3GPP (3rd Generation Partnership Project)では、次世代移動体通信システムとしてLTE (Long Term Evolution)の標準化が行われている。非特許文献1では、端末が呼接続を行う時の動作が議論されている。この動作概要について図18を用いて説明する。ステップ(以下、「ST」と記載する)11では、端末から基地局にランダムアクセスプリアンブル(Random Access Preamble)を送信し、基地局から端末にランダムアクセス応答(Random Access Response)を送信することにより、端末と基地局との間でRACH手続き(RACH procedure)が行われ、端末にリソースが割り当てられる。
ST12では、ST11においてRACH手続きによって割り当てられたリソースを用いて、端末から基地局にRRC接続要求(RRC Connection request)(RRCメッセージ(message))を送信する。ただし、このRRC接続要求には、NAS関連情報も含まれている。
ST13では、ST12において他の端末が同時にRRC接続要求を送信していた場合、基地局が受信したRRC接続要求に含まれているUE IDを端末に送信するRRC Contention resolutionを行うことにより、ST12において複数の端末から同じリソースを用いてRRC接続要求が送信された場合、RRC接続要求が受信できた端末と、RRC接続要求が受信できなかった端末とを通知する。
ST14では、基地局は端末がサービス要求をしていることをNASメッセージによってCN(Core network)に通知し、その結果、CNが端末に関する情報、端末に設定する情報をNASメッセージによって基地局に通知する。なお、ここでは、NASメッセージとして説明するが、基地局とCNとの間のプロトコルが使用されてもよいし、その両方が使用されてもよい。
ST15では、基地局からRRC Connection Modification Commandを端末に送信してセキュリティの設定を行い、端末からRRC Connection Modification Completeを送信してセキュリティ設定の応答を行う。なお、RRC Connection Modification Commandには、使用するアルゴリズム、必要なパラメータ値、開始時間などが含まれている。
ST16では、基地局からRRC Connection Modification Commandを端末に送信してデータ用チャネル設定を行い、端末からRRC Connection Modification Completeを送信してデータ用チャネル設定の応答を行う。なお、データ用チャネル設定として、Radio bearer (RB)、トランスポートチャネル(Transport Channel)、物理チャネル(Physical Channel)などの設定が行われる。
ここで、ST15のセキュリティ設定が行われた後にST16のデータ用チャネル設定が行われることにより、ST16のデータ用チャネル設定を暗号化し、他ユーザにデータ用チャネル設定が漏れることを防止することができる。しかしながら、このように直列に処理すると時間がかかってしまうため、ST15及びST16において基地局が別々に送信するメッセージを同時に送信することが3GPPにおいて検討されている。
ところで、呼接続遅延を減少させる方法として、呼接続に関連するメッセージのサイズを低減するプリコンフィギュレーション(デフォルト設定情報(Default configuration)、プリデファインド設定情報(Predefined configuration)、ストアード設定情報(Stored configuration)の総称)という方法が非特許文献2において示されている。以下、プリコンフィギュレーションについて説明する。
端末とネットワークとの一般的な呼接続手順について図19を用いて説明する。ここでは、端末が発呼するパケット接続を例に挙げる。ST21では、端末がRRC接続要求メッセージをネットワークに送信し、ST22では、ネットワークがRRC接続要求メッセージの応答として、RRC CONNECTION SETUPメッセージを端末に送信し、UE Identity、制御情報用のチャネル設定等を通知する。
ST23では、端末がRRC CONNECTION SETUPメッセージで通知された内容に従って、端末側のチャネル設定を行い、この設定完了の通知としてRRC CONNECTION SETUP COMPLETEメッセージをネットワークに送信する。
このST21〜ST23の処理によって、RRC CONNECTION Establishmentが完了する。一般的には、このRRC CONNECTION Establishmentでは、制御情報を送信するためのRadio BearerであるSRB (Signaling Radio Bearer)のRB1(RLC UM mode適用)、RB2(RLC AM適用、NASメッセージを含まないRRCメッセージ送信用)、RB3(RLC AM適用、NASメッセージを含むRRCメッセージ送信用)がチャネルとして確立される。それぞれのチャネルに対して設定される内容としては、上記RLCのモード(Mode)の他に、そのチャネルの優先度(Priority)、送信するメッセージのPDU長、使用するトランスポートチャネル種別(Transport channel type)及びその他のトランスポート情報等がある。
次に、ST24では、端末がサービスの開始を要求するNASメッセージであるCM SERVICE REQUESTを作成し、これをRRCメッセージであるINITIAL DIRECT TRANSFERに含めてネットワークに送信する。ネットワークでは、INITIAL DIRECT TRANSFERをトリガーとしてMM (Mobility Management)の中で端末の管理を開始する。ST24の処理によって、NAS Connection Establishmentが完了する。
ST25では、ネットワークがAUTHENTICATION REQUESTをDOWNLINK DIRECT TRANSFERに含めて端末に送信する。また、ST26では、端末がAUTHENTICATION RESPONSEをUPLINK DIRECT TRANSFERに含めてネットワークに送信する。これにより、端末とネットワークとで認証を行う。
