JP5457301B2 - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
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Description
Cは、溶接時にアークの安定化に寄与する効果がある。しかし、Cの含有量が0.02%未満では、この効果が十分に得られない。また、Cの含有量が0.08%超では、Cが溶接金属中に過剰に歩留まることにより、溶接金属の低温靱性の低下を招く。そこで、Cの含有量は、0.02〜0.08%とする。
Siは、溶接時に一部が溶接スラグとなることにより溶接ビードの外観や形状を良好にし、溶接作業性の向上に寄与する。しかし、Siの含有量が0.1%未満では、溶接ビードの外観や形状を良好にする効果が十分に得られない。また、Siの含有量が1.0%超では、Siが溶接金属中に過剰に歩留まることにより、溶接金属の低温靱性の低下を招く。そこで、Siの含有量は、0.1〜1.0%とする。
Mnは、Siと同様、溶接時に一部が溶接スラグとなることにより溶接ビードの外観や形状を良好にし、溶接作業性の向上に寄与する。また、Mnは、溶接金属に歩留まることにより、溶接金属の強度と低温靱性を高める効果がある。しかし、Mnの含有量が1.0%未満では、これらの効果が十分に得られない。また、Mnの含有量が2.5%超では、Mnが溶接金属中に過剰に歩留まり、溶接金属の強度が過剰になることにより、かえって溶接金属の低温靱性の低下を招く。そこで、Mnの含有量は、1.0〜2.5%とする。
Niは、溶接金属の低温靱性を向上させる効果がある。しかし、Niの含有量が0.1%未満では、この効果が十分に得られない。また、Niの含有量が3.0%超では、PWHT後の低温靭性の低下を招くうえ、溶接金属に高温割れが発生し易くなることにより外観、形状の良好な溶接ビードが得にくくなり、溶接作業性の低下を招いてしまう。そこで、Niの含有量は、0.1〜3.0%とする。
Bは、微量の添加により溶接金属のミクロ組織を微細化し、溶接金属の低温靱性を向上させる効果がある。しかし、Bの含有量が0.002%未満では、この効果が十分に得られない。また、Bの含有量が0.015%超では、溶接金属が過度に硬化することにより低温靱性の低下を招くとともに、溶接金属に高温割れが発生し易くなることにより外観、形状の良好な溶接ビードが得にくくなり、溶接作業性の低下を招いてしまう。そこで、Bの含有量は、0.002〜0.015%とする。
Mgは、強脱酸剤として機能することにより溶接金属中の酸素を低減し、溶接金属の低温靱性を高める効果がある。しかし、Mgの含有量が0.1%未満では、この効果が十分に得られない。また、Mgの含有量0.8%超では、溶接時にアーク中で激しく酸素と反応してスパッタやヒュームの発生量が多くなることにより、溶接作業性の低下を招いてしまう。そこで、Mgの含有量は、0.1〜0.8%とする。
Vは、その含有量を制限することにより、PWHT後の溶接金属の低温靭性向上を図ることが可能となるが、その含有量が低すぎると、PWHT後の溶接金属の強度がAWのものより低減してしまう。ここで、Vの含有量が0.021%以上であれば、PWHT後の溶接金属の強度がAWのものより低減するのを十分に抑制することが可能となる。また、PWHT後の溶接金属の低温靭性低下は、VとMnの複合添加によって助長されるため、Vの含有量がMnとの関係式(0.055−0.01×[Mn%])%から得られる値を超えないようにする必要がある。そこで、Vの含有量は、0.021〜(0.055−0.01×[Mn%])%とする。但し、[Mn%]はワイヤ全質量に対する質量%でのMnの含有量を示す。
Ti酸化物及び金属Tiは、溶接時にアークの安定化に寄与するとともに、溶接時に溶接スラグとなることにより溶接ビードの形状を良好にし、溶接作業性の向上に寄与する効果がある。また、Ti酸化物及び金属Tiは、一部がTi酸化物として溶接金属中に歩留まることにより、溶接金属のミクロ組織を微細化し、溶接金属の低温靱性を向上させる効果もある。また、Ti酸化物及び金属Tiは、立向上進溶接において、溶接スラグにTi酸化物として含まれることによって溶融スラグの粘性や融点を調整し、溶融メタルが垂れるのを防ぐ効果がある。しかし、Ti酸化物及び金属TiのTiO2換算値の合計が3.0%未満では、これらの効果が十分に得られず、アークの不安定化、スパッタの増大による溶接ビードの外観、形状の劣化、溶接金属の低温靭性の低下を招く。また、このTiO2換算値の合計が3.0%未満では、立向上進溶接において溶融メタルが垂れ、溶接の継続が困難になる。一方、このTiO2換算値の合計が8.0%超では、アークが安定してスパッタ発生量も少ないが、溶接金属にTi酸化物が過剰に残存することにより、低温靱性の低下を招く。そこで、Ti酸化物及び金属Tiの含有量は、TiO2換算値の合計で3.0〜8.0%とする。
