JP5365849B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
特許文献1では、ステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムチューブと、トルクセンサを収容するセンサハウジングと、減速機構を収容するギヤハウジングとを、互いに別体で形成することが提案されている。
また、電動パワーステアリング装置は、車両の限られたスペースに配置されるため、ステアリングシャフトの軸方向に関して小型化の要請がある。
そこで、この発明の目的は、安価で小型の電動パワーステアリング装置を提供することである。
請求項3の発明によれば、逃げ部によって、ウォームの周面と第1の対向部との干渉の発生を防止しつつ、ウォームホイールの端面と第2の対向部との距離を短くすることができる。ステアリングシャフトの軸方向に関してより一層小型の電動パワーステアリング装置を実現することができる。
図1は、本発明の一実施の形態の電動パワーステアリング装置の概略構成の模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置(EPS:Electric Power Steering System)1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン8に噛み合うラック9を有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸10とを有している。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸17と、ピニオン軸7に連なる出力軸18とに分割されている。これら入力軸17および出力軸18はトーションバー19を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸17に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー19が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸17および出力軸18が相対回転するようになっている。
ウォーム26は、電動モータ23の出力軸(図示せず)と同心に配置されており、電動モータ23により回転駆動される。
また、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングシャフト3を回転可能に支持するステアリングコラム28を有している。ステアリングコラム28は、第1および第2のブラケット29,30を介して、車体12に支持されている。
コラムチューブ31は、軸方向A1に関するステアリングコラム28の上部および中間部を構成している。コラムチューブ31は、金属、例えば、鋼により形成されている。コラムチューブ31は、ステアリングシャフト3を回転可能に支持している。コラムチューブ31は、車体12に第1のブラケット29を介して保持され、具体的には、固定されている。
コラムチューブ31の上部33は、軸方向A1に真直に延びる筒状をなしている。
センサハウジング34は、軸方向A1に関する当該センサハウジング34の上部を構成し相対的に小径の第1の筒部341と、軸方向A1に関する当該センサハウジング34の下部を構成し第1の筒部341よりも大径の第2の筒部342と、第1の筒部341および第2の筒部342を互いに接続する接続部343とを含んでいる。第1の筒部341と第2の筒部342と接続部343とは、互いに一体に単一材料により形成されている。
ギヤハウジング32は、軸方向A1に関するステアリングコラム28の下部を構成している。ギヤハウジング32は、車体12に第2のブラケット30を介して支持されている。ギヤハウジング32は、電動モータ23を支持している。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングシャフト3の入力軸17の軸方向上部を回転可能に支持する軸受39を有している。この軸受39は、ステアリングコラム28のコラムチューブ31の上端部に保持されている。
上軸受40および下軸受41は、軸方向A1に関してウォームホイール27を挟んだ両側に配置されている。上軸受40は、軸方向A1に関して相対的に上方に配置されており、上ハウジング36に保持されている。下軸受41は、軸方向A1に関して相対的に下方に配置されており、下ハウジング37に保持されている。
図3は、図2の要部の拡大図である。図3を参照して、上軸受40および下軸受41は、転がり軸受であり、また密封軸受としてのシール軸受である。上軸受40は、内輪43と、外輪44と、転動体としての複数の玉45とを有している。下軸受41は、内輪47と、外輪48と、転動体としての複数の玉49とを有している。
