以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の一実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる画像形成装置100の構成を示すブロック図である。本図に示すように、画像形成装置100は、入力制御部101と、モード設定部102と、合成制限領域決定部103と、画像入力部104と、画像編集部105と、位置決定部106と、表示制御部107と、広告情報取得部108と、合成部109と、印刷部110と、通信部111と、HDD(Hard Disk Drive)120と、操作表示部130とを主に備え、ネットワーク140を介して広告情報サーバ150に接続されている。
入力制御部101は、操作表示部130からユーザによるコピーモードの選択を受け付ける。ここで、コピーモードの種類には、大きく、広告コピーモードと、通常コピーモードとがある。広告コピーモードとは、転写紙に広告情報を印刷する広告コピー処理を行うモードのことであり、通常コピーモードよりも安価にコピーサービスが提供されるものである。一方、通常コピーモードとは、広告コピー処理を行わない通常印刷によるモードのことである。ここで、広告情報とは、印刷用紙の余白に印刷される広告に関する情報であり、テキスト情報やバーコードを含むイメージ情報などのことである。また、各コピーモードは、さらに、編集設定や、仕上がり設定など詳細な機能モードを含む。編集設定とは、綴じ代設定や、原稿の変倍や、レイアウト等のコピー編集に関する設定のことである。また、仕上がり設定とは、綴じ代、パンチ・ステープル、断裁等の仕上がりに関する設定のことである。
表示制御部107は、操作表示部130からユーザにより選択されたコピーモードや、入力を受け付けた編集設定を反映した編集画面などを操作表示部130に表示する。
モード設定部102は、操作表示部130から選択されたコピーモードに従って、コピーモードの構築を行う。コピーモードには、大きく、上記した、通常コピーモードと、広告コピーモードとがあるが、その他、画像データ全体をシフトする綴じ代機能、予め内蔵された「マル秘」等のスタンプ画像を重ね合わせる印字機能、転写紙の指定位置に穿孔するパンチ機能、複数の用紙を指定位置にステープルするステープル機能、綴じられた転写紙の束の小口を断裁する断裁機能などが含まれる。
画像入力部104は、光学スキャナなどであり、原稿画像を読み取って電子画像データに変換する。
画像編集部105は、モード設定部102により設定されたコピーモードのうち、電子画像データの加工に関する処理を行う。具体的には、操作表示部130から入力された編集設定に従って、原稿の変倍、レイアウト、綴じ代設定等を行う。具体的には、綴じ代設定がされている場合は、指定された位置に綴じ代を作成するために画像データ全体を一方向にシフトする。印字機能が設定されている場合は、画像データに対して、指定されたスタンプ画像を指定された位置に書き込む。また、仕上がり設定に従って、パンチ・ステープル、断裁等を行う。
合成制限領域決定部103は、画像編集部105により編集された後の画像に対して余白を検出する。また、転写紙に広告情報が合成された場合に、仕上がり設定により、合成された広告情報が破損・欠落することとなる領域である合成制限領域を示す制限情報を取得し、取得した制限情報に基づいて、余白の中から合成制限領域を決定する。
具体的には、入力制御部101により入力を受け付けた仕上がり設定に関する情報である仕上がり設定情報と、検出された余白の画像データにおける座標やサイズ等に関する情報である余白情報から、合成制限領域を決定する。例えば、合成制限領域とは、綴じ代機能が設定されている場合は、綴じ代により作成された余白領域であり、パンチ機能が設定されている場合は、画像データ上でパンチされる位置であり、ステープル機能が設定されている場合は、画像データ上でステープルが行われる位置であり、断裁機能が設定されている場合は、画像データ上で断裁によりカットされる領域である。
位置決定部106は、合成制限領域決定部103により検出された余白から、合成制限領域を除外した画像データにおける位置を、広告情報を印刷する位置(以下、広告情報印刷位置という。)として決定する。具体的には、検出された余白のいずれかを広告情報を挿入する位置の候補とし、候補の中から、合成制限領域決定部103により取得された合成制限領域を除外する。そして、残った候補の中で、長方形で最大面積となる余白部分を探索し、その位置を広告情報印刷位置として決定する。なお、広告情報印刷位置として、検出された余白のうち長方形で最大面積となる位置を決定するほか、複数の位置を決定してもよい。