Al酸化物及び金属Alは、溶接時に溶接スラグにAl酸化物として含まれることによって溶接スラグの粘性や融点を調整し、特に立向上進溶接における溶融メタルが垂れるのを防ぐ効果がある。しかし、Al酸化物及び金属AlのAl2O3換算値の合計が0.1%未満では、この効果が十分に得られない。また、このAl2O3換算値の合計が1.2%を超えると、溶接金属中にAlが過剰に残存することにより、低温靱性の低下を招く。そこで、Al酸化物及び金属Alの含有量は、Al2O3換算値の合計で0.1〜1.2%とする。
Si酸化物は、溶融スラグの粘性や融点を調整してスラグ被包性を向上させる効果がある。しかし、Si酸化物のSiO2換算値の合計が0.1%未満では、この効果が十分に得られない。また、SiO2換算値の合計が1.0%超では、溶融スラグの塩基度が低下することにより、溶接金属の酸素量が増加して低温靭性の低下を招く。そこで、Si酸化物の含有量は、SiO2換算値の合計で0.1〜1.0%とする。
Pは、溶接金属の低温靱性を低下させる元素である。しかし、Pは、その含有量が0.02%以下であれば、溶接金属の低温靭性について許容できる範囲となる。そこで、Pの含有量は、0.02%以下とする。
Nbは、PWHTにより溶接金属中にNb炭化物やNb窒化物を形成し、溶接金属の低温靱性を低下させる元素である。しかし、Nbは、その含有量が0.015%以下であれば、溶接金属の低温靭性について許容できる範囲となる。そこで、Nbの含有量は、0.015%以下とする。
Zr酸化物及び金属Zrは、Al酸化物及び金属Alと同じく、溶接時に溶接スラグにZr酸化物として含まれることによって溶接スラグの粘性や融点を調整し、特に立向上進溶接における溶融メタルが垂れるのを防ぐ効果がある。しかし、Zr酸化物及び金属ZrのZrO2換算値の合計が0.1%未満では、この効果が十分に得られない。また、このZrO2換算値の合計が0.8%超では、溶接スラグの剥離性の低下を招く。そこで、Zr酸化物及び金属Zrが含有させる場合、その含有量は、ZrO2換算値の合計で0.1〜0.8%とする。
Moは、溶接金属の強度を高める効果がある。しかし、Moの含有量が0.02%未満では、この効果が十分に得られない。また、Moの含有量が0.30%超では、溶接金属の強度が高くなりすぎ、かえって溶接金属の低温靱性の低下を招く。そこで、Moを含有させる場合、その含有量は、0.02〜0.30%とする。
Claims (3)
- 鋼製外皮にフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
ワイヤ全質量に対する質量%で、
C:0.02〜0.08%、
Si:0.1〜1.0%、
Mn:1.0〜2.5%、
Ni:0.1〜3.0%、
B:0.002〜0.015%、
Mg:0.1〜0.8%、
V:0.021〜(0.055−0.01×[Mn%])%、
Ti酸化物及び金属TiのTiO2換算値の合計:3.0〜8.0%、
Al酸化物及び金属AlのAl2O3換算値の合計:0.1〜1.2%、
Si酸化物のSiO2換算値の合計:0.1〜1.0%を含有し、
P:0.02%以下、
Nb:0.015%以下であり、
残部が鋼製外皮のFe、鉄粉、鉄合金粉のFe分、アーク安定剤及び不可避不純物からなることを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
但し、[Mn%]はワイヤ全質量に対する質量%でのMnの含有量を示す。 - ワイヤ全質量に対する質量%で、Zr酸化物及び金属ZrのZrO2換算値の合計:0.1〜0.8%を更に含有することを特徴とする請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
- ワイヤ全質量に対する質量%で、Mo:0.02〜0.30%を更に含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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