なお、図2および図3において、第1の筒状部分62の中心軸線は、紙面垂直方向に延びている。また、第2の筒状部分63と、連結部64と、ステアリングシャフト3とは、互いに同心に配置されている。
内筒67および外筒68は、互いに同心に配置されている。外筒68が、下ハウジング37の上部の連結部64の内周65に圧入されている。また、内筒67が、センサハウジング34の第2の筒部342の内周94に圧入されている。外筒68の外周681は、当該外筒68の圧入を案内するための面取り部682を有している。
第1および第2の逃げ部73,74は、軸方向A1に関して第2の対向部72よりも窪んでいる。第1の逃げ部73は、相対的に径方向の内方に配置され、第2の逃げ部74は、相対的に径方向の外方に配置されている。
第2の逃げ部74は、軸方向A1に対して垂直に形成され、軸方向A1に関して第1の逃げ部73よりも窪んでいる。第2の逃げ部74は、環状平面の一部により形成されている。従って、第2の逃げ部74の形成が容易である。
位置決め面76と第2の逃げ部74とは、周方向に並んでおり、全体として、単一の環状平面を形成している。これにより、第2の逃げ部74と位置決め面76とを形成するための手間を削減できる。
上ハウジング36の内筒67が、上軸受40を介してステアリングシャフト3を回転可能に支持している。具体的には、内筒67が、センサハウジング34の第2の筒部342の内周94に圧入されることにより、内筒67が縮径されている。その結果、上軸受40の外輪44が内筒67によって、径方向隙間がない状態(タイトフィット)で保持されている。また、センサハウジング34の第2の筒部342の下端77が、連結壁69の環状平面691に当接している。
本体81は、外周83と、軸方向A1に関する両側に形成された端面84,85とを有している。配線82は、本体81の外周83の一部から径方向外方へ延びている。本体81の外周83は、円筒面により形成された円筒部分831と、この円筒部分831よりも径方向外方に突出する複数の突起832と、面取り部833とを含んでいる。
円筒部分831の直径は、センサハウジング34の第1の筒部341の内周90の内径と等しい値よりもわずかに小さい値にされている。
複数の突起832は、センサハウジング34の周方向に互いに離隔して配置されている。各突起832は、第1の筒部341の内周90に当接し、径方向に圧縮されている。これにより、トルクセンサ20の本体81を、センサハウジング34の内周90に、小さな締めしろで、且つ軽い力で圧入させることができる。
なお、受け部としては、図示しないが、内周90に設けられた段部であってもよい。また、受け部としては、内周90に単一材料で一体に形成されていてもよいし、内周90に固定されていてもよい。
センサハウジング34の第1の筒部341を鋼により形成したので、アルミニウム合金により形成した場合と比較して、材料コストを低減できる。これに加えて、トルクセンサ20の耐磁界性を向上させることができる。すなわち、外部からのノイズがトルクセンサ20へ及ぼす影響を抑制できる。ひいては、トルクセンサ20において、磁気シールドするためのシールド板を廃止したり、簡素化したりすることができる。
第2の筒部342は、コラムチューブ31の下端部に配置されており、環状をなし、開口93を有している。第2の筒部342は、内周94を有している。この内周94は、第1の筒部341の内周90よりも大径に形成されている。また、本実施形態では、第2の筒部342の内周94は、第1の筒部341の外周の直径と等しい直径で形成されているか、またはこの直径よりも大径に形成されている。また、第2の筒部342の外周は、第1の筒部341の外周よりも大径に形成されている。
図3を参照して、センサハウジング34の第2の筒部342の内周94に、ギヤハウジング32の上ハウジング36の内筒67の外周が圧入されている。第2の筒部342の下端77は、上ハウジング36の連結壁69の環状平面691に当接している。これにより、センサハウジング34の軸方向A2に関して、上ハウジング36とセンサハウジング34とが互いに位置決めされている。
図3および図5を参照して、内筒67の端部95は、内筒67の内周から径方向内方に延設され軸方向A1に弾性部材96を受ける部分951と、上ハウジング36の径方向に弾性部材96を位置決めする部分952とを有している。
また、軸方向A1に関して、上述の距離L1は、上ハウジング36の内筒67の端部95の部分952と連結壁69の環状平面691との距離L5と、上述の距離L3との和よりも大きくされている(L1>(L5+L3))。
図5を参照して、本電動パワーステアリング装置1は、例えば、以下の手順で組み立てることができる。先ず、第1の部分組立品101が組み立てられる。第1の部分組立品101は、ステアリングシャフト3、減速機構24、下ハウジング37、上軸受40、下軸受41、磁気回路形成部材80等を有している。第1の部分組立品101には、コラムチューブ31、トルクセンサ20、および上ハウジング36は組み付けられていない。また、上ハウジング36に、弾性部材96が取り付けられ、固定される。
