JP5333557B2 - 給湯空調システム - Google Patents
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Description
本発明は、冷媒回路を有する給湯装置と空気調和装置と蓄熱槽とを備え、給湯装置の冷媒回路が冷凍サイクルを行うことによって給湯用の温水を生成し且つ蓄熱槽に冷熱を蓄える運転と、蓄熱槽に蓄えた冷熱を利用した冷房運転とを実行可能な給湯空調システムに関するものである。
従来より、冷凍サイクルを行う冷媒回路を有して放熱器で温水を生成する給湯装置と、室内を空気調和する空気調和装置とを備え、給湯装置の蒸発器で生じる冷熱を回収して空気調和装置の冷房運転に利用する給湯空調システムが知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。
特許文献1の給湯空調システムでは、給湯装置の放熱器は、貯湯槽と接続され、貯湯槽内の水と冷媒とを熱交換させる。また、給湯装置の蒸発器は、蓄熱槽と接続され、蓄熱槽内の蓄熱媒体と冷媒とを熱交換させる。このような構成により、給湯装置の冷媒回路において循環する冷媒は、蒸発器において蓄熱槽内の蓄熱媒体から吸熱し、吸収した熱を利用して放熱器において貯湯槽内の水を加熱する。従って、特許文献1の給湯空調システムでは、貯湯槽内の水を加熱する湯沸かし運転によって得られた冷熱が蓄熱槽に蓄えられる。この湯沸かし運転による蓄熱は、電力料金の安い深夜に行われる。
また、特許文献1の給湯空調システムでは、蓄熱槽に空気調和装置が接続されている。空気調和装置は、深夜に蓄熱槽に蓄えられた冷熱を利用して、日中に室内の冷房を行う。そのため、日中に室内を冷房するのに必要な電力は、蓄熱槽の冷熱を利用しない場合に比べて減少する。特許文献1の給湯空調システムでは、このように深夜に給湯装置の蒸発器で生じる冷熱を蓄熱槽に回収し、回収された冷熱を日中に室内の冷房に利用することによって室内の冷房に要する費用を削減している。
ところで、深夜の湯沸かし運転によって得られる冷熱の量は、日中の冷房運転に必要な冷熱の量に比べて少ないのが通常である。特に、給湯需要が少なくて冷房負荷の高い夏季には、冷房運転に必要な冷熱の量が、湯沸かし運転によって得られる冷熱の量の数倍程度に達する。
ところが、特許文献1の給湯空調システムにおいて蓄熱槽に蓄えられる冷熱は、深夜の湯沸かし運転によって得られた冷熱だけである。そのため、深夜に蓄熱槽に蓄えられた冷熱だけでは、日中の冷房負荷のほんの一部しか処理することができない。従って、湯沸かし運転によって得られた冷熱だけを蓄える従来の給湯空調システムでは、日中に室内を冷房するのに必要な電力量を十分に削減できず、給湯空調システムのランニングコストを十分に削減できなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、給湯装置の冷媒回路が冷凍サイクルを行うことによって給湯用の温水を生成し且つ蓄熱槽に冷熱を蓄える運転と、蓄熱槽に蓄えた冷熱を利用した冷房運転とを実行可能な給湯空調システムにおいて、ランニングコストを削減することにある。
第1の発明は、給湯用の温水を蓄える貯湯槽(11)と、該貯湯槽(11)の水を加熱するための加熱用熱交換器(48)が接続された給湯用冷媒回路(40)とを有する給湯装置(10)と、室内熱交換器(27)と室外熱交換器(24)とが接続された空調用冷媒回路(21)を有して室内を空気調和する空気調和装置(20)と、蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽(31)と、上記給湯用冷媒回路(40)の冷媒と上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体とを熱交換させる給湯側熱交換器(33)と、上記空調用冷媒回路(21)の冷媒と上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体とを熱交換させる空調側熱交換器(34)とを有する蓄熱装置(30)とを備え、上記蓄熱装置(30)が上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する蓄冷運転と、上記空気調和装置(20)が上記空調用冷媒回路(21)において冷媒を上記空調側熱交換器(34)から上記室内熱交換器(27)へ流れるように循環させ、上記蓄熱装置(30)が上記空調側熱交換器(34)を流れる冷媒を上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体によって冷却する利用冷房運転とが実行可能に構成され、上記蓄冷運転中には、上記給湯装置(10)の上記給湯用冷媒回路(40)が上記加熱用熱交換器(48)が放熱器となり且つ上記給湯側熱交換器(33)が蒸発器となる冷凍サイクルを行い、上記蓄熱装置(30)が上記給湯側熱交換器(33)において上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する給湯側蓄冷動作と、上記空気調和装置(20)の上記空調用冷媒回路(21)が上記室外熱交換器(24)が放熱器となり且つ上記空調側熱交換器(34)が蒸発器となる冷凍サイクルを行い、上記蓄熱装置(30)が上記空調側熱交換器(34)において上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する空調側蓄冷動作とが同時に並行して実行可能である。
第1の発明では、給湯空調システムが蓄冷運転と利用冷房運転とを行う。蓄冷運転中には、蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体が冷却されて蓄熱槽(31)に冷熱が蓄えられていく。蓄冷運転中の給湯空調システムでは、給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とが実行される。一方、利用冷房運転中の給湯空調システムは、蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱を利用して室内を冷房する。利用冷房運転中において、空調用冷媒回路(21)において循環する冷媒は、空調側熱交換器(34)において冷却された後に室内熱交換器(27)へ流入し、室内の冷房に利用される。
第1の発明の給湯空調システムは、蓄冷運転中に給湯側蓄冷動作を行う。この給湯側蓄冷動作中には、給湯用冷媒回路(40)を循環する冷媒が、加熱用熱交換器(48)において放熱し、給湯側熱交換器(33)において吸熱する。そして、給湯装置(10)は、加熱用熱交換器(48)において得られた温熱を利用して貯湯槽(11)内の水を加熱し、蓄熱装置(30)は、給湯側熱交換器(33)において得られた冷熱を利用して蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する。つまり、給湯側蓄冷動作中には、貯湯槽(11)内の水を加熱するために給湯用冷媒回路(40)が行う冷凍サイクルによって冷熱が得られ、得られた冷熱が蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えられる。
また、第1の発明の給湯空調システムは、蓄冷運転中に空調側蓄冷動作を行う。この空調側蓄冷動作中には、空調用冷媒回路(21)を循環する冷媒が、室外熱交換器(24)において放熱し、空調側熱交換器(34)において吸熱する。そして、蓄熱装置(30)は、空調側熱交換器(34)において得られた冷熱を利用して蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する。つまり、空調側蓄冷動作中には、空調用冷媒回路(21)を循環する冷媒が蓄熱装置(30)から吸収した熱を室外空気へ放出し、蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に冷熱が蓄えられる。
また、第1の発明では、蓄冷運転中に、給湯空調システムにおいて給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とが同時に並行して実行される。
第2の発明は、第1の発明において、上記蓄熱装置(30)は、上記給湯側熱交換器(33)と上記蓄熱槽(31)との間で蓄熱媒体を循環させる第1循環路(35a,35b)と、上記空調側熱交換器(34)と上記蓄熱槽(31)との間で蓄熱媒体を循環させる第2循環路(35a,35c)とを備えている。
第2の発明では、蓄冷運転中には、給湯側熱交換器(33)を流れる冷媒によって冷却された蓄熱媒体が第1循環路(35a,35b)を介して蓄熱槽(31)へ流入することによって蓄熱槽(31)に冷熱が蓄えられ、空調側熱交換器(34)を流れる冷媒によって冷却された蓄熱媒体が第2循環路(35a,35c)を介して蓄熱槽(31)へ流入することによって蓄熱槽(31)に冷熱が蓄えられる。一方、利用冷房運転中には、蓄熱槽(31)内の冷却された蓄熱媒体が第1循環路(35a,35b)を介して空調側熱交換器(34)へ流入して空調用冷媒回路(21)において室内熱交換器(27)へ流入する冷媒を冷却することによって室内が冷房される。
第3の発明は、第1の発明において、上記蓄熱槽(31)内には、内部を流通する冷媒と蓄熱媒体とを熱交換させる伝熱管(39)が設けられ、該伝熱管(39)が上記給湯側熱交換器及び上記空調側熱交換器を兼ねている。
第3の発明では、蓄熱槽(31)内に設けられた伝熱管(39)が給湯側熱交換器と空調側熱交換器とを兼ねている。
第1の発明の給湯空調システムでは、蓄冷運転中に給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とが実行可能となっている。給湯側蓄冷動作中には、給湯用冷媒回路(40)において冷凍サイクルが行われ、加熱用熱交換器(48)において冷媒から放出された熱を利用して給湯装置(10)が貯湯槽(11)内の水を加熱し、給湯側熱交換器(33)において得られた冷熱が蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えられる。一方、空調側蓄冷動作中には、空調用冷媒回路(21)において冷凍サイクルが行われ、室外熱交換器(24)において冷媒が室外空気へ放熱し、空調側熱交換器(34)において得られた冷熱が蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えられる。
このように上記第1の発明の給湯空調システムによれば、給湯側蓄冷動作だけでなく空調側蓄冷動作を行うことにより、給湯側蓄冷動作のみを行う場合に比べて多くの冷熱を蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えることができる。そのため、貯湯槽(11)内の水を加熱する際に得られる冷熱だけでなく、空調用冷媒回路(21)の冷媒が室外空気へ放熱することによって得られる冷熱も蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えることができる。従って、第1の発明によれば、電力料金の安い深夜に蓄冷運転を行い、その蓄冷運転中に給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とを行うことによって日中の利用冷房運転に必要な十分な量の冷熱を蓄熱槽(31)に蓄えることができる。その結果、日中に室内を冷房するために消費される電力量を十分に削減でき、給湯空調システムのランニングコストを十分に削減することができる。
また、第1の発明によれば、給湯側蓄熱動作と空調側蓄熱動作とを同時に並行して行うことにより、給湯側蓄熱動作の終了後に空調側蓄熱動作を行う場合に比べて蓄冷運転に要する時間を短縮することができる。
また、第2の発明によれば、給湯側熱交換器(33)と蓄熱槽(31)との間で蓄熱媒体を循環させる第1循環路(35a,35b)と、空調側熱交換器(34)と蓄熱槽(31)との間で蓄熱媒体を循環させる第2循環路(35a,35c)とを設けることにより、給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とを同時に行って、給湯用冷媒回路における冷凍サイクルによって得られた冷熱と空調用冷媒回路における冷凍サイクルによって得られた冷熱とを同じ蓄熱槽(31)に蓄えることができる。従って、給湯空調システムをコンパクトに構成することができる。
また、第3の発明によれば、給湯側熱交換器と空調側熱交換器とを蓄熱槽(31)内に設けられた伝熱管(39)によって構成することにより、給湯空調システムの部品点数を削減することができる。従って、給湯空調システムを安価に構成することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈発明の実施形態1〉
図1は、本発明に係る給湯空調システム(1)の回路構成図である。上記給湯空調システム(1)は、給湯装置(10)と、空気調和装置(20)と、蓄熱装置(30)とを備えている。本実施形態では、給湯空調システム(1)は、既存の給湯装置(10)と空気調和装置(20)とに、蓄熱装置(30)を後付けすることによって構成されている。
図1は、本発明に係る給湯空調システム(1)の回路構成図である。上記給湯空調システム(1)は、給湯装置(10)と、空気調和装置(20)と、蓄熱装置(30)とを備えている。本実施形態では、給湯空調システム(1)は、既存の給湯装置(10)と空気調和装置(20)とに、蓄熱装置(30)を後付けすることによって構成されている。
〈給湯装置〉
給湯装置(10)は、貯湯槽(11)と、水回路(12)と、給湯用冷媒回路(40)と、ファン(46a)とを備えている。
給湯装置(10)は、貯湯槽(11)と、水回路(12)と、給湯用冷媒回路(40)と、ファン(46a)とを備えている。
貯湯槽(11)は、縦長の円筒形のタンクである。貯湯槽(11)は、その底部に給水管が接続され、その頂部に給湯管が接続されている。この貯湯槽(11)は、給湯用の温水を蓄える。
水回路(12)は、その入口端が貯湯槽(11)の底部に接続され、その出口端が貯湯槽(11)の頂部に接続されている。水回路(12)には、ポンプ(13)が設けられている。また、水回路(12)におけるポンプ(13)の吐出側には、水回路(12)の水を加熱するための加熱用熱交換器(48)が接続されている。加熱用熱交換器(48)は、一次側流路(48a)と二次側流路(48b)とが複数ずつ形成されたプレート式熱交換器によって構成され、二次側流路(48b)が水回路(12)に接続されている。
