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JP5328615B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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JP5328615B2
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Description

本発明はインクジェット記録装置に係り、特に、インク吐出不良を防止するようにしたインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、電気熱変換素子や電気機械変換素子を利用して、記録ヘッドの複数の吐出口からインクの液滴を吐出し、紙等の記録媒体上に画像を記録する。
記録ヘッドからインク滴を吐出する際、主滴の他に主滴よりも小さい液滴(ミスト)が同時に吐出される。このミストが記録ヘッドに付着すると、その後の吐出に影響を与え、不吐出や混色などが起こり、画像品位が低下してしまうことがある。そこで従来から適切なタイミングで記録ヘッドを拭き取るワイピングを行ったり、記録ヘッドから記録処理に関与しないインクを吐出させる予備吐出を行ったりすることで、画像品位の低下を防止している(例えば特許文献1参照)。
特開平07−195708号公報
ところで、近年、写真画質の印刷物を屋内に掲示したり、サインやディスプレイ市場向けの用途として印刷物の画像堅牢性に対する要求が高まっている。そこで、染料インクと比較して画像堅牢性に優れている顔料インクを使用するインクジェット記録装置が開発されている。しかし、色再現範囲や彩度といった観点では、銀塩写真や製版印刷等に匹敵するほどの高画質を提供し得るレベルには至っていない。
そこで各インクの顔料濃度を増加して彩度を高めることが考えられる。しかし、こうするとインク粘度が増加し、長期間の放置や、吐出に伴う記録ヘッドの昇温により、インク増粘が発生しやすくなってしまう。
特に、吐出口周辺に付着したミストが増粘・固着すると、その後の吐出に影響を与えるばかりでなく、ワイピングを行う部材にもインクが増粘・固着する。よってワイピングにより記録ヘッドの吐出不良要因を除去することができず、インクの吐出状態を良好に保つことが困難である。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、インク吐出不良を極力防止することができるインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
インクを吐出する複数の吐出口を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの前記複数の吐出口が設けられた吐出面をワイピングするためのワイピング手段と、
前記記録ヘッドの吐出状態を回復するための予備吐出動作の直後にワイピングを行う場合は、前記予備吐出動作の直後にワイピングを行わない場合に比べて、前記吐出面にインクミストがより多く付着するように前記記録ヘッドからの予備吐出動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
これによれば、ワイピング直前の予備吐出実行時にインクミストが吐出面に相対的に多く付着されるので、吐出面に固着したインクをインクミストにより再溶解させることができる。再溶解したインクは流動性が高まっているため、その状態でワイピングを実行すれば、吐出不良要因としての固着インクを吐出面から効果的に除去することができる。
他方、ワイピング直前以外で予備吐出を実行するとき(例えばワイピング直後に予備吐出を実行するとき)には、インクミストの吐出面への付着量が相対的に少なくされる。よって、記録中の記録ヘッド昇温により吐出口周辺に固着するインクミスト量を減少し、吐出面における吐出不良要因を低減することができる。こうして、インク吐出不良を極力防止することができる。
本発明の他の態様によれば、
インクを吐出する複数の吐出口を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの前記複数の吐出口が設けられた吐出面をワイピングするためのワイピング手段と、
