JP5384923B2 - 高分子系ナノコンポジットの製造方法及び該製造方法によって形成された難燃性高分子系ナノコンポジット - Google Patents
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Description
上記層状無機化合物は、層間に交換性金属カチオン及び層間表面に反応性ヒドロキシル基が存在している高分子系ナノコンポジットの製造方法である。
1〜50mmol程度使用する。
1〜24時間の範囲である。
I.第1段反応:(メチル化)
2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシ−4−ヒドロキシピペリジン((株)ADEKA製、アデカスタブLA−7RD)62g、ヨードメタン37ml及び55%水素化ナトリウム24gをジメチルホルムアミド溶媒に混合し、室温で24時間攪拌した。精製後、化合物aを得た。
前記化合物a14.9gとスチレンモノマー300ml及び70%過酸化ベンゾイル13.8gを混合し、90℃で18時間攪拌した。精製後、化合物bを得た。
前記化合物b4.3g及び水酸化ナトリウム水溶液1.2g/30mlを、エタノール300mlに加え、室温で24時間攪拌した。精製後、化合物cを得た。
前記化合物c4.9gに6−ブロモ−1−ヘキセン2.8ml及び55%水素化ナトリウム0.9gを加え、ジメチルホルムアミド70mlに混合し、室温で24時間攪拌した。精製後、化合物dを得た。
前記化合物d5.02gにトリクロロシラン6.6ml及びPt触媒20mgを加え、30℃で5時間攪拌した。精製後、目的物の前記化合物No.11が得られた。
2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシピペリジンを出発原料として、前記製造例1−1のIV(エーテル化反応)における6−ブロモ−1−ヘキセンを11−ブロモ−1−ウンデセンに替えた以外は、前記製造例1−1のII〜Vと同様の条件にて製造を行い前記化合物No.12を得た。
前記製造例1−1のIV(エーテル化反応)における6−ブロモ−1−ヘキセンを11−ブロモ−1−ウンデセンに替えた以外は、前記製造例1−1のII〜Vと同様の条件にて製造を行い前記化合物No.13を得た。
I.マガディアイトの合成:
22.5gのシリカゲル(和光純薬製)、4.3gの水酸化ナトリウム及び蒸留水125gをオートクレーブ内に入れ、165〜170℃で18時間水熱合成を行ない、反応液を電界放射走査型電子顕微鏡(FE−SEM)にて観察して球状シリカがないこと並びに対称反射X線回折(XRD:(株)リガク製、RINT2200)にてマガディアイトの底面間隔d(001)に由来する回折ピークが得られること及びその他のマガディアイト由来の回折ピークを確認し反応を終了した。得られた固形物を精製し、100℃にて12時間減圧乾燥させてマガディアイト(Na2O・14SiO2・10H2O)を得た。
前記で得たマガディアイト5gとドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(前記化合物No.1:東京化成工業(株)製:以下DTMAと記す)2.5gを陽イオン交換にてインターカレーションした。得られた固形物を精製後、室温で12時間真空乾燥させて固体粉末を得た。得られた固体粉末をXRD及び元素分析にて同定し、DTMA−マガディアイトであることを確認した。
前記で得たDTMA−マガディアイト1.0gをトルエン40mlに分散し、このトルエン溶液に前記化合物No.11を10mmol加えた。室温で100時間攪拌して重合開始剤の固定化を行った。精製した後、室温で12時間以上真空乾燥し、ラジカル重合開始剤で層間表面を固定化された層状無機化合物を得た。
前記重合開始剤で固定化された層状無機化合物6gとスチレンモノマー68gとをアルゴン置換した密閉反応容器中に仕込み、125℃で2時間反応を行った。精製した後、室温で12時間以上真空乾燥し、ポリスチレン−マガディアイトナノコンポジットを得た。
前記で得られた層状無機化合物の凝集状態、数平均分子量、分子量分布、熱分解温度、シリケート含有量、並びに、難燃性(最大発熱速度)を評価した。結果を〔表1〕に記す。
前記実施例1のIIにおける有機オニウム塩及びIIIにおける層間修飾化合物を下記〔表1〕記載の層間修飾化合物に替えた以外は、同様の製造方法にて高分子系ナノコンポジットの製造を行い、同様の評価方法にて評価を行った。結果を〔表1〕に併せて記す。
前記実施例1のIIにおける有機オニウム塩をNo.8に替え、IIIにおける層間修飾化合物を前記化合物No.23と前記化合物No.29(オクタデシルメチルジクロロシラン)との併用系(併用比率10/90(前者/後者mmol比)の層間修飾化合物に替え、IVにおいて更に分子量調節剤である前記化合物No.34を130mg加えて70℃で反応を行った以外は、同様の製造方法にて高分子系ナノコンポジットの製造を行い、同様の評価方法にて評価を行った。結果を〔表1〕に併せて記す。
前記実施例1のIIにおける有機オニウムをNo.2に替え、IIIにおける層間修飾化合物を前記化合物No.11と前記化合物No.28(オクチルトリクロロシラン)との併用系(併用比率10/90( 前者/後者mmol比)の層間修飾化合物に替えた以外は、同様の製造方法にて高分子系ナノコンポジットの製造を行い、同様の評価方法にて評価を行った。結果を〔表1〕に併せて記す。
前記実施例1のIIIにおける層間修飾化合物を下記〔表1〕記載の層間修飾化合物として6gと、層間表面に固定化しないフリーの重合開始剤としてAIBN(2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)95mgとをスチレンモノマー68gに加えて70℃で反応を行った以外は、同様の製造方法にて高分子系ナノコンポジットの製造を行い、同様の評価方法にて評価を行った。結果を〔表1〕に併せて記す。