ST27では、ネットワークがSECURITY MODE COMMANDを端末に送信し、セキュリティで用いる乱数の情報等を含む秘匿・暗号化の設定を通知する。ST28では、端末がSECURITY MODE COMMANDの応答として、上りの制御タイミングと共にSECURITY MODE COMPLETEをネットワークに送信する。このST25〜ST28の処理によって、認証(Authentication)及びセキュリティ手続き(Security process)が完了する。
ST29では、端末がACTIVATE PDP CONTEXT REQUESTをUPLINK DIRECT TRANSFERに含めてPDP Context(パケットのセッション)の確立要求をネットワークに送信し、ST30では、ネットワークがRADIO BEARER SETUPメッセージを端末に送信し、トラフィックデータ通信用のチャネルであるRAB(Radio Access Bearer)を設定する。
ST31では、端末がRADIO BEARER SETUP COMPLETEをネットワークに送信し、RABを正常に設定できたことを通知し、ST32では、ネットワークがPDP Contextの確立応答をDOWNLINK DIRECT TRANSFERに含めて端末に送信することで、最終的にPDP Contextの確立が完了したことを通知する。このST29〜ST32の処理によって、RAB Setup及びPDP Context Setupが完了する。
このように、ST21〜ST32の処理によって呼の確立が行われる。このとき、各メッセージには設定情報として送信しなければならない情報が多数あり、特に情報量が多いメッセージとしては、無線回線の確立を行うRRC CENNECTION SETUP(制御情報用のチャネル設定)と、RADIO BEARER SETUP(トラフィックデータ通信用のチャネル設定)であり、これらのメッセージにプリコンフィギュレーションを適用することが考えられる。
プリコンフィギュレーションは、無線回線の確立情報を随時送信するのではなく、代表的な情報を端末に保持させておき、ネットワークからインデックスのみを端末に通知するという基本コンセプトに基づいて、2通りの方法が非特許文献3に規定されている。
初めに、デフォルト設定情報について説明する。デフォルト設定情報は、あらかじめ規定されているチャネル設定(コンフィギュレーション情報)パターンにインデックス(32種類。ただし、UMTSでは23種類のみが使用)を付したものであり、このデフォルト設定情報を端末に保持させておき、ネットワークからインデックスを通知することにより、実際にチャネル設定を送ることなくチャネル設定を実現する。
このように、ネットワークから送信される情報(RRC CONNECTION SETUPやRADIO BEARER SETUPなどのメッセージ)がインデックスのみとなるため、メッセージサイズを大幅に削減することができるので、呼接続遅延を減少させることができる。一方、規定されたチャネル設定パターンしか使用することができないため、オペレータ独自の設定、または端末に応じた設定を行うことができない。
次に、プリデファインド設定情報について説明する。プリデファインド設定情報は、チャネル設定パターンとそれに対応するインデックス(16種類)がネットワークから報知されるチャネルによって送信されるものである。端末は、ネットワークから送信された報知情報をIdle状態などにおいて受信し、チャネル設定パターンとインデックスを保持する。端末は、チャネル設定とインデックスとの関係を保持しているか否かをRRC接続要求メッセージ送信時にネットワークに通知する。ネットワークは、端末が報知情報を保持していると判断した場合には、デフォルト設定情報と同様にインデックスのみを送信することが可能となり、メッセージサイズを低減することができ、呼接続遅延を減少させることができる。プリデファインド設定情報は、デフォルト設定情報とは異なり、オペレータ独自の設定が可能であるが、報知情報で送信されるチャネル設定を使用しない端末を考慮すると、無線リソースを無駄に使用することになってしまう。
なお、非特許文献2に記載されているが標準化されなかったストアード設定情報という方法も存在する。以下、ストアード設定情報ついて説明する。
ストアード設定情報では、ネットワークから端末に対してRRC CONNECTION SetupやRadio Bearer Setupなどのチャネル設定を行う際、チャネル設定パターンと共にそのチャネル設定パターンを示すインデックスも同時に送信する。端末側では、ネットワークから設定されたチャネル設定を同時に送信されたインデックスを用いて管理、保持する。ネットワーク側では、次回にRRC CONNECTION SETUPやRADIO BEARER SETUP等のチャネル設定を行うメッセージを送信する際、このインデックスを送信することにより、再度大量のチャネル設定情報を送信する必要がなくなり、ユーザ毎に必要なチャネル設定を保持させるように制御することができる。一方、他のデフォルト設定情報及びプリデファインド設定情報と比較して、ストアード設定情報は一度は個別チャネルを用いて全ての情報を送信する必要がある。参考までに、ストアード設定情報を用いた通信手順を図20に示す。
このようにストアード設定情報は、データ用チャネル設定にインデックスが使われており、情報自体が送られていない。そのため、データ用チャネル設定とそれに該当するインデックスを送信するときに暗号化されていれば、次に暗号化されていないインデックスのみを送ったとしても、実際にどのような設定であるか他ユーザに知られることがなくなる。そのため、暗号化を行う代わりにストアード設定情報を使うことが考えられる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一機能を有する構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るコアネットワーク(以下、「CN」と称する)の構成について図1を用いて説明する。受信部101は、無線通信基地局装置(以下、単に「基地局」と称する)から送信されたメッセージを受信し、受信した情報を端末情報管理部102に出力する。
端末情報管理部102は、受信部101から出力されたメッセージから無線通信端末装置(以下、単に「端末」と称する)のID、端末の契約情報、端末のセキュリティ情報、端末が保持しているチャネル設定情報(以下、端末にネットワークから個別チャネル等の報知チャネル以外でチャネル設定情報とそのチャネル設定情報のインデックス(識別子)とを共に送信し、これを端末側で保持し、それ以降の設定時にはインデックスのみを通知する方法をストアード設定情報方式と呼ぶ)などの端末情報を抽出し、抽出した端末情報を端末情報保持部103及びストアード設定情報処理決定部104に出力する。また、端末情報保持部103から端末情報を取得して更新し、更新した端末情報を端末情報保持部103及びストアード設定情報処理決定部104に出力する。
