JP5393298B2 - マスクケース - Google Patents
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Description
当然ながら、マスクにも要求されるこのような高度な集積度の高さの水準は、マスクの製造直後だけではなく、実際にそれを用いる半導体回路の製造工程まで維持される必要がある。しかしながら、一般に、マスクの製造メーカ或いは製造場所は、半導体回路の製造メーカ(即ちマスクのユーザ)や、その製造場所とは異る離れた場所であることが多いので、特に、製造後に出荷されるマスクの輸送工程において、輸送時の振動等により、塵埃が発生し、またケースからの発生ガスの影響によりマスクの品質劣化を招く危険性を有していた。
このペリクル膜はマスクにつけたままで半導体回路のネガフィルムに当たる機能を果たすマスクから塵埃を守る保護カバーの役割を果たす。また、ユーザ先における半導体回路の形成に際して、ArFまたはKrFのレーザ光はペリクル膜を透過し、ペリクル膜表面に付着した塵埃があっても焦点のずれが発生しない。そこで、ペリクル膜を除去することなくウエハーに回路パターンを焼き付けることができる。
また、例えば、特許文献2には、フォトマスクケースの内壁部にガスバリア層を設けることにより、フォトマスクの曇りを防止することを意図したフォトマスクケースが開示されている。
さらに、許容されるケース素材からの発生ガス量の水準(ケース素材重量当たりの排出ガス重量)も厳しくなるので、この厳しい発生ガス量の水準をクリアできる素材を使用することも課題であった。
前記マスクを前記内ケース上部及び下部と前記パッキンとで形成される空間内に収納した時、前記内ケース上部と内ケース下部の内面がともに前記マスクの表裏面と空間を置くように、前記内ケースの上部と下部の各コーナに設けられた円錐状または円盤状の導電性弾性体からなるパッドと;を備えたことを特徴とするマスクケースを提供するものである。
また、前記マスクケースにおいて、前記マスクを前記内ケース上部及び下部と前記パッキンとで形成される空間内に収納した時、前記ケースの内面は前記マスクの表面との間に薄い空間を有する。そのため前記ケースの上面及び下面のそれぞれの4つの各コーナには少なくとも2個の導電性弾性体、例えば導電性ゴムが貼り付けられ、マスクはこの上面及び下面の導電性ゴムによりケース内に固定される。なお、上面ケースと下面ケースは、下面ケースの内側周辺に設けた溝に勘合し、数mm突き出しているパッキングに上面ケースの周辺の設けた凸部が突接して、機密に上面ケースと下面ケースを前記クランプで固定する。
また、前記マスクケースにおいて、前記内ケース上部又は下部には、外部との通気を確保するためフィルタを備える。このフィルタは、ケース内で発生するアウトガスを除去するため活性炭を有する。
また、前記マスクケースにおいて、前記ケース上部とケース下部を構成するプラスチックは、導電性ポリカーボネートである。
さらに、前記マスクケースにおいて、前記上緩衝材と下緩衝材を構成する素材は導電性ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする。なお、特別に指定しない限り、すべての材料は導電性材料で、これは塵埃を付着させる静電気を発生させないためである。
さらに、内ケースは、上緩衝材と下緩衝材とを介して出荷ケースに収納されるので、輸送や保管時の振動が防止され、露光に影響する塵、埃、の発生を防ぐことができる効果がある。
さらに、前記出荷ケース及び内ケースを構成する素材には、ガスの発生量が抑制されると共に塵及び埃を防止できる素材、例えば導電性ポリカーボネートを使用することで、露光に影響するガス、塵、及び埃の発生を防止することができる効果がある。
図1は、本発明の実施形態に係るマスク用ケースの全体構成を俯瞰する外観図である。
また、図2は、本発明の実施形態に係るマスクケースの構成要素とその配置を示す断面図である。
内ケース上部1の左右両端には、内ケース下部2を係合するための留め具11が取り付けられている。内ケース下部2の上面周辺部には、内ケース密閉性を保持するパッキング21を備える。
ガス抜き穴12の下部には、ガスを吸着することができる吸着膜(図示は省略)が貼り付けられている。この吸着膜を構成する素材としては、例えば、フッソ樹脂や活性炭が使用できる。
内ケース上部1、内ケース下部2、出荷ケース上部5、及び出荷ケース下部6を構成する素材には、ガスの発生量が抑制されると共に、塵、埃を防止できる素材を使用する必要があり、例えば、導電性ポリカーボネートを使用することが好ましい。
内ケース上部1の上部には、上緩衝材3を介して出荷ケース5が位置し、内ケース下部2の下部には、下緩衝材4を介して出荷ケース6が位置している。
