JP5375062B2 - ロボットシステムおよび制御方法 - Google Patents
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Description
従来より衝突の発生を検出し、サーボモータの移動指令を即時に中断する等の処置として、5つの方法が提案されていた(例えば、特許文献1から5参照のこと)。
また、第2の方法では、外乱推定オブザーバによって異常負荷を検出すると、異常負荷が生じたサーボモータの速度指令を「0」としてサーボモータを急停止させていた。
また、第3の方法では、サーボモータをそれまでの進行方向とは逆方向に所定量移動させて停止させる方法などの異常負荷検出制御方法が提案されている。
そこで、本発明はサーボモータあるいはサーボモータを備えた多関節ロボットが障害物等に衝突した際、衝突を検出する軸、モータ回転方向と衝突トルクの方向、モータ回転速度により、手首軸と基本軸の停止方法を切り換えることにより、ロボット及び障害物に与える機械的ダメージを最小限に抑えるロボットの停止方法、及び、衝突検出後、再プレイバックした際、再衝突を回避する復帰方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、モータにより駆動されるロボットアームと、前記ロボットアームが障害物に衝突することを検知する衝突検出装置を備え、前記衝突検出装置からの情報をもとに前記ロボットアームを制御するロボットシステムにおいて、前記衝突検出装置からの前記情報をもとに複数の停止方法のうちから一つの停止方法を選択する停止方法選択処理部を備え、前記停止方法選択処理部は、前記衝突検出装置で衝突を検出した軸が前記ロボットアームの基本軸の場合、前記ロボットアームの全軸を引き戻して停止させる停止方法を選択する一方、前記衝突検出装置で衝突を検出した軸が前記ロボットアームの手首軸の場合、柔軟停止処理により前記手首軸を停止させつつ即停止処理により前記基本軸を停止させる停止方法と、前記全軸を引き戻して停止させる停止方法とのいずれかを選択するものである。
請求項2に記載の発明は、前記全軸を引き戻して停止させる場合、引き戻し速度は、衝突直前の前記モータの回転速度に応じて決定されるものである。
請求項3に記載の発明は、前記衝突検出装置からの前記情報をもとに複数の停止方法により停止したのちに、正常位置へ移動するための復帰位置記憶装置を備えたものである。
請求項4に記載の発明は、前記復帰位置記憶装置が、衝突を検出した瞬間の指令位置発生装置からの位置指令を保存するものである。
請求項5に記載の発明は、前記衝突検出装置が、前記ロボットアームの基本軸の全ておよび手首軸の全てに備えられたものである。
請求項6に記載の発明は、前記ロボットアームの前記手首軸に、停止方法選択処理部で選択された停止方法に応じて動作する重力補償する切替え装置を備えたものである。
請求項7に記載の発明は、モータの制御におけるロボットアームの衝突検出時のロボットシステムの制御方法において、複数の停止方法のうちから一つの停止方法を選択する停止方法選択処理部により、衝突検出軸が前記ロボットアームの基本軸の場合、前記ロボットアームの全軸を引き戻して停止させる停止方法を選択する一方、衝突検出軸が前記ロボットアームの手首軸の場合、柔軟停止処理により前記手首軸を停止させつつ即停止処理により前記基本軸を停止させる停止方法と、前記全軸を引き戻して停止させる停止方法とのいずれかを選択するものである。
請求項8に記載の発明は、前記停止方法選択処理部で、衝突検出軸が前記手首軸で、且つ、モータ回転方向と衝突トルクの方向が同じ場合、柔軟停止処理により前記手首軸を停止させ、即停止処理により、前記基本軸を停止させるものである。
請求項9に記載の発明は、前記停止方法選択処理部では、衝突検出軸が前記手首軸で、且つ、モータ回転方向と衝突トルクの方向が逆の場合、且つ、前記手首軸の衝突時のサーボモータの回転速度が、規定値以下の場合、柔軟停止処理により前記手首軸を停止させ、即停止処理により、前記基本軸を停止させるものである。
請求項10に記載の発明は、前記停止方法選択処理部では、衝突検出軸が前記手首軸で、且つ、モータ回転方向と衝突トルクの方向が逆の場合、且つ、前記手首軸の衝突時のサーボモータの回転速度が、規定値以上の場合、前記全軸を引き戻しさせるものである。
請求項11に記載の発明は、衝突を検出した瞬間の位置指令を記憶し、再プレイバック要求があった場合、前記記憶された位置に低速で前記全軸戻してから、プレイバック動作させるものである。
基本軸および手首軸について説明すると、ロボットアームは、一般的な産業用ロボットでは、例えば特開2007−326151号公報に見られるような6軸で構成されており、ロボットアームの姿勢を形成するS軸、L軸、U軸が基本軸と呼ばれ、ロボットアーム先端の姿勢を形成するR軸、B軸、T軸が手首軸と呼ばれている。