給湯用冷媒回路(40)は、それぞれ冷媒が充填された閉回路である低温側回路(41)及び高温側回路(42)と、後述する蓄熱装置(30)を後付けする際に追加される給湯側接続配管(50)と第1及び第2三方弁(51,52)とを有している。そして、給湯用冷媒回路(40)では、低温側回路(41)の高温部と高温側回路(42)の低温部との間にカスケード熱交換器(43)が設けられて二元冷凍サイクルを行う。
具体的には、低温側回路(41)では、圧縮機(44)とカスケード熱交換器(43)の一次側流路(43a)と膨張弁(45)と蒸発器(46)とが順に配管によって接続されている。一方、高温側回路(42)では、圧縮機(47)と加熱用熱交換器(48)の一次側流路(48a)と膨張弁(49)とカスケード熱交換器(43)の二次側流路(43b)とが順に配管によって接続されている。
圧縮機(44,47)は、それぞれ圧縮機構と電動機が一つのケーシングに収容された全密閉型圧縮機であり、スクロール式流体機械からなる圧縮機構を有している。
カスケード熱交換器(43)は、一次側流路(43a)と二次側流路(43b)とが複数ずつ形成されたプレート式熱交換器によって構成されている。
蒸発器(46)は、いわゆるクロスフィン型の熱交換器によって構成され、近傍にファン(46a)が設けられている。蒸発器(46)では、冷媒をファン(46a)によって供給された空気と熱交換させることによって室外空気から吸熱させて蒸発させる。
給湯側接続配管(50)は、蒸発器(46)をバイパスするように低温側回路(41)に接続されている。給湯側接続配管(50)の流入端には第1三方弁(51)が接続され、流出端には第2三方弁(52)が接続されている。また、詳細については後述するが、給湯側接続配管(50)には、給湯側熱交換器(33)の一次側流路(33a)が接続されている。
第1三方弁(51)は、低温側回路(41)の膨張弁(45)と蒸発器(46)との間に接続されている。第1三方弁(51)は、膨張弁(45)を蒸発器(46)に連通させて給湯側接続配管(50)から遮断する状態と膨張弁(45)を給湯側接続配管(50)に連通させて蒸発器(46)から遮断する状態とに切り換わる。
一方、第2三方弁(52)は、低温側回路(41)の圧縮機(44)と蒸発器(46)との間に接続されている。第1三方弁(51)は、圧縮機(44)を蒸発器(46)に連通させて給湯側接続配管(50)から遮断する状態と圧縮機(44)を給湯側接続配管(50)に連通させて蒸発器(46)から遮断する状態とに切り換わる。
〈空気調和装置〉
空気調和装置(20)は、冷媒が充填された閉回路である空調用冷媒回路(21)と、室外ファン(24a)と、3つの室内ファン(27a)とを備えている。
空気調和装置(20)は、冷媒が充填された閉回路である空調用冷媒回路(21)と、室外ファン(24a)と、3つの室内ファン(27a)とを備えている。
空調用冷媒回路(21)は、主回路(29)と、後述する蓄熱装置(30)を後付けする際に追加される空調側接続配管(53)と、第1バイパス配管(54)と、第2バイパス配管(55)と、第3〜第8三方弁(56〜61)とを備えている。
上記主回路(29)は、圧縮機(22)と、四方切換弁(23)と、室外熱交換器(24)と、室外膨張弁(25)と、3つの室内膨張弁(26)と、3つの室内熱交換器(27)とを備えている。
圧縮機(22)は、吐出側が四方切換弁(23)の第1ポートに接続され、吸入側が四方切換弁(23)の第2ポートに接続されている。また、主回路(29)では、四方切換弁(23)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(24)と、室外膨張弁(25)と、室内膨張弁(26)と、室内熱交換器(27)とが順に配管によって接続されている。なお、3組の室内膨張弁(26)及び室内熱交換器(27)は、それぞれ並列に接続されている。
圧縮機(22)は、圧縮機構と電動機が一つのケーシングに収容された全密閉型圧縮機であり、ローリングピストン型または揺動ピストン型のロータリ式流体機械からなる圧縮機構を有している。
四方切換弁(23)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。
室外熱交換器(24)は、いわゆるクロスフィン型の熱交換器によって構成され、近傍に室外ファン(24a)が設けられている。室外熱交換器(24)では、冷媒を室外ファン(24a)によって供給された室外空気と熱交換させる。
3つの室内熱交換器(27)は、それぞれいわゆるクロスフィン型の熱交換器によって構成され、近傍にそれぞれ室内ファン(27a)が設けられている。室内熱交換器(27)では、冷媒を室内ファン(27a)によって供給された室内空気と熱交換させることによって室内を空気調和する。
室外膨張弁(25)と室内膨張弁(26)のそれぞれは、開度可変の電動膨張弁である。
空調側接続配管(53)は、主回路(29)の室外膨張弁(25)と各室内膨張弁(26)との間の配管に並列に接続されている。空調側接続配管(53)の一端には第3三方弁(56)が接続され、他端には第4三方弁(57)が接続されている。また、詳細については後述するが、空調側接続配管(53)には、空調側熱交換器(34)の一次側流路(34a)が接続されている。
第1バイパス配管(54)は、主回路(29)の四方切換弁(23)の第3ポートと室外熱交換器(24)とを接続するガス配管の中途部と空調側接続配管(53)の中途部とに接続されている。第1バイパス配管(54)の一端には第5三方弁(58)が接続され、他端には第6三方弁(59)が接続されている。
第2バイパス配管(55)は、主回路(29)の四方切換弁(23)の第4ポートと各室内熱交換器(27)とを接続するガス配管の中途部と空調側接続配管(53)の中途部とに接続されている。第2バイパス配管(55)の一端には第7三方弁(60)が接続され、他端には第8三方弁(61)が接続されている。
第3三方弁(56)及び第4三方弁(57)は、主回路(29)の室外膨張弁(25)と各室外膨張弁(25)との間にそれぞれ設けられ、第3三方弁(56)は室外膨張弁(25)側に接続され、第4三方弁(57)は室内膨張弁(26)側に接続されている。第3三方弁(56)は、室外膨張弁(25)を第4三方弁(57)に連通させて空調側接続配管(53)から遮断する状態と室外膨張弁(25)を空調側接続配管(53)に連通させて第4三方弁(57)から遮断する状態とに切り換わる。第4三方弁(57)は、各室内膨張弁(26)を第3三方弁(56)に連通させて空調側接続配管(53)から遮断する状態と各室内膨張弁(26)を空調側接続配管(53)に連通させて第3三方弁(56)から遮断する状態とに切り換わる。
第5三方弁(58)は、主回路(29)の四方切換弁(23)の第3ポートと室外熱交換器(24)とを接続するガス配管の中途部に接続され、第6三方弁(59)は空調側接続配管(53)における空調側熱交換器(34)の第3三方弁(56)側に接続されている。第5三方弁(58)は、四方切換弁(23)の第3ポートを室外熱交換器(24)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態と四方切換弁(23)の第3ポートを第1バイパス配管(54)に連通させて室外熱交換器(24)から遮断する状態とに切り換わる。第6三方弁(59)は、空調側熱交換器(34)を第3三方弁(56)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態と空調側熱交換器(34)を第1バイパス配管(54)に連通させて第3三方弁(56)から遮断する状態とに切り換わる。
第7三方弁(60)は、主回路(29)の四方切換弁(23)の第4ポートと各室内熱交換器(27)とを接続するガス配管の中途部に接続され、第8三方弁(61)は空調側接続配管(53)における空調側熱交換器(34)の第4三方弁(57)側に接続されている。第7三方弁(60)は、四方切換弁(23)の第4ポートを各室内熱交換器(27)に連通させて第2バイパス配管(55)から遮断する状態と四方切換弁(23)の第4ポートを第2バイパス配管(55)に連通させて各室内熱交換器(27)から遮断する状態とに切り換わる。第8三方弁(61)は、空調側熱交換器(34)を第4三方弁(57)に連通させて第2バイパス配管(55)から遮断する状態と空調側熱交換器(34)を第2バイパス配管(55)に連通させて第4三方弁(57)から遮断する状態とに切り換わる。
〈蓄熱装置〉
蓄熱装置(30)は、蓄熱槽(31)と、蓄熱媒体回路(32)とを備えている。
蓄熱装置(30)は、蓄熱槽(31)と、蓄熱媒体回路(32)とを備えている。
蓄熱槽(31)は、直方体状のタンクである。この蓄熱槽(31)は、潜熱利用蓄熱媒体(例えば、TBAB(臭化テトラnブチルアンモニウム)水溶液、TME(トリメチロールエタン)水溶液、パラフィン系スラリーなど)を、蓄熱媒体として貯留している。
蓄熱媒体回路(32)は、給湯側熱交換器(33)と、空調側熱交換器(34)と、循環路(35)と、ポンプ(36)と、第1調整弁(37)と、第2調整弁(38)とを備えている。
給湯側熱交換器(33)は、一次側流路(33a)と二次側流路(33b)とが複数ずつ形成されたプレート式熱交換器であり、一次側流路(33a)を流れる流体と二次側流路(33b)を流れる流体とを熱交換させる。給湯側熱交換器(33)の一次側流路(33a)には、給湯用冷媒回路(40)に接続された給湯側接続配管(50)が接続されている。給湯側熱交換器(33)の二次側流路(33b)には、後述する循環路(35)の第1分岐管(35b)が接続されている。
空調側熱交換器(34)は、一次側流路(34a)と二次側流路(34b)とが複数ずつ形成されたプレート式熱交換器であり、一次側流路(34a)を流れる流体と二次側流路(34b)を流れる流体とを熱交換させる。空調側熱交換器(34)の一次側流路(34a)には、空調用冷媒回路(21)に接続された空調側接続配管(53)が接続されている。空調側熱交換器(34)の二次側流路(34b)には、後述する循環路(35)の第2分岐管(35c)が接続されている。
循環路(35)は、流入管(35a)と、第1分岐管(35b)と、第2分岐管(35c)とを備えている。流入管(35a)は、入口端が蓄熱槽(31)の底部に接続され、出口端には第1分岐管(35b)及び第2分岐管(35c)の入口端が接続されている。第1分岐管(35b)及び第2分岐管(35c)の出口端は、それぞれ蓄熱槽(31)の頂部に接続されている。なお、流入管(35a)と第1分岐管(35b)とによって蓄熱槽(31)と給湯側熱交換器(33)との間において蓄熱媒体を循環させる第1循環路が構成され、流入管(35a)と第2分岐管(35c)とによって蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)との間において蓄熱媒体を循環させる第2循環路が構成される。
ポンプ(36)は、循環路(35)の流入管(35a)に設けられている。第1調整弁(37)は、第1分岐管(35b)における給湯側熱交換器(33)の二次側流路(33b)の上流側に設けられている。第2調整弁(38)は、第2分岐管(35c)における空調側熱交換器(34)の二次側流路(34b)の上流側に設けられている。
−運転動作−
給湯空調システム(1)の運転動作を説明する。給湯空調システム(1)は、蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、単純冷房運転と、蓄熱運転と、利用暖房運転と、単純暖房運転と、単純湯沸かし運転とを行う。
給湯空調システム(1)の運転動作を説明する。給湯空調システム(1)は、蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、単純冷房運転と、蓄熱運転と、利用暖房運転と、単純暖房運転と、単純湯沸かし運転とを行う。
〈蓄冷運転〉
蓄冷運転について、図2を参照しながら説明する。蓄冷運転では、給湯空調システム(1)は、給湯側蓄熱動作と空調側蓄熱動作とを行う。給湯側蓄熱動作は、給湯装置(10)が給湯用冷媒回路(40)において冷凍サイクルを行って貯湯槽(11)内の水を加熱する一方、冷凍サイクルによって得られた冷熱で蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する。一方、空調側蓄熱動作では、空気調和装置(20)が空調用冷媒回路(21)において冷凍サイクルを行い、該冷凍サイクルによって得られた冷熱で蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する。この給湯装置(10)の給湯側蓄熱動作によって得られた冷熱と、空気調和装置(20)の空調側蓄熱動作によって得られた冷熱とを蓄熱装置(30)が蓄熱槽(31)に蓄える。
蓄冷運転について、図2を参照しながら説明する。蓄冷運転では、給湯空調システム(1)は、給湯側蓄熱動作と空調側蓄熱動作とを行う。給湯側蓄熱動作は、給湯装置(10)が給湯用冷媒回路(40)において冷凍サイクルを行って貯湯槽(11)内の水を加熱する一方、冷凍サイクルによって得られた冷熱で蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する。一方、空調側蓄熱動作では、空気調和装置(20)が空調用冷媒回路(21)において冷凍サイクルを行い、該冷凍サイクルによって得られた冷熱で蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する。この給湯装置(10)の給湯側蓄熱動作によって得られた冷熱と、空気調和装置(20)の空調側蓄熱動作によって得られた冷熱とを蓄熱装置(30)が蓄熱槽(31)に蓄える。
給湯装置(10)では、第1及び第2三方弁(51,52)は、低温側回路(41)において冷媒が蒸発器(46)をバイパスして給湯側接続配管(50)に流れるように切り換えられる。つまり、第1三方弁(51)は、低温側回路(41)の膨張弁(45)を給湯側接続配管(50)に連通させて蒸発器(46)から遮断する状態に切り換えられ、第2三方弁(52)は、低温側回路(41)の圧縮機(44)を給湯側接続配管(50)に連通させて蒸発器(46)から遮断する状態に切り換えられる。この状態において、給湯装置(10)の圧縮機(44,47)が作動することにより、給湯用冷媒回路(40)が給湯側熱交換器(33)を蒸発器として用いた二元冷凍サイクルを行う。その際、低温側回路(41)の膨張弁(45)は、給湯側熱交換器(33)の一次側流路(33a)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。また、高温側回路(42)の膨張弁(49)は、カスケード熱交換器(43)の二次側流路(43b)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。また、水回路(12)のポンプ(13)が作動し、貯湯槽(11)と加熱用熱交換器(48)の間を水が循環する。
