JP5325620B2 - 画像解析装置、画像解析方法及びプログラム - Google Patents
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Description
レーザ顕微鏡システムは、顕微鏡本体1、レーザコンバイナー2、スキャンユニット3、ディテクタユニット4、コントロールユニット5、表示装置6及び記憶装置7を備えている。
サンプル8aにレーザ光を繰り返して走査照射して複数枚の蛍光画像8bを得る。このそれぞれの蛍光画像8bに基づいて蛍光強度に関するデータ8cを求めて、解析ソフトウエアに入力する。解析ソフトウエアは、それぞれのデータ8cに基づいてRICS解析を実行する。即ち、空間相関計算を行って空間相関関数図8dを求め、その結果と基準となる空間相関関数図との間でフィッティング解析を行う。
*ステップ1:ターゲット(蛍光)分子がピクセル毎に検出できるようにレーザ光をスキャンする。
図2は、精度の良い測定に関連する諸量を示す模式図である。
図2には、ターゲット10の移動する速度(軌跡)と、ターゲット10に照射されたレーザスポット11の大きさと、検出素子のピクセル位置(1,2,・・・)とが表されている。
図3は、フレームの取得動作を説明する図である。
1つのフレーム12のサイズ(縦長さ×横長さ)はステップ1において解析者が設定する。レーザ光は、このフレーム領域内をスキャンユニット3によって走査される。例えば、フレーム領域の左上の位置から右方向にレーザ光を1ライン走査し、続いて1段下のラインを左から右方向に走査する。この動作を一番下のラインまで繰り返して1フレーム走査を完了する。
このフレーム走査を同様にして複数回繰り返して実行して、複数のフレーム画像を取得する。
2枚の同一フレーム12を、X軸方向にξ、Y軸方向にψだけずらして重ね合わせる。そして、重なり合った位置の蛍光強度値を乗算した値をフレーム全体にわたって加算する。加算結果を正規化した値を点(ξ、ψ)における空間相関値とする。このξ、ψを2次元平面上で変化させて、2次元の空間相関値を取得する。
上述の式からわかるように、図5の中心に位置する原点(0,0)において、相関関数値は最大値(=1)をとる。
このようにして得られた2D相関関数図に基いて高さ方向(Z軸方向)に蛍光強度値をプロットすると、原点を中心とした山形の形状が得られる。この測定した形状を、複数の基準パターンの形状と比較して、良くフィットする基準パターンを特定する。
図の下側には、演算によって得られた相関関数値を3次元で表している。図の上側には、ある基準パターンとの差を3次元で表している。この差が最も小さいと評価される基準パターンを特定する。そして、特定された基準パターンに対応する分子数と拡散速度とをサンプルの平均分子数と平均拡散速度として得ることができる。
即ち、上述のように、測定中に予期しない分子(凝集物など)が高輝度をもってROI(Region of interest)内に流入することにより、最終的な結果の信頼性が低下することが危惧される。従って、このような高輝度分子を含むフレームを効率良く抽出できることが望まれる。
使用した解析サンプルは溶液内あるいは細胞内で観察される蛍光(蛋白質)標識蛋白質であり、その分子の動き情報及びそれから導かれるサイズ情報をRICSなどの手法によって計測した。
ケース1:細胞内蛋白質凝集の除去
EGFP単独発現細胞において、通常であればEGFPは他の分子、細胞器官との相互作用は無いとされるが、EGFP自体がある環境(細胞内pH、温度など)によって凝集してしまうことがある。またその際、他の分子を取り込んで巨大凝集体を形成することもある。
PolyQ凝集(グルタミン酸の連続結合蛋白)は神経細胞死をもたらし、ハンチントン病の原因とされる。細胞内でのPolyQ蛋白質がモノマーからポリマー、そして大きな凝集に至る経過を観察、計測することはその凝集メカニズム及び疾病原因を探る上で重要である。
(1)RICS解析において観測される高輝度の分子については、外乱要因として除外すべきものであるが、その高輝度の分子自体の挙動は別途解析の対象となり得るものも含まれている。
(2)RICS解析において観測される高輝度の分子には、最初から輝度が高い状態のものと、次第に凝縮して輝度とサイズを増加させる状態のものが存在する。