前記記録ヘッドの吐出状態を回復するための予備吐出動作の直後にワイピングを行う場合は、前記予備吐出動作の直後にワイピングを行わない場合に比べて、高い周波数で前記記録ヘッドを駆動するように前記記録ヘッドからの予備吐出動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
好ましくは、前記記録ヘッドから吐出されるインクは顔料インクである。前記吐出面に固着した前記顔料インクは、インクミストが付着することで溶解する。前記記録ヘッドが予備吐出動作を行う際には、前記吐出面と対向する位置にはキャップ部材が設けられている。前記キャップ部材は、予備吐出されたインクを受容するために用いられる。
好ましくは、前記記録ヘッドの吐出状態を回復するための予備吐出動作の直後にワイピングを行う場合には、前記予備吐出動作の直後にワイピングを行わない場合に比べて、前記キャップ部材と前記吐出面との距離が遠い。これによっても、ワイピング直前の予備吐出実行時にインクミストが吐出面に相対的に多く付着されるので、吐出面に固着したインクをインクミストにより再溶解させ、その後のワイピングにより吐出不良要因を効果的に除去することができる。他方、ワイピング直前以外で予備吐出を実行するときには、インクミストの吐出面への付着量が相対的に少なくされるので、吐出口周辺に固着するインクミスト量を減少させることができる。こうして、インク吐出不良を極力防止することができる。
好ましくは、予備吐出されたインクが着弾する位置の前記キャップ部材には、吸収体が設けられている。前記吸収体は、多孔質材料で設けられている。
本発明によれば、インク吐出不良を極力防止することができるという、優れた効果が発揮される。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。 記録ヘッドの吐出面を示す図である。 ワイピング装置およびキャップの概略図である。 インクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。 インク滴分割の様子を示す図である。 予備吐出実行時の状態を示す概略部分断面図であり、(a)は高周波数の場合、(b)は低周波数の場合である。 予備吐出動作を説明するためのフローチャートである。 評価試験の結果を示すグラフである。 他の実施例における予備吐出実行時の状態を示す概略部分断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図であり、ケースカバーを取り除いた状態を示す。インクジェット記録装置1は、記録ヘッドを搭載した移動可能なキャリッジ2と、キャリッジ2を走査方向xに往復移動させるためのキャリッジモータM1及び伝動機構4とを備えている。また、紙等の記録媒体Pを供給する給紙機構5と、記録ヘッドの回復処理を行うための回復装置(回復手段)10とを備えている。
記録ヘッドは、図1に現れないが、キャリッジ2の底面部に一体的に設けられている。またキャリッジ2には複数のインクタンク(インクカートリッジともいう)6が着脱可能に装着されている。記録ヘッドに対して、インクカートリッジ6内のインクが供給される。記録ヘッドの下方を、記録媒体Pが、プラテンに載った状態で、副走査方向yに搬送されるようになっている。記録媒体Pは搬送モータ(図示せず)と搬送ローラ7により搬送される。走査方向xと副走査方向yは互いに直角である。
記録ヘッドは、画像信号に基づいてインクを吐出することにより、記録媒体Pに画像を記録する。キャリッジ2の往路側(+x側)および復路側(−x側)の少なくとも一方の移動に同期して、記録ヘッドに画像信号に基づく駆動信号を与えることにより、記録媒体に1バンド分の画像を記録していく。1バンド分の記録が終了すると、記録媒体を1バンド分の幅だけ搬送して停止させる。再び、キャリッジ2を移動させ、次の1バンド分の記録を行う。このような記録動作と搬送動作を交互に繰り返すことにより、記録媒体に画像を形成する。記録を終えた記録媒体Pは搬送ローラ7によって装置本体から排出される。
記録ヘッドはカラー記録用であり、キャリッジ2には複数種のインク、すなわちブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のそれぞれの色のインクを収容した4個のインクカートリッジ6が装着されている。これら4個のインクカートリッジはそれぞれ独立に着脱可能且つ交換可能である。
ブラックインクには、高画質化が可能だが一般的な染料インクに比べて粘度が高く、固着しやすい顔料インクが使用されている。他のカラーインクには染料インクが使用されている。