通信部111は、ネットワーク140を介して接続された外部の広告情報サーバ150と通信し、広告情報サーバ150から広告情報を受信し、受信した広告情報をHDD120に保存する。なお、通信部110は、定期的または不定期的に広告情報サーバ150にアクセスし、広告情報を受信する構成としてもよいし、広告情報サーバ150側から広告情報を送信する構成としてもよい。
HDD120は、通信部111を介して広告情報サーバ150から受信した広告情報を記憶する。広告情報は、広告情報サーバ150が更新される都度、通信部111を介して取得される。また、HDD120は、広告情報に、広告情報を一意に識別するための広告情報ID、各広告情報の縦サイズ、横サイズ、画像識別属性の情報を対応付けて記憶する。なお、HDD120は、本発明の第1記憶部と、第2記憶部に相当する。
広告情報取得部108は、位置決定部106により決定された広告情報印刷位置に応じたサイズの広告情報を、HDD120から取得する。
合成部109は、広告情報印刷位置に従って、画像編集部105により編集された後の電子画像と広告情報取得部108により取得された広告情報とを合成する。
印刷部110は、合成部109により合成された画像を印刷用紙に印刷する。
なお、本実施例では通信部111により広告情報サーバ150から広告情報を受信することとしたが、通信部111を備えず、記憶媒体を可搬メディアとし、メディアを交換することによって広告情報を更新する構成としてもよい。
次に、本実施の形態にかかる広告コピーモードによる印刷処理について説明する。図2は、画像形成装置100による広告コピーモードによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
モード設定部102は、コピーモードの入力を受け付ける(ステップS10)。図3は、コピーモードの選択画面の一例を示す図である。本図に示すように、表示制御部107は、操作表示部130に、通常コピーと広告コピーを選択可能な操作画面を表示する。モード設定部102は、コピーモードの選択入力を受け付けると、受け付けたコピーモードを画像編集部104と、位置決定部105に通知する。図4は、広告コピーモードが選択された場合の表示画面の一例を示す図である。本図に示すように、広告コピーモードが選択されると、表示制御部107は、操作画面の中央上端部に「広告コピーできます」と表示する。
入力制御部101は、ユーザにより広告コピーモードが選択されたか否かを確認する(ステップS11)。広告コピーモードが選択されたことを確認した場合は(ステップS11:Yes)、入力制御部101は、仕上設定・編集設定の入力を受け付ける(ステップS12)。
図5は、編集設定入力画面の一例を示す図である。ユーザにより、図4に示す表示画面上の「編集」のアイコンがタッチ入力されると、表示制御部107は、本図に示す、綴じ代、印字・スタンプの設定入力を受け付ける編集設定入力画面を表示する。入力制御部101は、「綴じ代」のアイコンの入力を受け付けると、転写紙の画像シフト方向と、シフト量の入力をさらに受け付ける。また、「印字・スタンプ」のアイコンの入力を受け付けると、「マル秘」や「回収」などの固定パタンの印字を行う「固定スタンプ」、予めユーザが登録した任意画像の印字を行う「登録スタンプ」、コピーを行った日付を印字する「日付印字」、転写紙のページ番号を印字する「ページ印字」の選択入力をさらに受け付ける。なお、印字する位置については、印字種類ごとに調整可能である。
また、図6は、仕上設定入力画面の一例を示す図である。ユーザにより、図4に示す表示画面上の「仕上がり」のアイコンがタッチされると、表示制御部107は、本図に示す、パンチ・ステープル、断裁、折りの設定入力を受け付ける仕上設定入力画面を表示する。入力制御部101は、「ステープル」については、「手前1ヶ所」、「奥1ヶ所」、「2ヶ所」、「中綴じ」の中から選択入力を受け付ける。また、「パンチ」については、「左」、「上」のパンチ位置から1つの選択入力を受け付ける。また、「断裁」については、断裁の有無と断裁量の設定入力を受け付ける。
画像入力部104は、スキャナ部(不図示)にセットされた原稿をスキャンし、スキャンした原稿を画像データに変換する(ステップS13)。なお、通常コピーモードが選択された場合は(ステップS11:No)、印刷部110は、通常印刷の処理を行う(ステップS22)。
