JP5442985B2 - 染色されたカーシート用布帛の製造方法および染色されたカーシート用布帛 - Google Patents
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Description
しかしながら、かかる方法によれば、布帛の耐光堅牢性が向上するものの、特許文献2に記載された布帛は不織布であるため、意匠性の点で十分なものではなかった。
本発明において、まず、単繊維径が10〜1000nmのポリエステルフィラメント糸Aを含み、かつ織物組織または編物組織を有する布帛を用意する。
ここで、前記ポリエステルフィラメント糸A(以下、「ナノファイバー」と称することもある。)において、その単繊維径(単繊維の直径)が10〜1000nm(好ましくは100〜800nm、特に好ましくは550〜800nm)の範囲内であることが肝要である。かかる単繊維径を単繊維繊度に換算すると、0.000001〜0.01dtexに相当する。該単繊維径が10nmよりも小さい場合は繊維強度が低下するため実用上好ましくない。逆に、該単繊維径が1000nmよりも大きい場合は、布帛が超極細繊維特有のソフトな風合いを呈さないおそれがあり好ましくない。ここで、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーとにおいて、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。
前記布帛は織物組織または編物組織を有することが肝要である。不織布組織の場合、意匠性の点で劣るため好ましくない。
次いで、必要に応じて、常法のバフ加工、起毛加工、裏面バックコーテイング、撥水加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
<溶解速度>
海・島ポリマーの各々0.3φ−0.6L×24Hの口金にて1000〜2000m/分の紡糸速度で糸を巻き取りし、さらに残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、84dtex/24filのマルチフィラメントを作製した。これを各溶剤にて溶解しようとする温度で浴比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度を算出した。
<風合い>
布帛表面の風合いを試験者3人が官能評価し、3級:超極細繊維(ナノファイバー)特有の柔らかくヌメリ感のある風合いを呈する、2級:普通、1級:超極細繊維特有の風合いを呈さない、の3段階に評価した。
<意匠性>
意匠性を試験者3人が目視判定し、3級:経糸と緯糸の色差が異なり意匠性に優れる、2級:普通、1級:意匠性に劣る、の3段階に評価した。
<耐光堅牢性>
JIS L0843 B法(キセノンアーク法準用、38サイクル)で測定し、判定はJIS L0804の変退色用グレースケールにて行った。3級以上が合格である。
ここで言う1サイクルは、明サイクル(ブラックパネル温度89±3℃、相対湿度50±5%、サイクル時間3.8時間)と暗サイクル(ブラックパネル温度38±3℃、相対湿度95±5%、サイクル時間1.0時間)を繰り返し行うことである。
<単繊維径>
布帛を電子顕微鏡で写真撮影した後、n数5で単繊維径を測定しその平均値を求めた。
島成分としてポリエチレンテレフタレート、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール6重量%を共重合したポリエチレンテレフタレートを用い(溶解速度比(海/島)=230)、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットしてポリエステルフィラメント糸A用海島型複合延伸糸として巻き取った。得られた海島型複合延伸糸は56dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は700nmであった。
次いで、該延伸糸を4本引きそろえて撚糸糸条(Z方向、250T/m)とし、スナール対策として温度70℃、時間30分の熱セットを行い経糸とした。
一方、他の繊維としてポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(総繊度167dtex/48fil、帝人ファイバー社製、単繊維径18μm)を用意し、緯糸とした。
次いで、織り上がった生機を、50g/リットルの NaOH水溶液で80℃×20分で30%の減量加工を行うことにより、前記海島型複合延伸糸を単繊維径700nmのポリエステルフィラメント糸Aとした後、下記の染料レサイプで染色加工を行った。
アゾ系・キノン系配合(50:50) Harmony Light Yellow HAL 1.05%
アントラキノン系 Harmony Light Red MS-4 0.63%
アントラキノン系 Harmony Light Blue HAL 1.36%
紫外線吸収剤 サンライフ LPX50 1.00%
アゾ系:キノン系=17.3:82.7