図において1は産業用ロボットが適正に動作するために求められた指令位置を出力する指令位置発生装置である。2は指令位置発生装置からの位置指令に対して比例制御をし、速度に対して比例積分制御して、トルク指令を指令する制御部である。3は制御部2が供給する電流により回転するサーボモータ、4はサーボモータ3によって駆動される制御対象のロボットアームである。5はサーボモータの位置を検出するエンコーダであり,6は制御部2のトルク指令とサーボモータ3に設けられたエンコーダ5の回転信号を受けてロボットアーム4が受ける外乱を推定する衝突検出装置、7は衝突検出装置監視部である。衝突検出装置6は、サーボモータ3のモータトルクと回転位置からロボットアーム4に作用する外乱を推定する外乱推定オブザーバを備えている。衝突検出装置監視部7では、この推定された外乱トルクが規定値以上になったとき、衝突が生じているものと判断するようにしている。衝突検出装置監視部7で衝突と判断されると、停止方法選択処理15で、ロボットを停止するための手段を選択し、その後、ロボットはその選択方法に従い、ロボット停止処理9で停止することとなる。
引き戻し位置をθ1、衝突検出時のサーボモータk3の位置をθ2とすると、引き戻し距離θは式1で表される。
θ=θ1-θ2 (1)
V=θ/(T*M) (2)
θr =θ2+ (V*Tr *I) (I=1、2…、T*M/Tr) (3)
2 制御部
3 サーボモータ
4 ロボットアーム
5 エンコーダ
6 衝突検出装置
7 衝突検出装置監視部
8 位置記憶バッファ
9 ロボット停止処理
10 指令位置変更装置
11 復帰位置記憶装置
12 スイッチ
13 スイッチ
14 スイッチ
15 停止方法選択処理
20 基本軸制御ブロック
21 手首軸制御ブロック
Claims (11)
- モータにより駆動されるロボットアームと、前記ロボットアームが障害物に衝突することを検知する衝突検出装置を備え、前記衝突検出装置からの情報をもとに前記ロボットアームを制御するロボットシステムにおいて、
前記衝突検出装置からの前記情報をもとに複数の停止方法のうちから一つの停止方法を選択する停止方法選択処理部を備え、
前記停止方法選択処理部は、前記衝突検出装置で衝突を検出した軸が前記ロボットアームの基本軸の場合、前記ロボットアームの全軸を引き戻して停止させる停止方法を選択する一方、前記衝突検出装置で衝突を検出した軸が前記ロボットアームの手首軸の場合、柔軟停止処理により前記手首軸を停止させつつ即停止処理により前記基本軸を停止させる停止方法と、前記全軸を引き戻して停止させる停止方法とのいずれかを選択することを特徴とするロボットシステム。 - 前記全軸を引き戻して停止させる場合、引き戻し速度は、衝突直前の前記モータの回転速度に応じて決定されることを特徴とする請求項1記載のロボットシステム。
- 前記衝突検出装置からの前記情報をもとに複数の停止方法により停止したのちに、正常位置へ移動するための復帰位置記憶装置を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のロボットシステム。
- 前記復帰位置記憶装置は、衝突を検出した瞬間の指令位置発生装置からの位置指令を保存することを特徴とする請求項3記載のロボットシステム。
- 前記衝突検出装置は、前記ロボットアームの前記基本軸の全ておよび前記手首軸の全てに備えられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のロボットシステム。
- 前記ロボットアームの前記手首軸には、停止方法選択処理部で選択された停止方法に応じて動作する重力補償する切替え装置を備えられたことを特徴とする請求項5記載のロボットシステム。
- モータの制御におけるロボットアームの衝突検出時のロボットシステムの制御方法において、
複数の停止方法のうちから一つの停止方法を選択する停止方法選択処理部により、衝突検出軸が前記ロボットアームの基本軸の場合、前記ロボットアームの全軸を引き戻して停止させる停止方法を選択する一方、衝突検出軸が前記ロボットアームの手首軸の場合、柔軟停止処理により前記手首軸を停止させつつ即停止処理により前記基本軸を停止させる停止方法と、前記全軸を引き戻して停止させる停止方法とのいずれかを選択することを特徴とするロボットシステムの制御方法。 - 前記停止方法選択処理部では、衝突検出軸が前記手首軸で、且つ、モータ回転方向と衝突トルクの方向が同じ場合、柔軟停止処理により前記手首軸を停止させ、即停止処理により、前記基本軸を停止させることを特徴とする請求項7記載のロボットシステムの制御方法。
- 前記停止方法選択処理部では、衝突検出軸が前記手首軸で、且つ、モータ回転方向と衝突トルクの方向が逆の場合、且つ、前記手首軸の衝突時のサーボモータの回転速度が、規定値以下の場合、柔軟停止処理により前記手首軸を停止させ、即停止処理により、前記基本軸を停止させることを特徴とする請求項7または8記載のロボットの制御方法。
- 前記停止方法選択処理部では、衝突検出軸が前記手首軸で、且つ、モータ回転方向と衝突トルクの方向が逆の場合、且つ、前記手首軸の衝突時のサーボモータの回転速度が、規定値以上の場合、前記全軸を引き戻しさせることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1つに記載のロボットの制御方法。
- 衝突を検出した瞬間の位置指令を記憶し、再プレイバック要求があった場合、前記記憶された位置に低速で前記全軸戻してから、プレイバック動作させることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1つに記載のロボットの制御方法。
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