図2には、キャリッジ2の底面部に設けられた記録ヘッド3の底面部を示す。図示するように、記録ヘッド3には、インクを吐出する複数の吐出口(ノズルともいう)31が設けられている。これら吐出口31はインク色別に副走査方向yに沿って一列に整列され、4つのノズル列32を形成している。これら吐出口31の出口が開放された面が、記録ヘッド3の吐出面33とされている。記録動作中、吐出口31および吐出面33は、記録媒体Pの上方に位置して記録媒体Pに下向きに対向される。
32Yは、イエローインクを吐出するノズル31からなるイエローのノズル列である。同様に、32Mはマゼンタのノズル列、32Cはシアンのノズル列、32Kはブラックのノズル列である。各ノズル列32において、ノズル31は、1インチあたりD個のノズル密度すなわちDdpiで配列されている。各ノズル列32は、互いに走査方向xに離間されており、副走査方向yに対して並列に配置されている。
図示しないが、各ノズル31は、対応するインクタンク6とインク路を介して連通され、インクタンク6からのインクの供給により、ノズル31付近には常にインクが充満されている。記録ヘッド3にはノズル31毎に電気熱変換素子すなわちヒータが設けられている。このヒータに駆動電圧ないし駆動パルスを印加すると、ヒータが発する熱エネルギーによって、インク中に気泡が発生させられる。そしてこの気泡の生成圧力によって、ノズル31内のインクが所定量だけ押し出され、インク吐出が行われる。本実施形態では、このようなバブルジェット(登録商標)方式でインクを吐出する記録ヘッドとしたが、ピエゾ方式など、他の吐出方法でインクを吐出する記録ヘッドとしてもよい。またインク色毎、ノズル列毎に別筐体となった記録ヘッドとしてもよい。
図1に戻って、インクジェット記録装置には、記録ヘッドのインク吐出状態を回復させるための回復装置(回復手段)10が設けられている。回復装置10は、記録ヘッドの吐出面を拭き取る(ワイピングする)ためのワイピング装置12(ワイピング手段)を含む。また回復装置10は、記録ヘッドの吐出口から、記録処理に関与しないインクを吐出させる(これを予備吐出という)ための予備吐出手段を含む。さらに回復装置10は、予備吐出されたインクを受ける受容手段としてのキャップ11を含む。ワイピング装置12およびキャップ11は、走査方向xにおいて、記録動作を行わないキャリッジ2のホームポジションの下方に位置される。
図3にワイピング装置12およびキャップ11を概略的に示す。ワイピング装置12は、ゴム等からなるワイピングブレード41と、ワイピングブレード41を支持するベース部材42とを備え、副走査方向yに往復移動可能である。ワイピング動作に際しては、ワイピングブレード41が副走査方向yに往復移動して、ホームポジションで静止している記録ヘッド3の吐出面33を拭き取る。
キャップ11は、ホームポジションで静止している記録ヘッド3の吐出面33に対して近接離反移動可能であり、具体的には昇降可能である。キャップ11は、図6に詳細に示すように、4つのノズル列32の外側で吐出面33に密着可能な四角枠状の接触部材51と、接触部材51が上端部に取り付けられた浅皿状のキャップ本体52と、キャップ本体52内に収容された吸収体53とを備える。例えば、接触部材51はゴム等の弾性体からなり、吸収体53はスポンジ等の多孔質材料からなる。なおキャップ11には、吸収体53に予備吐出されたインクを吸引して廃タンクに導く吸引ポンプ(図示せず)が接続されている。
図3(a)は予備吐出実行時の状態を示す。このとき、記録ヘッド3の吐出面33の真下にキャップ11が所定間隔を隔てて位置され、インク滴IKがキャップ11の吸収体53に予備吐出される。キャップ11は、そのホームポジションからやや上昇された位置にある。ワイピング装置12は図示の如きホームポジションで静止しており、吐出面33とキャップ11の間の空間から外れている。この予備吐出により、各吐出口およびインク路内の増粘インクや気泡などを排出除去できる。
図3(b)はワイピング実行時の状態を示す。このとき、キャップ11は下方のホームポジションに戻され、吐出面33とキャップ11の間でワイピング装置12が副走査方向yに所定回往復移動される。この往復移動時にワイピングブレード41が吐出面33を拭き取り清掃する。このワイピングにより、吐出面33に付着したインクやほこり等を拭き取り除去することができる。