給湯用冷媒回路(40)における冷媒の流れを説明する。低温側回路(41)の圧縮機(44)から吐出された冷媒は、カスケード熱交換器(43)の一次側流路(43a)を通過する際に、その二次側流路(43b)を流れる冷媒に放熱して凝縮する。カスケード熱交換器(43)から流出した冷媒は、膨張弁(45)を通過する際に減圧され、その後に給湯側接続配管(50)に接続された給湯側熱交換器(33)の一次側流路(33a)へ流入する。給湯側熱交換器(33)の一次側流路(33a)を流れる冷媒は、その二次側流路(33b)を流れる熱媒体から吸熱して蒸発する。その後、冷媒は、圧縮機(44)へ吸入される。圧縮機(44)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
また、高温側回路(42)の圧縮機(47)から吐出された冷媒は、加熱用熱交換器(48)の一次側流路(48a)を通過する際に放熱して凝縮する。加熱用熱交換器(48)から流出した冷媒は、膨張弁(49)を通過する際に減圧され、その後にカスケード熱交換器(43)の二次側流路(43b)へ流入する。カスケード熱交換器(43)の二次側流路(43b)を流れる冷媒は、その一次側流路(43a)を流れる冷媒から吸熱して蒸発する。その後、冷媒は、圧縮機(47)へ吸入される。圧縮機(47)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
水回路(12)における水の流れを説明する。貯湯槽(11)の底部に存在する低温の水は、ポンプ(13)によって加熱用熱交換器(48)の二次側流路(48b)へ送られ、その一次側流路(48a)を流れる冷媒によって加熱される。そして、加熱後の高温の水は、貯湯槽(11)の頂部へ送り返される。
一方、空気調和装置(20)では、四方切換弁(23)が第1状態となり、第1ポートが第3ポートと連通し且つ第2ポートが第4ポートと連通する。また、第5三方弁(58)は、四方切換弁(23)の第3ポートを室外熱交換器(24)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態に切り換えられる。第3三方弁(56)は、室外膨張弁(25)を空調側接続配管(53)に連通させて第4三方弁(57)から遮断する状態に切り換えられる。第6三方弁(59)は、空調側熱交換器(34)を第3三方弁(56)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態に切り換えられる。第8三方弁(61)は、空調側熱交換器(34)を第2バイパス配管(55)に連通させて第4三方弁(57)から遮断する状態に切り換えられる。第7三方弁(60)は、四方切換弁(23)の第4ポートを第2バイパス配管(55)に連通させて各室内熱交換器(27)から遮断する状態に切り換えられる。
上述の状態において圧縮機(22)を作動させると、空調用冷媒回路(21)では、室外熱交換器(24)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、空調側熱交換器(34)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。その際、室外膨張弁(25)は、空調側熱交換器(34)の一次側流路(34a)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
空調用冷媒回路(21)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(24)へ流入し、該室外熱交換器(24)を通過する際に、室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(24)から流出した冷媒は、室外膨張弁(25)を通過する際に減圧され、その後に空調側接続配管(53)へ流入する。空調側接続配管(53)へ流入した冷媒は、空調側熱交換器(34)の一次側流路(34a)へ流入し、該一次側流路(34a)を通過する間に二次側流路(34b)を流れる蓄熱媒体から吸熱して蒸発する。空調側熱交換器(34)を通過した冷媒は、第2バイパス配管(55)を流れた後、圧縮機(22)へ吸入される。圧縮機(22)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
また、蓄熱装置(30)では、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)が作動し、蓄熱槽(31)と給湯側熱交換器(33)との間、及び蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)との間においてそれぞれ蓄熱媒体が循環する。具体的には、蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体は、ポンプ(36)によって流入管(35a)から第1分岐管(35b)を介して給湯側熱交換器(33)の二次側流路(33b)へ流入し、該二次側流路(33b)を流れる際に一次側流路(33a)を流れる給湯用冷媒回路(40)の冷媒によって冷却される。また、蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体は、ポンプ(36)によって流入管(35a)から第2分岐管(35c)を介して空調側熱交換器(34)の二次側流路(34b)へ流入し、該二次側流路(34b)を流れる際に一次側流路(34a)を流れる空調用冷媒回路(21)の冷媒によって冷却される。給湯側熱交換器(33)及び空調側熱交換器(34)の二次側流路(33b,34b)から流出した蓄熱媒体は、蓄熱槽(31)へ送り返される。そして、給湯側熱交換器(33)及び空調側熱交換器(34)において蓄熱媒体に付与された冷熱は、潜熱として蓄熱槽(31)内に蓄えられる。
以上のようにして、蓄冷運転中には、給湯装置(10)が給湯用冷媒回路(40)において冷凍サイクルを行って貯湯槽(11)内の水を加熱する一方、冷凍サイクルによって得られた冷熱で蓄熱装置(30)が蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する給湯側蓄冷動作と、空気調和装置(20)が空調用冷媒回路(21)において冷凍サイクルを行い、該冷凍サイクルによって得られた冷熱で蓄熱装置(30)が蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する空調側蓄冷動作とが同時に行われる。なお、貯湯槽(11)内の水のほぼ全てが80〜90℃程度の高温水になるか、貯湯槽(11)内の高温水の量が翌日の給湯需要を賄える量に達すると、給湯空調システム(1)は、給湯側蓄熱動作を停止し、空調側蓄熱動作のみを行う。
〈第1利用冷房運転〉
第1利用冷房運転について、図3を参照しながら説明する。第1利用冷房運転では、蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱だけを用いて室内の冷房が行われる。第1利用冷房運転では、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)が作動し、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間を蓄熱媒体が循環する。また、第1利用冷房運転では、給湯装置(10)が停止する。
第1利用冷房運転について、図3を参照しながら説明する。第1利用冷房運転では、蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱だけを用いて室内の冷房が行われる。第1利用冷房運転では、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)が作動し、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間を蓄熱媒体が循環する。また、第1利用冷房運転では、給湯装置(10)が停止する。
空気調和装置(20)では、四方切換弁(23)が第1状態となり、第1ポートが第3ポートと連通し且つ第2ポートが第4ポートと連通する。また、第5三方弁(58)は、四方切換弁(23)の第3ポートを第1バイパス配管(54)に連通させて室外熱交換器(24)から遮断する状態に切り換えられる。第6三方弁(59)は、空調側熱交換器(34)を第1バイパス配管(54)に連通させて第3三方弁(56)から遮断する状態に切り換えられる。第8三方弁(61)は、空調側熱交換器(34)を第4三方弁(57)に連通させて第2バイパス配管(55)から遮断する状態に切り換えられる。第4三方弁(57)は、各室外膨張弁(26)を空調側接続配管(53)に連通させて第3三方弁(56)から遮断する状態に切り換えられる。第7三方弁(60)は、四方切換弁(23)の第4ポートを各室内熱交換器(27)に連通させて第2バイパス配管(55)から遮断する状態に切り換えられる。
上述の状態において、各室内膨張弁(26)を全開状態に保持して空気調和装置(20)の圧縮機(22)をガスポンプとして作動させると、空調用冷媒回路(21)では、空調側熱交換器(34)と各室内熱交換器(27)の間を冷媒が循環する。
空調用冷媒回路(21)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(22)から吐出された冷媒は、第1バイパス配管(54)を流れた後、空調側熱交換器(34)の一次側流路(34a)へ流入する。空調側熱交換器(34)の一次側流路(34a)へ流入した冷媒は、二次側流路(34b)を流れる蓄熱媒体へ放熱して凝縮する。空調側熱交換器(34)から流出した冷媒は、各室内膨張弁(26)を通過して各室内熱交換器(27)へ流入し、該各室内熱交換器(27)において室内空気から吸熱して蒸発する。各室内熱交換器(27)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。各室内熱交換器(27)を通過した冷媒は、圧縮機(22)へ吸入される。ガスポンプとして動作する圧縮機(22)は、吸入した冷媒を昇圧させてから吐出する。
一方、蓄熱装置(30)では、第1調整弁(37)が全閉状態に保持される一方、第2調整弁(38)は適宜開度が調整される。この状態において、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)を作動させると、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間において蓄熱媒体が循環する。蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体は、ポンプ(36)によって空調側熱交換器(34)の二次側流路(34b)へ送られ、その一次側流路(34a)を流れる冷媒から吸熱する。つまり、空調側熱交換器(34)では、二次側流路(34b)の蓄熱媒体から一次側流路(34a)の冷媒へ冷熱が付与される。空調側熱交換器(34)の二次側流路(34b)を通過した蓄熱媒体は、蓄熱槽(31)へ送り返される。
〈第2利用冷房運転〉
第2利用冷房運転について、図4を参照しながら説明する。第2利用冷房運転では、蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱と、空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱とを用いて室内の冷房が行われる。第2利用冷房運転では、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)が作動し、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間を蓄熱媒体が循環する。また、第2利用冷房運転では、給湯装置(10)が停止する。
第2利用冷房運転について、図4を参照しながら説明する。第2利用冷房運転では、蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱と、空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱とを用いて室内の冷房が行われる。第2利用冷房運転では、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)が作動し、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間を蓄熱媒体が循環する。また、第2利用冷房運転では、給湯装置(10)が停止する。
空気調和装置(20)では、四方切換弁(23)が第1状態となり、第1ポートが第3ポートと連通し且つ第2ポートが第4ポートと連通する。また、第5三方弁(58)は、四方切換弁(23)の第3ポートを室外熱交換器(24)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態に切り換えられる。第3三方弁(56)は、室外膨張弁(25)を空調側接続配管(53)に連通させて第4三方弁(57)から遮断する状態に切り換えられる。第6三方弁(59)は、空調側熱交換器(34)を第3三方弁(56)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態に切り換えられる。第8三方弁(61)は、空調側熱交換器(34)を第4三方弁(57)に連通させて第2バイパス配管(55)から遮断する状態に切り換えられる。第4三方弁(57)は、各室内膨張弁(26)を空調側接続配管(53)に連通させて第3三方弁(56)から遮断する状態に切り換えられる。第7三方弁(60)は、四方切換弁(23)の第4ポートを各室内熱交換器(27)に連通させて第2バイパス配管(55)から遮断する状態に切り換えられる。
上述の状態において、室外膨張弁(25)を全開状態に保持しつつ圧縮機(22)を作動させると、空調用冷媒回路(21)が、室外熱交換器(24)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、空調側熱交換器(34)が過冷却器(即ち、放熱器)となり、各室内熱交換器(27)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。その際、各室内膨張弁(26)は、各室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