画像編集部105は、画像入力部104から読み込まれた画像データを受信し、ステップS12において入力を受け付けた設定内容に基づいて、画像データを編集する(ステップS14)。例えば、綴じ代機能が設定されている場合は、指定された位置に綴じ代を作成するために画像全体を一方向にシフトする。また、印字機能が設定されている場合は、電子画像データに対して、指定されたスタンプ画像を指定された位置へ書き込みを行う。
図7は、コピー対象となる原稿の一例を示す図である。本図に示すように、コピー対象となる原稿は、左詰めで文字情報が入力されている。また、図8は、綴じ代機能に従って編集された画像データの一例を示す図である。本図は、図7の原稿の画像データが、綴じ代Amm分右方向にシフトされた状態を示している。また、図9は、パンチ機能、ステープル機能、および印字機能に従って編集された画像データの一例を示す図である。本図は、図7の原稿の画像データに対して、左端の「○」で示す箇所に穴が開けられ、右上端の「/」で示す箇所にステープルされ、右上端に「マル秘」スタンプが印字された状態を示している。また、図10は、断裁機能に従って編集された画像データの一例を示す図である。本図は、図7の原稿の画像データが、右端部と左端部それぞれからDmm分断裁された状態を示している。
合成制限領域決定部103は、変換された画像データから合成制限領域を取得する(ステップS15)。具体的には、図5に示した編集設定入力画面、または図6に示した仕上設定入力画面から入力を受け付けた入力事項に従って、画像データから合成制限領域を検出し、取得する。
合成制限領域決定部103は、画像データから合成制限領域を取得すると、取得した合成制限領域をHDD120に保存する(ステップS16)。
続いて、合成制限領域決定部103は、編集された後の画像データに対して広告情報の印刷が可能な領域(以下、広告情報印刷可能領域という。)を求め、広告情報印刷可能領域から余白を検出する(ステップS17)。
図11は、綴じ代機能が設定された場合の広告情報印刷可能領域の説明図である。本図に示すように、図8で示した画像データから、文字情報の領域と、綴じ代部分である左端からAmmの領域を除外することにより、斜線で示す広告情報印刷可能領域が求められている。
図12は、パンチ機能、ステープル機能、および印字機能が設定された場合の広告情報印刷可能領域の説明図である。本図に示すように、図9で示した画像データから、文字領域と、パンチが穿孔される部分である左端からBmmの領域、ステープルされる部分である左上端のC1mm×C2mmの領域、およびスタンプされる右上端の領域を除外することにより、斜線で示す広告情報印刷可能領域が求められている。なお、Bmm、C1mmおよびC2mmの数値設定は、固定値であっても、ユーザが変更可能な可変値であってもどちらでもよい。
また、図13は、断裁機能が設定された場合の広告情報印刷可能領域の説明図である。本図に示すように、図10で示した画像データから、文字領域と、断裁される部分である右端および左端それぞれからDmmの領域を除外することにより、斜線で示す広告情報印刷可能領域が求められている。
位置決定部106は、検出された余白のいずれかを広告情報を挿入する位置の候補とし、候補の中から広告情報印刷位置を決定する(ステップS18)。具体的には、検出した余白のうち、HDD120を参照して、合成制限領域決定部103により保存された合成制限領域を除外した余白を抽出し、抽出した余白の中で、長方形で最大面積となる余白を探索し、当該余白の位置を広告情報印刷位置として決定する。
図14は、綴じ代機能が設定された場合の広告情報印刷位置の説明図である。本図では、図11に示した広告情報印刷可能領域のうち、右上端の網線で示す位置が広告情報印刷位置として決定されている。
また、図15は、パンチ機能、ステープル機能、および印字機能が設定された場合の広告情報印刷位置の説明図である。本図では、図12に示した広告情報印刷可能領域のうち、右上端の網線で示す位置が広告情報印刷位置として決定されている。
また、図16は、断裁機能が設定された場合の広告情報印刷位置の説明図である。本図では、図13に示した広告情報印刷可能領域のうち、中央上端付近および左下端部の網線で示す位置が広告情報印刷位置として決定されている。本図に示すように、広告情報印刷位置は複数決定されてもよい。なお、複数決定された場合は、決定された複数の位置に広告情報が合成されることとなる。