以下、本実施形態に係るマスクケースの機能を説明する。
製造されたマスク10は、出荷時の輸送や、ユーザ先での保管に備えて、本実施形態に係るマスクケースに収納する。
本実施形態に係るマスクケースの内ケースの形状及びサイズは、マスク10は、例えば150mm角、厚さ6.35mmで、該マスクを収納することができる形状及びサイズとし、この限りにおいて、可能な限り、無駄スペースが存在しない構造とすることが好ましい。
本実施形態に係るマスクケースの出荷ケースは、図6に示す出荷ケース上部5と出荷ケース下部6とから成る組み立て体である。
本実施形態のマスクケースに係る出荷ケース(第2のケース)の形状及びサイズは、前記内ケース(図3)を収納することができる形状及びサイズとし、この限りにおいて、可能な限り、無駄スペースが存在しない構造とすることが好ましい。
この出荷ケース(図6)は、内部に前記内ケース(図3)を収納するものであるが、この出荷ケースは、既成のものを使用することができる。
本実施形態に係るマスクケースは、上緩衝材3を、内ケース上部1と出荷ケース上部5との間に挿入し、下緩衝材4を、内ケース下部2と出荷ケース下部6との間に挿入する。これにより、前記内ケース(内ケース1、内ケース2、及びパッキン21から成る組み立て体)は、内ケース上部1と内ケース下部2との間に固定され、輸送時の振動が防止されるので、輸送時の振動摩擦による塵、埃、及びガスの発生を抑止することができると共にマスク10の損傷を防止することができる。
前記実施形態では、ガス抜き穴12を内ケース上部1に設ける構成としたが、ガス抜き穴12は内ケース下部2にも設けることが可能である。
また、前記実施形態では、パッキン21を内ケース下部2の上面に設ける構成としたが、パッキン21は内ケース上部1の下面に設ける構成とすることも可能であり、さらに、内ケース下部2の上面と内ケース上部1の下面との両方に設ける構成とすることも可能である。
さらに、前述の各実施形態に係るマスクケースの内ケースは、上緩衝材3,4を介して出荷ケースに収納されるので、輸送や保管時の振動が防止され、露光に影響する塵、埃、の発生を防ぐことができる効果がある。
さらに、内ケース上部1、内ケース下部2、出荷ケース5、及び出荷ケース6を構成する素材には、ガスの発生量が抑制されると共に塵及び埃を防止できる軽量な厚さ2−4mmの素材、例えば導電性ポリカーボネートを使用することで、露光に影響するガス、塵、及び埃の発生を防止することができる効果がある。特に言及してないが、通常マスクはコーナ部を除いて4角形なので、内ケース、緩衝材、及び出荷ケースも4角形である。なおマスクが例えば円形であれば上記各収容ケースも円形となる。
2 内ケース下部
3 上緩衝材
4 下緩衝材
5 出荷ケース上部
6 出荷ケース下部
10 マスク
11 留め具(クリップ)
12 ガス抜き穴
13 パッド
21 パッキン
Claims (5)
- 半導体回路等の形成に使用されるマスクの輸送用及び保管用として使用するマスクケースであって、
内ケース上部と内ケース下部とから成り、前記内ケース上部と前記内ケース下部との間に前記マスクを収容することができる内ケースと、
出荷ケース上部と出荷ケース下部とから成り、前記内ケースを収納することができる出荷ケースと、
前記内ケース上部と前記出荷ケース上部との間に挿入される上緩衝材と、
前記内ケース下部と前記出荷ケース下部との間に挿入される下緩衝材と、
前記内ケース下部又は上部の内面周辺部に埋設され、前記内ケース上部又は下部周辺とそれぞれ突接するパッキンと、
前記マスクを前記内ケース上部及び下部と前記パッキンとで形成される空間内に収納した時、前記内ケース上部と内ケース下部の内面がともに前記マスクの表裏面と空間を置くように、前記内ケースの上部と下部の各コーナに設けられた円錐状または円盤状の導電性弾性体からなるパッドと、
を備えたことを特徴とするマスクケース。 - 前記内ケース上部又は下部に、ガスを外部に排出するためのガス抜き穴が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマスクケース。
- 前記内ケース上部には、前記内ケース下部と係合するための留め具が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクケース。
- 前記出荷ケースと内ケースを構成する素材は導電性ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマスクケース。
- 前記上緩衝材と下緩衝材を構成する素材は導電性ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマスクケース。
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