空調用冷媒回路(21)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(24)へ流入し、該室外熱交換器(24)を通過する際に、室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(24)から流出した冷媒は、室外膨張弁(25)を通過して空調側接続配管(53)へ流入する。空調側接続配管(53)へ流入した冷媒は、空調側熱交換器(34)の一次側流路(34a)へ流入し、該一次側流路(34a)を通過する間に二次側流路(34b)を流れる蓄熱媒体によって冷却される。空調側熱交換器(34)を通過した冷媒は、各室内膨張弁(26)へ流入し、各室内膨張弁(26)を通過する際に減圧される。各室内膨張弁(26)で減圧された冷媒は、各室内熱交換器(27)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。各室内熱交換器(27)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。各室内熱交換器(27)を通過した冷媒は、圧縮機(22)へ吸入される。圧縮機(22)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
一方、蓄熱装置(30)では、第1調整弁(37)が全閉状態に保持される一方、第2調整弁(38)は適宜開度が調整される。この状態において、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)を作動させると、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間において蓄熱媒体が循環する。蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体は、ポンプ(36)によって空調側熱交換器(34)の二次側流路(34b)へ送られ、その一次側流路(34a)を流れる冷媒から吸熱する。つまり、空調側熱交換器(34)では、二次側流路(34b)の蓄熱媒体から一次側流路(34a)の冷媒へ冷熱が付与される。空調側熱交換器(34)の二次側流路(34b)を通過した蓄熱媒体は、蓄熱槽(31)へ送り返される。
〈単純冷房運転〉
単純冷房運転について、図5を参照しながら説明する。単純冷房運転では、空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱だけを用いて室内の冷房が行われる。単純冷房運転では、給湯装置(10)及び蓄熱装置(30)が停止する。
単純冷房運転について、図5を参照しながら説明する。単純冷房運転では、空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱だけを用いて室内の冷房が行われる。単純冷房運転では、給湯装置(10)及び蓄熱装置(30)が停止する。
空気調和装置(20)では、四方切換弁(23)が第1状態となり、第1ポートが第3ポートと連通し且つ第2ポートが第4ポートと連通する。また、第5三方弁(58)は、四方切換弁(23)の第3ポートを室外熱交換器(24)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態に切り換えられる。第5三方弁(58)は、四方切換弁(23)の第3ポートを室外熱交換器(24)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態に切り換えられる。第3三方弁(56)は、室外膨張弁(25)を第4三方弁(57)に連通させて空調側接続配管(53)から遮断する状態に切り換えられる。第4三方弁(57)は、各室内膨張弁(26)を第3三方弁(56)に連通させて空調側接続配管(53)から遮断する状態に切り換えられる。第7三方弁(60)は、四方切換弁(23)の第4ポートを各室内熱交換器(27)に連通させて第2バイパス配管(55)から遮断する状態に切り換えられる。
上述の状態において、圧縮機(22)を作動させると、空調用冷媒回路(21)では、室外熱交換器(24)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、各室内熱交換器(27)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。その際、室外膨張弁(25)は、全開状態に保持され、各室内膨張弁(26)は、各室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
空調用冷媒回路(21)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(24)へ流入し、該室外熱交換器(24)を通過する間に室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(24)を通過した冷媒は、室外膨張弁(25)を通過し、その後に各室内膨張弁(26)へ流入して減圧される。各室内膨張弁(26)で減圧された冷媒は、各室内熱交換器(27)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。各室内熱交換器(27)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。各室内熱交換器(27)を通過した冷媒は、圧縮機(22)へ吸入される。圧縮機(22)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
〈蓄熱運転〉
蓄熱運転について、図6を参照しながら説明する。蓄熱運転では、空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって温熱が得られ、得られた温熱が蓄熱槽(31)に蓄えられる。蓄熱運転では、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)が作動し、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間を蓄熱媒体が循環する。また、蓄熱運転では、給湯装置(10)が停止する。
蓄熱運転について、図6を参照しながら説明する。蓄熱運転では、空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって温熱が得られ、得られた温熱が蓄熱槽(31)に蓄えられる。蓄熱運転では、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)が作動し、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間を蓄熱媒体が循環する。また、蓄熱運転では、給湯装置(10)が停止する。
空気調和装置(20)では、四方切換弁(23)が第2状態となり、第1ポートが第4ポートと連通し且つ第2ポートが第3ポートと連通する。また、第7三方弁(60)は、四方切換弁(23)の第4ポートを第2バイパス配管(55)に連通させて各室内熱交換器(27)から遮断する状態に切り換えられる。第8三方弁(61)は、空調側熱交換器(34)を第2バイパス配管(55)に連通させて第4三方弁(57)から遮断する状態に切り換えられる。第6三方弁(59)は、空調側熱交換器(34)を第3三方弁(56)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態に切り換えられる。第3三方弁(56)は、室外膨張弁(25)を空調側接続配管(53)に連通させて第4三方弁(57)から遮断する状態に切り換えられる。第5三方弁(58)は、四方切換弁(23)の第3ポートを室外熱交換器(24)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態に切り換えられる。
上述の状態において、圧縮機(22)を作動させると、空調用冷媒回路(21)では、空調側熱交換器(34)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、室外熱交換器(24)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。その際、室外膨張弁(25)は、室外熱交換器(24)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
空調用冷媒回路(21)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(22)から吐出された冷媒は、第2バイパス配管(55)へ流入する。第2バイパス配管(55)へ流入した冷媒は、空調側熱交換器(34)の一次側流路(34a)へ流入し、該一次側流路(34a)を通過する間に二次側流路(34b)を流れる蓄熱媒体に放熱して凝縮する。空調側熱交換器(34)を通過した冷媒は、室外膨張弁(25)へ流入し、該室外膨張弁(25)を通過する際に減圧される。室外膨張弁(25)において減圧された冷媒は、室外熱交換器(24)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(24)を通過した冷媒は、圧縮機(22)へ吸入される。圧縮機(22)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
蓄熱装置(30)では、第1調整弁(37)が全閉状態に保持される一方、第2調整弁(38)は適宜開度が調整される。この状態において、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)を作動させると、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間において蓄熱媒体が循環する。蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体は、ポンプ(36)によって空調側熱交換器(34)の二次側流路(34b)へ送られ、その一次側流路(34a)を流れる冷媒によって加熱される。空調側熱交換器(34)において加熱された蓄熱媒体は、蓄熱槽(31)へ送り返される。従って、蓄熱槽(31)には、圧縮機(22)から吐出された冷媒の温熱が蓄えられる。
〈利用暖房運転〉
利用暖房運転について、図7を参照しながら説明する。利用暖房運転では、蓄熱槽(31)に蓄えられた温熱を用いて室内の暖房が行われる。利用暖房運転では、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)が作動し、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間を蓄熱媒体が循環する。また、利用暖房運転では、給湯装置(10)が停止する。
利用暖房運転について、図7を参照しながら説明する。利用暖房運転では、蓄熱槽(31)に蓄えられた温熱を用いて室内の暖房が行われる。利用暖房運転では、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)が作動し、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間を蓄熱媒体が循環する。また、利用暖房運転では、給湯装置(10)が停止する。
空気調和装置(20)では、四方切換弁(23)が第2状態となり、第1ポートが第4ポートと連通し且つ第2ポートが第3ポートと連通する。また、第7三方弁(60)は、四方切換弁(23)の第4ポートを各室内熱交換器(27)に連通させて第2バイパス配管(55)から遮断する状態に切り換えられる。第4三方弁(57)は、各室内膨張弁(26)を空調側接続配管(53)に連通させて第3三方弁(56)から遮断する状態に切り換えられる。第8三方弁(61)は、空調側熱交換器(34)を第4三方弁(57)に連通させて第2バイパス配管(55)から遮断する状態に切り換えられる。第6三方弁(59)は、空調側熱交換器(34)を第1バイパス配管(54)に連通させて第3三方弁(56)から遮断する状態に切り換えられる。第5三方弁(58)は、四方切換弁(23)の第3ポートを第1バイパス配管(54)に連通させて室外熱交換器(24)から遮断する状態に切り換えられる。
上述の状態において圧縮機(22)を作動させると、空調用冷媒回路(21)では、各室内熱交換器(27)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、空調側熱交換器(34)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。その際、各室内膨張弁(26)は、空調側熱交換器(34)の一次側流路(34a)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
空調用冷媒回路(21)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(22)から吐出された冷媒は、各室内熱交換器(27)へ流入し、各室内熱交換器(27)を通過する間に室内空気へ放熱して凝縮する。各室内熱交換器(27)において加熱された室内空気は、室内へ供給される。各室内熱交換器(27)を通過した冷媒は、各室内膨張弁(26)を通過する際に減圧され、その後に空調側接続配管(53)へ流入する。その後、冷媒は、空調側熱交換器(34)の一次側流路(34a)へ流入し、二次側流路(34b)を流れる蓄熱媒体から吸熱して蒸発する。空調側熱交換器(34)から流出した冷媒は、第1バイパス配管(54)へ流入し、その後、圧縮機(22)へ吸入される。圧縮機(22)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
一方、蓄熱装置(30)では、第1調整弁(37)が全閉状態に保持される一方、第2調整弁(38)は適宜開度が調整される。この状態において、蓄熱媒体回路(32)のポンプ(36)を作動させると、蓄熱槽(31)と空調側熱交換器(34)の間において蓄熱媒体が循環する。蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体は、ポンプ(36)によって空調側熱交換器(34)の二次側流路(34b)へ送られ、その一次側流路(34a)を流れる冷媒へ放熱する。空調側熱交換器(34)の二次側流路(34b)を通過した蓄熱媒体は、蓄熱槽(31)へ送り返される。
〈単純暖房運転〉