図7、図8は、高輝度分子を含むフレームを抽出する概略の処理手順を示す図である。
ステップS09において、各パラメータ変数の初期化を実行する。即ち、ページi=1、第1スタートページSP1=第1ラストページLP1=第2スタートページSP2=第2ラストページLP2=0と設定する。
ステップS11においてYesの場合、即ち、フレーム中に所定値(F1)以上の蛍光強度をもつ領域が存在する場合、ステップS12において、第1スタートページSP1に1以上の値が設定されているかどうかを調べる。
ステップS12においてYesの場合、即ち、第1スタートページSP1に1以上の値が設定されている場合は、所定値(F1)以上の蛍光強度をもつ領域は既に他のフレームにおいて検出されているため、特別の処理を行わない。そしてステップS21の処理を実行する。
ステップS14においてYesの場合、即ち、第1スタートページSP1に1以上の値が設定されている場合は、所定値(F1)以上の蛍光強度をもつ領域は既に他のフレームにおいて検出されているため、このi番目のフレームで所定値(F1)以上の蛍光強度をもつ領域がなくなった(フレーム外に流出した)ことを検知した。そこで、ステップS15において、第1ラストページLP1=iと設定する。そしてステップS31の処理を実行する。
ステップS21においてYesの場合、即ち、フレーム中に所定値F2(<F1)以上の蛍光強度をもち、かつその領域の面積がS以上の領域が存在する場合、ステップS22において、第2スタートページSP2に1以上の値が設定されているかどうかを調べる。
ステップS22においてYesの場合、即ち、第2スタートページSP2に1以上の値が設定されている場合は、所定値F2(<F1)以上の蛍光強度をもち、かつその領域の面積がS以上の領域は既に他のフレームにおいて検出されているため、特別の処理を行わない。そしてステップS26の処理を実行する。
ステップS31において、SP1あるいはSP2に1以上の値が設定されているかどうかを調べる。ステップS31でYesの場合、即ち、SP1あるいはSP2に1以上の値が設定されている場合は、ステップS32において、記録されているファイルからページSP1〜LP1、あるいはページSP2〜LP2を除いた新たなファイルを生成して記憶装置7に記憶する。
なお、SP1又はSP2に1以上の値が設定されているが、対応するLP1又はLP2が0の場合は、LP1又はLP2にはファイルの最終ページを設定する。
1ファイル中にフレームが全部でn枚存在していた場合、i番目のフレームに高輝度の分子が観測され、o番目のフレームに高輝度の分子が観測されなかったときは、元のフレームからi番目〜o番目のフレームが除去されるとともに、i番目〜o番目のフレームで別のファイルが構成される。
1つの基準は、高輝度(F1以上)の領域が存在した場合であり、これは最初から輝度の高い高輝度巨大分子がフレーム内に流入してきたことを検知する条件である。この場合の輝度値は、例えば、通常の(高輝度分子でないサンプルの)蛍光強度の約100倍以上 と設定することができる。
上述の100倍、50倍、10個の各値は発明者が実機において観測した結果に基づいて抽出した値である。従って、この値に従って処理することで、どのようなタイプの高輝度分子が存在するかを自動で判定することができる。
検出した高輝度分子が存在するフレームを、元のファイルから除去するだけでなく、別のファイルとして作成する。この結果、新たに作成されたファイルを高輝度分子解析用に利用することができる。
なお、上述の処理フローでは、検出基準によらず全て抽出して保存しているが、高輝度F2(<F1)の面積がS以上の領域が存在した場合にのみ、高輝度分子解析用に保存しても良い。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
Claims (9)
- 複数枚の時系列の画像を取得して解析演算を行う画像解析装置において、
前記複数枚の画像を時系列順に調べて最初に第1の条件を充足する第1の画像を検出する第1の画像検出手段と、
前記第1の画像に続く画像を時系列順に調べて最初に前記第1の条件を充足しない第2の画像を検出する第2の画像検出手段と、