図5および図6を参照して、また、センサハウジング34に、トルクセンサ20を組み付ける。これにより第3の部分組立品103を得る。第3の部分組立品103は、センサハウジング34と、トルクセンサ20とを有している。
図3および図6を参照して、具体的には、センサハウジング34の第2の筒部342の内周94に、内筒67の外周を圧入する。これにより、内筒67が縮径する。その結果、内筒67の内周と上軸受40の外輪44の外周とが、隙間のない状態で嵌合する。これにより、上ハウジング36、下ハウジング37、および上軸受40の中心位置同士を互いに同心に位置決めできるので、上軸受40および下軸受41の中心位置同士の位置ずれ量を小さく抑制できる。従って、中心位置同士の位置ずれに起因した異音の発生を抑制できる。また、例えば、組立時に、センサハウジング34への圧入により縮径する前の内筒67に、上軸受40を容易に取り付けることが可能となる。その結果、製造コストをより一層安価にできる。
図3を参照して、以上説明したように、センサハウジング34が、コラムチューブ31の下部を拡径することにより構成されているので、センサハウジング34とコラムチューブ31とを一体化できる。その結果、部品点数を削減でき、製造コストを低減できる。これに加えて、センサハウジング34の第2の筒部342を第1の筒部341よりも大径にしたので、第2の筒部342と上ハウジング36の内筒67との接触面積を確保しつつ、センサハウジング34の軸方向A2に関して第2の筒部342を短くすることができる。従って、安価でステアリングシャフト3の軸方向A1に関して小型の電動パワーステアリング装置1を実現することができる。
例えば、上述の逃げ部としては、上述の実施形態のように第1および第2の逃げ部73,74の両方がある場合の他、何れか一方がある場合が考えられる。すなわち、第1の逃げ部73に代えて、第2の逃げ部74を径方向内方に延長してもよい。また、第2の逃げ部74に代えて、第1の逃げ部73を径方向外方に延長してもよい。
Claims (3)
- 操舵部材に連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持し、車体に保持されるコラムチューブと、
上記コラムチューブの下部を拡径して構成された筒状のセンサハウジングと、
上記センサハウジング内に収容され、操舵トルクを検出するトルクセンサと、
操舵補助用の電動モータの回転を上記ステアリングシャフトに伝達する、ウォームおよびウォームホイールを含む減速機構と、
上記減速機構を収容するギヤハウジングと、
上記ウォームホイールを挟んだ上下に配置され、上記ステアリングシャフトを回転可能に支持する上軸受および下軸受と、を備え、
上記ギヤハウジングは、上記下軸受を介して上記ステアリングシャフトを回転可能に支持する筒状の下ハウジングと、上ハウジングとを含み、
上記上ハウジングは、内筒と、外筒と、上記内筒および上記外筒間を連結する環状の連結壁とを有し、
上記外筒が、上記下ハウジングの上部の内周に圧入され、
上記内筒が、上記上軸受を介して上記ステアリングシャフトを回転可能に支持し、
上記センサハウジングは、上記トルクセンサが嵌合された内周を有する第1の筒部と、上記コラムチューブの下端部に設けられ上記第1の筒部よりも大径の第2の筒部とを含み、
上記第2の筒部の内周に、上記上ハウジングの上記内筒が圧入され、これにより、上記内筒が縮径していることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項1において、
上記トルクセンサは、上記センサハウジングの上記第1の筒部の上記内周に嵌合した環状の本体を含み、
上記トルクセンサの上記本体と上記上ハウジングの上記内筒との間に介在し、弾性的に圧縮された弾性部材によって、上記トルクセンサの上記本体が、上記センサハウジングの上記内周に設けられた受け部に押圧され、その結果、上記トルクセンサの上記本体が上記センサハウジングの軸方向に位置決めされていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項1または2において、
上記上ハウジングは、上記センサハウジングの上記軸方向に関して、上記ウォームの周面に対向する第1の対向部と、上記ウォームホイールの端面に対向する第2の対向部とを含み、
上記第1の対向部に、上記ウォームから逃げる逃げ部が設けられていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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