広告情報取得部108は、HDD120に保存している広告情報のうち最適な広告情報を選択し、取得する(ステップS19)。ここでは、広告情報取得部108は、図14、図15、図16に網線で示した広告情報印刷位置それぞれに最適な広告情報を取得する。
合成部109は、広告情報位置情報に従って、編集された後の画像データと選択された広告情報の合成を行う(ステップS20)。具体的には、位置決定部106から広告情報印刷位置を、広告情報取得部108から広告情報IDを受信し、受信した広告情報IDを指定することにより、HDD120から広告情報IDに対応する広告情報を取得する。また、画像編集部105から編集後の画像データを受信し、編集後の画像データの広告情報印刷位置に取得した広告情報を合成する。
印刷部110は、合成部109により合成された画像データを印刷用紙に印刷する(ステップS21)。
このように、本実施例によれば、仕上がり設定により広告情報が破損または欠落する部分を除外した領域に広告情報を合成するので、仕上がり設定が行われた場合でも、余白領域に確実に広告情報を印刷することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、仕上がり設定が行われたことにより広告情報が破損または欠落する部分を除外した領域に広告情報を合成することにより、余白領域に広告情報を確実に印刷可能とした。これに対して、本実施形態では、転写紙自体に予め印刷された情報が存在する場合に、当該印刷された情報の上に重ねて広告情報が印刷され、広告情報が視認困難となることにより、実質的に広告情報が欠落することとなる事態を回避する。
図17は、本発明の実施の形態2にかかる画像形成装置200の構成を示すブロック図である。本図に示すように、画像形成装置200は、入力制御部101と、モード設定部102と、用紙情報取得部201と、合成制限領域決定部203と、画像入力部104と、画像編集部105と、位置決定部106と、表示制御部107と、広告情報取得部108と、合成部109と、印刷部110と、通信部111と、HDD120と、操作表示部130とを主に備え、ネットワーク140を介して広告情報サーバ150に接続されている。
以下に、用紙情報取得部201と、合成制限領域決定部203の構成および機能について説明する。なお、用紙情報取得部201と、合成制限領域決定部203以外の各部の構成および機能は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
用紙情報取得部201は、出力先となる転写紙(以下、用紙という。)を読み取り、用紙に印刷されている画像情報(以下、用紙情報という。)を取得する。
合成制限領域決定部203は、用紙情報取得部201により取得された用紙情報から、画像が存在する位置を用紙への印刷を禁止する位置である合成制限領域として決定し、決定した合成制限領域をHDD120に保存する。なお、複数の合成制限領域が存在する場合は、ユーザにより指定された領域を合成制限領域としてもよい。
次に、本実施の形態にかかる広告コピーモードによる印刷処理について説明する。図18は、画像形成装置200による広告コピーモードによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS30からステップS31、およびステップS42の処理については、図2に示した実施の形態1のフローチャートのステップS10からステップS11、およびステップS22と同様であるので説明を省略する。
ステップS32において、用紙情報取得部201は、給紙トレイからコピー用紙を読み取り、用紙情報を取得する(ステップS32)。
合成制限領域決定部203は、用紙情報取得部201により取得された用紙情報に基づいて、合成制限領域を決定し(ステップS33)、決定した合成制限領域をHDD120に保存する(ステップS34)。
図19は、印刷の出力対象となる用紙の一例を示す図である。また、図20は、合成制限領域の一例を示す図である。図19では、用紙右上端に「R」の太文字が印刷されている。合成制限領域決定部203は、図20の斜線で示す部分を合成制限領域と決定する。そして、HDD120は、用紙の幅、長さ、および合成制限領域の座標をデータとして保存する。
画像入力部104は、スキャナ部(不図示)にセットされた原稿をスキャンし、スキャンした原稿を画像データに変換する(ステップS35)。
画像編集部105は、画像入力部104から読み込まれた画像データを受信し、あらかじめユーザにより入力されたコピー編集項目に従って画像データを編集する(ステップS36)。