単純暖房運転について、図8を参照しながら説明する。単純暖房運転では、空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって得られた温熱だけを用いて室内の暖房が行われる。単純暖房運転では、給湯装置(10)及び蓄熱装置(30)が停止する。
単純暖房運転について、図8を参照しながら説明する。単純暖房運転では、空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって得られた温熱だけを用いて室内の暖房が行われる。単純暖房運転では、給湯装置(10)及び蓄熱装置(30)が停止する。
空気調和装置(20)では、四方切換弁(23)が第2状態となり、第1ポートが第4ポートと連通し且つ第2ポートが第3ポートと連通する。また、第7三方弁(60)は、四方切換弁(23)の第4ポートを各室内熱交換器(27)に連通させて第2バイパス配管(55)から遮断する状態に切り換えられる。第4三方弁(57)は、各室内膨張弁(26)を第3三方弁(56)に連通させて空調側接続配管(53)から遮断する状態に切り換えられる。第3三方弁(56)は、室外膨張弁(25)を第4三方弁(57)に連通させて空調側接続配管(53)から遮断する状態に切り換えられる。第5三方弁(58)は、四方切換弁(23)の第3ポートを室外熱交換器(24)に連通させて第1バイパス配管(54)から遮断する状態に切り換えられる。
上述の状態において圧縮機(22)を作動させると、空調用冷媒回路(21)では、各室内熱交換器(27)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、室外熱交換器(24)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。その際、各室内膨張弁(26)は、全開状態に保持される一方、室外膨張弁(25)は、暖房側熱交換器の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
空調用冷媒回路(21)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(22)から吐出された冷媒は、各室内熱交換器(27)へ流入し、各室内熱交換器(27)を通過する間に室内空気へ放熱して凝縮する。各室内熱交換器(27)において加熱された室内空気は、室内へ供給される。各室内熱交換器(27)を通過した冷媒は、各室内膨張弁(26)を通過後に室外膨張弁(25)へ流入し、該室外膨張弁(25)を通過する際に減圧される。室外膨張弁(25)において減圧された冷媒は、室外熱交換器(24)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(24)を通過した冷媒は、圧縮機(22)へ吸入される。圧縮機(22)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
〈単純湯沸かし運転〉
単純湯沸かし運転について、図9を参照しながら説明する。単純湯沸かし運転では、給湯用冷媒回路(40)が行う冷凍サイクルによって得られた温熱だけを用いて貯湯槽(11)内の水を加熱する。単純湯沸かし運転では、空気調和装置(20)及び蓄熱装置(30)が停止する。
単純湯沸かし運転について、図9を参照しながら説明する。単純湯沸かし運転では、給湯用冷媒回路(40)が行う冷凍サイクルによって得られた温熱だけを用いて貯湯槽(11)内の水を加熱する。単純湯沸かし運転では、空気調和装置(20)及び蓄熱装置(30)が停止する。
給湯装置(10)では、第1及び第2三方弁(51,52)は、低温側回路(41)において冷媒が蓄熱装置(30)の給湯側熱交換器(33)に流れないように切り換えられる。つまり、第1三方弁(51)は、低温側回路(41)の膨張弁(45)を蒸発器(46)に連通させて給湯側接続配管(50)から遮断する状態に切り換えられ、第2三方弁(52)は、低温側回路(41)の圧縮機(44)を蒸発器(46)に連通させて給湯側接続配管(50)から遮断する状態に切り換えられる。この状態において、給湯装置(10)の圧縮機(44,47)が作動することにより、給湯用冷媒回路(40)が二元冷凍サイクルを行う。その際、低温側回路(41)の膨張弁(45)は、蒸発器(46)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。また、高温側回路(42)の膨張弁(49)は、カスケード熱交換器(43)の二次側流路(43b)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。また、水回路(12)のポンプ(13)が作動し、貯湯槽(11)と加熱用熱交換器(48)の間を水が循環する。
給湯用冷媒回路(40)における冷媒の流れを説明する。低温側回路(41)の圧縮機(44)から吐出された冷媒は、カスケード熱交換器(43)の一次側流路(43a)を通過する際に、その二次側流路(43b)を流れる冷媒に放熱して凝縮する。カスケード熱交換器(43)から流出した冷媒は、膨張弁(45)を通過する際に減圧され、その後に蒸発器(46)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。その後、冷媒は、圧縮機(44)へ吸入される。圧縮機(44)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
また、高温側回路(42)の圧縮機(47)から吐出された冷媒は、加熱用熱交換器(48)の一次側流路(48a)を通過する際に放熱して凝縮する。加熱用熱交換器(48)から流出した冷媒は、膨張弁(49)を通過する際に減圧され、その後にカスケード熱交換器(43)の二次側流路(43b)へ流入する。カスケード熱交換器(43)の二次側流路(43b)を流れる冷媒は、その一次側流路(43a)を流れる冷媒から吸熱して蒸発する。その後、冷媒は、圧縮機(47)へ吸入される。圧縮機(47)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
水回路(12)における水の流れを説明する。貯湯槽(11)の底部に存在する低温の水は、ポンプ(13)によって加熱用熱交換器(48)の二次側流路(48b)へ送られ、その一次側流路(48a)を流れる冷媒によって加熱される。そして、加熱後の高温の水は、貯湯槽(11)の頂部へ送り返される。
〈冷房シーズンにおける運転動作〉
夏季等の冷房シーズンにおいて、給湯空調システム(1)は、蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、単純冷房運転とを行う。
夏季等の冷房シーズンにおいて、給湯空調システム(1)は、蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、単純冷房運転とを行う。
蓄冷運転は、電力料金が安い深夜に行われる。一方、第1利用冷房運転、第2利用冷房運転、及び単純冷房運転は、主に日中から夕方にかけて行われる。
冷房シーズンの深夜において、給湯空調システム(1)は、蓄冷運転を必ず行う。上述したように、蓄冷運転中の給湯空調システム(1)では、給湯装置(10)が給湯用冷媒回路(40)において冷凍サイクルを行って貯湯槽(11)内の水を加熱する一方、冷凍サイクルによって得られた冷熱で蓄熱装置(30)が蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する給湯側蓄熱動作と、空気調和装置(20)が空調用冷媒回路(21)において冷凍サイクルを行い、該冷凍サイクルによって得られた冷熱で蓄熱装置(30)が蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する空調側蓄熱動作とが行われる。そして、蓄冷運転において、貯湯槽(11)内の水のほぼ全てが80〜90℃程度の高温水になるか、貯湯槽(11)内の高温水の量が翌日の給湯需要を賄える量に達すると、給湯空調システム(1)は、給湯側蓄熱動作を停止し、空調側蓄熱動作のみを行う。
ところで、給湯需要が比較的少なくて冷房負荷の高い夏季には、給湯側蓄熱動作によって蓄熱装置(30)に蓄えられた冷熱だけでは、日中の冷房負荷を処理しきれない場合が多い。しかし、蓄冷運転では、給湯空調システム(1)は、給湯側蓄熱動作だけでなく、空調側蓄熱動作を行うことによって蓄熱装置(30)に冷熱を蓄えることとしている。上述したように、空調側蓄熱動作では、空調用冷媒回路(21)の冷媒が蓄熱媒体から吸収した熱を室外空気へ放出しているため、貯湯槽(11)内の高温水の量とは無関係に蓄熱装置(30)に冷熱を蓄えることができる。そこで、本実施形態の給湯空調システム(1)は、深夜に給湯側蓄熱動作と空調側蓄熱動作とを行う蓄冷運転を行うことによって、蓄熱装置(30)に蓄えられた冷熱量を充分に確保している。
第1利用冷房運転と第2利用冷房運転は、蓄冷運転によって蓄熱装置(30)に蓄えられた冷熱を利用して、室内を冷房する運転である。第1利用冷房運転や第2利用冷房運転における給湯空調システム(1)の消費電力は、空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱だけを利用して冷房を行う単純冷房運転中の給湯空調システム(1)の消費電力に比べて少なくなる。このため、電力料金の高い日中から夕方にかけての給湯空調システム(1)の消費電力が減少し、給湯空調システム(1)のランニングコストが低減される。
なお、蓄熱装置(30)に蓄えられた冷熱を使い切った後においても、室内の冷房が必要な場合がある。その様な場合、給湯空調システム(1)は、単純冷房運転を行う。
〈暖房シーズンにおける運転動作〉
冬季等の暖房シーズンにおいて、給湯空調システム(1)は、蓄熱運転と、利用暖房運転と、単純暖房運転と、単純湯沸かし運転とを行う。
冬季等の暖房シーズンにおいて、給湯空調システム(1)は、蓄熱運転と、利用暖房運転と、単純暖房運転と、単純湯沸かし運転とを行う。
上述したように、蓄熱運転中の給湯空調システム(1)では、蓄熱装置(30)に温熱が蓄えられる。利用暖房運転中の給湯空調システム(1)は、蓄熱運転中に蓄熱装置(30)に蓄えられた温熱を利用して、上述した運転を行う。
なお、蓄熱装置(30)に蓄えられた温熱を使い切った後においても、室内の暖房が必要な場合がある。その様な場合、給湯空調システム(1)は、単純暖房運転を行う。また、暖房を行わずに湯沸かしのみが必要な場合がある。その様な場合、給湯空調システム(1)は、単純湯沸かし運転を行う。
−実施形態1の効果−
本実施形態の給湯空調システム(1)では、蓄冷運転中に給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とが実行可能となっている。給湯側蓄冷動作中には、給湯用冷媒回路(40)において冷凍サイクルが行われ、加熱用熱交換器(48)において冷媒から放出された熱を利用して給湯装置(10)が温水を生成し、給湯側熱交換器(33)において得られた冷熱が蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えられる。一方、空調側蓄冷動作中には、空調用冷媒回路(21)において冷凍サイクルが行われ、室外熱交換器(24)において冷媒が室外空気へ放熱し、空調側熱交換器(34)において得られた冷熱が蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えられる。
本実施形態の給湯空調システム(1)では、蓄冷運転中に給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とが実行可能となっている。給湯側蓄冷動作中には、給湯用冷媒回路(40)において冷凍サイクルが行われ、加熱用熱交換器(48)において冷媒から放出された熱を利用して給湯装置(10)が温水を生成し、給湯側熱交換器(33)において得られた冷熱が蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えられる。一方、空調側蓄冷動作中には、空調用冷媒回路(21)において冷凍サイクルが行われ、室外熱交換器(24)において冷媒が室外空気へ放熱し、空調側熱交換器(34)において得られた冷熱が蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えられる。
このように本実施形態の給湯空調システム(1)によれば、給湯側蓄冷動作だけでなく空調側蓄冷動作を行うことにより、給湯側蓄冷動作のみを行う場合に比べて多くの冷熱を蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えることができる。そのため、温水を生成する際に得られる冷熱だけでなく、空調用冷媒回路(21)の冷媒が室外空気へ放熱することによって得られる冷熱も蓄熱装置(30)の蓄熱槽(31)に蓄えることができる。従って、本実施形態の給湯空調システム(1)によれば、電力料金の安い深夜に蓄冷運転を行い、その蓄冷運転中に給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とを行うことによって日中の利用冷房運転に必要な十分な量の冷熱を蓄熱槽(31)に蓄えることができる。その結果、日中に室内を冷房するために消費される電力量を十分に削減でき、給湯空調システムのランニングコストを十分に削減することができる。
また、本実施形態の給湯空調システム(1)によれば、給湯側熱交換器(33)と蓄熱槽(31)との間で蓄熱媒体を循環させる第1循環路(35a,35b)と、空調側熱交換器(34)と蓄熱槽(31)との間で蓄熱媒体を循環させる第2循環路(35a,35c)とを設けることにより、給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とを同時に行って、給湯用冷媒回路における冷凍サイクルによって得られた冷熱と空調用冷媒回路における冷凍サイクルによって得られた冷熱とを同じ蓄熱槽(31)に蓄えることができる。従って、給湯空調システム(1)をコンパクトに構成することができる。
また、本実施形態の給湯空調システム(1)によれば、給湯側蓄熱動作と空調側蓄熱動作とを同時に並行して行うこととしているため、給湯側蓄熱動作の終了後に空調側蓄熱動作を行う場合に比べて蓄冷運転に要する時間を短縮することができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2の給湯空調システム(1)は、実施形態1の給湯空調システム(1)において、空気調和装置(20)及び蓄熱装置(30)の構成を変更したものである。なお、給湯装置(10)は、実施形態1と同様に構成されている。以下、図10を用いて説明する。
