセンサチップ。
  10. 前記繊維状突起物は、前記導通孔の導出口と所定の間隔をあけ、この導出口の外周を囲うように形成されている請求項に記載のセンサチップ。
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