位置決定部105は、編集された画像データから余白を検出し(ステップS37)、検出した余白のうち長方形で最大面積となる余白を特定し、その位置を広告情報印刷位置として決定する(ステップS38)。
広告情報取得部108は、位置決定部106により決定された広告情報印刷位置に適合する広告情報をHDD120から取得する(ステップS39)。
合成部109は、位置決定部106により決定された広告情報印刷位置に、広告情報取得部108により取得された広告情報を合成する(ステップS40)。具体的には、位置決定部106から広告情報印刷位置を、広告情報取得部108から広告情報IDを受信し、受信した広告情報IDを指定することにより、HDD120から広告情報IDに対応する広告情報を取得する。また、画像編集部105から編集後の画像データを受信し、編集後の画像データの広告情報印刷位置に取得した広告情報を合成する。
印刷部110は、合成部109により合成された画像データを印刷用紙に印刷する(ステップS41)。
これにより、図19に示す用紙のうち「R」の太文字が印刷されている部分については、位置決定部106により原稿の余白部分として検出されたとしても、この部分に広告情報が印刷され、ユーザに広告情報が容易に視認されない事態を回避することができる。
このように、本実施形態によれば、印刷する用紙から用紙情報を取得し、合成制限領域を決定し、当該合成制限領域を除外した余白に広告情報を印刷するので、用紙自体にあらかじめ画像等が印刷されている場合であっても、確実に広告情報をユーザに視認容易な状態で印刷することができる。
(実施の形態3)
実施の形態2では、合成制限領域は、用紙情報だけに基づいて決定したが、本実施の形態では、用紙情報に加え、原稿の画像データに基づいて合成制限領域を決定する。
図21は、本発明の実施の形態3にかかる画像形成装置300の構成を示すブロック図である。本図に示すように、画像形成装置300は、入力制御部101と、モード設定部102と、用紙情報取得部201と、原稿情報取得部301と、合成制限領域決定部303と、画像入力部104と、画像編集部105と、位置決定部106と、表示制御部107と、広告情報取得部108と、合成部109と、印刷部110と、通信部111と、HDD120と、操作表示部130とを主に備え、ネットワーク140を介して広告情報サーバ150に接続されている。
以下に、原稿情報取得部301と、合成制限領域決定部303の構成および機能について説明する。なお、原稿情報取得部301と、合成制限領域決定部303以外の各部の構成および機能は、実施の形態1および2と同様であるので説明を省略する。
原稿情報取得部301は、画像入力部104により変換された画像データから原稿情報を取得する。ここで、原稿情報とは、原稿上のテキストや画像の配置に関する情報のことである。
合成制限領域決定部303は、画像編集部105により編集された後の画像に対して余白を検出する。また、用紙情報取得部201により取得された用紙情報と、原稿情報取得部301により取得された原稿情報とに基づいて、合成制限領域を決定する。具体的には、用紙情報取得部201により取得された用紙情報から、用紙にあらかじめ画像等が印刷されている部分と、原稿情報取得部301により取得された原稿情報から、テキストや画像の存在する部分とを特定し、特定した部分を合成制限領域として決定する。
次に、本実施の形態にかかる広告コピーモードによる印刷処理について説明する。図22は、画像形成装置300による広告コピーモードによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS50からステップS52、ステップS55からステップS56、およびステップS64の処理については、図18に示した実施の形態2のフローチャートのステップS30からステップS36、およびステップS42と同様であるので説明を省略する。
ステップS53では、合成制限領域決定部303は、用紙情報取得部201により取得された用紙情報に基づいて、合成制限領域1を決定し(ステップS53)、決定した合成制限領域1をHDD120に保存する(ステップS54)。例えば、図20に示したように、斜線で表されている部分、すなわち「R」の太文字が印刷されている部分の周囲が合成制限領域1として決定される。
ステップS57において、原稿情報取得部301は、画像入力部104により変換された画像データから原稿情報を取得する(ステップS57)。図23は、原稿情報の一例を示す図である。本図における原稿情報では、中央および左端部分に画像が配置されており、上方部および右端部分にテキストが配置されていることを示している。