実施形態2の給湯空調システム(1)は、実施形態1の給湯空調システム(1)において、空気調和装置(20)及び蓄熱装置(30)の構成を変更したものである。なお、給湯装置(10)は、実施形態1と同様に構成されている。以下、図10を用いて説明する。
〈空気調和装置〉
実施形態2では、空気調和装置(20)は、第1〜第3空調ユニット(20A,20B,20C)を備えている。各空調ユニット(20A,20B,20C)は、冷媒が充填された閉回路である空調用冷媒回路(21)と、室外ファン(24a)と、室内ファン(27a)とを備えている。
実施形態2では、空気調和装置(20)は、第1〜第3空調ユニット(20A,20B,20C)を備えている。各空調ユニット(20A,20B,20C)は、冷媒が充填された閉回路である空調用冷媒回路(21)と、室外ファン(24a)と、室内ファン(27a)とを備えている。
空調用冷媒回路(21)は、実施形態1において、空調側接続配管(53)における空調側熱交換器(34)の第4三方弁(57)側に接続されていた第8三方弁(61)が、主回路(29)の第3三方弁(56)と第4三方弁(57)との間に接続されている点、及び空調側接続配管(53)に空調側熱交換器(34)ではなく伝熱管(39)が接続される点以外は実施形態1と同様に構成されている。実施形態2では、第8三方弁(61)は、第4三方弁(57)を第3三方弁(56)に連通させて第2バイパス配管(55)を遮断する状態と第4三方弁(57)を第2バイパス配管(55)に連通させて第3三方弁(56)を遮断する状態とに切り換わる。
〈蓄熱装置〉
実施形態2では、蓄熱装置(30)は、第1〜第3蓄熱ユニット(30A,30B,30C)と、各蓄熱ユニット(30A,30B,30C)を接続する第1〜第4接続管(81〜84)と、第1〜第8流路切換弁(71〜78)とを備えている。
実施形態2では、蓄熱装置(30)は、第1〜第3蓄熱ユニット(30A,30B,30C)と、各蓄熱ユニット(30A,30B,30C)を接続する第1〜第4接続管(81〜84)と、第1〜第8流路切換弁(71〜78)とを備えている。
各蓄熱ユニット(30A,30B,30C)は、蓄熱槽(31)と、伝熱管(39)とを備えている。伝熱管(39)は、蓄熱槽(31)内に配置され、蓄熱媒体に浸かった状態で上下に蛇行している。また、実施形態2では、蓄熱槽(31)には、水が蓄熱媒体として貯留されている。詳細については後述するが、蓄熱装置(30)は、蓄熱槽(31)に蓄熱媒体として貯留された水を凍結させることによって冷熱を蓄え、蓄熱槽(31)に蓄熱媒体として貯留された水を加熱して温水を生成することによって温熱を蓄える。
第1流路切換弁(71)及び第2流路切換弁(72)は、三方弁によって構成され、給湯側接続配管(50)の中途部及び第1空調ユニット(20A)の空調側接続配管(53)の中途部にそれぞれ接続されている。給湯側接続配管(50)において、第1流路切換弁(71)は第2三方弁(52)側に接続され、第2流路切換弁(72)は第1三方弁(51)側に接続されている。一方、第1空調ユニット(20A)の空調側接続配管(53)において、第1流路切換弁(71)は第3三方弁(56)側に接続され、第2流路切換弁(72)は第4三方弁(57)側に接続されている。また、第1流路切換弁(71)には第1蓄熱ユニット(30A)の伝熱管(39)の一端が接続され、第2流路切換弁(72)には第1蓄熱ユニット(30A)の伝熱管(39)の他端が接続されている。
第3流路切換弁(73)は、三方弁によって構成され、第1空調ユニット(20A)の空調側接続配管(53)の第1流路切換弁(71)と第6三方弁(59)との間に接続されている。第4流路切換弁(74)は、三方弁によって構成され、第1空調ユニット(20A)の空調側接続配管(53)の第2流路切換弁(72)と第4三方弁(57)との間に接続されている。
第5流路切換弁(75)及び第6流路切換弁(76)は、四方弁によって構成され、第2空調ユニット(20B)の空調側接続配管(53)の中途部にそれぞれ接続されている。第2空調ユニット(20B)の空調側接続配管(53)において、第5流路切換弁(75)は第3三方弁(56)側に接続され、第6流路切換弁(76)は第4三方弁(57)側に接続されている。また、第5流路切換弁(75)には第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)の一端が接続され、第6流路切換弁(76)には第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)の他端が接続されている。
第7流路切換弁(77)及び第8流路切換弁(78)は、三方弁によって構成され、第3空調ユニット(20C)の空調側接続配管(53)の中途部にそれぞれ接続されている。第3空調ユニット(20C)の空調側接続配管(53)において、第7流路切換弁(77)は第3三方弁(56)側に接続され、第8流路切換弁(78)は第4三方弁(57)側に接続されている。また、第7流路切換弁(77)には第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)の一端が接続され、第8流路切換弁(78)には第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)の他端が接続されている。
第1接続管(81)は、第3流路切換弁(73)と第5流路切換弁(75)とに接続されている。第2接続管(82)は、第5流路切換弁(75)と第7流路切換弁(77)とに接続されている。第3接続管(83)は、第4流路切換弁(74)と第6流路切換弁(76)とに接続されている。第4接続管(84)は、第6流路切換弁(76)と第8流路切換弁(78)とに接続されている。
このような構成により、各伝熱管(39)は、第1〜第8流路切換弁(71〜78)の切換により、給湯用冷媒回路(40)と各空調用冷媒回路(21)とに選択的に接続されることとなる。つまり、実施形態2では、蓄熱槽(31)内に設けられた伝熱管(39)は、本発明に係る給湯側熱交換器と空調側熱交換器とを兼ねることとなる。
−運転動作−
給湯空調システム(1)の運転動作を説明する。給湯空調システム(1)は、蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、単純冷房運転と、蓄熱運転と、利用暖房運転と、単純暖房運転と、単純湯沸かし運転とを行う。なお、単純冷房運転と単純暖房運転と単純湯沸かし運転とは、実施形態1と同様であるため、以下では蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、蓄熱運転と、利用暖房運転とについて説明する。
給湯空調システム(1)の運転動作を説明する。給湯空調システム(1)は、蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、単純冷房運転と、蓄熱運転と、利用暖房運転と、単純暖房運転と、単純湯沸かし運転とを行う。なお、単純冷房運転と単純暖房運転と単純湯沸かし運転とは、実施形態1と同様であるため、以下では蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、蓄熱運転と、利用暖房運転とについて説明する。
〈蓄冷運転〉
蓄冷運転について、図11を参照しながら説明する。蓄冷運転では、給湯空調システム(1)は、給湯側蓄熱動作と空調側蓄熱動作とを行う。給湯側蓄熱動作は、給湯装置(10)が給湯用冷媒回路(40)において冷凍サイクルを行って貯湯槽(11)内の水を加熱する一方、冷凍サイクルによって得られた冷熱で第1蓄熱ユニット(30A)の蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する。一方、空調側蓄熱動作では、空気調和装置(20)が第2及び第3空調ユニット(20B,20C)の空調用冷媒回路(21)において冷凍サイクルを行い、該冷凍サイクルによって得られた冷熱で第2及び第3蓄熱ユニット(30B,30C)の蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する。この給湯装置(10)の給湯側蓄熱動作によって得られた冷熱と、空気調和装置(20)の空調側蓄熱動作によって得られた冷熱とを蓄熱装置(30)が第1〜第3蓄熱ユニット(30A〜30C)の蓄熱槽(31)に蓄える。また、この蓄冷運転では、第1空調ユニット(20A)が停止する。
蓄冷運転について、図11を参照しながら説明する。蓄冷運転では、給湯空調システム(1)は、給湯側蓄熱動作と空調側蓄熱動作とを行う。給湯側蓄熱動作は、給湯装置(10)が給湯用冷媒回路(40)において冷凍サイクルを行って貯湯槽(11)内の水を加熱する一方、冷凍サイクルによって得られた冷熱で第1蓄熱ユニット(30A)の蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する。一方、空調側蓄熱動作では、空気調和装置(20)が第2及び第3空調ユニット(20B,20C)の空調用冷媒回路(21)において冷凍サイクルを行い、該冷凍サイクルによって得られた冷熱で第2及び第3蓄熱ユニット(30B,30C)の蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する。この給湯装置(10)の給湯側蓄熱動作によって得られた冷熱と、空気調和装置(20)の空調側蓄熱動作によって得られた冷熱とを蓄熱装置(30)が第1〜第3蓄熱ユニット(30A〜30C)の蓄熱槽(31)に蓄える。また、この蓄冷運転では、第1空調ユニット(20A)が停止する。
給湯側蓄熱動作における給湯装置(10)の動作は、給湯側熱交換器(33)が伝熱管(39)に置き換わること以外は実施形態1とほぼ同様であるため、説明を省略する。
空気調和装置(20)では、第1空調ユニット(20A)が停止する一方、第2及び第3空調ユニット(20B,20C)が空調側蓄熱動作を行う。なお、第2及び第3空調ユニット(20B,20C)における空調側蓄熱動作は、空調側熱交換器(34)が伝熱管(39)に置き換わって伝熱管(39)を流れる冷媒が蓄熱槽(31)の蓄熱媒体から吸熱すること、第4三方弁(57)が第8三方弁(61)を空調側接続配管(53)に連通させて室内膨張弁(26)から遮断する状態に切り換えられること、及び第8三方弁(61)が第2バイパス配管(55)を第4三方弁(57)に連通させて第3三方弁(56)から遮断する状態に切り換えられること以外は実施形態1とほぼ同様であるため、説明を省略する。
蓄熱装置(30)では、第1流路切換弁(71)及び第2流路切換弁(72)は、それぞれ第1蓄熱ユニット(30A)の伝熱管(39)を給湯側接続配管(50)に連通させて第1空調ユニット(20A)の空調側接続配管(53)から遮断する。第5流路切換弁(75)は、第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)を第2空調ユニット(20B)の空調側接続配管(53)に連通させて第1接続管(81)及び第2接続管(82)から遮断する。第6流路切換弁(76)は、第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)を第2空調ユニット(20B)の空調側接続配管(53)に連通させて第3接続管(83)及び第4接続管(84)から遮断する。第7流路切換弁(77)は、第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)を第3空調ユニット(20C)の空調側接続配管(53)に連通させて第2接続管(82)から遮断する。第8流路切換弁(78)は、第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)を第3空調ユニット(20C)の空調側接続配管(53)に連通させて第4接続管(84)から遮断する。
上述のように第1〜第8流路切換弁(71〜78)を切り換えることにより、第1蓄熱ユニット(30A)の伝熱管(39)は、給湯装置(10)の給湯用冷媒回路(40)に接続され、第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)は、第2空調ユニット(20B)の空調用冷媒回路(21)に接続され、第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)は、第3空調ユニット(20C)の空調用冷媒回路(21)に接続される。つまり、第1蓄熱ユニット(30A)では、伝熱管(39)に給湯用冷媒回路(40)の冷媒が流入し、第2蓄熱ユニット(30B)では、伝熱管(39)に第2空調ユニット(20B)の空調用冷媒回路(21)の冷媒が流入し、第3蓄熱ユニット(30C)では、伝熱管(39)に第3空調ユニット(20C)の空調用冷媒回路(21)の冷媒が流入する。各蓄熱槽(31)では、各伝熱管(39)を流れる冷媒によって蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体が冷却される。
ここで、実施形態2では、各蓄熱槽(31)には、水が蓄熱媒体として貯留されている。そのため、蓄熱装置(30)は、各蓄熱槽(31)に蓄熱媒体として貯留された水を凍結させることによって、冷熱を蓄える。つまり、蓄冷運転では、蓄熱槽(31)内の水が伝熱管(39)を流れる冷媒によって冷却され、伝熱管(39)の周囲の水が凍って氷となる。実施形態2の蓄冷運転では、このようにして給湯用冷媒回路(40)における冷凍サイクルによって得られた冷熱と第2及び第3空調ユニット(20B,20C)の空調用冷媒回路(21)における冷凍サイクルによって得られた冷熱とが蓄熱装置(30)に蓄えられる。
以上のようにして、実施形態2の蓄冷運転中においても、給湯空調システム(1)では、給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とが同時に行われる。なお、貯湯槽(11)内の水のほぼ全てが80〜90℃程度の高温水になるか、貯湯槽(11)内の高温水の量が翌日の給湯需要を賄える量に達すると、給湯空調システム(1)は、給湯側蓄熱動作を停止し、空調側蓄熱動作のみを行う。
〈第1利用冷房運転〉
第1利用冷房運転について、図12を参照しながら説明する。第1利用冷房運転では、各蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱だけを用いて各空調ユニット(20A,20B,20C)の室内の冷房が行われる。第1利用冷房運転では、給湯装置(10)が停止する。