なお、回復装置10が実行する回復処理として吸引回復もある。これは、キャップ11を吐出面33に密着させた状態で吸引ポンプを作動させ、吐出口31から強制的にインクを吸引するものである。この吸引回復により、各吐出口内のインクをリフレッシュし、吐出口の目詰まりを防止できる。こうして、記録ヘッドのインク吐出状態を正常に維持し、或いは回復するための回復処理が適宜実行される。
他方、記録動作を行わないとき、キャップ11は上昇されて吐出面33に密着される。これにより記録ヘッドを保護するとともに、吐出口31からのインクの蒸発や乾燥を防止できる。
図4は、インクジェット記録装置の制御系の構成を示す。CPU500はメインバスライン505を介して装置各部の制御およびデータ処理を実行する。すなわち、CPU500は、ROM501に格納されるプログラムに従い、データ処理、ヘッド駆動およびキャリッジ駆動を以下の各部を介して制御する。RAM502はCPU500によるデータ処理等のワークエリアとして用いられる。これらメモリの他にハードディスク等の記憶手段がある。画像入力部503はホスト装置とのインターフェースを有し、ホスト装置から入力した画像を一時的に保持する。画像信号処理部504は、色変換、二値化等のデータ処理を実行する。
操作部506はキー等を備え、これによりオペレータによる入力等を可能にする。回復系制御回路507ではRAM502に格納される回復処理プログラムに従って予備吐出やワイピング等の回復動作を制御する。回復系モータ508は、回復処理時にワイピング装置12、キャップ11、吸引ポンプ511等を駆動する。ヘッド駆動制御回路515は、記録ヘッド3の吐出口毎のヒータ513を個別に制御し、通常記録や予備吐出のためのインク吐出を記録ヘッド3に行わせる。さらに、キャリッジ駆動制御回路516および紙送り制御回路517も同様に、プログラムに従い、それぞれ、キャリッジの移動および紙送りを制御する。
記録ヘッド3には、記録ヘッド3内におけるインク温度を所定温度に保つための保温ヒータと、記録ヘッド内のインク温度を検出するためのサーミスタ512とが設けられている。ヘッド温度制御回路514は、サーミスタ512からの検出信号に基づき保温ヒータを制御する。
次に、本実施形態の回復処理に関する実施例について説明する。以下の説明の記録ヘッドにおいて(図2参照)、各ノズル列32のノズル31間のピッチは約42.4μm、ノズル数は128個である。各ノズル列32の副走査方向yの長さは5.42mmである。また、ブラックのノズル列32Kとイエローのノズル列32Yの走査方向xの位置関係に関しては、ブラックのノズル列32Kが走査方向上流側(記録領域側)、イエローのノズル列32Yが走査方向下流側(ホームポジション側)である。ブラックのノズル列32Kとイエローのノズル列32Yの距離は3.0mmであり、イエロー−マゼンタ、マゼンタ−シアン、シアン−ブラックのノズル列の走査方向xにおける間隔は等しく1.0mmである。
通常、吐出口31から吐出されるインク滴は、一滴のインク滴として吐出されず、吐出後、複数のインク滴に分割される。複数のインク滴の中で最も大きなインク滴を主滴、主滴の吐出方向の後方に追随する主滴よりも小さいインク滴をサテライト、その他にさらに微細な吐出速度の小さいインク滴をミストまたはインクミストと呼ぶ。この現象は、記録動作だけでなく、予備吐出動作でも常に起きるものである。
このインク滴分割の様子を図5に示す。301はインク、302は吐出直後のインク、303はメニスカス、304は主滴、305はサテライト、306はミストである。
図5(a)において、ノズル31からのインクの吐出が開始される。吐出開始直後はノズル31から連続的にインク302が吐出される。その後、図5(b)において、気泡の収縮のために生じるメニスカス303が後退し、記録ヘッドの内部へインク301が移動する。このインク301の移動に伴い、吐出されたインク302が記録ヘッド内部のインク301から分離され、吐出されたインク302内に速度分布が生じる。図5(c)において、速度分布が生じたインクは分割され、体積および速度が最も大きい主滴304、主滴304より体積および速度が小さいサテライト305、さらに体積および速度が小さく下方のキャップに到達しづらいミスト306が生じる。
本実施例では、ブラックインクとして顔料インクを用い、他のカラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)として染料インクを用いている。従って、ブラックインク用の吐出口31周辺や、ワイピングブレード41には、長期放置や記録ヘッド温度の昇温により増粘したブラックインクが固着しやすい。