端末情報保持部103は、端末情報管理部102から出力された端末情報を保持し、端末情報管理部102からの要求に応じて該当する端末情報を端末情報管理部102に出力する。また、端末情報保持部103は、ストアード設定情報処理決定部104から出力されたストアード設定関連情報を保持する。
ストアード設定情報処理決定部104は、端末情報管理部102から出力された端末情報に基づいて、端末に設定するストアード設定情報方式を決定する。例えば、アタッチ(attach)時(端末の電源を入れたり、圏外から圏内に移動したような場合)などにストアード設定情報の送信指示を基地局に与えたり、この送信指示に含める内容を決定したりする。また、端末が呼を確立する(call setup)際には、端末に与えられているストアード設定情報を基地局に送信することを決定する。このように決定された情報はメッセージ作成・送信部105に出力される。
メッセージ作成・送信部105は、ストアード設定情報処理決定部104から出力された情報に基づいてメッセージを作成して基地局に送信する。
本発明の実施の形態1に係る基地局の構成について図2を用いて説明する。CNメッセージ受信部201は、CNから送信されたメッセージを受信し、受信したメッセージのうちストアード設定関連情報をストアード設定情報規則処理部203に出力し、その他のチャネル設定情報をチャネル設定処理部204に出力する。なお、ここで、ストアード設定関連情報としては、基地局が端末にストアード設定情報を設定するための情報、またはストアード設定情報自体の情報が挙げられる。また、チャネル設定情報としては、端末に対するチャネル設定の内容及びセキュリティ設定の内容などが挙げられる。
端末メッセージ受信部202は、端末から送信されたメッセージを受信し、受信したメッセージのうちストアード設定関連情報をストアード設定情報規則処理部203に出力し、その他のチャネル設定情報をチャネル設定処理部204に出力する。なお、ここで、ストアード設定関連情報としては、端末が送信するストアード設定情報に対する状態が挙げられる。また、チャネル設定情報としては、基地局からのチャネル設定及びセキュリティ設定に対する応答などが挙げられる。
ストアード設定情報規則処理部203は、チャネル設定時には、端末メッセージ受信部202から出力されたストアード設定情報に対する状態を端末状態としてストアード設定情報保持部205に保持させる。また、CNメッセージ受信部201から出力されたストアード設定情報がストアード設定情報保持部205に保持されている端末状態と整合性があるかを確認する。ここで整合性があった場合には、CNメッセージ受信部201から出力されたストアード設定情報に基づいて、ストアード設定情報リストを生成してストアード設定情報保持部205に出力する。また、ストアード設定情報を端末に保持させる際には、端末メッセージ受信部202から出力されたストアード設定情報に対する状態に基づいて、ストアード設定情報リストを生成してストアード設定情報保持部205及び端末用メッセージ作成・送信部207に出力する。また、その情報をCN用メッセージ作成・送信部207にも出力する。このタイミングに関しては、端末に対してストアード設定情報を通知する前でもよいし、後でもよい。
チャネル設定処理部204は、CNメッセージ受信部201から出力されたチャネル設定情報からサービス種別及びその品質情報(QoS: Quality of Service)などを取得し、これらを実現するチャネル設定を決定する。ここで、ストアード設定情報を使用する場合、チャネル設定処理部204は使用するチャネル設定のインデックスをストアード設定情報保持部205から取得し、取得したインデックスを端末用メッセージ作成・送信部207に出力する。また、チャネル設定処理部204は、端末メッセージ受信部202から出力されたチャネル設定及びセキュリティ設定に対する応答の結果をCN用メッセージ作成・送信部206に通知、または転送する。
ストアード設定情報保持部205は、ストアード設定情報規則処理部203から出力されたストアード設定情報リストを保持し、保持したストアード設定情報リストからチャネル設定処理部204によって該当するチャネル設定のインデックスが読み出される。
CN用メッセージ作成・送信部206は、ストアード設定情報規則処理部203から出力されたストアード設定情報リスト又はチャネル設定処理部204から出力されたチャネル設定及びセキュリティ設定に対する応答を含むメッセージを作成してCNに送信する。
端末用メッセージ作成・送信部207は、ストアード設定情報規則処理部203から出力されたストアード設定情報リスト又はチャネル設定処理部204から出力されたインデックスを含むメッセージを作成して端末に送信する。
本発明の実施の形態1に係る端末の構成について図3を用いて説明する。受信部301は、基地局から送信されたメッセージを受信し、受信したメッセージのうちストアード設定関連情報をストアード設定情報保持部302に出力し、その他のチャネル設定情報をチャネル設定処理部303に出力する。
ストアード設定情報保持部302は、受信部301から出力されたストアード設定関連情報を保持する。このとき、ストアード設定関連情報を保持したことを基地局に通知する必要がある場合、その旨をメッセージ作成・送信部304に通知する。また、ストアード設定情報保持部302は、保持したストアード設定情報がチャネル設定処理部303によって読み出される。
チャネル設定処理部303は、受信部301から出力されたチャネル設定情報に基づいて、チャネル設定を行う。このとき、受信部301から出力されたチャネル設定情報がストアード設定情報のインデックスの場合、チャネル設定処理部303はインデックスに対応するチャネル設定情報をストアード設定情報保持部302から取得し、取得したチャネル設定情報に基づいてチャネル設定を行う。
メッセージ作成・送信部304は、ストアード設定情報保持部302から通知された情報を含むメッセージを作成して基地局に送信する。
次に、上述した構成を有するCN、基地局及び端末の通信手順について図4を用いて説明する。ST401では、端末の電源がONとなり、ST402では、アタッチ手続き(Attach procedure)が開始され、認証及び暗号化設定などを含むセキュリティ手続きも開始される。