次に、合成制限領域決定部303は、ステップS58において原稿情報取得部301により取得された原稿情報から画像データおよびテキストが配置されている部分を合成制限領域2として決定し(ステップS58)、決定した合成制限領域2をHDD120に保存する(ステップS59)。図24は、合成制限領域の一例を示す図である。本図では、斜線で示す部分が合成制限領域である。
位置決定部105は、画像データから、合成制限領域決定部303により決定された合成制限領域1および合成制限領域2を除外した部分を余白として決定し(ステップS60)、決定した余白のうち長方形で最大面積となる余白を特定し、その位置を広告情報印刷位置として決定する(ステップS61)。
図25は、用紙情報および原稿情報に基づく余白部分の説明図である。本図では、画像データ(図23参照)から合成制限領域1(図20参照)および合成制限領域2(図24)を除外した部分、すなわち本図において縦線で示す上端部と下端部が余白部分である。なお、用紙に用紙情報が存在しない場合は、原稿情報だけに基づいて余白が決定される。図26は、原稿情報に基づく余白部分の説明図である。本図では、用紙に用紙情報である画像またはテキストデータが存在しないので、合成制限領域2(図24参照)のみに基づいて余白が決定される。
図27は、広告情報印刷位置の一例を示す図である。図25においては、縦線で表された2つの余白が決定されているが、2つのうち長方形で最大面積となる余白は、下端部の余白である。そこで、本図では、下端部の余白位置が広告情報印刷位置として決定されている。なお、図26に示した、原稿情報だけに基づく余白部分の場合は、用紙情報が存在しないことから用紙情報を考慮しないため、最大面積である上端部の余白が広告情報印刷位置として決定されることとなる。
ステップS62からステップS63については、図18における実施の形態2のフローチャートのステップ40からステップS41と同様であるので説明を省略する。
このように、本実施の形態では、あらかじめ用紙に画像等が印刷されている部分、および原稿の画像等が配置されている部分を除外した領域に広告情報を印刷するので、確実に広告情報をユーザに目視容易な状態で印刷することができる。
(実施の形態4)
実施の形態3では、合成制限領域を毎回個別に決定したが、本実施の形態では、決定した合成制限領域を、次回使用時に選択可能な形式で保存し、ユーザにより選択された合成制限領域を余白から除外することにより、広告情報の欠落を回避する。
図28は、本発明の実施の形態4にかかる画像形成装置400の構成を示すブロック図である。本図に示すように、画像形成装置400は、入力制御部401と、モード設定部102と、登録部402と、用紙情報取得部201と、合成制限領域決定部203と、画像入力部104と、画像編集部105と、位置決定部406と、表示制御部407と、広告情報取得部108と、合成部109と、印刷部110と、通信部111と、HDD120と、操作表示部130とを主に備え、ネットワーク140を介して広告情報サーバ150に接続されている。
以下に、入力制御部401と、登録部402と、位置決定部406と、表示制御部407の構成および機能について説明する。なお、入力制御部401と、登録部402と、位置決定部406と、表示制御部407以外の各部の構成および機能は、実施の形態1および2と同様であるので説明を省略する。
登録部402は、合成制限領域決定部203により取得された合成制限領域、またはユーザによりコピー初期設定画面で設定された合成制限領域をHDD120に登録する。
表示制御部407は、操作表示部130に、ユーザに選択可能な形式で登録部402により登録された合成制限領域を表示する。
図29−1は、合成制限領域の設定画面の一例を示す図である。本図に示すコピー初期設定で、あらかじめユーザにより、合成制限領域の登録および削除が行われる。ここでは、操作表示部130により、操作項目を示す「登録」と「削除」が表示されており、入力制御部401により選択が受け付けられた「登録」キーの選択表示がされている。また、操作表示部401により、6つの登録ボタンが表示されており、入力制御部401により選択が受け付けられた「1.未登録」ボタンの選択表示がされている。また、画面右端に表示されている「読み取りスタート」キーが押下されると、用紙情報取得部201により、用紙が読み取られ、用紙情報が取得される。用紙情報が取得されると、合成制限領域決定部203により、用紙情報から画像が存在する領域が合成制限領域として決定される。そして、登録部402は、決定された合成制限領域を選択された「1.未登録」ボタンに対応付けてHDD120に登録する。