そこで本実施例では、回復処理の実行時、ワイピングの直前に予備吐出を実行するときには、ワイピングの直前以外で予備吐出を実行するときに比べてインクミスト306が吐出面33により多く付着するように、記録ヘッド3を駆動する。ここで、「ワイピングの直前以外で予備吐出を実行するとき」とは、例えば、ワイピングの直後に予備吐出を実行するとき、またはワイピングを実行せず予備吐出のみを実行するときをいう。なお、ワイピングおよび予備吐出の両者が実行されるとき、一方が終了した直後に他方が実行され、両者は連続的に実行される。
具体的には、ワイピングの直前に予備吐出を実行するとき、ワイピングの直前以外で予備吐出を実行するときよりも高い周波数で記録ヘッド3を駆動する。本実施例では、ワイピングの直前に予備吐出を実行するときには10kHzの駆動周波数で記録ヘッド3を駆動し、ワイピングの直前以外で予備吐出を実行するときには5kHzの駆動周波数で記録ヘッド3を駆動する。ここで「記録ヘッドを駆動する」とは、記録ヘッドの全ノズルに対応する全ヒータに駆動電圧ないし駆動パルスを印加することを意味する。周波数ないし駆動周波数とは、1秒当たりに印加される駆動電圧ないし駆動パルスの数を意味する。吐出不良がなければ、周波数に等しい発数のインク滴が1秒当たりに吐出されることになる。
図6(a)は、高周波数で予備吐出を実行した場合のインク滴IKの状態を示す。この場合、予備吐出により発生する気流により、ミストMSが舞い上がる。その際、各ノズル列32からの吐出による気流同士が衝突して、上昇方向(+z方向)への気流が増加し、記録ヘッドの吐出面33全体へ到達するミスト量が増加する。到達したミストは、吐出面33で固着しているブラックインクに付着し、固着ブラックインクを再溶解して、固着ブラックインクの流動性を高める。このため、その直後にワイピングを行うことで、固着ブラックインクの拭き取りを促進し、吐出不良要因を除去することが容易となる。また、ワイピングブレード41に固着したインクも、吐出面33に付着したミストによりワイピング時に再溶解することができ、ワイピングブレード41におけるインクの増粘・固着も抑制できる。こうして、インク吐出不良を極力防止することが可能となる。
他方、図6(b)は、低周波数で予備吐出を実行した場合のインク滴IKの状態を示す。この場合、各ノズル列32からの予備吐出により発生する気流によってミストMSは舞い上がるものの、上昇気流が比較的弱く、キャップ11の吸収体53の上面に沿って水平方向へと舞う傾向が強い。従って吐出面33へ到達するミストはほとんどなく、大部分のミストは吸収体53の上面に滞留する。そのため、ミストによる固着ブラックインクの再溶解は期待できないが、ミストの吐出面33への付着自体が防止され、その後の記録時のヘッド昇温等によってブラックインクが吐出面33で増粘、固着し、吐出不良要因となる可能性を低減できる。このことによっても、インク吐出不良を極力防止することが可能となる。
なお、図6(a)、(b)に示す例では、いずれも、吐出面33とキャップ11の吸収体53との間の距離Lは3mmとされ、後述する他の実施例における遠方側の距離とされている。
図7は、予備吐出を実行する際にCPU500が実行する一連のステップを説明するためのフローチャートである。まずステップS101において予備吐出動作が開始されると、CPU500は、ステップS102でRAM502に保存されているワイプフラグを確認し、ステップS103でワイピングを実行する直前か否かを判定する。CPU500は、ワイプフラグがオンとなっているときワイピングを実行する直前と判定し、ワイプフラグがオンとなっていないとき(オフとなっているとき)ワイピングを実行する直前でないと判定する。なお、予備吐出の実行条件とワイピングの実行条件とは、予め定められている。例えば、インクジェット記録装置がオンされたときに、オンされる前のオフ時間に応じて、予備吐出とワイピングがこの順番で連続的に実行されたり、これらが逆の順番で連続的に実行されたり、これらのうちの一方のみが実行されたりする。
CPU500は、ステップS103でワイピング直前であると判定したとき、ステップS104において、ROM501に格納されている予備吐出駆動条件Aを選択する。この場合、CPU500は、記録ヘッドの駆動周波数を高周波数である10kHzに設定する。