ST403では、アタッチ手続きの処理中にCNから基地局にストアード設定情報送信指示を与える。このストアード設定情報送信指示には、インデックス付与方法が示されている。すなわち、チャネル又はベアラとインデックスとの対応関係を通知する。例えば、SIP (Session Initiation Protocol)メッセージなどを送るIPデフォルトベアラ(IP default bearer)にはインデックス7を対応付け、Voice over IP (VoIP)を行うためのVoIPベアラにはインデックス10を対応付けて通知する。
このとき、CNの端末情報保持部103には端末のセキュリティ設定、契約情報等が保持されており、端末情報管理部102が保持された契約情報等を端末情報保持部103から取得し、取得した契約情報等をストアード設定情報処理決定部104に通知する。ストアード設定情報処理決定部104では、その契約情報等に基づいて、端末に提供されるサービスを決定し、その端末に提供されるサービスを行うためのベアラ(LTEでは、SAE radio bearerと記載)をストアード設定情報として端末に保持させることを決定する。具体的には、SIP (Session Initiation Protocol)などを送信するIPデフォルトベアラ、VoIPを行うためのVoIPベアラなどが挙げられる。端末に保持させることが決定されたストアード設定情報は、端末情報保持部103とメッセージ作成・送信部105に通知される。ここで、端末情報保持部103は通知された情報を保持し、メッセージ作成・送信部105は、端末に設定するベアラに関する情報を作成して基地局に送信する。
ST404では、基地局から端末にストアード設定情報リストを送信する。このとき、基地局のCNメッセージ受信部201がST403においてネットワークから送信された情報を受信し、受信した情報をストアード設定情報規則処理部203に出力する。ストアード設定情報規則処理部203は、取得した情報をストアード設定情報保持部205に保持させる。また、ストアード設定情報規則処理部203は取得した情報からストアード設定情報リストを作成して端末用メッセージ作成・送信部207に出力し、端末用メッセージ作成・送信部207は端末にストアード設定情報リストを含むメッセージを作成して端末に送信する。
ST405では、端末の受信部301がST404において基地局から送信されたストアード設定情報リストを受信し、受信したストアード設定情報リストをストアード設定情報保持部302に保持させる。ストアード設定情報保持部302は、ストアード設定情報リストを正常に保持した場合、その旨をメッセージ作成・送信部304に通知し、ST406では、メッセージ作成・送信部304が応答メッセージを作成して基地局に送信する。なお、ST406は省略可能である。
ST407では、端末をIdle状態に移行させるRRC Connection Modification Commandを基地局から端末に送信し、ST408では、その応答としてのRRC Connection Modification Completeを端末から基地局に返送する。
ST409では、基地局からCNにストアード設定情報送信完了通知を送信する。このとき、基地局の端末メッセージ受信部202がST406における応答メッセージを受信する。ここでは、ストアード設定関連情報であるので、受信した応答メッセージはストアード設定情報規則処理部203に出力される。ストアード設定情報規則処理部203は、応答がOKであることを確認し、端末用メッセージ作成・送信部207にストアード設定情報の送信が正常に終了したことを通知する。CN用メッセージ作成・送信部206は、ストアード設定情報の送信が正常に終了したことを通知するメッセージを作成してCNに送信する。なお、ST409は省略可能であり、また、基地局がCNからST403におけるメッセージを受信した際、その直後に応答を返すことも可能である。この場合、ST409はST403の後にST404と並列に処理されることになる。また、ST409は端末からの応答をST406の直後に送ることも可能である。
また、CNの受信部101はST409におけるメッセージを受信し、受信したメッセージを端末情報管理部102に出力する。端末情報管理部102は、ストアード設定情報として端末に送信することを決定した内容が正常に送信されたことを端末情報保持部103に通知する。
このST401〜ST409の処理によって、端末及びCNの双方においてストアード設定情報の設定がなされる。
ST410では、ST406及びST407におけるメッセージにより、端末、基地局及びCNにおいてIdle状態に移行する。
ST411では、端末が発呼する。ここでは、端末が発呼する場合を示しているが、端末が呼を受け入れる(ページング(Paging)を受ける)場合でも、Pagingを受ける動作が追加されるのみで、発呼する場合と本質的には変わらない。
ST412では、端末から基地局に端末の同期とリソース割り当てを要求するためのランダムアクセスプリアンブルを送信し、ST413では、基地局から端末に端末を同期させるためのタイミング情報(端末の送信タイミングをずらす量)、リソース割り当てを示すランダムアクセス応答を送信し、ST414では、ランダムアクセス応答で割り当てられたリソースを用いてRRC接続要求を端末から基地局に送信する。
ST415では、基地局からCNに端末を示す情報(UE ID)などを含むNASメッセージを送信する。これにより、CNは端末のストアード設定関連情報などを取得する。ここで、NASは、呼処理等を担当するコアネットワーク側の制御全体を示すノンアクセスストラタムのことである。
ST416では、基地局から端末にRRC Contention resolutionに相当するRRC Connection Modification Commandメッセージを送信する。ここで、応答メッセージを必要とするRRC Connection Modification Commandメッセージを使用しているのは、この応答メッセージによってストアード設定情報のステータス(Stored configuration status)を送信するためである。なお、ストアード設定情報のステータスを送信する必要がない場合、ST416では、RRC Contention Resolutionメッセージを送信することにより、応答メッセージの送信が不要となる。ただし、その他の情報の通知のために、常にRRC Connection Modification Commandメッセージを用いることにしてもよい。