第1利用冷房運転について、図12を参照しながら説明する。第1利用冷房運転では、各蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱だけを用いて各空調ユニット(20A,20B,20C)の室内の冷房が行われる。第1利用冷房運転では、給湯装置(10)が停止する。
空気調和装置(20)では、各空調ユニット(20A,20B,20C)の空調用冷媒回路(21)において圧縮機(22)をガスポンプとして用いた冷媒循環動作が行われる。この冷媒循環動作は、空調側熱交換器(34)が伝熱管(39)に置き換わって伝熱管(39)を流れる冷媒が蓄熱槽(31)の蓄熱媒体に放熱すること以外は実施形態1とほぼ同様であるため、説明を省略する。
蓄熱装置(30)では、第1流路切換弁(71)及び第2流路切換弁(72)は、それぞれ第1蓄熱ユニット(30A)の伝熱管(39)を第1空調ユニット(20A)の空調側接続配管(53)に連通させて給湯側接続配管(50)から遮断する。第5流路切換弁(75)は、第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)を第2空調ユニット(20B)の空調側接続配管(53)に連通させて第1接続管(81)及び第2接続管(82)から遮断する。第6流路切換弁(76)は、第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)を第2空調ユニット(20B)の空調側接続配管(53)に連通させて第3接続管(83)及び第4接続管(84)から遮断する。第7流路切換弁(77)は、第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)を第3空調ユニット(20C)の空調側接続配管(53)に連通させて第2接続管(82)から遮断する。第8流路切換弁(78)は、第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)を第3空調ユニット(20C)の空調側接続配管(53)に連通させて第4接続管(84)から遮断する。
上述のように第1〜第8流路切換弁(71〜78)を切り換えることにより、各蓄熱ユニット(30A〜30C)の伝熱管(39)は、各空調ユニット(20A〜20C)の空調用冷媒回路(21)に接続される。つまり、各蓄熱ユニット(30A〜30C)において、伝熱管(39)に各空調ユニット(20A〜20C)の空調用冷媒回路(21)の冷媒が流入する。その結果、各蓄熱槽(31)では、蓄熱媒体が各伝熱管(39)を流れる冷媒から吸熱して、各伝熱管(39)を流れる冷媒が冷却される。つまり、各伝熱管(39)を流れる冷媒が蓄熱槽(31)内の氷によって冷却される。その結果、各蓄熱槽(31)内の氷は融解する。
〈第2利用冷房運転〉
第2利用冷房運転について、図13を参照しながら説明する。第2利用冷房運転では、各蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱と、各空調ユニット(20A,20B,20C)の空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱とを用いて各空調ユニット(20A,20B,20C)の室内の冷房が行われる。第2利用冷房運転では、給湯装置(10)が停止する。
第2利用冷房運転について、図13を参照しながら説明する。第2利用冷房運転では、各蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱と、各空調ユニット(20A,20B,20C)の空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱とを用いて各空調ユニット(20A,20B,20C)の室内の冷房が行われる。第2利用冷房運転では、給湯装置(10)が停止する。
空気調和装置(20)では、各空調ユニット(20A,20B,20C)の空調用冷媒回路(21)において冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。この冷媒循環動作は、空調側熱交換器(34)が伝熱管(39)に置き換わって伝熱管(39)を流れる冷媒が蓄熱槽(31)の蓄熱媒体に放熱すること以外は実施形態1とほぼ同様であるため、説明を省略する。
蓄熱装置(30)では、第1利用冷房運転と同様に第1〜第8流路切換弁(71〜78)が切り換えられて、各蓄熱ユニット(30A〜30C)の伝熱管(39)に各空調ユニット(20A〜20C)の空調用冷媒回路(21)の冷媒が流入する。その結果、各蓄熱槽(31)では、蓄熱媒体が各伝熱管(39)を流れる冷媒から吸熱して、各伝熱管(39)を流れる冷媒が冷却される。つまり、各伝熱管(39)を流れる冷媒が蓄熱槽(31)内の氷によって冷却される。その結果、各蓄熱槽(31)内の氷は融解する。
〈蓄熱運転〉
蓄熱運転について、図14を参照しながら説明する。蓄熱運転では、各空調ユニット(20A,20B,20C)の空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって温熱が得られ、得られた温熱が各蓄熱槽(31)に蓄えられる。蓄熱運転では、給湯装置(10)が停止する。
蓄熱運転について、図14を参照しながら説明する。蓄熱運転では、各空調ユニット(20A,20B,20C)の空調用冷媒回路(21)が行う冷凍サイクルによって温熱が得られ、得られた温熱が各蓄熱槽(31)に蓄えられる。蓄熱運転では、給湯装置(10)が停止する。
空気調和装置(20)では、各空調ユニット(20A,20B,20C)の空調用冷媒回路(21)において冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。この冷媒循環動作は、空調側熱交換器(34)が伝熱管(39)に置き換わって伝熱管(39)を流れる冷媒が蓄熱槽(31)の蓄熱媒体に放熱すること、第4三方弁(57)が第8三方弁(61)を空調側接続配管(53)に連通させて室内膨張弁(26)から遮断する状態に切り換えられること、及び第8三方弁(61)が第2バイパス配管(55)を第4三方弁(57)に連通させて第3三方弁(56)から遮断する状態に切り換えられること以外は実施形態1とほぼ同様であるため、説明を省略する。
蓄熱装置(30)では、第1利用冷房運転と同様に第1〜第8流路切換弁(71〜78)が切り換えられて、各蓄熱ユニット(30A〜30C)の伝熱管(39)に各空調ユニット(20A〜20C)の空調用冷媒回路(21)の冷媒が流入する。その結果、各蓄熱槽(31)では、蓄熱媒体が各伝熱管(39)を流れる冷媒によって加熱される。蓄熱装置(30)は、このようにして各蓄熱槽(31)に、圧縮機(22)から吐出された冷媒の温熱を蓄える。
〈利用暖房運転〉
利用暖房運転について、図15を参照しながら説明する。利用暖房運転では、各蓄熱槽(31)に蓄えられた温熱を用いて各空調ユニット(20A,20B,20C)の室内の暖房が行われる。利用暖房運転では、給湯装置(10)が停止する。
利用暖房運転について、図15を参照しながら説明する。利用暖房運転では、各蓄熱槽(31)に蓄えられた温熱を用いて各空調ユニット(20A,20B,20C)の室内の暖房が行われる。利用暖房運転では、給湯装置(10)が停止する。
空気調和装置(20)では、各空調ユニット(20A,20B,20C)の空調用冷媒回路(21)において冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。この冷媒循環動作は、空調側熱交換器(34)が伝熱管(39)に置き換わって伝熱管(39)を流れる冷媒が蓄熱槽(31)の蓄熱媒体から吸熱すること以外は実施形態1とほぼ同様であるため、説明を省略する。
蓄熱装置(30)では、第1利用冷房運転と同様に第1〜第8流路切換弁(71〜78)が切り換えられて、各蓄熱ユニット(30A〜30C)の伝熱管(39)に各空調ユニット(20A〜20C)の空調用冷媒回路(21)の冷媒が流入する。その結果、各蓄熱槽(31)では、蓄熱媒体が各伝熱管(39)を流れる冷媒に放熱し、各伝熱管(39)を流れる冷媒が加熱される。
以上のように、本実施形態2の給湯空調システム(1)においても、蓄冷運転中に給湯側蓄熱動作だけでなく空調側蓄熱動作を行うこととしている。これにより、実施形態1と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態2の給湯空調システム(1)によれば、本発明に係る給湯側熱交換器と空調側熱交換器とを蓄熱槽(31)内に設けられた伝熱管(39)によって構成することにより、給湯空調システムの部品点数を削減することができる。従って、給湯空調システムを安価に構成することができる。
《発明の実施形態3》
実施形態3の給湯空調システム(1)は、実施形態2の給湯空調システム(1)において、第1利用冷房運転と第2利用冷房運転における動作を変更したものである。以下、実施形態2と異なる第1利用冷房運転と第2利用冷房運転の動作について説明する。
実施形態3の給湯空調システム(1)は、実施形態2の給湯空調システム(1)において、第1利用冷房運転と第2利用冷房運転における動作を変更したものである。以下、実施形態2と異なる第1利用冷房運転と第2利用冷房運転の動作について説明する。
ここで、実施形態2では、蓄冷運転において、第1蓄熱ユニット(30A)の蓄熱槽(31)には、給湯装置(10)の給湯用冷媒回路(40)における冷凍サイクルによって得られた冷熱が蓄えられ、第2及び第3蓄熱ユニット(30B,30C)の蓄熱槽(31)には、空気調和装置(20)の第2及び第3空調ユニット(20B,20C)の給湯用冷媒回路(40)における冷凍サイクルによって得られた冷熱が蓄えられている。蓄冷運転において、貯湯槽(11)内の水のほぼ全てが80〜90℃程度の高温水になるか、貯湯槽(11)内の高温水の量が翌日の給湯需要を賄える量に達すると、給湯空調システム(1)は、給湯側蓄熱動作を停止する。すなわち、第1蓄熱ユニット(30A)の蓄熱槽(31)へ冷熱が蓄えられなくなる。そのため、第1蓄熱ユニット(30A)の蓄熱槽(31)には、第2及び第3蓄熱ユニット(30B,30C)の蓄熱槽(31)に比べて蓄えられる冷熱が少なくなる。
そこで、以下の第1利用冷房運転及び第2利用冷房運転では、まず実施形態2と同様の第1動作を行い、第1蓄熱ユニット(30A)の蓄熱槽(31)の冷熱が利用できなくなると、第1空調ユニット(20A)が第2蓄熱ユニット(30B)の蓄熱槽(31)の冷熱を利用する第2動作を行い、さらに第2蓄熱ユニット(30B)の蓄熱槽(31)の冷熱が利用できなくなると、第1及び第2空調ユニット(20A,20B)が第3蓄熱ユニット(30C)の蓄熱槽(31)の冷熱を利用する第3動作を行うこととしている。
〈第1利用冷房運転〉
実施形態3では、第1利用冷房運転では、上述のように第1〜第3動作が実行される。そして、第1動作(図12参照)において、第1蓄熱ユニット(30A)の蓄熱槽(31)内の氷が全て若しくはほぼ融解して伝熱管(39)内を流れる冷媒を冷却できなくなると、図16に示すように、第3〜第6流路切換弁(73〜76)が切り換えられて第2動作に切り換えられる。
実施形態3では、第1利用冷房運転では、上述のように第1〜第3動作が実行される。そして、第1動作(図12参照)において、第1蓄熱ユニット(30A)の蓄熱槽(31)内の氷が全て若しくはほぼ融解して伝熱管(39)内を流れる冷媒を冷却できなくなると、図16に示すように、第3〜第6流路切換弁(73〜76)が切り換えられて第2動作に切り換えられる。
第2動作では、第3流路切換弁(73)は、第1空調ユニット(20A)の第6三方弁(59)を第1接続管(81)に連通させて第1流路切換弁(71)から遮断する状態に切り換えられる。第4流路切換弁(74)は、第1空調ユニット(20A)の第4三方弁(57)を第3接続管(83)に連通させて第2流路切換弁(72)から遮断する状態に切り換えられる。第5流路切換弁(75)は、第2空調ユニット(20B)の第6三方弁(59)を第1接続管(81)及び第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)に連通させて第2接続管(82)から遮断する状態に切り換えられる。第6流路切換弁(76)は、第2空調ユニット(20B)の第4三方弁(57)を第3接続管(83)及び第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)に連通させて第4接続管(84)から遮断する状態に切り換えられる。
このように第3〜第6流路切換弁(73〜76)が切り換えられることにより、第1空調ユニット(20A)の圧縮機(22)から吐出されて第1バイパス配管(54)を通過して第6三方弁(59)に流入した冷媒は、第1接続管(81)を通過し、第5流路切換弁(75)において第2空調ユニット(20B)からの冷媒と合流して第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)に流入する。第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)において蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体によって冷却された冷媒は、第6流路切換弁(76)において分流され、一部は第3接続管(83)及び第4流路切換弁(74)を通過して第1空調ユニット(20A)の第4三方弁(57)に流入し、残りは第2空調ユニット(20B)の第4三方弁(57)に流入する。その他の動作は第1動作と同様である。このような第2動作において、やがて第2蓄熱ユニット(30B)の蓄熱槽(31)内の氷が全て若しくはほぼ融解して伝熱管(39)内を流れる冷媒を冷却できなくなると、図17に示すように、第5〜第8流路切換弁(75〜78)が切り換えられて第3動作に切り換えられる。
第3動作では、第5流路切換弁(75)は、第2空調ユニット(20B)の第6三方弁(59)及び第1接続管(81)を第2接続管(82)に連通させて第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)から遮断する状態に切り換えられる。第6流路切換弁(76)は、第2空調ユニット(20B)の第4三方弁(57)及び第3接続管(83)を第4接続管(84)に連通させて第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)から遮断する状態に切り換えられる。第7流路切換弁(77)は、第3空調ユニット(20C)の第6三方弁(59)及び第2接続管(82)を第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)に連通させる状態に切り換えられる。第8流路切換弁(78)は、第3空調ユニット(20C)の第4三方弁(57)及び第4接続管(84)を第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)に連通させる状態に切り換えられる。