また、「1.未登録」ボタンには、内容を表す名称を付けることもできる。さらに、コピー初期設定画面右端には、読み取った画像および合成制限領域を確認するためのプレビュー表示がされる。なお、登録された内容を抹消するには、操作項目「削除」キーに切り替え、登録ボタンを押下することにより実施できる。なお、登録時の用紙の読み取りモードは、読み取り設定キー押下から、ポップアップ画面(不図示)を開き、濃度、用紙サイズ等の設定ができるものとする。
また、他の例として、手差し設定によりコピーする場合について説明する。手差し設定による場合は、ユーザが持参した用紙を使用することが多いため、手差し用紙設定からも合成制限領域を指定することが可能である。図29−2は、手差し用紙設定画面の一例を示す図である。画面中央に表示されている、定形サイズを示す「定形」ボタンや不定形サイズを示す「不定形」ボタンの押下により、用紙サイズを設定することができる。
また、用紙サイズのほか、画面中央下端部に表示されている「特殊紙設定」ボタンの押下により、用紙種類などの特殊紙設定も行うことができる。図29−3は、特殊紙設定画面の一例を示す図である。ユーザが、図29−2に示した手差し用紙設定画面から、「特殊紙設定」ボタンを押下すると、表示制御部407は、図29−3に示す特殊紙設定画面を表示する。本図に示すように、特殊紙設定画面には、登録されている合成制限領域を選択するためのキーのほか、「OHP」ボタン、「厚紙」ボタン、「薄紙」ボタンなどの特殊紙の種類を示すボタンが表示されており、ここで選択されたものが合成制限領域として有効になる。
さらに、手差し設定では、ユーザが持参した用紙が使用されることが多いため、登録されている合成制限領域以外にも1ショットで用紙から合成制限領域を読み込むことも必要となる。そこで、画面右端に表示されている「読み取りスタート」キーが押下されると、用紙情報取得部201により、用紙が読み取られ、用紙情報が取得される。用紙情報が取得されると、合成制限領域決定部203により、用紙情報から画像が存在する領域を合成制限領域として決定される。なお、この1ショットの合成制限領域は、ジョブ終了時に抹消される。
図30は、用紙種類を設定する用紙種類設定画面の一例を示す図である。常に印刷済み紙がトレイにセットされて使用される場合は、用紙設定でトレイごと合成制限領域を設定することも可能である。本図は、トレイ1の用紙種類設定画面を示している。ここでは、用紙種類や用紙厚さの設定以外に、登録されている合成制限領域を選択するためのキーが表示されており、ここで選択されたものがトレイ1の用紙に対する合成制限領域として有効になる。
入力制御部401は、表示制御部407により選択可能な形式で表示された合成制限領域のユーザによる選択入力を受け付ける。例えば、図29−1から図30に示した各種設定ボタンの選択入力を受け付ける。なお、入力制御部401は、本発明の選択部に相当する。
図31は、HDD120に保存されている合成制限領域のデータ構造の一例を示す図である。本図に示す表は、トレイごとに設定された合成制限領域のデータ構造を示している。この表では、トレイ1から5まで、それぞれのレコードは、用紙の幅サイズを示す「用紙:W」、用紙の長さを示す「用紙:L」、合成制限領域の用紙におけるX座標を示す「合成制限領域:X」、合成制限領域の用紙におけるY座標を示す「合成制限領域:Y」、合成制限領域の幅を示す「合成制限領域:W」、合成制限領域の高さを示す「合成制限領域:H」のフィールドから構成されている。
例えば、入力制御部401により、トレイ1のボタン(不図示)の選択が受け付けられた場合は、合成制限領域決定部203は、HDD120から用紙情報である「用紙:W(297)」と、「用紙:L(210)」、および「合成制限領域:X(50)」、「合成制限領域:Y(50)」、「合成制限領域:W(80)」、「合成制限領域:H(80)」を取得し、これらの情報に基づいて、合成制限領域を決定する。
位置決定部406は、画像編集部105により編集された後の画像に対して余白位置を検出し、検出した余白部分のいずれかまたは複数の位置を、広告情報印刷位置として決定する。具体的には、検出した余白のいずれかを広告情報を挿入する位置の候補とし、候補の中から、合成制限領域決定部203により取得された合成制限領域を除外する。または、入力制御部401により入力を受け付けた合成制限領域を除外する。そして、残った候補の中で、長方形で最大面積となる余白部分を探索し、その位置を広告情報印刷位置として決定する。なお、広告情報印刷位置として、検出された余白のうち長方形で最大面積となる位置を決定するほか、複数の位置を決定してもよい。
