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JP5369716B2 - 高炉炉体冷却構造 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉の炉体を冷却するための高炉炉体冷却構造に関するものである。
高炉の炉体は、特に炉底部が高温に晒されるため、炉体を構成する耐火レンガなどの耐火物が損耗しやすい。そこで、炉体には、一般にステーブクーラと呼ばれる冷却配管を炉体内部に配設して炉体を冷却する。下記特許文献1では、羽口より上側と下側とでステーブクーラの材質を変更し、冷却効率に優れる一方、高価銅製ステーブクーラの使用量を低減している。
特開2008−101233号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載される高炉炉体冷却構造に代表されるように、従来の高炉炉体冷却構造は、冷却配管が鉄皮の内側に配設されているため、建設そのものが複雑でコスト高であるばかりでなく、例えば炉壁を構成する耐火レンガなどの耐火物が熱によって損耗すると、冷却配管が高温に晒され、損耗して冷却液が漏れてしまう。そして、従来の高炉炉体冷却構造では、このように冷却配管が損耗しても、強度材である鉄皮を外すことができない関係から、冷却配管そのものを交換することが困難であるという問題が存在している。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、建築コストが安く、冷却配管の損耗を抑制し、仮に冷却配管が損耗しても補修しやすい高炉炉体冷却構造を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の高炉炉体冷却構造は、高炉の炉内を覆う内側耐火物層と、前記内側耐火物層の外側を覆う鉄皮と、前記鉄皮の外側に配設された冷却配管と、前記鉄皮の外側を覆い且つ前記冷却配管を内包する外側耐火物層と、前記外側耐火物層を覆うケーシング層とを備えたことを特徴とするものである。
また、前記外側耐火物層の熱伝導率が、内側耐火物層の熱伝導率よりも高いことを特徴とするものである。
而して、本発明の高炉炉体冷却構造によれば、冷却配管は鉄皮の外側にあるので、建設が容易でコストも安く、冷却配管が損耗しにくく、仮に冷却配管が損耗しても鉄皮を外す必要のないことから補修しやすい。
また、外側耐火物層の熱伝導率を内側耐火物層の熱伝導率より高くすることで、冷却配管による冷却効率を確保することができる。即ち、外側耐火層は、熱伝導率が高い材質とすることで、冷却配管による冷却効率を確保することができる。
本発明の高炉炉体冷却構造が適用された高炉の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の高炉炉体に設けられた冷却構造の断面図であり、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
次に、本発明の高炉炉体冷却構造の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の高炉炉体冷却構造が施された高炉の全体図である。本実施形態の高炉炉体冷却構造は、羽口よりも上方のA部、羽口近傍のB部、出銑口近傍の炉底C部を含む如何なる箇所にも適用可能である。また、特に損耗の激しい炉底C部のみ、とかC部とB部に適用など、種々の形態で適用することができる。
図2は、図1の高炉炉体冷却構造の断面図であり、何れも図の右方が炉外、左方が炉内である。図中の符号1は、炉内を覆う内側耐火物層であり、既存の高炉と同様に、耐火レンガなどで構成される。図中の符号2は、内側耐火物層1を覆う鉄皮である。この鉄皮2は、従来の鉄皮と同様に、高炉の強度材であり、高炉の強度を担うものである。図中の符号3は、鉄皮2の外側に配設された冷却配管であり、本実施形態では上下方向に長手にして、鉄皮2、即ち高炉の円周方向に沿って複数の管路を配設した。勿論、管路の内部には冷却液を供給して鉄皮2越しに内側耐火物層1を冷却する。従来、鉄皮を介して冷却するのは冷却効率が悪いと考えられていたが、鉄皮は熱伝導率も熱伝達率も高い鉄製であるから、鉄皮の外側から冷却しても冷却効率は高い。
図中の符号4は、鉄皮2を覆い且つ冷却配管3を内包する外側耐火物層である。この外側耐火物層4は、例えばカーボン系の不定形材のように、内側耐火物層1を構成する耐火レンガなどよりも熱伝導率の高いものを用いる。図中の符号5は、前記外側耐火物層4を覆うケーシング層である。このケーシング層5は、例えば薄鉄板などで構成され、外側耐火物層4を保持する。
このような構成を有する本実施形態の高炉炉体冷却構造では、前述したように、冷却配管3によって鉄皮2の外側から冷却するが、鉄皮2は熱伝導率も熱伝達率も高く、外側耐火物層4も熱伝導率の高いため、内側耐火物層1の冷却効率は高い。例えば、前記特許文献1に見られるように、鉄皮の内側に冷却配管を配設する場合であっても、内側耐火物が損耗したときに、冷却配管が炉内高温物質に晒されないように、冷却配管を鉄皮のすぐ内側に配設するのが通例であり、本実施形態の冷却配管による冷却効率と大差ない。また、冷却配管3は、鉄皮2の外側にあるため、仮に内側耐火物層1が損耗しても、冷却配管3が炉内の高温物質に直接晒されることはなく、その分だけ、冷却配管3の損耗を抑制することができ、鉄皮内側冷却配管からの冷却液漏れに伴う腐食も回避でき、冷却能力維持も可能となる。また、冷却配管3の高温物質に晒される損耗は少なくても、熱収縮による亀裂や腐食といった損耗は考えられる。本実施形態では、冷却配管3が鉄皮2の外側にあるため、冷却配管3が損耗したときの補修も容易である。例えば、損耗或いは損傷部分が生じたときは、ケーシング層5である薄鉄板を切断し、冷却配管3などを補修し、外側耐火物層4を形成するカーボン系の耐火物を圧入或いは流し込み又はスタンプすることにより充填して元通りケーシング層5を形成することで補修することができ、内部には鉄皮2が存在するため、補修の間も、高炉操業に影響がない。
また、鉄皮2の外側に冷却配管3を配設する本実施形態の高炉炉体冷却構造は、そもそもの建設コストが安い。例えば、前記特許文献1に見られるように、鉄皮の内側に冷却配管を配設する場合、鉄皮を通して冷却配管に冷却液を供給する必要があり、そのやりとりの際に冷却液が漏れないように、鉄皮と冷却液供給管とを溶接するなどの必要があり、その分だけ、建設コストが高い。これに対し、鉄皮2の外側に冷却配管3を配設する本実施形態では、鉄皮越しの冷却液のやりとりが必要ないので、その分だけ、大幅に建設コストを低廉化することができる。
このように本実施形態の高炉炉体冷却構造では、冷却配管3は鉄皮2の外側にあるので、建設が容易でコストも安く、冷却配管3が損耗しにくく、仮に冷却配管3が損耗しても鉄皮2を外す必要のないことから補修しやすい。また、外側耐火物層4の熱伝導率を内側耐火物層1の熱伝導率より高くすることで、冷却配管3による冷却効率を確保することができる。
1は内側耐火物層、2は鉄皮、3は冷却配管、4は外側耐火物層、5はケーシング層

Claims (2)

  1. 高炉の炉内を覆う内側耐火物層と、前記内側耐火物層の外側を覆う鉄皮と、前記鉄皮の外側に配設された冷却配管と、前記鉄皮の外側を覆い且つ前記冷却配管を内包する外側耐火物層と、前記外側耐火物層を覆うケーシング層とを備えたことを特徴とする高炉炉体冷却構造。
  2. 前記外側耐火物層の熱伝導率が、内側耐火物層の熱伝導率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の高炉炉体冷却構造。
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