前記実施例1のIIで得られたDTMA−マガディアイト6gと、層間表面に固定化しないフリーの重合開始剤としてAIBN95mgとをスチレンモノマー68gに加えて70℃で反応を行った以外は、同様の製造方法にて高分子系ナノコンポジットの製造を行い、同様の評価方法にて評価を行った。結果を〔表1〕に記す。
実施例1のIと同様の手順で得られたマガディアイト6gを陽イオン交換及び層間修飾することなくそのまま用い、層間表面に固定化しないフリーの重合開始剤としてAIBN95mgをスチレンモノマー68gに加え70℃で反応を行った以外は、同様の製造方法にてナノコンポジット樹脂の製造を試み、また、同様の評価方法にて評価を行った。結果を〔表1〕に示す。
<凝集状態>
透過型電子顕微鏡(TEM:(株)日立ハイテクノロジーズ製、H7500形透過電子顕微鏡)を用い一連のナノコンポジットの超薄切片の明視野観察を行ない、凝集状態を評価した。またX線回折装置(SAXS, WAXD:(株)リガク製、Ultima IV)を用い一連のコンポジットのSAXS, WAXD測定を行ない、小角領域と広角領域における層状無機化合物の剥離分散状態を評価した。
○:凝集見受けられず分散性良好
×:凝集が多く見受けられ分散性不十分
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC:日本分光(株)製、検出器:RI−830、UV−875、カラムオーブン:CO−865、ポンプ:PU−880、展開溶媒:THF、ポリスチレン標準)を用い、あらかじめフッ酸処理によりシリケート層表面から成長した高分子を分離して数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
示差熱天秤(TG−DTA:(株)リガク製、Thermo Plus2)にて測定
昇温速度:10℃/mim、温度範囲:30〜900℃、窒素流量:200ml/mim
示差熱天秤(TG−DTA:(株)リガク製、Thermo Plus2)での900℃×30分保持後の残渣重量をシリケート含有量(%)とした。
コーンカロリーメーター(東洋精機(株)製、コーンカロリーメーターIII)を用いて、燃焼時の発熱速度(HRR:kW/m2)並びに、着火時間(sec)を下記の方法に基づき測定した。
・試験片 : 100×100×3mm
・輻射熱流速 : 50kW/m2
ISO5660に準拠して、加熱強度50kW/m2で15分間加熱したときの着火開始時間を目視で確認し測定した。
Claims (14)
- 有機オニウム塩を用いて層状無機化合物の層間を拡張した後、下記一般式(1)で表わされる基を有するラジカル重合開始剤を、該層状無機化合物の層間表面に共有結合を介して固定化し、モノマー中でその固定化した該ラジカル重合開始剤から表面開始ラジカル重合を行うことを特徴とする、高分子系ナノコンポジットの製造方法であって、
上記層状無機化合物は、層間に交換性金属カチオン及び層間表面に反応性ヒドロキシル基が存在している高分子系ナノコンポジットの製造方法。
- 前記一般式(1)で表わされる基を有するラジカル重合開始剤として、同式中のX1〜X3の少なくとも一つが塩素原子であるものを用いる、請求項1に記載の高分子系ナノコンポジットの製造方法。
- 前記一般式(1)で表わされる基を有するラジカル重合開始剤として、同式中のR1が、酸素原子又はエステル基で中断されてもよく、フェニル基で置換されてもよい、炭素原子数1〜25のアルキレン基又は炭素原子数2〜25のアルケニレン基であるものを用いる、請求項1又は2に記載の高分子系ナノコンポジットの製造方法。
- 前記層状無機化合物として、マガディアイト、ケニヤアイト、マカタイト、カネマイト及びアイアライトの群の中から選ばれる層状ポリケイ酸塩を用いる、請求項1〜3の何れか1項に記載の高分子系ナノコンポジットの製造方法。
- 前記層状無機化合物の層間表面に共有結合を介して固定化される化合物として、前記一般式(1)で表わされる基を有するラジカル重合開始剤と、下記一般式(2)で表わされるシラン化合物とを併用する、請求項1〜4の何れか1項に記載の高分子系ナノコンポジットの製造方法。
- 前記一般式(2)で表わされるシラン化合物として、同式中のX1〜X3の少なくとも一つが塩素原子であるものを用いる、請求項5に記載の高分子系ナノコンポジットの製造方法。
- 前記一般式(1)で表わされる基を有するラジカル重合開始剤として、ニトロオキシド系又はアゾ系重合開始剤を用いる、請求項1〜6の何れか1項に記載の高分子系ナノコンポジットの製造方法。
- 前記一般式(3)で表されるテトラメチルピペリジンオキシド系化合物として、同式中のR3が、水素原子、酸素原子又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基であるものを用いる、請求項8に記載の高分子系ナノコンポジットの製造方法。
- 前記層状無機化合物の層間表面に固定化した前記一般式(4)で表わされるアゾ系化合物から表面開始ラジカル重合反応を行う際に、モノマー中に、更に、分子量調節剤として、ニトロオキシド系化合物、アルコキシアミン系化合物又はヨウ素系化合物を1種以上添加する、請求項10に記載の高分子系ナノコンポジットの製造方法。
- 前記有機オニウム塩として、有機アンモニウム塩、有機ピリジニウム塩、有機イミダゾリウム塩、有機ホスホニウム塩又は有機スルホニウム塩を用いる、請求項1〜11の何れか1項に記載の高分子系ナノコンポジットの製造方法。
- 請求項1〜12の何れか1項に記載の高分子系ナノコンポジット製造方法によって形成された高分子系ナノコンポジット。
- 難燃材料として用いられる請求項13に記載の高分子系ナノコンポジット。
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