次に、本実施の形態にかかる広告コピーモードによる印刷処理について説明する。図32は、画像形成装置400による広告コピーモードによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS70およびステップS71の処理については、図18に示した実施の形態1のフローチャートのステップS30およびステップS31の処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS72において、入力制御部401は、合成制限領域の選択入力を受け付け(ステップS72)、受け付けた合成制限領域をHDD120に保存する(ステップS73)。具体的には、操作表示部130に表示されている合成制限領域の選択ボタン(図29−1参照)の選択入力を受け付ける。
ステップS74からステップS81の処理は、図18に示した実施の形態1のフローチャートのステップS35からステップS42と同様であるので説明を省略する。
このように、本実施の形態によれば、合成制限領域決定部203により取得された合成制限領域を登録部402が登録するため、次回以降の広告コピー時に容易に合成制限領域を呼び出すことが可能となる。
図33は、第1〜4の実施の形態にかかる複合機100、200、300、400のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機100、200、300、400は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機100、200、300、400全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)120とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
CPU11は、複合機100、200、300、400の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGPバス15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部130はASIC16に直接接続されている。
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)120は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
なお、実施の形態1〜4の画像形成装置100、200、300、400で実行される広告情報合成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
実施の形態1〜4の画像形成装置100、200、300、400で実行される広告情報合成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、実施の形態1〜4の画像形成装置100、200、300、400で実行される広告情報合成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施の形態1〜4の画像形成装置100、200、300、400で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
実施の形態1〜4の画像形成装置100、200、300、400で実行される広告情報合成プログラムは、上述した各部(入力制御部、モード制御部、合成制限領域決定部、画像編集部、位置決定部、表示制御部、広告情報取得部、合成部、印刷部、通信部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから広告情報合成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力制御部、モード制御部、合成制限領域決定部、画像編集部、位置決定部、表示制御部、広告情報取得部、合成部、印刷部、通信部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置100、200、300、400を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。