ST417では、ST416におけるメッセージの応答としてストアード設定情報の端末の状態を示すストアード設定情報のステータスを含むRRC Connection Modification Completeを端末から基地局に送信する。このとき、端末のチャネル設定処理部303はストアード設定情報保持部302に現在の状態を確認し、ストアード設定情報のステータスをメッセージ作成・送信部304に出力する。メッセージ作成・送信部304は、ストアード設定情報のステータスを含めてメッセージを作成して基地局に送信する。基地局の端末メッセージ受信部202は、ST417におけるメッセージを受信し、受信したメッセージのうちストアード設定関連情報をストアード設定情報規則処理部203に出力する。ストアード設定情報規則処理部203は、ストアード設定関連情報をストアード設定情報保持部205に保持させ、CNから端末のストアード設定情報を受け取った際に使用する。
ST418では、ST415におけるNASメッセージの応答としてストアード設定関連情報を含むNASメッセージをCNから基地局に送信する。このとき、CNの受信部101は、ST415におけるNASメッセージを受信し、受信したNASメッセージを端末情報管理部102に出力する。端末情報管理部102は、受信した端末のID、端末のサービス要求を確認し、端末情報保持部103に端末に関する情報を出力するように通知する。端末情報保持部103は、端末の情報として、端末のセキュリティの情報、端末に許されるQoSなどの制御関連情報、保持しているストアード設定情報を端末情報管理部102に出力する。端末情報管理部102は端末情報保持部103から取得した情報に基づいて、CNと基地局間の設定及び端末と基地局間の設定に関する条件などを決定する。決定された内容と、ストアード設定情報の結果とがストアード設定情報処理決定部104に出力される。ストアード設定情報処理決定部104は、端末に送信されているストアード設定情報に問題ないことを確認し、端末情報管理部102から取得した情報をメッセージ作成・送信部105に転送する。メッセージ作成・送信部105は、CNと基地局間の設定及び端末と基地局間の設定に関するメッセージ、端末に送信されているストアード設定情報を示すメッセージ、端末に対して設定するセキュリティの情報を示すメッセージを作成して基地局に送信する。なお、これらのメッセージは全て別々である必要はなく、このうちのいくつか、または全てを一つのメッセージにまとめてもよい。ここでは、特にこれらを区別せず全て一つのメッセージとしてST418において送信している。
ST419では、基地局は端末とCNにそれぞれ保持されている情報が同じであるか否かを確認し、端末に対する設定を決定する。ST420では、ストアード設定情報を用いたチャネル設定、セキュリティ設定を基地局から端末に対して行い、ST421では、端末は、ストアード設定情報を用いてチャネル設定を行い、応答メッセージを基地局に送信する。このとき、基地局のCNメッセージ受信部201は、ST418におけるメッセージを受信する。ここで、受信したメッセージのうち、基地局と端末のチャネル設定に関する情報、セキュリティに関する情報は、チャネル設定処理部204に出力される。また、ストアード設定関連情報は、ストアード設定情報規則処理部203に出力される。
そして、ストアード設定情報規則処理部203は、取得したストアード設定関連情報を保持すると共に、取得したストアード設定関連情報と端末が保持している情報と同じか否かをストアード設定情報保持部205に確認する。この確認には、ST417において送信された情報が用いられる。この確認の結果、取得したストアード設定関連情報と端末が保持している情報とが同じである場合には、ストアード設定情報が用いられる。逆に、異なる場合には、ストアード設定情報が使えないため、セキュリティ設定とチャネル設定とに別々のメッセージを用いる必要がある。チャネル設定処理部204は、取得した情報に基づいて端末に設定する内容を決定する。また、チャネル設定処理部204は、決定した設定に該当するストアード設定情報が端末に保持されているか否かをストアード設定情報規則処理部203に確認する。
ストアード設定情報規則処理部203は、該当するストアード設定情報が端末に保持されている場合には、インデックスをチャネル設定処理部204に返送し、保持されていない場合には、その旨をチャネル設定処理部204に通知する。チャネル設定処理部204は、ストアード設定情報規則処理部203からインデックスを取得した場合には、インデックスを用いて設定することができるため、セキュリティ設定とチャネル設定とを同時に行うと決定する。一方、ストアード設定情報規則処理部203から該当するストアード設定情報が端末に保持されていない旨通知された場合には、セキュリティ設定とチャネル設定とに別々のメッセージを用いることを決定する。チャネル設定処理部204は決定した内容を端末用メッセージ作成・送信部207に通知する。ここでは、ストアード設定情報が使用できる場合について説明する。チャネル設定処理部204は、セキュリティ設定とチャネル設定とを一つのメッセージで設定できると判断しているため、端末用メッセージ作成・送信部207はチャネル設定をストアード設定情報のインデックスを用いて行い、セキュリティ設定を行うような一つのメッセージを作成し、ST420において送信する。
端末の受信部301は、ST420におけるメッセージを受信し、受信したメッセージをチャネル設定処理部303に出力する。チャネル設定処理部303は、受信したストアード設定情報のインデックスをストアード設定情報保持部302に出力し、該当する設定をストアード設定情報保持部302から取得する。そして、同時に受信したセキュリティ設定と共にチャネル設定を行う。これらの結果、正常に終了すれば、チャネル設定処理部303はメッセージ作成・送信部304に正常終了を通知する。これにより、メッセージ作成・送信部304は、ST420におけるメッセージに対する応答メッセージを作成してST421において基地局に送信する。
このように実施の形態1によれば、アタッチ時に端末毎に異なるインデックス付与方法によるストアード設定情報を基地局から端末にセキュリティを設定して送信しておき、呼接続時に端末から送信されたストアード設定情報のステータスとストアード設定情報リストとを確認し、CN、基地局及び端末において共通のストアード設定情報が保持されていることを条件に基地局から端末にインデックスを送信することにより、呼接続時にセキュリティ設定とデータ用チャネル設定とを同時に行う場合でも、遅延を削減することができると共に、セキュリティを確保することができるので、他ユーザにデータ用チャネル設定が漏れることを防止することができる。