前記第1の画像から前記第2の画像までの一連の画像を抽出する第1の画像抽出手段と、
前記複数枚の画像から前記一連の画像を除去した新たな複数枚の画像を用いて解析演算を実行する解析手段とを有し、
前記第1の条件は、前記画像中に第1の輝度値以上の領域が存在していることを特徴とする画像解析装置。 - 前記複数枚の画像を時系列順に調べて最初に第2の条件を充足する第3の画像を検出する第3の画像検出手段と、
前記第3の画像に続く画像を時系列順に調べて最初に前記第2の条件を充足しない第4の画像を検出する第4の画像検出手段と、
前記第3の画像から前記第4の画像までの一連の画像を抽出する第2の画像抽出手段とを更に有し、
前記解析手段は、前記複数枚の画像から前記一連の画像を除去した新たな複数枚の画像を用いて解析演算を実行し、
前記第2の条件は、前記画像中に第1の輝度値よりも小さい第2の輝度値以上の領域が存在して、当該領域の面積が所定値以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像解析装置。 - 抽出した前記一連の画像を別の複数枚の時系列の画像として保存する別画像保存手段を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像解析装置。
- 前記複数枚の時系列の画像は、同一の測定視野に対して光学的に走査して得られる時系列の画像であることを特徴とする請求項3に記載の画像解析装置。
- 前記解析演算は、空間相関演算を含むRICS解析であることを特徴とする請求項4に記載の画像解析装置。
- 複数枚の時系列の画像を取得して解析演算を行う画像解析方法において、
前記複数枚の画像を時系列順に調べて最初に第1の条件を充足する第1の画像を検出し、
前記第1の画像に続く画像を時系列順に調べて最初に前記第1の条件を充足しない第2の画像を検出し、
前記第1の画像から前記第2の画像までの一連の画像を抽出し、
前記複数枚の画像から前記一連の画像を除去した新たな複数枚の画像を用いて解析演算を実行し、
前記第1の条件は、前記画像中に第1の輝度値以上の領域が存在していることを特徴とする画像解析方法。 - 前記複数枚の画像を時系列順に調べて最初に第2の条件を充足する第3の画像を検出し、
前記第3の画像に続く画像を時系列順に調べて最初に前記第2の条件を充足しない第4の画像を検出し、
前記第3の画像から前記第4の画像までの一連の画像を抽出し、
前記複数枚の画像から前記一連の画像を除去した新たな複数枚の画像を用いて解析演算を実行し、
前記第2の条件は、前記画像中に第1の輝度値よりも小さい第2の輝度値以上の領域が存在して、当該領域の面積が所定値以上であることを特徴とする請求項6に記載の画像解析方法。 - 複数枚の時系列の画像を取得して解析演算を行う画像解析プログラムにおいて、
前記複数枚の画像を時系列順に調べて最初に第1の条件を充足する第1の画像を検出する手順、
前記第1の画像に続く画像を時系列順に調べて最初に前記第1の条件を充足しない第2の画像を検出する手順、
前記第1の画像から前記第2の画像までの一連の画像を抽出する手順、
前記複数枚の画像から前記一連の画像を除去した新たな複数枚の画像を用いて解析演算を実行する手順
をコンピュータに実行させ、
前記第1の条件は、前記画像中に第1の輝度値以上の領域が存在していることを特徴とするプログラム。 - 前記複数枚の画像を時系列順に調べて最初に第2の条件を充足する第3の画像を検出する手順、
前記第3の画像に続く画像を時系列順に調べて最初に前記第2の条件を充足しない第4の画像を検出する手順、
前記第3の画像から前記第4の画像までの一連の画像を抽出する手順、
前記複数枚の画像から前記一連の画像を除去した新たな複数枚の画像を用いて解析演算を実行する手順、
を更にコンピュータに実行させ、
前記第2の条件は、前記画像中に第1の輝度値よりも小さい第2の輝度値以上の領域が存在して、当該領域の面積が所定値以上であることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
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