ここで、アゾ系とは非アントラキノン系染料のことであり、キノン系とはアントラキノン系染料のことである。
得られた布帛において、超極細繊維(ナノファイバー)特有の柔らかくヌメリ感のある風合いを呈する(3級)ものであった。また、経糸と緯糸の単繊維径が異なるため色差が異なり、意匠性に優れていた(3級)。また、耐光堅牢性は3級と耐光堅牢性性に優れるものであった。目付けは300g/m2であった。また、得られた布帛において、全繊維重量200g/m2中、単繊維径700nmのポリエステルフィラメント糸Aが63重量%含まれ、他の繊維は37重量%含まれていた。また、他の繊維の単繊維径は18μmであった。
次いで、前記布帛を用いてカーシートを作製したところ、超極細繊維(ナノファイバー)特有の柔らかくヌメリ感のある風合いを呈する(3級)ものであり、また、意匠性に優れていた(3級)。また、加工性も良好であった。
実施例1において、染料レサイプを下記のように変更すること以外は実施例1と同様にした。
アゾ系・キノン系配合(50:50) Harmony Light Yellow HAL 2.13%
アントラキノン系 Harmony Light Red MS-4 0.59%
アントラキノン系 Harmony Light Blue HAL 0.29%
紫外線吸収剤 サンライフ LPX50 1.00%
アゾ系:キノン系=35.4:64.6
得られた布帛において、超極細繊維(ナノファイバー)特有の柔らかくヌメリ感のある風合いを呈する(3級)ものであった。また、経糸と緯糸の単繊維径が異なるため色差が異なり、意匠性に優れていた(3級)。また、耐光堅牢性は3級と耐光堅牢性性に優れるものであった。目付けは300g/m2であった。また、得られた布帛において、全繊維重量200g/m2中、単繊維径700nmのポリエステルフィラメント糸Aが63重量%含まれ、他の繊維は37重量%含まれていた。また、他の繊維の単繊維径は18μmであった。
次いで、前記布帛を用いてカーシートを作製したところ、超極細繊維(ナノファイバー)特有の柔らかくヌメリ感のある風合いを呈する(3級)ものであり、また、意匠性に優れていた(3級)。また、加工性も良好であった。
実施例1において緯糸に用いた、通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(総繊度167dtex/48fil、帝人ファイバー社製、単繊維径18μm)を経糸および緯糸に配すること以外は実施例1と同様にした。
得られた布帛において、意匠性は普通(2級)であり、超極細繊維特有の風合いを呈さないもの(1級)であった。
Claims (10)
- 単繊維径が10〜1000nmのポリエステルフィラメント糸Aおよび単繊維径が1μmよりも大の繊維を含み、かつ織物組織または編物組織を有する布帛を、アントラキノン系染料と紫外線吸収剤とを含む染料レサイプで染色加工した後、アクリル樹脂を使用してバックコーテイングすることを特徴とする染色されたカーシート用布帛の製造方法。
- 前記ポリエステルフィラメント糸Aのフィラメント数が500本以上である、請求項1に記載の染色されたカーシート用布帛の製造方法。
- 前記ポリエステルフィラメント糸Aが、海成分とポリエステルからなりその径が10〜1000nmである島成分とで形成される海島型複合繊維の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去してなるフィラメント糸である、請求項1または請求項2に記載の染色されたカーシート用布帛の製造方法。
- 前記ポリエステルフィラメント糸Aに撚糸が施されている、請求項1〜3のいずれかに記載の染色されたカーシート用布帛の製造方法。
- 布帛重量に対して、前記ポリエステルフィラメント糸Aが20〜80重量%含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の染色されたカーシート用布帛の製造方法。
- 前記染料レサイプに、他の染料として非アントラキノン系染料も含まれる、請求項1〜5のいずれかに記載の染色されたカーシート用布帛の製造方法。
- 前記アントラキノン系染料と非アントラキノン系染料との配合比率が重量比で(前記アントラキノン系染料:非アントラキノン系染料)50:50〜100:0の範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載の染色されたカーシート用布帛の製造方法。
- 前記アントラキノン系染料と非アントラキノン系染料との合計重量が布帛重量に対して0.25〜6.0重量%の範囲内である、請求項1〜7のいずれかに記載の染色されたカーシート用布帛の製造方法。
- 前記紫外線吸収剤の重量が布帛重量に対して0.5〜5.0重量%の範囲内である、請求項1〜8のいずれかに記載の染色されたカーシート用布帛の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載された製造方法により製造された染色されたカーシート用布帛。
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