なお、アタッチ時にストアード設定情報を送信する方法は、本実施の形態に示したように、アタッチ手続き完了後に行う方法でもよいし、アタッチ手続き中に行う方法でもよい。また、アタッチ手続き以外の、端末の位置登録手続きであるTracking area update procedureにて行うことも考えられるし、その他の方法も考えられる。図5に位置登録手続きの様子を示す。ここで、図5が図4と異なる点は、ST402をST425に変更した点であり、ST425では、アタッチ手続きに代えて位置登録手続きを行っている。
なお、本実施の形態では、CNが基地局にインデックス付与方法を指示する場合について説明したが、これに限らず、基地局が独自にインデックスを付与してもよい。具体的には、図6に示すように、ST431において、CNから基地局にストアード設定情報の実施のみを指示し、基地局は自在にインデックスを付与する。ST432では、基地局が付与したインデックスのリスト、すなわち、ストアード設定情報リストをCNに返送する。これにより、CNの処理負荷を軽減することができる。ちなみに、ST432においてCNに送信される情報は、CNが単に端末に関する情報として保持するだけでもよい。また、このとき、CNは端末に保持させる情報を決定しないため、図7に示すように、CNは簡易な構成とすることができる。なお、基地局では、端末に対するストアード設定情報の設定指示をCNメッセージ受信部201経由でストアード設定情報規則処理部203が受け取り、ストアード設定情報規則処理部203が端末に設定する情報を決定する。
また、本実施の形態では、図4に示したST417におけるメッセージにストアード設定情報のステータスを含めて端末から基地局に送信するものとして説明したが、ストアード設定情報のステータスをST414のメッセージに含めてもよいし、端末とCNの状態は基本的に一致していると考えることができるため、ストアード設定情報のステータスの送信を省略することも考えられる。なお、ST414のメッセージにストアード設定情報のステータスを含める場合には、その情報をST415で通知し、CNにて判定することも考えられる。
また、本実施の形態では、CNから端末に保持させるサービス関連情報を送信するものとして説明したが、サービス関連情報の送信と共に端末が許容するQoS関連情報を送信してもよい。これにより、基地局は端末毎に異なるチャネル設定をQoSに合わせて決定できる。この結果、端末にあった内容が、端末、CN双方にストアード設定情報として保持されることになる。
また、端末にストアード設定情報として保持させる情報がかなり少なく(例えば、一つ)限られている場合には、実際にそのチャネル設定でチャネルを張ってしまうことも考えられる。その際の動作を図8に示す。ここで、ST441にてチャネル設定の要求がCNから基地局に送られ、その要求に応じてST442にて端末に対してチャネル設定が行われている。この際に、そのチャネル設定を示すインデックスも通知されている。端末としてはこれらの内容を保持する(ST443)。その後、ST444、ST445のように応答が送られる。アタッチ後に使用するチャネル設定が一つしかないような場合にはこのような動作も可能である。
なお、本実施の形態では、従来のストアード設定情報と同様にチャネル設定のみをストアード設定情報として扱った。しかしながら、端末に対してチャネル設定と同時に通知したい情報に関しては、チャネル設定以外でもストアード設定情報として扱うことが可能である。具体的には、端末に設定する測定設定(メジャメント コンフィギュレーション: Measurement configuration)、基地局の対応機能(ケイパビリティ:capability)などが考えられる。これを実現するために、ストアード設定情報の一つのインデックスが測定設定、または基地局の対応機能のみを指定できるように規定してもよいし、一つのインデックスがチャネル設定に合わせて測定設定、または基地局の対応機能の組み合わせを通知するようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、端末が基地局に対して通知する端末のストアード設定情報の状態に関して詳しく言及していないが、通常のプリコンフィギュレーションにて使用されている、バージョンを示すタグ(16値)を使用することが一般的に考えられる。また、その他の方法として、端末に設定されている情報を一定のルールなどに基づいてハッシュ(Hash)値を用いることなども考えられる。また、その他の方法として、端末とネットワーク側とでお互いに保持している情報(例えば、端末のID(IMSI又はS-TMSI)、セキュリティで使用する鍵の情報、基地局のID等)を用いてどのサービスに対してどのインデックスを使用するかの決定をルール化しておいてもよい。具体的には、図5に記載のデフォルトIPベアラのインデックスが7ということが、端末とネットワーク側とでお互いに保持している情報を用いて一意に決まるようなルールにしておくことが考えられる。これにより、端末に設定した情報がずれなくなると考えられる。
また、本実施の形態では、最初に端末に対してストアード設定情報を通知する動作のみを示したが、その情報を更新することも考えられる。具体的には、通常のチャネル再設定の際に、いままで使用していたインデックスを通知することにより、そのインデックスが再設定されたチャネル設定の内容を有するようにすることも考えられるし、別途更新情報として端末に通知することも考えられる。また、セキュリティを考慮して、呼設定・または解放時(毎回、もしくは何度かに一度)に情報を更新する、位置登録手続き等の特別なイベント(event)時に情報を更新することが考えられる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る基地局の構成について図9を用いて説明する。図9が図2と異なる点は、チャネル設定処理部204をチャネル設定処理部251に変更し、プリデファインド設定情報保持部252を追加した点である。
プリデファインド設定情報とは、複数の呼接続の設定情報と複数のインデックスを対応付けた情報で、基地局が動的に変更可能な情報である。動的に変更されるため、プリデファインド設定情報は、報知チャネル(Broadcast Channel)を通じて、報知情報として基地局から送信される。デフォルト設定情報とは、複数の呼接続の設定情報と複数のインデックスを対応付けた情報で、動的には変更されないため、報知情報として送信する必要はない。