他方、CPU500は、ステップS103でワイピング直前でないと判定したとき、ステップS105において、ROM501に格納されている予備吐出駆動条件Bを選択する。この場合、CPU500は、記録ヘッドの駆動周波数を低周波数である5kHzに設定する。
こうして予備吐出駆動条件が選択されると、CPU500は、ステップS106において、ヘッド駆動制御回路515を介して記録ヘッドのヒータ513を駆動し、選択された予備吐出駆動条件に従って予備吐出を実行する。そしてステップS107で予備吐出動作を終了する。
図8は、本実施例の効果を示す評価試験の結果である。この評価試験に際しては、A4サイズの紙に100%デューティによる記録を連続500枚行い、100枚毎にノズルチェックパターンを記録することで、ブラックインクのノズル列における不吐出ノズルの数を計測した。記録モードは所謂マルチパス方式における6パスである。記録時の駆動周波数は10kHzである。
先ず5kHzの駆動周波数で各ノズル500発ずつの予備吐出を行い、次いで1枚の記録を行い、その後所定の駆動周波数で各ノズル500発ずつの予備吐出を行った直後にワイピングを行うというシーケンスを、500枚分繰り返した。1枚の記録後且つワイピング直前で実施される予備吐出の駆動周波数は、本実施例の場合10kHz、比較例の場合5kHzである。
本実施例の場合、結果として、500枚の記録中に不吐出ノズルは発生せず、信頼性の高い回復処理が行われていることが確認された。一方、比較例では、500枚の記録中に、吐出口周辺に滞留しているブラックインクが増粘しはじめ、吐出不良要因の除去性能が低下していた。そのため、約300枚程度の時点で不吐出ノズルが3本発生し、500枚の記録終了時には計6本の不吐出ノズルが発生していた。
このように、ワイピング直前に予備吐出を実行するとき、ワイピング直前以外で予備吐出を実行するときに比べてインクミストがより多く付着するように記録ヘッドを駆動する。よって、吐出面、特に吐出口周辺にミストを付着させ、固着インクを再溶解しその流動性を高めることができる。そしてその後のワイピングによって吐出不良要因を十分に除去することが可能となる。
また、ワイピング直前以外で予備吐出を実行するときには、吐出面、特に吐出口周辺に付着するインクミストの量を相対的に減少させることができる。よってヘッド昇温等による吐出面でのインク増粘、固着を防止でき、吐出不良を未然に防止することができる。
なお、ワイピング直前およびそれ以外での予備吐出における周波数は、10kHzおよび5kHzに限定されず、任意の値に設定することができる。また、それら周波数を記録モード、記録画像幅、ヘッド温度等に応じて変更してもよい。
また、本実施例では吐出面へのミスト付着量を制御するため、駆動周波数を制御したが、予備吐出の全発数自体を制御したり、ヒータに与える駆動エネルギー或いは駆動パルスの大きさを制御したりする方法なども採用可能である。
次に、他の実施例について説明する。この他の実施例では、回復処理の実行時、ワイピングの直前に予備吐出を実行するとき、ワイピングの直前以外で予備吐出を実行するときに比べてインクミストが吐出面により多く付着するように、キャップ11の吐出面33に対する距離が調節される。
具体的には、ワイピングの直前に予備吐出を実行するとき、ワイピングの直前以外で予備吐出を実行するときよりもキャップ11が吐出面33に対して遠方に位置するよう、キャップ11の吐出面33に対する距離が調節される。例えば、ワイピングの直前に予備吐出を実行するときには、図6(a)に示すように、キャップ11の吸収体53と記録ヘッド3の吐出面33との距離Lが3mmとなるようにキャップ11の高さが調節ないし制御される。また、ワイピングの直前以外で予備吐出を実行するときには、図9に示すように、キャップ11の吸収体53と記録ヘッド3の吐出面33との距離Lが1mmとなるようにキャップ11の高さが調節ないし制御される。
図6(a)に示すようにキャップ11が吐出面33から遠位に位置されると、キャップ11の吸収体53に到達しないミストが比較的大量に生じる。発生したミストは、各ノズル列32からの予備吐出により発生する気流により舞い上がるため、吐出面33の吐出口31周辺全体へ付着するようになる。
他方、図9に示すようにキャップ11が吐出面33から近位に位置されると、インク滴の大半がキャップ11の吸収体53に到達し、ミストの発生が抑制される。また各ノズル列32からの予備吐出により発生する気流は、真っ直ぐ下に向かう傾向が強いため、ミストの舞い上がりが抑制され、ミストの吐出口31周辺への付着が抑制される。