このように第5〜第8流路切換弁(75〜78)が切り換えられることにより、第1空調ユニット(20A)の圧縮機(22)から吐出されて第1バイパス配管(54)を通過して第6三方弁(59)に流入した冷媒は、第1接続管(81)を通過して第5流路切換弁(75)において第2空調ユニット(20B)からの冷媒と合流し、第2接続管(82)を通過して第7流路切換弁(77)において第3空調ユニット(20C)からの冷媒と合流して第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)に流入する。第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)において蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体によって冷却された冷媒は、第8流路切換弁(78)において分流され、一部は第4接続管(84)を通過して第6流路切換弁(76)に流入し、残りは第3空調ユニット(20C)の第4三方弁(57)に流入する。第6流路切換弁(76)に流入した冷媒は、第6流路切換弁(76)において分流され、一部は第3接続管(83)及び第4流路切換弁(74)を通過して第1空調ユニット(20A)の第4三方弁(57)に流入し、残りは第2空調ユニット(20B)の第4三方弁(57)に流入する。その他の動作は第1及び第2動作と同様である。このような第3動作において、やがて第3蓄熱ユニット(30C)の蓄熱槽(31)内の氷が全て若しくはほぼ融解して伝熱管(39)内を流れる冷媒を冷却できなくなると第1利用冷房運転を終了する。
〈第2利用冷房運転〉
実施形態3では、第2利用冷房運転では、上述のように第1〜第3動作が実行される。そして、実施形態2の第2利用冷房運転と同様の第1動作(図13参照)において、第1蓄熱ユニット(30A)の蓄熱槽(31)内の氷が全て若しくはほぼ融解して伝熱管(39)内を流れる冷媒を冷却できなくなると、図18に示すように、第3〜第6流路切換弁(73〜76)が上記第1利用冷房運転と同様に切り換えられて第2動作に切り換えられる。
実施形態3では、第2利用冷房運転では、上述のように第1〜第3動作が実行される。そして、実施形態2の第2利用冷房運転と同様の第1動作(図13参照)において、第1蓄熱ユニット(30A)の蓄熱槽(31)内の氷が全て若しくはほぼ融解して伝熱管(39)内を流れる冷媒を冷却できなくなると、図18に示すように、第3〜第6流路切換弁(73〜76)が上記第1利用冷房運転と同様に切り換えられて第2動作に切り換えられる。
第3〜第6流路切換弁(73〜76)が切り換えられることにより、第1空調ユニット(20A)の圧縮機(22)から吐出されて室外熱交換器(24)及び室外膨張弁(25)を通過して第6三方弁(59)に流入した冷媒は、第1接続管(81)を通過し、第5流路切換弁(75)において第2空調ユニット(20B)からの冷媒と合流して第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)に流入する。第2蓄熱ユニット(30B)の伝熱管(39)において蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体によって冷却された冷媒は、第6流路切換弁(76)において分流され、一部は第3接続管(83)及び第4流路切換弁(74)を通過して第1空調ユニット(20A)の第4三方弁(57)に流入し、残りは第2空調ユニット(20B)の第4三方弁(57)に流入する。その他の動作は第1動作と同様である。このような第2動作において、やがて第2蓄熱ユニット(30B)の蓄熱槽(31)内の氷が全て若しくはほぼ融解して伝熱管(39)内を流れる冷媒を冷却できなくなると、図19に示すように、第5〜第8流路切換弁(75〜78)が上記第1利用冷房運転と同様に切り換えられて第3動作に切り換えられる。
第5〜第8流路切換弁(75〜78)が切り換えられることにより、第1空調ユニット(20A)の圧縮機(22)から吐出されて室外熱交換器(24)及び室外膨張弁(25)を通過して第6三方弁(59)に流入した冷媒は、第1接続管(81)を通過して第5流路切換弁(75)において第2空調ユニット(20B)からの冷媒と合流し、第2接続管(82)を通過して第7流路切換弁(77)において第3空調ユニット(20C)からの冷媒と合流して第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)に流入する。第3蓄熱ユニット(30C)の伝熱管(39)において蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体によって冷却された冷媒は、第8流路切換弁(78)において分流され、一部は第4接続管(84)を通過して第6流路切換弁(76)に流入し、残りは第3空調ユニット(20C)の第4三方弁(57)に流入する。第6流路切換弁(76)に流入した冷媒は、第6流路切換弁(76)において分流され、一部は第3接続管(83)及び第4流路切換弁(74)を通過して第1空調ユニット(20A)の第4三方弁(57)に流入し、残りは第2空調ユニット(20B)の第4三方弁(57)に流入する。その他の動作は第1及び第2動作と同様である。このような第3動作において、やがて第3蓄熱ユニット(30C)の蓄熱槽(31)内の氷が全て若しくはほぼ融解して伝熱管(39)内を流れる冷媒を冷却できなくなると第2利用冷房運転を終了する。
《発明の実施形態4》
実施形態4の給湯空調システム(1)は、実施形態2の給湯空調システム(1)において、給湯装置(10)及び蓄熱装置(30)の構成を変更したものである。なお、空気調和装置(20)は、実施形態2と同様に構成されている。以下、図20を用いて説明する。
実施形態4の給湯空調システム(1)は、実施形態2の給湯空調システム(1)において、給湯装置(10)及び蓄熱装置(30)の構成を変更したものである。なお、空気調和装置(20)は、実施形態2と同様に構成されている。以下、図20を用いて説明する。
〈給湯装置〉
実施形態4では、給湯装置(10)は、第1〜第3給湯ユニット(10A,10B,10C)を備えている。各給湯ユニット(10A,10B,10C)は、実施形態2と同様の給湯用冷媒回路(40)とファン(46a)とを備えている。
実施形態4では、給湯装置(10)は、第1〜第3給湯ユニット(10A,10B,10C)を備えている。各給湯ユニット(10A,10B,10C)は、実施形態2と同様の給湯用冷媒回路(40)とファン(46a)とを備えている。
〈蓄熱装置〉
実施形態4では、蓄熱装置(30)は、実施形態2において第1蓄熱ユニット(30A)のみに設けられていた第1及び第2流路切換弁(81,82)が、第2及び第3蓄熱ユニット(30B,30C)にも設けられている。
実施形態4では、蓄熱装置(30)は、実施形態2において第1蓄熱ユニット(30A)のみに設けられていた第1及び第2流路切換弁(81,82)が、第2及び第3蓄熱ユニット(30B,30C)にも設けられている。
具体的には、実施形態4では、各蓄熱ユニット(30A,30B,30C)のそれぞれにおいて、第1流路切換弁(71)及び第2流路切換弁(72)は、給湯側接続配管(50)の中途部及び各空調ユニット(20A,20B,20C)の空調側接続配管(53)の中途部にそれぞれ接続されている。給湯側接続配管(50)において、第1流路切換弁(71)は第2三方弁(52)側に接続され、第2流路切換弁(72)は第1三方弁(51)側に接続されている。一方、各空調ユニット(20A,20B,20C)の空調側接続配管(53)において、各第1流路切換弁(71)は第3三方弁(56)側に接続され、各第2流路切換弁(72)は第4三方弁(57)側に接続されている。また、各蓄熱ユニット(30A,30B,30C)において、第1流路切換弁(71)には対応する蓄熱ユニット(30A,30B,30C)の伝熱管(39)の一端が接続され、第2流路切換弁(72)には対応する蓄熱ユニット(30A,30B,30C)の伝熱管(39)の他端が接続されている。第1流路切換弁(71)及び第2流路切換弁(72)は、伝熱管(39)を給湯側接続配管(50)に連通させて空調側接続配管(53)から遮断する状態と、伝熱管(39)を空調側接続配管(53)に連通させて給湯側接続配管(50)から遮断する状態とにそれぞれ切り換わる。
その他の構成は、実施形態2と同様である。このような形態であっても実施形態2と同様の運転を行うことができ、同様の効果を奏することができる。また、実施形態4によれば、蓄冷運転において、第1及び第2蓄熱ユニット(30A,30B)において給湯側蓄冷動作によって得られた冷熱を蓄熱し、第3蓄熱ユニット(30C)において空調側蓄冷動作によって得られた冷熱を蓄熱することも可能である。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、蓄冷運転において、給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とを同時に行い、貯湯槽(11)内の水のほぼ全てが80〜90℃程度の高温水になるか、貯湯槽(11)内の高温水の量が翌日の給湯需要を賄える量に達すると、給湯側蓄熱動作を停止することとしていた。しかし、給湯側蓄冷動作と空調側蓄冷動作とは必ずしも同時に行う必要はない。例えば、給湯側蓄冷動作を行った後に空調側蓄冷動作を行ってもよい。
また、上記各実施形態では、給湯装置(10)は、低温側回路(41)と高温側回路(42)とを備えて二元冷凍サイクルを行うように構成されていたが、カスケード熱交換器(43)を加熱用熱交換器(48)に変更した低温側回路(41)のみを備えて単段冷凍サイクルを行うように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、空調用冷媒回路(21)には圧縮機(22)が1台だけ接続されていたが、圧縮機(22)を複数接続することとしてもよい。その際には、少なくとも1台の圧縮機(22)をガスポンプとして利用できるロータリ式圧縮機にすることにより、第1利用冷房運転が可能となる。その他の圧縮機は、ロータリ式圧縮機以外の圧縮機、例えば、スクロール式圧縮機であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、給湯装置と空気調和装置と蓄熱装置とを備えた給湯空調システムについて有用である。
1 給湯空調システム
10 給湯装置
20 空気調和装置
21 空調用冷媒回路
24 室外熱交換器
27 室内熱交換器
30 蓄熱装置
31 蓄熱槽
33 給湯側熱交換器
34 空調側熱交換器
39 伝熱管(給湯側熱交換器、空調側熱交換器)
40 給湯用冷媒回路
10 給湯装置
20 空気調和装置
21 空調用冷媒回路
24 室外熱交換器
27 室内熱交換器
30 蓄熱装置
31 蓄熱槽
33 給湯側熱交換器
34 空調側熱交換器
39 伝熱管(給湯側熱交換器、空調側熱交換器)
40 給湯用冷媒回路
Claims (3)
- 給湯用の温水を蓄える貯湯槽(11)と、該貯湯槽(11)の水を加熱するための加熱用熱交換器(48)が接続された給湯用冷媒回路(40)とを有する給湯装置(10)と、
室内熱交換器(27)と室外熱交換器(24)とが接続された空調用冷媒回路(21)を有して室内を空気調和する空気調和装置(20)と、
蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽(31)と、上記給湯用冷媒回路(40)の冷媒と上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体とを熱交換させる給湯側熱交換器(33)と、上記空調用冷媒回路(21)の冷媒と上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体とを熱交換させる空調側熱交換器(34)とを有する蓄熱装置(30)とを備え、
上記蓄熱装置(30)が上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する蓄冷運転と、
上記空気調和装置(20)が上記空調用冷媒回路(21)において冷媒を上記空調側熱交換器(34)から上記室内熱交換器(27)へ流れるように循環させ、上記蓄熱装置(30)が上記空調側熱交換器(34)を流れる冷媒を上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体によって冷却する利用冷房運転とが実行可能に構成され、
上記蓄冷運転中には、
上記給湯装置(10)の上記給湯用冷媒回路(40)が上記加熱用熱交換器(48)が放熱器となり且つ上記給湯側熱交換器(33)が蒸発器となる冷凍サイクルを行い、上記蓄熱装置(30)が上記給湯側熱交換器(33)において上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する給湯側蓄冷動作と、
上記空気調和装置(20)の上記空調用冷媒回路(21)が上記室外熱交換器(24)が放熱器となり且つ上記空調側熱交換器(34)が蒸発器となる冷凍サイクルを行い、上記蓄熱装置(30)が上記空調側熱交換器(34)において上記蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体を冷却する空調側蓄冷動作とが同時に並行して実行可能である
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項1において、
上記蓄熱装置(30)は、
上記給湯側熱交換器(33)と上記蓄熱槽(31)との間で蓄熱媒体を循環させる第1循環路(35a,35b)と、
上記空調側熱交換器(34)と上記蓄熱槽(31)との間で蓄熱媒体を循環させる第2循環路(35a,35c)とを備えている
ことを特徴とする給湯空調システム。 - 請求項1において、
上記蓄熱槽(31)内には、内部を流通する冷媒と蓄熱媒体とを熱交換させる伝熱管(39)が設けられ、該伝熱管(39)が上記給湯側熱交換器及び上記空調側熱交換器を兼ねている
ことを特徴とする給湯空調システム。
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