チャネル設定処理部251は、チャネル設定時には、CNメッセージ受信部201から出力されたメッセージからチャネル設定を決定し、それに該当するプリデファインド設定情報及びデフォルト設定情報をプリデファインド設定情報保持部252から取得する。また、プリデファインド設定情報を報知する際には、プリデファインド設定情報保持部252よりプリデファインド設定情報を受信し、端末用メッセージ作成・送信部207に出力する。
プリデファインド設定情報保持部252は、チャネル設定時には、チャネル設定処理部251から要求されたチャネル設定に該当するプリデファインド設定情報及びデフォルト設定情報のインデックスを選択し、チャネル設定処理部251に応答する。また、プリデファインド設定情報を報知する際には、プリデファインド設定情報のリストをチャネル設定処理部251に通知する。
本発明の実施の形態2に係る端末の構成について図10を用いて説明する。図10が図3と異なる点は、受信部301を受信部351に変更し、ストアード設定情報保持部302をストアード設定情報保持部352に変更し、プリデファインド設定情報保持部353を追加した点である。
受信部351は、基地局から報知情報によって送信されたプリデファインド設定情報を受信し、受信したプリデファインド設定情報をプリデファインド設定情報保持部353に出力する。
ストアード設定情報保持部352は、受信部351から出力されたストアード設定情報のインデックスに対応するプリデファインド設定情報のインデックスを検出し、検出したプリデファインド設定情報のインデックスに対応するチャネル設定情報をプリデファインド設定情報保持部353から取得し、取得したチャネル設定情報をチャネル設定処理部303に出力する。
プリデファインド設定情報保持部353は、受信部351から出力されたプリデファインド設定情報を保持し、ストアード設定情報保持部352から出力されたインデックスに該当する情報をストアード設定情報保持部352に返送する。
次に、図9に示した構成を有する基地局、図10に示した構成を有する端末、及び、CNの通信手順について図11を用いて説明する。ST451では、端末の電源がONとなり、ST452では、基地局から端末にプリデファインド設定情報を含む報知情報を送信し、ST453では、端末が基地局から送信されたプリデファインド設定情報を受信して保持する。
ST454では、アタッチ手続きが開始され、認証手続きも開始される。
ST455では、アタッチ手続きの処理中にCNから基地局にストアード設定情報送信指示を与える。このストアード設定情報送信指示には、プリデファインド設定情報のインデックス、デフォルト設定情報のインデックスをストアード設定情報ではどのように扱うかが示されている。例えば、プリデファインド設定情報のインデックス5で示される設定をストアード設定情報のインデックス1として扱い、デフォルト設定情報のインデックス3で示される設定をストアード設定情報のインデックス2として扱うなどである。
ST456では、基地局のCNメッセージ受信部201がST455におけるCNからのメッセージを受信し、受信したメッセージがストアード設定関連情報であることから、ストアード設定情報規則処理部203に出力する。ストアード設定情報規則処理部203は、受信したメッセージの指示通り設定することを決定する。
ST457では、基地局の端末用メッセージ作成・送信部207から端末にST456において決定した設定を送信し、ST458では、端末の受信部351がST457において基地局から送信された設定を受信し、受信した設定をストアード設定情報保持部352に出力する。
このような処理手順により、プリデファインド設定情報は、端末では報知情報によって受信されるため、基地局毎にプリデファインド設定情報の設定が異なる可能性がある。そのため、異なる基地局で設定された内容は無効となってしまう。よって、ここでは、セル毎に異なる設定のプリデファインド設定情報をストアード設定情報を用いて設定することにより、セル毎に異なる設定をセキュアに通知することができる。
また、ストアード設定情報を多く保持させると、端末、CNの複雑性が増加するが、このようにプリデファインド設定情報とデフォルト設定情報を利用することにより、端末、CNが保持する情報を削減することができる。なお、ST459〜ST465は、実施の形態1の図4に示したST406〜ST410に準ずるので、詳細な説明は省略する。
このように実施の形態2によれば、セル毎に異なる設定をプリデファインド設定情報を用いて端末に報知し、プリデファインド設定情報のインデックスをストアード設定情報のインデックスに対応付けて送信することにより、セル毎に異なる設定もセキュリティを確保することができる。
なお、本実施の形態では、ストアード設定情報によって送信される内容が全てプリデファインド設定情報、デフォルト設定情報である場合について示したが、それに加えてストアード設定情報として独自の設定をすることも可能である。
また、本実施の形態においても、実施の形態1の図6に示した通り、CNで設定を決めるのではなく、基地局にて設定を決めてもよい。さらに、端末にて設定を決定することも考えられる。
また、本実施の形態においても、アタッチ以外の手続きを用いてストアード設定情報を設定することも可能である。
また、本実施の形態において、ストアード設定情報として設定する内容がプリデファインド設定情報、デフォルト設定情報のインデックスの情報のみであるような場合には、ネットワーク側と端末側とでそれぞれどのようにインデックスの設定を行うかさえ決めておけば、設定動作自体を避けることも考えられる。具体的には、端末とネットワーク側とでお互いに保持している情報(例えば、端末のID(IMSI又はS-TMSI)、セキュリティで使用する鍵の情報、基地局のID等)のうち、端末とネットワーク側以外は知らないような情報(例えば、セキュリティで使用する鍵の情報)を用いてどのサービスに対してどのインデックスを使用するかが決まるようにルール化しておけば、端末とネットワーク側とで設定をおのおの決定することが可能となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る基地局の構成について図12を用いて説明する。図12が図2と異なる点は、チャネル設定処理部204をチャネル設定処理部271に変更した点である。