こうして、前記実施例同様、ワイピング直前の予備吐出実行時にはミストにより吐出面33の固着ブラックインクを再溶解し、直後のワイピングによる拭き取りを促進できる。また、ワイピング直前以外での予備吐出実行時にはミストの吐出面33への付着自体を防止できる。いずれの場合にも、インク吐出不良を極力防止することが可能となる。
なお、図6(a)および図9に示す例では、いずれも、駆動周波数は10kHzとされ、前述した実施例における高周波数側の駆動周波数とされている。
この他の実施例についても、前記実施例と同様な評価試験を行ったところ、500枚の記録を終えても不吐出ノズルが発生せず、信頼性の高い回復処理が行われていることが確認された。また、キャップ11の周囲に不要なミストを飛散させることもなく、機内汚れ等も抑制することができた。
なお、キャップ11と吐出面33の距離は3mmおよび1mmに限らず、任意の距離が選択可能である。また、これらの距離を記録モード、記録画像幅、記録ヘッド温度等に応じて変更してもよい。さらに、キャップ11の高さ位置を調節ないし変更する代わりに、記録ヘッド3の走査方向の位置や、可能であれば記録ヘッド3の高さ方向の位置を調節ないし変更する構成としてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
1 インクジェット記録装置
3 記録ヘッド
10 回復装置
11 キャップ
12 ワイピング装置
31 吐出口
33 吐出面
MS インクミスト
L 距離

Claims (9)

  1. インクを吐出する複数の吐出口を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの前記複数の吐出口が設けられた吐出面をワイピングするためのワイピング手段と、
    前記記録ヘッドの吐出状態を回復するための予備吐出動作の直後にワイピングを行う場合は、前記予備吐出動作の直後にワイピングを行わない場合に比べて、前記吐出面にインクミストがより多く付着するように前記記録ヘッドからの予備吐出動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. インクを吐出する複数の吐出口を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの前記複数の吐出口が設けられた吐出面をワイピングするためのワイピング手段と、
    前記記録ヘッドの吐出状態を回復するための予備吐出動作の直後にワイピングを行う場合は、前記予備吐出動作の直後にワイピングを行わない場合に比べて、高い周波数で前記記録ヘッドを駆動するように前記記録ヘッドからの予備吐出動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドから吐出されるインクは顔料インクであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記吐出面に固着した前記顔料インクは、インクミストが付着することで溶解することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録ヘッドが予備吐出動作を行う際には、前記吐出面と対向する位置にはキャップ部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記キャップ部材は、予備吐出されたインクを受容するために用いられることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記記録ヘッドの吐出状態を回復するための予備吐出動作の直後にワイピングを行う場合には、前記予備吐出動作の直後にワイピングを行わない場合に比べて、前記キャップ部材と前記吐出面との距離が遠いことを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 予備吐出されたインクが着弾する位置の前記キャップ部材には、吸収体が設けられていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記吸収体は、多孔質材料で設けられていることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
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