チャネル設定処理部271は、CNメッセージ受信部201及び端末メッセージ受信部202から出力されたメッセージに基づいて、ストアード設定情報を用いた設定が行えない内容について別途設定することを決定し、その旨を端末用メッセージ作成・送信部207に通知する。
本発明の実施の形態3に係る端末の構成について図13を用いて説明する。図13が図3と異なる点は、チャネル設定処理部303をチャネル設定処理部371に変更した点である。
チャネル設定処理部371は、受信部301から出力されたメッセージに基づいて、ストアード設定情報を用いた設定が行えない内容については基地局からの指示に従って設定し、ストアード設定情報で設定された内容についてはそのインデックスに従って設定する。
次に、図12に示した構成を有する基地局、図13に示した構成を有する端末、及び、CNの通信手順について図14を用いて説明する。ST471では、CNから基地局にストアード設定情報を含むNASメッセージを送信する。ただし、このストアード設定情報には、チャネル設定に必要な情報が全て含まれるわけでなく、その一部が含まれているに過ぎない。
基地局のチャネル設定処理部271では、ST471においてCNから送信されたストアード設定情報を用いて設定できず、かつ、チャネル設定に必要な情報を端末に同一のメッセージで端末に通知することを決定し、ST472において端末用メッセージ作成・送信部207から端末に送信する。
端末では、ストアード設定情報のインデックスによって通知された情報に加え、別途設定された内容に基づいて、端末の設定を決め、ST472におけるメッセージの応答としてST473においてRRC Connection Modification Completeを端末から基地局に送信する。
このように実施の形態3によれば、ストアード設定情報として端末に設定する情報をセキュアに送信する必要がある情報に限定し、それ以外の情報は暗号化することなく送信することにより、端末、CNにおいてストアード設定情報として保持する情報を削減することができる。
なお、ストアード設定情報としては、端末毎に異なるQoS情報、オペレータ毎に固有なDRX値などが考えられるが、その他のものでもよい。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る基地局の構成について図15を用いて説明する。図15が図9と異なる点は、チャネル設定処理部251をチャネル設定処理部291に変更した点である。
チャネル設定処理部291は、CNメッセージ受信部201及び端末メッセージ受信部202から出力されたメッセージに基づいて、ストアード設定情報とプリデファインド設定情報、又は、ストアード設定情報とデフォルト設定情報を同時に使用してチャネル設定を行う。
本発明の実施の形態4に係る端末の構成について図16を用いて説明する。図16が図10と異なる点は、プリデファインド設定情報保持部353をプリデファインド設定情報保持部391に変更し、チャネル設定処理部303をチャネル設定処理部392に変更した点である。
プリデファインド設定情報保持部391は、受信部351から出力されたメッセージに含まれるプリデファインド設定情報及びデフォルト設定情報を保持し、保持したプリデファインド設定情報及びデフォルト設定情報をチャネル設定処理部392に出力する。ここで、ストアード設定情報によって設定される内容としては、端末毎に固有であり、かつ、ネットワーク内で変更されないQoS関連情報が考えられ、また、プリデファインド設定情報によって設定される内容としては、PhyCH(物理チャネル)設定など基地局毎に固有であり、端末間で共通な情報が考えられる。
チャネル設定処理部392は、受信部351から出力されたメッセージに含まれるインデックスに従って、ストアード設定情報保持部352及びプリデファインド設定情報保持部391から該当するチャネル設定情報を取得し、チャネル設定を行う。
次に、図15に示した構成を有する基地局、図16に示した構成を有する端末、及び、CNの通信手順について図17を用いて説明する。ST481では、アタッチ手続きが開始され、認証手続きも開始される。
ST482では、基地局から端末にストアード設定情報リストを送信し、ST483では、端末がST482において基地局から送信されたストアード設定情報リストを保持する。
ST484では、基地局から端末にプリデファインド設定情報リストを含む報知情報を送信し、ST485では、端末が基地局から送信されたプリデファインド設定情報リストを受信して保持する。
ST486では、呼接続手続き(Call setup procedure)が行われ、ST487では、基地局からストアード設定情報のインデックス、プリデファインド設定情報のインデックス(又はデフォルト設定情報のインデックス)を端末に送信する。
このように実施の形態4によれば、ストアード設定情報によって設定する内容と、プリデファインド設定情報によって設定する内容とを分けて、それぞれのインデックスを用いることにより、端末、CNにおいてストアード設定情報として保持する情報を削減することができると共に、セル毎に異なる設定もセキュリティを確保することができる。
なお、ストアード設定情報によって設定する内容と、プリデファインド設定情報によって設定する内容とを完全に分けておいてもよいし、ストアード設定情報とプリデファインド設定情報とのいずれにも設定可能であれば、優先順位を付して両方に設定してもよい。また、これらのいずれにも設定できない場合には、実施の形態3において示したように追加して設定するようにしてもよい。
また、ストアード設定情報によって設定する内容としては、QoS情報などのユーザに個別の情報、サービスそのものに関する情報などセル間で共通の情報が挙げられる。また、プリデファインド設定情報によって設定する内容としては、無線チャネルの設定などのユーザ間で共通の情報、セル間で異なる情報が挙げられる。このような設定内容の区分けは、スペックにて規定されていてもよいし、オペレータの運用によって規定されていてもよい。
なお、上記各実施の形態では、具体的なプロトコルを挙げて説明しているが、本発明はこれに限らず、他のプロトコルであってもよい。具体的には、NASメッセージが、基地局とCNとの間の制御プロトコルとして3GPPにおいて議論されているS1プロトコルのメッセージであってもよいし、NASメッセージとS1プロトコルメッセージの両方であってもよい。
また、上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。